みんな大好き(白目)アルカンレティアです。
セシリー回?です。ゼスタも出ます。
俺は美女が好きだ。と言うか多くの男性諸君も好きだろう。ただ、俺には例外的に美女でも嫌いというレアケースが存在する。
「えへへ…来ちゃった♪」
「…おはようございます」
それがこの金髪プリーストである。なんで勝手に来た彼女風なんだろう。
「おはようございますカズマさん。アルカンレティアに行くんですよね?私も同行させてください。お金なくて帰れないんですよー」
このプリースト、セシリーは美人だが嫌いだ。と言うかアクシズ教が嫌いだ。なんで家の前で遭遇するんだよ。
「おい、誰に聞いた?」
「アクア様ですよ?アルカンレティアでアクア様が本物の女神だと信じられているか聞きに来たので、「ゼスタ様はちゃんと把握しておられます。先に文を出しておきますね?」って話した所です」
「あいつ…チヤホヤされる為に…騒ぎになったらどうすんだよ…で、なんでセシリーさんまで?」
「カズマ様はとても女性に甘いそうなので、私に甘く旅費を出してくれないかなって」
コイツ…本当に図々しい…
「おっと、そんな熱心に見ても私の身体は許しませんよ?私の熟れた身体をつまみ食いしたい気持ちも分かります。しかし私はシスター、清らかな身でなければなりません。まぁ、アクア様の愛する男性ですし?お口でサービス位ならシてあげますけど…」
そう言ってセシリーは唇を指でなぞった。確かに美人だしスタイルも悪くないから色気はある。湿った唇が凄くセクシーなのも間違いない。確かに口なら…処女なのは変わらないが…
「シスターとして、そこならいいのか?まぁ、俺には愛する女性がいるので、間に合ってますが…」
嫌な予感がしたので拒否。
「あら顔が赤いですよ?カズマさんは何を想像したんですか?リップサービスでいっぱい褒めてあげるだけですのに…まさか、清らかな私にお口でご奉仕させるつもりでしたか?!あぁ恐ろしい!エリス教に入るとそんな卑猥な事ばかり考えてしまうなんて!」
うん。イラッとするこいつ!もう清らか系エロい子は間に合ってるんで結構です!御神体がそれはどうかと思うけどな!
「我が家はエリス信仰なので、アクシズ教のプリースト様はもうお帰りください」
もういい、さっさと追い返そう。
「…責任取ってよ」
「おい、なんでいきなり子供できた元カノみたいなこと言い始めた?!」
周りに人が居なくて良かった!
「貴方が暗黒神と結婚して、しかもこの街に居着かせたからうちの信者は激減よ!お布施も全然来ないの!エリス教以外の人から落書きを怒られるの!しかも街が豊かになったからってエリス教の炊き出しがなくなったのよ?つまり私のタダ飯が消えたの!責任取ってよ!」
「全部自業自得じゃねぇか!…なんならアクアは長らくこの街にいるんだけど?」
「……あーあー聞こえなーい。エリス教の悪しき言葉は聞こえないですー」
うん。ぶん殴りたい。
「いいじゃないですか!お金あるんでしょう?アクア様に泣き付いても良いんですよ?」
そうだったわ。こんなのが沢山いるんだよな…行くのやめようかな?マジで
「『インフェルノ』」
あるえの声と同時に、俺とセシリーの間に炎が走る。足元を通過して、そのまま二人の間に割って入った。
「ちょっと?!カズマさんこれは洒落になりませんよ?!」
「あるえ…これはまたなんて高精度な…」
俺の体の周りを炎が囲む…これでは俺から離れるしかない。しかし、全然熱くない。コントロールの精度が上がっている。
「カズマさんに仇なす者…名を名乗って貰おうか?魔王軍の残党か…それとも色仕掛けを得意とする売女か…利用を目論む冒険者か…」
セシリーに歩み寄るあるえ、その眼は真っ赤に輝き、背中には巨大な炎を背負っている。眼帯を外しているので、マジでやる気ですよ。と言う意思表示も見える。眼帯は、俺とめぐみんにしか伝わらないけど…
「無事かい?さて、温厚なカズマさんがここまで本気で女性を拒絶するのはおかしい…私の見立てでは悪魔の類だと思っているが?」
