前回の終わりで勘付いた方も居ると思いますが、ここから先はいつものクズマです。迂闊な行動でやらかすいつものスタイルです。
またお暇な時にでもお付き合いください。
ポンコツ騎士をあしらう囮。それが今日の俺の仕事だった。しかし、いくらポンコツと言えど騎士は騎士。敵に回せばそれなりに厄介な相手となる。
「サトウカズマ殿を探すのです!例の危険な淫魔は今、間違いなくサトウカズマ殿の姿をしています!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
単独ではてんでポンコツだったあの隊長も、指揮を執れば相応に力を発揮する。ちなみに、なんで俺が追われているかと言うと………
「私を気絶させて取調室で容疑者を弄ぶとは、何処までも馬鹿にしてくれる!しかも私の身体を卑猥な体液塗れにするなんて……絶対にぶっ殺してやります!」
自分のテクニックの現状を忘れていて、ちょっとやり過ぎちゃった為である。仕方ない。セレナ可愛かったし仕方ない。仕方ないので、今は衛兵の出方を見るしかない。
「あちらを探せ!偽物と分かれば切り捨てて構わん!」
「本物なら直ぐに保護しろ!偽物なら抵抗するはずだ!」
どうやら、セレナを襲ったのは俺の偽物とされているらしい。これなら警告無しに殺されることは無いだろう。しかし、実際のところセレナを抱いたのも俺だ。そして、捕まったら間違いなく淫魔の疑いをかけられるだろう。取り調べで淫魔ではないと証明しても、結局性的暴行犯とバレるわけだ。つまりどういう事かと言うと……
「本物の淫魔を見付けて差し出すか、そいつが見付かるまで逃げ切るかだな……」
俺も有罪になってしまったので、ここからは逃亡生活のスタートである。
………………………
「成程。それで私達のところへ………」
木を隠すなら森の中と言うが、それなら淫魔を隠すなら淫魔の群れだ。この街で認知されているサキュバス店なら、淫魔は居て当たり前。衛兵に協力する姿勢を見せている以上、むしろここは安全地帯である。と言うことで、俺は受付さんと奥のオフィスに隠れている。
「ほとぼりが冷めるまで匿ってくれません?一過性のものとはいえ、今は無罪を証明するのが難しくて……」
「匿うのは構いませんが、ほとぼりはちゃんと冷めるのですか?淫魔疑惑は事実無根でも、セレナさんを潰して騎士様を体液まみれにした件は真実なんですよね?」
「………そうですね」
それについてはその通りなので、これから対策考えます。
「にしても、まさか人の身でアヘ級の領域に到達するなんて、どこまで突き詰めたらそんなことに……」
「いや狙ってませんよ?!変な薬の効果でこうなってるだけで、効果が切れたら人並……じゃなくて皆さんと同じくらいになります」
「そ、それならまだマシでしょうか……人としてはおかしいですけど……」
だが、今一番の問題はスキルの加減だ。スキルレベルがどれだけ上がろうと、使いこなしていれば手加減は出来る。しかし、今の俺には加減が出来ず、セレナが3往復で逝くほどの暴走状態と言う訳だ。流石にこれはよろしくない。これでは俺が満足出来ない。
「ですが、そのスキルのせいでカズマさんはご満足されていないご様子……私で良ければ、お相手させて頂きますよ?」
「そ、それは本当に魅力的ですけど、良いんですか?」
隣に座った受付さんの手が、優しく俺の太ももへと置かれた。確かに受付さん程のベテラン淫魔なら、今の俺でも相手が出来るかも知れない。正直今は欲求不満なので、実に魅力的提案だ。
「勿論です。お慕いする主の女になるのですから、悩む事などありません。でも、ちゃんと大切にしてくださいね?」
「う、受付さん……」
なんて魅力的な事を耳元で!これがプロの淫魔なのか?!こんなの拒める男が居るのか?!いや居ない!こんな可愛くエッチなんだぞ!ハーレム野郎でも拒める筈がない!
