お待たせしてすみません!
久々、ここでクリス回です。
そろそろ、作者のエリスとクリス不足が深刻なんです!
あと、少しだけ作者の性癖も出ます。
春半ば、フラリとギルドを訪れたところ、偶然にもこのイベントに遭遇した。
「みなさ~ん!今年もキャベツの季節がやって来ましたよー!」
一応参加してみたものの、これに一喜一憂していた頃が懐かしい。これで稼げる金額なんて、即座に消し飛ぶ借金を何度も背負わされたからな…
「あ、カズマも来たんだ?」
「お?なんだクリスも来てたのか?別に金に困っている訳でも無いだろうに…」
「いやー、アタシも完全に忘れてたんだけど…カズマに借りた家具のお金。これで返そうと思って…なんなら、久々に勝負する?」
「そんなのあったな…今となっちゃ共有財産だし別に良いのに…でも、勝負は受けるよ!手は抜かないぜ?」
直接対決は紅魔の祭り事でやって以来だが、こう言うの、やっぱり嫌いじゃない。命の危険はゴメンだが、この荒くれ者の世界をなんとなく楽しむのは大歓迎だ。
「じゃあ、負けた方は勝った方の言う事を聞くって事で!先輩冒険者の力、見せてあげるよ!」
「良いぜ!あとで無しとか言うなよ!」
そして、俺達は互いに笑顔を向け。キャベツの群れの中に飛び込んだ。
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「ズルいよ!ねぇ、本当にカズマよりアタシのほうが幸運値高いのかなぁ…」
「悪いな…俺は愛する妻からも幸運を貰ってるんでね」
俺の隣でシュワシュワ片手に項垂れているクリス。お察しの通り、勝負は俺の勝ちで幕を閉じた。まぁ、確保したキャベツは全然クリスの方が多かったのだが、質の差と狙撃がキャベツの芯に当たる事が多くて査定勝ちだ。やはり、俺はエリスから貰ってる分、幸運値で有利なのかも知れない。あと、クリスが普通に運とか関係なくダガーで戦っていた事も要因な気がする。使えよ幸運判定のスキル。
「今回の査定額はカズマさんが街で1番、クリスさんは2番でした。本当にお二人共大活躍で、やはり幸運のごふ…コホンッ…パートナーは違いますね。それとこれ、カズマさん考案の塩キャベツと、ご依頼の揚げ物です」
「ありがとうございます」
ルナさんが持ってきた塩キャベツと薄いチップス。このチップスは例のドラゴンのウロコだ。例の如く神々のチートアイテムはこの世界の人には扱えないそうなので、もう食べることにした。
「にしても、買い手が付かないからって伝説のドラゴンを食べようって発想が凄いよね…パリッ…しかもちゃんと美味しいし…」
「日本人だからな!なんか不味いものでも、栄養あれば食いたくなるだろ?」
「ごめん。アタシは不味いものをあえて食べようとは思わないかな…カズマだって、この味出すのに苦労してたじゃん…」
「まぁ…それなりには…」
味は殆どしなかったので、コンソメ粉末を頑張って作った。これはポテチのフレーバーとしても売り出そう。ウィズがソフトクリームに入れようとしたらお仕置き(性的)してやる。
「でも、これ経験値だけは大量に詰まってるから勿体なくてさ。これでレベルでも上がったら……また二人で出来る事が色々と増えるだろ?」(小声)
「もう…魔王討伐はギリギリまで頑張らなかった癖に…こんなのばっかりヤル気出すんだから…」パリパリ
口では不満を漏らしているが、その表情は満更でもない。エリスもクリスも、覚えたての真っ盛りなのだから仕方ないのだ。まぁ、それに関しては俺もだが…
「そりゃあ、目の前に居るお相手が可愛くてたまらないからだぞ?」
「もう、エッチ…そう言うことはギルドで言わないでよ…思い出しちゃうじゃん…」
かわいい奴め!でも、ここでいきなりフ○ラしだしたのはクリスだよね?