「いや、悪魔ではないんじゃないかな…一応」
ちなみに、それは魔王軍でもない。一緒にしたら魔王軍も嫌がる。他の部分はあえて否定はしないけど
「違います!私はセシリー!アクシズ教のプリーストです!」
「この状況で嘘をつくとは…確かにアクシズ教を敵に回すのは厄介だ…でもね?紅魔を敵に回して、塵が残るとでも思っているのかい?プリーストが色仕掛なんてするはずがないだろう!」
俺の周りの炎が消えると、今度はセシリーの周りにエグい量の炎が…これは怖い…あるえと夫婦喧嘩はしちゃ駄目だ…
「本当ですから!カズマさんも何か言ってください!」
「あるえ…もう少し尋問して、真実を吐かせようぜ!」
「裏切り者!背教者め!」
暑さで汗だくにしてから解放しました。
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「なるほど、本当にアクシズ教のプリーストなんだね…これが…」
汗だくで辛そうですねセシリーさん?まぁコレで反省するタイプでは無いけど
「疑い深さは穢れた心の証です!すぐにアクシズ教に…」
「『インフェルノ』」
「ひゃう?!」
流石だ容赦ない…いや、良くやったよ。ちょっとスッキリしたよ。
「今分かったのは名前と職業…焼くかどうかはまだ決めてないよ?さっきの疑われるような行為には、なにか理由があるんだろうね?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!カズマさんとは普通に友人で仲良しです!めぐみんさんとも仲良しなんです!さっきのはお茶目なアクシズ教ジョークなんです!」
「解放してやれ。流石に不憫だから…」
「分かったよカズマさん…では私はアルカンレティアに向けて日用品を買い足してくる」
「おぅ、金が必要なら言えよ?」
「生活準備金で50万エリスも渡されては…当分使い切る事は無いよ…本当なら返したいくらいさ…」
多めなのは仕方ない。作家の家財がどれくらいになるかなんて分からないのだ。
「50万エリス?!私にはケチなのに!ケチな心も穢れですよ!さぁアクシズ教に!」
こいつは本当に…
「そうだセシリーさん、暑くないかな?」
「あんなことされたら暑いに決まってますよ!悪いと思っているなら私に旅費かこの入信書に…」
「『クリスタルプリズン』」
ヒュオー
「脚に氷が?!冗談ですから!もう許してぇ!」
あるえは本当に頼りになる。信じられない事に、皮膚より少し浮かせて凍らせているので、これなら凍傷にはならない。汗だくなので風邪はひきそうだけど…
「次、カズマさんに迷惑をかけたら…今度はカースド・クリスタルプリズンで冷やすからね?」
「もう、もうしません!」
いや、するだろアンタ…
「ではいってくるよ…この厄介な客人が迷惑なら私を呼んでくれたまえ」
あるえさんカッケー
「あ…し、下着の買い足しだから、カズマさんが選んでくれても…」
「そ、それは嬉しいけど…流石にそういう店には…」
多分、入店を拒否される…
「じゃあ、楽しみにしてて?」
「うん、すげー楽しみにしとく!」
顔赤くして…かわいい奴め!
______________
「しっかし、あの紅魔族はとんでもないですね…めぐみんさんはあんなに可愛いのに!」
「あいつはめぐみんの同級生だぞ?あと、基本的には良いやつだ。俺の敵以外には…」
「あんな発育のロリは認めません!」
「それ、めぐみんには絶対言うなよ?」
熱されて冷やされ、流石のセシリーも少しだけ大人しくなった。
「うーん。次の人が来ませんね?」
「いや、帰れよ。誰を待ってるんだよ…」
「カズマさんより同情を引けそうな人?」
駄目だこの人!本当に駄目だ!
「あら?カズマもお出かけ…お客さん?」
ウォルバク…何というタイミングで怠惰のハズのこいつが…
「おはようございます。私セシリーと申します。カズマさんにクエストの同行をお願いしてまして…」
おっと手を変えてきたぞ?今度は同情を狙うのか?
