大抵は前回の話を投げっぱなしにする私の作品ですが、たまにはしっかり引き継いだりします。そして、たまにはラブコメ(ぽいもの)に返り咲きます。まぁ、ハーレムなのにラブコメって感じですが、またお暇な時にでもお付き合いください。
いつもと変わらぬ眩しい日差しと、愛らしく小鳥が囀る声。そんないつもと変わらぬ目覚ましと………
「んっ……おはようカズマ……」
「あぁ、おはよう…………リア」
目覚めに見る、普段とはちょっと違う顔。崩壊した自宅を再建するまで、俺は仲間の所にお世話になっていたりする。
………定番にしたいキャラ紹介………
サトウカズマ
誰もが大好き?な主人公。何処かに宿を取る方法も考えたのだが、ハニトラとか暗殺を警戒して知り合いの所へ厄介になっている。本当は皆でダスティネス家にお世話になる予定だったが、嫁の数が多過ぎて空き部屋が足りなかった。本当なら外でつまみ食いしそうなものだが、とある事情により出来ないでいる。
エリス
本作のメインヒロイン。皆でダスティネス家にお邪魔する予定だったが、子供をダクネスに預けて自宅を再建する神々を監督している。既に隠しカメラを8台、盗聴器を4台見付け、犯行に及んだ神々の自宅でシロアリが繁殖を始めている。
めぐみん
自宅損壊の張本人。反省の意味を込めて、1人だけダスティネス家のメイドとして働かされている。
リア
現在のカズマの下宿先にして、エリス公認となりつつある愛人。クールな見た目と熱血キャラ、恋愛に関しては一途で不器用と、正統派ヒロインの素質がある。
アーネス
ウォルバクとカズマの使い魔にして、カズマにガチ恋するエチエチ悪魔。今回カズマが大人しい原因を作った犯人であり、それを理由に接近禁止中。
…………と言うわけで本編…………
「朝から一汁三菜の和食なんて、いっそずっと居てくれて良いんだぞ?」
「そう言われるのは嬉しいけど、飯が理由なのはどうなんだ…」
自宅の崩壊から3日後の朝。俺はアクセルハーツと生活を共にしている。本当は宿を取るつもりだったのだが、要人だとそうもいかない。2時間後にハニトラのお姉さんが押し掛けてきたので、信頼出来る此処へ来たのだ。
「エーリカちゃんは、カズマとだったら一緒に住んでも良いよ?でも、ちゃんと毎日可愛いって言ってね?」
「それはまた随分と軽い条件なことで……」
「ちなみにノルマは毎日10回増えるよ?」
「一瞬でクソみたいな条件になったな……」
「ボクの組手の相手でも……」
「お前ら本当は追い出そうとしてる?」
本当はサキュバス店の寮に空き部屋があったのだが、とある事情により滞在を諦めた。そこでセナさんでも頼ろうかと思っていた矢先、偶然リアに拾われたと言う訳だ。
「でもさ〜。ずっとリアの部屋に居るよね?エーリカちゃんの部屋には来ないの?」
「馬鹿言うなよ。こっちは自宅吹っ飛んで根無し草なんだ。そんなつもりで来たわけじゃ無いっての……」
「ふ〜ん。カズマも家が吹っ飛んだらナイーブになるんだ……」
「ボクも性欲は別腹な人かと思ってたなぁ……」
「よしお前ら表出ろ。アイドルがしちゃいけない顔させてやる!!」
…………………
「まったく。今朝は威勢が良かったのに、英雄がしちゃいけない顔してるぞ?」
「まさか日々のレッスンがここまでキツいなんて……お前ら本当はドラゴンスレイヤーだろ……」
それから1日レッスンに付き合い、とても健康的な1日を過ごした。他の仕事が無い今なら、こう言う日々も悪くない。本気で夢を追う仲間の為なら、多少の無茶は受け入れよう。とは言え身体は限界なので、早くベッドで眠りにつきたい。
「まだまだファンが応援してくれるからな。手抜きなんて絶対に出来ないだろ?」
「それでここまで頑張れるんだから、流石は国1番の踊り子だ」
アクセルハーツは国の代表として選ばれ、国1番になる夢を叶えた。今回俺がリアの手を取ったのは、その人柄を信頼していたからだ。リアは可愛い女の子である前に、真っ直ぐで信頼の置ける常識人である。部屋が汚いという欠点もあるが、余りある……多少あまる……プラマイで言うとギリプラスで常識人だと思う。
「それはカズマのお陰でもあるんだぞ?最後まで私達を信じてくれて、何度も私達の為に命を張ってくれた。カズマというプロデューサーが居なかったら、私達の夢は叶わなかったさ」
そして、この熱い友情って雰囲気を出せるのも、恐らくめぐみんとリアくらいだろう。何なら今はこっちの方が、女を出さずに付き合える方が、俺には重要だったりする。
「でも、だからって3日もお預けは意地悪だぞ?私だってその……カズマの女のつもりなんだから……」
おい辞めろ。それが駄目だと心の中で語った直後だぞ。心を読めとは言わないが、せめて空気を読んで友情パターンで寝かせてくれ。俺は絶対に応じないからな!
