※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の駄文にお付き合い頂きありがとうございます。

みんな大好き、元魔王軍幹部の方、そろそろ進展します。


この帰宅難民に救済を

冤罪…正しく裁かれるべき罪、それが時に罪無きモノに牙を剥く恐ろしきすれ違い。俺も経験があるが、人は正義という大義を得た時もっとも残酷になるのだ。セナさんとか…

 

「これは、やばい…」

 

アクアがまるで聖母のように俺の顔を抱いている。普段なら問題ない。いつもの寝相の悪さから抱き着かれただけだ。しかし、それが全裸だとどうだろう?舌を伸ばせば届くのだ。桜色の先端に…俺がアクアの胸を求めたとか言われてしまう!

 

「首を反転…はっ!」

 

眼前に広がるのは、アクアより一回り小振りではあるが、色も形も素晴らしいエリスの胸。コレに関しては、もう咥えられる位置にある。俺が赤ちゃん返りしたと思われても不思議ではない。流石に赤ちゃんプレイを望む趣味はまだない。

 

「腕は…無理か…」

 

左腕はエリスの、右腕はアクアの腰の下だ。下手に動かせば起きてしまう。

 

「冤罪なのに…どちらを向いても性獣扱いされてしまう…」

 

しかし、そこで逆転の発想に到る事が出来るのが歴戦の冒険者である。

 

「よし、ここは冤罪では無くそう…問題はどっちを堪能するか…アクアは馬鹿だから寝ぼけたと言えば騙せそうだ…エリスは騙す必要もなく受け入れてくれるだろう…問題は、お互いが起きてしまった場合だ…」

 

「そうなの?」

 

「あぁ、アクアを騙して胸に触れたらエリスに軽蔑されそうだし、アクアはエリスとイチャイチャしてたら邪魔しそうだから…」

 

…俺は今、誰に返事をした?

 

「べつに騙さなくても…触っていいのに?」

 

アクアさん?!

 

「え?いいの?」

 

「だって…私はもうカズマさんの女だし…」

 

朝からこいつが可愛いだと…

 

「私が美し過ぎるのが悪いんだし…カズマさんが獣になるのも仕方ないっていうか…美しさは罪っていうか…」

 

あれ?なんだろう。やっぱりイライラするぞ?

 

「おはようございます…先輩とカズマさんはなんの話をしてるんですか?」

 

エリスが目覚めた。アクアの小芝居がヒートアップして、正直ウザい。よし、方向転換しよう。

 

クルッ

「エリス…好き…」ギュッ

 

「ふぇ?!私も好きですけど…どうしたんですか?!」

 

あぁ、胸がフカフカで気持ち良い、いい匂いがする。赤ちゃんになってしまいそう…

 

「このまま埋もれていたい…」

 

「ちょっと?!なんでエリスの胸を選ぶのよ!無いでしょ!埋もれるほど無いでしょ!」

 

「先輩ひどい!ちゃんと育ってます!もう朝からなんなんですか?!」

 

バンッ!

「うるさいですよ!イチャついてないで、早く起きてください!」

 

こんなことしてたら、めぐみんに怒られました。

___________________________

 

「カズマは私の理想の旦那に近づく為、朝の爆裂に付き合ってください。ちょっと最近は女神贔屓が過ぎます」

 

朝食後のひと時を満喫していると、めぐみんはそんな提案を出してきた。女神贔屓ね…アクアは贔屓してないと思うけど…

 

「別にそれは良いけど…めぐみんの良い旦那の条件はそれで良いのか?」

 

「我が生涯の意味を共に歩む…それ以上の信頼がありますか?」

 

うわぁ、自信満々だよ…

 

「ねぇねぇめぐみん!じゃあ私達はやっぱり親友よね?一緒に何度も行ってるもんね!」

 

「ゆんゆんは乗り心地にも優れ、こき使っても罪悪感がない、友達と言うだけで納得する、コスパの良い素晴らしいパートナーだと私は思っていますよ」

 

それは素晴らしいのか…

 

