バレンタインありましたね。私もチョコを貰って思い出しました。えぇ、セールスの人から義理を貰っただけです。とは言えラブコメを自称してバレンタイン無視はおかしいので、急遽執筆してこんな日になりました。
またお暇な時にでもお付き合いください。
バレンタイン。それは愛に生きた聖職者、聖ヴァレンティヌスを称える日。彼は法で禁止されていた兵士を秘密裏に結婚させていたが、近代ではそれを愛の美学として賞賛するに至った。それを日本の製菓メーカーが利用し、今ではチョコの日になっている。
「で、チョコを沢山貰った小僧は干物になったと……風が吹けば桶屋が儲かると言うが、何時でも器用に死にかける男であるな?」
「見てないで何かカロリーを……出来たら甘い物以外で……」
そんな甘く幸せな日も、俺にはトラブルしか持ってこない。と言っても今回は良い思いをしたので、死ななきゃプラスってことにしておこう。
………………
「多分日本の影響なんだろうけど、何故かこの国も日本式だよな?」
「あぁ、でも悪いことばっかりでもねぇよ?チョコレートリキュールが飲めるのだって、日本人がもたらした恩恵だ。つ〜訳で、これがあたしからのバレンタインな?」
「お、おぅ……ありがとう……」
ついさっきバレンタインへと日付が変わり、俺はセレナの元で一番乗りのチョコレートを受け取った。そこでチョコレートリキュールを選んじゃうのは、プリーストとして如何なものだろう。ある意味セレナらしいとも言えるが、やっぱり向いてないと思う。
「あれ?なんかほんのりと温かいんだけど……」
「そりゃチョコレートが固まったら飲めないからな。渡して直ぐに飲めるように、肌身離さず持ってたんだよ」
そう言って胸元を見せるセレナの顔は、どこか挑発的で色っぽい。この熱がセレナの谷間の物なら、この微妙なぬるさにも納得がいく。
「それで、グラスはどれを使えば良いんだ?ボトルが程よく温かくても、グラスがキンキンだと固まるぞ?」
「………直じゃ駄目?」
「この酒結構強いんだけど……」
この色仕掛けを思い付いた段階で、セレナは満足してしまったのだろう。せっかくボトルが温めてあっても、グラスが無いとこれは飲めない。いや、別にグラスじゃなくても温まれば良いんだし、難しく考える必要はないか。
「仕方ねぇな。それならお湯を沸かして……って冷た!なんであたしの胸に注いでんだよ?!」
「人肌が理想ならここが一番だろ?ほら、しっかり寄せて飲みやすくしてくれ。零したら勿体ないぞ?」
「ったく……このおっぱい星人は……」
セレナの谷間にリキュールを注ぎ、それを正面から啜る。人肌が美味しい温度であるなら、人肌に注いで飲み干せば良い。今ならセレナの恥じらい顔も、美味しさを増すアクセントになる。
「チョコの甘い香りも良いが、セレナの甘酸っぱい香りもそそられる。これなら何杯でもいけそうだ」
「さっき強いって言ってたじゃねぇか……あと、あたしにもちょっとくらい分けろ……」
「んっ、了解……」
そう言って甘えた目をするセレナの唇を、リキュールを含んだ口で優しく奪う。するとセレナの舌が唇を割って入り、少しずつリキュールを絡め取っていく。ここで強引に吸い付いてこないのは、セレナなりの誘惑なのだろう。寄せた胸を強く押し当てながらのディープキスは、もはや前戯と言って差し支えない。
「ふぅ……甘いリキュールも悪くないけど、そろそろチェイサーが欲しくなるな……」
「この状況でチェイサーかよ……先にあたしを求めろよな……」
そうして谷間のリキュールが無くなると、セレナは更に大胆になった。唾液でベトベトになった胸を露わにし、履く意味のなくなったショーツを脱ぎ捨てて、そのままソファーへ腰掛ける。これなら今直ぐにでも抱ける訳だが、まだもう少し楽しませて貰おう。
「酔い潰れたら最後まで楽しめないだろ?だから、この蜜はチェイサー代わりだ……」
