※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

以前このすばでやった企画ですが、これは奴らも巻き込んだ方が面白いと思ってのリメイクです。そこ、二番煎じとか言わないでください。

新年明けてもこんなのですが、またお暇な時にでもお付き合いください。


新春スペシャル、異世界主人公格付けチェック。転生編

異世界の主人公に求められる事は何か?そう問われた時に出てくる答えは、特典や才能、更には恵まれた境遇が挙げられたりする。しかし、そこで立ち止まって考えてみて欲しい。用意された特典に頼るだけの人間や、用意された世界のルールをただ効率的になぞるだけの人間が、本当に主人公に相応しいのかを………

 

「と言うことでゲームの神様プレゼンツ!第1回異世界主人公格付けチェックー!!」

 

「「「「やっぱり来ると思ってたこんなの!!」」」」

 

てなわけで、いつもの主人公4人組が集められたと言う訳だ。

 

…………みんな大好き主人公紹介………

 

サトウカズマ

特典が貰えなかった為、泥臭い方法で生き残ろうと頑張った主人公。泥臭いと言うかヘドロ臭いレベルのクズ野郎だが、その型にハマらないスタイルが魔王を倒す鍵となった。死に慣れていて、死を笑いに出来る主人公は多分彼だけ。

 

ナツキスバル

ツッコミのプロ主人公。死に戻りの特典はあるが、それ以上に病的に一途で仲間想いなのが主人公っぽい。折れない心が一番の才能。カズマの死亡ネタを恐ろしく思いつつ、あの領域にいけたら気楽だよな……とも思っている。

 

ターニャ・デグレチャフ

生への執着が凄い主人公。存在Xを雑に扱ったので地獄な世界に転生するが、結果的に死ぬより地獄な日々を送っている気がする。合理主義なのにその可愛さを使わず銃を取る反骨精神が、宿敵の存在Xに対して主人公っぽい。

 

鈴木悟

面倒見が良過ぎる主人公。社会の底辺で友達が少なく、その友達が残したNPCの為に魔王になってる苦労人。善良で面倒見が良い人間ならいくらでも居るだろうが、それで魔王を演じるに至る厨二精神は唯一無二。心のなかでノリツッコミも出来る。

 

……………てことで企画開始!…………

 

「皆様、あけましておめでとうございます。今年はゲームの神様が降臨された為、このような催し物を企画させて頂きました。あっ、司会は私、カズマ様とエリス様の忠実なる下僕である天使が、そして解説はゲームの神がお送りします」

 

一流と書かれた席に座らされた俺達と、司会席に座る天使とゲームの神。何処か見覚えのあるこのセットは、間違いなくテレビのあの企画だ。本当なら投げ出して帰りたい所だが、デスゲームするよりはマシなので、取り敢えず話を聞くことにしよう。ちなみに他の3人はと言うと……

 

「流石に今回は血が流れる事も無さそうだし、暖かい部屋で休めると思えば悪くない。まぁ、終わり次第雪山を越えて、隣国の拠点に攻め込むんだがな……」

 

「魔女教とやり合ってる時に呼ばれると、休息&全回復だから俺達は助かってるぞ?」

 

「私は別に用事はないんだが、このノリに慣れてきている事が緊急事態な気もするな……」

 

皆もう随分と慣れたものである。カルテットの時から思っていたが、この適応力の高さは異世界主人公に必要な才覚だと思う。

 

「えぇ〜、最近の異世界主人公達は少々迷走している節があります。そんな後輩達を正しく導くべく、大先輩の皆さんには異世界主人公とは確あるべきと言うお手本を見せて頂きたいと思います」

 

「テストは別室で行いますので、名前を呼ばれた方からこちらに移動をお願いします。ちなみにお仲間の皆さんは助手兼観客として来て頂いておりますので、是非とも勇姿を見せて下さい。何か質問はありますか?」

 

聞けば聞くほど何処ぞのテレビだが、問題は解説がサイコパスな遊◯王野郎ってことである。この企画は間違え過ぎると消される訳だが、それでまさかこの世から消されるなんて事は……

