※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

146 / 226
いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

レインはしたたかで逞しい系の貴族です。でも、そういうタイプがデレると可愛いと思うのです。ということで、クレアに引き続きレインもヒロイン目線で初体験(?)といきましょう。まぁ、今更普通の流れにはしませんが(笑)

またお暇な時にでもお付き合いください。


第三十五夜目、このしたたかな家臣にメス堕ちを

物心ついた頃から、私は損得勘定が得意でした。それは貧乏貴族という身の上に生まれた私が、生き残る為に必死に身に着けた技術であり、金勘定から人との付き合い方に至るまで、それはもう多様なものに対し発揮される私の特技です。

 

「なぁレイン。東部の商業ギルドと南部の冒険者ギルドから食事会の招待状が届いているんだが、その日付が重なってしまっていてな。出来れば商業ギルドの方へ赴いて欲しいのだが……」

 

「それならば、私が南部の冒険者ギルドに行くべきでしょう。南部はポーションの流通量が少ない季節にリザードランナーの大量発生が重なってしまったと聞いているので、この機会に大口の取引を結べるかも知れません。クレアは東部の行商ルートの新規開拓に付いて話をしてきてください。盗賊とゴブリンの出る旧ルートを避ける場合、シンフォニア家の領地を通過したいと申し出て来ると思います。であれば、今のうちに話をしておくのが良いでしょう」

 

「ふむ、流石だなレイン。向こうの思惑がそれなら、その指示に従うとしよう。そっちは頼んだぞ」

 

「えぇ、任せてください」

 

身内の損得に繋がる情報は、こうして常に手札として持っています。それが私の存在価値であり、この身分に登り詰められた理由だからです。ただ、この特技が正確だからこそ、時には辛い判断をすることもあります。

 

「あまり日もありませんし、私は交易にかかる費用の算出を行いますので、クレアはカズマ様に大口取引の話があるからと呼んできてください。近頃は随分と仲良くなったようですし、この機会を活用してはどうですか?」

 

「べ、別に仲良くなどしていない!ただ、レインの頼みだから行くだけだ……でもその、ありがとう……」

 

「ふふふ、どういたしまして」

 

カズマ様に会った所で、私は両者が得をする何かを持ち合わせていません。なので、カズマ様に会いたいであろうクレアにお使いを頼むことで、クレアへの貸しを作るという判断になります。上手くいくかわからないアピールをするより、クレアに貸しを作るほうが確実に得をする。損得勘定だけで考えれば、これが最適解と言うことになるわけです。

 

「では、私は自室で作業しますので、カズマ様によろしく」

 

「あ、あぁ……いってくる……」

 

ただ、それでもほんの少しだけ悔しいと思うのは、損得とは違う理由なのでしょう。恋する乙女の顔をするクレアが、今はとても羨ましいので……

 

…………………

 

「普通の貴族の損得勘定では、殆ど赤字と言うべきでしょうか……しかし、カズマ様達には間違いなく黒字、悪くない取引になりそうです」

 

損得勘定というものは、誰の目線かで話が変わるものです。例えば、このポーションの販売利益は微妙だとしても、リザードランナーの早期討伐は流通において大きな意味を持ちます。特にカズマ様のように商品を全国に展開している商人にとって、商品の流通量はそのまま利益に関わる為、計算が少し複雑になるのです。と言っても、繰り返しアピールを続けてきた私には、もう慣れたものですが……

 

「ふぅ、これでカズマ様に報告する資料は良いでしょう。後はクレアがカズマ様を連れてくれば……あら?」

 

その時ふと部屋の時計をみると、あれから1時間経過していることが分かりました。今日はカズマ様に目立った予定は無かった筈なので、とっくにコチラに着いていてもおかしくはありません。となると、クレアと何かしていると考えるのが自然でしょう。あえて何とは言いませんが、恐らくは男女で行われることを……

 

「まぁ、これでクレアへの貸しが大きくなったと思えば、私にとっても悪い話ではないですから……」

 

でも、損得だけで割り切れない部分はどうしてもあります。一緒に身を捧げようとしたのに、何故クレアだけが愛されるのでしょう。私が魔女に騙された時は、あんなにも優しく、気持ち良くしてくれたのに……

