下ネタが多い私の作品で何故かネタにしてなかった男子のロマン、エロトラップダンジョン。でも、嫁達ではただのプレイになるので、程よい関係の女子を集めました。
またお暇な時にでもお付き合いください。
ダンジョン。それは過酷な環境で生まれた新たな生態系の形。そこには悪魔やアンデッドも住み着いており、悪魔は人々の悪感情を食す為、そこに財宝を置いて人々を誘い込むという。
「さて、それじゃあ冒険者らしく……ダンジョン攻略といきますか!」
そして、長く難攻不落とされていたダンジョンへ挑むのは、この世界を救った英雄の1団。神々の財宝をその手に掴むべく、彼らはそのダンジョンへ……
「「「「「すみません、今回は欠席させてください」」」」」
あんまり行きたくないようなので、何人かの代表が挑むこととなった。
…………人物紹介…………
サトウカズマ
一応英雄の主人公。多数のスキルを使いこなし、ダンジョン攻略に大きく貢献する事が可能。頭の回転は早いはずだが、基本的に欲望を優先する。
シェリー
この世界で剣聖と呼ばれる少女。魔道具の研究家でもあり、文武両道を地で行くタイプ。ド近眼の眼鏡少女である為、眼鏡を落とすとバーサーカーと化すが、動きが馬鹿みたいに速いので眼鏡はほぼ確定で落ちる。エロ小説が趣味で、読むのも好きだしこっそり書いてもいる。
クレア
くっころ検定3段の実力者。強くて勇ましく、抱かれると即オチする女騎士の鏡。今回の生贄その1。
レイン
誘い受け検定2段の実力者。狡猾で計算高く、抱かれると即オチするチョロ悪女の鏡。今回の生贄その2。
シエロ
甘え受け検定2段の実力者。脳筋なのに愛嬌があり、抱かれると即オチする強女子の鏡。今回の生贄その3。
アイリス
強くて可愛い姫騎士。姫騎士なのにくっころしない清純派。本当はお兄ちゃんにくっころしたいが、イジメるとカズマの胃に穴が開く。
ダクネス
くっころマイスター。でも人間には飽きがくる。
……………………
「ダンジョン攻略を手伝えって……また何で俺に?」
シェリーの持ってきたクエスト依頼書は、俺を名指しした特別なもの。普通はやり手に頼むものだが、今回は少々毛色が違うらしい。ダンジョンの名前が空白なのも、恐らくはそれが原因だろう。
「このダンジョンは王都としても存在を秘匿したいものでして、信頼のおける方にしか存在を伝える事が出来ません。そしてそのダンジョンの特性から、カズマさんが適任かと思い声をかけさせて貰いました」
「そっか〜。お帰りはあちらです」
ダンジョンの情報を秘匿するのは、当然それなりの理由がある。挑めば無駄死にするだとか、近付くだけで危険があるとか、理由も分からず廃人にされるとか、色々と言い換える事は出来るのだが、早い話が危ないからだ。
「話だけでも聞いてください!そのダンジョンの奥には恐らく神機が眠っているんです!ほら、私が調査した情報と、この座標が一致してるじゃないですか!」
「神機の為に死んでたまるか!そんな危ない橋を渡るくらいなら、爆裂魔法で掘り起こせよ!めぐみんとウォルバクなら貸してやるから!」
「それじゃ神機も消し飛ぶじゃないですか!ちゃんと攻略しましょうよ!」
ダンジョンの中に神器があるのは、その持ち主がやられた証だ。勇者候補を倒せる奴なんて、下手すりゃ億単位の賞金がかかる。ただでさえ危険なダンジョンだってのに、そんな補足は辞めて欲しい。
「お願いします!カズマさんしか適任が居ないんです!」
「そんな訳あるか!王都所属の冒険者なんだ!もっと高レベルな奴を雇えよ!」
「カズマさんじゃなきゃ駄目なんです!エロトラップダンジョンの探索なん……」
「詳しく聞こうか!」
「へっ?!」
いや別に気が変わったとかじゃなく、友達が困ってる訳だしね?
