ウォルバクがカズマ好き過ぎない?って事で、そんな感じでネタ回を…
「こんなオチですか…」
「お前の一族だからな?考えたの…いや、あの馬鹿な日本人か…」
結局、イイコトしないと開かない部屋は開いていなかった。しかし、ゆんゆんが枯れかけた花の花瓶の水を交換したら開いた。本当に何がしたかったのか分からない…
「あら?こう言う場合、足りないのか?って色々しちゃって、発展しちゃうのがいつもの流れなのに…カズマさんってば意外と冷静ね?」
開いた扉に真っ先に駆けつけたのはゆいゆいさんだった。手にはスケスケのネグリジェを持っている。
「おい、その両手に持っている物について詳しく聞こうか…」
「めぐみん用のだけど?」
おいコラ!娘になに持ってきてんだ!
「…カズマ、私の母にスティールを」
「気持ちは分かるけど…人前では止めよう。俺のイメージというモノがある」
結局、こんなオチで最終日の昼になってしまった。やっぱりこの里は駄目だ。色んな意味で…
「カズマさん、そろそろ帰りましょう。旅費無料は今日までなんだし、我が家でのんびり夕食が食べたい気分だわ」
アクアはそう言うが、その場合作るのは俺ではないのか?
「そうですね…多分例のアンデッドの一件で飲食店はまだ大賑わいでしょうし、その方が良いかも知れません。私も、お店が心配ですし…」
ウィズの言う理由なら納得だ。少しだけ名残惜しいが、アクセルの街へ急ぐとしよう。
「ひろぽんさん、お世話になりました。また来ますね!」
「勿論大歓迎さ!カズマ君とエリス様とウォルバク様には、年間フリーパスも送りますので!宣伝の為にも是非また!」
「すみません。私はカズマさんのパーティー所属なので…個人行動は…」
エリスのこの顔は…多分ノリに疲れたのだろうな…
「私は温泉がタダならまた来るわ!」
ウォルバク。コイツは安定してブレない…
_______________________
「ただまー!」
「おかりー」
アクアの馬鹿な挨拶に一応返しておく。ダクネスは不在中の出来事を確認するために実家に、ウィズは店に帰っていった。ダクネスはこの街の為によく働くよな…
「お、お邪魔します…」
あるえはまるで借りてきた猫のようだ。
「ただいまで良いんだよ。ほら、部屋の用意をしてきな。ゆんゆんとめぐみんが手伝うってからさ」
「いや、こんな豪邸だとは思わないじゃないか…ゆんゆん、めぐみん、お願いするよ」
「任せて!あるえは私の部屋の隣ね!」
「ゆんゆん、はしゃぐのも良いですが、転びますよ?」
まぁ、こいつらは楽しそうだから良いや。ちなみに借家ですけどね?
「ウォルバクはめぐみんの隣で良いよな?」
「えぇ、改めてよろしくね」
「怠惰の女神だからってサボるんじゃないわよ?ちゃんとパーティーの一員として働きなさい?」
「アクア先輩がそれ言うんですか…」
「それはもう!一番の先輩女神だもの!」
うん。これはウザいわ。
「個人的にはあんたは嫌いなのだけど、怠惰の女神としてはすごく魅力を感じるのよね…具体的には、仕事の説明責任を果たさずにポテチを食べているような…そんな怠惰の匂いがするのよ」
「な?!」
あ、固まった。完璧に図星だったな。
「怠惰の女神スゲーな…これが女神の力か、アークウィザードで戦闘出来て、美人でスタイル良くて嘘まで見抜けんの?え?アクアより女神じゃん!」
でも、俺のは見ないで欲しい。
「ふふ、そんな私がカズマの為に頑張るんだから…貴方は果報者よ?」
おっと、赤面してその色っぽい笑顔は辞めろ。俺が墜ちる。
「なんでよー!私はちゃんと御神体なの!マジものの女神なのー!」
「アンデッドの時にたまに役立つ信者がヤバい奴だけの駄女神と、戦闘のエキスパート邪女神か…比較する意味ある?」
「カズマさんの馬鹿ぁ!邪神と一緒に天罰当ててやるぅ!シャワーのお湯を突然水にしてやるぅ!」
うん、いっそウォルバクが特典でも良かった。戦闘能力の面では尚の事…
「こ、幸運の女神も凄いですからね!賭け事で負け無しですし、カズマさんを幸せに導きます!だから…あまりそっちばかり見ないでください…」
こっちでも謎の対抗心を燃やしてる…なにこれ可愛い。こんなに可愛い娘が嫁なら、別に幸運じゃなくても良い。いるだけで幸運だもん。
「え、エリスは…別枠って言うか…やっぱり特別って言うか…ずっと憧れてたし…」
「えっと…そ、それなら、私も…カズマさんのこと…」
あぁ、この青春感!俺に足りなかったものがここにはある!