 

「これは、カズマ様が悪いんですからね……」

 

そんな苛立ちをぶつけるように、私は自分の女性器に手を伸ばしました。思春期から続く悪癖が、まさか今になって悪化するなんて思いませんでした。でも、これも全部カズマ様が悪いのです。だって、生娘に舌で奉仕するなんて、そんなの性癖が歪むに決まっていますもの。

 

「あっ……凄い濡れて……んっ!」

 

たっぷりと蜜を溜めた割目に指を置き、下着越しにゆっくりとなぞる。敏感な部分は下着越しに擦り上げ、直接触れるのは入口だけ……長らくこの方法で自分を慰めてきましたが、今となっては物足りないと感じてしまいます。でも、その先に踏み込む勇気はありません。だから、この責任はカズマ様が取るべきだと思うのです。私を快楽の虜にして、思うまま鳴かせた責任を。

 

「はぁはぁ、カズマ様の舌が忘れられません……頭が真っ白になるくらい気持ちよくて……あんなの知ったら戻れないじゃないですか……んっ!」

 

カズマ様の舌と唇の感触が、甘く蕩けるような愛撫の快楽が、頭にこびり付いて離れません。あんなに気持ち良くされて抱いてくれないなんて、こんなの生殺しにも程があります。今からでも良いから、ちゃんと最後まで私を……

 

「えっと……して欲しいなら全然するけど……今は集中したいんじゃないのか?」

 

「……………えっ?」

 

盛り上がってきた私に声をかけたのは、部屋の隅で観葉植物の葉を剪定しているカズマ様でした。書類整理中には居ませんでしたし、だからってしてる最中に無音で入ってくるなんて非常識な事はしないはず。つまり、これはこちら側に何かしらの落ち度があったと考えるべきです。先ずは自分を疑い、相手を疑うのはその後にすべき。それが取引を上手く運ぶコツなのです。ですが………

 

「いやどう考えてもおかしいです!ちょっとした伝達ミスがあったかと思いましたが、どんな理由があって私の……その……あれしてる時に入ってくるんですか?!」

 

「えっ?クレアが「レインは集中してると思うから邪魔しないでやってくれ」って言うから手土産を買ってから来たんだけど、まだ集中してる最中だったから、気を遣ってこっそりと……」

 

「何処に「自慰行為に集中するから邪魔しないで」なんて言う人間が居るんですか?!それは仕事に集中してるって意味ですよ!こういう時には入室しないか、せめてノックしてから入ってください!!」

 

「ご、ごめん……」

 

あぁもう!なんでクレアはこうも間が悪いのですか!仲良くなったのですから一回抱かれてから案内しなさい!取り敢えずセックスするのがカズマ様でしょうが!!

 

……………………

 

「なるほど、つまりポーション不足で大規模討伐が出来ないのに、リザードランナーのせいでポーションの運搬もままならないと……そりゃ俺達には大打撃だな」

 

「え、えぇ……それで急ぎ対応をすべきかと……」

 

ちょっと恥ずかしい姿を見せてしまいましたが、それでも本来の目的を果たさないのでは本末転倒です。そう、私は優秀な側近のレイン。例えどんなに追い込まれたとしても、仕事は完璧にこなします!

※オナニーしてて勝手に追い込まれただけですが、今日はツッコミが不在です。

 

「分かった。護衛と商品はこっちで用意するから、レインはギルドとの交渉をまとめてくれ。レインのプランなら大丈夫だと思うけど、ケチって人が死ぬような討伐クエストにならないようにな?」

 

「そちらはお任せください。これでも兵を動かす身ですから。それで、他に質問はありませんか?」

 

良かった。取り敢えず交渉が上手くいけば、後は私の得意分野です。最初は恥をさらしましたが、それもこれで帳消しに……

 

「……結局レインは俺にして欲しいの?それとも、オカズにしたら満足なの?」

 

「………へっ?!」

 

ちょっと待ってください。いまこのタイミングでそれ聞きます?!さっきまで何事もなかったように振る舞ってたのに、どうして最後の最後で聞いちゃうんですか?!そりゃカズマ様にしてもらえたら嬉しいですけど、それをシラフで頼んだら完全に痴女じゃないですか!