「では、早速その滾った肉棒を咥えさせて頂きますね?大丈夫怖くないですよ。天井のシミを数えてる間に終わりますからね〜……」
カチャカチャ
「えっ、なんか様子がおかしくないですか?俺のチャックに手を掛けるのが早すぎるし、何時もの落ち着きは一体どこへ?!」
ちょっと暴走気味の受付さんが、俺のチャックを降ろしにかかる。その様子に普段の落ち着きは無く、強いて言うなら飢えを感じる。と言っても俺も抵抗してないので、残念ながら同罪なんですけど。
「私にだって性欲はあるんですよ?こんな美味しそうに硬くして、カズマさんが誘ったようなものじゃないですか……全部のお口でごっくんしてあげますから、このまま楽にしててください……」
「それ実質食欲では?!と言うか催淫されてますよね?!完全に理性がとんで……あぅ……」
じゅぷっ
俺の息子をみてウットリする受付さんは、躊躇いなくその先端を咥え込んだ。ねっとり絡み付く淫魔の舌の感触に、俺も自然と吐息が漏れる。これはヤバい。お預け中の身体に淫魔のフェ○なんて、気持ち良くない筈が無い。
「良いんですよ……このまま我慢しないで飲ませてください……濃いのいっぱい……欲しいれす……じゅるっ…」
「あっ……受付さんの○ェラ気持ち良過ぎる……このままじゃ直ぐに……うぅ…」
本来なら、こんな風に流されて関係を持つべきじゃない。受付さんの様子もおかしいし、間違いなく俺のスキルが絡んでいる。それは分かっているのだが、欲求不満な身体に淫魔の奉仕なんて、こんな極上の快楽を味わってしまっては、拒むなんて出来る筈が無い。
「嬉しいです……ずっとご奉仕して差し上げたかったので、今は沢山気持ち良くなってくださいね……んっ……じゅぷ……ちゅぅ」
「そんな奥まで……く、咥えたまま玉の方までなんてぇ……」
実に丁寧で優しい奉仕だが、やはりそこは淫魔の奉仕。喉奥で亀頭を優しく包みつつ、根元まで咥えて陰嚢を優しく舐め回している。こんなハイレベルな奉仕があるなんて、やっぱり淫魔って最高にエロい。
「い、逝きます受付さん!貴女の口で思い切り!」
「はひ!私の口にお好きなだけ、注いで下さい!」
優しく撫でるような喉奥と舌が、突如として激しく息子を舐りだす。先程までの蕩ける快楽から一転し、今度は容赦なく精液を扱き出そうとする。あぁ駄目だ。こんなの耐えられる筈が無い。そんな情熱的に舐られてしまって、我慢など出来る筈がない。
「い、逝きます受付さん!出る!」
「んんっ!ごくっ……んくっ……凄く濃くて…素敵です…」
容赦なく喉の奥へと放った精液を、恍惚の表情で飲み干す受付さん。その表情はまさに淫魔そのもので、射精した直後だと言うのに、息子が次の準備をしてしまう。これはもう、最後までしなきゃ収まりそうにない。
「さぁ、次はカズマさんの番ですよ……私のことも、ちゃんと愛してください……」
「受付さん……手加減、出来ませんからね?」
「はい。思いっ切り……愛してください……」
ソファーで脚を開く彼女の割れ目は、既に大量の蜜が溢れ出ている。ここまで濡れていれば前戯は不要だろうし、何より前戯で再起不能にはしたくない。俺は慎重に息子を割れ目へとあてがい、ゆっくりと腰に力を……
バァン!
「カズマ様!こちらにいらっしゃいますか?!」
ズルッ
「ひゃう!」
「おい!せめてそこはノックしろ!」
なんてお楽しみの直前になり、間が悪く殴り込んでくるポンコツ騎士隊長。ドアにはソファーの背が向いているので、取り敢えず受付さんは見えていない筈だ。取り敢えず、彼女が服を整える時間を稼ぐとしよう。滑って挿入出来なかったので、今のところまだノーカンである。
「し、失礼しました!しかし、どうやら本物のようで安心しました。やはり、雇用している淫魔が心配でいらしたのですね?」
「ま、まぁそんな所です……」
俺を捕らえるために現れたのかと思ったが、どうやらそういう訳じゃないらしい。一応本物かの確認もあったし、この部屋に来るまでに騒ぎを起こした様子もない。正義感が異常なだけで、案外常識人なのだろうか?
