※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

何かを極めると事故る。このすばではもはや定番のノリですが、私の作品でもそれは同じです。可愛く抱かれたエーリカちゃんには、それなりの事件が降りかかります。

またお暇な時にでもお付き合いください。


この愛らしき彼女に混乱を

「カズマ、エーリカを連れ戻してくれてありがとう。私が不甲斐ないばかりに、またカズマに助けられてしまったな」

 

「ボクも役に立たなくてごめんなさい。これでも貴族令嬢なのに……」

 

「2人とも気にするなよ。これもプロデューサーの仕事だからさ」

 

エーリカとの一件から1夜明け、俺はリアとシエロから感謝の言葉を受け取っていた。エーリカが無事に帰れたというのは、確認できない俺にはまさしく吉報である。ちなみになんで確認できないかと言うと……

 

「「それで、なんでカズマ(さん)は拘置所に?」」

 

「まぁ、色々とありまして……」

 

集団脱衣の現行犯として、拘置所で取り調べを受けていた為だ。

 

……………………

 

「まさかだし巻き卵から俺に辿り着くとは、この国の警察も中々やるな……次は甘い卵焼きにするか……」

 

「いや、反省すべきはそこじゃないと思うが……」

 

俺はリアとシエロに身元引受人となってもらい、無事拘置所から保釈された。美味すぎる料理に罪は無いのだが、人を不意打ちで脱がせる行為には当然ながら罪が問われる。最初はクレアが捕まったのだが「こんな美味いだし巻き卵が作れる程繊細な女じゃない」との名推理で真犯人(俺)に辿り着いたらしい。ちなみにクレアはその検察をボコったので、もう少し長くお世話になるようだ。

 

「そう言えば、エーリカの様子はどんな感じだ?色々とトラブるに巻き込まれてたし、調子を崩してないと良いんだが……」

 

「安心しろ。いつも通りの元気な姿を見せている」

 

「うん、いつもの可愛いエーリカちゃんだったよ」

 

2人がそう言うのなら、先ずは一安心としておこう。今夜はディナーショーを企画していたが、エーリカの調子だけが気掛かりだった。それが改善しているのなら、特に何の問題もない。

 

「エーリカ、カズマを連れて戻ったぞ」

 

「よお、邪魔するぞエーリ……」

 

「あっ!おかえりカズマ!」

 

「は、はい……ただいま戻りました……」

 

なんて期待してエーリカに会った時、俺は謎の違和感に襲われることになる。目の前に居るのは間違いなくエーリカ本人であり、見たところおかしな点は見当たらない。それなのに感じるこの違和感を、あえて言葉で表現するなら……

 

「な、なんか今日のエーリカは一段と可愛いな……」

 

「へっ?!あ、えっと……ありがと……」

 

エーリカの顔もリアクションも、以前の3割増で可愛い気がする。

 

「どうしたエーリカ?なんかいつもとリアクションが違う気がするが……」

 

「いつもならドヤ顔して「そうでしょ!」って誇らしげに返事するのに……」

 

「えっ?!こ、これはその……カズマにこっちのほうが可愛いって教えて貰ったから……」

 

いやそれベッドでの話でしょ?!今の俺には有効だけど、流石に露骨過ぎて怪しまれるだろ?!

 

「お、俺はこういうのも良いと思うんだが、やっぱりチームの意見も聞いたほうが……ほら、色々とやり難さとかあるかも知れないし……」

 

とか言ってみたが流石に苦しいか?俺の一言でエーリカがキャラ変更するなんて、流石に急展開が過ぎる気が……

 

「清純派路線か、確かに悪くないかもな!」

 

「こういうエーリカちゃんも可愛いと思うよ!」

 

「えっ、なんか受け入れるの早くない?もっと色々と気にならないのか?!」

 

俺が突っ込むのも変な話だが、流石にこの変化は流せるレベルと思えない。普段ならウィズのアイテムを疑うとか、変な呪にかかったとか、もっと心配すべき状況で………

 

「可愛さ追求して猫になる薬を飲まれるより、こっちの方が断然マシだろ?」

 

「良くわからない紅魔族デビューされるより、ボク達の心労は相当低いから……」

 

「あぁ、元がぶっ飛んでるからこれはマシな方なのか……」

 

いやまぁ、皆がそれで良いなら良いんだけどさ。俺も特に異論は無いし……

 

…………………

 

「リハーサルオッケーです!休憩入ってください!」

 

「「「は〜い」」」

 