 

「さ、さっきのは見なかった事にしてください!あれは本当にどうにかしてただけで、私は本来そんな娘じゃ……」

 

「えっ?でもエキドナが日課だって……」

 

「違います!!あれは頭のおかしい魔女の妄言です!私を貶める為に、性悪の魔女がついた嘘なんです!!」

 

本当は毎日してますが、でも流石にそんなのカズマ様には言えません。はしたない女だと思われたくないですし、それで嫌われたら私はもう立ち直れませんし……

 

「なんだ嘘かよ……お硬そうなレインがエッチな娘とか、男としてはスゲー興奮する要素なんだけどな……」

 

「な、何を馬鹿なことを言ってるのですか!そうやって私を辱めて楽しむなんて、やはりカズマ様は性格が悪いです!エリス様に謝ってください!」

 

「いやエリスは関係なくない?!」

 

自慰が辞められない娘に興奮するとか、そんな馬鹿な話があるはずありません。特に私は貴族令嬢、そんな欲に溺れた行為が許されるはずがないのです。カズマ様の奉仕で逝ってしまったのだって、本当は凄く不本意な事であって…………

じわっ

 

「……い、一応聞いておいてあげますが、カズマ様は私がエッチな娘だったら、一体どうするおつもりだったんですか?今夜の相手でもしてくれたのですか?」

 

「んっ?そりゃ俺達の間柄だし……舐めてあげるくらいなら……」

 

「なっ、舐め?!」

 

耳元で囁くカズマ様の言葉に、私は身を震わせました。それは私にとって何よりも魅力的な提案で……と言うかそれもう抱くと宣言しているようなものですよね?!いえ、まずは落ち着きましょう。これはきっとカズマ様の罠に違いありません。それで飛び付いた私を見て「へぇ、本当にレインはスケベなんだな。ほら、抱いてやるから脚を開けよ!」とか言うに決まってます!いや、それはそれで抱かれますけど……でも、馬鹿にされて終わる可能性だってありますよね。私は以前ヤバいお薬をカズマ様に盛った事もありましたし、恨まれていても不思議では無いですからね。

 

「………まったく、馬鹿なことを言わないでください。貴族令嬢を誘うなら、もっとマシな口説き文句があると思いますが?」

 

そう、だからこれが貴族令嬢として完璧な返答です。カズマ様の奉仕は捨て難いですが、だとしてもエッチな令嬢だと思われてまで求めることではありません。私は出来る貴族令嬢のレイン。その有能さでこそ、カズマ様に求めて頂くべきなのです。

 

「そっか、なら俺はもう帰るとするよ。また良い取引があったら教えてくれよな?」

 

「えぇ、お疲れ様でした」

 

おや、少しくらい何か言われると思いましたが、思ったよりあっさり引くのですね?やはりこれは罠だったと見るべきでしょう。これでもし誘惑に屈していたら、きっと馬鹿にされていたと思います。

 

 

……………その夜……………

 

 

「はぁ…はぁ……んんっ!………ふぅ、またやってしまいました……」

 

カズマ様の奉仕を受けてからというもの、私は自分を慰める回数が増えた気がします。そりゃ想い人にあんな事されたわけですし、多少は仕方ないと思うのです。でも、流石に好きに楽しむわけにはいきません。この薄い壁の向こう側では、アイリス様が就寝中なのですから。

 

「これで嬌声でも聞かれた日には、きっと変な教えを乞われるのでしょうね……最近は、そういうのが気になるお年頃みたいですし……」

 

アイリス様に悪影響なのは、自分だってわかっています。でも、辞めたいから辞めるなんて出来ないのが悪癖であり、若さゆえに消えないのが性欲というものなのです。いっそカズマ様に抱いて貰えたら、こんな悶々とする必要はないのでしょうけど……

 

「でも、流石にここを狙う暗殺者なんて居ないでしょうし、部屋割りは変えてもいい気がしますね。ここの防衛魔法陣は、何せ女神様のお手製ですし……」

 

何せここの結界はアクア様が、防衛用の魔法陣はウォルバク様のお手製です。あの二人が時給800エリスのバイトに来た時には、流石に我が目を疑いましたもん。

 