「ねぇ、私達は…一体何を見せつけられているの?」
「これはね…エリスがカズマに好きって言われたい時や、他の娘にヤキモチを焼いた時に発生するイベントよ。すぐ慣れるわ…週5くらいで発生するから…」
マジで?そんなにやってる?しかも数えられてんの?!
「意外とエリスって甘え上手なのね…カズマが甘やかし上手なのかしら?」
「知らないわよ…私はなったこと無いし」
「それはアンタの問題じゃ……」
うん。多分そう。
「よし、夕飯作るか…」
エリスの可愛いを補給したし
「手伝います」
最近のエリスは花嫁修業中、もう嫁だけど
「私も手伝うわ。たいしたことは出来ないけど…」
さて、エリスは冒険者の経験もあり普通にできたが、この邪神は料理なんて出来るのだろうか…
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俺は今、心から感動している。さっきの評価を謝罪したい。
『ウインドカッター』
風魔法で魚を3枚に卸し、
『フリーズ』
魚の内臓や頭は凍らせて外す。生ゴミが匂わない知恵だろうか?
『アイシクル・ランス』
小さな氷の槍が肉の筋を切り
『ライトオブセイバー』
光の剣で肉を卸す。え?魔力を抑えるとそこまで小さくなんのそれ!
「これだよ!」
「え?!な、なにが?!」
「俺の求めていた魔法使い!日常に溢れる魔法!憧れのファンタジー!」
魔法使いに転職したい!
「あの、今のカズマさんの魔力では魚を一匹卸して終わりますよ…」
「え?そんな感じ?」
「常軌を逸する魔力量と緻密なコントロール、そして効率的魔力運用…その領域に行くより先に、王族お抱えのシェフになれます…」
「マジかよ…」
夢は儚い……
「過程はどうだっていいのよ。私としては、邪神の手元に塩しか無いのがすごく気になるんですけど…まさか全部塩味なの?」
「あれは下味用だろ?そう言う細やかな配慮が…」
おい、なんで目を逸した!?顔真っ赤だぞ?!
「…刺激物は駄目って…カズマが言うから…」
「猫かよ…」
思いの外ポンコツな邪神に変わり、結局味付けは俺がした。
「うぅ…私だって魚介出汁は使えるもん…」
調理の基本はちょむすけの餌を用意している俺が基準となっています…まぁ、そのうち覚えるだろ…
_________________________
帰ってきたダクネスと、新たにあるえとウォルバクが加わり、うちの食卓は一層賑やかになった。のだが……
ジー
今は全員が無言だ。
「な、なによ皆?私も箸くらい使えるわよ!」
違うそこじゃない。ウォルバクがみそ汁のお椀を持った所で全員が息を飲む。
「…熱っ!」
「「「「「あぁやっぱり」」」」」
期待通りの猫舌に、ほっこりする食卓と赤面するウォルバク。
「うぅ、ちゃんとフーフーしたのに…」
なにそれ可愛い。
「ぷぷっ、まだ猫気分なの?味噌汁程度に…あっつぅ!」
あ、あれはただの馬鹿な女神です。
______________________
うちの風呂はアクアが掘り当てた天然温泉なので、入ろうと思えば何時でも入れる。ただ、かけ流しだと熱すぎるので、基本的には全部入れ替えて、溜めておく。俺はちょむすけを入れるので最後だ。
「つまり!最初だと熱めね!」
と言ってウォルバクは一番風呂に向かった。
「私も熱めが好みだな」
「ふふ、私もさ」
そして、あるえとダクネス。後の皆は思い思いの時間に…
「なぁエリス…ウォルバク出てきた?」
もう、かなり遅い時間だが…
「あぁ、お風呂に住むとか言い始めたので待たないで入った方が良いかも知れません…」
住む?!
