※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

何気なく頂いたネタへの感想を更にネタにしたら、二部編成になりました。

お暇な時にでもお付き合いください。


番外編、この暇な神々の日常を。後編

神々の世界。そこにもショッピングモールがあり、ナウでヤングな私のような天使は、休日のショッピングを楽しむことが出来ます。

 

「ふむ…日本から仕入れているので割高ですが、カップ麺が手に入るのはありがたいですね。コンビニより安いですし」

 

こういう時にたっぷり買って、休日には手抜…贅沢なラーメンライフです。

 

「女子の休日って言うのは、もっとこう華やかなもんだと思っていたが…俺の周りはなんか違うんだな…」

 

「いきなり小言ですが武神様?そんなの個人の勝手ですよ?」

 

「別に駄目とは言わねぇけどよ…ボランティアに精を出す女神と、酒を飲んだくれる女神と、カップ麺を買い溜める天使か…凄い極端だなお前ら…あと、ラ王持ってドヤ顔すんな。別にそれはオシャレ食じゃない」

 

なんですと?!ラ王が違う?!

 

「休日は魂の休息をするものです。これがあるべき形で…」

 

しかし、休日にしては人が少ないような…

 

「もし、お前がベルゼルグ王国創立記念日を言っているとしたら、それは天界には適用されないし、有給は受けていないが…」

 

やっべー、これはあれです。無断欠勤って奴です。いや、私はいま密命を受けている。それを理由にすれば…

 

「武神様の密命を遂行するため、実は人を追ってまして!」

 

「ほう、お前も掴んだか…意外とこういう仕事には向いてるのかもな!」

 

「え?まじっすか?」

 

あっ…やっべーです。墓穴を…

 

「…はぁ、今回だけだぞ?」

 

やったぁー!イケメン!武神様マジイケメン!

 

「…私、たまに武神様になら抱かれても良いなって思いますよ?」

 

「……やっぱ始末書にするか?」

 

「えぇ?!最高の褒め言葉ですよ!」

 

乙女の純情がひどい扱いです!

 

「そんなもので籠絡されると思われているのは心外だ!」

 

「そんなもの?!天使の柔肌は最高だって猫神様にも言われるんですよ!」

 

「たまにお前の腹の上で寝てる奴じゃねぇか!それ体脂肪の話で結局は不摂生だろ!ラーメンばっかり食いやがって!」

 

くっ!なんて鋭い!面倒な相手です!おっ、アレは…

 

「しっ!武神様…悪ふざけはここまでです!北欧の代表格が居ますよ」

 

多分あの人です!だってショッピングモールに来る訳無いですもん!まぁ、武神様も相当浮いてますけどね!

 

「お、お前わかってたんじゃないか…そうだ。アレが今回のターゲット…北欧の偉い人だ」

 

さすが武神様…この作品カテゴリー的に怒られると悟って、名前を伏せましたね!いい判断です!

 

「どうにも、エリスの世界に刺客を送る算段をしているらしい…しかも、あの太陽神と協力してな…」

 

思ったより大事だ…どうしよう…始末書覚悟で逃げてしまいましょうか…

 

「そこで、今回はその二人の会合に忍び込む。ショッピングモールの最上階にある。異様にお高い店が会合場所だ」

 

「あの、庶民には高いけど金持ちの店カテゴリーには入りそうにない、あの?!」

 

「そうだ!いまいち狙い所が小金持ち位にしか思えないあの店だ!」

 

なんで?!

 

「あの人達って、超絶お金持ちじゃないんですか?」

 

「一流店は誰かしら神々が取り仕切っているからな…会合には向かない。しかも、あの二人が出揃うなんて普通にありえんだろ?同じ店で見かけられたら即話題になる」

 

なるほど、それでギリギリプライバシーは守るけど、人が沢山いてもバレないようなお店に…

 

「と言う事で、これで頼むぞ」

 

え?この服?!マジですか?!

__________________

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

「予約のヴォーダン。後から連れが来る」

 

マジかー!潜入捜査って今度は店員としてかー!て言うか偽名使い慣れてんな北欧の偉い人!

