※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

ご飯ネタは鉄板ネタですが、どれ選んでも大怪我するケースは他に無いと思います。と言うことで最低のクイズが始まります。

またお暇な時にでもお付き合いください。


新春スペシャル、異世界主人公格付けチェック。美食編

ピンポンパンポーン

 

『お詫びと訂正』前回、サトウカズマ氏を模した人物[ゴシャッ!]の魚肉ソーセージ[ベキッ!]が食い千切られるショッキングな[ドコッ!]描写が有りましたが、あれは異世界転移を模した[ガスッ!]再現映像の一部です。サトウカズマ氏のご子息は[ザシュッ!]無事であることを報告すると共に、[メメタァ!]あのようなショッキングな映像をお茶の間に流してしまった事を[ボッ!]深くお詫び申し上げます。今後は過激な暴力や流血などない[デュクシ!]番組作りを徹底してまいりますので、何卒これからも[パァン!]変わらぬご贔屓を頂きたくお願い申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。[ズドーン!!]

『天界放送倫理委員会&番組制作スタッフ一同』

 

「えっと、そのテロップの裏でゲームの神様が他の神々にボコられてんだけど……」

 

「仕方ありません。カズマ様の死はエンターテイメントでも、ご子息の死は番組の打ち切りですから……」

 

「いやもっと怒る所あるだろ?!皆怒りの矛先おかしくないか?!」

 

あと、ターニャも蹴ってるけど良いの?!もっと地獄な世界に送られない?!

 

…………皆もう知ってる人物紹介…………

 

サトウカズマ

皆さんご存知の主人公。完全に異世界に染まっているため、大抵の事には驚かない。料理スキルを取得しており、食えそうな物は食おうとする。

 

ナツキスバル

食生活は落ち着いているので、異世界でも特に困っていない。たまにジャンクフードが食べたくなるので、時折料理研究をしている。

 

ターニャ

食生活は割と普通だが、戦場ゆえに缶詰ばかり。最悪の時には蛙や鼠を食うことも考えるが、元日本人なので踏み切れないでいる。

 

アインズ

食えない。なんか異世界の美食とかあるけど、顎がないのでそもそも食えない。

 

………………てことで本編……………

 

「えぇ〜、ゲームの神が医務室にいるので、一時的に私と武神様で進行します。武神様よろしくお願いします」

 

「殴られても大丈夫そうって理由で連れてこられました武神です。これも業務らしいので頑張ります……」

 

悪神に私的な裁きが下ったことで、何故か武神様が貧乏くじを引かされたらしい。久々の再会が巻き込まれ事故とは、何となく他人とは思えない。

 

「と言うことで次の企画と参りましょう!次の企画は……食べて高級料理を当てる問題です!」

 

「「「「「おぉー!」」」」」

 

天使がフリップを出した所で、参加者と観客から好意的のリアクションがあがる。といっても勘違いしないで欲しい。このリアクションをしているメンバーに、俺達の世界の住人は1人も居ない。

 

「それでは、代表2人で別室にどうぞ!最初はターニャ様陣営からです!」

 

……………

 

「まさか目隠しも何も無しとは、流石に簡単すぎる気がするな……」

 

別室に通されたターニャ達の前に、豪華な3つの料理が並ぶ。こういう企画はアイマスクが鉄板だが、そういう拘束は行わないらしい。それだけ偽装に自信があるのか、それとも簡単な企画なのか、少なくとも情報が多いに越したことはないだろう。ちなみに俺は料理スキルと鑑定眼を持っているので、参加不可との事でモニター側にいる。

 

「さっき酷い目に遭いましたから、きっとこれはその埋め合わせですよ。ほら、問題も高級な牛肉を当てろって書いてますし!」

 

「まぁ、こういう企画では定番だろう。すると、残りの2つは豚とかスジ肉で……ひっ…」

 