…………………………
「…やっぱり見たいの?」
ウォルバクは足し湯までしてエンジョイしていた。だから俺は仕方なく見つめている。
「何時までも入っている邪神が、いい加減風呂から出るように促してるところだ」
「そ、その割に目がいやらしいと言うか…」
恥ずかしがらせて風呂から邪神を出す仕事、日給500エリス。駄目だ人が殺到する。むしろ金を払うべきだもん。
「まぁ良いか…自宅の風呂だし好きに入れよ。俺はちょむすけを洗ってくる」
「えぇ、自宅に温泉なんて夢みたいだもの」
ちょむすけを洗う。ウォルバクと分離した後も風呂は好きらしい。本当に楽で良い。
「なーう♪」
「うん、キレイになったな…どうしたウォルバク?」
「…折角なのだし…貴方に洗って欲しくて…」
「え…その…身体を?…いいんですか?!」ワキワキ
「か、髪よ髪!」
「お、おう…だよな…ん?」
それでも割と恥ずかしいような…まぁ、でもそのキレイな髪には興味がある。
「猫とは勝手が違うから、下手でも怒るなよ?」
「…うん、ありがとう」
ワシャワシャ
あ、意外と楽しい。髪の毛サラサラだ!ところで、耳が少し上を向いているんだけど…まさかそういう構造なの?
「私、貴方とのお風呂が好きだったのよ?」
「それは光栄だ。あ、アルカンレティアの時も含んでいいのか?」
「もう、調子に乗らないの…ちょむすけの時の話に決まってるでしょ?人の裸をジロジロ見て…」
ですよねー
「痒いところありませんかー?」
「痒くはないけど…右耳の上…あぁ気持ち良い…」
あ!耳が上下にピコピコ動いてる!可愛いコレ!
「ほら、流すから寄り掛かって上向いて?」
「こう?」
目の上にタオルをかけて、顔の方にお湯がいかないように髪を流す。人の髪を洗うのなんて床屋のイメージしかないので、こんな感じに落ち着いた。
「へぇ、気が利くのね?」
「いや、人の受け売りだよ」
こっちを向くウォルバク…でかい!くっ!でも性欲のままになんて紳士のする事ではない!流石に手当り次第とは思われるわけにはいかない!
「あと、やっぱり隠せ!俺がこまるから!」
と言ってタオルを渡す。
「ご、ごめんなさい!猫の感覚が残ってたみたい…」
危ない!これは本当に危ない!とりあえず浴槽に浸かって落ち着こう。
「あと、二人っきりだから言うけどな…恩を感じるのはまぁ有り難く受け取るけど、それで身体を許すのは違うと思うぞ…我慢できなかった俺が言うのもなんだけど…」
やっぱり後悔するような理由で関係は持つべきじゃない。なんて思っていたらウォルバクが俺の身体に密着してきた。
「…私だって女なんだから…義理だけで許す訳ないでしょ…」
「えっ…じゃあ、あの夜の事は?!」
「…察しなさいよ」
混乱する俺に身を寄せて来た!やばい!責めの時のコイツはヤバい!
