前回のフェリスの獣耳ネタから、より馬鹿な獣ネタを思い付いてやっちまいました。まぁいつもやっちまってる気がするので、実質いつも通りですね。
またお暇な時にでもお付き合いください。
王国地下保管庫。それは歴代勇者が残したチートアイテムやら、国家にとって重要なものを保管する場所である。当然ながら厳重な警備で守られていて、入ることが出来るのは極々一部の人間のみである。
「ふふふ、まさかこんな突破口があるなんて思いませんでした。抱かずにモフモフ欲だけで奥方が再起不能になれば、カズマ様の性欲は行き場を失う……そこに付け入るスキが生まれます!」
だが入れる人間が悪用する場合、実質無警戒に近いのが欠点である。そして、レインの手にした神々のチートアイテム『変身動物クッキー』も、まさかこんな悪用のされ方をするなんて予想してなかったことだろう。
……………………………
「はぁ……折角の休暇にメンタルをやられるとは、なんか損した気分だな……」
「ターニャは普通に愛されているだけだから良いだろう。私など全身の骨を使った変態プレイに付き合わされるかも知れないのだぞ?まったく、愛するなら普通に愛したいと言うのに……まぁ、私にそんな器官は無いのだがな!」
平穏な日々の代償とは、常にどこかで求められるものだ。警察が居なけりゃ治安は悪くなり、面白いことがなきゃ身の回りで事件が起こる。流石に後半はどうかと思うが、それが俺達主人公の宿命らしい。どうしよう、もう辞退したい。
「でも、2人が辱めを受けたからもう当面は平和だよな?」
「その統計学はいい加減卒業したい所ではあるが、恐らくはそういう事になるんだろう。馬鹿な部下共も落ち着いたようだし、今のうちにゆっくりさせて貰うさ」
「そうだな。こうして香り高いコーヒーで茶会が出来るのは幸せな事だ。噛み締めさせて貰うとしよう……まぁ、私には鼻も無ければ胃袋もないんだがな!」
「アインズ今日は絶好調だな〜」
とはいえ、ノリノリになるアインズの気持ちも分からなくもない。流石にこれだけの事があれば当面は平和に過ごせるだろうし、普段ベッタリの部下達も各所で視察という名の観光を楽しんでいるのだ。肩の力も抜きたくなるのだろう。
「でも、まさかレインがお茶会に呼んでくれるとは予想外だったな。一体どういう風の吹き回しだ?」
「何をおっしゃいますかカズマ様。他国の王様に近衛騎士様、更に国軍の将校様がいらっしゃっているのですよ?そんな方々が友好的に訪ねてきたら、おもてなしするのが外交の基本では無いですか?」
「あ〜、肩書的にはそうなるのか……そんなふうに考えた事なかったな……」
というか、それなら俺の待遇ももう少し良くしてくれないだろうか?前科が多過ぎるからか?
「しかし、アインズ様に何もお出しできないのは、私としても歯痒い事態です。そこで、よろしければ神々の菓子をお出ししたのですが……」
「ほぅ?私の事をそこまで気にかけて下さるとは有り難い。もし私でも食せる菓子があるのなら、是非頂いてみたいものだ」
「えっ、それって大丈夫か?いくらアインズでも、神様のチートアイテムは無効化出来ないんじゃ……」
と言うかそれ茶菓子で出していいのか?下手したら大事故に繋がりそうだけど……
「だからこそアインズ様でも食せるんですよ。それに、神々のアイテムは勇者様を補助するものですから、無意味に人に危害を加えることはありません。更にこちらのアイテムは使いこなすのが困難とのことで、私共としても持て余しているのです」
「そう言うことなら憂いはないな。では、早速いただくとしよう……」
スッ……
アインズに差し出されたその菓子とは、日本でよく見かける丸いクッキーだ。箱には動物の絵が描かれているのだが、動物の形と言うわけでは無い。本当によくある丸形である。
「はむっ……」
サクッ
「おぉ?!アインズの顎から欠片が落ちなかったぞ!」
「一体どんな魔法か知らないが、まさか骨のアインズに食事を取らせるとは………神々の力とは何でもありだな……」