いつもクールなターニャの顔が、食材パネルを見て露骨に歪む。正解の良さに騙されていたが、こういう問題には当然不正解がある訳だ。ちなみに今回の不正解は………

 

「不正解の食材は、羊とミミズ……しかも回答する食材は、完食しなきゃ駄目って……」

 

「くそっ!やはりそっち側にいるんだな存在X!こんな手を使うからトイレの神より人気がないんだぞ!」

 

それはトイレの神様に失礼な気もするが、とは言えこの企画に逃げ道などない。ターニャは覚悟を決めて料理に向き合い、ヴィーシャさんと作戦会議を始めた。

 

「メニューはステーキにハンバーグ、そしてミートソーススパゲティの3つです。ひき肉にされると食感さえ解らないので、少しはミミズを食べることになるかと……」

 

「なんで少尉はそうも簡単にミミズを受け入れられる?!私は絶対に食べないからな!」

 

ターニャは頑なにミミズを避けるが、ヴィーシャさんは既にスプーンとフォークを持っている。見た目は三ツ星店でもイケそうな料理なので、多分リスクより食欲が勝ったのだろう。食材がまともなら神企画なのに、どうして神が地獄の企画ばかり考えるのか……

 

「良し!ならここは正解を目指すのではなく、安全圏のステーキだけ食べよう!どれだけ頑張ろうとミミズでステーキなんて作れない筈だ!」

 

「しかし中尉。それがもし羊肉だった場合は……」

 

「ミミズ食ってまで正解を求めようとするな!おかわりは自由と書いてあるし、ステーキだけで腹を満たせば良いだろう!」

 

「た、確かにそれは名案です!ステーキならレアからウェルダンまでありますから、実質3品以上食べられますもんね!」

 

実質一品しか食べられていないが、確かにそれなら地雷は踏まない。それにもしステーキが牛肉であるなら、その段階で正解は見つかる訳だ。流石は冷静で知能派のターニャ、取り乱していても賢い選択だ。

 

「んっ?!このステーキには羊肉特有の獣臭さがない!やったぞ少尉!おそらくこれが正解の牛肉だ!これならリスクを負う必要はない!」

 

「さ、流石は中尉殿!私は3枚食べても美味しい以上の事は分かりませんでしたが、それなら勝利は確実ですね!!」

 

「そうか……次からは完食する前に感想を伝えてくれ。何のためのチーム戦か分からん……」

 

そのままターニャもステーキを完食し、他の料理には手を付けず回答を書き込んだ。もしその推理と味覚が正確であるなら、この企画はとても良心的って事になるだろう。ただ、武神様が凄く申し訳ない顔をしているので、何だか嫌な予感がする。

 

………………

 

「さて、次は俺達だな!頑張ろうぜエミリアたん!」

 

「そうだねスバル!」

 

地獄のような料理の前に、今度はスバルとエミリアが座った。見た目には初々しいデートのようだが、その空気を壊すのがこの料理である。

 

「おぉ!こいつはまた美味そうな……えっ?」

 

食材のパネルが開くと同時に、スバルのテンションが急降下する。料理にミミズが入っていると聞けば、どんな料理も地雷に変わる。さっきまで輝いていたスバルの目に、今じゃ憎しみさえ見えるくらいだ。

 

「いや待て待て待て!おかしいって!なんでシレッとミミズ入ってんの?!ハズレだってせめて食べ物で……」

 

「いただきま〜す」

 

「エミリアたんもちょっと待って?!」

 

そんなスバルを気にもとめず、エミリアはお行儀良く両手を合わせる。ミミズ飯を前にこの対応とは、やはり天使は懐が深い。

 

「何スバル?スバルもいただきますはしなきゃ駄目だよ?」

 

「それは後でちゃんとやるよ!でも、先ずは食材に言うことあるよね?!食べ物か怪しいのが入ってるよね?!」

 

スバルが言ってることは至極真っ当なはずなのだが、何故かエミリアは表情1つ変えていない。ひょっとしてエルフってミミズを食うのか?俺たちがエミリアを知らないってだけで、実はミミズを食べる文化なのか?!