 

「はーい!奥の個室です。おタバコは?」

 

「吸わない」

 

「ご案内しまーす!」

 

いや、まぁ私の顔なんて覚えている訳ないですからね。ある意味では正解ですけど…

 

「凄いなお前…客商売向いてるぞ」

 

武神様は他の客に紛れ込んで食事して待機です。ヤバかったら大声を出します。

 

「こんなもん。愛想よくしていればいいんですよ。後はマニュアル通りです」

 

と言うか、マニュアル以上を求めると失敗するんですよ。

 

「いや、中々そうはいかんだろう…相手はあの神だぞ?」

 

「緊張も何も、私には等しくお客様は金づるです」

 

「それを厚い面の皮で覆ってるのか…怖いな女って…」

 

「男だって、滾る性欲を隠して女に迫るじゃないですか?」

 

「流石に別人格はプロだろ?!」

 

そう言うものですかね?

 

「すみませーん」

 

「はーい!今すぐに!…武神様、また後で!」

 

……………………

「いらっしゃいませー!」

 

「すみません。先に連れの者が来ていると思うのですが…」

 

来たよ…太陽神だよ!知ってるよ顔が鳥だもん!他のジャンルには居ないからそのパターン!普通の服着ててもわかりますから!

 

「おー、太陽!こっちだこっち!」

 

呼び方それ?!

 

「なんだよ。予約の名前教えてくれよ!」

 

「すまんすまん!流石に本名では不味いと思ってな!」

 

いや、太陽神来てる段階で相当にざわざわしてますよ?

 

………………………………

「ご、ご注文をどうぞー」

 

「鶏鍋2人前」

 

北欧の人?!正気ですか!目の前に鳥の顔した人居ますよ?!

 

「焼き鳥盛り合わせも2人前」

 

あなたは共食いですか?!

 

「はーい!かしこまりました!」

 

よく耐えた私…ツッコミも笑いもしなかった自分を心から褒めたい!おかしいでしょこのチョイス!

 

「ふむ、待て!」

 

「はいぃ!」

 

ヤバい!徹底しすぎてバレましたか?!

 

「危ない…おかしいとは思ったんだ。なぁ店員よ…今の注文を聞いて何も思わなかったか?」

 

「な、なにがでしょうか?!」

 

バレた?普通なら突っ込むんですか?!流石に突っ込めませんよ太陽神と北欧代表には!

 

「ジョッキで生を2つ!つまみだけあっても困るよな!!」

 

「そ、そうですよね!よろこんでー!」

 

あっぶね…良かった…

…………………………

「それで、やはり状況は芳しくないか?」

 

「あぁ。だが、それで我々が行動しようにも、あの諜報技術…観測魔法は我々には無い技術だ。内通者からの録画では刻一刻と変化する状況には付いていけない」

 

マジだー!これは本気でなんか考えてる!

 

「いっそ、情報開示の要求も視野に入れたい…」

 

「しかし、それには我々の立ち位置を明確にする必要がある。我々が女神エリスの敵となることをな…」

 

ビンゴだー!これは武神様が懸念していた件に違いありません!可能な限り情報を…

 

「しかし、まずは生をお替りしよう。店員さーん!」

 

「あ、はーい!」

 

「え?近くないか?!」

 

しまったぁ!盗み聞きしてたの忘れてたぁ!

_______________________

 

バレたので、個室で正座ナウ…大声出すべきでしょうか…

 

「我々に気付き、サインでも貰おうとスタンバイしていたか?」

 

「そ、そうです!」

 

お二人が有名で良かった!あと、私が無名で良かった!

 

「ならば言えば良い。サインくらい対応しよう」

 

「いや待て!この天使に私は見覚えがあるぞ!」

 

「ん?そう言われると確かに…どこかで…」

 

やばーい!どこに接点が?!

 

「あぁ!バ○テトが自慢してた腹がプニプニベッドの天使!写メで見た!」

 

「おぉ!フレ○ヤの猫が懐いているあの天使だ!私も写メで見た!」

 

猫おぉ!そして腹ぁ!痩せます!生き残れたら痩せます!

 

「しかし、エリス神の腹心がこんな所に居るとは…好都合だ!」

 

「わ、私を人質にしても!絶対に誰も要求は飲みませんよ!たとえ簡単な要求でもね!」

 

言ってて泣けますけど!

 

「いや、切ないなお前…そもそも、我らはそんなことはしないぞ?」

 

「そうそう、地球の方が発展してるし。欲しいもんなんて無いよな?」

 

あれー?じゃあ何でしょう…

________________

 

「なーんだ!同士でしたか!」

 

聞けばお二人共カズマ様TV(天界ビデオ)の視聴者とのこと。なんてグローバルな番組(盗撮)でしょう!