「実は…アルカンレティアに帰りたいのですが旅費がなく…過去に縁のあるカズマさんを頼ってきたんです…」
なるほど、それなら話も分かるし、ちょっと泣きそうな顔も良く出来ている。
「そうなの?カズマ…連れて行ってあげましょうよ?テレポートで行くから旅費はゼロなのだし…」
「そうなのですか?!カズマさんのケチ!それなら良いじゃないですか!」
「お前と一緒なのが面倒なんだよ!」
まぁ、ウォルバクが良いのなら良いだろう…
「私はウォルバク、アークウィザードよ」
「私はアクシズ教プリーストのセシリーです。ウォルバクさんは邪神と同じ名前なのですね」
あ、本人です。
「そう言えば?邪神ウォルバクって、アクシズ教が勝手に邪神にしたんだよな?」
「当然です!暴虐と怠惰ですよ?そんなもの司るのは悪い女神に決まってます。しかもめっちゃ美人でナイスバディだったらしいです。アクア様より人気が出ても困るじゃないですか!」
こいつ等なんて身勝手な…あ、ウォルバクの笑顔に青筋が…
「…じゃあ早速、逝 き ま し ょ う か」
「え?流石にはやくありま」
「『テレポート』」
…いや、何処行ったんだろう…
……………2分後…………………
シュンッ
「おかえり。早かったな二人共…」
「カズマさぁん!怖かったよぉ!」
あのセシリーがマジ泣きしてしがみついてきた…ここら辺アクアっぽい。なんて誰も得をしない類似点…
「どこ行ってたんだよ…」
「魔王城。あ、久々に魔王の娘にあったのよ!ビックリしてたわね」
いや、そんなちょっぴり再会しても…そりゃ向こうも困惑するだろ…
「なんで私をそんな所に?!周りに大量にヤバイ魔物が居ましたよ?!向こうも唖然としてて襲ってこなかったですけど!」
「ごめんね?迷惑な奴らの本拠地に連れて行ったのだけど…間違えちゃった♪」テヘッ
これはエグい…でも、ウォルバクがこういう顔するのはレアだし…可愛いな。うん、俺は得したな!
「あ、あなたは本当に邪神ですか?!」
おっと、ウォルバクさん?右手の魔力やばいですよ?
「カズマ…アクシズ教とかいう迷惑な宗教要らないと思わない?プリーストも含めて…」
「気持ちは解るけど物理的な方法はやめて?」
ウォルバクはアルカンレティアで暴走しないだろうか?前回も良く無事に来れたな…
「あの?どうされましたか?」
「あ、暗黒し…ぐぇ!」
チョークスリーパー。獲得スキルポイント1。スキルとして獲得した場合、関節の固定が完璧で力任せに外すのは困難になる。
「ようエリス。ちょっとアクシズ教のシスターに日々の不満を吐き出してたんだ」
「あの…むしろそちらの人が色々吐き出してしまいそうですが…」
おっと締めすぎた。
「うぅ、暗こ、ぐふっ…エリス様…あなたの眷属がか弱い女の私を苛めます…いったいどんな教えを説いているのですか…」
「カズマさんは男女平等主義なので…あと、信者ではありません。私達の関係は、信仰ではなく…信頼ですから」
「エリス…」
すっ
あ、間にウォルバクが!
「週3回目をシスターの首を絞めながら始めようとしないで!一緒にいる私まで恥ずかしいから!」
「「すみません」」
こうして邪魔されると、俺もエリスも恥ずかしさを実感する。
「あの、そろそろ離してくれると…」
あぁ、こんなの居たわ。
ポイッ
「うぅ、カズマさんが容赦ない…やはり暗黒神の宗教…」
「ウォルバク、魔王城に1名様ご案内で」
「申し訳ございませんでした!もう暗黒神とは言いません!」
ウォルバクがセシリーのトラウマになった。多分あるえも。
「あはは…私と先輩は仲良くしているつもりなのですが…暗黒神ですか…」
エリスが凹んでいる。なにも悪くないのに…
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全員の準備が整ったので、一応セシリーの扱いを決める事になった。いや、どうせ押し切るだろ?うちの駄女神が…
「私の可愛い信者よ?連れて行くに決まっているわ!」
ほらね?
