※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

1流冒険者を決めるつもりが、気付けば好感度を下げただけのカズマさん。不仲説が出る前に、ここらで信頼感を見せておきましょう。

と言うことで久々のダンジョン探索回です。またお暇な時にでもお付き合いください。


この英雄達に信頼を

叡智の書。それは太古より語り継がれる伝説の魔道具。人々の営み、戦いの記録、そして進化を続ける魔法や科学の過程など、ありとあらゆるモノを記憶し、自由に検索、閲覧出来る。まさに人類史の叡智の象徴と言えるアイテムである。

 

「で、そんなヤバいチートアイテムが、このダンジョンにあるって?」

 

「宝探知の反応からして、ほぼ間違いなくここかと……」

 

ギルドから届く特別クエスト、新ダンジョンの先行調査。普段ならモンスターのレベルを調査し、攻略難度を推し測るという鑑定スキル持ちには簡単なクエストである。それが今回は神器まで見つかり、調査ではなく踏破が必要になってしまったと、エリスが言うにはそう言うことらしい。

 

「おい。後ろの方でチラチラこっち見てるやらかしの女神。今回の件もお前が犯人か?どうせ適当な奴に適当な特典渡したんだろ?」

 

「誰がやらかしの女神よ!私は水の女神だって散々言ってるでしょ!それに、これに関してはちゃんと仕事をしただけなの!まぁ、ちょっとだけサービス精神が旺盛だったかなとは思うけど…」

 

アクアが僅かでも自分の非を認めた場合、大抵は致命的なことをやっている。と言ってもアクアに分かり易い説明は期待は出来ないので、俺は視線をエリスに戻した。

 

「えっと…その特典は本来なら、敵の詳細なステータスやスキルなどを把握するスキル『真、鑑定眼』だけで終わるのですが、「説明文が解り難い!良くこんな馬鹿に女神が勤まるな!」と言われた先輩が、そのスキルを天界の記憶媒体に宿らせてしまって、スキルが自我を持ってしまいまして……」

 

「そうなの!これで常に周りのことを完全に把握出来るスーパーチート能力になったはずだったのに、結局そいつも魔王を倒せなかったのよ!こんなの詐欺だわ!私は被害者よ!」

 

いくら相手のことを把握したとして、別に本人が強くなる訳では無いのだからそう簡単にいくわけがない。鑑定スキルで成り上がれたとしても、チートまみれの世界で最強キャラになれるかと言うと、そんな簡単な話じゃない。それで手間が増えただけとか、やっぱりアクアはちょっと足りない。

 

「それを俺に言うって事は、これ回収しないと不味いやつなのか?」

 

「……はい」

 

うん、話が始まった段階で予想してたけど、やっぱり面倒ごとだった。いやもう慣れてますけどね?なんなら軽い方だと思いますけどね!

 

「ちなみに、その魔道具は俺達にとっても危険なのか?聞いた感じだと鑑定するだけの魔道具に聞こえるが……」

 

「確かに直接の危険はありません。ですが、この知識は戦争の火種になるんです。情報を集める範囲が信じられないくらい広く、各国の軍事機密とか、隣国の王様の性癖とか、貴族の裏取引とか、隣の奥さんの性感帯まで分かってしまって……」

 

「なんだその効果範囲と無駄な詳細情報?!」

 

天界の奴らってプライバシーって言葉を知らないのか?いや、知らなかったわ!俺が一番良く知ってたわそれ!

 

「元は私が使ってたのよ。転生候補のプロフィールは一応見てるけど、青髪フェチとか女神フェチの犯罪者予備軍が居たら私が襲われちゃうじゃない?だから、これくらいの設定は必要だったのよ」

 

うわぁ…それを初対面の奴に渡したとか、この駄女神マジで余計なことしかしねぇ……ん?

 

「おい待て?フェチまで気にしてるって事は、俺達転生者候補はどこまで知られてんだ?まさか俺の性癖まで……」

 

「そ、相当特殊じゃない限り…そんな追求とかしないわよ…カズマさんのとか…別にいちいち覚えてないし…」

 

おい、スカート持って太モモをチラチラすんな!朝から抱かれたいのか?お前実は覚えてんだろ?このドスケベ女神め!