「そのお陰か、今までネズミ一匹入れてませんし、明日は部屋の話をしても……んむ?!」

がばっ

 

なんてフラグを立ててしまったからなのか、私は謎の刺客に口を塞がれ、そのままうつ伏せにベッドに押し倒されました。太ももに忍ばせていた杖も奪われていますし、どうやら相手は相当の手練れのようです。とはいえ、今殺されてないと言うことは、まだ生き残るチャンスは……

ぬちゅっ

 

「んんっ?!」

 

えっ?いま私の下半身に指を!ま、まさかここに忍び込んでまで私を夜這いに来たって言うのですか?!そりゃ私だって貴族の身ですし、そういう方法で娶られることもあるのは知ってますが……それでもここまで来ますか普通?!あ、それと濡れてたのは貴方のせいじゃないですからね!それ自前で濡れただけですからね!

 

「なるほど、こりゃ重症だな……」

 

「えっ、その声はカズマ様?」

 

「はい正解。久々に忍び込んでみたけど、やっぱり警備は穴だらけだな。その気になれば、俺は今頃レインと3回は子作り出来てたぞ?」

 

「その回数は正気ですか?!」

 

一瞬だけ嫌な覚悟をしそうになりましたが、どうやらそれは私の思い違いのようです。私を羽交い締めにしてるのがカズマ様なら、おそらくはこの来訪も意味があるのでしょう。面白がって潜入したって事はあるかも知れませんが、それでも私の身の危険は去ったと思います。ちなみに言っておきますが、これはメリッサさんでも数分で諦める警備です。盗賊スキルと魔法を同時に使用して、しかも謎の潜入技術を持つ貴方が異常だと自覚してください。

 

「まったく、夜這いの作法も知らない男だと思ったら、本当の無作法者でしたか……夜這いと言うのは、ちゃんと愛の言葉なりを先に伝えておくものであって……」

 

「好きだ」

 

「へっ?んんっ!」

 

完全に油断していた私の唇に、突然カズマ様の唇が重ねられました。直前には愛の言葉もありましたし、まさか本当の意味で夜這いを?!

 

「壁が薄いみたいだし、あんまり大きな声は出すなよ?なるべく痛くしないからさ」

 

「ま、待ってください。突然のことで状況が読み込めないんですけど、これはまさか本気で……」

 

「あぁ、俺はレインを夜這いに来たんだ。だから、このまま素直に抱かれてくれ」

 

「ちょっ………あっ……」

ぐっ、ぽすっ

 

慌てて問いかけた私の質問に、カズマ様はさも当然のように応え、そのまま私を押し倒しました。これはつまりそういう事ですよね?私を抱くために夜這いに来たんですから、私はこれから抱かれるってことですよね?!冗談とかじゃないんですよね?!

 

「あ、あの……決して嫌では無いのですが、カズマ様が私を愛してくれる理由が見当たらないと言いますか、好きだからって理由で名前などを利用した事実は消えないと言いますか、ヤバめの薬を盛った件とか恨まれていてもおかしくないと思うのでその…………本当に私で良いのですか?」

 

自分で言ってて悲しくなりますが、この状況は私でも想定して居ませんでした。時折エッチな誘惑はありましたが、それでも本気で愛されているなんて想像さえしてません。だってヤバめの薬とか盛る女ですよ?良くても妾か、普通に考えれば精処理をさせる使用人が精々だと思うのですが……

 

「好きな相手を抱くのが夜這いなら、これは間違いなく夜這いだろ?裏のないレインなんて可愛いだけだし、事故とは言えあんな事したんだ。ちゃんと責任は取るつもりだぞ?」

 

「か、かわっ?!そ、そういう事だけはハッキリ言うの……ちょっとズルイと思います……」

 

どうしましょう!あれだけ望んだカズマ様の寵愛が、まさかこんなタイミングで舞い込んでくるなんて予想してません!そりゃ立場的には妾でしょうけど、カズマ様のものになるなら覚悟の上です!救われてからずっと憧れてましたし、間違いなく大切にしてくれますし、ついでに将来も安泰ですし、なんなら身分も安泰ですし、仕事サボっても養ってくれそうですし!