 

「質問なんだが、我々の身柄は保証されると思って良いんだな?企画に付き合うだけなら構わないが、もし命の危険があるなら……」

 

「嫌ですねぇー!大切なゲストを傷付ける筈がありませんよ。これはそんなゲームじゃありません」

 

「そうか。なら一安心だな……」

 

「ターニャは考え過ぎだって」

 

「だな。余程の悪神でもなければ、ゲームで殺人などしないだろう」

 

「そうだな。馬鹿な女神に覚えはあるが、悪神など存在Xくらいしか知らんからな」

 

3人は随分と余裕そうだが、残念ながら俺は全く安心出来ていない。それは別のゲームだと死ぬかもって事で、このゲームが終わって解散だなんて、そんな保証は何処にもない。詰まらないゲームを見せられたとか言って、2回戦目はデス・ゲームとかやらないだろうな?

 

「では、最初の問題は正しい異世界転生の仕方です。カズマ様、トップバッターをお願いします」

 

「トップバッターかよ……まぁ俺より最低のケースなんて早々ないと思うし、サクッと合格してやるか」

 

「カズマの適応力なら大丈夫だろう。存在Xみたいな悪神でもなきゃ、直ぐに神様と打ち解けそうだ」

 

「いやどうだ?以外と地雷踏むからなカズマは……」

 

「流石に嫁が女神なのだから、そんなヘマはしないと思うが……」

 

好き勝手に盛り上がる3人を尻目に、俺はステージのドアを開いた。そりゃ神様との接点は多々ある訳だし、エリス以上の女神など居ない。つまり、俺が失敗するならイカれた女神か、ガチの悪神相手しか……

 

「えっ?ちょっ!床がねぇんだけど?!」

 

「「「カズマぁ?!」」」

 

そんな考えに耽っていたからか、俺はドアの向こうに床がない事に気付かなかった。良く見れば遥か下には石畳があり、このまま堕ちれば死は免れない。マジで何が傷付けないだよ!こんなのマジで殺しに来てるじゃねぇか!

 

「ちくしょう!マジでこの世界はこんなのばっかじゃねぇか!!……ってあれ?」

 

天使の締め上げ方を考えていたら、突然身体が空中で止まった。いや、これは俺が止まったと言うより、時間そのものが止まっているようだ。成程、これは死に際に来るパターンって奴だな。

 

『人の子よ……』

 

「あっはい人の子です。そういう貴方はどちら様で?」

 

『そ、そんなにアッサリなのは逆にビックリだが……私はそう、人の言う神と呼ばれる存在だ』

 

まさか役職名で来るタイプとは、これでは取り入るヒントがない。とは言え時間を止めているわけだし、きっとそれなりに凄い神様なのだろう。何より俺を助けられる唯一の存在だし、ここは丁寧な対応が必要だ。

 

「これはこれは丁寧にどうも。私サトウカズマと申します。本当は平伏してご挨拶したいんですが、こんな落下ポーズで失礼します」

 

『いや、実際に落下中だしそれは構わないが……なんだコイツ調子狂うな……傍若無人のアレよりやり辛いぞ……』

 

そんな事を言われても、こんな状況で取り乱しても仕方がない。全てが手遅れと言う状況で、なおかつ死の恐怖に慣れた俺が、今更取り乱す理由もないのだ。ちなみに傍若無人の誰かさんって誰だろう?死に際で神様に傍若無人に振る舞える奴とか居るんだ。

 

『ときにサトウカズマよ。貴様は何故人々が神を否定するのだと思う?』

 

「えっ?そりゃ知らないからじゃないですか?」

 

口調から何となく悟っていたが、この神は割と話せる方だ。アクアのような馬鹿でもなく、しかしエリス程親身でもない。そして神だからと調子に乗っていて、ついでにちょっと面倒臭い。こういうのはプライドを傷付けると面倒なので、ここはアーネス式の回答が正解だ。

 

「凄いことは疑いようのない事実だと思うんですけどね?でも、殆どの人が実態を知らない訳ですよ。そうなると、実態の分かる別の物に祈りたくなるって訳で……」

 