 

「いや、ダクネス嬢を推している我々は、同士とは違うのではないか?」

 

私もビールを頂きながら、和気あいあいと話しています。もう誰が推しかなんて関係ありません!

 

「良いんですよ!あのパーティーは誰か欠けるとカズマ様がそこにフォローしに行くんですから!全員仲良しじゃないと不成立なんですよ!」

 

「そうなのか?!なんて厄介な恋愛ドキュメンタリーだ…」

 

あぁ、昼からのビール美味しいです!毎日こんな仕事がいい!

 

「そう言えば、お二人はなんでダクネス様を?」

 

「我らは北欧の神だぞ?戦士こそ誇りだ。男より前に出るなんて、正しく戦女神ではないか!」

 

ほう!その価値観であれぱダクネス様は相当モテますね。

 

「砂漠に住む我らは豊饒を重んじる。豊かな身体と、溢れる生気。家柄も申し分ない。まさに繁栄を重んじる我々には理想的だろう?」

 

なるほど!その方向もいいですね。まぁ分かった事は1つです!

 

「お二人は恋愛とか無理そうですね!」

 

「「くっ!手厳しい!!」」

__________________

 

そして、彼らの作戦決行日…

 

「すまない。詳しく聞けば俺が干渉した事になるからと、お前だけを敵地に…最初はアルコール臭くて始末書だと思ったが、まさかこんな入り込んでいるとは…」

 

潜入捜査と武神様には伝えました。有給の残りが少ないので!

 

「いえ、私など殺すだけの価値も無いと判断される下っ端です。私にはさほどの危険はありませんよ…では、行ってきます」

 

手土産に監視用水晶を持って!

………………………………………………

「良く来たな異郷の同士よ!」

 

「歓迎しよう!我らの作戦は汝の恩恵にかかっている!」

 

あぁ、癖になりそうです。このチヤホヤ感!

 

「ふふふ、これがカズマ様とダクネス様を追跡する監視水晶です!まぁ自宅内は見えませんが…」

 

「「「おおぉ!!」」」

 

これは体液とか使って追跡する魔道具なので、天界でも私しか用意できません。えっ?結構出回ってる?…窓の鍵をかけないカズマ様たちが悪いんですよ?あと、皆さんがいい値段を付けるのも悪いです!

 

「よし!これでリアルタイムに状況が追える!ダクネス嬢、ラブラブ大作戦!ついに始動だ!」

 

作戦名可愛い!それ誰が考えたんですか?!

…………………………………………

「後は、小麦粉だな…にしても重い」

 

「そっちも持つか?」

 

「いいよ…ダクネスにばっかり持たせるのは悪いだろ?俺より力があろうと女だからな?」

 

「…カズマ」

 

いいですね。決行日は食材の買出し日、お米と小麦粉を買うときはこの二人です。私が情報を渡しました!

 

「よし!バス○ト誘導部隊いけ!」

 

「なー」「なー」「なー?」

 

子猫?!これは愛猫家のカズマ様には堪らないチョイス…なんて手口。よく調べている。馬鹿なバレーボールとは違います!

 

「ダクネス?ちょっと休憩しよう!」

 

「仕方ないな…私にも撫でさせてくれよ?」

 

かかった!これはかかりましたよ!

 

「路地裏に誘導完了!今ならいけます!」

 

「良し!実行部隊!いけ!」

 

実行部隊?何をするんでしょう?

 

「あら、貴方も猫が好きなの?」

 

凄い美女がセクシーな衣装で来た!北欧のあの方ですよね?!

 

「ひゃい!そうです!」

 

うわぁ…カズマ様は本当に美人に弱い…

 

「あの、この作戦はどう言う…」

 

「うちの綺麗所を使ってダクネス嬢に嫉妬をさせる!そして、即座に宿屋だ!なんなら、3人でしちゃっても可!」

 

安直過ぎる!そして奔放過ぎませんか?!本来なら鼻で笑うような作戦です!……ですがあれ程の美人が居たらこれは有効かも……

 

「あら…カズマ様じゃないですか?英雄の…」

 

なんて甘い呼びかけ!これはもう誘っている!二回戦目をおねだりする時エリス様の甘え声のよう!あれ?カズマさんの目が急激に冷めた感じに…

 

「…おいダクネス。お前知り合いか?」

 

「いや、知らないな」

 

「この街にこんな美人が来れば直ぐに話題になるが、まだ耳に入ってない。それで、肖像画も全然出回ってない不人気の俺を初見で特定…どうやって調べた?」

 

…美人で酷い目に会いすぎて屈折してる!