「そっか……じゃあ、今夜は頑張ったリアを撫でて寝ることにするよ……」
「誤魔化すな!!昨晩もそうやって寝かし付けただろ?!」
「嫌だったか?」
「そ、そりゃ良かったけど……カズマの腕枕で頭を撫でられて……いっぱい褒められたらそりゃ幸せに……って、そうじゃなくて!あっ……こら…やめろ……」
読者の皆様は濡れ場を求めているかも知れないが、愛とは性欲だけではない。俺はリアを優しく抱き寄せると、そっと頭を撫で始めた。
「大丈夫だリア。俺はちゃんとリアを大切に思ってるから……」
「ズルいぞカズマ……そんなに優しく言われたら、納得するしかできないだろ……」
リアはそう言いながら俺に身体を寄せて、俺の手を素直に受け入れ始めた。本当なら今すぐにでも手を出したい所だが、こっちにも都合というものがあって……
「なんて……これでもその気にならないか?」
「なっ?!」
完全に勝利を確信した俺の目に、飛び込んてきたのは柔らかな双丘。リアはナイトウェアを摺り上げて胸を露出し、その双丘を俺へ押し付けていた。普段なら嬉しい展開だが、今だけはちょっと勘弁願いたい。
「大切にしたいって思ってるなら、ちゃんと身体も満たしてくれ……私はもう、カズマの女なんだから……」
ビキッ
「あっ……いったぁぁぁ!!!」
「へっ?!何だカズマ!お前は一体どうしたんだ?!」
…………………
「ぷっ……くすっ……成程な…それは手を出してこない訳だ……くふっ」
「流石に笑い過ぎじゃない?!」
良い雰囲気など何処かへ立ち消え、俺の身体を見て笑うリア。その視線の先にあるのは、負傷したうちの息子である。ちなみに誤解なきように言っておくと、クリスちゃんは娘であり、セレナとダクネスの子はまだ産まれていない。早い話がチン◯である。
「飼い犬に手を噛まれると言うが、使い魔はそんな所を噛むのか……ぷふっ!」
「何も上手いこと言えてないからな?!」
何故こんな所に歯型があるのか……それはアーネスに奉仕をさせている際に、濡れた割れ目に不意打ちしたからだ。高感度のアーネスは身体を強張らせ、結果的に息子を噛まれてしまった。しかもスキルポイントを稼ぐ為に、レベルリセットした直後にこれである。
「でも、どうして怪我をそのままにしてるんだ?ヒーラーなら周りに沢山いるし、さっさと治せば良いと思うが……」
「傷口に悪魔の体液が染み付いてるんだぞ?染みるどころの騒ぎじゃ済まないんだよ……」
一応ヒールも試してみたが、聖属性魔法は悪魔の体液を蒸発させる。つまり傷口を内側から抉られ、更に焼かれる感覚まで味わう事になってしまうのだ。そんな激痛に晒されたら、マジで不能になる可能性がある。
「だから自然治癒するまで大人しくさせてくれ。出来ることなら、勃つと自己嫌悪するようなムードが良い」
「今した話を振り返ってから、ムードの注文つけてくれるか?そんな馬鹿な状況を聴いて、シリアスな空気なんて作れる訳ないだろう……」
「そこはほら!プロのアイドルとして演技をだな?!」
「演技と分かってちゃ意味ないだろ……」
でも、それじゃあ俺の息子に安息が来ない。安全の保証された場所がただでさえ少ないのに、そこの家主が危険要素になってしまう。他の場所を探す手もあるが、道具もレベルも心許ない状況では、流石にリスクが高すぎる。
「はぁ……仕方ないな。今夜はエーリカの所にいくから、カズマは私のベッドで寝てくれ」
「良いのか?」
「私だってカズマの事は大切なんだ。カズマが本気で苦しんでいるなら、それくらいの融通はするさ」
そう言ってベッドから降りたリアは、枕を持って自室を後にした。こんな馬鹿な理由に付き合ってくれるとは、本当にリアは良い子だ。
「でも、私の匂いがするベッドで、カズマは大人しく眠れるのか?」
「部屋の異臭で分からんから大丈夫」
「むぅ」
それでむくれるなら掃除しろよ。まぁ、今回はこれが好都合なんだけども!