「セシリーお姉ちゃんは基本的には良い人なんです。ただ、わがままで貧乏で欲望に忠実なだけで…」
「わからないよ!私にはめぐみんがあの人を良い人って言える理由が分からないよ?!ほぼ駄目なところしか出てこないじゃない?!」
ゆんゆんの気持ち、分かるよ…俺も箱に詰めて送り返したいもん。
「ほら、アクアを見てください。欲望に忠実で、カズマに養われていますよ?でも、悪い人ではありません」
「あれ?本当だ…セシリーさんも面倒見が良いのかな?」
「…二人の当たりがキツいんですけど?」
アクアのそれは、日頃の行いだよ。
「そうです。そう言う人付き合いの部分では、セシリーお姉ちゃんは良い人なのです」
「あぁ、ありがとうめぐみんさん…ロリっ娘に庇ってもらえて…もうお姉ちゃんの傷は癒えたよ…」
なんかホクホクしてる。やっぱやべぇわこいつ。
「おいダクネス、こいつはエリスに暗黒神って言ったぞ?」
「あぁ…いっそ、アルカンレティアに返品したほうがこの街の為になる気がしてきた」
「なるほど、それも一理あるな…」
「その時はナマモノで配送されて帰ってきますからね!」
こいつ、マジで厄介!
「ねぇウィズ…セシリーをテレポートさせてあげて?」
「お?ついに私の不屈の精神に心を打たれましたか?」
うん、ウォルバクが折れたのは素直に驚きだ。
「良いんですか?ウォルバクさんはあまり乗り気ではなかったように…」
「火口によ?」
「ひえぇ!」
やはり、ウォルバクは容赦ない。
「めぐみんが仲間としているなら、私も彼女を焼いたりしないよ。ウォルバクさんも、弟子の姉貴分なんだし、大目に見てあげようじゃないか?」
あるえは大人。たっぷり嫌がらせしたから、もう満足しているのかも知れない。
「仕方ないわね…カズマとめぐみんに仇なすと判断したら、魔王城に置いてきましょう…」
「あはは、その時は焼くから大丈夫だよ?」
「ひえぇ!」
うん。容赦ない!と言う事で、セシリーも参加してアルカンレティアへ行くことが決まった。
「あ、これからお互いを知るためにも、お二人の名前を教えてください。ここに書いて」
『アクシズ教入信書』
シュボッ
「これでいいかな?」
瞬時に焼かれた入信書の孔が『あるえ』と書いている。流石のコントロール。
「ではわたしも…」
ジュッ
蒸発した?!テーブルに落ちた灰が『ウォルバク』と書いている。更に上を行く火力と精度…
「もう、お二人の事は忘れられそうにないです…」
うん。頼もしい!
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「なんて美しい街だ…」カリカリカリカリ
ウォルバクとウィズのテレポートでアルカンレティアに来た。あるえは感動してメモが止まらない。さてそろそろ来るだろうな…
「ようこそアルカンレティアへ!」
まさかプリーストを引き連れたゼスタが1番手?!お前ラスボスだろ?!
「いやー朝から「アルカンレティアに行けるわ!地酒と温泉、お饅頭も楽しみ!」ってお告げを聞きまして…居ても立っても居られず、教会一同でお出迎えさせて頂きました!」
「先輩!垂れ流しにも程がありますよ?!」
「楽しみ過ぎて、つい…」
お告げがしょうもない!これでも信者が居るんだから不思議だ。
「アクア様を先輩と呼んだあなたが…幸運の女神エリス様ですね?」
流石に代表のプリーストは暗黒神とは言わないか…セシリーは別として!
「はい、サトウエリスです」
苗字まで名乗った?!可愛い!好き!