ディナーショーのリハーサルも無事終わり、エーリカは普段通りの活躍を見せてくれた。となれば俺の憂いは勘違いで、今のエーリカは恥ずかしさにより普段と違うリアクションをしているだけ、と言う話になりそうなのだが……

 

「なぁリーン?なんかエーリカがいつもより可愛いと思わないか?」

 

「言われてみれば肌艶も良いし、凄い絶好調って感じはするけど……まさかカズマ、担当の踊り子にまで手を………」

 

「そう言う意味で聞いてねぇよ?!ただ、なんか違和感を感じてな」

 

それに、手はもう出しちゃった後だしな。凄く可愛いの見ちゃったしな。

 

「踊り子が可愛いのは良いことじゃない?それで売り上げが伸びてくれれば、私達のバイト代も弾んでくれるんでしょ?」

 

「満席なんだからこの上はねぇよ……ディナーショーの夕飯出すから、それで勘弁してくれ」

 

「おっ!流石は敏腕プロデューサー!スタッフへの労いってのが解ってるね!」

 

ちなみにリーンが会場の中に居るのは、警備と力仕事の為だ。近くにいるスタッフはシエロの都合で基本的に女性オンリーの為、リーンのようなフィジカル高めの冒険者が重宝される。ちなみに、他の3人もバイトに来ているが、あいつらは外の警備と客の誘導だ。シエロに殴られたらテーブルやら壁も壊れるので、リハ中は男子禁制である。

 

「いやはや、流石はこの国でもトップの踊り子。リハーサルから圧巻ですね」

 

「そりゃうち自慢の踊り子ですからね。料理長の料理が冷めてしまっても、当方は責任を負えませんよ?」

 

「ハハハ!私はカズマさんに星を貰った料理人ですよ?ショーの良い所を見逃すくらい、美味しい料理を提供させて頂きます」

 

とは言え店の関係者は締め出せないので、男子がゼロって訳ではない。こういう所にも気を配るのも、プロデューサーの仕事である。シェフが不在のディナーショーなんて、もはや何をしに来たって感じだしな。

 

「しかし、今日のエーリカさんは一段と輝いて見えますね?」

 

「やっぱりそう思います?俺もそんな気がしてたんですよ」

 

やはり料理長の目から見ても、エーリカの可愛さが際立っているらしい。それ自体は決して悪いことじゃないし、普通に事後によるツヤツヤ補正の可能性もある。それならそれで良いのだが、この違和感は一体……

 

「ね、ねぇカズマ……リハのエーリカちゃん、ちゃんと可愛かった?」

 

「当たり前だろ?エーリカはいつも可愛いんだから、堂々と踊ってくれれば良いんだよ」

 

「……うん!私頑張るね!」

 

いや本当に今日のエーリカは可愛いな。なんかキャラの違いだけでこんなに差が出るとは、女の子って凄いんだなと……

 

「くっ……まさか……こんな……」

 

「えっ?ちょっと料理長どうしたんですか?!」

 

そんな平和な気分でいたら、突然料理長がうずくまった。その表情は焦燥と困惑を感じさせ、更に大量の汗も噴き出している。間違いなくこれは只事じゃない。こんなに症状が急変する病気となれば、人命に関わる可能性もある。

 

「リーン!直ぐにセレナとエリスに連絡してくれ!エーリカは肩を貸してくれ!料理長を別室に寝かせる!」

 

「わ、分かった!」

 

「ちょっ……今エーリカさんは……ふおぉぉぉー!」

ビクンビクン!

 

「「何事?!」」

 

俺とエーリカが肩を貸した瞬間、料理長の身体が痙攣を初め、そのまま力無く地面に倒れた。そして、何となくその身体から、海産物の匂いがしたような気がした。

 

……………………

 

「命に別状はありませんが、当面は目を覚まさないでしょう。酷く消耗していますし、当面は安静が必要です」

 

「そっか……ディナーショーを楽しみにしててくれたのにね……」

 

駆け付けたセレナの診断により、取り敢えず料理長の無事は確認できた。外傷や病気、更に呪い等の呪術的要素も無かったとの事なので、安静にすれば回復するそうだ。最悪の事態にならなかったのは、素直に良かったと思う事にする。

 

「料理長がこの様子では、今日のディナーショーの料理は……」

 

「それはさっき作ってきたから大丈夫だ。ちゃんと脱衣する直前くらいのレベルで抑えてある」

 

「そんな片手間に何とか出来るのか?!本当に食戟でも初めそうな勢いだな……」

 