「パートナー!……あれ?理由になんて…」

 

「ほら、早くゆんゆんのお茶を飲み終えてください。行きますよ」

 

お茶を流し込んで杖を取るめぐみん。爆裂の話になると忙しない…

 

「ちょっとめぐみん理由は?!あと私のお茶を流し込まないで!」

 

朝から仲がいい。ツンデレ同士の友情って面倒だな。

 

「良し、俺は爆裂散歩に行くけど、今日は昨晩の報酬を受け取りに行くから、昼飯はギルドでな?あ、他に行くやつ…」

 

「「「「はい」」」」

 

全員来るじゃん…

 

「私から、めぐみんに吹き飛ばして欲しいものがある」

 

おっとダクネスが珍しい。

 

「そろそろ蛙の時期ですから、凍眠から起こしてしまった蛙を倒すのに…」

 

流石ゆんゆん。出来る子は違う。

 

「アクアとエリスは珍しいな?」

 

頼まれたら行く位だと思ってた。

 

「まぁ、圧巻だし?」

 

「私達のメイン火力ですし?」

 

「なるほど…二人は理解したようですね…」

 

何をだろうか?

 

「私の爆裂魔法に二人の魔力を込める…これこそが!人の持ち得る最強の力であることを!」

 

「流石にそれはもう撃たせねぇからな?」

 

「…ちぇっ」

 

コイツはいつかまた借金を作りそうで怖い…

_________________________

 

以前めぐみんが作ったクレーター。その中に大量のアンデッドが蠢いている。

 

「あのヘアピンを使って、私もカズマのように工作をしてみたんだ!これなら街の人にも危険がないだろ?」

 

「何をしたらこうなるんだよ…」

 

「マナタイトに、アンデッドを寄せるヘアピンをテープで…」

 

「お前…子供の夏休みの宿題でももっとマシなもん作るぞ…」

 

「しかし、何というお膳立て…感謝しますよダクネス!これは街の為にもなりますから、なんの遠慮も要りません!」

 

それは確かにその通りなのだが…。

 

「ダクネスのお陰なのかしら?結構距離を歩いたけど、途中でアンデッドを見てないわね?」

 

「そうか!街のためになったのなら…この20万エリスしたヘアピンも惜しくないな!」

 

そんなにすんのあれ!?強気過ぎるだろ!

 

「ではさっそく!『エクスプロージョン』!!」

 

重々しい爆音…チリとなるモンスター。いや、使い方によるけど、やはり恐ろしくも頼もしい。

 

「はぁ!最高じゃないですか!カズマ、何点ですか?」

 

「ワイバーンでレベルを上げ、範囲と火力を上げたが、先日の恐怖から威力が5%抑えられていたな?80点だ」

 

「うぅ…レベル上げた分をピッタリ抑えたのに分かるんですか…」

 

「当然だろ?めぐみんの全力なら…ほら、あそこに1体うち漏らしが……」

 

クレーターの隅、うつ伏せに倒れているアンデッドが…

 

「ねぇカズマさん…あれ…ウィズじゃない?」

 

「えっ…ウィズだな…」

 

なんでこんな所に…

_________________________

 

「助かりました…本当にもう消えちゃうかと…」

 

とは言うが、ドレインタッチで魔力を分けると案外ケロっとしている。

 

「なんであんな所に?魔道具に誘われるような理性が飛んだアンデッドじゃないだろ?」

 

それとも飛んでたのだろうか…

 

「お金に困って…魔力の反応を追ってきたんです…少しでも売れそうな素材があればと…」

 

「ごめんな…俺がもっと売れる商品を考えていれば…」

 

「ごめんなさい…私の父が変なものばかり作るから…」

 

俺とめぐみんには心が痛む話題だった…

 

「私の商才が無いのが悪いんです……では無くて!お店に帰れないんです!」

 

「え?なんで?!」

 

「アクセルの街が教会レベルの聖なる力に覆われているんです。入口からもう消えちゃいそうなんです…」

 

あぁ、例のやつで…

 