「カズマ様…あなたはアクア様の眷属ではなかったのですか?なぜエリス様の眷属に?」
「カズマさんは眷属ではありませんよ?私達を繋ぐのは信仰ではなく…愛ですから」
あ、セシリーの時よりパワーアップした。
「あれがエリス様…」「暗黒だなんてありえねぇ…」「可憐な少女だ!」「くそぉ!カズマ様羨ましい!」「信仰心がエリス様に…」
外野のプリーストの皆さんに何かが効いてる!何人か改宗しそうになってる!これはひょっとして平和な一日が…
「ぐはぁ!」
「ゼスタ様!」
膝を着くゼスタと、駆け寄るセシリー。なんだこれ?
「セシリー!早く私の両目を潰すのです!」
「ゼスタ様!そんなこと出来ません!」
「しかし!このままではエリス様を、暗黒神を信仰してしまう!」
アイツもついに暗黒神って言ったぞ!?
「馬鹿な?!ゼスタ様が洗脳されている?!」「やはり暗黒神なのか?!」「くそぅ!可愛い顔に騙されるところだったぜ!」
おい、まさか!
「いや、エリス様は悪くないのです。生まれ持った魔性が彼女をそんな風に…」
セシリーがニヤってした?!これ一芝居予定してたな!
「しかし、アクア様は可愛い後輩を見捨てたりしません。さぁエリス様、入信書にサインを…これで魔性は祓われます!」
こいつら、ついに女神まで勧誘しやがった!
「か、カズマさん……私はどうしたら…」
エリスも本気で困ってる。しょうがねぇな…
「魔性ってなんだよ。エリスがそんなタイプに見えるか?」
二人の間に割って入り、エリスを下げる。
「アクア様からカズマ様を奪ったのですから、どう考えても魔性では?」
そもそも、俺がアクアのモノであった事など、過去に一度もない。
「なぁ、アークプリーストのゼスタには、そもそも魅了は効かないだろ?エリス教で冒険者の俺にも効かないぞ?」
「そ、そんなバカな?!」
「ウォルバク、魅了使えるよな?」
「えぇ、それなりにだけどね?」
魅了の効果は使用者のスキルレベルと魔力、相手に感じる魅力に依存する。さて、どうなるだろうか?
「対象は範囲で…『魅了』(弱)さぁ、跪きなさい!」
「「「「はい!」」」」
あれ?!プリーストのみなさん?抵抗した?してないよね?!
「くぅ!私は屈するわけには!」
「おいダクネス。お前は同性でクルセイダーだから余裕だろ!なに遊んでんだ!」
「いやぁ、ちょっと楽しそうだったから…」
うちの変態もそれなりにヤバイ。
「解除。やっぱり、それなりの信仰心があると抵抗があるわね…」
やはりゼスタは耐えているな…
「くぅ!こんな美人に命令してもらえるなんて、しかし命令に背いてお仕置きもされたい…」
いや、耐え方おかしくない?でも、これはチャンスだ!
「おやおや?まさか信仰心が足りなくて効いてます?エリス教への嫌がらせも、信仰なんて無くてタダのモテない腹いせなのかなぁ?!」
「わ、私の信仰は本物です!」
「じゃ、なんでエリスに魅了されたんだ?どっちだ!魅了が嘘か、信仰が嘘か!さぁ!…さぁ!!」
「ぐぬぅ!」
これなら反撃できまい!周りにいるアクシズ教徒の前で信仰を疑われるわけにはいかないだろうし?エリスの洗脳説はこれでなくなる!
「…あの容赦のない攻め方…私にもお願いしたい!」
「やっぱり魔王になるべき人材だわ…アクシズ教の司教を追い詰めるなんて…」
うん、ダクネスとウォルバクには後で話をしよう。
「すみません!ゼスタ様は魅了されなくて美人には際限無く尻尾を振るような人間なのです!」
「あれ?私フォローされてる?!」
されてないね。
「ほら、エリス様に謝れこのクズ!」ゲシッ
切り捨てた?!勧誘の為に簡単に上司を切り捨てたよセシリー!