 

「究極の雑食性癖と言われているカズマさんにも、以前はちゃんと好みのフェチズムがあったんですね……」

 

「おいエリス。その雑食性癖とか言ってんの誰?その犯人の羽をもいで枕にするからちょっと教えてくれる?」

 

「いやそれ答え知ってるじゃない……」

 

にしても、そんなアイテムが放置されているとなれば厄介だ。諜報戦では無敗を誇り、化学兵器も作り放題。冷静になって考えると、こんなのガチのチートアイテムだ。なんなら夜の性活だって、うまく行くに決まっている。

 

「そんな物を有力な魔族が手にしたら、本気で魔王を目指せるじゃない!カズマ以外が次期魔王になんて許せないわ!」

 

「おいウォルバク、要らんフラグは辞めろ。既に誰かの手に渡っていたら、それこそ危険過ぎて行きたくなくなる。あと、そろそろ俺の魔王化計画も諦めろ」

 

別にウォルバクのプランを信用していない訳ではないのだが、俺を魔王にして人と魔物が共存可能な世界を作ると言うのは勘弁して欲しい。俺が面倒にも程があるし、何より胃袋に穴が開く。

 

「ちぇ…」

 

可愛く拗ねるなよ。「しょうがねぇな」って言いたくなるから…

 

「しかし、それがあればカズマの教育システムを作る話も随分と加速しますね。どんな教育者より知識は多そうですから」

 

「まぁ、そうだな。そういう用途なら平和的だよな…」

 

珍しくめぐみんが建設的な意見を言っている。てっきりその知識を元に、更に爆裂魔法の高みを目指すとか言うのかと…

 

「当然、必須科目には世界平和をもたらした大魔法、爆裂魔法の授業が入るでしょうから、私も協力を惜しみませんよ!」

 

「あ、駄目だこいつ。根本は何も変わってない」

 

この破壊神、平和な世界の常識にそんなもん加えるつもりだったのか。せめて選択科目にしてくれない?必須科目と選択を迫るから。

 

「あれ?それで相手の趣味が分かっていれば…話題に事欠く事は無いんじゃないですか?!」

 

「ゆんゆん…要らんことまで知られていたら、むしろ不気味だよ?」

 

「流石はプロボッチ。神器の使い道までこじらせてますね」

 

「めぐみん酷い!良いじゃない平和な使い方だもん!」

 

まぁ、確かに平和だしゆんゆんらしいけど、そこは素直に「ご趣味は?」って聞けば良いのに……

 

「でも、その知識があれば、かっこいい名乗りのパターンが増えるよね?」

 

「そうだろうけど、あるえはマジでブレないな…」

 

そんな用途で使ってくれたら、平和だから有り難いけどさ……

 

「なぁ、盛り上がってる所悪いんだが、これを他の誰かが手にした場合、あたしとか即逮捕から処刑だよな?ほら、元々魔王軍だった訳だし……」

 

「「…あ」」

 

セレナの冷静な指摘を受け、その場の空気が冷たくなる。当事者の連中は確実に不味いが、隠していた俺達もただでは済まない。流石は元諜報員。情報の怖さを良く知っている。

 

「あと、エリスも主神なのに前科持ちになるよな?クリスの姿で色々やってるし、アクアも更に隠してたものが……」

 

「とっとと神器を封印するわよ!みんな私について来なさい!」

 

「このままでは世に混乱が!直ぐに封印に行きましょう!」

 

流石に露骨過ぎる気もするが、今回ばかりは仕方ない。どんなに聖人君子だとしても、誰だって隠したい過去はある。結局満足な話し合いもなく、俺達は全員でこのダンジョンへと挑む事にした。だが、この時の俺は忘れていた。神々の用意するチートとは、人相手にはマジで牙を剥くと言う事を………

 

_______________

 

「入口からもう高難易度だろこれ……良くこんなの見付けたな……」

 

ダンジョンの入口まで辿り着いた俺は、まずその立地に驚いた。ダンジョンの入口はただの石造りの横穴だが、問題はその上。切り立った崖の上にあるのは、馬鹿みたいなサイズの生き物の巣だ。

 

「ワイバーンの巣の直下とは、見つからなかった訳だ。ウォルバクが対処しなければ、今も未発見のダンジョンだっただろうな」

 

「まぁ、私は戦利品の卵を取りに来ただけなんだけどね。だし巻きにすると美味しいから……」

 