「私を本気にさせたのは、カズマでしょ?」
「えっと、その…ごめん。お前の気持ちを疑った!」
「もう良いわよ別に…そりゃカズマからみたら急展開だもんね…」
「まぁ…ちょむすけの時のことは俺にはなんとも…」
少しくらい悪いとは思うけど…
「そうね…少し身体を起こして?」
「お、おう…これでいい?」
「それで目を閉じて?」
「はい」
さて?これで何が分かると…んっ!
「お前!今…キス…」
「私がちょむすけの時に感じてた感覚…そんな感じだから…」
「え?」
ウォルバクの顔は真っ赤で、それが嘘ではないと物語っている。
「ごめん!本当にそんな気はなくて…いや、それはそれで最低なんだけど…」
「もう良いから…本当に悪いと思っているなら…ちゃんと愛して…」
「…分かったよ。お前のことも大切にする」
まぁ、これしかないだろう。手を出してしまったのだし、元魔王軍の幹部を放り出すわけにもいかないし…
「ん…ありがとう…」
……このムードはまずい!お風呂で始めかねない!そして声が響いて皆が突撃してくるに違いない!
「ちょっと温めのシャワーで落ち着こう…ほら、その場のノリでするのは違うだろ?」
「そ、そうね!お風呂は流石にね?」
おい、それだとお風呂上がりにしちゃう流れじゃないか?ほら、赤面してプルプルしてんじゃん?!耳が下向いてるじゃん?!
「あ、汗はちゃんと流すから!」
「まて!それ俺に報告するな!あとの展開で退けなく……」
そこでウォルバクがシャワーを出すと…
「「水っ!!」」
二人揃ってアクアの天罰が当たった。
「「あいつはぁ!!」」
でも、いやらしい雰囲気消えました!
_____________________
「流石に誰も来ないよな…」
旅行帰りで今日は皆のんびり寝る気分なのだろう…しかし!俺はウォルバクのせいで眠れそうにない。
「いや、本当に最低じゃん俺…猫とはいえ毎晩あんなエロいキスしてたの?そりゃドキドキするわ…俺だったら出会って直ぐ告白してベッド行こうとするわ!…結果行くのは牢屋だろうけど…」
キィ
ドアが少しだけ開いた。ちょむすけが入ってきたらしい。
「遅かったな…ほら、早く入ってこいよ?」
キシッ
少しだけベッドが軋み…軋むか?猫一匹で?
「か、カズマもその気だったの?」
後ろから聞こえるウォルバクの声…
「…その気って言うのは…」
「私と寝る気…だったのよね?早く入ってこいって…」
ごめん!完全にちょむすけに言いました!しかし、俺も紳士!俺を頼ってきた女性を追い返したりしない!
「こ、心細いかなって思ったんだよ…ほら、ずっと俺と寝てたろ?」
「うん…私は、意識を無くすのが怖いから…」
あぁ、そうか。一度消えているんだもんな…
「そう言う理由なら…ほら…」
振り返り、ウォルバクの頭を胸に抱く。
「これなら、少しは怖くないか?」
「ん、これなら、消えても惜しくない…」
「辞めろ縁起でもない…」
しかし、安心はしたらしい。ウォルバクの表情は柔らかい。まぁそんなことより…
「あの…ウォルバクさん?ところで、服は?」
「…肌触りがちょっと…誰かに見られる訳でもないし…」
俺に見られるのは良いのだろうか…
「ここに来た時どうやって来たんだよ…裸だとしたら明日の朝が俺の命日になりかねないんだけど…」
「魔力の服をまとって?」
纏っておけ!そのまま纏っておけ!
「あぁ、ちょっと待て…これならどうだ?」
流石に裸はまずい。主に俺の理性が不味い。ダクネスの家で使用人をした時にそのまま貰ったYシャツを取り出す。少し大きめだったので、ウォルバクでも着られるだろうし、少なくとも質は良い。
「あぁ、これは肌が気にならないわね…」
着替え中、俺はちゃんと目を伏せたよ?でもさ
「エッッッロ!」
「えぇ!ちゃんと着たのに?!」
入り切らない胸!隠れるはずもない太もも!着エロが過ぎる!