「それで、カズマのお願いって何すればいいの?やっぱり、エッチなことなの?」
「まだ決めてないんだよなー。折角だし、一日一緒に行動して考えるよ」
「それなら…今日はデートする?」
「…する!」
と言う事で、今日はクリスの日となりました。
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「こんにちは」
「こ、こんにちは…」
最初にクリスにデートスポットを選ばせたら、まさかのエリス教会でした。俺、ここで宗教裁判されたから軽くトラウマなんだけど…
「クリスさんお久しぶりです。それにしても、まさかカズマ様が自分から来られるとは…」
そして、俺を裁判した司教がお出迎えだ。やばい。もう帰りたい…
「えぇ、最近は顔を出せて無かったので…」
「いえいえ、来て頂いていつも感謝しております。しかし、普段は朝の清掃に参加しているのに、昼前に来るとは珍しいですね。折角ですし、昼食でも食べていかれますか?」
「いえ、せっかくなんでカズマに教会の手伝いでもさせようかと!」
おい待て、聞いてない。
「あの、クリスさん?もういきなりデートじゃないんですけど?」
「二人で楽しいことを共有するのがデートでしょ?無垢な子供達と交流するのって、結構楽しいよ?それに、もっとエリス様のこと知って欲しいからさ…」
くっ!美人の上目遣いってズルイ!でも、俺に無垢な子供達が寄ってくるとは到底思えないんですけど!
「あ!お姉さん!」「本当だ!久しぶりに来てくれた!」「遊ぼう!あっちで遊ぼう!」「冒険の話が聞きたい!」「あ、なんか裁判にかけられてた人もいる…」
クリスに気付いた子供たちが、我先にとクリスの元に駆け寄ってくる。おかしい…俺が英雄になった時より人気じゃないか…そして、俺の方にはマジで一人も来ない…
「ごめんね?今日は先に、このお兄さんと皆のご飯を作るから…」
「えぇー!」「遊ぼうよー!」「お姉さん最近来てくれないもん!」
「あはは…実は来てたんだけどな…」(小声)
ふむ、傷跡をかいている。人気者には人気者の辛さがあるらしい。
「…しょうがねぇな、行ってこいよ。子供たちは久々にクリスと遊びたいんだろ?料理は俺がやっとくからさ」
「…ごめん、ありがとう。じゃあ皆、なにしようか!」
子供達と駆け出していくクリスを見送り、俺は教会の厨房へ…あれ?
「あの、司教さん…厨房は…」
「全く、あなたという人は…今後はもっと訪ねてきてください。ここは、貴方の奥様を祀る場所なんですから…」
嫌味の1つでも言われると思ったが、そんなことは無かった。渋々とはいえ、彼らも俺達の関係を認めてくれているらしい。
「そうですね…エリスのこと、もっと知らないと…」
「くっ、呼び捨て……やはり悔しいので、下手な食事を作ったら相応しく無いとデモを起こします!」
「それは流石に酷くないですか?!」
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「エリス様…本日の糧を与えてくださった事に感謝します」
「「「感謝します」」」
あぁ、やっぱりこれやるんだ。クリスが居心地悪そうにしてる。「私に感謝されてもなぁ…」って顔してる。
「本日はエリス様の旦那様であるカズマ様の作った食事です。皆さん、心して頂くのですよ?」
「司教さん、ハードルめっちゃ上げるじゃん…」
まぁ、カレーですし、そうそう不味くはならないと思うんですが…
「心配いらないよ。カズマのご飯は、いつも美味しいもん」
「うん。クリスが言うと、安心できるよ」
と言いつつ子供達に視線を向ける。やっぱり、子供達からも美味しいって言って欲しいが…
「兄ちゃんの料理スゲー美味いよ!」「これならご飯で世界を救えるよ!」「養子になりたい!」「クズ野菜を煮込んで取った出汁にスパイスを加えた料理…乱暴な香りの中にフルーツの奥深い甘みがある!」「エリス様のより美味しいかも!」
「そっかそっかぁ…おい、1人食レポしてたやつ誰だ?!お前何歳児だ?!」
クリスの言うとおり、子供たちは俺に感謝した後は一心不乱に料理に手を伸ばした。司教さんも、悔しそうにしながらおかわりの皿を差し出して来たので、今日は俺の完全勝利だったようだ。
……………………………
「じゃあね皆。また来るよ!」
「だな。次は他のメニューも考えておくよ!」
食事を終え、少しだけ子供たちと遊んで教会を後にする。以前のクリスは教会に泊まる事もあったそうだが、今日はデートなのでここまでだ。
「おにーさん…」
「「「「ありがとーございました!」」」」
なにこれ懐かしい小学生のノリ!