エリスの一件で襲ってきたワイバーンは、この巣からアクセルに来ていたらしい。確かにワイバーンは強力だが、流石にウォルバクは相手が悪い。卵を好む上に強い相手とか、ウォルバクはワイバーンの天敵みたいなものである。

 

「でも、そうなるとこのダンジョンは簡単そうだな。何せワイバーンが入口に居たんだ。ここに居るのは悪魔かアンデッドのような、洞窟から出ないモンスターに限定される。こっちには女神が3人も居るんだし、さっさと攻略しちゃおうぜ?」

 

「随分と得意気に言うけど、つまりカズマさんは何もしないってことよね?流石にそのドヤ顔はどうなの?」

 

アクアのやつ、自分が活躍出来る場面だからって調子に乗ってるな。ダンジョン攻略は単純な戦闘だけでは終わらないっていうのに、本当に学習しない女神だ。

 

「罠の警戒や探索だって立派な仕事だろ?そんなこと言ってると、罠やミミックを教えてやらないぞ?」

 

「知らないのカズマさん?ミミックは宝箱を開ける存在が居ない所には住まないの!つまり、誰も来れなかったダンジョンの中で、そんな警戒は無意味なのよ!」

 

「あっこら!アクア!」

 

完全に調子に乗ったアクアは、俺の静止を無視して走り出す。確かに餌がなきゃ生き物は住まないが、だからって無警戒は頭が悪過ぎる。少し可愛いと見直してみれば、直ぐ好感度を下げやがって……

 

「取り敢えずアクア先輩を追いましょう。いつくか敵感知に反応もありますし、泣いて戻られるより追いつく方が安全です」

 

「だな。流石にこんな早くフラグは踏まないだろうけど、泣き喚くと面倒だ。戦力は申し分ないし、さっさとこのダンジョンを攻略するぞ!」

 

「「「「「「「「お〜!」」」」」」」」

 

…………………………

 

「って流れで即これって、流石に狙ってるとしか思えないんだが?」

 

そんな流れで30m進んだら、アクアのケツが宝箱から生えていた。普通に考えたらミミックに齧られているか、宝箱の罠にはまったと考えるのが妥当だろう。フラグ回収が早過ぎるが、取り敢えず無事で良かったと……んっ?

 

「仕方ない。私が代わ……引っ張り出してやろう!」

 

「待ってダクネス!敵感知に反応してる!その先輩から離れて!!」

 

「なに?!」

 

「ちっ!」

 

俺の言葉を聞いたダクネスが距離を開くと、宝箱からアクアが出てくる。自力で脱出が可能ということは、やはりこれは敵の罠。精巧な偽物か、それとも洗脳された本人か、随分と厄介な仕掛けだ。

 

「近付いたら不意打ちで仕留めてやろうと思っていたのだけど、まさか敵感知でバレるなんて……中々やるようね?」

 

「俺とエリスは常に交代して敵感知を使っているからな。油断しないのが俺達の仕事だ。それと、見破ったついでに1つ聞かせてくれないか?」

 

宝箱から出てきたコイツは見た目も声もアクアそのもの。しかし、発せられる声には圧があり、その異質さがよく分かる。簡単なダンジョンだと思っていたが、少々厄介なのもいるらしい。それと本人にも尋ねるつもりだが、実に気になる事が1つある。

 

「ふっ、本物の女神のことなら……」

 

「お前そこまで深々宝箱に入ってて、そこからどうやって不意打ちするつもりだったの?」

 

「「「「「「はっ?」」」」」」

 

皆の反応は「今それ?」って感じだが、気になるのも仕方ない。あんなに深々宝箱に入っていては、俺達の位置は解らない。それで不意打ちを狙ってたとか、いくら何でも無理がある。

 

「こ、ここからこう……手早く身体を……ってあれ?いや、やっぱりこの動きで……あっ!こら、何をする?!」

 

「何って、馬鹿を捕まえただけだが?」

 

そして、こんな馬鹿な口車に乗るってことは、こいつは知能までアクアを再現していると言うことだ。こんな方法で簡単に足掴まれてんだから、本当にバカ丸出しである。

 

「さて、取り敢えず知ってる情報を聞き出したい訳だが、俺はアクアに手荒な真似は出来ない。ここは素直に話して欲しいんだが……」

 

「ふっ、誰がそんな簡単に情報を漏らすと思う?殺すなら殺すがいい。本物の女神がどうなっても……ひぎゃー!」

 

