本当にありがとうございます。
ここには私の妄想しか転がってませんが、ゆっくりしていってくださいね。
前回のあらすじ
カズマさんちにエリスが来た。普段はクリス。そんだけ
「さて助手君!今日の予定は何かあるかな?」
休日…と言うか働くつもりが無い日の朝、クリスが部屋にやってきた。それにしても朝から元気だな。見ているこっちも元気になる。アクアだとうるさいって言って追い出すけど…
「お頭は予定ないんですか?」
女神なんて普通は忙しいと思う。人が死ぬ度に仕事があるんだろ?それなら、すごいハードワークのハズだ。
「まぁお宝の情報も無いしね。…あっちの仕事は他の神様が代理対応してくれてるよ?」
一応警戒して後半は小声だが、それなら時間があるな。今日は俺だけ暇だし、クリスの生活必需品を買いに行こう。
「よし、出掛けますよ!家具とか必要でしょう?」
「え?あたしそんなにお金ないよ?」
「それくらい出しますから」
女神から見ても、アクアの感性はやっぱり異常なんだな。あいつは何でも俺に払わせるし…
「それ、せめて借りたことにさせて!流石に家具なんて申し訳ないから!」
「律儀ですね…まぁ良いですけど…」
と言うことで、クリスは俺に借金をした。そっちの方がこの町では絶望的な状況だと言われかねないが、本人が良いと言うので良しとしよう。
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「よう!英雄様の凱旋じゃねぇか!新しい相棒の装備でも作りにきたか?」
「今日は家具の新調だよ。まぁ、英雄の新しい相棒は否定しないぜ!」(イケボ)
思えば、この機織り職人のおっちゃんは俺のことを英雄とか勇者とか言っていたが、それがマジになるなんて俺も驚いている。ちなみに、ここにはシーツを買いに来た。
「一番良いシーツを頼む」
「流石の見立てだ。ちょうど一級品が仕上がったところだからな!」
おっちゃんは普段からこんなノリだが、一級品と言う単語は滅多に出ない。つまり、これはマジで期待できる品が出てくるのだろう。なんて期待に胸を膨らませていると、店主は奥から巻いてあるシーツを持ってきた。
「ふふっ、一級品と言われたら気になるだろ?ほら、これだ!」
「こ、これは!」
「う、うわぁ…」
おっちゃんが両手で大きく広げた上質なシーツには、それはそれは、大きく美しく、詳細にエリス様が画かれていた。
「これは、魔王討伐の時に舞い降りたエリス様を描いたものだ。本物は絵画より美人でスレンダーだったと伝えられていて…」
「要りません!」
即決。流石に自分の描かれたシーツは俺でも嫌だ。鏡の上に寝るみたいなもんじゃんか…
「エリス教のお客様には超絶人気アイテムなんだぜ?」
「信仰とこれはなんか違いますよね?!」
うん、俺なら嫌らしい事に使う。だから!
「おっちゃん、俺が1つもr…」
「それは絶対やめて!」
俺の言葉を遮るように、クリスが涙目で購入を止める。これでは流石に買うことなど出来ない。やっぱり嫌われたくないし…
「駄目かい…なら他を見立てるか…」
クリスの反応に、おっちゃんは裏に回って新しい候補を探しにいったようだ。そして、おっちゃんが十分に離れた所で、クリスが俺に耳打ちをした。
「そんなに望むなら…本人と寝れば良いじゃない…」
おぉ、これは強烈な一撃…駄目だ。俺の中の大切な何かがキレそう…
「お!こっちならどうだ?エリス教のシンボルをあしらったもんだ」
「あ…それにします!」
それは即決なんだ…まぁそんなに派手でもないし…妥当か…
「おっちゃん、ここらの布材料と一緒に屋敷に送ってくれる?」
「あいよ。支払いは?」
「勿論、現金一括で」
「毎度あり。また頼むぜ?」
俺はクリスに見えないように支払いを済ませる。実はここのシーツはかなり上質で高級。値段を見られれば、恐らくクリスは凄く気にするだろうから、たまにはカッコつけておくのだ。
……………………
「さて、次は家具屋だ!」
「ごめんね助手君、必ず返すから」
「お頭の体で払っても構いませんよ?」
「最低……ちゃんと責任とるの?」
こんな冗談を言いつつ家具屋へ。エリスに買うのは俺とお揃いのスプリングコイル式ベッドだ。日本製の物には及ばないが、俺がバニルと一緒に考えて作った逸品で、この世界では最高品質と言える。ウィズの店では狭くて置けないので、これに関しては家具屋に卸す形となっている。
「じゃあ、俺と同じベッドで良いですね?」
「あれ、めちゃくちゃ寝心地良かったけど、高くない?」
流石するどい。しかし、寝心地の良さに誘われて俺の部屋に来られても困るので、これは譲れない。やはり、そういう関係は流れとかで持ちたくないし…
「このベッドは、俺が商品化した物なんです。お頭にも使って欲しくて…」
「うぅ、助手君の為に頑張りたい気持ちはあるけどね?流石に金額が…」
やはり、報酬の大半を教会に寄付しているからお金は無いんだな。それなら、他の働き口を用意したら、折れてくれるのでは?