「エリスだよな…街の近辺にアンデッドが居ないのも…」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「いえいえ、私の小さな犠牲で街が守られたんですから…」

 

女神の力だしな。仲間にアンデッドが居ると言う想定はしてないよな…

 

「ウィズさんのお店はエリス教会から離れていますし…多分5日もあれば私の力も抜けると思うんですが…」

 

5日か…割と長いな

 

「あの、ウィズさんの宿泊先の確保も含めて…この機会に行きたいところがあるんですけど…」

 

「ゆんゆんが提案するなんて珍しいわね…裏とか無いわよね?」

 

アクアが疑っているが、ゆんゆんにはそんなの無理だろう…

 

「紅魔の里にお酒の美味しい温泉旅館が出来まして…」

 

ゆんゆんが取り出したのはチラシ、写真がないのでなんとも言えないが、紅魔の族長の娘が持っているのであれば信憑性は高そうだ。

 

「すぐ行きましょう」

 

アクアの変わり身が速すぎる。

 

「私は賛成だ。街のために戦ったウィズをこの場に置いておけないからな!」

 

「ほう、夕食が…行きましょう!」

 

ダクネスはウィズを放ってはおけないだろうし、ゆんゆんの持つチラシを見ては、めぐみんは断れる筈がない。俺もそうだ。

[夕食には霜降り赤蟹が出ます]

 

「温泉もあるようですし、私は大変ありがたいのですが…エリス様はよろしいですか?あの…カズマさんのお財布に頼ることに…」

 

「えぇ、魔王討伐の陰の功労者であるウィズさんには、これくらいの恩返しはあるべきだと思います」

 

と言うことで話は決まった。おや?ゆんゆんのチラシを見るに、こちらの旅館は離れと借り切り家族露天風呂があるようだ。俺達はもはや家族なので、ここで裸の付き合いがあったって何も問題はない。

 

「あ、ところでシルビアとバニルは?」

 

「バニルさんは分かってたみたいで仕入れの旅に…シルビアさんはお店に居ますよ?」

 

「誘うか、仲間だもんな」

 

「…カズマさん、優しいんですね」

 

「紅魔族って、宿敵が仲間になる展開とか好きだろ?」

 

「大好物ですね」

 

うん。紅魔の感性は良いとして、普通に喜んでくれたら良いな。

_________________________

 

「せっかくだけど、私は無理よ」

 

まさか、シルビア側に断られるとは…

 

「この身体は男湯でも女湯でも問題になるし、紅魔の里には迷惑かけたし…それに…」

 

「お姉さん!アイス頂戴!」

 

「はーい、今日も来てくれたのね」

 

「うん!お姉さんに会う為に沢山お手伝いしたんだ!」

 

「偉いわ。ちょっとオマケしておくわね?」

 

ウインクして子供にアイスを渡すシルビアには、もう魔王軍の時の面影は見えなかった。

 

「幸せの形って…沢山あるのね。子供たちが私に笑ってくれる…それが今の私の幸せなの…」

 

「シルビア…」

 

「全員がここを離れたら、寂しがる子達がいるのよ。だから、私の分まで楽しんできて?」

 

「分かった。お土産沢山買ってくるよ」

 

「期待してるわ。あら、花屋の坊や。いらっしゃい」

 

いつか…血の流れない場所で幸せになれたら良いな…俺はお前を応援してるよ。シルビア…

 

「やっぱり…花屋の坊やは別格で美味しそうだわぁ…きゅんきゅんしちゃうわぁ…」

 

はーい撤回しまーす。獣の目でよだれ垂らしてる貴方。それ以上進んだらセナさん呼びまーす。

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「ただいま故郷!来ましたよ赤蟹!」

 

到着と同時にテンションが高いめぐみん。

 

「ようこそ、みなさん!」

 

「おや、族長がお出迎えなんて豪勢ですね?」

 

「娘に会いに来たんじゃ無いのか?」

 

「いえいえ、アクア様が本物の女神と判明し、カズマさんはあの女神エリスと婚姻を結んだとか…」

 

「えぇ、まぁ」

 

「こちらの女性はシスターのようですが…もしや」

 

ほら来た。そりゃ連想するよな。

 

「エリスです。あ、えっと…サトウエリスです。ゆんゆんさんにはお世話になってます」

 

はぁかわいい!でもそこは隠さなくて良いのだろうか?