「悔しいですが…エリス様共々、今後とも教会をお願いいたします。そして、身勝手にもお二人を引き裂こうとしたこと、ここに深く謝罪致します」
そして、深々と頭を下げる司教。なんだろう。カレーのおかげなのだろうか?
「あ!別にカレーに惹かれた訳ではありませんよ!大変美味でしたが!決して!」
わぁ必死。でも、認めて貰えたのは素直に嬉しい。カレーなんて安いもんだし!
「分かりました。またカレーは作りに来ます。なんなら、レシピを譲らせて貰いますよ」
「…エリス様は、やはり素晴らしい殿方と結ばれたようです!」
いや、やっぱりカレーだったわ!この人は信仰心大丈夫か?
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「へぇ、カズマがこういう所に行きたいって言うとは思わなかったな…」
教会を後にして、俺が向かったのはブティックだ。俺も現代の知識を提供し、結構な品揃えに貢献した。しかし、提供したのは制作方法やデザインだけで、まだ店に入った事は無い。
「普通さ、女の子の服選びって男からしたら長くて嫌じゃないの?」
「うん、親戚の女の子の荷物持ちとか拷問だった」
何でも、好きでもない女の買い物に付き合うと、暴動鎮圧する軍隊と同じストレスを感じるとか聞いたことがある。しかし!それは楽しみ方を知らない愚かな男どもの失敗に過ぎない!
「ねぇカズマ?アタシの為に無理しなくて良いんだよ?別にそこまでお洒落にこだわるタイプでもないからさ?」
「いや、良いんだ…俺が楽しむパーフェクトなプランが進行してるからな!」
と言う事で、クリスの手を引いていざ入店!
……………………………
「えぇ、実にお似合いです!」
「でしょ!うちの嫁は素材が良いですから!」
そう!俺の解決案はこれだ!服だけ見てもつまらないが、可愛い女の子が可愛い服を着ているのは眼福である!つまり、少しでも迷ったら全部着せてしまえばWin-Winの関係が成立するのだ!ちなみに最初は丈の短いワンピースです。かわいい!
「待って!これ丈が短いよ!パンツ見えちゃうよ!」
しかし残念ながら、クリス的にはWinでは無かったらしい。でも、Winの数が2つなので、俺と店長でWin-Winって事にしておこう。
「店長さん、これそんなに短くないですよね?」
「えぇ、アクア様やゆんゆん様より長いですし、冒険者の方々にはもっと短い方が沢山いらっしゃるのですが…」
「普段からスカートの人と一緒にしないで!アタシは慣れてないの!スースーすると落ち着かないの!」
うん、でもその必死にスカートを押さえる姿が可愛い。めっちゃ可愛い!そして、ヒールサンダルだけに包まれた生脚が眩しい!
「そもそも、アタシのキャラに合ってないよね?!」
「いやいや、可愛いってキャラに合ってるぞ?」
「それもうカズマの主観だし何でも言えるよね?!」
別にワンピースを活発な娘が着てはイケないなんてルールはない。そもそも、めぐみんのあれだって長袖のワンピースみたいなもんだし、それならクリスが着たって良いだろう。
「クリス…今日はこれで一緒に歩こう!」
「無理!それは絶対に無理!ねぇカズマ、着替えちゃ駄目なの?」
くっ!羞恥涙目の上目遣いだと!これは着替えさせてあげたい!でも、この可愛い姿をもっと見たい!だから、今は心を鬼にする!