………………
「という訳なんだが……どうして皆そんなに遠いんだ?」
「自分の胸に聞いてください」
シェリーの攻略したいダンジョンとは、男子の夢であるETD(エロトラップダンジョン)。別に皆との生活に不満はないが、男子はたまに味変がしたくなるものだ。と言うことで募集をかけた訳だが、見事に誰も前に出ない。
「すみませんカズマさん……ダンジョン攻略なら、本来盗賊スキルを持つ私が行くべきなんですが……」
「エリスは流石に仕方ないって……俺はまだ信者に殺されたくないし……」
そりゃエリスは盗賊で女神なのだから、来てくれるのなら心強い。だが今回の行き先はETDだ。もしエリスを連れていったとバレたら、それこそ宗教戦争になる。
「仕方ない。それなら優先すべきはダクネスとセレナなんだが……」
「流石に妊娠初期にダンジョンはちょっと……」
「安定期までは大人しくしないと……」
「そっか〜、それは確かに仕方な……おい待て?今凄く重要なこと言わなかった?」
ダクネスとセレナは参戦不可。それは確かに重要だが、それよりその理由は何だって?!
「出来ちゃったの?!ダクネスもセレナも出来ちゃったの?!取り敢えずアクシズ教会で祝福する?!」
「しれっと改宗を勧めるな!あと、2人も解ったら直ぐに言えよ!」
「「いや、ちょっとタイミングが無くて……」」
アクアの言葉に我に返り、取り敢えず2人に話を振る。何時判明したのか分からないが、そんなの隠す必要は……
「ダクネスの子供って……親バレベイビー?」
「んなっ?!ななな何のことだ?!!」
このダクネスの反応からして、恐らく妊娠したのは親バレセックスの時だ。ちょっと喘ぎ声が大き過ぎたので、親父さんが気不味そうに注意に来た。アレがきっかけで孕むなんて、コイツ本物の真正だな。
「セレナは……えっ、まさか後ろで……」
「んなっ……んな訳あるかぁ!!」
そりゃお尻で妊娠はしないんだが、このリアクション的に大外れでもない。恐らく本番直後に尻を虐めて、「孕みたいなら、精液を漏らさないように頑張らなきゃな!」って虐めた時だと思う。どうしよう。なぜ隠したのかと問い詰める筈が、俺も追及されると困る側だった。
「ねぇねぇ!取り敢えず2人のお祝いをしましょうよ!クエストメンバーを選ぶより先に、2人の懐妊を祝うべきだわ!」
「それもそうだな……よし!料理は俺に任せておけ!皆も好きなもん買って来い!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
「あっ、でもマナタイトとか変な魔道具を買ってきたら、尻の方で疑似妊婦にするから」
「「……ぐっ」」
いや買おうとすんな紅魔のアホ共。
…………………
「で、何も準備せず来てしまったのですか……」
「すみません。浮かれ過ぎました」
俺はセレナとダクネスを祝うあまり、結局連れて行くメンバーを選べずに終わった。だが、乗り気で引き受けたが為に辞めるとも言えず、結局俺だけの参加となった。
「なんて、実はそれも織り込み済みです!カズマさんの奥方はお強いですが、ETDには不向き!何故なら………」
とETDについて語り出したシェリーは、そのまま小一時間ほど語り続けた。エロ小説好きのムッツリ性癖は、こういう時に自然と漏れ出てしまうものらしい。ちなみに俺が黙っていたのは、俺が語るとセクハラになるからである。
…………………
「成程。人が寄り付いてないダンジョンなら、淫魔は居ても数人程度。他がトラップしか無いとくれば、力尽くでも突破は可能と……」
「その通りです。淫魔も食事は必要ですから」
シェリーの作戦を要約すると、攻略はまさかの強行突破。トラップは破壊して前に進み、淫魔は俺が迎撃する。普通のダンジョンでも罠はあり、可能なら解除して前に進む。それがETDになった所で、やることは一緒と言う訳だ。
「ですが、性的快楽を知る素人は危険です。催淫系トラップは絶対にあるので、強い快楽を知る人は堕ちるリスクが高くなります。なので、カズマさん以外は純潔の方を……更に強い女性を集める事で、盤石の布陣としたのです!」
「盤石の……布陣?」
今のシェリーの会話を良く思い出して、それからゆっくり顔を上げる。シェリーの理論は理解出来るし、その攻略には勝算を見た。だが、その作戦を実行するメンバーと言うのが、もはや不安しかないメンツである。
「……君ら3人で大丈夫なのか?」
「「「まぁ、はい……」」」
クレアとレインにシエロなんて、どういう経緯で集めたんだろう。こいつら全員漏れなく非処女で、何なら全員俺としてるぞ。