 

「え?!いやその…実は王都で貴方に救われた者の一人です!こっそり会いに来たんですが…ご迷惑でしたか?」

 

何となく知ってる単語と上目遣いで誤魔化すつもりだ!ザルだ!美貌だけでどうにでもなる人って作戦が雑です!

 

「ダクネス…ありえると思うか?」

 

「いや、これほどの美人が王都に広まらない筈がない。人ではないか…そういう事に使う為に秘蔵としていた人員か…アクシズ教か…」

 

これには北欧の偉い人も苦笑い。

 

「なぁ?あいつ異様に疑い深くない?何があったの?」

 

「色々…としか…」

 

主に魔王軍幹部の女性陣と、アクシズ教のせいです。美女に関わると大抵はろくな目にあってませんから……

 

「……『バインド』!」

 

シュバッ

「ちょっと、なにするのよ!」

 

おお、流石は戦える女神!軽やかです。

 

「やっぱりプロだぞ!非戦闘員があっさりかわせるか?!」

 

まぁ、そうですよね。そこですよね。

 

「駄目だ下がれ!もう完全に敵認定だ!プランBに切り替えるぞ!」

 

「敵じゃないから!ちょっと迫ったけど敵じゃないから!」

 

「うるせぇ!そんなもん誰が信じるか!!」

 

その後、女神様の逃走劇はまぁまぁ続いた。

…………………………………………

「おつかれ…」

 

「なんなの!あれ本当に最弱の英雄なの?!アサシンを何人も相手にしてるみたいだったわよ?!攻撃が全く当たらないし!て言うかなんで魅了が効かないのよ!」

 

お疲れさまです。あの人はステータス以外の部分が色々やばいんです。あと、常時エリス様に魅了されてます。

 

「では、太陽神の指揮によりプランB!北風と太陽作戦を決行する!」

 

あぁ、それはオチが見えます。

 

………………………………

 

「なんでだぁー!」

 

わぁ、太陽神がガチ凹み。

 

「暑い!鎧が焼け付きそうだ!しかし、それがたまらん!!」

 

「ダクネス、そこは無理せず脱げよ…」

 

「なら北風だ!冷やせ!」

 

「あぁ!汗が冷えて…これも…良い!!」

 

「風邪引くから着替えろよ…」

 

はい。分かりきってたのでダイジェストでお送りしました。

 

「駄目だ!全部裏目に出る!」

 

「えぇ、ダクネス様ですからね…せっかくです!ここで私が実力をお見せしましょう!」

 

お膳立ては出来た。私が狙うべきは…

 

「ここで雨です!小麦粉を駄目にする程度の雨を降らせるのです!」

 

「小麦粉?!わ、わかった!やってみる!」

 

あの二人は無駄にタフなのと、無駄に器用で危機回避が出来る。しかし!弱点も明確!

 

「おい!雨は不味い!食材が痛む!」

 

「わかった!雨宿りをしよう!」

 

そして、そこには宿です。この雨を継続すれば、二人はご休憩するしかない!多分!

 

「天使殿?普通に宿の軒下で休んでいるが…」

 

「ふふ、いいのですよ。これでダクネス様が動きます!」

 

「おお!大胆になるのか?!」

 

「いえ?乙女になります」

 

「は?」

 

さぁ!気付け!気付けぇ!!

 

「か、カズマ…その…さっき激しく汗をかいただろう?」

 

来た!これだ!

 

「ん?そうだな?不審者を追ったり、突然の猛暑といい、凄かったもんな…」

 

「わ、私は汗臭く無いだろうか…」

 

「んー?少しだけ汗の匂いがする」

 

そう!ダクネス様を騎士モードから乙女モードにするのは、常にカズマ様なのです!と言うか、ダクネス様を乙女にする方法は簡単です!人目がない状態で1m以内に置いておけば勝手に何かしら意識します!乙女です!

 

「不快だろ?私は濡れるのを覚悟で先に…」

 

「いや、俺も汗かいたし、だったら宿で風呂を借りようぜ?それくらいの甲斐性は見せるよ」

 

「天使殿…貴女は天才だ!」

 

「ふふふ、そうでしょうとも!」

 

貴方達が致命的に恋愛に向いてないだけですが!気分がいいので黙ってます!