「しかし、最悪のケースを回避できたようで安心しました。上位の淫魔は、下位の淫魔を快楽で従えると聞きます。そんな事になれば街の被害は広がる一方ですので、カズマ様が気付いてくれて良かったです」
「あっ、支配って淫魔にも出来るんだ。だとしたらマジで来て良かったな……」
嫌な真実を知った事で、盛り上がっていた気持ちとズボンが大人しくなる。別に俺の女って訳じゃないのだが、同じ職場で働く仲間。お世話になった恩もあるので、そんなNTRは勘弁願いたい。
「余程ハイレベルな淫魔で無ければ、淫魔を堕とすのに相応の時間と労力が必要な筈です。故に淫魔を集めると言う対策は理想的と言えるでしょう。本来なら私が指示すべき事でしたが、流石はカズマ様といった所ですね!」
「それはまぁ……ありがとうございます…」
それについては本当に良かったんだが、問題はこの後の展開だ。状況証拠で無罪を勝ち取ったのは間違いないと思うんだが、この無罪は取り調べを受けたら即有罪に変わる。となれば、いっそ分業と言うことにしてポンコツ隊長をここから追い出して………
「……ちなみにですがカズマ様。このお部屋にはこの方と2人で?」
「えっ、えぇ……うちのサキュバスの代表なので、ちょっと大切な話をしようかと……はっ?!」
さっきから静かだとは思っていたのだが、受付さんは先ほどのM字開脚のまま微動だにしていなかった。いや、実は少しだけ動いている部分もあるのだが、それがよりによって両手の、人差し指と中指だったりする。
「成程……代表を先に落としておく事で、内側から仲間を増やそうとした訳ですか……」
「ご、誤解だ!確かに両手がピースしてるけど、俺は彼女に挿れてない!」
あれ、それはそれでヤバいのでは?擦っただけ淫魔を逝かせるとか、もはや性行為なんて次元じゃないし!
「それならそれで、やはり貴様は偽者だ!淫魔に挿れずにアヘらせられる人間なんて、そんなやつ居るわけないだろう!!」
「くそぅ!それについては反論できねぇ!取り敢えず……『フラッシュ』!」
「くっ!また小癪な真似を!」
無駄に勘の良いポンコツ隊長により、俺は再び逃亡生活を余儀なくされた。その勘が淫魔発見に繋がれば言うことないのだが、残念ながら当面は俺の追跡に使われるのだろう。何となく予想はしていたのだが、この世界ってやっぱりクソだと思う。
……………………
「それで衛兵がカズマを探していたのか……カズマは本当に学習しないな……」
「すみません。それについては何も言えません」
俺に衛兵から逃げ続ける体力なんてあるはずも無く、となればまた新たな避難所が必要になる。こう言う状況で頼りになるのは、やはり高いセキュリティを持つ家だろう。そう、例えば街のアイドルの住む家とかである。
「だが、スケベでどうしようもない男でも、私達のプロデューサーだ。無実の罪で投獄されるのは、私にとっても不本意だし、今回ばかりは匿ってやる」
「ありがとうリア!やっぱお前はいい女だな!」
「そ、その褒め方は辞めろ……変に意識してしまう……」
「あ、ごめん。と言うか、リアも軽く催淫されてる?」
「さ、されてない!変なこと言うな!」
色々と気になる部分はあるものの、やはりこういう時リアは頼りになる。この家は千里眼や敵感知を遮断する結界を張っているので、衛兵の索敵にも引っかかることはない。ヤバいファン用の対策の筈が、まさか衛兵相手に役に立つとは、世の中分からないものである。
……
「取り敢えず適当に座ってくれ。お茶を淹れ……るのは時間がかかりそうだし、冷蔵庫から飲み物取ってくる」
「いや座るところがないんだが?!」
実に頼りになるいい女なのに、やはりこの散らかしグセは治らないらしい。適当に座れと言う言葉は、せめて座れるスペースを確保してから言うことだろう。椅子の上にはコン次郎が居るし、正直ベッドくらいしか座れない。
「普段なら直ぐに片付ける所だが、流石にゴミ出しは危険だよな。片付けたら俺の痕跡を残すことになるし、こりゃ問題解決までは放置だな……」