「貴族令嬢である皆様は、まさに清廉潔白の象徴です!例えばクレア様はシンフォニア家の令嬢でありながら、実力もあるソードマスター!彼女の強固な意志と剣技の前には、ETなんて無いも同然です!」
「ま、任せておけ!」
クレアは3日前に3回戦して、しかも後半は甘々おねだりモードだった。何なら「明日は早いから1回だけ…」と言ってた癖に3連戦した。どこに強固な意志があるんだろう。
「レイン様はあらゆる魔法を使いこなすアークウィザード!清廉潔白なのは言わずもがな、その理性的思考と冷静沈着さは、あらゆる状況を打破する鍵になります!」
「か、買い被りな気もしますが……」
レインは2日前に相手をしたが、失禁するまで止まらなかった。しかも本能のまま「もっと激しく舐めてください!カズマ様の舌技で逝かせてぇ!」って叫んで自己嫌悪してたので、間違いなく理性的でも冷静沈着でも無いと思う。
「そして最後にシエロさん!まさに清純派のプリーストでありながら、戦闘もこなせる対淫魔の切り札です!彼女の信仰の前には、淫魔も逃げ出すことでしょう!」
「が、頑張ります……」
シエロについては、ここに来る前に思い切り抱いたばかりだ。しかも教会の告解室を使って、エリス様ごめんねプレイでだ。シエロが今もプリーストなのかは、ちょっと審議の余地がある。
「と言うことでカズマさん!今日は大船に乗った気で行きましょう!」
「そうだな。その船の名前はタイタニックだろうけどな……」
もうツッコむのも面倒になり、俺はこのパーティーを受け入れる事にした。もし万が一間違いが起きても、最悪テレポートもある訳だしな。
………………………
「入口は普通にダンジョンだな。特に変わったものは見当たらないぞ?」
シェリーの持つ地図に記された場所には、扉の付いた洞窟の入口があった。大抵のダンジョンにはドアなど無いが、悪魔が牛耳ってるなら話は別だ。ETDだけあり、この中には恐らく淫魔がいる。
「随分と清潔感のある通路ですね……大抵のダンジョンは埃っぽいのに……」
「獣形の魔物が居ないからでしょう。亜人系の魔物や、知能を持つ悪魔種は綺麗好きと言いますから、管理者が掃除をしている可能性もあります」
ダンジョンに入ったシエロとレインは、冷静に状況を観察している。実戦経験の多さと言うのは、こういう時にこそ発揮されるものだ。つまり、アイツはずっと馬鹿ってことだ。
「ドアの中にメスオークだと?!部屋から出てくるのは反則じゃないのか?!」
「閉めてください!駄目なら両断してください!」
早速やらかす馬鹿なクレアと、それに慌てふためくシェリー。ダンジョンに来ても脳筋する馬鹿と、馬鹿を扱い慣れてない隠れポンコツ。この頭の悪い組み合わせは、出来たらこの場に置いていきたい。
「取り敢えず、一番左はオークだからハズレだな。ドアにメスオークって書いとくか……」
「そうですね。メスオークの皆さんには申し訳ないですが、ドア開けて出てくるのは反則ですもんね」
だが、そうなると進むべき道は中央か右。ドアを開けられるなら確認可能だが、またオークが出てくると厄介だ。俺は盗聴スキルで中を伺い。更に敵感知を発動した。
「どっちも内側に魔物の気配は無いし、多分トラップルームだろうな」
「では、扉を開けて確認しましょう。触手程度なら輪切りに出来ますから、カズマさんは右のドアの開閉をお願いします」
本当なら男子の夢が詰まっている筈のETDも、この脳筋達の前ではただの障害物だ。本当に心苦しいが、せめて男子の夢が詰まった部屋の中は、心に深く刻んで置くことにしよう。そしてもし何処かで機会があったら、そういう魔道具を作ってやる。
ガチャッ
「「「「「えっ?」」」」」
俺がドアを開けた瞬間、目の前に飛び込んできたのは部屋を埋め尽くす大量の触手。男子の夢が詰まっているとは言ったが、こんなミッチミチに詰まっている必要はない。と言うか、一番欲しいのは感じる美女なので、美女を入れる空間は空けておいて欲しい。
……パタンッ
「中央の扉にしましょうか?」
「他に選択肢ないしな……」
そりゃ入れる隙間無かったしな。触手が隙間なくミッチミチ過ぎて……
……………
「で、こういうパターンもあるって訳だ……」
俺達の入った中央の部屋には、ベッドが1つ置いてあるだけだ。だが、壁に「手で逝かせなきゃ出られない部屋」と書かれているので、ここもトラップルームなのは間違いない。
「これって最低でも2人必要って事になりますし、1人だったら触手かオークってことですよね……」
「作った奴本当に悪趣味だな……男同士で来たらどうすんだよ…」