「あ、賭けの件ってあったよなぁ…」
「これは本当に嫌なの!他の事は良いけどこれだけは嫌!」
「おいおい、後で無しは駄目って約束だろ?クリスは可愛いんだから、自信持って…」
「違うよ!カズマ以外に…特別な人以外にパンツ見られるのは…嫌なんだもん…」
あ、これは反則だわ。キュンってしたもん!
「店長さん!直ぐに次の服を!あ、これは買います!なんなら2着買います!!」
「お客様、お気持ちは理解しますが、先ずは鼻血拭いてください。絵面が犯罪者です…」
すみません!うちの女神が俺を狂わせるんです!
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「ちぇ…結局スカートは駄目かぁ…」
クリスの反対を押し切り、取り敢えず片っ端から着せた可愛い服20着と、下着9セットを購入した。ちなみに、本人には言ってませんが、パッドは多めに入れられる仕様です。一応…
「スパッツ有りなら良いけどさ…」
「それはなんか違う」
「えぇ…」
しかし残念ながら、外でスカートは穿いてくれない。今は取り敢えず、次の予定を決めるために喫茶店でお茶している。
「でも、これも充分可愛いな。やっぱ美人なんだし、色々と着てみれば良いのに…」
「アタシが可愛いと思ってるのはカズマだけだよ…たまに男と間違えられたりするんだよ?」
今のクリスは、淡い緑色のショートパンツに、白い半袖のブラウスを着ている。馴れない格好に緊張しているためか、この店に来るまでメチャクチャ見られていたことに、本人は気付いてないらしい。
「そりゃ、短髪で飾り気ないからだろ?近くで見るとすげー可愛い顔してるのに…」
「えっ…ちょっと?!」
と、顎に手を置いて顔をよく見る。長いまつ毛と大きな目、目鼻立ちもスッキリとしていて、あれ?なんかドキドキする!
「ねぇ?喫茶店のテーブル席でいきなりキスするのはどうかと思うけど?」
シュバッ!
「ちっ、違うよ!カズマがアタシの顔を観察してただけだから!」
「しねぇよ!…ちょっと、雰囲気に酔ってただけだよ…」
後ろからリーンに話しかけられ、咄嗟に距離を取る。エリスの甘えた顔に空気を支配されるように、俺はクリスにも魅了されているらしい。サキュバスに魅了されない俺を魅了するなんて罪な女だ。まぁ、魅了が効かないのは同種のスキル効果だけど…
「ふーん…あ、今日のクリスいつもより可愛いね?すみませーん、このパフェと紅茶を!」
しれっと一緒に座るリーン。あとそれ、俺持ちの勘定だろ?一番高いの頼みやがって…
「でも珍しいじゃん。クリスがこんなに可愛い服着てるの」
「あぁ、可愛いだろ?」
「いやそれ、カズマが答えるんだ…」
可愛いクリスを自慢したかったんです。
「カズマが買ってくれたの…デートだからって…」
「へぇ…え?なんで照れてんの?普段からデートしてるのに」
「し、してないよ!リーンには私達がどんな風に見えてるのさ!」
俺としても、デートっぽいデートなんて初めてだと思っている。いや、二人で居たらデートだと言う人も居るんだけど…
「違うの?じゃあ、クリスのそのケーキはどこに行くの?」
「え?美味しいしカズマに一口あげようかなって…」
「あ、イケる」パクッ
「はぁ…あんた達二人は、普段からこれで結婚してないって本当なの?」
俺たちのやり取りを見て呆れるリーン。しかし、俺はリーンの反応よりその言葉が引っかかった。
「あ、そう言えばしてない!」
「えぇ、良いよ別に…今更だし…」
「そういえば?!別に今更?!二人とも結婚観どうなってんの?!」
これは盲点だった!俺達パーティーは全員がエリス=クリスの事実を把握しているが、知らない奴からすればクリスは未婚状態で…あれ?ウォルバクもしてないし…街の外でやった紅魔の3人とかセレナとかウィズはどうなってんだ?