ぽふっ
アイドルのベッドに寝転ぶなんて、本来ならドキドキのイベント筆頭である。しかし、この部屋の発する異臭のせいで、全くドキドキなんて出来ない。まぁ、鼻の利くポンコツ隊長への対策になるので、今は好都合と考えておこう。
「すみません!こちらの家に凶悪犯が逃げた可能性があります!調査にご協力願います!」
「マジかよ……もう嗅ぎ付けて来やがった……」
やはり敵に回すと厄介なようで、あのポンコツ隊長がもう玄関にいる。と言ってもこれは予想の範疇。探知魔法を遮断する建築物があれば、そこは当然のように調べられる筈だ。しかし、だからってゴミ屋敷を調べるかと問われれば、おそらく大半の人がNOである。
「協力するのは構いませんが、怪しい者は来ていませんよ?」
「忍び込んだ可能性もあるので、調査協力をお願いしているのです。安心してください。長居するつもりはありません」
あぁ、やっぱ巨乳じゃなきゃ普通の対応するんだな。一体巨乳と何があったんだよ。そして、少しリアの声が大きめなのは、きっと俺への警告なんだろう。本当に、良く出来た担当アイドルだ。
「こちらが私の部屋です。まぁ、ほんの少し散らかっては……」
「ま、まさか淫魔を追っていたら、空き巣の現場に出くわすなんて!これはこれで被害届を出して貰わないと!」
一応ベッドの下に隠れてみたが、やはりこの部屋を見たら尻込みするようだ。元よりそれが狙いではあるが、担当アイドルを汚部屋アイドルにしているようで少しだけ心が痛む。まぁ、事実なんで少しだけだが……
「ち、違います!ほんの少し散らかっては居ますが、これは割と普段通りです!」
「いや普段からこれは流石に不味いでしょ!人が住める衛生環境ですかこれ?!」
「住んでますから!」
それについては全面同意だ。アイドル中にはありえないが、彼氏を呼んでも異臭で萎える。なんなら、将来性を考えたら即破局もあり得ると思う。
「いや待てよ……普通に考えれば、人の生活空間とは思えない部屋です。しかし!私の鼻を封じる為にあえて汚したと言うなら納得も出来ます!貴女の手にある2つのカップは、ここに客人が居る証!こんな汚部屋にくるのがまともな客な筈が無い!」
「へっ?!」
だから何でこんな時ばっかり鋭いんだよ!それは犯人確保に使ってくれません?!それなら俺は苦労してないから!
「こ、これはその……そう、コン次郎の分だ!コン次郎は私の家族だから、お茶を飲む時も一緒なんだ!」
「コン次郎って……こちらのぬいぐるみですか?」
「そ、そうだけど?」
咄嗟に機転を利かせたのだろうが、いくら何でもそれは無理だ。リアがどれだけコン次郎を大切にしていようと、それで見逃すほど衛兵連中は甘くない。下手をすれば、コン次郎を雑に扱われるなんて事にも……
「ふむ、何度も直した痕があり、不器用なりに綺麗にしている。貴方がこの子を大切に思う気持ちは本物のようですね。それは信用に値します」
「あ、ありがとう……ございます…」
リアも通じるなんて思って居なかったのか、ポンコツ隊長の反応に少し驚いているようだ。確かにコン次郎の話を全面的に信じるなんて、流石に物わかりが良過ぎるだろう。最初からそのスタンスで来てくれていたら、ウォルバクとセレナに被害は無かったのに。
「しかし!それはそれで、これはこれ!清純さを売りにする踊り子に対し、本番直前に別の本番をして「ふへへ、俺の精液がステージを穢しちまうぞ?精々アソコに力入れて踊るんだな!」とかやるのが淫魔なのです!故に部屋の中はきっちり改めます!リアさんが変態プレイに堕ちないように!」
「おい待て!なんでそんな具体的かつ変態チックな例え話なんだ?!と言うか私が堕ちる前提は辞めろ!私はそんな女じゃない!」
なんて一瞬見直してみれば、数秒後にプラス・マイナスでマイナスになるのがこの世界の住人である。本当になんでコイツが隊長なんだ?ひょっとして騎士隊って加点方式オンリーなのか?だとしたら人事担当に話があるぞ。具体的には採用基準についてな!