 

「でも、ダクネスの汗の匂いってさ…凄く色っぽくて…抱いてる時を思い出すよ…」

 

「あ、アレはカズマが沢山虐めるから…あ、汗を流すんだろ?」

 

「どうせ入るなら、もっと汗をかいてからが良い。ダクネスは、嫌なのか?」

 

「…嫌じゃない」

 

今日も勝ち!

 

「「「スコール!!」」」

 

これ、北欧の乾杯らしいですよ!いやー見事に成功しました!ビールが美味いです!あ、エールでしたっけ?

 

「後は子宝に恵まれる事を祈るばかりだな!」

 

「まぁ、そこは気長にですよ!皆様の貢献でダクネス様は幸せです!まぁ、ちょっとエリス様を裏切った感はありますが!」

 

「大丈夫だろう!彼女はエリス様の親友というではないか!」

 

「そうだぞ!お前が裏切ったのは俺だけだ!」

 

……武神様?!

 

「カズマ様の幸福は私の業務とか言ったらしいな?それで宴会か?」

 

怒ってますね!

 

「な、なんでバレたんですか?!」

 

「普通にお前の出張申請をそこのお偉い二人から頂いたわ!宴会参加(来賓)ってなんだ!!」

 

「ご、ごめんなさいー!」ガシッ

 

コレはアレです。強制送還って奴です。強制なので抵抗は…あぁ!皆さん手を振らないで!現実に帰りたくない!

_____________________

 

翌日です。昨晩は2時間も説教されました!起きたら2時間たってたので、多分2時間です!

 

「俺は全く納得していないが…何故か例のお偉い二人から業務依頼書と感謝状が来たので、お前さんの今回の件はお咎め無しだ。なんでだよ…」

 

「やったー!やはり偉い人は分かってます!」

 

手を振られたときは「共食い」ってタイトルで2人の密会をSNSにあげようかと思いましたが、辞めます!

 

「しかし!今回の件は流石に事前申請もなく飲酒もあったからな!しっかり仕事で挽回しろよ?」

 

「はい!名誉挽回させて貰います!」

 

「…汚名返上にしておけ…お前に名誉があったこと…いや、アンデッド騒動の時にカズマに魔力を渡してたな…」

 

ちゃんと部下を見てる!素敵!私をもっと見て!

 

「その割に汚名が多過ぎたか…」

 

見ないで!やっぱり見ないで!私、見られているだけ不利になりますから!

 

「でも、私は降臨申請に興味深いモノを見つけましたよ?」

 

先日、私も緊急時に土下座する為に降臨する事前準備だけはしていたのですが、その際に他の女神の事前申請を見つけたのです。

 

「織物の女神…エリスの所に女神の服を持っていくんじゃないのか?」

 

「いえ、戻ってくる事が多いエリス様は、部屋に置いておけば何とでもなります。問題は運ぶ荷物です」

 

そこには衣類一箱と書かれている。手荷物なら申請は不要。つまり相当な量であるはず!

 

「確かに…人界に持っていく量としては異様だな…」

 

「ですよね!じゃあ、行ってきます!」

 

「おいこら!これ別に危ない件じゃねぇだろ!」

 

聞こえない振り!!

_________________

 

「あの…天使ちゃん?」

 

「きちゃった♪」

 

面倒ですし、この人は危なくないので突撃します!

 

「へへへ!私は武神様の密命であの世界に干渉する危険分子を監視しています!何ですかそのでかい箱は!」

 

「うぅ!普段は信用で通っていたのにどうして…貴女それを理由にこっち来たかっただけでしょ?」

 

「…そうですよ?」

 

「素直!そう言う所は評価します!」

 

この人って基本的に甘くて良い人だから好きです。

 

「しかし、衣類が多すぎませんか?どんだけ作ったんです?」

 

「女神はイメージがあるから勝手な服は着られない…でも私は織物の女神!これを作ることが生き甲斐!でも…誰も着てくれない服になんの価値が!」

 

「それなら私に下さいよ。上質な服がタダだったら、天使の皆は欲しいと思いますよ?」

 

「……ちょっとこれ着てみて?」

 

手渡されたのは、まるで女優が着るような洋服。これは庶民が着たら駄目なのでは…

 

「こ、こんな感じですか?」

 

落ち着かない…これは貰っても持て余す…

 

「…失格!」

 

「そんな!」

 

「服を着るのよ!着られてどうするの!」

 

えぇ…なんて面倒な人!

