よく考えたらセレナは逃亡犯なので…取り調べなきゃ!
あと、一応アクアにも…そろそろ
司法、それは正しく罪を裁くための制度。
と見せかけて、この世界では知能と権力、策略で勝ててしまうので、ぶっちゃけ意味なんてないと思う。ただ、それでも司法の決定は絶対だ。
「元魔王軍幹部を発見したと言うのは本当ですか?!」
テレポート便で即駆けつけてくれたセナさん。なんかヤラセの為にご免なさい。しかし、
「そうだよな…カズマに迷惑はかけられないし…無罪にはなっとくか!諜報のプロのテクニック見せてやるよ!」
って本人が言い出したのでお付き合いください。
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「本当に病気が治った!凄いやお姉ちゃん!ありがとう!」
「良いのよ。レジーナ様の救いは信仰を選ばないのだから…でも、死にかけだった君が全力疾走しちゃ駄目よ?お母さんが倒れちゃうわ」
「わーい!結核がなんぼのもんじゃーい!」
とんでもないスピードで駆けていく少年。本当に病気だったのだろうか?
「…私、必要だったかしら?」
いや、適当に人助けしてるところに遭遇する話だったけど…結核はスゲーな。
「なるほど、アークプリーストのフリをしていたと聞いていますが、本当にアークプリーストのようですね…」
本当だよ。前から思ってたけど、やっぱあいつアークプリーストの方が向いてるんじゃないか?アクアより外面いいし、この前のレベリングで回復系のスキルも強力になってたし…実際、心の底から性格の良いプリースト知らねぇし…
「あら、何か?」
「突然すみません。私は検察官のセナ、貴女に元魔王軍幹部の疑いがかけられているのですが、お話を伺えますか?」
「…分かりました。この日が来るのは覚悟していましたから…」
「ご協力、感謝します」
うん。今の所すごい模範囚。
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連れてこられたのは取調室。屈強な衛兵が出入り口を塞いでいる。ちなみに、俺も同席している。
「たしかに、手配書にある人相書きとは一致しますね…若干目の前の彼女のほうがふくよかに見えますが…」
「あぁ?!…っ!」
咄嗟に取り押さえる。あっぶねぇ!コイツ、今無意識にヤンキー出ただろ?!
「おい、お前!いま何か呪文を唱えようとしたな!」
取り押さえるように口を塞ぐ。咄嗟のことで口に指が入ってしまったので、そのまま舌をなぞる。
「ひゃめろぉ…舌を撫でるなぁ…」(小声)
チュプチュパ
やべ、楽しい。
「…なら、ちゃんと隠し通せ。次はないぞ?」(小声)
小さく頷いたので、開放。
「んんっ…違います!今のは咳払いです!」
「カズマさんは過去に対峙しているので、警戒するのは分かりますが…なるべく穏便にお願いしますね?」
「…すみません」
さて、もう大丈夫だろう…
「えぇ、調書では彼女は邪神レジーナを…」
ガタッ!
ほら来た!このバカ!殴りかかろうとすんな!
『バインド』
「どうしたのですか?!」
「いえ!怪しい動きをしていたので!」
そのまま耳元へ
「馬鹿か?まだ数秒だぞ?!」(小声)
「アイツ、レジーナ様を邪神って言った!もう違うのに!」(小声)
馬鹿なのか?!前は自分で言ってたのに…
「武器を取り出そうとしたように見えましたが、どうやらパンツが食い込んでいたようで…ごめんなセレナ?」
と言いつつ、制裁として尻を触ってパンツの位置を直す。
「自分でできます!自分で出来ますから!」
「まったく…カズマさんもどうかと思いますが、セレナさんも今のは不審でしたよ?気をつけてくださいね?」
セナさんが呆れているが、まぁ有罪よりは良いだろう。
「畜生…覚えてろよ」(小声)
「あぁ、セレナの尻の触り心地はちゃんと覚えておく」(小声)
「くそぅ!」(小声)
ついでに、バインド解きながらまさぐりました。
「では、カズマさんがセレナさんを保護した状況をお聞かせください」
「えぇ、数日前、アクシズ教に集団レ○プされそうになっていたところを保護しました」
「なるほ……はい?今なんと?」
あ、やっぱり引っかかるよね?