 

「確かにミミズは珍しいけど、だからって否定するのは違うかなって思って……」

 

「えっ、これそんなにシリアスな空気になる話?」

 

※少しの間だけエミリアワールドにお付き合いください。

 

「私は生まれがハーフエルフだからって、何度も辛い目にあった。それなら、きっとミミズを主食にする人達だって、同じような目で見られてると思うの!」

 

「ミミズを主食とするのは小鳥と川魚くらいしか知らないかな俺は……」

 

「それに、こんなに美味しそうに調理されてるんだもん。きっと美味しく食べてもらう為に真剣に作ったんだよ。それなのに嫌な顔して食べるなんて、作った人に失礼だと思うの!」

 

「俺達を騙すために頑張ったって発想は無いんだもんなぁ……」

 

「と言うことだから、ちゃんと全部完食しなきゃ!殺されたミミズだって生きてたんだから、美味しく食べなきゃ可哀想でしょ?」

 

「……そうだね。俺も頑張って食べるよ。いただきます」

 

エミリアの曇りなき真っ直ぐな言葉に、スバルも静かに両手を合わせた。人を疑わないエミリアの美しい心が、無意識にスバルを追い込んでいるのだから、流石にちょっと気の毒だ。

 

「あっ、このハンバーグ凄く美味しいよ!これが多分牛肉だと思うな!」

 

「一発目にハンバーグ行ったのエミリアたん?!流石にそれはキモ座り過ぎでしょ……」

 

そして悪意のない彼女が度胸を見せた為、スバルの逃げ道もなくなった訳である。

 

「分かったよエミリアたん。エミリアたんがそれを牛肉だと思うなら、残りの2つは俺が食べる!!」

 

「えっ、スバル?!」

 

スバルは深呼吸して覚悟を決めると、同じくひき肉を使われているミートソースへと食らいついた。エミリアの舌が確かであるなら、おそらくミミズ料理はこれだろう。スバルはなるべく味わう隙もなく、ミートソースを胃へ流し込んでいく。

 

「くっ!後味が凄く美味しいのが逆に怖い……でも、これで残るはステーキだけだ……」

 

「頑張ったねスバル。口直しにステーキ食べて!これも凄く美味しそうだよ!」

 

「うん……ありがとうエミリアたん……俺はもう味とか分かんないから、答えはエミリアたんを信じてハンバーグに……する……よ……」

 

「えっスバル?食べて直ぐ寝たら牛になっちゃうよ?!起きてスバル〜!」

 

俺は男らしく散ったスバルの背中に、心のなかで敬礼した。惚れた女の為にそこまでするとは、流石は異世界主人公だ。絶対に頑張る所はそこじゃないけど、俺はお前の勇姿を忘れないぜ。3日くらいは……

 

………………………

 

「おぉ!久々に人間の身体で食事が出来るなんて、神様も粋なことしてくれるな!」

 

「その力が我々にあれば良いのですが……力及ばず申し訳ございません……」

 

スバルと入れ替わりで入って来たのは、人モードのアインズとデミウルゴス。久々の食事がまさかこれとは、アインズにはちょっと同情する。

 

「えっ、ハズレにミミズ肉とかあるんだ。流石にそれはちょっと嫌だな〜。でも、羊と牛は美味しそうだし……」

 

「では、先ずは私めがこの料理の材料を確認しましょう。これでも生物には詳しいですから、食材の判別くらい簡単です」

 

「分かった。頼むよデミウルゴス」

 

デミウルゴスは自信満々だが、そもそもあいつらって人の食事を摂るのだろうか?好きな肉類を問われた場合、絶対人肉とか言うタイプに思えるが……

 

「では、先ずはこのステーキから確認しましょう。焼き具合はミディアムと言ったところ。脂の少ない赤身にもかかわらず柔らかいことから、恐らくは熟成させてから調理しています。更に羊肉独特の獣臭も無く、ステーキに香草の類いは含まれていない。断言しましょう。これこそ最高級の牛肉であると!」