淫魔やオークは想定していたが、ここでまさかの出られない部屋。俺としては別に困らないのだが、シェリーの表情は露骨に曇っている。全員処女の予定で集めてしまったのだから、そう考えるのも仕方がない。
「ど、どうしましょうカズマさん……これは物理的に破壊できないので、やはりオークの部屋に行くべきでは……」
「いや待てシェリー。確かにこれは回避が難しいトラップだが、恐らくこの先にも同じようなトラップが来る。なら、回避してやり過ごす方法より、突破する術を考えるべきだ」
もし俺がこのダンジョンの設計者なら、この手のトラップは出落ちで終わらせない。何より出られない部屋があるのなら「手で逝かせる」なんて、そんな甘いお題で終わらせる筈がない。多分最後は生本番とか、最後の一線を越えさせてくる筈だ。そして、何より折角のETDだ。血なまぐさい展開で終わりだなんて、いくら何でも勿体ない。
「成程。攻略のためのダンジョン解析ですか……それなら私も異論はありません。折角挑みに来たんです。完全攻略して帰りましょう!!」
「「「「おー!」」」」
ちなみに俺も返事はしたが、何もせず帰る気はありません。
………………
「と言うことで、俺達は進行ルートの確保を頼まれた訳だが………何をどうしたらそうなるんだ?」
俺とシエロは外壁を調査し、先に進む為のドアを探すことになった。ダンジョンと言えども建築物なので、隠し扉とて痕跡はある。と言うことで部屋の壁を見て回っていたら、シエロの右半身が壁から生えていた。何を言ってるか分からないだろうが、俺だって説明を求めたい。
「隙間が開いてたので抉じ開けて通ろうとしたら、真ん中辺りでつっかえちゃいまして……」
「フィジカル突破を駄目とは言わないが、チャレンジする前に俺を呼べよ。で、こっち側に戻れそうか?」
「ちょっと無理っぽいです……」
せめてシエロの下半身が出ていれば、ETDらしく突破も出来ただろう。だが壁から出てるのが右半身では、重要箇所に手が触れられない。身体の中心が壁の中だと、流石に時間がかかってしまう。
「クレア!シェリー!2人で壁を壊せないか?!このままだとシエロが窒息しかねない!」
「任せろ!」「任せてください!」
俺は最悪の事態を回避すべく、剣士2人を救出に呼び出した。この壁はETとは関係ないので、下手するとシエロはぺっちゃんこになる。と言うことで、俺は人命救助の為にレインの元へ走った。
「レイン!シエロが出口の扉に挟まれた!」
「聞こえてました!魔法の解析を急ぎま……ひゃん?!」
レインは探知の魔法陣を書いて、この部屋のことを調べていたようだ。だが、その方法はかなりの時間を要してしまい、時間のない状況ではリスクが高い。と言うことで、俺はレインを後ろから抱き締めた。
「あ、あの、流石にシェリー様が居る状況でこれは……」
「不味いと思うなら声を抑えてくれました。流石に今は人命優先だ」
「あっ、ちょっと……んんっ!」
右手はレインのショーツへ滑り込ませ、左手はレインの口を防ぐ。手と言う制約を課されている以上、レイン好みのオーラルセックスは出来ない。だが、そもそも高感度でチョロいレインなら、手でもさほどの時間は掛からないはずだ。
ビチャッ
「……なんでもう濡れてんの?」
「だってその……ETDなので……」
どうやらこのスケベ貴族は、最初からETDに興奮していたようだ。まぁ、それならそれで話は早い。直ぐにでも指が挿入るのなら、そっちから責め堕としてやろう。
「あっ、いきなり内側……しかも奥なんて……」
「先っちょ責めたら汚い声が漏れるだろ?だからこのまま、内側から逝かせてやるよ……」
「き、汚い声?!私そんな声出てました?!カナリアみたいに喘いでるつもりで……ちょっ!ふ、不意打ちは……あぁ〜!」
………
「本当に助かりました。流石は王宮勤めのアークウィザードですね!」
「あ、ありがとうございます……」
さっきまで難航していたシエロの救出は、隠し扉の解放により無事成された。表向きはレインが魔法を解析した事になっているが、普通に条件を満たしただけだ。
「皆さん、盛り上がるのはまだ早いですよ。また3つの部屋が選べるのですが、先程とは様子が違いまして……」
「今度は中が見えないとかか?それとも、ドアが2重とか?」
トラップを容易に回避出来るのは、実はダンジョンにとって致命的な欠陥だ。ダンジョンの種類が多様とはいえ、基本的に人間は餌に部類される。それはETDでも同じ事で、人の精と悪感情を奪えないのでは、そもそも人を呼んだ意味がない。となれば、先ずは罠回避を封じるのがセオリーという訳だ。