「保護しました?」
少し焦らす。
「いえ、もう少し前です」
「アクシズ教が?」
「続けてください」
「集団レ○プを?」
「……アクシズ教は後で取り調べます」
ざまぁみろ迷惑宗教め!これで少しは大人しくなるだろう。と、ここでセレナからの合図だ。『沈黙』を使う。
「あの…それは邪悪な力で操られていた私への所業です…どうかお慈悲を与えては頂けませんか?」
おっと、なんて露骨!お前じゃないと成立しない雑な言い訳だな。
「まさか、貴方も操られていたのですか?!」
「はい。しかし、薄っすらと覚えています。自分の意志で無かったとしても私は取り返しのつかないことをしました。裁きを受ける覚悟は出来てます」
うん。迫真の演技。アクシズ教で更に鍛えられたらしい。
「この魔道具も反応していませんから…嘘ではないようですね…カズマさんも操られたとの記録がありますから、あり得ないことではないですし…」
セナさんはこの魔道具を過信している。これ『沈黙』かけたら、鳴ってても使用者に聞こえないぞ?
「まさか、壊れてませんよね?一応確認しますか…」
はーい解除しまーす。
「えっと、私は17才です」チーン
なにそれ可愛い。嘘が可愛い。
「確か20でしたよね?」
「カズマさんが私の年齢を把握しているのが気になりますが…なるほど、カズマさんの予感は当たりました…危うく無実の者を断罪するところでした。彼女の手配書は取り下げ、新たに調査をする必要がありそうです」
良かった。計画通りにいった。これで、追われる生活からはおさらばだ。どうせこの文化レベルだ。国家権力は自分のミスを受け入れないだろう。一度無罪になれば、裁判のやり直しなんてするものか。
「あの、検察官様…私の意識が解放されたときに持っていた日記なのですが…その正体不明の幹部の手がかりになりませんか?」
「ありがとうございます。中身を拝見させて頂きますね?」
おい、ちょっと待て…それまさか?!
※カズマはセレナに操られている際に、セレナを題材にした官能小説を日記に書いています
「サトウカズマさん…あなたも一時期操られていたと聞いていますが…本当にあなたは何してたんですか?」
おっと、ゴミを見る目ですね。
「何も覚えてません!」チーン
しまったぁ!『沈黙』そんなに早く使えねぇよ!やっぱ有能だったわこの魔道具!
「…セレスディナさんは?」
「お、覚えていますが、私の口からは…とても…」ニヤッ
おい、お前やりやがったな…はめやがったな?
「カズマさん…こちらによると、あなたは随分とセレスディナさんを弄んだようですが?」
「そ、それは…彼女を辱める嘘の文章でして…」
「ほう…つまり…操られている時のことを覚えているんですね?」
しまった!やっぱり苦手だこの人!て言うかこの二人が手を組むとどうしようもねぇよ!
「じゃあ…わ、私の初めてを自分から捧げるよう要求をしたのも、カズマさんの意思だったんですか?」
おい、書いたからか?!鳴らねぇのはそう言うのも書いたからなのか?!セレナ、後で覚えとけよ?
「待ってくれ違うんだって!て言うかお前処女だろ!俺は手を出してないだろ?!」
「…なんでカズマさんは、彼女が処女かどうか把握してるんですか?」
あ…これはもう…駄目なやつ?!くそ!やっぱりコイツやりにくい!
「答えろって…いわれて…」
「英雄になって見直しかけていたのに!!この男を連れて行け!婦女暴行の容疑だ!」
「待ってセナさん!俺の話を聞いて!」
屈強なお兄さんが来ちゃう!
「セレスディナさん…辛かったですね…」
セナさんがそんな優しいの見たことないよ?!男女差別だ!
「カズマさんは、女性関係だけは本当に救えないんですが、他のところは良い所もあるので…キツイ拷問と刑罰だけで許してあげてくれませんか?」
あ、俺の信用の問題だった。て言うかそれ許してないよね!
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「あ、カズマさんじゃない!」
男女別の筈の拘置所にスカートを履いた…おっさん…
「あんたアクシズ教の…なんで捕まってんだよ…」
「あぁ、ちょっと薄暗いお店でボーイハントを…」
うん。寄ってきた、距離を置きたい。
「おぉ、カズマ様」
おっと、今度はゼスタが…
「なんだよ?ゼスタがコイツの身元引受人か?」
「いえ、私もセレナの件で検察官に…」
あれ?この流れ…続々とアクシズ教の変態が…処女喪失を感じたかった心が女性の皆さまが次々と拘置所に…セナさんは優秀すぎやしませんか?!