 

「我が名はひろぽん!アークウィザードにして上級魔法を操るもの!この里の未来を守る紅魔の族長!…しかし本物の女神様…これはこれは」

 

どうしたひろぽんさん?

 

「女神様のお気に入り観光地…女神様の選んだ旅館…これは…」

 

欲が漏れてる…

 

「なるほど、カズマさんの元に女神の嫁入り…ゆんゆんの手紙は確かでしたか…」

 

「むしろ、女神エリスの話題が広まってない方がビックリですけどね…」

 

「あぁ、新聞見ます?そりゃ誰も信じないと思いますよ?」

 

ひろぽんさんの渡した新聞に目をとおす

[英雄カズマの元に女神エリスがまさかの嫁入り?!魔王を倒した報酬か?神々も祝福の為に大量降臨!(アクセル広報 4月1日)]

 

「良く出来たエイプリールフール新聞ですね…」

 

「それが世間の反応ですよ。そもそもアクセル広報は紅魔の里通信くらいの信憑性しかありません」

 

日付け。そして見出しの頭の悪さ。写真が無くて良かった。でも紅魔の里通信と同じなのはどうなのか?

 

「しかし、こちらには女神アクア様…御神体が2人…何というシチュエーション!まさに選ばれし者!あぁ羨ましい!!全紅魔族の憧れみたいなシチュエーション!!」

 

あぁ、中二病を…全然中2じゃないのに…

 

「あの、お義父さん?」

 

「……なんだいカズマくん?」

 

「偉大な女神を2人従えた英雄は貴方の義理の息子で、そして貴方の娘はそんな女神2人がいるパーティーの参謀でありエースです」

 

「なん…だと…私は選ばれし者の…救世の一角を担っていたと言うのか…こんなに…嬉しい事はない…」

 

泣いている…やっぱりやべぇわ紅魔族。

 

「お父さんもう良いでしょ!ちゃんと連れてきたし、エリスさんも本当だったんだから!」

 

「あぁ…ここの支払いは私がする。思い切りお友達と楽しむと良い!」

 

あぁ、そっち側に裏があったんだ…

 

「ところでカズマ。ゆんゆんがエースなら私は何なのですかね?」

 

おや、ちょっと不機嫌だな。しかし、ちゃんと考えているよ。

 

「どんな状況もひっくり返す逆転の1枚…ジョーカー(切り札)だよ」

 

「おぉ!今度からそれも名乗りに入れます!」

 

はい。あほ可愛い。

 

「それ、競技によってはハズレ札ですけどね…」

 

「こら、シーッ!あの娘もそうでしょ!」

 

ゆんゆんは素直。

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「なんと良い部屋でしょう!やはり畳こそ至高です!紅魔の守るべき文化です!」

 

「紅魔の文化なのかは微妙ですが…落ち着く香りですね」

 

やっぱりめぐみんがテンション高い。寝っ転がって畳を叩いている。お前の里が日本文化なのは、あの馬鹿な転生者のせいです。

 

「ほら、荷物を解いたら風呂行って来い…大浴場なら女湯いけよ」

 

「カズマ今なんと?!一緒に混浴に行こうと言うのでは無く?!」

 

気を使ったのにそんな反応なの?