 

「ひょっとして…これでオッケーじゃないと貰えないんですか?!」

 

「当たり前でしょ!貴女はたこ焼きをナイフとフォークで食べるの?そんなの滑稽よ!」

 

例えが分かり難いうえに辛口過ぎます!着こなせる娘居るんですか?!

 

「あの、それじゃ今までは?」

 

「前はスタイル抜群で堂々としているからって余ったらウォルバクに着せてたけど…あの子はTPOをガン無視するから…」

 

余程変な服じゃないと、着心地しか気にしないですよね…あの人。

 

「胸元が開いたドレスで子供裁縫教室の助手をしたのよ?!服に合わせた立ち振舞とかあるでしょ!分かる?!」

 

それは子供も親御さんも目のやり場に困りますね…

 

「では…メイド服を着たらメイドっぽく振る舞えばいいのですか?」

 

「まぁ、それも良いけど…文化祭でメイド服を着せられて、それを片思い中の先輩に見られて恥じる女子高生でも、私は全然オッケーよ?その服が生きれば!」

 

何この人、実はヤバいのかな…

 

「まぁ、私の服には着た人間にも多少の影響を与えるから、そうなりたい人にあげたいのよね…」

 

「はぁ、変わりたい女の子なら候補が居ますけど…」

 

「天使ちゃん!よく来たわね!早速案内して!」

 

手のひらクルクル~。

…………………………………

 

「こ、これを着たら友達が沢山居る自分に…」

 

ゆんゆんさんに、一着進呈。クラスで友達めっちゃ多いイケイケ女子の服を渡しました。なにその服の名前。

 

「あぁ!なんか友達を自然に誘えそうです!」

 

「いま、貴女は服の力で友達を作る力が増幅されています!さぁ、行きなさい!友達を誘うのです!」

 

その服を怪しいと思わないのがこの二人の凄いところです。

 

「あ、ありがとうございます!優秀すぎるのに見習いの服職人さん!」

 

その称号も疑いなさいよ…

 

「うん!貴女も友達の単語を出してから素直過ぎて心配になるけど、頑張ってね!」

 

……………………

「あ、リーンさん、キースさん。ちょうど今少し時間あるんですけど、一緒にサクッと蛙とか狩りに行きませんか?」

 

「どうしたのゆんゆん?!何もテンパってないし気さくすぎるよ!悪いもの食べたの?!」

 

「えっ、違うんです!いまは友達が多い感じで…」

 

「罰ゲームなのか?!誰にやらされてる?!俺がとっ捕まえて説教してやるよ!」

 

「ち、違うんですー!」

…………………………………

友達、居るじゃないですか…服は無駄になりそうですけど…

 

「…これは、陰キャが背伸びしちゃって高校デビューした感じか…有りね!」

 

「実は結構雑食ですよね織物の女神様って…あの娘の友達に面白いのが居ますが、そっちにも行きます?」

 

「いきます!」

 

ノリノリですね。

__________________

 

「おねえちゃん!」

 

「あ、あるえ?!どうしたのですかいきなり!」

 

あるえ様って、めぐみん様の妹でしたっけ?

 

「なんか、お姉ちゃんに会いたいって悪魔に頼んだらこうなった!」

 

「何してるんですかこめっこ?!あるえの意識は無事なんですか?!」

 

「分かんない。多分大丈夫!」

 

えぇ、大事件に遭遇しましたよ!

 

「あぁ、エリスは?!アクアは?!なんでこんなタイミングで!」

 

慌ててます!めぐみん様が慌ててます!

 

「わ、私が何とかしますか?!」

 

「そ、そうですね!悪魔の力が元なら…織物の女神様の神格で!」

 

「ぷっ…ふふ、嘘だよめぐみん。いやー、実の姉を騙せるとは、私の演技も更に磨きがかかったんじゃないかな!」

 

「なっ?!こめっこは本気でやりそうなんですから!そう言う冗談は心臓に悪いですよ!」

 

あれ、どうしましょう。グーで行きたいです。ほら、織物の女神様も震えて…

 

「…あるえちゃんと言いましたね?あの娘は逸材ではないですか!」

 

何言ってんだこの人…

 

「あの子の演技力!もはやなり切っているを超えて自分さえ騙しています!」

 

「それはやべー奴と言う感想しか私には出てこないのですが…」

 

「何を言いますか!彼女のようなタイプは、私の服を着れば何にでもなれます!正しく変身ヒロイン!」

 

「あぁ、なんか倖田○未がハニーフラッシュしてたような?」

 

「……前川○子ですよね?」

 

おや、これは…

 

「…歳がバレるのでやめましょうか!」

 

「そ、そうね!」

 

地雷は何処にでもあります。

___________________

 

「そこ行く紅魔族よ!」

 

織物の女神様が話し掛けたのは人通りの少ない路地。そこで私は物陰で人避けの結界を展開します。いや、犯罪感すごいですね!