「ねぇ?拘置所って寒いわよね?」
「おい、近寄んな。いきなり二人部屋が八人部屋になってんだよ。嫌でも普通に近いんだよ!」
「安心して良いわカズマさん…痛いことはしないから…」
「何もしないで!本気で何もしないで!そして誰か助けて!!」
檻を掴んで激しく揺らす。
「うるさいぞ!何事だ!」
「助けて!ホモが、ホモが沢山迫ってくる!」
「…愛の形は、自由だぜ?アクア様も言ってた!」
衛兵、お前もアクシズ教かよ…
「でも、そうだよな!そんな男か女かわからないのと一緒は不安だよな…」
「良かった!アクシズ教でも話が分かるやつが…」
「こっち来いよ…俺は…ちゃんと男として男が好きだぜ!」キリッ
……詰んだ?!
「うぉぉ!!ふざけんな!ここで掘られる位ならやってやらぁ!」
「なるほど、カズマさんの心意気は分かりました!では私の穴からどうぞ!」
「やってやるってそうじゃねぇ!バカにしてんのか!」
「では私から!なぜか勧誘が出来ないので、奉仕だけでも頑張らせていただきます!」
お父さん、お母さん。僕は、大人の階段を踏み外して転落死しそうです!レジーナの誓約もこいつ等には無駄なのか?!こいつらどうしたら止まるんだよ!くそ!俺の嫁以外に神様なんて居なかったんだ!
「サトウカズマ。身元引受人が来ているぞ」
神は居た!ごめん!やっぱ居た!
「遅くなってごめんなさいね?」
「あぁ、良かったですカズマ…貞操は無事ですか?」
「ウォルバク!めぐみん!ありがとう!本当にありがとう!」
うちの新しい神は怠惰と爆裂の神でした。
「セレナが無罪になったのに、カズマが一向に帰ってこなくて心配しました。早く帰りましょう?ここはそろそろアクシズ教の巣になります。まぁ宿は戦地ですが…」
アクシズ教の巣?て言うか戦地?!と、そこに衛兵がアクシズ教らしき人を連れてきた。
「セレナが悪いんだ!アイツがアクア様を馬鹿にしたから!」
「そんな理由で強姦が許されるか!そもそもエリス様を暗黒神呼ばわりするお前らが言うな!拘置所で反省しろ!」
あ、セナさん…
「はぁ…セレスディナさんが、「カズマさんになら、嫌ではありませんでしたから…」などと言うので不起訴です……………この女ったらし」
おい。最後の小声聞こえたぞ。少しくらい嫌悪感を隠して!そしてセレナは、俺が程よく痛い目にあったと思って言い出したんだろうけどな!
「あの、それは出切れば早く知りたかったと言うか…早く出たかったと言いますか…」
俺の貞操が危なかったので
「セレスディナさんを狙うアクシズ教がとんでも無い数だったんです!今はダクネスさんが守って…身代わりになっていますが……ほら、お前もとっとと入れ!」
スゲーなセナさん…アクシズ教相手に引かない。そして、本当に危なかったなセレナ。何人連行されてる?お前の処女狙われすぎじゃね?
「ほら!勧誘に見せかけてくだらない妨害工作した公務執行妨害はこっちだ!」
いや、衛兵さん?多分それマジの勧誘です。
「ところでサトウカズマさん、先程ウォルバクと聞こえましたが、彼女は例の邪神と特徴が一致します。詳しい話を聞かせて貰えますね?」
「……はい」
まさかの第2ラウンドです。帰りたい…
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「あの…私の中のカズマさんの温度差が凄いんですが…」
ウォルバクは邪神の自分が死んだこと。そして、俺が命がけで女神として復活させたことを話した。何故か俺の死ぬな!を重点的に。
「貴女の真意を知るために命がけで?あの、どちらのカズマさんの話ですか?」
「え?そこのだけど?」
俺、信用ないな…
「あの…下心は?」
「ないです」チーン
………もう、やだこの装置。尋問相手が『沈黙』使ったらバレるもんね。うん、信用できる装置だよね!
「そうなんだ?今夜は私と寝る?」
あぁ、その提案に流されて癒やされたい。いつもお前が勝手に来る癖に。でも、腹に乗るのは辞めてくれ…もう猫じゃないんだから…普通に重いから…
「あぁ、師匠ずるいです!私も一緒に!」
「…この女ったらし…なんでこんなのがモテるんですか…」
聞こえてますよ。気持ちはすごく分かりますけど。
「しかし、めぐみんさんの冒険者カードに討伐履歴が残っていますので、邪神は討たれたと言うのは事実のようです。あとは新たに生まれた貴女に危険がないことを証明してくだされば、こちらとしても見なかった事に出来るのですが…」
「私の師匠が危険だと言うのですか!」
「あなたの師匠なら尚の事です!どれだけ爆裂禁止の看板を立てたと思っているんですか!?」
「そんな!ちゃんと看板には当ててませんよ?!」
「あの看板はそこピンポイントの話じゃありません!頭おかしいんですか?!」
おかしいですよ?あなた知ってるでしょ?