「なぁリーン!うちのパーティーの仲間は俺との関係なんて言ってる!」
「は?!えっと…紅魔の娘達は最近名乗り?の時にカズマの名前を出してるから何となく察してるし、ウィズさんは告白された時にカズマのモノだって断ってたって聞いてるけど…」
やべぇ、勝手にどんどん広まる!セレナとアクアだけかバレてないのは…
「あと、アクアさんはカズマが「やっぱりお前が一番なんだ!」って土下座してきたから結婚してあげたって言ってたけど…」
「あ、それは嘘だ」
「うん…皆もそれは嘘だって気付いてた。でも、なんでこれでクリスと結婚してないの?」
確かに、そうなると広まってないのはセレナとウォルバクとクリス。他の二人は新規参入だしまだ誤魔化せるとしても!クリスは流石に不味い!これだけ関係が広まっているのに、しかもパンツまで盗っているのに無責任に他の嫁を先に貰っているなんて…これはマジで刺される!
「クリス……待たせてごめん!結婚しよう!」
「えっ、はい!……へ?!」
あ、不味い!ここ外じゃん!もうなんか周りがこっちを見て…
「おぉ!やっとかよ!」「おい!誰かギルドに広めにいけ!」「あぁ!流石にエリス様を前に出来なかった余興が火を吹くぜ!」「二人共おめでとう!」「待ってた!すげー待ってた!」「早く結婚しろって言ってた奴がやっと結婚したぞ!」「式場予約しろ!急げ!」
「これはまさか…ちょっとどころではなく…」
「うん…やらかしたね…アタシもつい、返事しちゃったけどさ…」
キャベツから始まった俺たちのデートは、紆余曲折を得て挙式するに至りました。なんだこの街の無駄な行動力は!
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「あー良かった…流石に教会の予約は無理だったか…」
俺達はあのまま冒険者達につかまり、そのままギルドに連行された。流石にエリス教会で挙式は困る。多分デモが起こってボコボコにされる!
「カズマさん、おめでとうございます。で良いんですよね…2度目なんですけど…」
クリスの正体を知っているルナさんは苦笑いだが、祝われて悪い気はしないし、おめでとうでいいんだろう。
「ありがとうございます。でも、何度目か分からない俺の結婚式をこんなに祝うなんて…あいつらお人好し過ぎませんか?」
「ふふ、残念ですが皆さんクリスさんの為に頑張ってるんですよ。カズマさんはむしろ妬まれていますから…」
ですよねー。
「全く、世界救ってるのに…俺への扱い悪くないですか!」
「そんなこと言いながら、嬉しそうですね。誇らしいんでしょう?クリスさんが愛されていること…」
「…バレバレですか?」
「バレバレです」
クリスとして、エリスは色んな冒険者とパーティーを組んできた。ギルドによれば、それは新人達の教育と無謀な連中を死なせない為らしい。しかし、それがちゃんと相手に伝わるかと言われたら話は別だ。少なくとも、俺は沢山失敗して、沢山嫌われた。やり方が悪かったのは、今となっては反省している。
「俺のせいでクリスまで嫌われるのは嫌じゃないですか…でも、やっぱりエリスは誰にも渡したくないです。だから、俺達の関係を祝福して貰える事が素直に嬉しくて…俺が嫌われてるのは、前からなので仕方ないんですけど…」
「あらあら…やっぱり、カズマさんはカズマさんですね…」
俺の隣に座ったルナさんは、優しく俺の手を握って真っ直ぐに俺の目を見つめた。あれ?なにこれフラグなの?!駄目ですよ!これからクリスを娶るんですよ?!