「痛い!ごめんなさいエリス様!ただ可愛かったので魅了されただけです!」
うん、セシリーに蹴られて罵られて、顔に喜びが見えるもん。アイツやっぱ色々駄目だわ。
「あぁ、暗黒神に屈するって言うのも…相手が美女だから悪くない…」
本当に駄目だわ!
「私は、お二人の愛を疑うことはしません。私も仲睦まじいお二人を何度も見ておりますし、式にも参列しました。アクア様に賭けて………しかし!女神と人間は相容れる存在でしょうか?」
「当人が納得してるから良いだろ。それと、聖職者なのになんでギャンブルに参加してんだ!?」
「あぁ!人と女神は許されない恋…そんなの辛すぎる!」
「うん。話聞いて?」
「あーっと!アクシズ教ではそれもオッケーでしたー!これはもう入るしかない!」
「下手くそか!会話の運び方クッソ下手くそかよ!」
方向性を変えてきたけど、結局勧誘はやめないらしい。
「これは私の心からの…入信書です!ご夫婦でどうぞ!」
「知ってるよ!結局いつもの流れじゃねぇか!」
こいつは本当に…この不屈のメンタルだけは見習いたいくらいだ。
「しかし、カズマ様はアクア様の事も好きですよね?妻がエリス様ならば、宗教くらいアクア様でもいいのでは?」
「アクシズ教が嫌なんだよ!変人共め!…アクアは大切にするけどな!」
「カズマさん…えへへ…今はそれで許してあげるぅ」
アクアも嬉しそうなので良し!入信はしない!
「お、いいぞカズマさん!」「お幸せに!」「あれ?これじゃアクア様妾じゃね?」「おいやめろ!」
そう言われると恥ずかしい…それにしてもプリーストの皆さん、変な楽しみ方を…
「私は心からのアクシズ教徒…アクア様が幸せならそれで良いのです…ほら、カズマさん、これでアクア様の涙を拭いてあげてください…」
セシリー…エリス教が嫌いで変な事言うし、勧誘はウザいけど、アクアへの信仰は本物だったんだな…
「あぁ、ありが…」
『アクシズ教入信書(布製)』
「技術レベルが上がっとる?!」
ビリッ
「チッ!」
「今舌打ちした?!」
「いつもと勧誘スタイルを変えても、入信はしませんか…」
「するか!俺は変人に加わるつもりはない!仲間たちもだ!」
仲間の方を振り返る。あれ?めぐみんとエリス居なくね?
「あ、めぐみんとエリスさんは光の屈折魔法で逃しました!」
「ナイスだゆんゆん!」
あまりダメージを負うのは見てられないからな!
「結婚相手と子供の入信届は…旦那様の代筆も可能ですから」ニッコリ
くそっ!これでもエリスの運命に安寧がない!何かこの状況を打開する手は無いのか?!
「カズマー!」「カズマさーん!」
「おい、めぐみん!エリス!なんで戻ってきた!?」
「仲間を連れてきました!」
この街に仲間なんているのか?と思ったら後ろにプリーストが…エリス教のマークだ!
「我らエリス教会!エリス様とカズマ様の幸せを邪魔する輩は許しておけぬ!」「馬に蹴られて死ぬが良い!」「カズエリ!カズエリ!」「エリカズだろ?!」「おい辞めろ!その戦争は後だ!」
なんか凄いことになったぞ?!この街のプリーストは変人しか居ないのだろうか…
「来たかエリス教会…我々に勝てるとでも思っているのか!暗黒神の使いめが!」
もう、ゼスタが魔王に見える…
「笑止!ここに御神体がおられる!我々が負ける理由などない!」
おい宗教戦争か?これ大丈夫か?!
「ほう!ならこちらから行くぞ!まずはこれ、イジケ方だ!」
ん?ゼスタ今なんて言った?
「見よ!今まさに!」
アクアが木の棒で『カズマさんのバカ』って書いている。それが何だと言うのだろう?
「どうだ!自分が構ってもらえなくてイジケているこの無垢さ!悪口なのにさん付けする律儀さ!可愛いだろう!愛らしいだろう!」
え、なにこれ?本当になにこれ?!