 

「…貸し切りだと狭そうだし…大浴場も行きたいけど…皆の裸を他の奴に見せたくない…」

 

これは言わされると恥ずかしい…おい、誰かなんか言えよ。

 

「えっと…カズマはどうするのですか?」

 

「貸し切りの露天風呂に行くよ。アルカンレティアじゃ大浴場でハンスに遭遇してるし…俺が無防備になると、敵とのエンカウント率高いんだよ…」

 

旅館を心の底から楽しみたいので、今は大人しくする。全てのフラグは絶対にへし折る。

 

「切実ですね…分かりました」

 

と言うことで俺だけ貸し切りの露天風呂に…

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「これが貸し切り露天風呂…ひっろ!寂しい!」

 

貸し切りの癖に予想に反して広い。10人は余裕だろう。

 

「俺とちょむすけで貸し切りだと広いよな…全員こっちで良かったな」

 

「なーう」

 

自分を洗い、その流れでちょむすけも洗う。こいつおとなしいよな…猫なのに…

 

「VIPのお客様、お背中をお流しに参りました」

 

はい、知ってるよ?俺への刺客だけよね?

 

「おいおい、頼んでないぞ?それと…これでも英雄!何も準備してないと思うなよ!」

 

咄嗟に床にシャンプーをぶちまけた。湯気による視界不良、この透明なシャンプーを回避など不可能だろう!

 

「えっ…きゃっ!」

 

かかった!滑って俺の前に姿を見せたのは…

 

「あるえ…」

 

「やぁサトウカズマ…背中を流しに来たよ」

 

やばい…変なのにエンカウントした…スクール水着にバスタオルとか、その格好は嫌いじゃないですよ!

 

「…まさかここで会うとはな。で?…何をしに来たんだ?」

 

「私の原稿を破った責任を取ってもらおうと思ってね!」

 

えぇ…お前はゆんゆんを焚き付けた責任取ってねぇじゃん…

 

「ゆんゆんを娶ったのだろう?しかも、他にも妻が、しかも女神までいると聞いたよ。私に話を聞かせてくれ。それで例の原稿の件はチャラにしよう!」

 

尻餅付いて立てないくせに、なんで口調は自信満々なんだろう?

 

「それでチャラにするとか言ってるけど、ゆんゆんとめぐみんに戦いの最中に原稿書いてたってバラしても良いんだな?」

 

「ふふ、それは勘弁してくれないか…私も友達に嫌われたくないんだ!」

 

おや正直者。

 

「まぁ、妻の友達と険悪なのも嫌だしな…多少は構わないぞ?」

 

「なんだ、話が分かるじゃないか。では、風呂に浸かりながら話をしよう。流石に勿体無いだろう?」

 

いや何しに来たんだお前…

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「つまり、奥さんとその予定の女性が現状で6人も居るのか…これが救世の英雄…」

 

俺はちょむすけを抱きながら風呂に浸かって、あるえと話をしている。しかし胸がすごいな、これが1○才だと?!そして、あるえのスク水に反応しない俺もすごい。珍しく耐えてる。

 

「そのメンバーは全員が救世の英雄だよ」

 

誰か一人でも欠けたら、魔王は倒せていないだろうし、嘘ではない。

 

「ふむふむ、では次の話題だが…夜の生活とかはどうなんだ?」

 

いや、そこ聞くの?せめて恥じらってくれない?

 

「お前、エロ小説家だったっけ?」

 

「あ、いや…純粋な興味だ…私も年頃だからな…取り合いにはならないのかい?」

 

その口調で年頃とか言われても…

 

「さぁ?譲り合いもするし、寂しいときは勝手に潜り込んでくるぞ?割と女性陣の仲が良いから、あんまり心配してない」

 

「なるほど…多妻でもそんなケースがあるのか…ゆんゆんとめぐみんが幸せそうで良かったよ」

 

あるえは割と満足そうだ。

 

「逆にカズマさんから質問はないかな?」

 

「じゃあ、なんでいきなり温泉なんて作ったんだ?ここら辺荒野だったろ?」

 

「あぁ、ここは邪神か何かの封印の地だったんだ。大量の魔力が満ちていて、魔法使いには心地いいんだよ。ついでに、ちょうど真下に温泉もあったから、憩いの場にして盛り上げようと考えたんだ」

 

「なう?」

 

あぁ、ザル封印の跡地なんだ…ちょむすけも呆れているのだろうか。

 

「お前ら、封印とか辞めてぶっ壊す方が向いてるよ絶対…」

 