「流石にそんな変態祭りは開催しねぇよ……それより、今夜のショーをどうするかだろ?」

 

ディナーショー開催は可能ではあるが、それでも問題の原因は分かっていない。もしこれが未知の攻撃方法なら、この店に滞在するのも危険と言う事になる。

 

「エリス、女神の目から見て何か異常はあったりするか?」

 

「い、異常はありませんし、恐らくアクセルハーツの皆さんに危険は無いかと思いますが……」

 

「本当ですかエリス様?!」

 

「えっ、えぇ……少なくともここに居る方に危険はないかなと……」

 

普段のエリスなら危険は避けそうなものだが、意外にも3人の安全を口にした。と言うことは、この現象は神様の力が関係すると言うことだ。そういう事情が見えてしまうと、むしろ中止の方が危険かも知れない。あの神々がライブを観られないとか言われたら、余計なフォローをしかねない。

 

「エリスが大丈夫って言うなら、俺からも中止とは言えないな。ファンは待ってくれているんだし、最高のショーを見せてやれ!」

 

「「「おー!」」」

 

既に問題は起きているので、その解決は裏方で対応するわけだが……

 

……………………

 

「さて、開演まで残り2分だが……今の所不審者は居ないみたいだな」

 

「あぁ、敵感知にも反応無しだ」

 

エリスの大丈夫を信じたとしても、それはあの場に居た人間のみ。つまり、ここに居る客が無事という保証は無く、何なら神様がやらかす事もある。と言うことで、セレナと俺が見張りをしている。夜目が利く女神付きの諜報員は、こういう時こそ頼りになる。

 

「みんな!今日は来てくれてありがとう!」

 

「短い時間ではあるけど、一生懸命歌います!」

 

「だから、目を離さないでしっかり見ててねー!」

 

「「「「「「わぁ〜!!」」」」」」

バタバタッ!

 

オープニングのコールが始まると、一気に会場の熱が上がる。そしてその盛り上がりの最中、数人の客が椅子に突っ伏した。

 

「くっ!やっぱり攻撃を受けているのか?!」

 

「いや、数人ならいつもの事だ。大抵は興奮と熱狂で数人倒れる」

 

「そ、そうか……分かりたくないが分かった……」

 

セレナの微妙な気持ちも分かるが、熱狂的ファンに囲まれたらこういう事は普通にありえる。それでもエリスが降り立った時よりマシだろう。何人か召されて蘇生されてたしな……

 

「あと、何か異臭がするような気もするんだが……」

 

「気にするな。不可侵の女神に会いに来るんだ。抜いてくるのが作法だろ?」

 

「匂いがするのはおかしいだろ?!抜いたもん持参してんのか?!」

 

あれ?そう言われると確かにおかしい。時折握手会で触れずに逝って即退場の上級者もいるが、ライブの途中のパンチラ、胸チラで逝ける奴は見たことがない。それがここまで匂いがするなんて、いくら何でもリアクションが……

 

「今日のセンターは……エーリカちゃんだよ!」

 

「「「「「わあぁ〜!!」」」」」

バターン!

 

「こ、これはどういう事だ?!」

 

「へっ?変態が熱狂して倒れたんじゃないのか?!」

 

センターの報告で人が倒れるのも、決して無い訳では無い。だが俺が気になったのは、倒れた人数のバランスだ。3人の人気はある程度拮抗していて、エーリカのコールで半数倒れるなんて事はあり得ない。となると……

 

「不味い!エーリカを舞台袖に……」

 

「今日もエーリカちゃん可愛い〜!!」

 

「へっ……あっ……その……ありがと……」

カッ!

 

その時、俺は非人道的兵器と言うものを垣間見た。倒れた人達の共通点は、ただ照れる彼女を視界に入れていただけ。ただそれだけで容易く意識は刈り取られ、心臓と脳を破壊されたのだ。これが真のKAWAII、見た目だけで人間を壊せるなんて、もはや兵器といっても過言じゃない。

 

………………………………

 

「成程……これは魔貌の効果ですね……」

 

こういうぶっ飛んだ事象が置きた時には、取り敢えず天使を呼ぶと原因が分かる。あらゆるToLOVEるを起こす側の知見と言うのは、解決する側より理解が深い。それで別の問題が起きたりもするので、なるべく頼りたくないのだが………

 

「その魔貌ってのはどういう力なんだ?エーリカに一体何が起きているんだ?!」

 

「本人に自覚は無いでしょうが、魔貌とは美貌より上にある特殊な権能です。魅了はあくまで精神干渉ですが、魔貌は魂や能への直接干渉……つまり、魅力的過ぎて無意識に洗脳出来るのが魔貌です……」

