※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

このゲームを大学の友達とやった時、メンバーがちょっと多国籍でした。そんな実体験を元に作られたオチです。

気付けば年を越していましたが、またお暇な時にでもお付き合いお願いします。



ゆんゆんのゲーム活動記。ナンジャモ◯ジャ、後編

どうも皆さん初めまして。ナンジャ◯ンジャの表紙の緑の奴です。僕は名前を付けて貰う為に産まれたので、皆さんに名乗れる名前はありません。でも、皆さんが考えてくれた名前を貰えるので、それを不幸とは思ってません。ただ、男性冒険者の皆さんに1言だけ言わせてください。

 

「熟れた身体を持て余す団地妻!」

 

「朝からお布団の中で悪戯しちゃう系幼馴染!!」

 

僕らにも一応心があるので、せめて子供の前で呼べる名前にしてください。それと、ほんの少しで良いですから、僕らの顔をみて名付けてください。

 

…………登場人物紹介…………

 

サトウカズマ

元引き篭もりのガチゲーマー。異世界の恩恵で反応速度が常人離れしており、嫁達が別方向にイカれているせいでどんな奇策にも驚かず、更に3択で負けることがないじゃんけんチート持ち。今やあらゆるゲームで頂点が取れるようなスペックをしているが、圧倒的過ぎてチートを疑われ垢バンされた。泣いた。

 

ゆんゆん

現アクセルのナンジャ◯ンジャのチャンピオン。紅魔族の持つ記憶力と頭の回転の速さが武器。駆け引きのような心理戦は苦手だが、確率論から勝利を取りに行く堅実型。

 

めぐみん

高い知能と機転の早さ、そして度胸も持ち合わせる知能派ギャンブラー。何処もかしこもハイスペックであり、その知能があれば大抵のゲームは勝てそうなのだが……カッコいい勝ち方しか認めないので、変なこだわりを出して負けるタイプ。

 

あるえ

計算高く観察力があり、しかもリアクションが理解不能で心理戦が出来ない。どうやって勝つか考えるより、どうかっこつけるかの方が重要。大抵のゲーム作品における前提が通じないタイプなので、相手が上級者なほど扱いに困る。でも相手の手を読むのも苦手なので、もはやAIと戦うのと一緒。

 

セレナ

心理戦のスペシャリストにして、精神構造を理解しようとするとSAN値が下がるレベルのサイコパス。常にレジーナのカンニングとサポートを受けており、どこぞの最強ゲーム兄妹に万能スパイを合わせたような反則級の強さを発揮する……ことも可能なのだが、今回レジーナは観戦のみ。旦那とお姉ちゃんプレイには弱く、ショタに悩殺され1回戦敗退。

 

ウォルバク

知能の高さは人知を超えており、人の頭脳では太刀打ち不可能とされる女神。でも感情が顔に出やすく性格も素直な為、知能戦以外は案外弱い。上着を脱いで10秒間は、どんなイカサマしても絶対にバレないとの噂。今回は古代語まで使って圧倒するも、手札を燃やしてしまって初戦敗退。

 

アクア

瞬き中にカードを入れ替えられるプロマジシャン。でも欲しいカードの場所を覚えられないアホの子なので、ドヤ顔で雑魚手を出して惨敗する。知能が低くてぶっちゃけ噛ませ犬。ナンジャモ◯ジャにその手のイカサマは無意味であるため、勿論1回戦敗退。

 

ダクネス

唯一の得意競技はカルタ取り。小指の先でも引っ掛かれば、札を払った相手の指を全部圧し折ってKO勝ちが可能。と言うか他の勝ち方が出来ない。教養はあるが思考が遅く、良くテンパるのでゲームは基本的に苦手。今回はこそっと1回戦敗退。

 

エリス

公式チートの反則女神。ゲームが平等であると言う根底を覆してくるガチの反則キャラで、本気を出すとクリスの並外れた反射神経でオール最適解と言うTASみたいなプレイをする。別にゲーマーではないのでそこまで熱心ではないが、エリスがゲームをすると人徳やら幸運で勝手に1位の座についてしまうため、ゲーマーを転生者に起用したい神々にゲームを止められている。