………
「良くこの部屋で眠れるなぁ……えっと、起きてくださいカズマさん……」
「んっ……シエロか……って、なんでシレッと添い寝してんの?」
夜明け前の暗い部屋、気付けば腕のなかに収まるシエロ。傍目にはとても微笑ましく見えるが、この密着度は色々と不味い。
「誰かに見られていると恥ずかしさが出ちゃいますけど、2人っきりならその心配もないですから……こんなに深く触れ合っても、自然と手が出たりしませんよ?」
「それはまぁ……嬉しい変化だとは思うけどさ……」
少々荒療治だった気はするが、シエロの男性恐怖症は俺に限定して克服された。それにより異性に甘えられるようになった訳だが、それはまだ俺に限定した話だ。だからこうして甘えたくなるのは、仕方がないと受け入れている。
「それとあのダンジョンでされたこと、まだちゃんと謝って貰ってませんよ?」
「うっ……それについては悪かったよ……」
あれからゴタゴタして失念していたが、そう言えばETDの件は有耶無耶のままだ。犯人が俺なのはもうバレているので、もう少し落ち着いてから謝りにいこう。
「それだけですか?ボクのことあんなにメチャクチャにして、後ろで孕ませるくらいドロドロに出したのに……」
「本気で謝るからそれ辞めて!罪悪感と興奮でおかしくなるから!」
シエロは反省を促すつもりだろうが、年頃の男子にそれは完璧にプレイだ。甘い声でエロいシチュエーションを囁かれて、反省に到れるはずなどない。いや、これはむしろ狙っているのか?それならそれで耐えなきゃ不味い。
「嘘です。もう怒ってませんよ。だって、抱かれてるのはカズマさんだって、ボクは形で分かりましたから……」
「いや本当に辞めて!!」
「許してるのに?!!」
当人が許すつもりだとしても、そのセリフは結果的に俺を苦しめる。と言うと罪悪感とかの話に聞こえるだろうが、息子に来るので辞めて欲しいだけである。
「先日の件は深く反省しています。然るべき謝罪と補填を実施するので、どうかそれで手を打って頂けると……」
「未だかつてない丁寧な対応じゃないですか?!」
そりゃ息子の無事がかかっているので、丁寧な対応にもなるだろう。シエロこそ普段はこんな誘い方しないのに、今日に限って可愛さを出すな。
「分かりました。そこまで言うなら、素直に謝罪を受け取ります」
「良かった。なら今夜はもう……」
「だから、ボクに跡継ぎ、産ませてください……」
ビキッ
「不意打ちは駄目だってえぇ!!」
「何がですか?!」
…………………
「くそっ……あいつらマジで覚えとけよ……」
結局シエロにも屈してしまい、俺は2度目の地獄を味わった。リアに続きシエロにも笑われ、精神的にもキツい状態だ。
「だから何度も叫んでたんだ……カズマも大変だったんだね……」
「うぅ、エーリカの自然な優しさが染みる……」
それでなぜエーリカの部屋へ来たかと言うと、実はエーリカは女の子の日。更にベッド代わりになるふかふかのソファーを持っているので、異臭のする部屋から移動してきた。リア?異臭部屋に返却したよ。
「最初から素直に言えば良かったのに、そうしたら2人も気遣ったと思うよ?」
「言った結果があの大爆笑だよ……」
エーリカはエッチな知識が薄いこともあり、下ネタで笑う事が殆ど無い。アーネスに噛まれてしまった息子も、素直に気の毒だと受け入れてくれた。本当に良い子だなエーリカ。可愛い狂いじゃなきゃメインヒロインの素質がある。
「ねぇカズマ?聖属性で痛いんだったら、ポーションとか塗り薬は駄目なの?」
「祝福なしの薬なんて、この街で手に入ると思うか?」
「…………無いかも。最近はうがい薬にさえウォルバクさんの加護が宿ってたもん」
俺だって傷の治療を試みたのだが、困った事にこの街は聖属性の宿った回復アイテムしかない。パートの賃金で加護をくれる女神が居たら、普通のポーションなんて売るはずがない。
「放っておいても自然治癒するし、安静にさせてくれたらそれだけで良いんだよ。まぁ、朝は絶対に痛いんだけど……」
「でも、そんな深い傷は時間がかかるし……あっ、私なら少し癒せるんじゃない?」
「そうなの?!」
「レンジャーには応急処置とか救護系のスキルがあるから、聖属性なしでも回復出来るよ!」
これはなんという幸運!この街じゃ伝説となった医療スキル持ちが、まさかレンジャーとして生き残っていたなんて!ありがとうエリス!医療関係者を追い出しちゃったのもエリスだけど、今はその幸運に感謝します!!