「封印はロマンだろう?しかし、やはり魔力も無限とは行かないな…薄まったかな?」

 

「俺には分からないけど、ちょむすけが凄く幸せそうだから、いい温泉なんだとは思うぞ。こいつは無駄に温泉にこだわりがあるんだ」

 

「なーう」

 

はい可愛い。癒されるわ。

 

「なぁ…私も撫でて良いか?」

 

「おう、良いぞ。優しくな?」

 

「ふーっ!」

 

あれ?怒った。

 

「すまん。警戒してるらしい」

 

「いや大丈夫だよ。ごめんよ、ちょむすけ…くん?」

 

「メスだぞ」

 

「ごめんよ、ちょむすけちゃん」

 

少し寂しそうな顔のあるえ。変な口調だけど、中身はちゃんと女の子だな。

 

「じゃあ、俺は先にあがるけど…」

 

「あぁ、では私もあがろう。一応背中を流すからってタダ風呂してるんだ。客が居ないのに浸かるわけにはいかないよ」

 

こいつは本当に図太いな。流してもらってないけど?

 

「何日か滞在するのだろう?また話を聞かせてはくれないか?」

 

「おう、その時は事前に連絡してくれよ?」

 

「わかっているさ。不意打ちには強い男のようだ…から…」

 

自然な流れで脱衣所で浴衣に着替える。あるえさん?なんで見てるの?

 

「おい…なんで凝視してるんだよ…」

 

「あっ…すまない…その、私の目の前でタオルを外すから…彼女らはそんなモノで貫かれたのか…」

 

「普通は女のほうが距離を取るだろ…あと、あんまり凝視すると普通なら痴女で訴えるからな?」

 

まぁ、俺は訴えないけど…だから俺も許して。

 

「すまなかったよ…次からは気を付ける」

 

等と気まずい顔したあるえ、今度は自分がお留守になっていることに気付いていない。

 

「あ、あるえさん?!見えてますけど…」

 

「…ふっ…見られて恥かしいような身体はしていないつもりさ」

 

男前過ぎる!…いや、これは…

 

「はいはい、格好いい格好いい。それ、耳まで赤くして言う言葉じゃないからな?」

 

強がりながら変なポーズで胸を隠してるあるえにタオルをかけてやる。

 

「…ありがとう。意外と紳士だったんだね」

 

「意外とは余計だ。一応、年上の余裕って事にしておいてくれよ」

 

しかし、ダメージ無しで女性の裸を見るなんて、やはり今の俺は幸運が光っているな。

________________________

 

「風呂に行かなかったのか?」

 

部屋に戻ると、全員が普段着で部屋にいた。

 

「えぇ、エリスが抜け駆けして貸切風呂の方に向かったので…阻止してました!」

 

「めぐみんさんも同じ方に来てたから見つかったんですよね?」

 

「私もお礼にお背中を流そうとしたんですが…アクア様に止められて…」

 

「で、話し合いで決まらずここにいるのよ…」

 

お前ら全員が邪魔し合ってたの?普通に風呂いけよ。

 

「貸し切り、凄い広かったし…皆で行ったら?」

 

「そうですね…もう諦めて行きましょうか…」

 

「はぁ、カズマさんと入りたかったな…」

 

良かった。あるえを見られて勘違いされなくて済んだ。やっぱりアクアが居ないと俺は運がいいらしい。

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「霜降り赤ガニですよ!カズマ!」

 

「そうだな。落ち着けめぐみん…」

 

夕食時、テンション高すぎる奴が居ると他が落ち着く現象により、俺は冷静だった。

 

「エリス…信者に垂れ流しちゃ駄目だからね?」

 

「そんなに美味しいんですか?魔法陣を書いておきます…」

 

「エリスが垂れ流したら…俺の家に届くのかな?」

 

それは有りかも。

 

「カズマさんとエリスさんの結婚がネタだと思われているので無理ですよ。アクセルの街でお目にかかることもありませんし…ただ贅沢な女神として印象が悪くなるだけだと思います」

