リアは同じ日本人と言うこともあり、カズマとの距離はまぁまぁ近いことになるわけです。そんな距離感近い男女がいたら、いやらしい雰囲気にしてやるぜテロが流行ったりするわけですが……今回は私がやりした。(自首)
またお暇なときにでもお付き合いください。
ペットの飼い主には責任が生じる。その責任が発生するのは餌を与えた瞬間であったり、首輪をつけた瞬間だったり、きっかけは多岐に渡ると思うが、それでもその責任から逃げることは許されない。命を預かると決めたからには、その責任は全うして然るべきなのだ。ちなみに今回のきっかけはと言うと、餌付けとプロデューサー契約という名の首輪の装着、そして住処の清掃とヘアセットと呼ぶブラッシング等など、正直思い当たる事が多過ぎるので、あえて理由を探るのは辞めた。
「完全にテイムされてるわね……双方向の契約だし、これでは解除も難しいわ……」
「やっぱりか……ブレイクスペルに手応えがなかったから、何となくそんな気はしてたんだよな……」
ウォルバクによる解析によれば、俺とリアは信頼関係によるテイムが成立しているらしい。元から信頼関係はあったとは思うが、まさかそれがテイムに至る程だとは思わなかった。まぁ、実際にどれくらいの信頼でテイム出来るかなんて分からないし、どっちかと言うとヤバいのはこのクッキーなのだろうけど……
「テイマー側に契約解除のスキルとかないわけ?取得したんだから色々と教わっている筈よね?」
「教わったのが酪農家のおっちゃんだからな……去勢とか繁殖とか搾乳はあるんだが、契約解除は無いんだよな……」
「また厄介な所で覚えたわね……」
解除スキルが無いってことは、命に最後まで責任を持つって事だろう。そう考えると良い酪農家だとは思うんだが、こういう事故は想定してほしかった。まぁ、搾乳をエロいことに使うことばかり考えて、そこら辺を気にしなかったのは俺なんだが……
「そうなると、やっぱりクッキーの効果時間切れで解除するのが1番簡単だと思うわ。テイムされたリアはどうなの?カズマを殺してでも解除して欲しいとか思う?」
「アクセルハーツの管理をしているのがカズマなのは間違いないし、それを今更嫌だと言うつもりはないぞ。魔道具の効果が切れれば治るのなら、そんなに気にしなくて良いんじゃないか?」
「そう言ってくれると助かるよ。シエロだったら殴り倒されてただろうし、エーリカだったら混乱してただろうし、テイムされたのがリアだったのは、不幸中の幸いだな」
こういう時、リアの冷静さと常識人っぷりは凄く有り難い。これなら何事もなく事態は収束して行くだろう。偶然にも明日からライブツアーだし、一緒に居なきゃ何も起こるはずがない。そう、渡りに船とはこの事である。
「じゃ、明日からツアー頑張れよ。俺はもう帰って……[ガシッ]…おい肩から手を離せ。俺はもうこれ以上のフラグは御免だ。別に俺は必要ないだろ?」
「バカを言うな。カズマは飼い主側だから懸念など無いだろうが、私の方はテイムされた側なんだ。スキルの支配下で何が起こるか分からないんだから、そこはちゃんと面倒を見ろ」
くっ!しっかりしてるからこそ捕まるパターンもあるのかよ……
「わかったよ。別に何も無いとは思うけど、一応俺も同行する。それで文句ないな?」
「あぁ、慣れない土地の食文化でも、カズマが居れば安心だからな!」
何こいつ?!ついでに俺をシェフにするつもりか?!ちょっとしっかりし過ぎじゃねぇか?!