「そ、そこは駄目だって……あたしまだシャワー浴びてな……あっ!」
俺はセレナの膝裏に手を入れ、そのトロトロの割れ目に舌を這わせる。少し蒸れた甘酸っぱい香りと、何時もより酸味の強い蜜の味が、甘いリキュールの後には程よく感じた。
「いつもより少し酸っぱいけど、チョコレートと楽しむにはちょうど良いな……」
「こ、この変態は……本当に……あっ……舌入れちゃ……だめぇ……」
口では不満を漏らすセレナだが、その身体は驚くほど従順だ。開かれた足を閉じようともせず、自由な両手はベッドを掴み、俺の奉仕を助けている。普段より蜜の量も多いようだし、こういう羞恥は嫌いじゃないようだ。
「ほら、もっと沢山飲ませてくれよ?あんなに強い酒を飲んだんだ。チェイサーもたっぷり必要だろ?」
「だめ……これ以上されたら本当に……カズマの口に溢れちゃう……あっ……」
興奮と羞恥の中で繰り返し舐られ、セレナの腰が痙攣を始める。お互いのツボを知り尽くしている俺達にとって、過度な興奮は致命的だ。今の羞恥と興奮に溺れたセレナなんて、その気になれば直ぐにでも落とせる。
「我慢するなよセレナ。飲み干したらそのまま相手してやるから……」
「あっ!そんな奥まで舌を入れたら……あ……あっ……あぁー!!」
勢い良く迸る潮を舌で受け止め、その全てをゆっくり飲み干して行く。普通なら絶頂でスッキリする所なのだが、セレナの目はまだ足りないと訴えている。そんな熱視線を向けられて、じっくり楽しむなんて出来るはずがない。
「待たせたなセレナ。それじゃ本命を貰うぜ?」
「んっ、ちゃんと味わって……あっ……硬いの……挿入って……はぁん!」
とろとろに蕩けたセレナの割れ目へ、膨張した息子を容赦なく突き入れる。息子に絡む濃い目の愛液は、溶けたチョコレートよりとろみがありそうだ。
「本命チョコも嬉しいけど、やっぱりこっちの方が俺好みだな。こうして恋人らしい抱き方なんて、いつもはさせてくれないもんな?」
「恥ずいんだから…仕方ねぇだろ……カズマだって……あたしには強引に迫るじゃんか……」
「そっちの方が俺達らしいだろ?どっちも俺は大好きだしな」
深くゆっくりとした正常位は、乙女なセレナが見られる特別なプレイだ。照れ隠しに悪態をつくセレナであっても、繋がっている間は愛らしい乙女。乙女なセレナを堪能するなら、これほど的確な抱き方はない。だが、乙女なセレナの真骨頂は、むしろこれからだったりする。
「あっ!そんな不意打ちは駄目だって!硬いので奥えぐられたら、あたしだけ先に逝っちゃうから!」
「別に何度でも逝けば良いだろ?セレナの腟内を俺で満たすまで、どうせ止まるつもりもないしな!」
「だめ!そこ本当に気持ち良すぎて、何も考えられなくなる!」
乙女なセレナの真の魅力は、この快楽に溺れる姿だろう。必死に俺の手を掴んで離さないのも、甘えた声で懇願するのも、普段は見られない特別な姿だ。照れ隠しの粗雑な態度も嫌いではないが、このギャップが普段より興奮を掻き立てる。
「今更加減する理由もないだろ?俺はもう、孕ませるつもりで抱いてんだからさ!」
「いいよ孕ませて!カズマの子なら産んでも良いから!お腹の奥までカズマで満たして!」
ここまで激しく求められて、理性の続く男など居ない。完全にメスに堕ちたセレナの身体を、俺は獣のように貪り始める。ここから先はただの繁殖だ。快楽の赴くままセレナを穢し、その孕を俺で満たすだけだ。
「もう駄目いくっ!カズマ来て!流し込んで!意識が飛ぶ前にあたしを満たして!」
「しょうがねぇな!なら、取り敢えず最初の1発だ!逝きながら子宮で受け止めろ!」
「だめぇ!!熱いの来てる!逝きながらお腹の中満たされてる!駄目!このまま動かれた本当に……あぁーー!!」