「匂う!確かに匂いますよ!これは淫魔の匂いです!コン次郎から香るリアさんの一人遊びの匂いも、隠れ潜む淫魔の匂いも、今の私には隠し通せません!」
「私の話は要らないだろ?!と言うかコン次郎をそんな事には使ってない!ちょっとかかっちゃっただけだから!」
それはなんの言い訳にもなってないのだが、そこは突っ込まないでおこう。ちなみに、一人遊びのお手伝いはギリセック○では無い説があるが、それをリアに言う勇気はない。一応セッ○スまでした仲ではあるが、それで嫌われたら本気で凹む。
「ふふふ……見付けましたよ淫魔の匂い!結界と汚部屋に守られていたようですが、ここまで近付けばなんの意味もありません!さぁ、正体を見せて貰いましょうか!」
ベッドに近付く足音を聞き、俺は呼吸を浅くする。確かに受付さんの体液が付着してしまったので、それを嗅がれていたら逃れる術は……
「ドレッサーの中に居る貴方です!!」
バァン!
ドレッサーを勢い良く開け放った音が響くが、残念ながらそこに俺は居ない。どれだけ鼻の利く淫魔狩りのプロだろうと、リアの汚部屋の異臭には勝てないようだ。ありがとうリア。絶対に片付けさせるけど、今だけは汚部屋に感謝を……
「くっ!何故我の居場所が分かったのだ!」
「ほ、本当に淫魔が潜んでいただと?!」
なんて馬鹿な感傷に浸っていたら、まさかの淫魔発見である。エリスも見付けられないので変だと思ったが、まさかリアの魔境に潜んでいたとは……女神の特殊な嗅覚も、リアの汚部屋には勝てないらしい。
「貴方程の強力な淫魔が現れれば、教会の探知魔法に引っ掛かります。そして、ここまで近付けば私の鼻が捕らえられる。恨むなら、貴方の強靭な力を恨みなさい!」
「くっ!これでも抑えていたつもりだったが、やはり淫魔の王としてのオーラは隠せないらしいな!」
あっ、どうしよう知ってる人だった。ここで出ていったら、俺は誘拐犯ってレッテルも貼られてしまう。仕方ない。大変不本意ではあるが、いや実に不本意ではあるのだが、事の成り行きを見守るとしよう。
「淫魔の王が女子の部屋に潜むとは、王の名も随分と安くなったものです。この街に来た目的は、リアさんと言うわけですか?」
「あぁ、人間共に大切なものを奪われてな。それなら、我も人間達の希望を奪ってやろうと思いたったのだ。腹に精液を注がれ、快楽と絶望を感じながら踊る彼女は、きっと最高の悪感情を生むだろうからな!」
「うわぁ……この2人発想が一緒だ……」
何故だろう。本当なら淫魔の王に嫌悪感を示すべき所なのだろうが、同じこと言ってた騎士隊長の方に引いてる俺とリア。淫魔への理解が深いのだろうが、ちょっと発言には気を付けて欲しい。
「所で、なんで部屋ドレッサーの中に潜んでいたんですか?そこは私にも分からないのですが……」
「いや、この異臭部屋では勃つものも勃たなくてな……ちょっと慣れるまで潜んでいたのだ……」
「おい!二人とも流石に言い過ぎだぞ!そこまで汚れてないだろ!」
「「いや汚れてますけど?!」」
淫魔も萎えさせる程の汚部屋を作るだなんて、絶対に褒めないけどリアって凄いんだな。絶対に褒めないけど!