「あ、じゃあお頭に俺の仕事を手伝って貰うのはどうです?バイト代弾みますよ?」
「うぅ、ちょっと怖いけど、確かにこのベッドは欲しい…分かった…やる!」
昨日の寝心地がよほど良かったのか、お頭はあっさり折れた。別にいかがわしい事をさせるつもりは無いのに、なんでこんなに警戒されるのだろう…
……………………………………
「と言うことで、さっそく仕事です!」
俺達は職場……ウィズの店の前に来た。あれから、仕事を手伝うと決めたクリスは、半ばやけくそに欲しいものを選んでた気がする。なぜだろう。エリスには信用されていると思っていたのに……
「普通の商店だね?」
ウィズの店を見て、クリスは感想を漏らす。そりゃ外観は普通ですよ。家賃払ってる訳だし…ウィズのセンス丸出しにはならないだろう。それはそれで見たいけど…
「そうですよ」
「合法的だね?」
「怒りますよ?」
俺のクズ設定はそこまで酷いのだろうか…
「取りあえず入りますよ?絶対に大人しくしてくださいね?」
「あたしがお店で暴れるような人間に見えるの?失礼だなぁもう…」
ゆっくりと扉をあけると、カウンターに座るウィズがにこやかに挨拶を…
「いらっしゃいませ、カズマさん。そちらの……」
「バインド!」
「いやー!待って!待ってください!」
「やると思った!ブレイクスペル!」
即座にバインドを解除し、ダガーを抜こうとするクリスを止める。ほら、やっぱり…
「助手君!あれはリッチーだよ!アンデッドだよ!」
「分かってます。落ち着いてください!害は有りませんから!」
しかし、アクアより殺意がこもってたぞ…エリス教の方がアンデッドに厳しいのか?
「ごめんなウィズ。ちょっと熱心すぎるエリス教徒でさ」
「そうでしたか…カズマさんの周りはなんでアンデッドに厳しい人ばかりなのでしょう。私はリッチーのウィズです。カズマさんの言う通り、人と敵対している訳ではありません。無害なので攻撃しないでください」
「ふーん…助手君が言うなら信じるよ。でも、なんでこんな町中にアンデッドが?」
「私の夢はお店を持つ事でしたので、人じゃなくなっても、その夢を追い続けているんです」
「と、言うことで俺の商品もここに並べて貰ってるんだ。商売仲間なんで、見逃してくださいね?」
渋々といった表情ではあるが、クリスも納得したようだ。取りあえず第一関門は突破…
「小僧!貴様何を連れてきた!」
はい、第二関門開始!せめて準備時間をください!
「セイクリッド!」
即座に姿をエリスに切り替えた!ヤバイ本気だ!
「バニル式殺人光線!」
「ふっ!」
ペシッと言う効果音でも聞こえて来そうなほど簡単に、エリスはバニルの光線を手で払い落とした。なにそれ!ビームってはたき落とせるの?!
「エクソシズ…んん!」
俺は咄嗟にエリスを抱き止め、口を塞ぐ。これ、撃たせたら不味いやつだよね?!