「いい加減にしろ!やっぱりこっちだ!このジャージに着替えろ!」
「もう…私は悪くないじゃない…」
俺は後ろを向き、ウォルバクを着替えさせる。生着替えなんて見てみろ?そのまま倒れ込めばここはベッドだぞ?!
「これでどう?」
「うん…エロい!」
ジャージだよ?胸がパンパンでウエストから脚までのラインが際立つってどんだけ凄い身体してんの?体型を隠すと言う教育の現場における大切な事を忘れてしまうだろ!
「この服…カズマの匂いがする…」
「嬉しそうにすんな!色々困る!」
そして中身もエロい…
「ん…でも、アクアとエリスの匂いが邪魔だわ…あと、少しだけめぐみんの匂いもする…」
「マジかよ…」
猫の嗅覚かな…あいつら勝手に持ち出してんの?
「そ、それ着てたら…一人で眠れたりするか?」
「…ここが良いわ」
うん。こいつが寝たら俺はリビングに行こう。なんでって?手を出せば俺が性獣扱いされるからだよ!
_______________________
「クエストに行きますよ!」
朝から響くめぐみんの声…
「俺はとても眠いんだ…朝から大声はやめようぜ?」
「…誰とですか?誰とイイコトしてたんですか?!」
寝不足の俺は気遣ってもらえない…まさかウォルバクが抱き着いてくるとは思わないだろ?いい匂いに包まれながら、安心した寝顔が目の前にあるんだぞ?どうしようもねぇよ!
「カズマは私の今後について考えていて寝不足なのよ…あ、私は寝たけど」
ありがとうウォルバク…お前は出来るやつだ。
「カズマ…疑ってすみません。反対するもの、邪魔する者は爆裂すれば良いとしか考えてませんでした…」
「おいやめろ。なんで一番物騒な方法が第1候補に出るんだよ!」
こいつは、マジでやりそうで恐ろしい。
「あんた、カズマさんに任せないで自分で考えなさいよ…せめて一緒に考えようとは思わないのかしら…」
「おいアクア…それお前だけは言っちゃ駄目な奴だぞ?」
「……てへ♪」
あ、腹立つ。
「悩みならば私に相談してください。これでも女神ですので…」
「当面の目標として、カズマの妻に加わりたいんだけどどうしたらいい?」
「諦めてください」
「えぇ…」
即答だよ…女神達の溝は思ったより深い。俺のせいですけど…
「師匠の強さを知れば、カズマとエリスの考えも変わりますよ!さぁ、クエストに行きましょう!」
「めぐみんさんは増えても良いんですか?!」
「師匠は良いです。元魔王軍幹部でも、英雄の女ならば国もギルドも手出し出来ないでしょうし、カズマが悪知恵全開で守ってくれますからね!」
つまり俺に丸投げらしいです。
「し、仕方ないわね!弟子に良いところ見せてあげるわ!」
と、言う事でギルドに行くことになりました…まぁあるえの力も見たいし丁度いいか…
_____________________
「また美女が増えたんですか…しかも紅魔族と…エルフの方…」
受付しに来て一声がそれですか?
「えっと、めぐみんの師匠と友達です…」
「あぁ、なるほど…疑ってすみません…」
セーフ!嘘はついてない!