「『ドレインタッチ』」

 

こいつが本人じゃない確証がない以上、まだ手荒な真似は出来ない。俺はアクア(仮)の魔力と体力を奪って、取り敢えず行動を封じることにした。

 

「いや手荒でしょ!これ間違いなく手荒な真似でしょ!なに平和な顔してリッチースキルなんて使ってんの?!あんたらの常識どうなってんの?!」

 

「「「「「割と日常風景」」」」」

 

「常識から狂ってる?!」

 

そんな事を言われても、他に手がないのだから仕方ない。せめてこいつの正体が分かれば、他の手段も取れるのだが……

 

「せめてこの身体が何か分かれば、エッチな拷問も考えるんだがなぁ……」

 

「へっ?!」

 

普段ならドン引きされる俺の提案に、何故か頬を赤らめるアクア(仮)。先程の反応から感じていたのだが、こいつは何処か人間くさい。人を殺す類の魔物なら、もっと殺伐として殺しに来る。

 

「それならその……そっちの方が話しちゃうかも……私の身体は粘土だし、別に変な病気も持ってないし〜……」

 

「『ドレインタッチ』」

 

「あぁーー!何だったのよ今の会話は?!」

 

「俺は息子で粘土遊びする趣味はない。そして、お前がアクアじゃないって分かれば、別に気を遣うこともないだろ?クレイゴーレムってことは、俺の遺伝子が手に入れば、俺の分身も作れるってことだしな!」

 

「くそっ!やはり英雄は伊達ではないのか!せっかくなら、人智を越えた快楽を味わいたか……」

ボロッ

 

駆動する為の魔力が切れ、クレイゴーレムの身が崩れる。最後に口走った要求は、何処かの白い強欲の魔女を彷彿とさせるが、それについては後で考えよう。アクアが居ないと言う事実は、何も解決していない。

 

「カズマさ〜ん!見てみて!すっごいキレイな石を見つけたの!これはきっと高く売れ……ふぎゅっ!」

 

「『ドレインタッチ』」

 

「あぁー!ちょっと何するの!ごめんなさい!先に行ったのは謝るから!カズマさんにもこの石1個あげるから!」

 

「……本物だな」「本物ですね」「本物でしょう」

 

ダクネス、めぐみん、エリスが口を揃えたので、このアクアは本物とします。ただし、アイアンクロードレインタッチは反省のためにもう少しやります。

 

…………………

 

「成程。私の偽物を作って襲うだなんて、このダンジョンには高度な知能を持つモンスターが居るってことね……」

 

アクアが充分に反省した所で、俺達は2度目の作戦会議を始めた。相手がこちらの姿を真似るなら、当然それを見抜く方法が必要になる。しかもその相手がゴーレムとなれば、常に実行できる方法でなきゃ意味はない。

 

「取り敢えず入口まで見てきたが、途中隠れられるような場所は無かった。つまりあの偽物は、隠し通路や転移魔法を使って現れたと言うことになる。これは中々厄介だぞ」

 

「ありがとうなダクネス。ご褒美に犯してやるから尻を出してこっち向けろ」

 

「はっ……ひゃい……」

するり

 

「はいコイツは偽物!」

パァン!

 

「ひゃんっ!」

ボロッ

 

「「「「「「おぉ〜」」」」」」

 

背中を見せた偽ネスのケツを、俺は思い切り蹴り上げた。そんな事だろうと思ったが、クレイゴーレムなら壁からだろうが現れる。それを伏せているのも怪しいし、アクアの件で相手はこんなチャンスを逃すことはないと予想も出来た。そして、何より本物のダクネスなら、もう少しせめぎ合いを楽しむ筈だ。あんなにあっさり身体を許すのは、溜まっている時しかあり得ない。それに……

 

「はぁはぁ……いきなり入口までダッシュさせるなんて……カズマは本当に鬼畜だな……まぁ、嫌いではないが……」

 

「こっちが本物ね」「本物ですね」「ダクネス、意味も分からず走ってたんですか……」

 

皆のリアクションから分かる通り、本物は物分りがよろしくない。急いで調べろとは言ったが、襲われるかも知れないのに息切れしてたら論外である。

 

「ちなみに、偽物2連発って可能性はないよな?こう言うのは油断した時が一番危うくて有効だ。もしあたしが敵の立場なら、同じパターンでもう一回行くぞ」

 