アインズの噛み砕いたクッキーの片割れは、顎の下から落ちずに何処かへと消えていった。恐らくアイテムを使用する者の種族を問わないとか、魂そのものに作用するとかの効果が発動したのだろう。神様のチートアイテムって、そういう細かいサポートだけは完璧だもんな。人選と基本スペックはクソだけど……
「な、なんだこの優しく包み込むような甘さは……舌に乗せた瞬間に解け、頰が落ちそうとはまさにこの事だ!まぁ、私には舌も頬も無いんだが!」
「い、いや待てアインズ!ある!なんかお前、今は皮膚があるぞ!」
「そ、そんな馬鹿な事があるはず……なにぃ?!」
またもお気に入りのボケをかますアインズの姿は、残念だがもうそのネタが出来る見た目ではない。見事な白骨だった身体には肌色の皮膚があり、完全に生きた人間の姿をしている。ただ、何と言うかちょっと……
「なんか、メッチャ普通の人だな……」
「骨格的に凄い屈強な大男がくると思ったんだが、しがないサラリーマンのゲームオタクって感じだ……」
「何故だろう。私と同じ社畜の香りを感じる……」
「いやそこより先に突っ込むところがあるだろう?!みんな異常事態に慣れ過ぎだぞ!」
あっ、そっかこれも異常事態なのか!
……………………………
「なるほど、一番強く思い描いた動物に変身するアイテムだったのか…」
「変身するというより、その特性を取り込んだ姿になるだけです。アインズ様の場合は元々のお姿が人の骨格だったので、簡易な変身で人になったと言うわけですね」
「成程な。いやそれにしても美味いコーヒーだ。カズマの差し入れたコーラも飲めたし、味覚とは素晴らしい神の贈り物だな!」
説明無く変なクッキーを食わされたことより、アインズにとっては飯が食えることの方が重要らしい。確かにこの効能ならさほどの危険は無いように思えるし、事実として本人は満足げだ。ただ、流石に簡単な説明は必要じゃなかろうか?下手したら猿の骨格標本になっていた可能性もありそうだが……
「しかし、何より素晴らしいのはやはりそのクッキーだ。神々のアイテムと言うだけあり、今までこれほどのものを食べたことはない。地球にあれば、間違いなく世界一の評価を受けていた事だろう」
さくっ
「そこまで言われると気になるけどよ……これ食うと身体に動物要素が取り込まれるんだろ?食べたいけど猫耳の俺とか、需要ねぇと思うんだよなぁ……」
「そんなに怯えることも無いだろう?先程のアインズの話通りであれば、人のことを思い描いていれば人にしかならん。つまり、元より人の我々に、変化は無いと言うことだ」
状況をよく観察していたターニャにとって、この程度のイレギュラーは大したことではないらしい。俺もちょっと警戒してしまう所だが、やはりこれは場馴れと言うやつなのだろうか……あんまり慣れたくないなそれ……
「では私も人をイメージして……あ〜」
「な〜!」
「あっ…」
さくっ、ぽむっ
「「「あっ」」」
これは見事な伏線回収とでも言うべきか、ターニャの口にクッキーが入った瞬間、先程まで大人しかったちょむすけが突然鳴き声をあげた。いくらターニャでもこの不意打ちは予想外だったらしく、人をイメージすると言っていたターニャの頭には……
「………わ、笑いたきゃ笑え!!」
ぴこぴこ
愛らしい猫耳が生えてしまった。なにこれ可愛い。見た目だけならマジで天使。
「だ、大丈夫だターニャ!愛らしい!凄く愛らしいぞ!」
「お、おう!これはきっと需要あるぞ!俺とは違って!」
「いやお前ら下手くそ過ぎない?この状況でそれはフォローにはならないだろ……」
ターニャは可愛いと言われて嬉しくないだろうし、そもそも猫化したことが恥ずかしい訳で、褒められたから良しとはならないはずだ。
「素晴らしい!高い魔法防御を持つ転生者2人をいとも簡単に!しかも姿を変えたのに健康被害も無いなんて!これぞまさしく神の技じゃないか!」
「うわっ……なんか白い変なの来た……」
そして、どうやら類は友を呼ぶらしく。空気を読めない馬鹿が騒ぐと、同類の馬鹿が現れるらしい。なんだこれ呪いか?強欲の魔女の呪いなのか?