激しい絶頂と吐精のコンボに、セレナの意識が一瞬途切れる。普段ならここで寝かせてやるのだが、ここまで盛り上げて終わりでは味気ない。俺は吐精後も蹂躙を辞めず、堕ちたセレナを快楽で叩き起こした。
「あっ……駄目これ……壊れる……あたし……これしか考えられなくなる……」
「そうなったら毎晩満たしてやるよ。ほら、俺はまだまだ満足してないんだ。まだまだ楽しませて貰うぜ?」
「あっ……あっ………駄目……だめぇ……」
駄目と言いつつ俺に抱き着くセレナを見て、俺の欲望は止まらなくなった。それが無意識だったと判明したのは、セレナが潰れた2時間後だった。
………………
「で、朝帰りしたらメルが居たと………取り敢えずレインに引き渡せば良いか?」
「まだ何もしてませんのに?!」
セレナに教会を追い出された俺は、庭に隠れるメルを見付けた。本当はセレナと昼まで寝ていたかったが、怒ったセレナに追い出されたのだ。精液をホワイトチョコって言って飲ませたのが良くなかったようだ。
「じゃあ一応話を聞いてやろう。どんな悪戯をしに来たんだ?」
「た、確かに悪戯は生き甲斐ですが!今日はバレンタインですのよ!わたくしだって乙女なのですから、チョコを持ってきてもおかしくありませんの!」
「なら何で庭の茂みに隠れてたんだよ。チョコを使って悪戯するなら、隠れる必要は一切ないだろ?」
「……そうですわね」
コイツ、このままレインに渡してやろうかな。本当にチョコを渡しに来たなら、先ず悪戯のほうを否定するだろ。
「あっ……えっと、確かに悪戯心はありましたが!それでもチョコを持ってきたのは紛れもない事実ですの!カズマを驚かせたい気持ちも、チョコを渡したい気持ちも本物ですのよ!」
「えぇー、食べなきゃ駄目?」
「駄目ですの!」
こんなの9割方罠だと思うが、とは言え好意の確率も0ではない。基本的には悪戯がメインでも、極稀に甘えてくる時もあるのがメルだ。万が一今日が甘えたい日なら、それを断ると後味が悪い。
「分かったよ。お茶を入れるから一緒に食べようか」
「さすがはカズマ!話が分かりますの!」
もしこれで変なものが入ってたら、メルのおっぱいで型取りしたチョコを販売してやる。
……………
「成程。それでメルが遊びに来たんだ。これは楽しくなりそうだね?」
「俺は全く楽しくないんだけど?」
リビングのテーブルに並べられたのは、同じ形の一口大のチョコ。そして、後片付けが済んでいない各種調味料である。あるえがこういう事を始めたらどうなるか、まさに目に見える地雷原である。
「くっ、流石は常識に囚われない紅魔族。わたくしより中身のレパートリーが多いですの……」
「いま自白したよね?メルいま嫌なこといったよね?!」
「新たな味覚を見つけること、それもまた冒険の1つだからね!」
「あるえのそれは遭難だけどな?!」
だが、嫁の1人であるあるえのチョコを断るなんて、いくら何でも俺には出来ない。本命を義理で食うなんてどんな罰ゲームかと思うが、取り敢えず1つは口に運ぶ必要がある。
「お前ら、当然自分のチョコは食えるんだろうな?」
「勿論わたくしのチョコは安心ですの。ほら、わたくしが食べても大丈夫ですの……ゴクッ」
取り敢えず丸呑みで誤魔化しているので、メルのチョコレートは味覚に来る奴だ。これが唐辛子やワサビであるなら、丸呑みしたとて胃が無事では済まない。それなら俺も丸呑みすれば、取り敢えずメルへの義理は果たせ……
ギュルルルルル
「あっ………ちょっとお手洗いをお借りしますの……」
「あっうん。トイレ出たら話あるから、逃げないで正座な?」
しかし、メルが馬鹿で助かった。何が入っているかは知らないが、折角のバレンタインが下痢で終わるなんて地獄でしかない。
「さぁ、次は私の愛情を受け取って貰うよ!大丈夫、食べられない物はほぼ入ってないから!」
「ほぼって事は入ってんじゃねぇか!俺だって遊び心は持ってるつもりだけど、あるえはちょこちょこやり過ぎなんだよ!」
