※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

このすばどころかカルテットまで出ているこの話。このファンの他の子はまだですかって聞かれることもしばしばです。しかし、キャラが増えると絡みのパターンが増えるので、ネタ枠作者としては割と美味しいのでは……

と言うことで、トラブルメーカーを1名追加です。またお暇な時にでもお付き合いください。


この迷惑な精霊に自由な日々を

アクセルの治安はとても良い。それは人々の模範的行動や、治安を守る衛兵達の質、そして治める者達の高い倫理観が招いた結果である。それがどれだけ素晴らしいかと問われれば……

 

「離してください!私の悪戯は愛ある悪戯ですの!」

 

「何が愛のある悪戯だ!何度も何度も再犯しやがって!今回はマジで許さねぇからな!」

 

クソ迷惑な雷の精霊が、即捕まるくらいの素晴らしさである。

 

………このファン未修の為の人物紹介……………

 

カズマ

本作の主人公。欲望に忠実なクズ。最近ちょっとまともに見えるが、女に不自由しなくなり、セクハラの必要性がなくなっただけで根底はクズのまま。好きなエッチはイチャラブ系。最近淫魔スキルだけでラインハルトの総スキル数を超えた。淫魔も軽く引くレベル。

 

メル(このファン)

雷の精霊♀。転生者のイメージで産まれた精霊。セクシーでイタズラ好きで「ダーリン好きだっちゃ」って言いそうな格好をしている。イタズラが過ぎて封印されていたのを、めぐみんが爆裂で解いてしまった。カズマをイタズラの師と仰ぐ知能が残念な子。以前は衛兵が無能だったのでイタズラも見逃されて居たが、クレアの訓練とセナの采配により普通に捕まるようになった。最近は対策されて過ぎて、◯ケット団に捕まるヒ◯カチュウくらい簡単に捕まっている。

 

スコール(このファン)

メルの保護者で狼の獣人♂。獣を集める体質に難儀している。森の賢者と言われるくらい賢いが、寝起きが悪過ぎて他人に起こされると襲ってくるやばい子。カズマが割と常識人だと思っているが、カズマは♂には無害なので間違いではない。もふもふ。

 

セナさん

出来るキャリアウーマン代表。カズマに対し夢を見ている勘違い女子。ちょっと性欲強めで、カズマにストッキングを破られて犯される夢を定期購読している。ソロプレイは週6回。

 

セレナ(セレスディナ)

元魔王軍幹部のダークプリースト、やられたらオートでやり返すレジーナ教の最大司教(信者コイツだけ)。相手の洗脳も出来て凄い。告解室セックスの申し子。

 

ウォルバク

めぐみんの爆裂の師匠でキングオブおっぱい。歩くだけで街の青少年の性癖が狂う。

 

エリス

女神界のキングオブ可愛い。少しヤンデレだがそれ以上に可愛いので許されてる。性欲は少なめだが、それを遥かに上回る独占欲と愛欲があるので結局ドスケベヤンデレに見える。回転寿司のガリはおかわり2回までの誓いを立てている。えらい。

 

 

…………以下本編……………

 

「えっと……それで俺が身元引受人ですか……」

 

「えぇ、もう他に適任は居ないかと……」

 

疲れた顔のセナさんに呼び出された俺は、拘置所のオフィスで話をしている。メルの素行に悩まされ続けた結果、もう俺に頼る他無いと思ったそうだ。それはまぁ分からなくもないのだが……

 

「なんで今更なんですか?と言うかスコールは?」

 

「今まではスコールさんが1人で頑張っていたんですが、今は胃に穴が空いて入院しています。というのも、もし王族や英雄にちょっかいをかければ、再封印して簡易発電所にするとレインさんが圧をかけまして……」

 

「あぁ、そりゃ心労も感じるでしょうね。レインならマジでやりそうですし……」

 

今のレインとクレアは割と温厚だが、それでも王族への忠誠に変わりはない。もはや王族関係者とされている俺への悪戯は、2人にとって不敬以外の何物でもないのだろう。それで俺達と距離を置いたのなら、それは英断だと思う。あのメルが素直に言う事を聞くなんて、万が一にもあり得ない。

 

「それで、今回はなんで捕まったんですか?直接俺を身元引受人にするなんて、余程の事をやったんですよね?」

 

「そうですね。仲良くしていた方々が軒並みカズマさんの関係者となってしまい、彼女は孤独に負けて……」

 

「ヤケになってヤバい悪戯を?」

 

「いえ、無差別悪戯で友達を作ろうとして、運悪く国王を落とし穴にハメました」

 