「もう誰もカズマさんを嫌ってませんよ。英雄なのに権力に溺れず、この街の為に、仲間のために命懸けで戦う…そんな貴方を本気で嫌う筈が無いじゃないですか…」
あ、変な期待したから自己嫌悪やばい。でも、これは素直に嬉しいな…
「ありがとうございます。俺がそんな風に愛されてたなんて…なんか照れ臭いですが…」
「あ、別に嫌われてないだけで愛されては…流石に人からパンツ盗る人はちょっと…」
「あっはい…調子に乗ってすみません…」
そこはもう、愛されてるってしてくれても良くなかった?!
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「ね、ねぇ…ウェディングドレスって普通は、脚が見えないくらい長いんじゃ…」
「あんなの着たら色んな所に引っかかるよ?ここはギルドなんだし、それが限界だよ?」
「嘘だよね?!ミニスカートじゃん!これミニスカートじゃん!!せめて膝下まである奴無かったの?!」
クリスが着ているのは、白いフリルの付いたミニスカートタイプのウェディングドレス。やっぱり似合う!恥じらい顔も可愛い!
「ご、ごめんね?他に無かったんだ。本当だよ?」スッ
「無かったのなら仕方ないよな。クリス…俺は凄く可愛いと思うぞ!」スッ
そして、裏で手渡される現金。ありがとうリーン。用意した甲斐があった!
「もぅ…スパッツ履くもん…」
「あ、白いのあるよ?」
「絶対に確信犯じゃん!!」
そうだけど?
……………………………
「はぁ、新郎まったく祝って貰えねぇ…」
ギルドの酒場のほんの数mの距離は、人集りで遠く感じる。この披露宴を祝う客は、全員クリスの方に行ってしまった。
「おお!クリス可愛いな!」「あぁ、マジで予想外にクリスが可愛い!」「くそっ!こんなに化けるなら告白しとけば良かった!」「いや、お前誰にでも言うじゃん…なんでクリス外してたんだよ…」「カズマには勿体ないね!」「幸せにして貰えなかったら言うんだよ!…ちょん切るからね!」
そして、俺の股間がヤバイ。切るな切るな!
「クリス。エリス様が相手でも負けちゃだめだよ!私はクリスを応援するからね!」
リーン…それ、エリス様御本人です。
「大丈夫。アタシは盗賊だよ?カズマの心なんて、何度でも盗んであげるんだから…」
「おお!強気だな!」「あぁ、俺も応援するよ!」「くそっ!カズマ愛されすぎだろ!」
なんだこれ!漫画とかならすげーイラッとする発言なのに、クリスがやるとめっちゃ可愛い!盗まれてる!俺のハートめっちゃ盗まれてる!
「お、俺だって…自慢の『スティール』でクリスのハートをだな…」
「おいおい無理すんなよ!」「パンツしか盗めねぇだろ」「ハートなんてそもそもスティールで盗めるのか?」「カズマは盗まれてるけどな!」「いや、カズマにはスティール要らねぇだろ」
こいつら…俺がカッコつけるのは断固阻止しやがる!いや、これでかっこいいことにはならなかったと思うけどね!
「なぁ、クリス……あれ?クリスさん?!」
せ、赤面している!涙目でこっちを見ている?!
「嘘だろ!カズマがクリスのハートを?!」「いや、それは割と前からそうだったろ?ラブラブしてたし」「でも、なんか様子おかしくねぇか?」
うん。確かに微妙に羞恥の方向性が違うと言うか…なんか涙目に少しだけ怒りが…あっ…右手に白いのが…
「く、クリスさん…これは俺の『スティール』のレベルが上がり過ぎててろくに魔力を込めずに発動してしまった事故でして…別に本意では…あっ」
まずい!今の発言でもう一枚なんか取れて…
「ぱ、パンツとスパッツ返してよ!馬鹿ぁ!!」パァン!!
「ぶふぅ!」
お父さん、お母さん。いつか天国で自慢しようと思っている愛する妻の話ですが、どうか挙式のことは聞かないでください。死んでなお、勘当されると思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
エリスはマジ女神として、クリスも可愛いと思います。
また不定期ですが、次回はいつも通りの流れです!