「白い変なのとは心外だね!少なくとも、ボクの権能を使っても説明は出来ても理解出来ない天使君よりは分かり易い女だと確信があるよ!」
「説明可能、理解不能の代表を引き合いに出すな!度合いは関係なく、ここは人格イかれてる奴はお断りだ!」
折角痛い目を見て平和な日々を手にしたと言うのに、その平和にこんなのがいたらぶち壊しだ。早いところお帰り願いたい。
「まぁまぁそんな邪険にしないでくれよ。今のクッキーの特性は君達にとっても不思議なはずだ。何せクッキーを持ってからイメージ伝達する時間は十分にあったのに、口に運ぶ一瞬だけ猫の事を考えただけでその姿は猫になっただろう?つまり記憶の読み取りは歯が当たった瞬間かクッキーが砕かれた瞬間に行われている事になり、その読み取りの速度は相当なものだ。しかしここで疑問が生じるのは、このクッキーを別人の手で食べさせた場合の変身はどちらのイメージで行われるのか?また不可思議な存在がイメージされた場合はその特殊な存在に変身は可能なのか?これは上手く使うことで伝説の生物を再現できるのか?ボクの権能の及ばない存在ゆえに、コレは実に興味深っ……んっ!」
「チェシャ猫」
サクッ……ぽむっ
情け容赦無いと言うべきか、扱いに慣れていると言うべきか……語り出して止まらなくなったエキドナの口に、スバルはそのクッキーを放り込んだ。エキドナは不思議の国のアリスなんて知らないだろうから、そのピンクの耳はスバルのイメージなのだろう。つまり、指の方から記憶を読むと言うことで間違いない。取り敢えず1個疑問は片付いたな。
「ナツキスバル!君は本当に魔女に対する扱いが雑過ぎやしないかい?!確かにいずれ食べる気ではあったけど、作用する分量とかの話とかもしたくてだね?!」
「んなこたぁいくつか持って帰って勝手にやれ!ここは俺達のお茶会なんだぞ!誰もお前なんてお呼びじゃないんだよ!」
「それはあんまりに冷たいじゃないか!ほら、ボクもお茶を用意してるんだ!これで仲間に入れてくれてもいいだろ?」
今何処からお茶出した?それがスバルが言ってたドナ茶なのか?!エキドナ成分100%とか言うエロ怪しいお茶なのか?!
「あの、スバル様?来賓自らお茶をご用意されては、我々としても断るわけにはいかないのですが……」
「おやおや?このお茶会の主催が良いというのに、ナツキスバルはボクのことを認めないと言うのかい?それは話が違うんじゃないかなぁ?」
「くっ!そう言えば主催は何も知らないレインさんだった!不法侵入のくせに来客振りやがって!」
「心外だな!ボクは君の影に居たから、ちゃんと正門から堂々とお邪魔したよ!」
「方法が斬新なだけで不法侵入に変わりねぇよ?!」
なんか、お前らちょっと仲良くなってない?そんな明るい関係じゃなかった気がするんだけど……
「まぁ、レインが良いって言うなら俺たちに拒否権は無いよな……でも、悪いがドナ茶は没収させて貰うぞ?」
「それは構わないが、それはボクから抽出されたものだよ?それを独占したいだなんて、サトウカズマは本当に性欲に忠実で困るなぁ……」
ニヤニヤ
何コイツ腹立つ。でも、今回ばかりは好きに言わせてやるさ。これは俺が飲むんじゃないしな!