「か、カズマさん?!何ですかいきなり?!」
「落ち着いてください!あっちも無害ですから!」
「無害なものですか!あっちは悪魔ですよ!どいてください!そいつ浄化できない!」
「本当です!なんなら世界を救った影の協力者です!」
「あ、あぁ…小僧の言うことは間違いではない…」
俺の必死な説得と、バニルが攻撃を仕掛けてこない状況に、凄く納得いかない顔をしながら、エリスはクリスに戻った。
「小僧、さっきの娘の姿には見覚えがあるぞ…」
「私も、この国で結構な頻度で見かけるような気がするんですが…」
二人には姿を見られたので、もはや隠すことは出来ない。仕方ない。いつかバレるだろうし、それなら今でも同じだろう…
「こちらにいるのは、マジの女神。エリス様です」
「小僧…お前の周りはどうなっているのだ?」
「本物…ですよね?バニルさんの光線をペシッてしてましたし…」
アンデッドと悪魔の二人からすれば、突然ラスボスが遊びに来たようなもんだ。完全に死亡フラグにしかならない。
「訳あって、俺の仕事を手伝ってもらう事になったエリス様だ。偶然鉢合わせて流血沙汰になるよりはと思って、顔を見せに来た」
「今回の小僧の判断は正しいな。悔しいが、我輩も貧乏店主も、本物の女神となんの準備も無く遭遇したら命は無かった…」
本物って…アクアはやっぱりパチモンなんだろうか……
「と言うことですので、今後カズマさんの取引をお手伝いさせて頂きますクリスです。中身がエリスなのは秘密ですよ?」
口調は柔らかいが、目は完全に、「バラしたら浄化する」って言っているように見える。マジで悪魔には容赦ない…
「おい小僧、サキュバス店も危ないのではないか?見たところあの貧乏神よりは聞き分けがある。事前にサキュバスが共生している件を説明しておけ!」
たしかに、さっきの殺意はマジものだった。サキュバスなんて即座に浄化されそうだ。
「お頭、今日は顔合わせだけと言うことで、取りあえず仕事の話は終えて、少しお茶にしましょう?」
「助手君がそう言うなら構わないよ。この二人と助手君の間には、それなりに信頼があるみたいだし…」
はい、納得してませんね。わかります。
……………………………
「それにしても、リッチーと悪魔と女神と世界の英雄が集ってお茶会なんて、凄い状況ですね♪」
ウィズは身の危険が去った為か、いつもののほほんとした調子でお茶を入れている。ウィズも肝の座り方が凄いと思う。
「うん、なんか釈然としないけど普通に美味しい…」
少しだけ警戒していたモノの、クリスもお茶を飲んで落ち着きを取り戻していた。やはり、本能的な何かが働くだけで、基本は温厚なようだ。
「ふむ、新しい仲間に悶々と夜を過ごす小僧よ」
「おい、本人が居るときにやめろ。女神二人けしかけるぞ」
「貴様…それはもはやどちらが悪魔か分からんぞ……」
エリス様の加入により、バニルにちょっとした反撃が出来るようになった。流石にビジネスパートナーが消し飛んだら困るので送りませんが!
「そこの悪魔、今なんて言ったの?」
「あ、あぁ。小僧の記憶から昨晩は嬉し恥ずかしの一大イベントがあり、今でも色々もて余していると言うだけの世間話よ」
ははは、バニルが引きぎみなのは珍しい。見てる方は実に楽しいぞ。
「……バニルって言ったよね。君は助手くんの大切な取引相手のようだから、取りあえず滅ぼすのは辞めるよ」
「ん?ほほぅ、女神よ。三日目の夜だ。それが好機である」
「どういうつもりさ?」
「なに、我輩の有用性を知れば、お互いに利益があると言うものだ。取引とは、そういうものだからな…」
バニルのいった意味は分からないが、見通す悪魔が言うのだ。なにかエリス様にとってのチャンスが来ることは間違いないんだろう。俺にとって危険がなければ良いんだが…
「カズマさん、カズマさん!」
「はいカズマです」
と、バニルと世間話をしていたら、いきなりウィズが詰め寄ってきた。どこがとは言わないが揺れる。目のやり場に困る…
「カズマさんの新商品、なにか私のお店でも簡単に売れそうなモノはありませんか?エリス様にちゃんと人々と共生関係を築けている事をお見せしたいんですが、私のお店にはお客様が少なくて…」
それはねウィズ…商才が無さすぎて売れるものも売れなくなるって、バニルが流通ルートにこの店を選ばないからなんだ…
「小僧よ。このダメ店主でもちゃんと商売が成立するモノを何か考えられるか?正直なところ、この店は人類への悪影響と言われても反論できん。いっそ店を畳んで倉庫にした方が利益が出そうだ…」
「酷いですバニルさん!ここは私の夢ですよ?!時に売れることだってあるんです!」