『真っ逆さまの男がこの説得力とは……実は凄い男なのかも知れぬ……』

 

真っ逆さまなのは俺のせいじゃないんだが、取り敢えず話を聞く雰囲気にはなった。となれば、後は転生先の誘導である。

 

『ではカズマよ。貴様はどうしたら我に祈り続ける?以前は戦争の絶えぬ世界へと送ったが、どうにもそいつは上手く行ってない。姑息にも銃を取って戦場を駆け、我が信徒を殺し回っているのだ』

 

成程。つまりこの声が存在Xか……時間を止めた神様を疑ってかかるとは、ターニャの奴どんなメンタルしてんだよ……

 

「なら、俺は血の繋がらない美人な姉と妹がいる世界に行きたいです。そんな奇跡のような幸福に出会えば、そりゃもう毎日神様に感謝して過ごします。ついでに結婚してくれる一途な幼馴染とか居たら、もう信仰は揺るがないと思います!」

 

『貴様は私を馬鹿にしているのか?そんなふざけた妄想1つで、揺らがぬ信仰など手にはいる筈が……』

 

「常に貴方の予想を下回るのが人間なら、馬鹿な手の方が有効な気がしませんか?それに戦争の絶えない世界なんて、むしろ作った神様が恨まれたりしません?」

 

『そ、それは確かにその通りな気も……しかもそんな曇りなき眼で……』

 

…………………………

 

「おめでとうございます!カズマ様は見事にハーレム系異世界への転生を果たしましたので、この試験は合格となります!」

 

「………ありがとうございます」

 

俺は唐突に夢から覚め、この企画のことを思い出した。さっきまで姉役のセレナと妹役のアイリス、そして幼馴染役のエリスに挟まれていた気がするのだが、身の危険が無いのは本当だったらしい。あの世界が実際に存在するなら、いっそ転生しても良かった気がする。

 

「まさか存在Xを手玉に取るとは、やはりカズマは侮れないな……」

 

「普段から高慢で偏屈な貴族を相手にしてるからな。ターニャの場合、コネ入社の上司と思えば扱いやすいかも知れないぞ?」

 

「成程。今更関係が修復出来る気はしないが、参考にはさせて貰うとしよう」

 

だが、まさかターニャの転生を我が身で味わうとは、神々の行動力は恐ろしい。この流れは下手をすると……

 

「では次はアインズ様どうぞ!」

 

「ふむ。たまには平和な異世界転生と言うのも一興だろう。行ってくる!……っておぉい!流石にこれはおかしいだろ?!」

 

ちょっと楽しそうな足取りでドアを開いたアインズは、その出口で素っ頓狂な声を上げた。と言ってもそれも仕方ない事で、その出口はコンビニに繋がっていたのだ。しかも姿は骨のままなので、この状況が既に面白くもある。

 

「お客さん。コスプレイヤーなのは構いませんがね?店内で騒がれるのは困りますよ?」

 

「あっすみません……」

 

「いや店員のメンタルクソ強いな!しかもこれ俺のパターンじゃねぇか!」

 

「えっ?スバルってコンビニ行くついでに転移したの?」

 

「なんのきっかけも準備も無くとは、悪質な人攫いにも程があるな……」

 

「皆さん。ご歓談も結構ですが、アインズ様を見てもらえます?」

 

「「「あっはい」」」

 

司会の天使に促され、俺達は再びモニターを見る。こっちのやり取りが聞こえないアインズは、駆け足でコンビニのドアをくぐって外に出た。そして、その飛び出した先の世界こそ、スバルの転移した世界だった。

 

「誰か!誰かその人を捕まえて!」

 

「ぬっ?これはエミリアの声!つまり彼女を助けるパターンだな!」

 

もはやゲーマーの性が出てしまっているが、多分その選択に間違いはない。何せエミリアはメッチャ良い子なので、彼女が悪いケースは基本的にあり得ないからだ。

 

「ははっ!そんなんじゃあたしは……」

 