「ほらアインズ。次にアクシズ教徒にあったら美人魔女の体液茶って書いてこれを配れ。エキドナの写真も付けてあるから、たぶん次はこれで逃げられる筈だ」
「ちょっとサトウカズマ?!流石にその用途はあんまりじゃないかい?!」
ヤバいと分かっているアイテムなら、いっそヤバい奴に渡してしまうのも処理方法としてはありだと思う。既にアインズは被害にあっているわけだし、こんな変態アイテムもあの変態集団には有効な筈だ。いや、むしろ変態だから有効な筈だ。
「何だその変態用ピッ◯人形は……有り難い反面残ると困るぞ……まぁ、この世界から帰る時には地面に撒けば良いか……」
「おい辞めろ。そこに小さいドナが生える」
「生えないよ?!」
あぁ、これはアレだな。スバルとエキドナの関係が変わったと言うか、エキドナがツッコミ側に回ったって感じか。変なこと言う前にもっと変なこと言ってやれば、こいつは一応止まる訳だ。律儀な魔女だな。
「と言っても、ここで変な契約を持ち掛けられると厄介だしな。悪いが、ちょっと大人しくして貰うぜ?」
ふさっ
「け、獣耳を取られた?!いやしかしこれはあくまで仮初の器官!いくらサトウカズマのテクニックが凄かろうと、私の身体に影響は…ひゃん!」
ビクンッ!
ほぅ、コイツは中々良い声で鳴くじゃないか。これは落とし甲斐があるな。
「仮初の器官なら、思い切りモフモフしてもいいよな?」
「よ、よし分かった交渉しよう!その快楽に興味がないわけではないし、この貴重なお茶会を終えたら好きにモフって構わない!さらに契約してくれるならその先を、つまりモフモフ後に女として抱かれることだってやぶさかではないよ!どうかなサトウカズマ?取り敢えずボクの耳から手を離し……ふにぁ〜!」
ビクンビクン!
「俺は別に退席させようなんて考えてないんだ。お茶会に紛れ込んだ悪戯猫を、優しく撫でて大人しくさせているだけさ」
まぁ、決して静かにはならないだろうしな。エキドナって顔に似合わず喘ぎ声デカイし……
「ほれほれ〜、割と本気目にモフってやろう〜!」
「んんっ!こ、これがサトウカズマの本気なのか……聖剣ラインハルトのイメージさえも遥か凌駕していて、彼の思い描く加護では辿り着けない領域とは……これ程までに桁違……あぁん!」
「えっ、なにそれ凄っ!ラインハルト超えるってヤバくない?!いや、中身は色々とアレだけど!」
「アレとか言うなよ!夫婦円満にはきっと大切だぞ」
まぁ、ここまで必要な嫁を貰うことは中々無いと思うけど……
「や、やめっ……本当にそれ以上は……あっ……あ……あぁ〜!」
ビクン!!
よし勝ち!
………………………
「成程。アインズ様に肉体を宿し、伝説級の魔女さえ抗えぬ快楽を与えるとは、ただの焼き菓子にしか見えませんが神のアイテムとは恐ろしいですね……」
「あぁ、後半についてはカズマが恐ろしい気もするが、再現、応用できれば我々は種族の垣根を超えるだろう。瓶の中に無限に生成される特性もあるようだし、沢山持って帰って研究しようではないか!」
エキドナの公開処刑とお茶を楽しんだ俺達は、そのままお土産としてこのクッキーを持ち帰った。俺としてはモフモフ欲を満たせて美味しい以上のアイテムでは無いが、アインズ達には相当貴重なアイテムらしい。ちなみにこれは織物の女神様のチートアイテムで、コスプレ道具として作られたそうだ。だが熊耳になると一撃必殺グマを圧倒できる筋力が出るあたり、あの人も多分加減を知らないのだろう。神様ってこんなんばっかりだな……
「しかしアインズ様。これがあれば跡取り問題は解決な気も……」
「な、ならんぞデミウルゴス!!これが本当に私の肉体とは限らないのだ!私の意志で行うとはいえ、知らぬ男の身体で大切な者を抱けるはずもない!」
「そ、それは配慮が足らず申し訳ございません!それでは確かに私とアインズ様の子とは呼べませんね!」
「そ、そうだな……うん、やはりお前も候補なのだな……」
そして、アインズの愛されっぷりも加減を知らない。まぁ、性別を超えた愛って奴なんだろうけど……
「隊長殿!!どうか10年後の自分をイメージしてこれを食して頂けませんか!」
「私は20年後を希望します!」
「可能ならグラマラスに育ったイメージでどうか!」
「却下だバカモノ!お前らは私に何を期待している?!」
「そうですよ!この猫耳だけで最高に可愛いじゃないですか!」
「セレブリャコーフ中尉のそれも何か違うぞ?!」
あっちはあっちで愛されているのだろうか?まぁ、信頼関係だけは間違いなくあるんだろうけども……
「見てみて!この耳パックとお揃いだよ?」
ピコピコ
「いやぁ、うちのリアは世界一かわいいなぁ……あっ、スバルは近寄らないでね?」
「違うんだパック!これはあくまで面白そうだからやってるだけで、決して発情のサインじゃ無いんだ!」
バサァ!