それ、自分で言ってて辛くないのかウィズは…
「うーん…お頭。最初の仕事、と言うか課題を与えます」
「そういえばそう言う約束だったね。私はなにをすれば良いの?」
「ウィズが店員として成立する商品の開発です」
「それもはや手伝いじゃないよね!重要プロジェクトじゃない?!」
「俺も一緒に考えますから。必要なのは閃きと強みを生かすことです!」
「分かったよ。一緒に考えてみるよ…」
と言うことで俺の仕事にクリスが正式に助手として加わった。共同作業としておけば、流石にウィズを祓ったりしない筈だ。多分、きっと…
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「こんなのどうかな?エリス教の聖油と聖水!強みを生かした超高品質だよ。どんなアンデッドも数滴で浄化できると思うよ!」
「店員が何者か分かってますか?!高度な嫌がらせですよ!」
「じゃあ、護符とお守り!アンデッドの接近を許さないよ!」
「店員閉め出してどうするんですか?!」
買い物を済ませた俺たちは、昼前に屋敷に戻ってきた。今は開発会議を行っているが、クリスと言うかエリスが強みを生かすと、どうしてもウィズと相性が悪い。
「幸運のお守りとか、そう言うの作れませんか?」
「多分、さっきのと同じ結末になるね」
ウィズとの相性が悪すぎて、残念ながらクリスの商品は並べられそうにない。何も決まらず二人で代案を話し合っていると、ドアが勢い良くあけられた。
「ただまー!カズマー、クリスー。今日は暑くなるらしいわ。お昼は一緒に冷たい物でも食べに行きましょうよ!」
「おかえりアクア、お前もう今月の小遣い使いきったのか?」
「アクアさん…まだ今月入って一週間…」
アクアのこの流れ、金はないけど欲しいものがある時のパターンだ。クリスも付き合いは長いので、こうして俺にたかるアクアを度々見て知っている。
「仕方ないでしょ!宴会芸の道具も安くないのよ!」
本当になんの神様なんだろうこいつ…
「まぁ、気分転換も大切ですし、行きますかお頭」
「アルバイト中にお頭呼びもへんな感じだね。昔みたいに名前で呼び合わない?もうパーティーの仲間なんだし?」
「そうするか…じゃあ、行こうぜクリス」
「うん、カズマ!」
小さな事かも知れないが、俺たちの距離はまた少し縮まったような気がする。うん、このまま何処まで縮まるか楽しみだ。
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「ここは冷やし中華が年中あるのよね…なんか風情が無いわ」
アクアは近所の飯屋で冷たいものを探している。しかし、この店は風通しと日当たりを上手く調整していて快適だ。冷たい物への欲求が半減するな…
「すみませーん!蛙の唐揚げと塩キャベツ、あとシュワシュワくださーい!」
「冷たいものどうした?!しかも昼から酒かよ!」
「アクアさん、それは流石にどうかと思いますよ…」
人の金で飯に来て、いきなり酒とつまみを頼むアクアに、俺もクリスも呆れてしまう。いや、なんとなく予想はしていたのだが……
「冷たいものとは言ったけど、こうガッツリ食べたい訳じゃないのよ。ソフトクリームとかそう言うのを求めてたの!」
「ソフトクリーム?」
アクアから未知の単語を聞いたクリスは、不思議そうにポカーンとしている。そう言えば、この世界でソフトクリームは見たことがない。氷菓なんて、アイスキャンディーくらいだろうか?
「なぁアクア、この世界にはソフトクリームなんてあるのか?」
「どうかしら?絶妙な温度を保つのと、かき混ぜ続ける事を考えたら、技術的に難しいと思うわ」
この世界で微妙な調整が必要なモノを作れるのは一部の職人だけだ。これが武器や装備などであれば、高値を付けて売ることが出来るが、食品となると難しい。機械が無いと大量生産が出来ないからだ。つまりは、割に合わないのだ。
「カズマさーん、ソフトクリーム作ってよー。私食べたいー」
「なんでだよ。面倒にも程があるだろ…」
アクアのために俺の貴重な時間を割くのはごめんだ。俺はそもそも、あんな店まで行かないと食えないグルメは好きじゃないんだ。別に、引きこもりとか関係ないぞ!
「カズマ、アタシも食べてみたい…」
「クリスもかよ…結構面倒なんだぞ?」
「だって…カズマとアクアさんだけがその味を知ってるの、なんかズルいじゃん…」
やめろ、そんな顔をするな。ヤキモチみたいな事を言うな。上手くいくかも分からないし、それは何日も無駄にする可能性だって…
「ダメ?」
「……しょうがねぇなぁ!」
女の子の上目使いってズルい。しかもクリスは可愛いからもっとズルい!