「『タイムストップ』観念するが良い小娘!」

 

「ぎゃー!なんか突然ガイコツに掴まれたー!!」

 

まぁ、だからって正しい行いをして、それが正当評価される保証なんてないんだが……

 

「や、やべぇぞバケモンだ!!」「しかも言葉を話して瞬間移動したぞ?!」「と言うかいつ現れたんだ?!」

 

「いや待て!その気持ちは分かるが話を聞け!私は諸君らを害するつもりはない!!」

 

一応言葉は通じているようだが、だからって話が通じるとは限らない。突然現れた全長2mの白骨なんて、何を言っても恐怖しかない。ちなみにそいつはフェルトだぞ。カルテットで何度か会ってるぞ。

 

「わ、分かったよ返す!返すからその顔を近付けんな!!」

 

「ほぅ、つまり貴様は物取りと言う訳か?ならば罪は償わねばなるまい?『パラライズ』!」

 

「ひぎっ!」

 

フェルトから潰された蛙のような声がしたが、一応アレは非殺傷の魔法。つまりアインズとしては平和的に、なおかつ紳士的に対応している訳なのだが……

 

「化け物め!その娘を離せ!」「一体何処から街に入った!」「女の子が攫われているぞ!」

 

「いや待て!私は諸君に危害を加える存在ではない!と言うかこの娘も引渡すつもりだ!」

 

「悪魔にか……」「生きたまま食うほうが良いってことかよ……」「許せねぇぜ……」

 

「あっうん、駄目っぽいな」

 

その見た目で全てが無駄になるのだから、アンデッドって奴は損だなと思う。

 

「下がれ。こいつは相当な実力者だ。このユリウス・ユークリウスが直々に相手を…」

 

「『ショックウェーブ』」

 

「ぐはぁ!!」

 

「くっ!駄目だイマイチ加減が分からん!カズマがメチャクチャレベルアップしたせいで、人間の強度が分からなくなっている!」

 

「くそっ!カズマのせいでユリウスが!ちょっとスカッとしたけども!」

 

「いや俺のせいじゃないだろ?!と言うか本音漏れてんぞスバル!」

 

にしても強度がそのまま人間とか、よく考えたらスバルの世界も難易度がヤバい。そりゃ大兎にも苦戦するわ。俺らの世界じゃ40レベルくらいで甘噛だもんアレ。

 

「お前ら落ち着いて話を聞け!私は盗人を捕まえただけだ!そこのエミリア嬢にそれを返したいだけなんだ!」

 

「ハーフエルフの知り合いとは、やはり貴様は悪しき存在か!」

 

「あっ………」

 

そのハーフエルフに対する言葉は、本人とスバルから聞いてて知っていた。だが、その言葉に傷付くエミリアを見ると、知っていたって怒りが湧く。もしそれが目の前で起きたらなんて、そんなの火を見るより明らかだろう。

 

「ハーフエルフが?たかだか2種族の交配生物が怖いと言うのか?」

 

「当たり前だろ!あの魔女が起こした事を知れば、嫌でも畏怖の対象になる!」

 

「………そうか、ではお前達に教えてやろう!その魔女とやらが起こした悲劇など!矮小でか弱き貴様らの畏怖など!我が力の前では些末であるとな!!『メテオフォール』!」

 

「な、なんだあれは……」「あんなの堕ちたらおしまいじゃねぇか……」「逃げろ!何処か遠くへ逃げるんだ!」

 

突然空に現れた巨大な隕石に、騒いでいた人間が逃げ惑い始める。もはやアインズの周りに人の姿はなく、騎士達も我先にと街から逃げようとしている。いや、これもう聖王国編の繰り返しなのでは?ぶっちゃけラインハルトも隕石は無理だろ。本人が無事でも人類が消し飛ぶ。

 

「だめぇ!!」

 

そんな絶望的な空気の中、アインズにしがみついたのはエミリアだった。普通に考えたら逃げる所だが、エミリアはアインズと話すことを選んだようだ。

 

「私の為にやってるなら辞めて!これで私が恐れられないなんて嬉しくない!」

 

「何を言っている?あいつらは種族だけでお前を差別し続けるような人間だぞ?恐怖を塗り替えるくらいのことをしなければ、反省も改善も見込めないだろう?」

 

「駄目!だってこの方法じゃ、貴方が代わりに嫌われるだけじゃない!!」

 

いや、アレ何天使?あそこで司会してる奴の羽をむしって、今すぐエミリアに移植すべきじゃね?