………………………
「へぇ、それでカズマが同行してるんだ。珍しいと思ったんだよね〜」
「まぁ、たまには皆の活躍も確認したいしな?いい機会だと思うことにしたよ」
「また迷惑なスキルを使って……大事にならなくて良かったですけど、確認もせず手当たり次第取るのは辞めてくださいね?殴る方の手も痛いので……」
「そ、それに関しては反省してます……と言うか殴る以外の解決策も出してくれない?」
同行すると決めてしまえば、その先に何も憂いはない。元から冒険者仲間のアクセルハーツとの旅は、いってしまえば日常生活の一部でもある。だから、これは魔道具の効果が切れるまでのクエスト同行であり、何もやましいことない。そう、決してやましいことは無い。はずなのだが……
「それはそれとしてさぁ?」
「うん、ボクもさっきからずっと気になってるんだけど……」
「「……2人の距離、なんか近くない?」」
あ、やっぱり?さっきから腰と足が良くぶつかると思っていたんだが、これ気の所為とか自意識過剰とかじゃないよね?そもそも3人掛けの椅子だし、こんな近い必要ないよね?
「だってよリア。エリスとの距離がこんなもんだから気にしてなかったけど、流石に少し離れてくれないか?そもそもこの椅子は3人掛けなんだし、真ん中は空けられるだろ?」
「エリス様ってそういう所も可愛いんだ……」
「それに張り合っちゃ駄目だよエーリカちゃん。それ絶対にろくなことにならないからね?」
そうだな。今はリアで手一杯だから、エーリカは大人しくしてて欲しいな。
「ば、バカを言うな!こっちにはコン次郎が座っているだろう!カズマにコン次郎までテイムされたら困るから、私が間に入っているんだ!だ、たからその……別にカズマの側に居たいとかじゃなくて……」
プイッ
「何このリアちゃん!凄く可愛いんだけど?!猫っぽい感じも相まって凄く可愛いんだけど?!」
「そっちにも張り合っちゃ駄目だからね?!最悪カズマさんを殴ってでも止めるつもりだから、エーリカちゃんは離れててよ!」
「お願いだから、お前らはちょっと大人しくしててくれ!あとシエロは俺を殴って済ませようとしないで!それ根本的な解決にはなってないからな?!」
向かい側に座る2人はもう置いておくとして、これはどう見てもスキルによる影響を受けているとしか思えない。男としてはとてもトキメク展開なのだろうが、俺は洗脳ものでは抜けないタイプなのでこれは無しだ。何より後が怖いし……
「それならえっと……コン次郎を抱っこして少し離れたら良いだろ?それならコン次郎も安心だし、俺とリアは離れられるし……」
「か、カズマは私の隣がそんなに嫌なのか?そんなに離れたいのか?」
ウルッ
「……イヤじゃないです」
「「ちょっとカズマ(さん)?!」」
はっ?!俺はいま、リアの上目遣いにやられていたのか?!アレだけの美女に囲まれているのに落ちかけるなんて、恐るべし現役アイドルの上目遣い!そりゃ人気出るし金にもなるわ!
「落ち着いてリアちゃん!リアちゃんは今、カズマさんのテイムに洗脳されているんだよ!」
「そうだよリア!普段の距離感を思い出して!確かに最高の可愛さだったけど、カズマとリアはそんな関係じゃ……」
と、そこまで言いかけてエーリカが止まったのは、多分色々と思い出したからだろう。俺はお前ら全員の部屋の合鍵を持っているし、傷口に破片などが入り込んだら服をめくって処置をする事もある。あくまでビジネスライクな関係ではあるが、俺達の距離はそもそも結構近いのだ。
「っぷ……あははは!まさかそんなに慌てるなんて、私は女優業でも食べていけそうだな!」
「なっ?!ハメやがったなリア!割と本気で心配したのに!」
そして、距離が近いからこそ、時にはこういう事もある。流石に時と場合を選んで欲しいが、これも信頼の証なのだ。そう思わないとやってられん。
「良かったぁ……それじゃあ、カズマさんは死ななくていいんだね……」
「おいシエロ。お前もその物理的な解決法しか思い付かない脳みそを何とかしろ。解呪とか色々あるよな?お前職業プリーストだろ?!」
「………そう…ですよ?」
えっ、お前マジで忘れてたとか無いよな?最近ヒーラーの仕事してないからって忘れたわけじゃねぇよな?エリスとアクアは居ないんだから、お前がマジで回復の要なんだぞ!俺の周りのプリーストこんなのばっかなのか?!