 

天使

汚い歌声のハーピー。中身はゲームでストレス発散するくたびれたOL。相手の嫌がることを積極的にするタイプの嫌われゲーマーで、主人公が引き立つ作戦だけ異様に対策してくる。勝てたとしても地味、負ける時は嫌がらせの応酬と、勝利ではなくストレスを与えるのが目的のクソ虫。種族が天使の為に反応速度もフィジカルも人間離れしており、どこぞの最強ゲーマー兄妹にZwift(ガチで自転車を漕ぐだけの名ばかりオンラインゲーム)で挑もうとして神々に拘束された過去を持つ。犯行動機は主人公ポジを狙ったもので、自分が勝ったら2人に媚薬を飲ませ、近親相姦により主人公ポジを降板させるつもりだったと証言している。マジクソ虫。

 

バニル

人類で勝つのは不可能なチート持ち。勝利する未来を尽く潰し、奇跡の逆転を更に逆転して悪感情を食す悪魔。負けたほうが悪感情を食える場合は相手が嫌がる手口で負ける。もう一匹のクソ虫と仲が悪い。

 

………………ってことで続き………………

 

「では私はこれで勝負を決めましょう!このカードの名前は………アクシズ教に入信します!です!」

 

「じゃあこれは、エリス教に入信します」

 

「こっちは、エリス教に入信させてください」

 

「ま、まさかの囲い込み戦術?!こ、これはギブアップしかないですね……」

 

会場を荒らしに来たゼスタの馬鹿は、シエロと子供達の協力で対応出来た。アクシズ教徒ならそういう手を使ってくるとは思っていたが、これで一通りの処理は出来たと思う。さて、と言うことで再びのゆんゆん……ではなく……

 

「中々やるじゃない?やっぱり紅魔族は侮れないわね」

 

「メリッサさんもいい反応をするよ。流石はレンジャーって所かな?」

 

メリッサとあるえの戦いが白熱しており、人々はそっちに注目している。2人ともリアクションとお胸が大きいので、見応えで言えばその卓に勝てる卓はないだろう。間に挟まれているキースはもう、完全に勝負を捨てて眺めている。

 

「本当はもう少し遊んであげたいけど、賞金の為に負けられないの。だから、この子の名前はクズマにするわ!」

 

「まさかここで心理戦だと?!」

 

キースからツッコミが入っているが、そもそもお前は参加者だろ。それと、残念ながらメリッサの作戦は、あるえ相手には通じない。

 

「クズマ」

 

「そんな!なんの躊躇も無く?!」

 

直ぐに同じカードが出て来て、それを素早くあるえが取った。メリッサは勘違いしているのだろうが、俺達の関係はそんなに軽いものじゃない。

 

「悪口を言って壊れる関係なら、私達はカズマさんの側に居ないよ。だらしないしクズだし、クズマってあだ名も仕方ないと思う。でも、そんな事が気にならないくらい、私を尊重して愛してくれる。だから私はカズマさんの妻なんだよ!」

 

「あるえ……どうしよう泣きそう……これからも大切にしなきゃな……」

 

「そこでクズな行動を正そうってならないから、クズマって評判が変わらないんですよ……」

 

「すみません」

 

エリスの指摘は耳が痛いが、それでもあるえの言葉は素直に嬉しい。だが、だとしても勝負はまだ拮抗していて、決着となるにはまだ足りない。

 

「じゃあ、このカードの名前は……フシャーだ!」

 

「そ、そんな?!」

 

なぜかあるえがドヤ顔をして、メリッサが驚愕している。とは言えそんなの多少恥ずかしい位であり、別に勝ちを決めるような名前ではない。そんな猫の威嚇みたいな名前なんて、人との戦いではなんの意味も……

 

「なー?」

 

「おっ、ちょむすけもこの卓に来てたのか?って、まさかそんな……」

 

どうしよう。何となく作戦の全貌が見えたような気が……

 

「「来た!フシャー!」」

 

「シャー!!!」

 

殆ど同時に名前をコールし、あるえとメリッサがカード名を叫ぶ。その名前をちょむすけは、威嚇と感じて威嚇を返した。だがその威嚇は二人にではなく、明らかにメリッサを狙っている。