 

「貴方は優しい人だって知ってる!見た目は骸骨で怖いけど、ハーフエルフの私の為に咄嗟に動いてくれたもの!自分が怖いからって敵意を向けられた時より、私が傷付いた方が怒ってくれる人だもの!!」

 

「………『グレーター・リジェクション』」

 

エミリアの言葉に心を打たれ、アインズは呼び出した隕石を魔法で消し去った。そして、緊張状態のラインハルトに向け、ゆっくりと言葉を投げかけた。

 

「街に降り立った魔王の驚異は、ハーフエルフの彼女が止めた。そして、その魔王は彼女の為なら、この程度の国など握り潰すつもりでいる。意味は分かるな?」

 

「……あぁ、こんな悲劇を1人で防ぎ、彼女次第でまた何度でも起こるって事だろう?羨望と恐怖の2段構えじゃ、ハーフエルフに敵意を向けるなんて出来る筈がない」

 

「理解が早くて何よりだ。そしてエミリアよ。私はお前の作る国が見たくなった。優しく思い遣りに溢れ、誰もが手を取り合える絵空事のような国だ。当然それは茨の道。それでもそんな国を作ると言うのなら、理想を追い続ける覚悟があるなら……私はお前の友として隣にいよう」

 

えっ、ちょっと待ってこれ話し終わるよね?王翦負けても国滅ぼせる奴が居たら関係ないよね?!

 

「待て待て待て!アインスがそれやんの反則だろ!それやったら俺の立場ってのがさ?!」

 

「ふむ、確かに随分とグレートが下がったな本編の騎士」

 

「しかも騎士以上の力を見せてあくまで友ですってよ。いや〜器がデカいな〜立場とか要らないんだもんなアイツ〜」

 

「ターニャもカズマも嫌なこと言うなよ!ちょっとエミリアたんも考えないで!この企画マジでクソ企画だろ!!」

 

……………………

 

「えぇ〜、アインズ様よりエミリア様の方が主人公っぽい活躍があったので、アインズ様は一般主人公に格下げになります」

 

「いや〜、異世界人には偏見がないって所までは良かったんですけどね?主人公が完全に食われていたのでは困りますね」

 

「そういえばそんな試験だったなこれ!」

 

エミリアに活躍の場を奪われたアインズは、ワンランク下がった椅子に座らされている。とは言えこれは仕方がない。問題と人の相性も悪い。

 

「まぁ、あれは仮初の存在だったのかも知れないが……友として手を貸すのは何時でも構わん。私はそのつもりで答えを出した」

 

「おぅ!何なら俺達も駆け付けるから、誰か死んだら呼んでくれよな!」

 

「そうなったら死に戻ってるから呼べねぇよ!と言うか、俺の価値をこれ以上下げないでくれます?!」

 

「2人ともありがとう。スバルが危ないこと始めたら、遠慮せずに連絡するね?」

 

「「EMT……」」(エミリアたんマジ天使)

 

ちょっとアインズまで毒されているが、これもエミリアの魅力と言うことにしておこう。あんまり入れ込むとアルベドが面倒なので、出来たら程々にしといてくれ。

 

「では、次はスバル様お願いします!」

 

「おう!ここでビシッとかっこいい所を見せるぜ!っーことでお邪魔します!」

 

その言葉と同時にドアを開けると、もはや実家のような安心感の部屋。そう、スバルが引き当てた転生パターンは、まさしく俺の転生である。

 

「ようこそ迷える魂よ。残念ですが貴方は先程………

 死 ん だ の で す 」

 

「そんな?!ちなみに死因は聞いていいのか?」

 