 

「そ、そんな力がエーリカに……」

 

時折こういう謎パワーに困らされる事はあるが、流石に見たらアウトは条件が厳し過ぎる。それだけで人を狂わせるなんて、こんなのどうすれば良いというのか……

 

「エーリカさんは女性的な可愛さが発動条件なので、基本的に同性の方への効果は薄く、元から可愛い姿を見慣れている男性もある程度の耐性があります。ここにいる方々が無事だったのは、あくまで耐性の差と言うことですね」

 

「すみません。見慣れたファンの皆様なら大丈夫かと思ったんですが、エーリカさんの力が想定を超えていて……まさかこれ程の力を持つなんて……」

 

エリスが状況を読み間違えたのは、多分エリスもエーリカを見慣れているからだ。どんな美人も飽きると言うが、それは慣れると言う事に他ならない。しかもそれが同性であれば、読み間違えても仕方がないだろう。

 

「ファンの皆は、無事なんだよね?」

 

「直ぐに意識を刈り取られたので、皆さん大事には至っていません。しかし、エーリカ様がこのままですと、人前に出るのは危険です」

 

「仕方ない。何が原因かは分からないが、当面の間は活動中止だ。取り敢えず返金とファンへのケアを優先して、同時にエーリカの力をセーブする方法を探そう」

 

「ごめんねリア……私が可愛過ぎるばっかりに………」

 

その言い方は煽ってるようにも聞こえるのだが、これがマジなのだから笑えない。取り敢えず赤字は俺が補填しよう。エーリカの魅力が凄くなったきっかけは、何となく俺が手を出したからな気がするし………

 

「取り敢えず、魔貌を持つ方の話を聞きましょう。大変危険な力ではありますが、抑えている方も確かに居ますから」

 

「分かった!私の可愛さで迷惑をかけるのは嫌だから、この力を抑えられるようになるよ!」

 

やっぱり煽ってるようにしか聞こえないが、それでも困っているのは事実。アクセルハーツが活動できないのも困るので、俺も全面的にサポートするとしよう。原因の究明なんて話になれば、俺の罪まで暴かれそうだし……

 

……………

 

「成程、それで私の所へ……」

 

魔貌持ちなんて知らないと思っていたら、まさかのウォルバクがそれに該当。言われてみれば女神の中でも反則みたいなビジュアルだが、まさかそこまでのレベルとは……これでアクアが出たら異議を申し立てて居たところだが、ウォルバクなので異議はない。

 

「お願いですウォルバクさん!私の可愛さで誰かを傷付けるなんて嫌なんです!どうしたら魔貌を抑え込めるようになりますか?!」

 

「教えてやってくれウォルバク。魔貌スキルの習得は出来たが、そもそも俺じゃ発動出来ない。普段抑え込んでいるお前なら、エーリカを助けられると思うんだ」

 

一応スキルとして習得してみたのだが、発動条件が魅力依存ではそもそも発動さえ出来なかった。

 

「えっと、そもそも私って魔貌持ちなんだっけ?」

 

「「「「「………えっ?」」」」」

 

アクセルハーツと俺の視線が、気不味そうにする天使へと刺さる。ここまで来てスキル持ちじゃないとしたら、コイツを頼った俺が馬鹿みたいだ。

 

「いやありますよ?!普段封じているだけで、本気になれば世界中の男を魅了できますよね?!私それでモテようとしましたもん!こっちで調べはついてますからね?!」

 

「私は別に、カズマだけで良いのだけど……」

 

「私の好感度を下げるの辞めてくれます?!」

 

お前の好感度については、もう下方向に振れ幅ないと思うけどな。

 

「取り敢えず身支度をして良いかしら?バッチリ決めたアイドルを前に、寝起きでボサボサなのは流石に恥ずかしいし……」

 

「なら俺が手を貸すよ。今日はアーネスが早番だし、髪のセットとか一人じゃ大変だろ?」

 

「うん、お願いするわ」

 

取り敢えず魔貌の存在については、身支度したウォルバクと一緒に考えるとしよう。知識量と魔法への理解を考えても、結果的に頼ることになっただろうしな。

 

…………………

 

「「「あっ、やっぱり魔貌持ちだ……」」」

 

「えっ、何いきなり?!」

 

ウォルバクが身支度から戻ったところで、アクセルハーツの3人が声を挙げた。日頃そこまで気にしていなかったが、改めて見るとウォルバクの美貌は桁外れ。バッチリ決めた顔を真っ直ぐ見れば、嫌でもその美しさを知る事になる。