※ちゃんと愛もありますが、彼女は少々たくましいので大変わかりにくい仕様になっております。

 

「ならこれから先は合意だな。ほら、合意なんだからもう言えるよな?ずっと舐めて欲しかったんだろ?」

 

「うぅ……やっぱり、それは言わなきゃ駄目なのですか?」

 

「言わないとしてやらない」

 

「もう、こんな時まで意地悪なんですね……」

 

念願の愛瀬が始まると思いきや、やはりそこはカズマ様。甘い時間が無条件で訪れるなんて事はなく、まさかの初手で羞恥プレイです。でも、今では私もカズマ様の女。もう何も我慢などする必要が無いのですから、こんなものなんの障害でもありません。だって、本当の私は凄くエッチな女の子なんですから……

 

「カズマ様……舐めて……」

 

「うん、良く言えました……」

 

スカートを捲りながらそんな事を囁やけば、羞恥と興奮が私の身体を熱くします。貴族の私がこんな卑猥なおねだりをするなんて、正直考えたこともありませんでした。でも、これと引き換えにあの快楽が与えてもらえるなら、あんなに幸せな時間が過ごせるなら、こんな羞恥は安いものです。

 

「声は抑えろよ……んっ…」

ちゃぶっ

 

「は、はい……頑張りま……んっ……」

 

待ち望んだ舌の感触が、濡れた割れ目を優しく撫でました。それは甘く優しい快楽の波となり、この身体をゆっくりと熱くしていきます。ただ、以前と比べて少し物足りないと感じますが、これは恐らく、私が声を我慢できるギリギリの強さなのでしょう。壁の薄さも把握済みのようですし……

 

「前はもっと強めだったから、これじゃもどかしいかな?」

 

「大丈夫です……ちゃんと、気持ち良い……ですから……んっ」

 

本音を言えばもどかしいですが、これ以上の快楽には声が抑えられそうにありません。それに、このねっとりと舐められるフワフワするような快楽と言うのも、決して嫌いでは無いですし……

 

「あ、あっ……カズマ様の……気持ち良い……はっ?!隠れてください!」

ドタドタ……バダン!

 

「レインいるか?!」

 

「ど、どうしたのですかクレア?ノックもなしに部屋に来るなど、流石に非常識ではないですか?」

 

私がもどかしくも優しい快楽に浸っていると、突然部屋にクレアが飛び込んで来ました。壁の薄さで助かりましたが、カズマ様にして貰っている姿を見られたらなんて言われるか分かりません。羨ましがられたらちょっといい気分ですけど、流石に見せ付ける趣味はないですし……

 

「アイリス様が居ないのだ!パジャマも脱ぎ捨てられているし、こっそり部屋を抜け出したみたいで!」

 

「………またですか?」

 

「へっ?また?!」

 

どうやらクレアは知らないようですが、アイリス様はカズマ様を目標に、屋敷の中で隠密行動の練習をしています。と言っても外に出れば魔法でバレますし、せいぜい台所で私のパンケーキ用のチョコレートをつまみ食いするくらいの可愛い冒険です。

 

「まったく、そのために外出を検出する魔法陣を書いてもらったのですよ?間違いなく屋敷には居ますから、取り敢えずキッチンから順番に……んっ!」

 

「……んっ?」

 

咄嗟に潜らせた布団の中、カズマ様の舌が再び私の割れ目をなぞりました。それは先程よりも敏感な所に触れ、身構えていない私は甘い声が漏れてしまいます。まさかクレアの前で続きをするなんて、そんなの予想出来るはずがありません。

 

「い、いえ……少し喉の様子がおかしくて……今のは咳払いです……」

 

「そ、そうか……お大事にな……それで、アイリス様の行き先は思い当たるのか?」

 

「そ、それならつまみ食いに台所と……んっ……猫の来る中庭が……候補かと……んんっ!」

 

「ほ、本当にそれは大丈夫なのか?!」

 

クレアが眼の前に居るというのに、カズマ様はその舌を止めてはくれません。敏感な陰核の近くを執拗になぞり、私のことをもて遊び続けています。私はララティーナ様のような変態では無いのですが、こんなに気持ち良い舌使いで責められたら、我慢なんて出来ません。