「演技であの可愛さを…ぐぬぬ…私も負けていられない……」
「エーリカも厄介だなおい。そういうのは、せめてアクセルに帰ってからにしてくれよ?」
これ以上問題を増やされると、流石に俺も捌ききれないからな……
「……結局移動はしないんだな?」
「必要ないだろ?」
うん。やっぱりちょっとおかしくなってる気がする……
………………………………
「なんて警戒してみたものの、まさか良い方に裏切られるとは……」
こういう時にフラグとなるのは、大抵がモンスターによる襲撃である。誰かが機能不全を起こした場合、殆どが戦闘において酷い目に遭う訳だ。しかし、元よりその欠陥を認め合って支え合っているアクセルハーツの場合、それはそもそも欠陥とはならない。それどころかテイムによって引き起こされた現象は、事態を好転させたと言っても過言ではない。
「左から3頭、回り込んでくるよ!」
「シエロは引き続き後方を警戒してくれ!こっちは私と……カズマ!」
「あぁ!」
このエーリカの的確な索敵能力は、会場全てのファンが自分を見ているか確認出来ると言う化け物じみた観察眼によるものだ。これがスキルではないのも十分に驚きなのだが、今はそれは置いておく事にしよう。今はそれと異なる驚きな事が、同時進行で起きているのだから……
「『狙撃』!」
ズダン!
「『2連突き』!」
スパァン!
「名前を呼んだだけで連携した……」
「視線も合わせてなかったよね……」
リアと俺の攻撃は、殆ど同時に初心者殺しの急所を貫いた。それは長年付き添ったパーティーのような連携であり、ここまでの連携が出来るパートナーはうちでもクリスとダクネス、めぐみんとゆんゆんくらいのものだろう。それをリアと俺がやったのだから、そりゃ驚くなと言うほうが無理な話だ。なんなら、いま1番驚いているのは俺だと思う。
「成程、これがテイムによる効果か。カズマの考えが手に取るように分かるとは、これならテイマーとの連携も容易な訳だな」
「だとしても、次からは指示を確認してくれよ。感覚を信じてリアのケツに矢が刺さったら、次は俺の顔面にシエロの拳が刺さるからな?」
リアの言う効果とは、恐らく俺も感じている不思議な感覚の事だろう。リアの思考が俺に流れ込み、俺の矢が右の敵を射抜くイメージが頭を過った。これが文字や言葉じゃないのは、本来なら言葉を持たない動物をテイムする都合だろう。それに関しては、実に良く出来たシステムである。
「さて、獣人の里まであと少しだ。最後まで油断せず行くぞ!」
「「「おぉ〜!」」」
まっ、これなら何も心配なさそうだし、俺はお客さんサイドで楽しもう。悪い方にフラグを立てる奴は居ないし、たまにはこんな休日があっても良い筈だ。
………………………
「なんて、期待した俺が馬鹿だったんだろうなぁ……」
何事もない時に休むと言うのは、冒険者なら当たり前のことだ。それは体力の温存に繋がり、クエストの成功率を大きく左右することもある。しかし、それはあくまで冒険者としての常識であり、踊り子が本職なら話は別だ。安全な街に着いたのなら、まずやることは……
「マイクオッケー!音楽はもう少し抑えて!」
「ダンスのターン位置は少しずらすよ!ステージの形が特殊だから、中央から広がる動きは練り直しで!」
「それじゃ3回目のリハーサル……よ〜い!」
「………お前ら体力無限かよ」
この全く手を抜かないリハーサルである。確かに練習以上のモノは出せないと言うが、流石に長旅の直後は休んで良いと思う。と言うか俺も休みたい。アクアならとっくに泣き出している筈だ。
「こら!目を離すなカズマ!その位置に領主様が来るんだから、そこからの映りが重要なんだぞ!」
「人をリハーサル用のカメラに使うなよ!少なくとも、俺からしたら完璧なパフォーマンスだぞ?」
「適当言うな!そういう所から仕事が減るんだぞ!」
「流石にそれはストイックが過ぎる!」
元が日本のアイドルだからなのか、リアの仕事に対する執着はかなり強い。エーリカとシエロは慣れたものだが、たまに付き合う身としては中々に重労働だ。まぁ、本人公認で谷間を覗き込めるこの時間は、ある意味約得でもあるんだが……
「おい!どこを見ている!今の私の目は誤魔化せないからな!」
「ちっ!今更だが厄介なスキルだなこれ!」
まぁ、それでも役割的に見えちゃうけどな!