「それじゃあカズマ……患部をだして?」
「へっ?」
「患部だよ。出さなきゃ治療出来ないでしょ?」
「そ、そうだよな…治療のためだもんな……」
ちょっとだけ舞い上がっていた俺の頭は、エーリカの言葉に冷静になる。そりゃスキルで治療を施すのなら、患部に触れるのは当然の流れだ。俺は自分にそう言い聞かせながら、傷付いた息子を露出した。
「結構思いっ切り噛まれちゃったんだ……この辺りとか、痛そうだよ?」
「くっ!触るのはちょっと!」
傷だらけの息子を見たエーリカは、中指で息子の傷跡をなぞる。そのタッチはとても繊細で、傷付いた身体への労りが見える。だが、そこに繊細なタッチをされると、ちょっと困ったことにもなる。
「触んなきゃ治癒できないでしょ?ほら、こうしてピンポイントに魔力を流して、止血と痛み止めをするのがレンジャー式の治癒なんだよ?」
「あっ……優しい吐息がかかるのも……ぐっ!」
エーリカの繊細なタッチに反応した息子が、状況を顧みず膨張を試みる。だがそれは傷口を開く行為であり、フルサイズとなれば再出血は免れない。これはもはや治療ではなく、エグい罰ゲーム付きの拷問ではなかろうか?
「くっ……思い出すんだ母親の水着を……風呂上がりにタオル巻いて歩き回ってた姿を……」
「なんか凄い顔してるけど、取り敢えず続けて良いんだよね?」
「お願いします……んっ!」
エーリカの優しい指が息子を這い回り、傷跡がほんのりと熱を帯びる。これは確かに治癒の反応。聖属性を含まないヒールを、ピンポイントに味わってる感覚だ。
「えっと、取り敢えずこれで終わりなんだけど……」
「えっ?まだ多少マシになっただけなのに?!」
「普通の回復魔法はそんなものだよ!レンジャーに女神レベルを期待しないで!!」
「あっ……そうだよな……ごめん……」
このまま楽になれると思っていたが、良く考えたらそんな訳が無い。俺の知るヒールは女神のもので、本来のヒールは何度も使って、やっと傷が塞がる程度。レンジャーのエーリカに完治を期待するなんて、そもそも前提が間違っている。
「えっと、私の知ってる民間療法があるんだけど……それも一応試してみる?」
「そんなのがあるのか?!それは是非お願いしたい!」
ガッカリした俺を見兼ねたエーリカは、意外にも民間療法を持ち出してきた。そんなの宛にならないと感じるかも知れないが、この世界の民間療法は意外と馬鹿に出来ない。何せ剣と魔法のファンタジーなのだ。特殊な魔法も民間療法に該当する。
「じゃあ動かないでよ……」
「お、おぉ……そんな精密なものなのか……」
俺は万全を期す為にベッドに寝転がり、そのまま仰向けに脱力する。止血魔法で血栓が出来たとか、手術魔法で胎児を殺しかけたなんて話もあるそうなので、こういう時は慎重になった方が良い。
「じゃあ……舐めるね?」
「えっ?ちょっとエーリカさん?それは治療になるんでしょうか?」
「こう言うのは唾付けとけば治るっていうでしょ?それに、アーネスさんの唾液がヒールに邪魔なら、私が舐め取れるかも知れないよ?」
「思ったより眉唾の民間療法だった!それは流石にしなくて良いから!」