 

「す、少し熱っぽいみたいなので……明日は安静に……んっ…したいと思います……はぅ…」

 

「そ、そうすると良い。では、私はアイリス様を探しに行くが、レインは安静にしていてくれ……」

 

踵を返したクレアを見ながら、私は安堵で胸を撫で下ろしました。カズマ様ならクレアの前で私を逝かせるくらいしそうでしたが、流石にそこまで変態では無かったようです。でも、ほんの少しだけ残念に思ってしまうのは、やっぱり私の性欲が強いからで……ん?!

 

「あっ……まだクレアが居るのにそんな……あっ……あっ……」

 

会話の終わりで油断したのか、それともギリギリで弄ばれているのか、クレアが部屋から出る直前になり、カズマ様の舌が激しく私を責め立てました。これは以前味わった私を逝かせる為の舌使いであり、本気でされたら今すぐにでも私は声を上げて達してしまうでしょう。じっくり高められたこの状態では、と言うか万全の準備をしたとしても、我慢など出来るはずがないですもん。

 

「どうしたレイン?やはり体調が悪いなら病院かレジーナ教会に……」

 

あっ、駄目。来ないでクレア。私はもう逝きそうで、近くで見られたら感じているのがバレてしまいます。でも、もう声を抑えるのも限界です。なら、いっそ我慢しなければ……

 

「あっ……い、逝きます……逝くっ!」

ビクンッ!

 

「へっ?そんな力強く言われても困るが……今夜は早く寝るんだぞ?」

 

「はぁはぁ……そう、します……」

 

私が声を荒げたことで、クレアはその歩みを止めて部屋を出ました。咄嗟の機転で浪漫小説の真似事なんてしてみましたが、割となんとかなるものです。まさか同僚の目の前で逝く事になるなんて予想もしてませんでしたが、それはクレアだって同じ事です。怪しまれはしたとしても、流石に愛撫されて逝ったとはバレてはいないでしょう。バレていたら死にたいです。

 

「ふぅ、まさかそんな高度なプレイで回避するとは、レインはやっぱり才能あるな?」

 

「か、カズマ様が意地悪するからですよ!でも、これで声を聞かれる相手は居なくなりました。だから……」

ぎゅっ

 

私はカズマ様の手を取って、まっすぐに目を見つめました。今なら誰も邪魔しては来ない。アイリス様もクレアも不在なら、薄い壁の向こうは無人です。だから……

 

「分かった。じゃあ、もう手加減は無しだな」

 

「はい。お願いします……んっ!」

ぐちっ

 

濡れた割れ目に押し当てられる、カズマ様の硬いもの。私の待ち望んだ瞬間が、遂に眼の前にやってきました。アイリス様ごめんなさい。私は一足先に、カズマ様に抱かれます。

 

「レイン、愛してる」

 

「い、今それを言うのは……んんっ!」

ずぶっ

 

やっと貰えた愛の言葉と、やっと奪ってもらえた私の初めて……きっと前者はリップサービスなのだろうと理解しつつも、抱かれた事実がそれを上塗りしてくれます。ただ、それにしたって痛くなかったのが気になります。太ももを伝う破瓜の血が、まるで自分のものではないかのようです。

 

「痛みは平気そうだな?それじゃ、そろそろ本気でするからな」

 

「はい……覚悟は出来ています……あっ……」

 

私の無事を確認したカズマ様は、まるで形を覚えさせるかのようにゆっくりと腰を動かし始めました。いくら本気とは言えそこは性のプロフェッショナル。苦痛のない抱き方を心得て……

ズブ!

 

「んんっ!」

ビクッ!!

 

えっ?今なんか頭のてっぺんまで痺れるような感覚が走ったんですが!と言うか、擦れてる場所凄い気持ち良い所ばっかりなんですけど、これ人の再現できる範疇のエッチですか?!