「チョコだけに?」
「やかましいわ!それなら、あるえも道連れにしてやる!」
「んんっ?!私の口で……舐め溶かすなんてぇ………」
俺は適当なチョコを一粒咥え、そのままあるえの唇を奪った。あるえの口にそのまま放り込んだ所で、丸呑みかポーカーフェイスで乗り切られてしまうだろう。それなら無理にでも口で溶かして、自分で味わって貰うとしよう。
「ん〜、これは花か何かの蜜か?ほんのり甘くてとろみがあって、これは別にハズレでもないような……」
「はぁはぁ……くっ……まさか一個目で媚薬を引くなんてぇ……」
「何それ?!せめて食べ物入れてくれない?!」
俺への罠へ自らかかり、あるえが力なく膝から崩れる。そりゃ若くて元気なあるえの身体だ。さぞムラムラが止まらない事だろう。仕方ない。そういう事なら寝室に行って、必要な処置を施さないと……
「うぷっ……何これ気持ち悪い……カズマさん用のをロリーサに貰ったから……これ人が飲んじゃ駄目な濃度だったかも……」
「いや本当に何してんの?!エリス!アクア!この馬鹿の身体から毒を抜いてくれ!下手すると廃人になっちゃうから!」
………………
「朝から騒がしいと思っていたら、まさかそんな理由だったとは……本当にカズマはトラブルが好きですね?」
「誰が好んでトラブルに巻き込まれるんだよ!俺だって甘くて幸せな一時を過ごしたいわ!」
あるえを寝室に寝かし付けた俺は、リビングのソファーでぐったりとしていた。普段早起きしない俺にとって、朝からの騒動はとても堪える。と言うか、めぐみんもおかしいと思ったら助けに来いよ。落ち着いてからのんびり来やがって……
「なら、今からでものんびり過ごせば良いんですよ。ほら、私からもチョコをあげますから……」
「お、おぉ…ありがとうめぐみん……」
チョコを差し出しためぐみんの顔は、まるで初恋かのように初々しく赤い。普段は破天荒な爆裂バカだと言うのに、恋愛となると可愛いのだから、案外癒し系なのかも知れない。どうしよう。無性にイジメたくなって来た。
「………照れてんの?」
「なっ?!いきなり何を言うんですか!別に私は……照れてませんし……」
なにこれ可愛い。この真っ赤になりながら必死に否定するリアクションは、まさに百点満点のデレ隠しだ。ストレートな愛情も勿論嬉しいが、こういう個性のあるデレも大変良い。
「そうだよな。俺達は結婚して子作りまでしてるんだもんな。体の隅々まで、何なら内側まで知られてる俺に、今更照れる理由はないよな……」
「だからってついでにセクハラをしないでください!そうですよ!もうカズマには気持ちを伝えたのですから、照れる理由なんてないのです!」
結ばれてかれこれ1年は経つと思うのだが、めぐみんはイチャイチャする事に慣れていない。大体そういうのはエリスに持っていかれるので、機会がなかったのも原因の1つだろう。だがそれゆえに発生する照れが、めぐみんの可愛さを引き立ててくれる。
「じゃあ、チョコもあーんで食べさせてくれる?」
「まぁ……それくらいならお安い御用ですけど……」
そう言ってチョコを差し出すめぐみんは、割と普段の感じを崩していない。深い関係で照れを引き出す為には、やはり普段のやり方では駄目なのだ。と言うことでもう一声。
「そのまま『はいアナタ、あ〜ん』って言って?」
「なっ?!何を馬鹿な事を言ってるんですか!良いからさっさと食べてください!何時間もかけて作ったチョコなんですから、ちゃんと味のほうを楽しんでくださいよ!!」
「何それ可愛いことしてんじゃん!」
「煩い食え!」
「もがっ!」
ちょっと調子に乗り過ぎたらしく、めぐみんのチョコを強引に口へとねじ込まれた。まさかそんな本気の手作りチョコだったとは、やっぱり恋愛観は可愛いんだよな。
「……美味い」
「んっ、良かった……」
「これ、来年も頼むな」