「いえ……むしろガラス張りになってて丸わかりです……」
「……どういうことなの?」
ちょっとウォルバクの口調が出てしまったが、この光景は確かに異様だ。目の前にあるのは3つの扉で、左にはオーク、右にはインキュバスが待ち受けている。そうなれば真ん中がトラップかと思うのだが、その部屋には「60分待機しなきゃ開かない部屋」としか書かれていない。こんな馬鹿げた3択なんて、一体何の意味があるのか……
「こんなの悩む余地などないだろう?カズマが罠さえ警戒すれば、悩む余地もなく真ん中の部屋だ」
「そうですよね……それはそうだと思うんですけど……」
「ここまで露骨だと怖いですよね……」
とは言えここはダンジョンの中。クレアの言うことは最もだが、同時に不気味さも感じてしまう。だが、罠も毒も確認出来ない以上、これ以上考えても無駄な時間だ。俺達はクレアに先行させ、無人の中央部屋へと足を進めた。
…………
「まさか隣室ともガラス張りとは……本当に何が目的なんだ?」
「あんまり考えたくは無いのですが、恐らくは誘惑して居るのかと……」
結局その部屋に罠などなく、俺達はただ部屋の中で待たされるだけだった。しかもガラスの向こうではオークとインキュバスがセクシーポーズを取っており、ずっとSAN値を削ってくる。本当に、俺達は何をさせられているんだろう。
「即尺オッケー。生本番オッケーよ……」
「僕なら、抜かずの三連戦もイケますよ……」
「もうお前らで愛し合え!」
ついでにセールストークも入れてくるので、鬱陶しいことこの上ない。
「あ、あのカズマさん?ここって本当に罠は無いんですよね?何か身体が熱いのですが……」
「えっ、まさかこの部屋媚薬部屋か?!」
自分には無害だからと油断していたが、言われてみればこの部屋は甘い匂いがする。強いて言うならサキュバス店とか、ロリーサやゆんゆんの部屋に近い匂いだ。
「あら、随分と気付くのが遅かったわね?それとも、それ以上に興奮したのかしら?」
「それは好都合だね……ほら、僕の尻穴にもっと興奮して良いよ?」
「くっ!まさか媚薬で自ら罠に誘い込もうと……なんて非道な作戦を……」
「だからインキュバスが控えていたのか……女の私たちを狙う為に……」
「いえ、多分どっちもカズマ様狙いかと……」
「何それ全く嬉しくないんだが?!」
確かに決め手に欠けると思っていだが、まさかそんなトリックだとは……流石に寝取られるなんて無いと思うが、これは対策が必要そうだな。
「すまないシェリー!解呪するメンバーを最低限にする為に、少しの間スリープで寝ててくれ!向こうからこっちに来れないみたいだし、時間稼ぎならそれが確実だ!」
「わ、分かりました!私も頭がボーッとしてきたので、カズマさんに頼らせて貰います!」
俺はスリープでシェリーを寝かせ、問題の相手へと向き直った。と言われてインキュバスを想像するのは、きっと素直な良い子なのだろう。その心を持っている人は、是非ともそのままでいて欲しいところだ。
……………………
「あ、アンダードック……僕が人間に敗北感を……」
「自家発電で……脱水症状になるなんて……」
「さ、流石はカズマさん!インキュバスとオークが意気消沈するなんて、どんな鋼の精神を見せ付けたのですか?!」
それから1時間が経過し、目覚めたシェリーは俺に詰め寄る。部屋の突破により媚薬は抜けたので、直ぐにでも次のフロアに向かいたいのだが、今すぐはちょっと厳しかったりする。
「えっと……皆さんはまだ目覚めないようなので、もう少し時間を置いてからですかね?」
「そうだな……俺も少し休みたい……」
この疲労感で連戦するのは、いくら何でも身が持たない。だが有力貴族との不倫がバレたら、流石に色々な追求を受けるだろう。俺は3人の暴走を抑え込みつつ、セックスバレせずダンジョンを攻略しなければならない。楽しみだった筈のETDが、爛れた関係により突如高難易度ダンジョンになってしまったと言う訳だ。
「匂いでバレるから射精は出来ない……あいつらは媚薬が無効化出来ない……それなのに簡単に発情するし……直ぐに雌顔で迫ってくる……これゲームバランスどうなってんだよ……」
そう言って俺は床に倒れ込み、疲労した身体を少しでも休める。夢と希望のETD攻略の為、そして現実と不条理の不敬罪を回避する為、俺の戦いは始まったばかりだ。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
取り敢えず1話で終わらせないので、徐々に酷くなる様をお楽しみください。
また不定期ではありますが、お暇な時にでもお付き合いください。