 

「ち、違うのちょむすけちゃん!これは貴方に威嚇をしたんじゃ……」

 

「シャー!」

 

「違うんだってばぁ!!」

 

売られたケンカは買うスタンスなのか、ただメリッサの事が嫌いなだけなのか……ちょむすけの臨戦態勢は全く解けず、メリッサに向けて威嚇を続ける。もふもふをこよなく愛するメリッサにとって、この状況は精神的に辛い。

 

「ちなみに、ちょむすけは人の言葉を理解しているよ?他人が大好きな飼い主をクズ呼ばわりなんてしたら、もっと嫌われてしまうんじゃないかな?」

 

「ふしゃー!!」

 

「そんな……ことって……」

 

膝から崩れ落ちるメリッサの顔に、一筋の涙が輝いている。人を呪わば穴2つと言うが、ここまで見事な因果応報も中々ない。ちなみに、何故ちょむすけがあるえに対して威嚇しないかと言うと……

 

「あの……えっと……さっきは負けたくないからクズって言ったけど……ちゃんとそれ以上に大好きで……だからその……」

 

「分かってるから落ち着けよ。俺はそんな事であるえを嫌ったりしないぞ。なぁちょむすけ?」

 

「な〜」

 

「……えへへ……ありがと」

 

俺達はあるえの愛らしい一面を知っているので、そんな事で嫌いになどなれる筈もない。

 

…………………………

 

「いずれこうなるとは思っていましたが、しっかり勝ち上がってきたようですね、ゆんゆん?」

 

「この場合挑戦者はめぐみんでしょ?!そりゃ他の勝負は負け越してるけど、今回は私が勝つんだから!」

 

「ふふっ、そんな宿命の対決に私が立ち会うなんて、運命とは良く出来ているようだ……」

 

試合は遂に準決勝を迎え、紅魔の3人が同じ卓へ着く。こうなるように組み合わせを仕組んだのは俺だが、3人とも見事に勝ち進んで来た。ちなみに、めぐみんは爆裂魔法の詠唱をカードの名前に使ったらしく、一人だけ試合が無駄に長引いた。

 

「では先手は私のターン!カード名は勿論、『黒より以下略』!」

 

「流石はめぐみん。最初から飛ばすじゃないか……でも、私たちには通じないよ!」

 

いつもの詠唱を名前に使っためぐみんと、それを読んでいたかのような余裕を見せるあるえ。爆裂散歩が日課の我が家では、その詠唱を聞く機会は決して少なくない。つまり長文の詠唱だろうと、事前に覚えている可能性が高い。とは言えバリエーションが存在するので、全部暗記できるのは紅魔族くらいだろう。

 

「「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう……」」

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ。踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ。これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン」

 

「「なっ?!」」

 

めぐみんとあるえの記憶力対決かと思った矢先、そこに割り込むゆんゆんの詠唱。カッコ良さを追求してしまう2人と異なり、最短で言い切ることに重点を置いているゆんゆんの詠唱は、それはもう見事に2人を抜き去った。そう、全く空気を読まない速さで……

 

「そんな?!魔法詠唱は紅魔族にとって譲れない儀式の筈!しかもそれが爆裂魔法のカッコいい詠唱となれば、そんなまくし立てるように言えるはずが……」

 

「先に言ったら勝ちのゲームなんだから、普通に早口にはなると思うけど……」

 

めぐみんとあるえの動揺からして、この作戦は紅魔族には有効なのだろう。しかし、今のゆんゆんはゲーマーであり、勝つ為なら紅魔族の拘りさえ捨てる覚悟で挑んでいる。なんて、実際には紅魔族に馴染めてないってだけだと思うが、どちらにせよ作戦は失敗である。

 

「不味いですよあるえ!ゆんゆんが一族の誇りを捨ててでも勝つ覚悟だなんて、いくら何でも想定外です!」

 

「勝負の為になら修羅となるか……流石はゲームの鬼……」

 

「私が誤解される言い方は辞めて!別に変な事してないでしょ?!」

 

そうだな。ゆんゆんは普通のことをしているし、馬鹿なのは2人の作戦だ。でも、悪いが今だけはフォローしないぞ。ゆんゆんが負けなきゃ困る訳だし!