「言ったわね?私、トッピングに使えそうなもの探すからね?!」
こいつ、本当に現金な女神様だな…なんでもうトッピングなんだよ…
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「よーし!みんな集まったな!」
適当に昼食を済ませた俺たちは、原材料を揃えて屋敷の庭に集まった。どうせやるなら、なるべく早いほうが良い。
「氷なら任せてください!私もちゃんと出来る所をお見せします!」
「なんか、すみません。私も誘ってもらって…」
量産可能なら店に並べても良いと思っているので、今回はウィズも参加。ついでにめぐみんを待ち伏せていたゆんゆんも誘った。
「こう言う仕事は私なのか…」
そして、ダクネスには店で使うサイズの鉄鍋を持ってきて貰った。コイツはいつもの肉体労働、つまりかき混ぜ要員だ。
「お前の筋肉を有効活用する良い仕事だろ?」
「私だって、甘いお菓子に誘われた女子ポジションなんだぞ!筋肉を強調するな!」
それ以上に痛みに誘われるから、ダクネスの扱いはそう言う感じなんだが…まぁ、あえて言うまい。
「私の出番は、味見まで無さそうですね。適当にゆんゆんをコキ使って構いませんので、出来たら呼んでください」
「ちょっと!めぐみんだってかき混ぜる位出来るでしょ?!」
めぐみんは相変わらずゆんゆんに厳しい。本当は仲良くしたいくせに…
「じゃあ、手順を説明するぞ。俺の買ってきた材料を鍋にぶちこむ。ウィズは常に鍋の外側を凍らせてくれ。ダクネスはカチカチにならないように中の液体をかき回してくれ。どろどろの状態になったら、多分完成だ」
ソフトクリームの作り方なんて知らないが、恐らくこんなイメージだろう。他に思いつかないし…
「私もやるわ!」
アクアが元気よく声をあげている。はしゃぎっぷりが子供みたいだ。
「混ぜる側なら交代して良いぞ」
「そもそも凍結魔法なんて使えないから私はそっちよ。なんで私の魔法に警戒するのよ!」
「…城壁の修理費」
「さーて!混ぜるわよー!」
なんでコイツは、反省と言うか学習をしないんだろうか…
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「カズマさん、温度はこんな感じですか?」
「外側に氷が張ってる位だし、この位じゃないか?」
ゆんゆんとウィズは実に器用に魔法を使うので、温度の問題は意外と簡単に済みそうだ。あとは…
「カズマ!液体が固くなってきたぞ。私の腕もパンパンだ!あ、でもそれも…」
「ダクネスの腕がまたムキムキのカッチカチになるな」
「アクア変わってくれ!」
混ぜる組は別に誰でも可能なので、こちらも別に問題はなしか…
「お、そろそろかな…ホイッ味見」
「あ、ありがとう…」
俺は固まってきたソフトクリームもどきを、最初にクリスに差し出した。クリスは目をキラキラさせながら、ゆっくりとスプーンを口に入れる。
「あっ…甘くて冷たい…美味しい!」
「よし!皆、食ってみてくれ!」
クリスの満足そうな表情を確認し、全員にソフトクリームを配る。名店には敵わないが、初めてでこれは中々に美味しく出来たと思うほどの出来だ。
「うん、美味しいわ!カズマさんやるじゃない!」
「これは良いな。美食家の貴族なら、相応の値段を出すと思うぞ?」
割と好評なようなので、後は
「量産化だよな…」
「であるな…」
何時から来たのか、俺の隣にはバニルが居た。いや、来るとは思っていたんだ。何せ、これならウィズでも売れそうだからな……
「冷やすことと混ぜることだけだし、魔道具で出来ないことはないと思う」
「ふむ、問題は生産と保存に常に魔力を消費すると言うところであるか…」
常に氷点下を保つとなると、常にフリーズを打ちっぱなしにするようなものだ。当然魔力の消費は大きい。
「取りあえず、俺の知る限りの構造を再現する」
「では、吾輩が魔法をどう使うか考え、材料の仕入れ先を用意する」
「私はバニルさんの指示した所に、魔道具用に魔方陣を作りますね!」
商売組はソフトクリーム片手にそんな会話を始める。もう、すっかり俺たちは商人だ。やはり、俺はこっちの方が向いている。
「はい!広告はアタシがやるよ!」
ここでまさかのクリスが参戦。流石に俺も予想外の積極性を見せてくれた。