 

「あ、あのカズマ様?!なにか違和感があるのですが、まさか淫魔のスキルを使っているなんて事は……んんっ!」

 

「そんなの初体験で使うわけ無いだろ?これはあくまで俺の力で、今はまだ気持ち良いところを探ってる最中だ」

 

探ってる?この数分で失禁しそうな快楽が、まさか探ってる途中の副産物だと言うのですか?だとしたら本気で抱いてなんて言えませんよ。これ以上の快楽で抱かれたりなんかしたら、下手すると廃人になるような……

 

「んっ、何となくわかったから本気で抱くぞ。ちゃんと力抜いてろよ?」

 

「あっ、それは少しだけ待っ……はぁん!!」

 

直前で気付いた自身のピンチを、私はあと一歩の所で言えませんでした。愛する人の全てを求めるあまり、私は1つの大きな勘違いに気が付かなかったのです。淫魔にとってのまぐわいとはもはや、我々の言う藍瀬ではなく、一方的な蹂躙になると言うことを……

 

「本当に可愛い反応するよなレインは……ほら、ここが好きなんだろ?折角の初体験なんだから、ちゃんと気持ち良くしてやるからな」

 

「こ、こんな凄いなんて聞いてな……ちょっと、待っ……そこ本当に気持ち良い……あぁん!」

 

見た目には優しいカズマ様の寵愛も、全力であれば人智を超えた快楽を生む……正しくは人の手で届く範囲なのでしょうけども、だとしても到達した人など居ない筈です。逝っているのに高まり続ける興奮と快楽に、もはや理性ではなく思考を溶かす抱き方の数々……こんなものの存在が世に出れば、間違いなく悪用する者が後を絶たない筈ですから……

 

「あの真面目なレインが性欲強めで、しかもこんなに感じ易いエッチな身体をしてるなんて、こりゃマジで手加減出来そうにないな……」

 

「だ、だめです……こんなの知ったら戻れなくなっちゃう……もう逝ってるのにもっと欲しくなって……あっ……また逝くっ!」

 

初めての挿入から数往復で絶頂し、また数往復でより深い絶頂へ……既に呼吸さえままならない程に興奮と消耗をしているのに、それでも性欲は収まらない。サキュバスやインキュバス相手に死ぬ冒険者が、どうして心臓麻痺で死ぬのかわかった気がします。そして、危険とわかっていてもなお、抗えずに死ぬその理由も………

 

「俺ももう限界だ。レインの中でいいんだよな?」

 

「は、はい……最期の一回は……カズマ様と…一緒に……あぁん!」

 

この圧倒的な多幸感の前には、もはや自分の命さえどうでも良くなってしまうのです。既に酸欠の朦朧とした頭では、もう眼の前の快楽しか見えないのです。

 

「イクぞレイン!このまま中で!」

 

射精間近となったカズマ様には、きっと私の異常は分からないのでしょう。でも、それだけ私に夢中になってくれたのなら、私を孕ませることしか頭にないのなら、それはそれで嬉しいのです。だから、このまま貴方の腕で最後まで……

 

「はい!このままカズマ様ので逝かせて……いっそ天国まで連れて行って!!」

 

「流石にそれは駄目です!『ゴッドブロー』!」

ドゴッ!

 

「ごふっ!えっ?なんでエリスがここに?!」

 

絶頂により白く霞む視界の端から、何故かエリス様の声が聞こえました。カズマ様に抱かれて死に、その奥様に見送られるなんて気不味いにも程がありますが、愛する人と結ばれた訳ですし、そんなに悪い死に方では……

 

「『ヒール』!ちょっとレインさん!良い感じに落ちかけている所悪いんですけど、貴女にも色々と言いたいことがありますからね?!と言うか不倫ついでに死なないでください!私の立ち位置が凄い微妙なことになりますから!!」

 

「あっはい。すみませんでした……」

 

でも、出来たら話すまでにちょっと時間をください。私、今むしろ死にたい気分なので………

 

…………………

 

「もう、死んでしまいたい……」

 

客室に座るエリス様の前で、私は両手で顔を覆っていました。しかし、これはエリス様に浮気がバレたとか、カズマ様とのセックスで死にかけたからではありません。この羞恥の理由というのは……

 

「と言う訳なのですエリス様!本当にレインは悪くないのです!全ては、あの悪い魔女の仕業なのです!」

 