 

「仕方ありません!こうなれば精神的揺さぶりをかけます!この新たなモンスターの名前は……『友達が欲しい』です!」

 

「なっ!なんて残酷な手を使うんだめぐみん!」「見損なったぞ!」「お前に人の心はないのか!!」「真実のほうが人は傷付くんだぞ!!」

 

「辞めてください!それもうフォローじゃなくて追い打ちですから!なんか泣きそうになってますから!」

 

ゆんゆんを良く知るめぐみんから出た、あまりに残酷な必勝の一手。その言葉はゆんゆんのトラウマであり、スラスラと言うには重すぎる1言だ。いくらゲーマーとして目覚めたゆんゆんでも、その言葉を言うのは……

 

「友達が欲しい!」

 

「ま、まさか一瞬の躊躇も無く?!」

 

誰もがゆんゆんの敗北を予想した瞬間、それを裏切るゆんゆんの声。油断していたあるえとめぐみんは、何も出来ずに点数を譲った。

 

「昔はこれを言うのが怖かった。でも、今は素敵な友達が沢山出来たから、次はもっともっと友達を増やしたい。この言葉が私を変えてくれたのだから、もう怖れる理由なんてないわ!」

 

「くっ!まさかボッチのトラウマも乗り越えているなんて……これは私も予想外です!」

 

正直一番予想外なのは、めぐみんがそれを抉った事だよ。お前はもう少しゆんゆんに優しくしてやれ。

 

「あるえ!このままではゆんゆんの一人勝ちです!何かゆんゆんに発言できない名前を!」

 

「悪いけど、私は人を傷付けるやり方は好みじゃ無いんだ。それに、勝つには一瞬の躊躇があれば十分だ。故にこのカードの名は………『カズマさん大好き!』」

 

「「「「「「「「「「なんだって?!」」」」」」」」」」

 

先程の試合で嫌な思いをしたあるえは、ここでまさかの羞恥プレイを選択した。早いもの勝ちと言うルールである以上、時間稼ぎは一瞬でいい。いくら頭のおかしな紅魔族でも、愛の台詞なら恥ずかしい筈だ。ちなみにツッコミの数が多かった理由は、俺を妬む野郎とセシリーの声である。

 

「おっと、さっそく次のカードがそれだよ?さぁ、ゆんゆんなら簡単に言えるよね?ちょっと皆にはしたない女の子だと思われるかも知れないけど、愛する気持ちに嘘はないだろう?」

 

「そんな煽り方ズルい!そんな風に言われたら……流石に恥ずかしい……」

 

あるえの作戦は見事にハマり、ゆんゆんの言葉が露骨に詰まる。それにこれは俺にも嬉しい。生命の危険を伴わないゆんゆんの恥じらい顔なんて、結婚してから初めてかも知れない。

 

「おや?そうなればめぐみんが取ると思ったんだけど、ひょっとしてめぐみんも恥ずかしいのかな?」

 

「そ、そんな訳ありません!これはゆんゆんを追い詰める作戦で、私がそんな恥ずかしいなんてこと……」

 

なんて余裕をアピールするめぐみんだが、その顔はまるで茹でダコのように赤い。そりゃ普段は愛の言葉なんて言わないタイプだし、人前で乙女チックな告白なんて出来る筈もない。まぁ、俺は恥じらい顔をみられたので、それだけで割と満足だけど!