「ふっ、その程度かゼスタよ?エリス様はなぁ!指先つんつんしながら我々の元に来たぞ!」
「馬鹿な!暗黒神がそんなことを!」
「そ、それは本当に困っていたからで…」ツンツン
あっ、やってる!
「ぐはぁ!」
またゼスタが崩れ落ちた?!後ろのプリーストも悶えている!
「そ、そんなあざとい事を…しかもアクア様より可愛い…だと」
え?なにこの戦い?!誰か説明して?!
「なんか、うちの娘自慢大会って感じですね…血が流れないので、これならいいんじゃないですか?」
ゆんゆんも麻痺してきたな。これ、大通りで大人がやることじゃないだろ…
「カズマ様!アクア様の一番かわいい顔を!早く!」
セシリーの指示が来た。うわぁ、加担したくない…
「俺を巻き込むな!」
「断ったら毎日自宅の前で布教活動します!」
やっぱり連れてくるべきじゃなかったアイツ!
「焼こうか?」
あるえが眼帯外してる!
「人目があるから駄目だ」
いや、無くても殺人は不味いんですけどね?やるしか無いか…
「しょうがねぇな!アクア!」
「な、何する気?!私はそんな簡単な女じゃ…」
ナデナデ
「ちょっと!子供扱いしないで…本当に!もう…え…えへへ」
簡単な女だぜ…こいつの緩みきった笑顔。俺が知る限りこれが一番幸せそうで可愛い。
「嘘だろ…アクシズ教の御神体なのに…尊い…」「カズマさん!あんたなんて事をしてくれたんだ!」「アクカズ…ありなのか…」「今のはカズアクだろ…」
えぇ効いてる!?…アルカンレティアってエリス教もめっちゃヤバい…
「どうだエリス教徒ども!これがアクシズ教の本気だ!」
あれ?これはエリス教が勝ったほうがいいんだよな?じゃあ…
「なぁエリス?」
「はい?」
「好きだよ」
「ひゃい?!わ、私もですけど…ここじゃ恥ずかしいですよ…」
「ごめんな…見てたら溢れてきた」
「えへへ…カズマさんってば…もう」
分かっててやっても悶えそうになるこの威力!さてどうだ?
「………」「……」「…………」「…………」「……………」「………」「…………」
あれ?!エリス教徒もアクシズ教徒も無言?!コレじゃ駄目なのか?わざとらしすぎたか?おや?セシリーが駆け寄って…
「…ゼスタ様?ゼスタ様?!……嘘、死んでる…」
「マジかよ!」
まさかの司教の死に、大通りが騒然とした。
___________________
『『リザレクション』』
女神二人が一緒にリザレクションする貴重なシーン。いや、謎の死を遂げたアークプリースト軍団の方が貴重か?
「はっ!勇者殺しのベルディアがお前はこっちだと足を掴んで?!」
地獄じゃんそれ…ゼスタだからそれで良い気もするけど…
「おいゼスタ!今回はエリス教の勝ちのようだな!」
「くっ!キュン死した以上!認める他ない!」
俺はそんな死に方するやつを初めて見たよ?
「信仰心の強いアークプリーストは、信仰対象の願いや祈り、分け与えられた力を増幅して我が物にする。ただし、器は人間だから、あまりにも強い神の力には耐えられないのよ。今回はエリスの愛ね。余波でも増幅されれば、人には耐えられないわ…」
「マジかよ!え?俺も死ぬ可能性あんの?!」
「カズマは…邪神だから私が好き?」
「ウォルバクだからだけど」
「うふふ、じゃあ平気。信仰じゃないなら増幅されないわ」
笑うとやっぱレベルたけぇな。魅了効かないけど魅了されそう!
「カズマさん、全員蘇生終わったわよ!」
「疲れました。信仰心の高すぎるのも考えものですね…」
本当ですね…
「くっ!仕方ない。今回は手を引こう…カズマ様!あなたは必ずアクア様の眷属に戻しますからね!」
「戻すってなんだ!一度も眷属であったことがねぇよ!」
あ、駄目だ聞く耳持ってない。ゼスタはプリースト連れて颯爽と逃げていった。
「無駄だ!エリス様とカズマ様の愛と尊さは誰にも邪魔できん!そして、エリス様の幸福の為になら、我々は何度でも立ちはだかる!たとえ死のうとな!」
「それでアンデッドになられても困りますが…」
お前らもキュン死してたよ?天界規定だと、次は無いんじゃない?