 

「さ、流石はデミウルゴス!状況を冷静に分析して当てるなんて、一流の頭脳は伊達じゃないな!」

 

「勿論味覚とて一流です。これは実に良質な肉で、私としても実に好ましい。これ程のものを用意できると言うのに、ミミズを食わせるなど愚かな行為です」

 

いつも通りと言えばそれまでだが、ここでもデミウルゴスの知性が光る。と言うか本当に便利だよな。最近あんまり活躍してなかったけど、やっぱり出来る奴なんだなアイツ。

 

「くっ!アインズ様と二人きりの食事……」

 

「後で嫌がらせにミミズを食わせてやるでありんす……」

 

まぁ、だからって幸福な結末になるかと問われたら、そうもいかないのがこの世界なんだが……

 

……………………

 

「で、なんで私とあんたが代表な訳?」

 

「そりゃ神々に私らのアンチが多いからでしょ。全く、これだから生き遅れの僻みって嫌だわ」

 

ブーブーブーブー!

会場の女神から物凄いブーイングを受けながら、アクアとウォルバクがテーブルに着いた。神々の運営するゲームである以上、どうしても決定権は神々に委ねられる。だからってこんなに露骨に私怨が絡むとは、流石にちょっとどうかと思う。

 

「取り敢えず、ウォルバクは噛む力が無いからステーキは無理よね?これは私が貰っておくから……」

 

「どんだけ軟弱な顎だと思われてんのよ!それが一番安全なんだから、それは私に譲りなさいよ!私朝ごはん食べれてないんだから!」

 

「それは私だって同じよ!飲み会の朝帰り直後に連れてこられたんだから、少しくらい良いもの食べさせなさいよ!どうせアンタは寝坊かなんかでしょ!」

 

「朝帰りが寝坊にマウント取るんじゃないわよ!私はその……カズマが寝かせてくれなかっただけだし……」

 

booboo!!

根が素直なのは美徳かも知れないが、こういう時には勘弁して欲しい。女神たちのブーイングも凄いが、観客の何人かがニヤニヤしながらこっちを見ている。ちょっと今フェリスと目が合ったぞ。あいつは後でアヘるまでモフるからな!

 

「ふん!あんたにステーキなんてくれてやるかぁ!」

 

「あぁ!ちょっと意地汚いわよアクア!」

 

アクアが勢い良くステーキに齧りつき、そのまま数秒で一皿平らげる。なんかリスみたいにほっぺが膨らんでいるが、お前は女神としてそれで良いのか?色んな神々が見ている訳だし、もう少し映りとか気にしろよ。

 

「ふふん!これでわらひのかひってわへへ……ガチッ」

 

「えっ、なんか今物凄く硬い音しなかった?」

 

「んっ、ぺっ!何よこれ骨?いや、骨っていうかとげ?」

 

「あっ、それサンドワームの牙じゃ……」

 

サンドワームと言う単語が出た瞬間、アクアの顔が明らかに青ざめる。2期オープニングでお馴染みだが、あのサンドワームも実は食える。大きくなると砂っぽくなるが、子供のうちなら肉質は柔らかく、それでいて臭みも無く美味しいらしい。とは言えヌルヌルのワーム類なので、好んで食う奴なんてそうそう居ない訳なのだが……

 

「………ミートソースおいちい。私、これが牛だと思うの」

 

「…………ねぇ、なんでミートソースなんて食べてるの?食べなさいよ。まだステーキにも可能性あるから!あんたも食べなさいよこの牛っぽいステーキ!!」

 

「食べる訳ないでしょ!これ絶対にサンドワームじゃない!あんな牙生えてる生物は他に居ないのよ!」

 