 

流石はゆんゆん、冷静だ…

 

「いいんでしょうか…私なんかが…」

 

「ウィズが居なければ俺はここまで来れなかったんだ。お礼だと思って遠慮しないでくれよ」

 

「カズマさん…ありがとうございます」

 

なんて良識があるんだ。払うのはゆんゆんのお父さんですけど…

 

「やぁ、お酌に来たよ」

 

ここにも来るんだね…あるえ。

 

「あるえ?どうしたんです、アルバイトですか?」

 

「そんなところさ。それにしても美味しそうだよね…賄いに出れば良いのになぁ」

 

めぐみんは蟹を隠す。あげるつもりは無いらしい。

 

「なら、あるえ…はい」

 

取り分けた蟹をあるえに差し出すゆんゆん。良いのか?むしろ残した量より多くないか?

 

「いいのかいゆんゆん?」

 

「ふふふ、お友達じゃない」

 

こいつらは結構仲良しだよな。あるえは俺にゆんゆんを勧めていたし…

 

「うん…美味しい。じゃあ、ゆんゆんにもこれを」

 

渡したのは透明な酒の瓶。あれ?そう言うのは別料金なのでは?

 

「良いの?これ、いいお酒だよね?」

 

「ねりまきの所の一番良いやつだよ。友達なんだ遠慮するな…払うのはカズマさんだし…」

 

ここの支払いはゆんゆんのお父さんです。

 

「カズマさん、私の仕事だ。呑んでくれ!ついでに蟹もくれ!」

 

「マジで図太いなお前…俺の周りって図太い女多すぎだろ…」

 

慣れつつあるけど…

 

「ねぇカズマさん、火をちょうだい」

 

甲羅酒をやるのか、じゃあ…

 

「待ち給え!私があげよう…『インフェルノ』!」

 

「ばか!そんなの!」

 

アクアが火だるまになるかと思ったが、放出された炎はアクアの差し出した七輪に留まる。更に言えば、着火剤は燃やしていない。インフェルノはその場で小さく燃え続けている。

 

「上級魔法を、精密に扱えるのが真のアークウィザードだよ」

 

「お前…超かっこいいじゃん…」

 

素直に凄い。

 

「ふふふ、カズマさん褒められるとは光栄だね」

 

「ねぇ?アルコール飛んじゃうんですけど?火力下げてよ」

 

「えっと、これで良いかな?」

 

「弱すぎよ。全く…素直に着火剤使いなさいよね…」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

酒飲みの前ではアークウィザードもその価値が下がるらしい。あるえがしょぼーんとしてる。

 

「あるえは凄かったよ…うん」

 

「慰めてくれるのは嬉しいんだけどね?頭を撫でられるほど子供では…」

 

しまった癖が出た。

 

「ごめん!髪が乱れるもんな?」

 

「…あっ」

 

なぜ離すと寂しそうな顔をするのか…

 

「見たエリス?また増えるわよ?」

 

「カズマさんはそんな節操なしじゃないです!…多分」

 

おい、なんで頭を撫でたらそうなるんだ?!

 

「あぁ、なるほど。安心して欲しい。私はカズマさんを愛しては居ないよ。嫌いでは無いけど、ゆんゆんとめぐみんの方が大切だからね?割って入ろうとはしないさ」

 

「あるえ…私のこと、ずっと応援してくれてたもんね…」

 

なんだ。ゆんゆんにもちゃんと友達がいるじゃないか。

 

「ねぇねぇカズマさん、撫でるなら…ね?」

 

「お、おう…」

 

エリスが甘えてくるので頭を撫でる。可愛らしいけど大胆になったな。あ、甲羅酒飲んで酔ってるのか?