エーリカの提案する民間療法は、確かに誰もが一度は聞くだろう。だが、それを息子にするとなったら、色々と話が変わってくる。無邪気にしてくれると言うなんて、本当にエーリカは純粋な娘だ。
「遠慮しなくても良いんだよ?カズマが辛い思いをするくらいなら、私のことは気にしなくても……」
「流石にそれは気にしてくれ。相手の性器を口で愛撫するなんて、普通にえっちな事なんだぞ?俺だから理性を持って止めてやるけど、他の男に言っちゃ駄目だからな?」
その純粋さを悪用されて、以前谷間を露出した事もあるしな。今のファン達は自制してくれているが、悪い奴が現れないとも限らない。
「しないよ!私がそんなことしてあげるの、カズマだけだもん!」
「それなら良いんだ。エーリカは純粋な娘だから、どうしても不安になっちゃってな……」
「安心して。エーリカちゃんの可愛さは皆のものだけど、この身体を好きにして良いのは、カズマだけって決めたんだから……」
「うん、だからそういうの全般駄目って……[ビキッ]いったぁ!!」
「カズマ?!」
くそっ!無知キャラの自覚デレ攻撃とは、こんなの抗える男子は居ないぞ!
………………
「成程。それで限界を感じたので、私の元を訪れたと……」
それから色々と策を講じたが、こういう時に限ってラッキースケベが止まらない。何故かセナさんは風呂上がりのバスタオルだし、掃除してたルナさんがポロリするし、メリッサがノーパンですっ転んだりと、もはやエロゲーのような展開が続いた。そう、こういう時に限ってである。
「まぁ、私はこれでも有能な天使ですから、呪いも傷もあっという間です。ただ、どうしても聖属性の影響は出るかと……」
「多少の苦痛は受け入れるから、天使のヒールで治療してくれ……俺のヒールじゃ染みるばかりだし、女神のヒールだと消し飛びそうだし……」
これ以上は機能に障害が出そうなので、俺は苦肉の策で天使を頼った。ヒールの実力は間違いないし、それでいて聖属性か怪しい存在だ。天使のヒールならひょっとしたら、苦痛なく息子が治せるかも知れない。
「そういうことなら引き受けますけど、私で大きくなっても知りませんからね?」
「まぁ、そうなったらその時に考えるよ……」
そして、コイツが居ると勃つものも勃たないので、リスクは最低限で治療が可能だ。
「では、『ヒール』」
「お、おぉ……」
息子に温かな光が宿り、徐々にキズ口が小さくなる。ギャンブル気分で始めた治療だったが、流石は悪い期待を裏切らない女だ。
「本当は直接触れたほうが確実なのですが、流石にそれは危険かなと……」
「そうだな。そのまま範囲で続けてくれ」
ちょっとメスっぽい顔をしているが、その危険の意味は正反対だ。天使は俺が大きくすると思っているのだろうが、俺は元気のない息子に天使が怒り出すパターンを危惧している。なんて、本人には絶対に言ってはいけない。
「そう言えば、この大荷物は何なんだ?」
「これは三女神様の新品の服です。アクア様の杖とかは投げ渡すんですけど、流石に洋服の入った段ボールは室内に魔法で届けてます。ほら、デストロイヤー戦の時とか」
「あの杖お前が投げてたのか?!」
あれはちょっとカッコいいので、今度俺にもやって貰おう!