 

「ウォルバクさん……ちなみに踊り子としてデビューするつもりは……」

 

「抱き込もうとするなよ……踊り子なんて体力仕事、インドア女神には荷が重いぞ」

 

さっきは全く分からなかったが、やはりウォルバクは魔貌持ちで間違いない。アクセルハーツも見惚れる程なので、その効果はエーリカ以上とも言えるだろう。それを抑える方法というのも、つい今しがた明らかになった。

 

「取り敢えず、対策は分かったからエーリカはこっちに来てくれ。スキルが発動しっぱなしだと、日常生活にも支障が出るからな」

 

「えっ、なんでそんな微妙な顔してるの?対策って一体何するの?!」

 

……………………………

 

「こ、これが魔貌封じなのか……」

 

「確かに魅了はされないけど……」

 

「「「流石にこれは無しだと思う……」」」

 

アクセルハーツの声が被り、俺に非難の目が向けられる。それも仕方のない事だろう。今のエーリカは鼻眼鏡をかけ、アフロのカツラを着けているのだから。

 

「ウォルバクの魔貌が発動しないのは、視線の殆どが胸に吸われることに加え、寝癖の付いた髪に眠そうな顔、そしてだらし無い服装と姿勢が魅力を下げているからだ。つまり、エーリカも魅力が無くなる格好をすれば、誰かを魅了できなくなる訳だな」

 

「だからってこれはやり過ぎでしょ?!寝癖でも良いって言うなら、カツラじゃなくて髪の毛を跳ねさせれば……」

 

「それだと魔貌が発動する」

 

「なんでそんなに判定厳しいの?!」

 

エーリカの納得できない気持ちも分かるが、これはスキルの仕組みが関係している。俺でも理解に時間がかかったが、端的に言えば発生条件がポイント制と言うスキルの構造が原因なのだ。

 

「魔貌は可愛さなり美しさが一定基準を超えると発生する。ウォルバクの場合は美しさなので、寝癖や服装で美しさ-10すれば抑え込めるんだが、可愛さで発動するエーリカの場合、寝癖も可愛いと扱われて−2しか引かれない。だから、加点要素を隠す鼻眼鏡とアフロが正解なんだ」

 

「そんな……私は何をしても可愛過ぎるって事なの……そんなの困るよ!」

 

これが何処となく嬉しそうに聞こえるのは、多分気の所為で良いんだよな?鼻眼鏡で表情は見えないままだが、実はニヤついてたりしないよな?

 

「流石にこれはあんまりだし、エーリカちゃんには少しの間家にいて貰おうよ。要は、エーリカちゃんが異性の目に触れなきゃ良いわけだし……」

 

「そうだな。流石にこれは乙女として容認出来るとは思えない。当面は魅了されない私達が支えるから、その間に発生した理由と対策を改めて探せば良い。勿論、エーリカの納得する形でな?」

 

「ふ、二人ともありがとー!」

 

アフロと鼻眼鏡を投げ捨てたエーリカは、そのままリアとシエロに抱き着いた。気になる点は確かにあるし、今は2人にエーリカを任せよう。醜態をさらしたエーリカファンも、直ぐには立ち直れないだろうしな。

 

「分かったよ。引き続きこっちで色々と調べるから、エーリカの件は2人に頼m……」

 

「はぁはぁ……エーリカちゃんの泣き顔……良い匂いが……」

 

いや待て何だあれ。シエロの目がハートになって、背中に添えられた手が徐々に下に………

 

「って待てぇ!シエロがやられてる!魅了されて暴走してる!」

 

「なに?!離れろシエロ!エーリカの純潔は私の物だ!!」

 

「いやリアもやられてんのかよ?!」

 

駄目だこれ!直ぐに解決策を見付けないと色々とやらかしかねない!

 

「ウォルバク!取り敢えず2人にスリープを……」

 

「ま、マンモスうれぴー……う〜ん、ちょっと違うかしら…」

 

「お前も煽てられてアイドルの練習してんじゃねぇよ!あとそれもう使ってる奴居ねぇからな?!」

 

「そうなの?!」

 

取り敢えずリアとシエロはスリープで寝かせ、エーリカは我が家に泊まることになりました。

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

リゼロに居たような能力居ましたが、そんな凄い感じは出しません。この酷い状態でまさかの2部編成です。

また不定期ですが、今後ともお暇な時にでもお付き合いください。
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