嫌過ぎるネタバレを食らったアクアは、もう正解を探すより道連れを増やそうと躍起になっている。だが、悲しいことに道連れは沢山いるぞアクア。ステーキがミミズだって考えた奴は、この中に誰一人居なかったんだからな。

 

……………………

 

「では、結果発表のお時間です!」

 

全チームの回答が出揃った所で、回答者は1つの部屋へと集められた。その手には回答フリップを持っており、お互いのリアクションをみられるようにしているらしい。ゲテモノ食った奴が晒される訳だから、ある意味では悪趣味な方法だ。

 

「今回はその食材を手にする映像をお見せしますので、その映像で答えが分かるようになっています。では、最初はミートソースの材料から、中継のリアさん!」

 

『えっと、現地レポーターのリアです!今回は王都近郊の農場に来ています!ここでは多くの牛や馬、更にヤギや羊が育てられていますが、今回頂いた食材は…………』

 

年末企画が潰されたと思ったら、神様から仕事を貰っているリア。流石は仕事を選ばないアイドル。しっかり答えを引き延ばす辺り、テレビと言うものを分かっている。

 

『羊です!皆さんが食べた最高級の羊は、こちらの農園で育った羊でした!』

 

「くっ!つまり私は外れって事ね。まぁ、少なくともミミズじゃなくて良かったけど……」

 

「あれ?!それじゃエミリアたんに食べさせたハンバーグって……」

 

ミートソースが羊肉と知り、安堵するウォルバクと焦るスバル。と言うことで答えは2択に絞られた訳だが、まだリアの映像は終わらない。

 

『ここの経営者は勇者の末裔でして、その血には動物と心を通わせる能力が備わっております。その力を使って動物の心を知り、ストレスの少ない環境を心掛けているんです』

 

『それは素敵な方針ですね!皆さんの元に届けられた羊は……』

 

『…………僕の友達だったんだ』

 

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

和やかなムードだったはずの現場中継が、子供の乱入により何とも言えない空気になる。オーナーと子供の顔はそっくりなので、きっとこの子も勇者の末裔だ。つまりは、動物の心が分かるって事で………

 

『神様に食べて貰えるんだって、あいつは凄く喜んで居ました。本当は死の恐怖に震えてた癖に、僕の初仕事を最高の成果にするって言ってくれたんです。だから、どうか……美味しく……食べてやって……ください……』

 

絞り出すような少年の言葉に、俺達は心が締め付けられる。こんなにも覚悟して出荷された羊を、俺達は馬鹿みたいな理由で避けようとした。そもそも企画が馬鹿なのが悪いが、それでもやっぱり心は痛む。

 

「…………って事らしいんで、残ったのは後で皆さんでどうぞ?」

 

「「「「「「いや食べ辛いわ!!」」」」」」

 

「お前、流石にそれは駄目だろ!スタッフに残さず食べさせろ!!」

 

そしてこの流れで心が痛まない辺り、やっぱり天使は色々と駄目だ。

 

………………

 

「皆さんのテンションもマシになったので、次はステーキの答え合わせと参りましょう!中継のエーリカさん!」

 

『はーい!今日も可愛さ100点のエーリカちゃんが、ステーキの材料を可愛い映像でお届けしちゃうよ!』

 

今度はエーリカがモニターに映ると、その先に見えるのは小さな農場。その映像には牛も映っており、ステーキを選んだ2人は途端に安堵した表情になる。

 

「いかがですかアインズ様。私はお役に立てたでしょう?」

 

「やはり大きな肉を選んで正解だったな。霜降りじゃないのは気になったが、筋肉質の牛で赤身が売りなら、それでも高級路線にはなるか……」

 

既に勝ち誇った顔をしているデミウルゴスとターニャだが、残念ながらその予想は外れだ。だってエーリカの手に握られてるのって、大根の入った麻袋だもん。

 

『じゃあ狩りま〜す。ほいっ!』

 

エーリカは大根入りの麻袋を街道から外れた沼地に投げる。すると中の大根が暴れ出し、地面を激しく叩き続け……

 