「しかし、貴方が味わうのはこの汚部屋の匂いだけ、貴方はここで私に討たれるのですから!」
「やってみろ小娘!『催淫』!」
淫魔の王の掛け声と共に、リアの部屋が甘ったるい匂いに包まれる。例の如く俺はなんとも無いが、きっと2人には相当な効果があるのだろう。であれば、そろそろ助ける準備をしておこう。
「残念でしたね。私に催淫は効きません!」
「馬鹿な!生娘の癖に私の催淫が効かぬだと?!」
なんて気を遣ってみたものの、ここに来てポンコツ隊長の特技が判明する。あの軍勢が立つことも出来なかった催淫が、こいつには一切効かないと言う。それについては素直に凄い。淫魔退治のスペシャリストに恥じない特技だと思う。ちなみにリアも赤面してるだけで普通に立ってますけど、たぶん俺のせいなので追及はしません。
「私は初任務で淫魔と戦い、かなり強力な催淫を受けました。しかし、それを信仰心で耐えることで、聖女級の加護を受けるに至ったのです!」
「聖女級だと?!騎士だと思っていたが、まさか根底はプリーストだったのか!」
そう言えば因縁が有るとか言ってた気がするが、まさか催淫に苦しめられていたなんて……それを聖なる力で抑えたと言うのだから、それに付いては素直に尊敬する。
「だが、催淫が出来ずとも我は淫魔の王!魔法の戦闘もお手の物だ!『カースド・ライトニング』!」
「人の部屋で上級魔法を撃つな!敷金が戻って来ないだろ!」
「無駄です!」
ぱぁん!
「打ち消しただと?!」
「良し!これで敷金は無事だ!」
リアにはもう少し空気を読んで欲しい所だが、闇魔法を片手で払い除けたのは普通に凄い。どうやら、こいつは本当に対悪魔戦闘のスペシャリストだったらしい。今まで人柄でぶち壊しだったが、今になってマジで見直した。ちなみに、リアが部屋を汚しまくってるので敷金はもうありません。
「くっ!まさか淫魔への恨みでここまでの力を手にしているとは、流石は聖女級のプリーストといったところか………」
「いえ、淫魔を殺すのは体液が欲しいからです。ガッツリ催淫された時の一人遊びが気持ち良すぎて、媚薬無しじゃイケなくなってしまいました。なので脳髄ください」
「こわっ!聖女がその要求はどうなんだよ?!と言うか、信仰心で我慢出来てねぇだろそれ!」
「ちんちん挿れてないからセーフでしょうが!」
「いや聖女的には駄目だと思う……」
見直した直後に株を下げるのは、もはやこの国の伝統芸か何からしい。セレナのお尻の初めてを奪った俺に言えることじゃないが、一人遊びに媚薬を使う聖女ってお前………
「仕方ない!理由はともかく、お前との相性は最悪なようだ。なら、ここはリアたんを狙うしか……」
「流石にそれは許さねぇよ!『セイクリッド・エクソシズム』(エリス版)!」
「ひぎゃー!!」
「カズマ様!やはり淫魔を追っていたのですね!」
実際は逃げ回っていただけだが、こういう時はノリが大事だ。強敵からヒロインを救った勇者の俺!そして全ての元凶はこの淫魔!そんな感じで押し切ってしまえば、今日は実質勝ちである。
「き、貴様!我がむす……」
「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」
「ひぎゃー!」
と言うことなので、淫魔の王に不都合な発言は認めません。
「えっ、今なんか言おうとしてたような気が……」
「我が息子のサビにしてやろうとか言おうとしたんだろ。淫魔は股間の剣がメイン武器だからな」
「成程!この状況でも公序良俗まで守るなんて、流石は英雄のカズマ様です!」
「そ、そうなのか?」
そうだよリア。そういうことにしといて。
「はぁはぁ……相変わらず冒険者のクセになんて破壊力の聖魔法を……と言うか容赦がなさ過ぎるだろ!」
「俺に成り代わって好き放題やってくれたみたいだからな。悪いが容赦するつもりはないぜ!」
「はっ?いや成りかわ……」
「『セイクリッド・エクソシズム』!」
「ひぎゃー!!」
「いや、やっぱりなんか言おうとしてなかったか?!なりかわりみたいな事を!」