「…え?あのめぐみんさんの師匠と言うことは…爆裂魔法は…」
「えぇ、撃てるわよ?」
「こちらの誓約書にサインをお願いします!いい加減、めぐみんさんもです!書かないなら仕事の斡旋はしません!」
なんだろう?『爆裂魔法はそれしか手段のない時にしか撃ちません。無意味に撃ちません。』…あぁ、なるほど…過去に色々あったもんな…
「いいわよ?ほら、めぐみんも」
「うぅ、今まで避けてきたのに…これ破るとクエストを紹介して貰えなくなるんですよ…結局同じ結末になるのでは?」
「爆裂しか撃てないのだから、他の手段なんて無いじゃない?」
「あぁ!なるほど!」
この師匠は余計な事しか教えない…
「うぅ…カズマさん、本当にお願いしますよ?」
「まぁ、爆裂魔法が必要な危険なクエストをメインに受けますから…」
「お願いします…あの、実はブルータルアリゲーター殲滅とかあるんですが…ついでに湖の浄化もして貰えると…」
「わかりました…このメンバーなら多分大丈夫です」
「え?!カズマさん!ワニは嫌よぉー!」
「先輩…水の女神の使命です…諦めましょう」
と言うことで、アクアの傷口に塩を塗るクエストを受けることになりました。
______________________
「うぅ、カズマさん…本当に良いのよね?ワニが全滅するまで私はカズマさんの側に居て良いのよね?」
「何度目の確認だよ…それで良い。今回はこのメンバーの活躍を見るんだからな!」
前衛なし、紅魔の魔法使い3人とウォルバク。期待しているのは魔法と戦術に長けたウォルバクの活躍だ。
「少し遠いが、檻がないので楽といえば楽だな。私が出るのは魔法部隊が崩れた時だから、ほとんどこの物資運搬がメインの仕事だろう」
「うぅ、檻が無いのが不安に感じる…」
ダクネスとアクアは今回あまり仕事は無い予定だ。
「今日はこっちなの?」
「おう、クリスの速度なら、打ち漏らしがあっても間に合うよな?」
「任せて!久々のクリスの仕事だからね!」
保険として最速の前衛を用意した。もはや負けるビジョンは見えない。
「陸に上がれば奴らの動きは遅くなるから、アクアの仕事はフォルスファイアで敵を集め、終わってからの浄化だ。いいよな?」
「うん…それ以外は、カズマさんの近くに居ても良い?」
「お、おう」
トラウマが重い。
「少し遠いが、ここら辺にキャンプを張ろう。アークウィザードの火力に巻き込まれる心配があるからな」
ダクネスの提案で、少し遠くにキャンプを張る。さぁ、戦闘開始だ!
「頼むぜウォルバク!お前にかかってる!」
ウォルバクは何も言わないが、胸の前で手を組み…
『フォルスファイア』
それを行けると捉えたアクアが魔法を撃った…そう、ウォルバクの手がTを作っているのに…
「馬鹿!ウォルバクの手はタイムだろ!」
「えぇ?!何よそれ!知らないわよ!」
アクアの魔法はすごい効果だ。ブルータルアリゲータが既にこっちに向かってきている。
「ゆんゆん!あるえ!頼む!ウォルバクどうした?!」
「沢山歩いて…吐きそう…」
えぇ…体力ねぇ…
「灼熱の炎よ、荒れ狂え!『インフェルノ』」
あるえの炎は確実にワニを焼いている。
『ライトオブセイバー』
ゆんゆんも抜群の安定感だが……
「多すぎる!この数は不味い!」
二人では流石に押し留められそうにない。
「やれやれ…ゆんゆんのライトオブセイバーは射程に難あり、あるえのインフェルノでは倒すのに少し時間がかかる…この数相手では射程と火力を併せ持つ私こそが最強だと知りなさい!」
「待って…ここでそれは…うぷっ」
「『ヒール』どうだ?ウォルバク、喋れるか?」
体力もないし、回復能力も低いな。
「めぐみんを止めないと…大変な事に…」
マジかよ!それは無理矢理でも絞り出して欲しかった!
「水の世界の支配者よ!その世界さえ破壊する真の破壊者を思い知れ!轟け!破壊の具現!『エクスプロージョン』」
撃ち込まれた爆裂魔法は、湖に叩き込まれ…
「おい!こっちに津波が来てるぞ!!」
災害を巻き起こした。
「ワニも一緒に流されて来てるよ!?」
あるえとゆんゆんは咄嗟に距離を取る。そして、俺とクリスがめぐみんに駆け寄る。しかし、相手は津波、しかもめぐみんの爆裂の余波。あまりにも水の速度が早い!