「私はカズマのモノ…それ位しか安全の担保は無いんだけれど…どうかしら?」
「貴方がカズマさんを籠絡している可能性も捨ててません。そのような理由で…」
「べ、別に籠絡とかされてねぇし?」チーン
……ごめん
「ほら!籠絡されてるじゃないですか!」
「何やってるんですか!いまのは格好良く信頼を証明するところですよ!どんだけ美人に弱いんですか!」
「ちゃんと保護責任は果たすから!それは本当だから!ウォルバクもなにか…」
「…籠絡…されてるんだ…私に…えへへ」
何こいつ?赤面してモジモジしてる。可愛い!
「……セナさん…この顔が、カズマの悲しむ事をすると思いますか?これで安全性の証明としてくれませんか?」
「そうですね…私も女です。邪神ウォルバクは死にました…冒険者カードは偽装できません。邪神ウォルバクは、女神ウォルバクとは別人と認めます」
セナさんは調書を破り捨てた。この人、やっばり根底は良い人だ…
「ありがとうございます。ウォルバクの事は、俺が責任もって面倒見ます」
「ねぇ?それいつまでの話?」
おい、本人が聞くなそれ。すげー長かったら困る。期間中になにかやらかしそう!
「セナさん、保護観察に期間ってあるんですか?」
「悪意はありませんし、あったとしても最長10年ですね」
「じゃあ、保護観察は10年だな」
「え……その先は?」
そんな寂しそうな顔すんなよ!保護観察の事だけしか言ってないだろ?!
「…側に居て欲しいって理由じゃ…駄目か?」
「仕方ないわねー♪」
耳をピコピコしながらニヤニヤすんな!可愛いけど俺が恥ずかしい!
「あの…もうさっさと帰ってくれます?あと、目の前でイチャイチャしないでくれます?」
はい、すみません!
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「カズマさんおかえり!いやー、信者の皆の愛を感じたわ!私が狙われただけであんなに集まるなんて…」
「ただいま…すまん。その話は後にしてくれ…すげー疲れた…あと、ダクネスは無事か?」
宿に戻るとアクアは上機嫌、あるえは執筆中、ダクネスはふてくされて、他は全員ダウンしていた…
「セレナが私に加護を使ったので、早々に退散していった…余計な事を…」
うん、コイツは本当にブレない!
「二人はこの惨状を抜けて良く来られたな…」
「光の屈折魔法で隠れながら、風魔法で飛んで逃げたわ!」
いや、本当に体力以外超優秀!
「でも、エリスが無事で良かったよ…良く狙われなかったな…」
「ゆんゆんさんが光の屈折魔法を使ってくれました…ウィズさんも限界近くまで屈折魔法維持のためにゆんゆんさんに魔力を…私はお二人に支援魔法を使ってましたので…」
なるほど、それで皆限界なのか…
「そうです!師匠、もういいですよね?」
「そうね…国から女神と認められたのだし…」
「では、私もお願いしようかな?」
「あ、私も!」
紅魔の3人娘がウォルバクの元に駆け寄る。
「では、あなた達へ私の祝福を」
あぁ、遂に女神としての活動を開始するのか…多分活動拠点は紅魔の里だな。
「皆ありがとう…私は、皆の誇れる女神になるわ…」
うん。大丈夫だろう。少なくともアクアより常識あって誠実だし…
「か、カズマ!これを見てください!」
「なんだよ?どんな加護なんだ?」
『怠惰の女神の加護:体脂肪が胸に優先的にいく。魔力のコントロール精度が上がる。』
怠惰の要素どこ?!
「よっしゃあぁぁぁ!!ありがとう師匠!ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」
「どういう事なの…私魔法の師匠なのに、魔法より感謝されてるんだけど…」
「ほら、頑張っても駄目なことってあるじゃん…」
しかし、あるえとゆんゆんもか…あれ?これは将来がやばいんじゃ?!