 

「何かな?後ろから見て紅魔族と解るなんて…つけていたのかい?」

 

おぉ!素晴らしい頭の回転です。やはりあるえ様は出来る女ですね!

 

「そんなローブを付けるのは、紅魔族しか居ません。何故か全員が同じ織り方、同じデザイン。裁縫の癖まで同じですから…」

 

それはそれで、やべぇ奴だと思われませんか?!

 

「ほぅ…只者ではないようだ。あなたは?」

 

「私はしがない魔法の服職人…この服を貴方に着て欲しくてやってきました」

 

怪しい!もう職業から怪しい!

 

「なるほど、それは実に興味深い…」

 

いや、怪しみなさいよ!頭おかしいんですか?!あ、そう言う種族でした…

 

「これを胸に当てて、リボンを解けば魔法少女に変身できます!」

 

いや、既に魔法少女ですよ。あるえ様。

 

「なんだいそれ!」

 

食いついた!馬鹿なのですか?普通なら受け取りませんよ?!

 

「そう、その向きで胸の真ん中よ?」

 

「えっと…変身!」

 

シュルシュル

絡みつくみたいに布が体を覆って開く!なんですかそれ!裁縫だけでそれ可能ですか!?

 

「おお!これが私?!これは間違いなく魔法少女だ!」

 

なんか、フリフリのドレスになりましたね。繰り返しですが、貴女は元々魔法少女です!

 

「ふふ、やはり私の目に狂いは無かった!貴女はちゃんと「変身」と「これが私」と言いましたね!これですよ!私が求めていたのは!」

 

神様は、何かを極限まで極めた存在であり、その結果大抵はイカれているって、誰かが言ってました。本当に、私は上司に恵まれたと思います!

 

「あるえさん。実は私は織物の女神…この服を着こなせる人を探していたのです」

 

「ふ、やはりそうか。そんな気はしてたんだ」

 

「流石ですね…なにか感じるものがあったんですね…」

 

え?マジですか?!感じるものありました?!

 

「…膨大すぎる魔力に、奇抜過ぎる服。悪魔だとエリス様かアクアさんが駆け付けるから、消去法で言うなら神様だよね?」

 

「え、そんな普通の理由…」

 

これは恥ずかしい!

 

「まぁ、それは置いておいて!ここには私が作った服が沢山入っているので、是非これを貰ってください!」

 

コスプレにしか見えない服を取り出しましたよ!そりゃそうですよね!普通の服なら着こなせる人は天界にも居ますもんね!

 

「こ、これは流石に…」

 

「大丈夫!貴女なら着られる!着こなせる!」

 

いやそう言う問題では、日常でこれは…

 

「ローブに合わないよ…」

 

そこかー!流石だわ紅魔族!

 

「ローブは必須なの?それは外せないの?!」

 

「我らの正装だし、流石にこれは…」

 

これでは平行線です!と言うか、そのうち通報されますよ女神様。

 

「あ、織物の女神様じゃないですか!あるえも一緒か?」

 

カズマ様来ちゃったー!貴方には結界効かないんですか?!

 

「あ、カズマさん。この女神様が服をくれたんだけど…ローブに合わない服で困ってたんだよ。何か良い案は無いかな?」

 

「カズマ様!ローブより可愛さですよね!そう言ってあげてください!」

 

「困るよ!ローブは一族の誇りで…」

 

これは、カズマさんの言葉で紅魔のアイデンティティが崩れるのでは?!

 

「俺は普段の服の方が良いな…その、コスプレみたいなのはちょっと…」

 

「駄目なのですか!私の服は駄目なのですか?!」

 

「……エッチ過ぎて…困る」

 

おっと、なんで織物の女神様とあるえ様は見つめ合って…

 

ガシッ!

何か通じ合った!なんて良い笑顔で握手してんだ!