「しかし、いつかもぎ取られるとは思ってましたが、悪魔に噛み千切られるのは想定外です。私ならそんなミスはしませんが?」
「天使とはそういう関係じゃないだろ。お前の好意は嬉しいけどさ……」
「ふむ、信頼があるなら良しとします。今のところはですけれど……」
息子を治癒していると言うのに、天使はいつもの調子を崩さない。それは慣れもあるのだろうが、恐らく心地良い距離を掴んだのだと思う。
「まったく、悪魔に噛まれたチ◯コを癒せなんて、私で無ければ天罰ものですよ?」
「分かってる。ちゃんと感謝してるって……」
別に俺達は険悪なのではない。それなりに修羅場を潜った仲だし、当然のように信頼もある。ただ男女の仲に向いてなかっただけで、俺達はきっと親友にはなれる。
「おや?雨が降ってきましたね。どうですカズマ様、雨宿りついてに、完治祝いで私を抱くのは?」
「完治したら検討するわ」
「それ、絶対にNOの回答ですよね?」
そんな軽口を叩きながら、天使の献身的な治療は続く。雨音と天使の息遣いだけが聞こえる空間は、思ったよりも悪く無い。これはひょっとして、俺が天使のことを……
「ちょっと天使〜。私達の服届いてるわよね?受け取りに来る途中雨に打たれちゃって、出来ればシャワーを借りたくて……」
「なっ?!ウォルバク様?!」
そんなフラグが勃つかと思った矢先、良く知る声が玄関から響く。その声は真っ直ぐにこの部屋へと向かっており、顔を合わせるのも時間の問題だ。だが、もし雨に濡れたあいつを見てしまったら、俺の息子は千切れるかも知れない。
「く!想像するだけで硬くなってきた!天使!済まないけど直接触れてくれ!引き千切れる前に!」(小声)
「こ、この状況でそんなアブノーマルな?!って、何ですかこの逞しいモノは?!」
俺は咄嗟に天使の手を取ると、そのままパンツの中へと押し込んだ。細い指が息子を撫でているが、やはり天使相手だと勃たないらしい。相性とか色々語ってみたが、やっぱり女子力を感じないからだろう。
「あら?なんでカズマが来てるの?」
「お、俺も天使に仕事を頼んでてさ……納期の相談に来てたんだ……」
「そうなの?なら、私はシャワー浴びてくるわね」
しっとりと雨に濡れたウォルバクの身体は、服が張り付き扇情的だ。谷間に出来た湖なんて、普段なら直ぐに飲み干していただろう。だが、今はそれが劇薬になってしまう。天使が息子に触れてなかったら、息子が弾け飛んでいただろう。
「ありがとう天使。お前が居なきゃ危なかった……」
「これでお礼言われるの複雑なんですけど?!本当はもう不能なのでは?!」
「馬鹿言うな。お前が触れてなきゃ弾け飛んでる」
「そっちのが馬鹿なこと言ってますよね?!」
そんな事いわれても、俺だって不思議に思っている。何故か天使に触れられていると、息子が萎えるのだから仕方がない。
「ほら、早くヒールを続けてくれ。弾け飛んだら困るだろ?」
「絶対にそんなこと無いですよ……私の性別を何だと思ってるんですか……」
と言いつつヒールを続けてくれるのだから、やっぱり良い奴なのは間違いない。聖属性が低くて時間はかかるが、長風呂のウォルバクが出て来るより先に治療を済ませればそれで……
「窓からごめん!あたしの着替えって届いてる?!」
「な、なんで窓から入ってくるんですか?!」
どうやら苦難は続くようで、今度はクリス状態のエリスが飛び込んできた。だがそれだけであれば問題はない。ウォルバクのようにエロを振りまく訳じゃないので、接近さえしなきゃ問題は………
「んぐっ?!」
「あっ、振り返ったカズマ様の顔に着地を……」
鼻に触れるデニム生地の硬さと、両耳に触れる柔らかな感触。状況を理解しようとする理性と、危険信号を発する本能。恐らくこれは本能が正しい。エロはエロと認識しなきゃ、まだこの危機は回避が出来る。
「あ、汗かいてるから……嗅いじゃ駄目だからね?」
「…………スンスンスンスンスンスンスンスンスン!!!!」
パァン!!
「カズマ様?!」
それからのことは、俺も良く覚えていない。俺が間違いを自覚したのは、あの部屋で愛の女神様が目を合わせてくれない時だった。
「あんまりこういう事は言わないんだけど、カズマさんって馬鹿なの?」
「本当に申し訳ございませんでした!!」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
エロを禁止にすると、逆にエロが寄ってくる不条理。良い事をあえてマイナスにするのが、このすばの醍醐味だと思っています。
また不定期ではございますが、お暇な時にでもお付き合いください。