「くそぉ!間に合わない!」
俺の頭上には、既に汚染された水と、こちらを睨むワニが…
『カースド・ライトニング』
ウォルバクの放った電気属性の魔法。それではこの水が俺たちまで来たら感電する。一瞬だけそんな考えが頭を過る。しかし…
「あれ?!水が来ないね?」
めぐみんを抱き起こしたクリスが辺りを見渡すが、付近の水が消失した。
「まだよ!そのまま伏せてて!」
駆け寄るウォルバク。そのまま倒れ込むように
「『クリエイト・ゴーレム』私達を爆発から守りなさい!」
ゴーレムで俺たちを覆った。
「あるえちゃん!付近に残ったワニを焼いて!」
「承知した!『インフェルノ』」
あるえのインフェルノがこちらに迫ると…
ズン!
爆発。インフェルノは火炎系、本来なら爆発はしない筈だが…
「あぁ、理科でやったな…水素と酸素か…」
つまり、ウォルバクの電気はあの量の水を瞬時に分解したことになる。ヤバイ。マジもののチートだ!
「原理は詳しくないけど…水に電撃魔法を撃つと、爆発する空気が出来上がるの。ほら、次が来る前に逃げるわよ」
と俺の背中に乗るウォルバク…もう走れないらしい。
「あぁ、明日は筋肉痛だわ…」
コイツ、さっきまでの格好良さがぶち壊しだ。それにしても、背中への柔らかさがけしからん!
「ダクネス!二人を庇え!クリスはワニなら狩れるか?」
「任せろ!いってくりゅ!」
あ、変態モードだ。
「任せて!」
クリスは本当に安定して…
カキーン
「うん!アタシの腕力だと鱗が貫けない!」
残念!そう簡単に行かないのが俺たちのパーティー!
「でも、間違いない安定火力が二人いる!それなら俺の新兵器だ!」
投げナイフの持ち手にめぐみんの嫌いなダイナマイトを仕込んだ新武器、パイルバンカー(仮)
『投擲』
サクッ
一応刺さる!浅いけど!
「いくら鋭くても、そんな細くて短い刃だとダメージにならないんじゃ…」
クリスは分かってる!…サクラじゃないよ?
「これはこうするんだよ!『ティンダー』」
バスンッ
爆発により射出された刃が、ワニの頭蓋骨を貫く。良し!使えそう!
「カッコいいです!なんですかそれ?!」
「俺の新兵器だ!クリス、スローイングダガーでコイツを!なるべく即死させられる部位に刺してくれ!」
「任せて!着火はお願い!」
「後はゆんゆんとあるえの火力があればなんとかなる!ウォルバクもいけるか?!」
「…すぅすぅ」
コイツ、寝てる…
「ゆんゆんは?!まだいけるか?」
「はい!まだいけます!」
良し!流石は優等生!
「あるえ!お前は…」
カリカリカリカリ
「爆発により加速する刃だって!?そんなのカッコ良すぎる!書き留めなきゃ!ネタにしなきゃ!」
「…時と場合を考えろ!」
俺のパーティーには欠陥がないと加入出来ないんですか?!
「すまん!アクア、支援を」
「ワニ怖いワニ怖いワニ怖いワニ怖いワニ怖いワニ怖いワニ怖い」
あ、駄目そう!
「カズマさん!来てます!ダクネスさんが余計なところにまでデコイを!」
「ふざけんな!ド変態クルセイダー!」
涙目になるゆんゆん、原稿で周りが見えてないあるえ、俺の背中で爆睡するウォルバク…俺の冒険はこれからもこんなペースで続くのだろうか…
___________________
「『ピュリフィケーション』…ワニが居ないとか最高じゃない!」
アクアが水を浄化しているので、ここで反省会。
「まずはゆんゆん!最高でした!」
「あ、ありがとうございます!」
うん!本当に良い子!