「キシャー!」

 

地面からサンドワームが顔を出すと言う訳だ。ちなみにあれは暴れもがく生物と大根を勘違いして襲ってくるそうで、割とポピュラーな誘き出しの方法である。

 

『それじゃ……スラッシュ!!』

 

エーリカの見事なダガーの一閃が、サンドワームの首をハネる。画面に映る瑞々しい断面は、まるで高級な牛肉のように艷やかだ。これを焼いたらどんな姿になるのか、俺達には容易に想像が出来る。そう、そこに集まった皆にも、かなり具体的に想像が出来る。

 

『と言うことで、ステーキの材料はサンドワームでした〜♫私は食べないけど、結構美味しいって評判だよ〜』

 

「くそっ!結局ミミズだけを食わされたじゃないか!何なんだあの馬鹿みたいなサイズ!あんなのミミズって呼んで良いのか?!」

 

「でも、結構美味しかったですよ?」

 

「美味しかったから何だと言うんだ!くそっ!私の舌はどんだけ馬鹿なんだ!」

 

ターニャは盛大に自爆したので、膝から崩れて床を叩いている。ヴィーシャさんは以外と余裕そうなので、実は大物なのかも知れない。ちなみに一番悲惨なのは……

 

「この蛙が!ミミズだけ食ってろこの蛙が!!」

 

「アインズ様にミミズを食させるなんて、死んで詫びるでありんすよ蛙が!」

 

「申し訳……ございません………」

 

「久々の食事が……ミミズか……」

 

若干原型のわからなくなったデミウルゴスである。普段ならアインズが止めるところだが、ミミズを食わされたショックでフォローする余裕もないらしい。

 

「エミリアたんが無事で……良かった……ごふっ……」

 

「スバル駄目だよ!牛になっちゃうよ!」

 

ちなみにスバルも悲惨な感じだが、エミリアの前なのでやられ方が大人しい。

 

……………

 

「では、最後の牛の発表です!シエロさん、お願いします」

 

『はい……初めての中継で緊張してますが、現場からお伝えさせて頂きます……』

 

最後の食材は間違いなく牛。問題文を見ればそれは確定なのだが、何故か中継先が薄暗く、既に嫌な余感しかしない。

 

「なぁ、なんで牛のいる場所がこんなに暗いんだよ!と言うかシエロの気合の入り方おかしいだろ?!これ絶対に何か……」

 

『来ます!!』

 

スバルが状況に突っ込んだものの、シエロの声がそれを掻き消す。そして真っ直ぐ突っ込んでくる巨大な何かに、シエロは真っ直ぐに拳を放った。

 

『………最期に言い残すことはありますか?』

 

『シンダラ……スキヤキニ……ナリタイ……』

 

シエロの隣に倒れ込んだ巨体は、かなり巨大なミノタウロス。ちょっと遺言の内容は気になるが、確かにこれも牛と言えば牛。いや、普通に考えたら魔物なんだが、一応食用で売られているし……

 

『と言うことで皆さんが食べたのは、こちらのミノタウロスの高級なお肉です!』

 

「「「「「「「ふざけんなこらぁ!!」」」」」」」

 

当然と言えば当然なのだが、この正解発表には参加者もキレる。だってミノタウロスなんて頭以外は人型で、下手すりゃ人間を食わされたような気もするだろう。こんなヤバい企画がまかり通るのは、流石に良識を疑ってしまう。

 

「違うんだ……これでもまだマシな方で……と言うか匂いで分かると思ってたんだ……本当にすまない……」

 

だが、武神様の反応がアレなので、多分テコ入れ前はもっと酷かったんだと思う。ちなみにエミリアだけ正解です。誰も祝わないから俺から言っとくね。

 

 

 

 

 

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

悪気しかないけど反省してるから許してください。
次はもう少しだけ優しくしますから!

また酷いネタになりますが今後ともそれを覚悟でお付き合いください。
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