 

「蟹は美味しいですし、お風呂も素敵でした。紅魔の里は素晴らしい所ですね…」

 

「ありがとうございます。エリス様のその言葉が、私達の財布を潤します!」

 

「お前は、少しくらい濁せよ…」

 

ちゃっかり何かにエリスの言葉を書いている。

 

「しかし、女神に闇の者、紅魔族に権力者…そこに入り込める人間なんて居ないだろう?心配は不要だと思うのだけど?」

 

「やめてよ!カズマさんは私が居るのにエリスに手を出したのよ?そんなのフラグじゃない!」

 

「ちょっと!先輩はそんな関係じゃなかったですよね?!」

 

「そもそもメインヒロインは、シルビアの頃に私でした!」

 

「その前に私が…あるえのせいで赤ちゃん作りかけたもん!」

 

「待て!それならサキュバスの時に私が抱かれていた可能性もあっただろう?!」

 

「おっと!これは楽しい話が聞けそうだ!」

 

あるえと言う燃料を放り込まれたうちのパーティーは、アルコールの力も相まってそれはもう、しょうもなく騒いだ。

_________________________

 

敷かれた布団と、並んで眠る仲間達。

 

「はぁ、まだ夜中なのに…目が冴えたな…」

 

そう、全員が湯上がりほろ酔い。周りからいい匂いがするのだ。これはムラムラしない男子など居ない!

 

「あれ、ウィズが居ない?」

 

夜風呂だろうか?むふ、俺も風呂に行こう。星空を見ながら入るのも一興である。別にウィズの裸が目的ではない。別にそろそろ手を出しても嫌われない所には来てるよね?なんて期待も別に持っていない。…あ、居た。

 

「よぉウィズ、隣いいかな?」

 

「どうぞ。カズマさんも眠れないのですか?」

 

「まぁな…ちょっとドキドキして…」

 

ここでかっこつける事はしない。素直な会話こそ、二人の関係発展に大切なのだ。

 

「あんなに可愛い女の子に囲まれた生活して、まだドキドキするんですね」

 

「そりゃ、そうだろ。今だってドキドキしてるよ?」

 

「えぇ?!私と、この子しか居ませんのに…」

 

おっと、ちょむすけ。ウィズの胸を隠しているのか?お前は俺を裏切るのか?!

 

「ウィズはスタイル良くて美人なんだ、ドキドキしない訳ないだろ?」

 

「…酔ってますか?」

 

満更でもない顔でこちらをチラチラ見ているウィズ。大人の女性なのに可愛らしく守りたくなる。いや、俺が守る必要なんて無いんだけどね?めっちゃ強いし

 

「前にその気になった時な…シルビアが来なかったらマジで手を引いて宿に連れ込みそうになったんだぞ?理性が働いて良かったよ…」

 

「…それは…良くないですよ…」

 

落ち着け。意味を考えろ!手を出して失敗したら、ウィズはきっと心に傷を負ってしまう。繊細なんだこの娘は…でも!「抱いて」以外の変換式が浮かばない!

 

「えっと…良いのか…俺、多分止まれないよ?」

 

「………」コクッ

 

顔を伏せては居るが、間違いなく頷いた…

 

「じゃあ、吸わせてもらうよ?」

 

「え、あの…」

 

昔のお返しだ。あの時に俺から迫っていたら、俺は責任取って商人になっていたかも知れない。本当にボタン1つの掛け違いで、俺はここまで来た。

 

「…ぁ」

 

頬に手を当てると、ウィズは目を閉じる。アンデッドの筈なのに、なんでこんなに良い匂いがするのか…

 

「んっ」

 

ウィズの唇はとても柔らかい…そして少しだけ冷たい。体温が低いリッチーの特色なのか、俺が興奮により火照ってるだけなのか…

 

「はふぅ…」

 

「おっと!大丈夫か?」

 

倒れ込んで来たので咄嗟に肩を抱く。

 

「はい…のぼせちゃいました。責任、取ってください」

 

完全に誘われている…なんだよこの色気…あと、ちょむすけちょっとずれて?見えないから!

 

「…きゅー」

 

おっと…本当にのぼせていたようです。




いつもお付き合い頂きありがとうございます。

相変わらずの不定期更新ですが、今後ともお暇な時にお付き合い頂ければと思います。

次ですが、ご期待にお答えします!
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