うん、やっぱり傍から見てもアクアのドヤ顔には腹が立つ。ちょっとわざとらしいスバルも気にはなるが、アクアが居るから許せるレベルだ。

 

「えっと〜、愛しの魔女以外を影で抱きまくっていた貴方は、遂に魔女に見放されて死にました。ついでに直接の死因は腹上死で、最後の相手はフェリスって子ね」

 

「あれどうしよう?突き付けられた設定だけで死にたくなる要素てんこ盛りなんだけど?!」

 

「そうなの?でも大丈夫。だってもう死んでるし!」

 

「あっ、俺今カズマの気持ちがスゲー分かった気がするわ。これはグーでいきたくなる」

 

スバルの共感はありがたいのだが、だからってそれは主人公のやって良い事じゃない。女の子にグーで行ったら、流石に不採用コース待った無しだ。

※彼はセレナの顔面にドロップキックしています。

 

「でも、そんな貴方にチャンスをあげる!天国なんて退屈な世界に行かないで、この新しい世界で第二の人生を送ってみない?凄いチートを1つあげるから、いきなり死ぬなんて事も無いわよ!」

 

「なにそれスゲー!あっ、無限の魔力とか鋼鉄の身体とか、伝説の勇者の剣まであるじゃん!って、これって魔王を倒す流れ?」

 

「そうよ?異世界に行くんだから、お約束じゃない?」

 

俺の時にも雑だったけど、やっぱりアクアが案内人じゃ駄目だよな。こんなの実質詐欺みたいなもんだし、半分騙されて異世界来てるだろ。

 

「………なら、こんな武器は必要ねぇよ。魔王がどんな奴か知らないけど、俺は魔王と話をする。誰かに決められた悪役だったら、倒した後で後味が悪いからな……」

 

「別にいいけど……それだと人を捕食する生物も居るし、話が通じないモンスターも居るしで、まず魔王の城に辿り着けないんじゃないかしら?」

 

「えっ?やっぱりちょっと待って貰えます?!それならせめて防御系とか……ってもう転送始まってんのかよ?!」

 

「貴方の心意気は受け取ったわ。多分さっさと死ぬと思うけど、その時は博愛精神を評価して天国に送ってあげるわね!」

 

「ふざけんなこのクソ女神があ!!」

 

……………………………

 

「いや〜、芸人としては申し分なかったんですけど……初日に野菜にボコられて終わるのは論外なので一般主人公に格下げです」

 

「物語の流れも考えて欲しいですね。なんで初期装備で大根に挑んだんでしょうか?」

 

「バイトして装備買おうとしたんだよ!ちくしょう…なんで大根が回し蹴りしてくるんだよ……」

 

がっくり項垂れるスバルの姿は、なんか思ってたのと違う!ってなった時の俺そのものだった。ずっと住んでると麻痺してくるが、やっぱりあの世界は色々とおかしい。こうして第三者のリアクションを見ると、懐かしい感覚を思い出す。

 

「では、最後は私だな。状況的にアインズのケースだろうが、ゲームに入ると分かっていれば怖くない。では、行ってくる」

 

「あぁ、そんな無警戒に……すみませんカズマ様……」

 

「んっ?おい待て天使。お前なんで俺に謝った?普通に考えたらターニャじゃないのか?今更俺が割を食うなんておかしいだろ?!」

 

「あっいや……本人には影響はないと思うので……すみません」

 

「なんで繰り返し謝ってんの?!」

 

「あっ……くっ……」

 

俺が天使に抗議の声を上げていると、モニターからターニャの苦しむ声。心配になって画面を覗くと、俺は謝罪の意味を理解した。

 

「な、なんで私が……こんな……目に……」

 

「すべてはターニャが招いた事だろ?パソコンに対魔◯しか入ってないんじゃ、こうされたって文句は言えないな……」

 

「ちがっ!あれは中古で買ったPCだからで……んんっ!身体をいやらしくまさぐるなぁ!」

 

手足が拘束されているターニャと、その身体を優しく撫でている俺。あくまで一目見た感想だが、完全に俺が幼女を陵辱しているようにしか見えない。

 