……………………………
「最高だった!流石はアクセルハーツだな!」
別に心配していたわけじゃないが、アクセルハーツのライブは大盛況のまま幕を閉じた。最後まで客足は途絶えることがなく、グッズ販売も実に順調。この手にずっしりとくる売上金の重さこそ、まさに頑張りの証だと思う。本当にありがとう羽振りの良いファン達!
「もっと素直に喜べないのか……金の重みに意識がいってるって、今の私には丸わかりだぞ?」
「えぇ、カズマ最低じゃん……」
「それは人としてどうかと……」
「うるさい。売上は嘘をつかないんだよ。それに、妥協のないショーには金がかかるんだぞ」
それにしても、リアのテイムは解ける気配がない。この里に来てからずっと繋がっている気がするのだが、一週間も効果が持続するなんてあるのだろうか?忙しさで考えないようにしていたが、流石にもう性欲が限界だ。
「でも、無事に終わって本当に良かったよね。テイムされたって聞いたときは、ライブの中止も覚悟したもん。まぁ、まだ治ってないのが気になるけど……」
「そうだよね。本当に何もなくて……今日までカズマさんが無事で良かったです。まぁ、まだ油断は出来ないですけど……」
「何かある度に殺意向けられた身としては、マジで生きた心地がしなかったけどな……」
しかし、それに関してはまだ解決していない。もしテイムが原因で何かあれば、ライブツアーなど関係なくシエロの攻撃は俺に向かうだろう。今も嬉しそうなリアの感情が流れてくるし、長く繋がって精度も上がった為か、甘く香ばしい味わいも何となく伝わって……
「……おいリア。お前それ何食ってる?」
「例のクッキーだが?」
………えっ?いやお前はマジで何してくれてんの?!
「今その効果が切れないから困るって話をしてたよな?!なんで自分で効果時間延ばしてんだよ!馬鹿なのか?!お前も実は馬鹿の一員なのか?!」
クッキーの効果が切れればテイムも切れる。それはリアも聞いていた筈なのだが、まさか自分から延長してたなんて想定外だ。確かに公演のときにはケモミミが必要になるだろうが、それでも継続する意味などない。一回テイムを断ち切ったのち、改めて食えば良い話なのだし……
「ま、まさかこれもテイムによる洗脳効果なんじゃ……仕留めなきゃ…ボクのリアちゃんを惑わす悪を仕留めなきゃ……」
「飼い猫に堕ちてまで可愛いを求めたと言うの……こんなの勝てっこないよ……可愛いにかける覚悟が違うもん……」
あっ、この流れはヤバい。厄介な2人の、1番厄介な部分に触れてしまっている。シエロの暴力からは逃げるという選択肢があるが、エーリカの暴走は俺でもどうしょうもない。頼むリア!俺の意志が届くのなら、マジで2人を止めてくれ!!
「二人共それは早とちりだ。こんな美味しいクッキーは中々食べられないし、カズマの視点から自分を見られれば、ダンストレーニングに丁度良いだろう?しかもテイマーの補助効果でステータスも上がっているし、むしろ私がこの関係を利用してたと言って良い。だから心配しないでくれ。変なことはされてないしな?」
「おぉ〜、それは良かっ……おい、後でちょっと俺の部屋に来い。厳しく躾けてやるこの馬鹿猫が!」
「あはは!悪かったよ。もう食べないから安心してくれ」
「もう!だとしてもカズマさんのペットは辞めてよ!そんなに飼い猫になりたいなら、ボクが転職も考えるから!」
「いや、流石にそれはちょっと……」
「それは私が居づらいパーティーになるから辞めて欲しいかな……」
うん、流石にそんな特殊性癖アイドルは俺としても勘弁して欲しい。でも、利用されてただけなら取り敢えず安心だ。寝る頃にはクッキーの効果も切れるだろうし、今夜はアーネス召喚して相手してもらお!