「エリス、ていうかクリス!攻撃に参加できないと悟ってからの支援に切り替えた判断!良かったです!そして、その後すぐにまたクリスでワニを撹乱したのも良かったです!」
「それが強みだからね!任せてよ!」
はい。ここまでは良い。
「めぐみん…爆裂しかないのだから撃ちたいのは分かる。でも、状況考えろ。あやうくワニの餌だぞ?」
「す、すみません…津波になるとは思わず…」
「ウォルバクの機転に感謝しろよ?」
「師匠には常に感謝していますよ?いつか師匠のような機転と冷静な状況判断の出来る爆裂魔法の使い手になるんです!あと…胸も追いつきます」
うん、胸は無理だろうな…
「おいダクネス。なんでどんどん前に出た?フォルスファイアの効果を受けてなかったヤツも呼んだよな?!」
「す、すまない…でも、ゆんゆんの迎撃が素晴らしくて…全然噛んで貰えなかったんだ…」
「噛まれに行くなよ!」
このド変態は!
「そしてあるえ…この原稿用紙はなんだ?」
「カズマさんの活躍を記録したくて…」
「帰ってからにしろ!」
「その場で感じた事は鮮度が…」
「死んだらどうにもならねぇから!しかも20枚って、天才かよ!」
「…いやぁ…照れるね。あ、反省はしているよ?」
本当に、コイツは懲りない。
「ウォルバク…」
コックリコックリ
「…はい」
「起きて?」
「頑張るぅ」カクッ
寝てる寝てる!頭がカクッてなってる!
「神様…なんで俺の周りはこんなのばっかりなんですか?!」
「私も知りませんよ…私も被害者ですからね?」
と、神様本人が言うので、これ以上の追求はやめました。
_______________________
「師匠さんは背負われる所まで師匠なんですか?」
「そこには触れないでください…」
カウンターに差し出される報酬。多いは多いのだが、人が増えたことを考えると、今後はこんな感じか…楽な依頼を俺たちが取るわけにも行かないし…
「報酬は100万エリス。ワニの素材が40万エリス。半分以上は素材にならないくらいに消し炭になってましたが、頭に小さな孔1つの死体に関しては、高額買取とさせて頂きました」
「あ、ありがとうございます。今度から多用しよう…」
「ところで…アークウィザード4人居ても、こんな感じなんですね…」
「そこも触れないでください…」
爆発の余波で全員汚れ、ダクネスは相変わらずボロボロ…クリスもスライディングしたり、泥で飛び跳ねたのでドロドロです。
「報酬もらった?もう銭湯行ってきていいかしら?」
アクアは上機嫌だな。ワニを乗り越えたからだろうか?
「おう、行って来い…俺も素材売却リスト確認したら行くから」
「銭湯…行くわ!」
即座に俺の背中から降りた。
「おいウォルバク。起きてたんなら自分で歩けよ」
めっちゃ機敏だ。こいつ…サボってやがったな…
「だって…カズマの背中…好きなんだもん…」
おい、その言い訳と女の顔をやめろ!怒れないから!
「…エリス様居るのに」「あの巨乳を背中に…」「また女の人が…」「やっぱりクズだわ」「これだからカズマは…」「クズマ!クズマ!」
あぁ、俺の評価がまた…
「…ウォルバクのせいだからな?」
「あら?貴方がモテないなら私には好都合なのよ?私だけのモノに出来るから…」
「お…お前…それ」
「じゃあ、銭湯に行ってくるわねー!」
殺し合った時には予想も出来なかった楽しそうな笑顔。無意識に俺はその顔に見惚れ、言葉を出すことも出来なかった。
「くそっ…こんなのズルいだろ…」
俺は真っ赤に染まった顔を見られない為、カウンターで俯くことしか出来なかった。
「ん?師匠顔が真っ赤ですよ?」
「え?!あ、カズマの背中が熱かったから!」
お前もかよ!この攻撃力極振り女神!
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
あるえ回もちょこちょこ計画中ですが、最終回に向けてカズマさんには徳を積んで貰います。