「私は…今…女神を辞めれば…」
「エリスはやめて?宗教戦争起こるから…」
本当に、胸の話はタブーだな…
「ねぇ?そんな事よりこの宿ボロボロなんですけど…何処かで部屋を取れないのかしら?」
「犯人はお前の信者だろ?!」
アクアの提案はもっともだ。しかし、既に夜。流石に部屋は…
「あ、あるわ。部屋ありそうな所」
_______________________
「えぇ、アクア様なら喜んで!」
アクシズ教会本部、そこに居たのはセシリーだけ…
「ねぇ?なんでゼスタとか居ないの?」
「お勤め中です。まぁ、よくある事ですから!」
良くあったら駄目だろ…
「すみません…異教徒の私まで…」
「いえいえ、アクア様の後輩ですし暗黒神と言ったのに許して貰ってるようなので…あの、本当にすみませんでした」
多分、セナさんの一斉検挙に遭遇したんだろうな…
「セレナ…あなたのボロい部屋は物置に戻しました。代わりにゼスタ様の部屋へどうぞ」
「良いのかよ?そんなに良い部屋…」
いや、元の物置がおかしいだろ…
「良いのです…残り香を楽しむことでしょう…」
「やっぱり物置でいい!」
やっぱりゼスタはレベルが高い。
________________
「で、こう言う感じか…」
客室を何人かで使う形で決着。いや、俺だけ一人部屋だけど…男だしな。
トントン
「どうぞ?」
さて?エリスだろうか?それともウォルバクか?
「カズマさん、お願いがあるんですが…」
夜更けに何故かセシリーが訪ねてきた。え?もう嫌な予感する!
「あの、聖堂に来てくれますか?そこで待ってる人が居るんです」
「あぁ、分かった…」
俺は、セシリーの真剣な顔に頭を下げた。
………………………………
「いや来なさいよ!」
「え?!嫌な予感しかしねぇだろ?!」
誰が行くか!俺は脅しには屈しない!
「行かないと体に「カズマのモノ」って書いて町中で服をはだけます!」
「お前マジか?!頭おかしいんじゃねぇの?!」
やっぱり屈した。
_____________________
真っ暗な聖堂、そこに見えるヒラヒラの聖堂服を着ている…
「アクアか、どうしたその格好?」
「似合うかしら?」
「おう、いつもそれで大人しくして酒を飲まなければ信仰心も湧くかもな?エリスには負けるけど」
「なによそれ?!服の感想は?」
まぁ、たまには素直に応えるか…
「可愛いよ。よく似合ってる」
「えへへ…そっか!まぁ、当然よね!」
可愛い。認めたくないけどやっぱりアクアは美人だよな…
「ねぇ、カズマさんこっち!」
俺の手を取り、アクアはヴァージンロードを歩く。そう言えば、約束したよな…この街で式をするって…
「どうしたんだよ?こんなところに連れてきて」
アクアは俺の前に立つと、バレエダンサーのようにクルクルと周り、見覚えのある紙をばら撒いた。それは転生特典の書かれたものだ。
「カズマさん、貴方に特典を選ばせてあげるわ!誰にも負けない魔法、最強の剣、この世界に唯一無二のものを!」
あぁ、それが望みならやり直そう。俺だって鬼じゃない。だから紙には見向きもしない。
「水の女神は、特典になりますか?」
俺はやっぱりアクアが好きだ。いつも一緒にいて、何度もイライラして、それでもコイツと沢山笑った。今更返品なんて考えられない。
「はい…貴方が心から望むなら!」
俺はアクアを抱き寄せ、自然と唇を重ねた。俺達に下手な言葉は必要ない。と言うか喋るとボロが出るので、きっとこの方が良い。
「これで私もカズマさんのモノよね!」
「お前は最初から俺のものだろ?そう言う契約でこの世界に来たんだからな?」
「そっか、えへへ。実は一番乗りだったのね!」
まぁ、お前は最初泣いてたけどな。
「ねぇ…このままお持ち帰りしてくれる?」
「しょうがねぇな」
アクアを抱き上げ……
「待ってください!それ神事用の服なのでエッチな事には使わないでください!あと、その紙はちゃんと片付けてください!」
おい、セシリー何処から出てきた?
「おい!今日はアクアが主役だろ!それくらい許してやれ!」
ダクネスも居るじゃん…
「先輩、勝手に進行するから神父役必要なかったじゃないですか…」
「うふふ、アクアにプランニングとか、そんなの無理よ」
皆いる!なにこれ準備してたの?!
「おい、俺達の関係って…なんかいつもこんな感じじゃないか?」
「…なんかもう馴れたわ」
よし、寝よう!もう寝よう!でも、折角だし…
「アクア、着替えたら…久々に俺の部屋で寝るか?」
「…エッチするの?」
おい、人前で聞くことかよ…
「お前が望まないならそんなことしない」
「ふふ、私はそんなに安い女じゃないの!一緒にいてあげるだけで感謝なさい!」
まぁ、今日は疲れたし、普通にアクアを抱きしめて寝るとしよう。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
あ、セレナもズル賢いけど基本的にポンコツです。
慈悲はないです。