「エリス様!カズマ様とお幸せに!」「それが我らの幸福です」「えぇ!あなたも幸せになるべきだ!」「たまに逆カプもお願いします」「お前は帰ったら戦争な?」
エリス教のプリーストが去っていく。この街のエリス教は変わり者だが、本気でエリスが大切なのは分かる。マジで変わり者だが…
「こんな街でも変わらずエリスを信仰できるのは、とんでもない信仰心の人だけだと思っていましたが、色んな意味でとんでもない人ばかりでしたね…」
「でも、めぐみんの機転に助けられたよ。あいつらゴリ押ししかしてこないからな…最終的には死人出たけど…」
色々心が折れそうだった…
「しかし、これでやっと平和に観光できますね!」
めぐみんが上機嫌だ。分かるぜ。街の入口でラスボスを倒したわけだからな。
「ねぇねぇ!早く行きましょうよ!地酒と温泉が待ってるわ!」
アクアを先頭に、俺たちはギルドへ向かう。これで平和にこの街を楽しめるだろう。
「ふふ、狂信者とはこういうものか…殺しても心が傷まない悪役は貴重だからね…」カリカリカリ
あるえが思ったより大人しいと思ったらそれかよ…
「カズマさんが目立ってくれたので、私達は無事でしたね」
「ありがとうございます、カズマさん」
ゆんゆんとウィズは器用に回避したな…押し切られて入信させられそうな二人が無事なのはありがたい。
________________________
「アクア様!」「アクア様だ!」「アクア様!これ食べてください!」「うちの地酒もどうぞ!」「アクア様可愛い!」
商店街に差し掛かると、すぐに人だかりが出来た。文化祭にジャ○ーズでも来たかのような盛り上がりだ。
「えへへ、ありがとう!私の可愛い信者たち!これからもよろしくね!」
まぁたまにはこう言うのも悪くない。アクアだってアイツなりに頑張ってここまで来たのだから…
「英雄のカズマ様!握手してください!」「私も!」「魔王倒しくれてありがとう!」「本当は街のために戦ってくれたのに、あの時はごめんなさい!」
うん、悪くない!
「お兄ちゃん…」
うわぁ、あの時の幼女も来た。しかし、いま持っているのは色紙だ。
「サイン頂戴!英雄のお兄ちゃん!」
「そういうことなら、喜んで!」
そう!この街も勧誘さえなきゃ素晴らしい街なんだ!
「お姉ちゃん達も!世界を救った英雄はカズマさんだけじゃなかったんでしょ?」
「仕方ありませんね!」
「紅魔の誰かに見られたらちょっと恥ずかしいかな…」
「私は…ハンスさんの時しか手を貸してないのですが…」
「アクシズ教にサインなんて…なにか小恥ずかしいな…」
「あ、邪教徒のお姉さんと暗黒神は大丈夫です!」
「くぅ!」
「うぅ無垢な子供にまで…」
そこには当たりキツいままなんだ…
「しかし、俺がサインをねぇ…」
おや?安物の色紙だからだろうか?表面が剥がれかけて…
「まさか!」ベリッ!
『アクシズ教入信書』
裏写り用紙!?
「あるえ!ウォルバク!」
『『インフェルノ』』
全員の記名中の色紙を即座に蒸発。あっぶねぇ!
「おにいちゃーん!」
悲痛な声だすな!俺が悪いみたいじゃないか!
「チッ!」「ゼスタ様の後で油断してると思ったが」「流石は英雄」「他の手を使いましょう」「まだチャンスはある!」「ここからは各自で…」
俺たちの地獄は…まだ終わらない?!
最後までお付き合いくださりありがとうございます。
ゼスタは可愛くないし使いづらいので、ちょっと宗教戦争して退場です。
アルカンレティア編。次回後半!(吐血)