えぇそうです。ここで熱い弁護を繰り広げている、私の主がその理由です。

 

「えっと……では、レインさんはカズマさんを地位や権力のために誑かしたわけではなくて……」

 

「そんな事はありません!あの真面目なレインが、魔女の呪いで発情状態になったのをお兄様に相談したら「そういうのは、大抵逝けば治るだろ?」と言う事で対応いただいただけなのです!」

 

「カズマさん、その発言に関しては後で話があります」

 

「すみませんでした!」

 

ちょっともう辞めてもらえません?それは当日にカズマ様に解いてもらいましたし、そもそもあれはチートアイテムの副作用です。そりゃ心配されるのも庇ってもらえるのも嬉しいですけど、これ以上私の傷を抉らないでください……

 

「発情の呪いって……それはどんな効果なのですか?」

 

「あの真面目なレインが一人遊びに没頭して、薄い壁の向こうを気遣え無い程にムラムラする呪いです!」

 

はい殺してくださ〜い。気付かれてたとか本当に殺してください!私もうアイリス様にどんな顔して説教すればいいんですか?笑えばいいんですか?

 

「俺も一応確認したけど、確かにアイリスの読みは当たっていたと思う。処女のレインがあんな痴女みたいな狙った反応するなんて、間違いなくまともじゃなかった。あんなの呪いか、ゆんゆんの親族以外ありえない。処女なのに「舐めて」とか言ってたし!」

 

は〜い、カズマ様も一緒に死んでくださ〜い。確認方法で「舐めてあげる」とか言うのも辞めてください。そもそも私にその気持ち良さを教えたのも貴方ですからね?!

 

「し、しかし!それならなんで私に相談をしなかったんですか!私なら呪いなんて簡単に解けますし、カズマさんに抱かれる必要なんて……」

 

「レインは呪われてる自覚がなかったので、もし私達が現状を把握していると知れば傷つくと思ったんです。でも、これは間違いなく呪い。あの真面目なレインが、毎晩お兄様の名前を呼びながら4回も自らを慰めるなんてするはずがありません!だってここの壁はとても薄いんです!呪いでなければ公開オナニーする変態です!」

 

「た、たしかにそれはおかしいです…まさか、そんなに追い込まれていたなんて……」

 

ここまで追い込んでくるなんて……私なんかしましたっけ?!いや不倫はしたんですけども!

 

「気付いてやれずにすまなかった……レインが呪いで拗らせていたなんて、本来なら1番身近な私が気付くべきだっのに……」

 

ちょっとクレア?そのガチトーンも凹むので辞めてください!あと拗らせてるって表現も辞めて!素の私が拗らさてるみたいですから!まぁ拗らせてるとは思いますけど!!

 

「と言うことなのですエリス様!どうかレインには寛大な処置をお願いします!悪いのは全て、白い魔女と薄い壁なのですから!」

 

いやそれは流石に許されますかね?魔女はともかく薄い壁って、もうふざけているとしか……

 

「なるほど……汝、薄い壁から漏れた行為の音には触れるべからず……同じく薄い壁に泣かされた同士というのであれば、この罪を許さないわけにはいきませんね……」

 

「あっ、そこは許されるんだ……と言うかそんな教示あるんだ………」

 

エリス様の寛大な心と、全く聞いたこと無い教示により、私とカズマ様の浮気エッチはお咎めなしと言うことになりました。カズマ様は死にかけるまでエリス様に絞られていた気がするのですが、あれはお咎めではないそうです。ちなみに、もう自分では満足できなくなった私の性欲はと言うと……

 

「カズマ様の舌技フル堪能コースですね。お近くの宿でお待ち下さい!」

 

「あっ、これポイント溜まったので今回無料で……」

 

今ではサキュバス店へ通って解消しています……くっころぉ………




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

舌先三寸とか良く言いますが、口の上手い人が別の意味で口の上手い人に良いようにされると言うギャグでこの展開です。ちなみに、今回の口が上手い人はエキドナとレインとカズマです。最後だけ意味が違います。

そんなこんなで側近がお手付き?になったこともあり、そろそろ……
また不定期更新ですが、お暇な時にでもお付き合いください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。