そして、こんな時にも良い子がブレないエミリアと、盛り上げようと孔雀になってしまい、発情したのがバレバレのスバル。お前らは本当に平和だな。エミリアが王座に着いたら国も平和になるわ。
「さて、それじゃそろそろこっちにも突っ込むか……何やってんだダクネスは?」
「み、見るなぁ!私の身体を見るんじゃない!」
好きに食って良いとテーブルに並べたところ、うちで1番に食い付いたのはダクネスだった。可愛らしいピンクの折れ耳を見る限り、恐らくメスブタでも想像して罵られたかったのだろう。だが、それならなんでソファーの裏に?それをイジられるのが目的なのでは?
「えっと……なんかダクネスの二の腕がいつもよりパツパツなんですけど、なんか太ったとも違うような気が……」
「覗くなエリス!これは私の予想とは違ったんだ!これは私の求めた結果じゃない!」
二の腕がパツパツって、豚として太ったならそりゃ当然な気も……
「恐らくダクネスさんは豚を肥えた醜い存在としてイメージしたんだろう
。しかし、それは人間の身勝手なイメージに過ぎず、本当の豚は家畜化しても体脂肪率15%程度、野生の個体なら余裕で10%を切る個体も多数いる筋肉質な生物なんだ。そのイメージの差異を目の当たりにして、今は後悔しているってところかな?」
「あるえは良くそんなこと知ってるな……つまりアレか?普段より一層ムキムキになって後悔してるって事か?安心しろダクネス。俺はダクネスがガッチガチでも愛してるぞ」
「ガッチガチとか言うな!これは魔道具のせいなんだ!くそぅ……もうこっちを見ないでくれぇ……」
メスブタになろうとしてた奴がそれで恥じるって言うのも変な話だけどな……
「で、なんであるえは俺の腕に?そしてそれはなんの動物だ?」
「ふふふ、これは狼の姿さ。やはり孤高を愛する私には、一匹狼が相応しいだろう?」
そう言われると、確かにあるえの耳は狼のモノにそっくりだ。と言っても犬より少し立派というだけで、完全にネームバリューで選んだのだろうけど……
「一匹狼になりたいのは分かったんだけど……ならなんで俺に張り付いてんだ?孤高な狼なんだよな?」
「それはその……なってみたら思ったより心細くなってしまって……カズマさんと離れると寂しくなるんだ……」
スリスリ
何これ可愛い。ちょっと馬鹿みたいだけど可愛いぞあるえ。やっぱり狼は群れを成す生き物だし、甘えん坊になるのも仕方ない。
「と言うことは、めぐみんのそれも狼だよな?大丈夫か?寂しくないか?」
「ふふふ!私は元より群れない女……あるえと異なり、きっちり一匹狼を貫くことが出来るのです!」
流石はめぐみん。格好良さの為なら本能にも負けないなんて、マジで無駄に強固な精神してやがる。だが、そのポーカーフェイスも今は無意味だ。何故なら、嘘がつけない器官が追加されたからな。
「ねぇめぐみん?なんか、貴女の尻尾が凄く下を向いているのだけど……無理しないで甘えてもいいのよ?」
「な、何を言うのです師匠!私は誰にでも尻尾を振る犬ではありませんから、これがむしろ普通なのです!決して寂しいとかじゃ無いですから!」シュン
必死に弁明を続けるめぐみんだが、その言葉の真意は尻尾でバレバレである。確かにこれは扱いにくいアイテムだ。冒険中にこれでは面倒が起こる。
「めぐみんも無理しないで甘えて良いぞ?どちらかと言えば猫派の俺だが、可愛い犬も大歓迎だからな!」
「べ、別に甘えたいとか無いですから!まぁ、カズマが愛くるしい私を愛でたいと言うのなら、特別に考えなくもないですけど?」
フリフリ
なにこれ可愛い。ツンデレは面倒くさいと思っていたが、ここまでチョロいと普通に可愛い。これはとても良いアイテムかも知れん。
「よしよ〜し、めぐみんは本当に可愛いなぁ……」
なでなで
「な、なんですかそれ……別にそんなの、嬉しくも何ともないですし……」
ブンブンブンブン!!