「すみません。ちょっと先に菓子折り買ってきます!」

 

………………………………………

 

「こ、この度は助けて頂き……本当に感謝しかありませんわ……」

 

拘置所から引き取られたメルは、俺の家に着くなり深々と頭を下げた。あの頭の悪いハイテンションが見られないと言う事は、恐らく相当な恐怖を味わったのだろう。即悪戯なんて事にならなくて良かったが、流石にこれは少し気になる。

 

「えっと……ちなみに拘置所で何が……」

 

「あのレインとか言う女、私の穴という穴にコンセントを入れて使えるか試そうとしたんですの……最初は鼻にコンセントを挿して、次は電極を分けて両耳に……私の質問には答えてくれないのに、ボソッと「精霊なのですから、もし失敗して消えてもまた何処かに現れますよね……」とか言うんですのよ?!あれは間違いなくやべぇサイコパスですの!」

 

確かに怒ったレインなら、それくらいの恐怖は与えてくるだろう。それでも即処刑としなかったのは、国王の温情を優先したと考えるべきだ。もし王様も怒り心頭だったなら、コイツは今頃家庭用バッテリーになっている。ありがとう王様。普通のコーラとポテチで申し訳ありませんが、どうか楽しんでください。

 

「ねぇ、この子も初登場の時に似たような事してなかった?」

 

「モンスターを蘇生して友達にしたり、人を殺して霊薬で蘇生して恩を売るとか言ってましたね。そういう意味では、メルも間違いなくサイコパスだと思います」

 

「そ、それはその……あの時の私は若かったと言うことで……」

 

「いや流石にその言い訳はキツイだろ。せめて精霊だったからとかにしとけよ……」

 

ちなみに前と後ろの穴も試されたのか聞きたいのだが、それを聞くと俺が悪者になるので黙っておこう。

 

「ねぇカズマ。さっきから盛り上がっているみたいだけど、私とセレナは初めましてよね?先に紹介は無いのかしら?」

 

「おっと、そうだったな。こいつはメルっていって……」

 

「雷の大精霊ですの!凄く希少で特別な存在ですが、そんな畏まらず、普通のお友達として接してくれて良いですわよ!」

 

なんだその鬱陶しい自己紹介。何も嘘は付いていないのに、それ言うとむしろ小物に見えるから不思議だ。と言っても、それで対抗できる相手でも無いんだけどな。

 

「私はウォルバク、エリスと同じく女神よ」

 

「私はセレナ。一応この国では聖女で通っています」

 

「そ、そうですの………まぁ、肩書なんて些末な問題ですわよね……」

 

そうだな。先に始めたのはお前だけどな。

 

「不味いですわカズマ……人は特別な存在に惹かれると言うから、すんごい精霊感を出してみたのに通じませんわ……」

 

「そのすんごい精霊感が自己紹介だけで、話題になったのも悪戯だけじゃな……」

 

まぁ、だからって雷落とされても困るんですけど……

 

「私だって我慢する努力はしたんですの!でも、流石にもう限界ですの……スコールは入院して遊んでくれませんし、街で友達に悪戯すれば即逮捕ですし、適当に仕掛けたら処刑目前ですし……」

 

「それ全部自業自得なのよね……」

 

「アクアには言われたくないと思いますが、確かに同情しにくい状況ですよね……」

 

「ねぇめぐみん?貴方も昨日農地を吹き飛ばしてたんじゃ……」

 

「……抗えない本能って、誰にでもあると思うのです」

 

「どういうことなの……流石に手の平返しが早すぎない?」

 

問題児と言う意味では、多分うちの連中も同じレベルなんだよな。マジでスコールに同情する。

 

「でも、こんなに元気のないメルは初めて見るわ。カズマさん、私以外に良いターゲットは居ないかしら?」

 

「それを素で言うなよ。お前女神だろ?自己犠牲精神とかねぇの?」

 

「無いけど?」

 

「……だよな」

 

だが、確かにここまで元気のないメルは初めて見る。悪戯禁止って程度の話でも、それが生き甲斐なら本人にとっても大問題だ。だからって合法的に悪戯できる相手なんて……

 

「……いや居るな。思ったより身近に居るわ」

 

「えっ、なんでこっちを見てるのカズマさん?私は絶対に駄目なんだからね?!」

 

俺は首を傾げるアクアを見ながら、とある組織を思い浮かべた。悪漢の撃退と言う名目があれば、実は悪戯も悪とは断ぜない。ホームア◯ーンって映画もあるしな!