「クリスが広告か、秘策が有るんだな?」
「任せて!ちゃんと仕事しないと、カズマにお金返せないもんね」
うん、うちの新人は中々やる気が感じられるな。いい事だ。
「おいクリス!コイツに借金をしたのか!大丈夫なのか?借金を理由に身体を要求されなかったか?!」
あれ?ダクネスを金で助けた時、俺はそんなことしてない筈なんだが…
「大丈夫ですよ。カズマはこう言う発言はしますが、責任が発生する事態は避けます。変な義理堅さがありますからね」
めぐみんはフォローしてるのか、馬鹿にしてるのか…
「大丈夫だよ。カズマの仕事を手伝って返す事になってるから」
「うわ…それで俺の欲を満たすのも仕事だ!とか言うのね…最低だわ…」
「言わねぇよ!俺のイメージどうなってんだ!」
一度も性的な扱いをしてないアクアにまで…泣きたい。でも、プレイとしてなら、それちょっとやりたい。
「取りあえず、各自の成果は近いうちに確認するか!今日は好きなだけ食ってくれ!」
俺のキズが浅いうちに、この議題は中止した。さて、そろそろ夕方だし、第三関門にいきますか…
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「カズマ…ずいぶん薄暗い路地裏に来たね」
「そうですね」
「変なことしないよね?」
「それはエリスがすることかな?」
「えっ?!」
何を考えたか詳しくは分からないが、俺への風評被害なのは何となく伝わった。
「怒らないから、何を考えたか言ってみ?」
「か、カズマは、あたしに迫らせるプレイを要求して…お前から迫ったんだろ?と全責任をあたしに…」
うん!ここまで来ると清々しいわ!そんな度胸あったら童貞じゃねぇよ!
「そんな訳ないだろ…そう言う願望を持つ人向けの場所ではあるけど…」
「しかも、なんか臭うよ…こう欲望にまみれた臭いが…」
さすが店の前まで来ると分かるのか…
「ほら、いくぞ」
クリスの腰に手を回し、身体の動きを封じておく
「え?待って!そう言う所なの?!私まだ心の準備が!」
俺は何か勘違いしているクリスを無視して、店の扉を開いた。
「い、いらっしゃいませカズマ様」
サキュバスがスーツだと?!
「ねぇカズマさん?」
「なんだい、クリ…エリス様」
うわぁ、既に女神モードだ…
「女神を罠にはめて、淫魔と私をどうするつもりですか?」
そして、目が殺意に燃えている…
「待ってくれ。まず、このサキュバスは敵じゃない」
「男性は魅了されて下僕にされることも珍しくありません。その言葉が信じられると思いますか?」
前回もそんなこと言われたな。それで助かったけど…
「ブレイクスペル。ほら、大丈夫ですから…」
「快楽により堕ちている可能性も捨てきれませんが、今はそれで信じてあげます」
取りあえず話は聞いてくれそうなので、サキュバス店のシステムを説明して貰う。こういう時はもう、素直に話した方が良いだろうし…
「ですので、この町の私達は人に害ある存在ではないんです」
「それが真実であるならば、共存共栄と言えなくもないでしょう」
おぉ、良かった。血を見ないで話が収まりそうだ!
「出過ぎた真似かも知れませんが、エリス様にはこのようなサービスも可能です」
「私を堕落させるつもりですか?勘違いも…」
サキュバスの耳打ちを聞いて、エリスの表情が少し変わる。いったい何を言われたのだろうか…
「まぁ、そこまで害ある存在とも言えませんし?今後の動向を観察すると言うことで許してあげましょう!」
「寛大な処置、ありがとうございます」
何があった?女神にもイケない欲望があるのか?やだそれちょっと興奮する!
「ちなみにですがね店員さん…本人に対面を果たした訳ですよ。これでリアルなエリス様を夢に出すのは可能ですか?」
「可能ですよ。こちらとしても手間が無くて助かります」
手間と言うのは、やはり出会った人なら再現が容易と言う事だろうか…それなら、今度お願いしようかな…
「では今日はこの辺で!また今度お願いします!」
これでエリス関係の憂いは無くなった筈だ。さぁ、また慌ただしくも楽しい日常を始めよう。新しい仲間を加えて!
エリスが送る日常でした。
バレバレですが、悪魔達が少しずつ関係を進展させます。
次から、たまにセクシャルな回を挟みます。