「「「「「めぐみん(さん)は可愛いなぁ」」」」」
「な、なんなのですか皆して?!」
いやこれは満場一致だよ。犬めぐみん超可愛いもん。これはもう優勝で良いんじゃないかな!
……………………………
「いやぁ、それにしても今回のチートアイテムは大当たりだったな!たまにはこういうアイテムがあっても良いよな?」
「皆さん楽しそうでしたもんね。本当に、良い仲間に恵まれたと思います」
チートアイテムによるコスプレパーティで盛り上がった後、あいつらは自分の世界へ帰っていった。途中で酒の入ったクルシュが「ハイエナのメスにはアレが生えているんだぞフェリス?」なんて言い出して別室で色々あった以外は、特に何事もなく平和だったと思う。
「……この日常は続くよな?」
「はい。カズマさんのお陰で魔王は居ませんし、きっとずっと続きます」
俺とエリスは静かになったリビングの一角、山積みの贈り物を前にそんな話をしていた。確かに平穏無事とは行かなかったけど、この数日は本当に楽しかったと思う。それこそ、ずっと続けば良いと思うほど……
「よし!今日はもう寝るか!エリスの猫耳を堪能してないし、優しい抱き方なら解禁されたしな?」
「そうですね。また明日も平穏無事に過ごすために、十分な休息は必要だと思います。なのでその……程々にしてくれると……」
ピコピコ
同じ日常は二度と来ないが、新しい日常はきっともっと楽しい。そう思えば、この慌ただしい日々も悪くない。少しだけ膨らんだエリスのお腹を見ていたら、俺はそう考えるようになった。
「ははは!それは約束できない相談だな!さぁ、可愛い子猫と戯れの時か……」
ガチャッ
何処だ?俺は今何処で死亡フラグを立てた?!いやだとしてとこれは不味い!そう言えば宴会の後半で見かけなかったとは思っていたが、まさかこんな結末だと?!
「か、カズマさん……カズマさんって、バニーガールがお好きでしたよね?ただその、ウサギになると身体が凄く火照ってしまって……リッチーなのにおかしいですよね?」
「わ、私はこの生活的にライオンかなって思ったんですけど……ただその、ライオンって実は性欲強いみたいで……」
「あ、あたしは別に媚びるためじゃないからな!でも、ハム助見ながら食ったからハムスターの特性で、ちょっとムラムラきてるって言うか……」
いやいやいや!ウィズとゆんゆんとセレナは不味いって!これまた腹上死する流れじゃないの?!いやまだいける!ハンドリングテクニックで二人相手すれば、暴走したやつの相手は実質1人で……
「……にゃ〜」
スリスリ
えっ、ちょっとエリスさん?まさか貴女もムラムラ来てます?!ちょっと流石にこのメンツは……
「あ、あの……出来たら順番に並んでとか……あっ、はい無理ですよねー!!」
ドサッ
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
物語にケモっ娘が出てくるのに、本編でケモっ娘ヒロインは居ません。
身体(尻尾)は正直だな!ってやりたかっただけなのですが、ふざけていたら1話使いました。次は予想外の方向に舵が切られます。
まぁ、ブレずに酷い話です。
また不定期ではありますが、お暇な時にでもお付き合いください。