「すみません。触手やオークも考えたんですが、あの快楽を作り出せるキャラが居なくてですね?探したらカズマ様なら1人で全部出来ると言うので、触手兼オークで出て貰っています」

 

「おいふざけんな!これは絵面的に俺が損するよな?!俺何も悪くないのにイメージ下がるよな?!」

 

「まぁ、女性陣はドン引きだろうな」

 

「思春期男子としてはちょい憧れるけど、やってるの見ると正直引くもんな……」

 

「アインズとスバルはもっと俺の味方をして?これ他人事じゃないからね?」

 

とは言えこれは大丈夫なのか?俺達を傷付けないとは言ったが、快楽攻めだって人は死ぬ。何ならターニャのこんな姿を晒すとか、もうこの段階で条例的にはアウトである。

 

「嘘だよな?このゲームの入手経路はそうかも知れないが、セーブデータはターニャのものだ。潔癖そうな顔しながら、こんな凌辱ゲームに興奮してたんだろ?」

 

「こ、この世界にはプライバシーとかないのかぁ!」

 

何なら既に罰ゲームみたいだが、このテストは転生した先の行いをみるものだ。つまりターニャはもう少しだけ対◯忍しなきゃならない訳だが、これの落とし所は何処にあるのだろう。

 

「女になった身体に教えてやるよ。モニター向こうのあの女達が、どんな快楽を味わっていたか……」

 

「や、辞めろ……私はそんなつもりは……」

 

「おいこれは流石にヤバい奴だって!」

 

「人の尊厳にかかわる問題になるぞ!」

 

「俺じゃねぇから俺に言うなよ!いや見た目とスペックは俺らしいけども!!」

 

会場には気不味い空気が流れ、ついでに女子達からは軽蔑的な目を向けられる。流石にこれは割って入るか?これ以上こんなの続けさせたら、いくら何でも怒られる気が……

 

「ちょうだい……」

 

「んっ?」

 

「ターニャ良い子でご奉仕するから……カズマのそれ……ちょうだい……」

 

「「「なんだって?!」」」

 

今にも席を立とうとした俺達を止めたのは、か弱く囁かれたターニャの懇願。一応弁明させて頂くと、そのセリフに勃ったので立てない訳じゃない。もしターニャがそれを楽しむつもりなら、邪魔しちゃ悪いという紳士的配慮である。

 

「ほぅ?自分から奉仕したいとおねだりとは、中々殊勝な心掛けだな。それなら、先ずはその生意気な口で舐って貰う事にしよう……」

 

「ちょっとなんで皆こっち見てんの?!あれは実質俺じゃ無いし!俺だったらそんな酷いことは……」

 

「ぎゃーー!!」

 

皆からの非難の視線が集まったかと思えば、その視線は直ぐにターニャの映るモニターへと戻った。そして、その画面を見た男子諸君が震えがるまで、殆ど時間は掛からなかった。

 

「食い千切ったぁ!まさかの最初の凌辱シーンで、速攻で竿を破壊しました!」

 

「いやナレーションしなくていい!神の私でもヒュンってしてるから!!」

 

まさかのエロゲーのお約束を裏切り、初手で唐突な竿の破壊。これには会場もお通夜ムードで、ついでに男子はげんなりモードだ。

 

「でも間違いなく独自性もあって、悪には屈しないと言う心意気も感じました。この決断を直ぐに下せるメンタルの強さは、まさに主人公の器と言えるのでは?」

 

「もうそれで良いから次行って!早くあの映像切り替えて!!」

 

正直ここまで勝率は五分。まだまだ企画は続きそうだが、俺達は生き残る事が出来るのだろうか?!

 

「おいカズマ……まさかお前も向こう側じゃ……」

 

「それは命に変えても違います!」

 

ついでに俺個人も心配です!誰か誤解を解いてください!!

 

 

 

 

 

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

年末年始はインフルだったので、ずっとテレビ見てて思い付きました。年始にこんなの書いてる私ですが、今年も見捨てずにお付き合いください。

あけおめ!
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