 

…………………………

 

「まさか聖歌隊にアクセルハーツが参加するなんて、エリス様に深く感謝を……」

 

「そこは普通に企画者のカズマさんにお礼を言ってくださいよ……」

 

穏やかな天気と快適な気候。俺の提案したアクセルハーツの聖歌隊参加は、満席御礼でその開始を待たれている。

 

「しかし、このような吉報を街中に公開してよかったのですか?信徒にだけこっそり伝えねば、あやつらが……」

 

「それはカズマさんが責任持って何とかするらしいので、信用してくださいとしか……」

 

「はぁ……」

 

先日の流れから分かると思うが、今日の企画はメルの為だ。あのイタズラしないと狂いそうになる精霊には、イタズラしても怒られない環境を用意するしかない。と言うことで、何しても死なない悪役こと……

 

「なんでエリス教会ばっかり!」「アクシズ教会からの誘いは断った癖に!!」「ふざけんなこのハーレム野郎!」「せめてアクセルハーツに会わせろ!」

 

「反社会組織にアクセルハーツは貸し出せません!改宗、または組織解体しないならお帰りください!」

 

アクシズ教徒の皆様にお越し頂いたと言う訳だ。ここまで行動が予想通りだと、流石に心配になる頭の悪さである。

 

「ふざけんな!うちの何処が反社会組織だ!あぁん?!」

 

「そのリアクション、今どき反社会組織でも中々やらねぇぞ」

 

「おらぁ!私にもリアちゃんペロペロさせろぉ!」

 

「そんなサービスは最初からねぇよ!帰らなきゃ実力行使だからな!」

 

「「「「望むところだ!やったるぞ!おらぁ!」」」」

 

取り敢えず口頭で説得してみるが、それで退かないのがアクシズ教。これで大義名分は出来たので、後はメルに任せるとしよう。悪漢の撃退にイタズラするなら、恐らく捕まりはしない。

 

「これはまた、イタズラし甲斐のある方々が揃っておりますわね!」

 

「そうだろ?これでお膳立ては出来たから、後はメルの好きにしてくれ。敷地内にトラップは設置済みなん……」

 

ズボッ!

「くっそ!なんでこんな所に落とし穴が?!な、中にローションが入ってて抜けられねぇ!」

 

「やりましたわ!」

 

いや早い早い。流石にそれは展開が早すぎる。

 

「畜生エリス教徒め!そんなにアクセルハーツの歌を独占したいのかよ!」

 

「そうはアクア様が……ひぎゃ〜!すぐ隣にまだあった!」

 

この状況を作ったのは俺なんだが、流石にここまで展開が速いとは思っても見なかった。敷地に一歩入った所に落とし穴を掘るメルも、言い合いから2秒で実力行使するアクシズ教徒も、まるで躊躇と言うものがない。もはや本能で生きる昆虫レベルだ。

 

「お聞きなさいアクシズ教徒達!アクセルハーツは私のお友達、その活躍の場を邪魔するとあらば、容赦なくイタズラさせていただきます

!覚悟のできた者からかかってきなさい!」

 

「なんだと……」「あの巨乳女子にいたずらだと……」「されたい!」「いや!むしろイタズラし返したい!」「これはお仕置き、いや分からせるしかねぇ!」

 

「………カズマ。彼らがいたずらに積極的なのは嬉しいのですが、なんか気持ち悪いやべぇ方々ですわ」

 

「やべぇのはお互い様だろ。それじゃ俺アクセルハーツの方へ行くから、後は好きにやってくれ」

 

「任せてくださいまし!」

 

俺は目をキラキラさせるメルを置いて、エリス教会を目指した。メルの為に環境は作ったが、正直共犯者にはなりたくない。と言うことで、後は迷惑者同士で勝手にやってくれ。

 

…………………

 

「やっぱり近くに居るべきだったかな……」

 

何となく嫌な予感がして戻ってみれば、目の前に広がる大変な惨状。イタズラを本気で実践した結果、何故か教会の庭が戦争の後である。どうしよう。こいつマジで加減を知らねぇ。

 

「どうですカズマ!私の大活躍により、見事に教会を守り切りましたの!」

 

「いやこれ守りきれてねぇだろ?!教会への侵入者は居なかったみたいだが、庭や塀がボロボロじゃねぇか?!」

 

一応事前の打ち合わせでは、悪戯はあくまで時間稼ぎ。無力化したアクシズ教徒は、巡回に来た衛兵へと引き渡す事になっていた筈だ。

 

「それは仕方ないですの。これだけ騒いでも衛兵が来なかったのですから、私に責任はありませんわ」

 

「こんな被害で?!」

 