「成程、確かにセレナの意見も一理あるな……おいダクネス。犯してやるから尻をこっちに向けろ」

 

「なっ?!」

 

突然の俺の無茶な要求に、ダクネスの顔が真っ赤になる。先ほども言ったが、普段のダクネスなら即落ちはしない。しかし、俺が意図してこの発言をしている可能性もあり、ダクネスは正解が解らないのでフリーズする。うん、ここまでは予想通り。

 

「ほら、早く出せよ。魔物のせいにして変態プレイが出来るんだから、お前だって本望だろ?感じてる顔で判別してやるから、皆の前で思い切り喘いでみせろよ」

 

「そ、そんな……しかし……それしか判別方法が無いなら……はぁはぁ……」

 

「いや本物だな」「本物ですね」「と言うか真性ね……」

 

「なっ?!騙したな!」

 

セレナとウィズとウォルバクが見て大丈夫なら、間違いなく確定だろう。万が一ここまで再現できたら、あのアクアは自分が偽物だった事さえ忘れてしまう。そんな馬鹿なことあるはずが無いので、ここまでの真性は本物だ。

 

「しかし、ダクネスのコピーは何を触媒に?アクアは色んなところをベタベタ触るので、触媒を取るのも簡単そうですが………」

 

「ねぇ、めぐみん。その私がちっちゃい子みたいな扱いは辞めてくれる?何なら私は年長者だから!皆に頼られるお姉さんだから!」

 

「「「「「「「「……はぁ」」」」」」」」

 

「なんでよぉー!」

 

綺麗な石拾ってた奴がお姉さんって、流石にそれは無理がある。普段なら突っ込んでやるのだが、今は好都合だから黙っておこう。この知能レベルを真似されることは無いだろうが、情報は隠しておくほうが良い。

 

「それにしても、流石はカズマさんです。偽物のダクネスには敵意が無かったのに、行動だけで判別するなんて……」

 

「そりゃ俺は1流の冒険者だからな。観察力や洞察力は、冒険者には必須だろ?」

 

「それはそうなんですけど……」

 

「判別した2人が濃すぎてよく分からないよね……」

 

「「はぅ…」」

 

アクアとダクネスには悪いが、ゆんゆんとあるえの言うことも解る。こいつらは割と常識人だから、この2人に偽物が出たら判別はキツイ。だからなるべく一緒に居るわけだが、ここで下手な混乱などあると……

ポチッ

 

「…………おい、めぐみん。お前はなんでこれ見よがしに置いてあるボタンを押した?」

 

「すみません。紅魔の血には抗えず……」

 

「本物ね」「本物だね」「本物だわ」

 

「今はそれ要らないから!それは偽物出た時にやってくれない?!」

 

と言うか友達2人と師匠!分かってるならやらかす前に止めてくれ!それは俺もそうなんだけど!

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

「えっ……なんか足下から音が……」

 

「これ足元が振動してます!直ぐにここから離れ……きゃっ!」

 

「うわっ!」

ガコンッ!

 

「カズマさん!エリス!」

 

俺とエリスは崩れた足場に巻き込まれ、ダンジョンの下層へと落ちていく。この状況でバラバラになるのは悪手だが、もはやそんな事を言っている場合じゃない。

 

「全員固まって行動しろ!目を離せば偽物が紛れ込むぞ!」

 

「分かりました!私達はこのまま奥を目指します!カズマも必ず戻ってください!」

 

遠くに聞こえるめぐみんの声に、俺は少しだけ安堵した。いくら頭の悪いあいつらだって、一緒にいれば偽物には合わないだろう。俺はエリスと行動し、何とかあいつらに合流しないとな。

 

「あっ、こっちにもボタンがあるわ!これ押したら戻って来ないかしら?」

 

「ちょっ、アクアさん?!それは……[ガコン!]あぁ〜!」

 

遠くに聞こえるあるえの声は、まるでどこかへ落ちるかのよう。この流れ、間違いなく嫌な展開だ。

 

「………やっぱりあいつら三流だよな」

 

「それ今じゃないと思います!否定はしないですけど今じゃ無いと思います!」

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

信頼って、やっぱり偽物が出た時に試されると思うんですよ。なんて考えてたらこうなりました。信頼より駄目さが目立つ展開ですが、また次回もお付き合いください。
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