 

「ねぇカズマさん…やはり服は見られてこそだと思うんだ…」

 

「そ、それはそうかも知れないけど…俺だと、服の内側まで見たくなっちゃうような…」

 

そうですよね…性獣ですもんね!

 

「いいのですよカズマ様…女性を美しく魅せるのが服…そして…使用者の欲望を叶えるのもまた服!そい!」

 

あぁ!女神の力を使って何か…あれは学生服ですか?

 

「そして、早着替え!」シュポッ

 

あるえさんに着せた!どうやったんですかそれ!遅刻しそうな時に使いたいので後で聞きましょう!

 

「お、俺の通っていた高校のセーラー服…」

 

いや、通ってないでしょう。と言うか衣類に関する事なら何でも見通せる女神の目、初めて使ってるの見ました。

 

「私の力はここまで…後は、あるえ様…お願いします」

 

「あぁ!任せてくれ…」

 

あるえ様はカズマ様の腕に抱き着くと、耳元に顔を寄せて囁いた。

 

「先輩♪」

 

「んんっ!」

 

凄く効いてる!カズマさんの膝が笑っている!

 

「俺が、学生生活に…あこがれているだと?!」

 

「ふふ、じゃあ…先輩に勉強を教えて貰わないと保健体育を…じ・つ・ぎ・で♪」

 

「…すみません女神様!ちょっとあるえと急用を思い出しました!」

 

それ絶対に性教育じゃないですか!あぁ、近くの宿屋に…

 

「…天使ちゃん…残りの服をカズマさんの家に届けたら、もう帰りましょう」

 

「あの、なんか凄くやり遂げた顔をしてますが…」

 

「やり遂げたんです」

 

やだ、なんていい笑顔…

___________________

 

「結局、破壊神がどうこうって何だったんですかね?」

 

私が天界に戻ると、武神様は始末書を持って笑顔で出迎えてくれました。ハハッ…やっぱりそうなりますよね?

 

「結局分からず仕舞いだが…まぁお前のお陰で、謎の集会は大抵全容を把握できた。少なくとも、危険分子の集合は見られなかったのだし、始末書書いたら今日は休むと良い」

 

「あの、20枚もあるんですが…」

 

「……書いたら休むと良い」

 

「…はい」

 

明日は休日だし…帰りに一人カラオケでストレス発散してやる!

 

___________________

 

「We are fantastic dreamer!♪」

 

ふう……ひとりカラオケはストレス解消に効果的です。学術的な事は分かりませんが、アクア様に仕えている時にちゃんと仕事に来ていました。これだけで凄い効果です!

 

「はぁ、受付にあるドリンクバーとか面倒ですよね。コップ3個くらい使わせてくれれば…」

 

「よし!コールレスポンスの練習いくぞ!」

 

あぁ、隣に変な集団が居ますね。そう言うのって、誰がどこで決めてるんですか?

 

「ゆんゆん!」

 

「「ゆんゆん!」」

 

「ボッチ!」

 

「「かわいい!」」

 

いや…ゆんゆんってまさか人名じゃないですよね?フンフンとかルンルン的な…でも、ボッチって言ったもんな…

 

「ちょっと、覗きますか…」

 

カラオケでお互いの空気を壊してしまう行為、覗き込み。しかし、流石にその内容は余りに気にな…

 

「嘘でしょ…」

 

ゆんゆん様の顔が全面に印刷されたシャツに、紅魔のローブを真似たはっぴ…そして、半泣きのゆんゆん様が印刷されたうちわ…1番の問題は…

 

「破壊神様と、創造神様が…孤独の神のコールに合わせて踊っている…」

 

もうアレですよ。ゆんゆんさん、マジで平穏に生きて!多分、天界の命運は貴女にかかっています!

 

「友達!」

 

「「少ない!」」

 

「それでも絆は?」

 

「「めっちゃ強い!」」

 

なにこれ優しい!ボッチ可愛いと言いながら地味にフォローしてる!

 

「よし!今日はここまで!」

 

うん。これは私の胸に、そっとしまっておきましょう…誰かに言っても、誰も信じませんし…私の脳を心配されるだけですからね!

 

「…歌いますか!」

 

私は朝まで歌った。心の中のモヤモヤを晴らす為に…今のことを忘れる為に…心の平穏を取り戻すために…あぁ、来週仕事行きたくないなぁ!!(いつも行きたくない)




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

こんなアホなネタに最後まで付き合ってくださりありがとうございます。

暇つぶし感覚で今後ともお付き合いお願いします。
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