確かに今までの衛兵なら、この惨状にも見て見ぬふりをしたかも知れない。魔王軍が来ても冒険者任せだし、街の事件でも役に立たないし、正直税金の無駄だと思っていた。だが、クレアの元で改善された衛兵なら、こんな事態に駆け付けないなんてあるはずが無い。

 

「……………なぁ、そこら辺に埋まってる甲冑って、衛兵が普段着てる奴に似てない?」

 

「え、衛兵に扮して襲ってくるだなんて……アクシズ教徒は本当に恐ろしい集団ですのね……」

 

「にしては数が多い気がするし、なんならこいつはエリス教のお守りを持ってる訳だが……」

 

「そ、それは不思議ですの〜…」

 

俺の至極当然な指摘に、メルの視線が泳ぎだす。電気への対策は取られるようになったが、罠への対策は簡単ではない。それが事前準備アリの本気の罠なら、それこそ衛兵だって苦戦する。つまり………

 

「メル。お前衛兵もついでに罠にはめたな?」

 

「いやその……それはきっと不幸な事故で…」

 

「そっか……それじゃレインに連絡を…」

 

「だって!だって私を何度も牢屋にいれたんですのよ?!少しくらい反撃したって良いはずですの!いったい私が何をしたと言うんですの?!」

 

「悪質な悪戯ですけど?!」

 

どうやら、俺はメルの馬鹿さを甘く見ていたらしい。バッテリーにされそうになった翌日に、しかも衛兵相手にこの始末。こいつが精霊であることも加味すれば、即処刑だって、不思議ではない。

 

「しょうがねぇなぁ。次に衛兵が来たら誠意を持って謝るぞ。事故って事なら多少は話を聞いてくれるだろうし、俺が説得に付き合ってやるよ」

 

「カズマぁ……やはり貴方は敬愛する師ですのぉ……」

 

本当なら見捨てて帰りたいが、メルの面倒を見るのはそもそもエリスに頼まれた事だ。マジで処刑されるのも寝覚めが悪いし、スコールもきっと悲しんでしまう。それに俺の立場があれば、衛兵の説得など容易で……

 

「オラァ!アクシズ教徒の敵はどこだぁ?!」

 

「仲間の敵を取りに来たぞぉ!!」

 

「あっ、どうしようそっちは想定してない……」

 

身分と金があれば衛兵は多少動かせるが、それではどうにもならないのがアクシズ教徒。普段なら先遣隊が逮捕されて退くのだが、今回はメルのせいで全面戦争のような状態になっている。相手がエリス教でそんな状況になれば、アクシズ教徒が退くはずがない。

 

「か、カズマ……あの方たちの説得は……」

 

「無理だ……いくら言葉が通じても、あいつらに話は通じない……」

 

「それは間違いなくヤバイ奴ですの!」

 

少なくともメルには言われたくないと思うが、実際にこの状況は不味い。敵対組織の抗争なんて、ストッパーが居なきゃ止まるはずがない。

 

「この場に戦える人間は殆ど居ない。だから、俺達だけで止めるぞメル!」

 

「わ、分かりましたの!これでも高位な精霊ですから、教信者の1人や2人……」

 

「ドアぶち破る準備は良いかぁ!」「破城槌よーし!」「高レベル冒険者よ〜し!」

 

いや、ブレーキ無いからってそこまでする?破城槌ってあれでしょ?城門壊すあれでしょ?!

 

「高位な精霊さん。あれ壊せる?」

 

「無理ですの。戦争用の兵器を容易に破壊出来る程の力は持ち合わせていませんの……」

 

「だよな……宗教団体がアレを持ち合わせている方がおかしいもんな……」

 

と言うか宗教団体かアレ?もはやテロリストだろ。あんなの持ってたらテロリストだろ!

 

「おら行くぞぉ!正面のドアをぶち破れぇ!」

 

「「「「「「おぉ〜〜!!」」」」」」

 

「くそっ!流石にこれは止められない!メル!ありったけの補修材と罠の材料、そんで穴掘った時の土と石も持ってこい!!」

 

「そ、それで何を?!」

 

「効果的な罠を作るんだよ!!!」

 

重く軋むような破城槌の車輪音が、物凄い勢いでドアへと迫る。あんな物理的に強固な物体は、俺とメルの火力では壊せない。だが、あんなデカくてゴツいもの、建物の中には入れない。

 

「ぶち破れぇー!!」

 

「ドアを壊すな!」

 

バタン!ブンッ!