「ふふっ、来年はもっと美味しく作りますから、それまで大切にしてくださいよ?」
そして、こうして俺の愛情を疑わない所も、めぐみんの可愛いところだと思う。
……………………
「で、ダクネスは何時になったら出てくるんだ?」
「なっ!気付いていたのか?!」
めぐみんとの甘い一時を終えて5分後。俺は廊下からこちらを伺うダクネスに声をかけた。最初はめぐみんに気を遣っているのかと思ったのだが、めぐみんが立ち去っても隠れているのは流石におかしい。勝負香水まで付けているのに、一体何をしているのか……
「わ、私もメイド達に習ってチョコを作ってみたんだが、渡す勇気が出なくって……」
「今さらそんな事で悩んでるのか?ダクネスが不器用なのは承知の上だし、多少の失敗は気にしないぞ?」
そりゃ余りにも不味いチョコだったら嫌だが、ダクネスの料理も日々上達している。今の実力から考えれば、不味いレベルの物は出て来ないだろう。自分が美味いものばかり食べてきたからって、そんなに自己評価を下げる必要もない筈だ。
「いやその……メイド達が渡し方の作法も教えてくれたのだが、そっちの方が自信がなくて……」
「渡し方なんてそんな重要か?ダクネスが上手く出来ないって言うなら、自分なりの方法でも……」
「良かった。口に咥えて差し出せなんて言われたから、どう切り出そうか悩んで……」
「早く口に咥えてこっち向けよ。お嬢様は作法を知らないのか?」
「おい話が違うじゃないか?!」
そりゃ手渡しの方法ならどうだって良いが、口に咥えるなら話は別だ。年一のダクネスの貴重なサービスシーンなのだから、それを逃すなんて有り得ない。
「良いから早くチョコを咥えろよ。もう身体の関係も有るんだし、今更恥ずかしがる事じゃないだろ?」
「そ、それはそうなのだが……チョコがコレでは……」
「………ベビーチョ◯じゃん」
ダクネスの手にあるチョコレートは、赤ちゃんの乳歯みたいな極小サイズ。これを口に咥えたとして、唇からチョコが飛び出すことはないだろう。これを口移しでやり取りすると、殆どただのキスである。
「こ、これは子宝に恵まれるチョコだと、メイド達が言っていて……」
「そりゃ確かに名前にベビーって付いてるけど、別に子宝には関係ないんじゃ……」
「そうなのか?!これを口移しで食べさせ続ければ、直ぐにでも赤ちゃんが出来ると聞いたぞ?!」
「それもうチョコ要因じゃねぇよ!口移しの方がメインだよ!」
だって100粒単位で入ってんだよ?何度もしてたら嫌でも盛り上がるわ!
「………駄目……なのか?」
「……お前本当に上手くなったな?」
ムードは既にぶち壊しで、本来ならそんなプレイに乗る気にもならない。だが、こんな美人に捨て犬みたいな顔をされては、NOと言えないのが男の子である。
「しょうがねぇな。しっかり最後まで付き合ってやるから、その小粒チョコを口に咥えろよ。それから、抱かれる心の準備もな?」
「そ、そういう事は口に出すな……そりゃ期待してないとは言わないが……………あっ……」
拾われた捨て犬顔になったダクネスは、その小さなチョコの詰まった容器を開ける。しかし、そこから出てきたのは人の指サイズのチョコレートで、全然小粒なチョコではなかった。
「き、緊張のあまり握り締めてたら、そのまま溶けて固まってしまった……」
「本当に色々と不器用だよな……物理的にも精神的にもさ………」
俺はダクネスのチョコを摘み上げ、ひと口分だけ齧ってみた。不器用丸出しのダクネスにしては、中々悪くない出来だと思う。
「ちゃんと料理は上手くなってるし、また来年に期待しとくよ」
「あ、ありがとうカズマ……ただその……その気になってるからキスはしたい……」
「……………本当に上手くなったな。ララティーナ」
「んっ……お前が私を変えたんだろう……」
いや本当に上手くなったなコイツ。夜だったらこのまま寝室行ってたぞ!