「いなりの皮で包んでやる的な?」
「くっ!この期に及んでまだ下ネタを!恥を知りなさい!この淫魔!」
「それ信じるんだ……と言うか貴女が下ネタを責めるんだ……」
そうだな。下ネタの件はこのポンコツも同類だな。しかし、それにしたってタフだなコイツ。やはり淫魔の王だけある。
「くそっ!イカれた馬鹿2人だと言うのに、笑えんぐらいスペックが高い!ここは一度退かせて貰うぞ!」
「あっ!待ちなさい!くっ、外に衛兵を置くべきでしたか!」
劣勢を悟った淫魔の王は、窓を開けて外へと飛び出した。その判断はきっと正しくて、普段ならきっと逃げられたのだろう。しかし、この街でそれは通じない。
「『催淫』!さぁ、道を開けろ人間共!私に犯されたいなら話は別だが……[ガァン!]…ぶふぅ!」
街の人々が倒れ伏す中、淫魔の王を捉えたのは巨大な氷塊。これだけ派手にやらかしてくれれば、そりゃ嫌でも人の注目を浴びる。そして、そうなりゃ精鋭も集まってくる。
「また私のお店のせいにされるので、騒ぎを起こすのは辞めてください!」
「実際結構な確率であんたの所だけど、騒ぎを起こすのは私も反対だわ。それに、アンタのせいでセクハラ取り調べを受けたんだから!」
「ば、馬鹿な!私の催淫が効かない女がこんなに居るだと?!」
ウォルバクとウィズは魔力が強大だからって言い訳が効くが、そうなるとリアの説明が面倒だ。諸悪の根源はあそこに居るんだし、そっちの証拠も隠滅しておくか……
「騎士隊長!あいつをここまで追い込んだのはアンタだ。最後くらい、格好良く決めてこい!」
「カズマ様……はい!いってまいります!!」
うん、行っておいで。お前が窓から飛び出した所で、俺はリアを頂きます。
「へっ?なんかカズマの顔が近っ……んっ!」
「さっきから催淫で辛そうだからな……直ぐにスッキリさせてやるよ……」
「そんな……それは約束が違っ……あっ…」
「死ねやクソ淫魔がぁ!!」
「ぎゃー!!」
街中に響く淫魔の断末魔を聞きながら、俺はムラムラ状態のリアを頂いた。催淫でトロトロになったリアの身体は、大変美味しゅうございました。と言っても、また挿れる前に失神したので、結局俺は不完全燃焼なんですけど!
………………………
「すみません。確かに欲求不満とか言ったのは自分ですけど、ちょっとこれは無理ですって!!」
昼間の事件も無事解決し、スキルレベルも元に戻った。という事でめでたしめでたし、ハッピーエンドになる筈なのだが………
「家中に催淫フェロモンをばら撒きながら過ごしたのはカズマさんですから、ご自身で責任取ってください。ほ〜ら、クリスちゃんは向こうでねんねしようね〜」
「確かに自分が悪いんですけど!だからって全員は流石に無理だって!!」
俺のスキルは家中に残留し、それを嗅いだ人間は催淫を受けて興奮する。そして俺のスキルレベルが元に戻れば、後はもうご想像の通りである。
「私がセクハラされてる時、ニヤニヤしながら見てたわよね?」
「あ、あれは緊縛ウォルバクがエロくてですね……」
「人前で変な声出させるし……」
「あれはあるえがムードを作ったから……」
「取調室に放置しやがって……」
「無表情怖い!セレナの件は本当に悪かったと思ってますから!」
「こんな気分にさせた以上、責任取ってくれますよね?」
「ゆんゆんの無表情も怖いって!凄い暴力的な表現に見えるって!」
「犯してやる」
「あれ?なんかダクネスの無表情は不思議と興奮する……あっ、いやだからってオッケーって訳じゃなくて……あっ…あぁ〜〜〜」
召されちゃう〜〜!
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
年末の大掃除しようとして、汚い部屋をみてリアをいじることにしました。我ながら動機が最低と思います。
今年もこんなのに付き合って頂きありがとうございます。まだ懲りてないので辞めません。
今後も不定期ですが、またお暇な時にでもお付き合いください。