………………………
「で、なんで問題が解決するって時に俺の部屋に忍び込んでんだ?流石にこれは冗談では済まないぞ?」
アーネス召喚の為に生贄(焼鳥)を買ってきた俺は、部屋の中で侵入者に遭遇する事になる。そいつは猫のような隠密性能を持っていて、正直痕跡が無ければ気付くことは無かっただろう。まぁ、その痕跡は痕跡と言うか、ただ散らかってるだけなのだが……
「いやバレてるから出てこいよ!短時間で器用に散らかしやがって!リアしかこんなことになるやつ居ないからな!!」
「くっ……流石はカズマだな……僅かな痕跡から私を特定するなんて……」
ガチャッ
この散らかりようが僅かだと思ってるのはお前だけだし、クローゼットの中身をぶちまけてからクローゼットに隠れるとか、下手すると幼児でもやらない隠れ方だ。これでバレないと思っている辺り、そろそろ片づけとは何かを再教育する必要がある。まぁ、それは今度でも大丈夫だし、先にこっちの問題からなんとかする必要があるが……
「こんな夜更けにアイドルが男の所に来てんじゃねぇよ。マジで躾けて欲しいのか?そういう性癖だったのか?」
「わ、私はそんなダクネスみたいな性癖はもってない!ただその、もう少しだけで良いから、この主従関係を続けたいと思って……」
それは実質同じような性癖持ちにしか聞こえないのだが、リアが言うからには何か理由があるのだろう。と言うか無かったら色々と困る。今までそんな特大の地雷を隠し持っていたとか、今後のアクセルハーツの運用にさえ関わりかねない。どうかテイムのせいであってくれ。今後の俺達とアクセルハーツのことを考えるなら、まだ俺が殴られたほうがマシだ。
「それはテイムされたからそういう風に考えさせられてるんじゃないのかよ。リアは俺に支配されたいとか言うキャラじゃねぇし、なんならリーダーの才能は俺よりリアの方があると思うしな?」
「それに関しては絶対に違う!カズマのほうが周りを良く見ているし、カズマの指揮下に入ったクエストはいつも上手く行っていた!あのメンバーをまとめるなんてカズマにしか出来ないし、私達の成功だってカズマ無しではあり得なかった!リーダーの素質は間違いなくカズマのほうがある!」
おっ、これはちょっと気分良いな。なんか凄い君主みたいな扱いされてるし、そんな理由ならこの関係を続けても……いやでも流石にテイムは不味いかな……
「成程な。俺が優秀なあまりこの関係を続けたいって事か。まぁ、最近は敏腕経営者でありながら敏腕プロデューサーでもあると評判だし、リアの気持ちは分からなくも……」
「いや、別にそこまでとは思ってないが……」
「あっ……そう……」
なにこれキッツ!!調子乗ったあとにそれはキツイって!ちょっと言い方に気を使ってくれない!俺もそれなりに傷付くんで!
「じゃあ、何でこんな関係を続けたいなんて言ったんだよ……飼い猫が夢ならシエロに頼めば良いだろ?」
「だから飼い猫には憧れていない!ただその……このまま戻るのは取り返しが付かないと言うか……先に解決すべき事があるというか……」
その言葉を漏らすリアの顔には、普段のような気丈さは微塵もない。これもきっとテイムの効果が影響しているか、はたまた元のステータスに戻ることを恐れているのだろう。ストイックなリアの事だから、きっと後者だ。凄いアクロバットな動きも出来るし、ダンスのキレも良くなっている。1度上がったハードルとは、そう簡単には下げられないからな。
「そう言うことなら早く言えよ。こんなに思い詰めるまで我慢しないで、もっと気軽に頼ってくれて良いんだぞ。それで、いったい何が問題なんだ?」
この時の俺は、もう事件は解決したも同然だと確信していた。リアは常識的で賢く、部屋が汚い以外に目立った欠点が無いからだ。だから、その理由を告げられた時、俺は完全に思考を停止した。
「発情期、来ちゃった…………」
「…………はっ?」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
やっちまえと言う気持ちと、アクセルハーツは神聖なアイドルですよって気持ちがせめぎ合う私ですが、本番しなかったらセーフってエロい人が言ってました。でも調子に乗るとアウトにするかも知れません。
また不定期ではありますが、お暇な時にでもお付き合いください。