 

「ふっ、どうやら今回は私の一人勝ちみたいだね?カズマさん大好き」

 

「くっ!まさかあるえの一人勝ちになるなんて……」

 

「いや待ってめぐみん!あるえの手が止まってる!」

 

誰もがあるえの勝ちを確信した瞬間、何故かあるえの手が止まった。自信に満ちたポーカーフェイスはそのままだが、俺はこのリアクションに覚えがある。ベッドで乱れ過ぎた翌朝、挨拶をした後でこうなるからだ。

 

「あっ…いや……これは違っ……別にゲームで言わされただけだから、そんな恥ずかしくなんて……」

 

「「「「「「「真っ赤じゃん!!」」」」」」」

 

「言わないでぇ!!」

 

そう、普段はクールなあるえだが、自分の恋愛には初心そのもの。必勝法として告白を思い付いたまでは良かったのだが、自分に返って来た途端にこれである。

 

「ま、まだ負けてない!2人もこの札を取れないのなら、この勝負はまだ負けてない!!」

 

「そ、そうですよね!!告白と爆裂魔法が通じないとて、我々の知能はこれで終わりじゃないですからね!!」

 

と強がりを言う2人ではあるが、そもそもリードされているからこその逆転の一手。それが通じなかったと言うことは、つまりそういうことである。

 

……………………

 

「さぁ!遂にゲームも準決勝!同郷の2人を打ち破ったゆんゆんさんに挑むのは、まさかのこちらのお二人です!」

 

「えっ、なんでルナさんの実況までついてるんですか?さっきまでそんなの無かったですよね?!」

 

残り選手が9名となった所で、ギルドがお祭りムードへと変わった。ことの発端から分かるように、冒険者が求めているのは娯楽である。ギルドもそれを理解しているため、ここからは場所代と飲食で儲けるスタンスだ。流石は冒険者を知り尽くしているだけあり、そういった展開がスムーズである。

 

「実はカズマさんのゲームを最初にプレイするのはこの方々!サキュバス代表のロリーサさん!」

 

「カズマ様と一緒に販売までこぎ着けました!経験値なら負けません!」

 

「そして同じくカズマさんの会社より、スーパー秘書のセナさんです!」

 

「ゲームへの理解は負けません!」

 

この2人は知能が高いだけでなく、更に知識が幅広い。しかも会社では同僚と、まさしく理想のタッグと言えるだろう。ここまで問題なく勝ち進んできたので、個人の実力も折り紙付きだ。

 

「では、私から始めさせて頂きます。このカードは……『腰に隠された刃渡り15cmの凶器』です!」

 

「おっと!初手からセナさんが仕掛けました!検察官なら自然と出る言葉でも、一般の方はそうそう言わない単語です!カードの絵柄から事件を連想させるなんて、流石はやり手の検察官!」

 

テストプレイに付き合ってもらったので、セナさんとロリーサはこのゲームへの理解が深い。更に独自の知識を展開すれば、かなりの難敵となる筈だ。

 

「確かにそれはスラスラ出てきません……では私は『日替わりご奉仕サキュバスメイド』!」

 

「えっ?それはちょっと審議なのでは?!良い子の観てる前でオッケーですかそれ?!」

 

「家事代行サービスの事なので、決してイヤらしい意味はありません!」

 

ついでにロリーサの匂わせ発言で、スケベな男は集中を欠く。ゆんゆんは女の子なので効かないと思う人も居るかも知れないが、ドスケベなのでちゃんと効く。

 

「えっと……腰の15センチの凶器にご奉仕するサキュバスメイド?」

 

「すみません。私の方まで巻き込むの辞めて貰っていいですか?!」

 

「セナさんがそんなHワードを……」「あの強気な女性がそんな……」「これは中々堪らないな……」

 

「どうして私だけそんな扱いを?!今のゆんゆんさんの戦犯ですよね?!」

 

何故か損な役回りを押し付けられるセナさんだが、今回の手はかなり有効である。頭がピンクのゆんゆんには、この匂わせ発言は回避出来ない。

 

…………………………

 

「えぇっと……ちょっとギリギリな発言が多かったですが、決勝進出はゆんゆんさんです!」

 

「あんなに……あんなに恥ずかしい思いをしたのに……」

 

完璧な作戦かと思われたセナさんとロリーサのコンビだったが、そこには予想外の落とし穴があった。そう、咄嗟に下ネタを言っちゃうのは、別にゆんゆんだけではない。

 

「あの鉄の女が1人プレイとか……」「セナさんにとって一人遊びってのはそういう意味なんだな……」「ゆんゆんが言うと泣けてくるが、セナさんが言うと不思議と興奮してくるぜ……」