「あれぇ?!」

 

いきなり開いた正面のドアに、破城槌の一撃が空を切る。そして、開かれた扉の先にあるのは、さっき急ごしらえした下りの石段。普通に考えりゃ罠にしか見えないのだが……

 

『アクシズ教とか言う邪教は立ち入り禁止』

 

「「「「「「いい度胸だなこの野郎!!!」」」」」」

 

こいつらは根底が馬鹿なので、案外簡単に何とかなったりする。と言うか全員で地下に突撃って、お前らマジで虫か何かか?

 

「それじゃメル。廃材で入り口塞いでくれ」

 

「しまった!これは罠だ!!」「なんて精巧な!」「相手には高度な策略家が?!」

 

これはお前らが馬鹿すぎるだけだろ。鳥の罠と同じレベルだぞ。

 

「そうですの!こっちには最強の策略家である……」

 

「デミウルゴスが付いてるからな!」

 

「……へっ?」

 

何とも言えない顔をするメルを横目に、俺は最後まで自身の立場を守り切った。アクセルハーツを貸さなかったのは俺の判断だが、罠まで俺のせいなんて思われるのは不本意だ。と言うことで、デミウルゴスの評判を上げておこう。あいつはプロの悪党なのだし、むしろ評判アップと言えなくもない。だからそんな目で見ないでくれ!俺だって少しは申し訳ないと思ってるから!

 

……………………

 

「見てくださいカズマ!遂に悪戯で感謝されましたの!」

 

メルが誇らしげに掲げているのは、衛兵から与えられた感謝状。巻き込まれた衛兵は鍛錬が足りないものとして、まさかの全面無罪である。クレアのあの不敵な笑みをみる限り、罠に落ちた奴が心配になる。

 

「良かったじゃないか。こうして上手くやれたんだから、今度からは悪い奴を懲らしめる為にイタズラしろよ。それなら、街の役人も煩くないぞ?」

 

「それは……確かにそうなのですけど……」

 

折角褒めて貰ったと言うのに、メルのドヤ顔が再び曇る。悪戯を正当化するなんて中々出来ないと言うのに、こいつは何が不満なのだろう。これでも足りないとか言うのであれば、アインズの所に引き取って貰おう。

 

「私はやっぱりカズマと一緒に……お友達と一緒にイタズラ出来たのが、何より嬉しかったんですの…」

 

「メル……」

 

頬を赤らめるメルの横顔からは、少しの寂しさと恥じらいが見える。どうやら偉大な精霊様は、今も寂しいと素直に言えないらしい。素直じゃないのは相変わらずだが、寂しがり屋は悪化しているな。

 

「分かったよ。レインには身元引き受け人になるって連絡しといてやる。それと、あんまりハードじゃない悪戯なら、たまにだったら付き合ってやるよ」

 

「カズマぁ!!やっぱりカズマは素敵なお友達ですのぉ!!」

 

俺に抱き着くメルの笑顔は、俺が英雄になる前と同じ。寂しがり屋の精霊様は、やはりこっちの方がしっくりくる。どうせ厄介者なんて沢山いるし、1人くらい増えても大丈夫だろう。

 

「そうですのカズマ!今日のお礼と言うわけではありませんが……一緒に来て欲しい所がありまして……」

 

おやおや、まさかアレかな?これは曲者枠と思いきや嫁枠のパターンかな?俺にはそんな気はないけど、メルが欲しいと言うなら1回くらいは良いんですよ?

 

「しょ、しょうがねぇな!メルがそこまで言うんだったら、特別に付いていっても……」

 

「きゃあ!!」

 

「……………んっ?」

 

「あら?」

 

メルが俺の手を引いた先に、落とし穴にハマったレインが見える。そして、明らかに青ざめるメルの顔を、俺は見逃すなんてしなかった。

 

「こっちなんだなメル。さぁ、早くお前の行きたい所へ行こうか?」

 

「いやその……用事はなくなったと言いますか……駄目になったと言いますか……」

 

「おいレイン。犯人コイツだぞ」

 

「でしょうねぇ!!」

 

「ご、ごめんなさいですのぉ!!」

 

俺は全力鬼ごっこする2人を見送った後、その脚でエリスの元へと向かった。取り敢えずスコールを全快して、メルの管理は任せよう。なんだかんだで仲良さそうだし、処刑は流石にされないだろうし……

 

「やっぱりバッテリーにしてやります!!」

 

「それは勘弁して欲しいですのぉ!!」

 

まぁ、バッテリーは処刑じゃないよね?

 

 

 

 

 

 

 

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

ヒロイン追加かと思ったらトラブルメーカー。ある意味1番このすばっぽいオチです。

と言うことで、今後はメルも色々やらかします。やったね!

また不定期ではございますが、今後もお暇な時にでもお付き合いください。
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