……………………
「また随分と沢山貰ったわね。流石は英雄ってところかしら?」
「殆ど仕事上の義理だけどな……」
ダクネスとチョコを味わった後、大量のチョコがテーブルへと置かれた。これらは全て仕事の繋がりで、ダスティネス家を介して届いたものである。ちなみにいくつかヤバいものが混入していたので、後でセナさんに渡すつもりだ。
「あっ、この美味しそうなの貰うわね。どうせ全部は食べられないでしょ?」
「そりゃ良いけど……普通アクアはくれる側だろ?何か用意してくれて無いのかよ?」
「どうして私がプリーストを崇めるのよ?愛に殉じた事は立派だけど、そもそも他所の子の話じゃない」
そりゃ女神視点ならそうなのだろうが、俺の嫁としてのサービス精神は無いのだろうか?一応日本の管理者なのだし、もう少しノリが良くても良いと思う。
「なんてね、ちゃんと用意してあるわよ。私だってカズマさんの妻だもの。欲しいものくらいお見通しよ」
「お、おお……まさか本当にくれるなんてな……」
どうやらアクアは俺の想定以上にノリが良かったらしく、差し出されたのは大きめの紙箱。そこらのチョコより重みがあるので、きっとアクアこだわりの一品なのだろう。普段が適当な性格なので、こういう贈り物がなおのこと嬉しい。
「ちなみに今回は自信作よ!フルカラーで私を作ってみたの!」
「いや凄いんだけど食べ辛いな……こんなのもはやフィギュアじゃん……」
ただそのセンスがズレているので、バレンタインとしては微妙な贈り物が出てきた訳だ。とは言え一口は食べなきゃ駄目だよな。アクアの気持ちがこもってる訳だし、取り敢えず杖の部分ひと口貰って……
「…………うん、不味い!」
「そりゃ造形に拘った逸品だからね!味見なんてしてないもの!」
「それ自信満々で言うことか!このチョコレートどうすんだよ?!」
芸術点に特化したチョコは、余りにも酷い味だった。正直これは食品かも怪しく、下手すると粘土の方が美味しいかも知れない。こんな不味いものを差し出されて、俺はどんな反応をすればいいのだろう。
「食べないでずっと飾ってよ。この娘がずっと部屋にあったら、何時でも私のこと考えてくれるでしょ?」
「くっ!極稀にだけど、アクアも不意打ちで可愛いこと言うよな……」
「極稀にってなに?!私は何時でも可愛いでしょ!こんな時くらい素直に喜んでよ!」
「………悪かったよ。ちゃんと可愛いって思ってる」
「えへへ」
意外にも素直にデレるアクアに、俺の怒りも消えてしまった。別にチョコレートが目的なのではなく、こういうやり取りの方が重要なのだ。
「なら防腐剤でも買ってくるか。アクアのチョコが腐ったりしたら、折角可愛いのが台無しだもんな」
「ふふん!それに付いては安心して!最初から防腐剤は塗ってあるから、当面腐る心配はないわ!しかも仏像とかに使ってる奴だから、1000年くらいは保つんじゃないかしら!」
ん?今こいつ仏像用の防腐剤って言った?それ絶対に食用じゃないよね?さっきから腹に違和感あるんだけど、これ絶対に勘違いじゃない!
「えっ?なんで私の頬を掴んで……痛い痛い痛い!!どうして頬を引っ張るの?!」
「人に防腐剤を食わせてその言い分か?!バレンタインチョコに毒を盛るって、アクシズ教は何処までイカれてんだよ!」
「防腐剤くらいじゃ死なないわよ!それに死んだら蘇生してあげ………いだだだだだ!!」
その後俺は激しい下痢に襲われ、取っておきのエリクサーを1本消費することになった。まさかバレンタインに損失を出すなんて、やっぱりコイツは貧乏神なのではないだろうか……
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
ヒロインが多いので二部構成になってしまいました。
後半の方が変態率が増していきますが、今回は夜判定にはなりません。ヴァレンティヌスさんに悪いので!
またお暇な時にでもお付き合いください。