 

「本当に辞めて貰えますか?!」

 

欲求不満のセナさんも、咄嗟にエッチな単語が出てしまうようだ。それならロリーサが勝ちそうなものだが………

 

「くっ!何故ソーセージはセーフなのに肉棒はアウトなんですか……」

 

普通にNGラインをいくつか越えてしまい、良い子に悪影響だからと失格である。どうやら恥じらうセナさんとゆんゆんを見て、ちょっぴり盛り上がってしまったらしい。俺の方を見る目が飢えているので、近々相手をしてやろう。

 

「この空気の中相手をするのは、出来れば避けておきたかったな……」

 

「そんな空気を変えるのも、私達の仕事ですよ……」

 

そして勝ち上がったゆんゆんを倒す為、最後の刺客であるエリスとリアが卓に着く。何ならこの2人は俺の差し金でも何でも無い。ただ同じ戦術を用いており、ほぼ必勝方を編み出したのだ。ちなみにその戦術と言うのが……

 

「緑のもふもふで細長い手の妖精」(日本語)

 

「赤くてハート型で脚だけ黒い怪物」(日本語)

 

「えっ……それって日本の言語ですよねぇ?!」

 

2人ともシンプルに日本語が使えるので、日本語で説明すれば長文でも問題ない。何ならアクアにも使えた技だが、あいつにそんな機転はまわらない。

 

「一体どんな言語を用いているのでしょう!無敗の王者が圧倒されています!何というダークホース!もはやゆんゆんさんは眼中にありません!」

 

「考えましたねリアさん?」(日本語)

 

「エリス様こそ、日本語がお上手で」(日本語)

 

「駆け引きさえも未知の言語で?!」

 

駆け引きと言うか雑談なのだが、これだけでゆんゆんの思考はまとまらない。高い頭脳が仇となり、その雑談からパターンを探してしまう。ただ丸暗記をすれば勝つ可能性はあるのだが、この思考がゆんゆんの敗因となる。

 

「くっ!これは日本の言葉!ならパターン把握じゃなくて丸暗記の方が……はっ?!」

 

「残念だけど、もう残りのカードで逆転は無理かな?」

 

「数分で決着の着くゲームですから、迷ってしまった事が敗因ですね」

 

「そんなぁ!」

 

この段階でゆんゆんの敗走は決まり、勝負はリアとエリスの一騎打ち。俺の憂いは早々に晴れて、後はカードゲームを楽しめば……

 

「所でリアさん。年末カウントダウンLIVEの企画書を観たのですが、どうしてカズマさんが同伴なのですか?」(日本語)

 

「エリス様における年末年始は25日に終わっているので、年越しは同じ日本人としてイベントを盛り上げようかなと思いまして」(日本語)

 

あれ?ちょっと話の流れ変わりました?

 

「家族円満の時間が必要なので、カズマさんは外して頂けます?」(日本語)

 

「日跨ぎの時間ならクリスちゃんは寝ていますし、元々はカズマの考えた企画ですから、流石にそれは難しいですね」(日本語)

 

「「………このゲームで決着つけましょうか!」」

 

「おっと!新チャンピオンを巡ってゲームが激化しました!これはハイレベルな戦いになりそうです!」

 

あっ、どうしよう心休まらない。最終的に年末LIVEも、エリスとの団らん(姫始め&姫納め)をする羽目になる奴だろ!どっちも却下して寝正月のつもりだったんだけど?!

 

「まさか年末にゲーム大会とは、この世界の住民は素晴らしいな!よし、私からこの街にゲームの加護を与えてやるとしようか!」

 

「しかも問題の方が居るし?!」

 

今年こそゆっくり過ごすつもりだった年末年始に、またも厄介な珍客が現れてしまった。これはもうリアとエリスの戦いより、この邪神をどうやって送り返すかの方が重要だ。毎年こんなこと言ってる気がするが、年末年始も休めないのかこの世界は?!




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

お年玉奪還されてブルーになり、更に凍結路面で手首を折った作者です。

年始の企画も考えてあるけど、もう少しだけお待ちください。そして、また本年も気長にお付き合いお願いします!!
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