本当はアーネスに手を出させるつもりは無かったのですが、ホーストと天使を交えたときにネタに出来ると思ってヤりました。
反省してます!
と言うことで本編(ネタ回)です
諸君はゴシップ系の週刊誌でこんなのを見たことがあるだろうか『これを買ってからモテモテです』『これを使ったら大金が舞い込んで女の子をはべらせています』『開運の壺で、気付いたら美女が集まって…』みたいな、下手したらアクシズ教の勧誘みたいなやつである。そう、そこにある写真を想像して欲しい。
「……こんなのじゃね?」
右にウォルバク、左にアーネス。グラマー美人が俺の両腕を枕に寄り添う配置!そして俺を照らす朝日!こんな極上の女をふたり同時とか、今までの俺ならきっと詐欺広告にしかならなかっただろう。または今頃黒服が来て、「この人に強引に犯されたんですー!」とかそういう流れに……
「ここかぁ!!」
バターン!
「マジでなんか来たぁ?!」
え、なにこれ?!黒服じゃなくて、筋骨隆々の悪魔が来ちゃったんだけど!まさか悪魔を抱いたら対価がいるのか!悪魔の世界の黒服なのか?!ってそんなわけあるかぁ!!
「おい二人共起きろ!マジで俺に刺客が送られて来たぞ!今こそ護衛の出番だろ!」
くそぅ!なんでこんなタイミングなんだよ!プロなのか?!強敵二人が再起不能になるのを待っていたのか?!再起不能にしたの俺ですけど!
「うぅ…なんですかカズマ様…寝たのが朝なのでもう少し……ん?…あれ、ホースト?!」
「あ、アーネス?!」
「すぴー」
「え?なにこのマッチョ知り合い?!」
っていうか、ウォルバク全然起きねぇのな…
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「俺様の名はホースト。ウォルバク様に仕える上位悪魔だ。まず、いきなり部屋に飛び込んでしまった事を詫びさせてくれ。主の魔力を感じ取って、少し冷静さを欠いていたようだ…」
「まぁ、その大切な主は起きる気配がないけどな……俺は冒険者のカズマだ。よろしくホースト」
慌てて突入してきたこの悪魔は、どうやら2人の関係者らしい。ウォルバクの寝顔を見て安堵してからは、とても落ち着いていて紳士的だ。どこぞの宗教団体より悪魔のほうが話が通じるという俺の仮説は、どうやら証明されたらしい。
「今更来て仕えてるって……お前は今まで何してたんだ?まさか、復活に手間取って今更ご登場ってか?」
「そんなわけあるか!そもそも、爆裂されたウォルバク様が復活するなど予想できるか!どうせお前だって偶然の再会をしただけで、失意で死のうとでもしてたんじゃないのか?!」
おっ、すごい大正解!そして、アーネスの素がちょっとヤンキーっぽい!でも、一度抱いたらヤンキーも可愛く見えるから不思議!
「な、何いってんだ!あたしはウォルバク様がそう簡単に終わる方だなんて微塵も思ってねぇよ!勿論信じて探してたし!それに、早々に見切って別の主に仕えてる奴には言われたくないね!」
「な?!何を馬鹿な!誇り高き上位悪魔が二君に仕えるなどありえねぇ!!そんな侮辱は……」
「じゃあ、なんでお前から人間の…しかも子供の匂いがするんだ?」
あ、固まった。
「そ、それはあれだ!さっき人混みをだな?!」
「いや、ありえねぇだろ…ホースト、お前鏡って知ってるか?」
うん、そりゃありえない。あるとしたら冒険者に集団リンチにでもあったとか、何人か人を食ってたとか、そう言う方が説得力ある。
「お、お前こそどうなんだ!そのカズマとウォルバク様の二君に仕えているのではないのか?!そうでなければ、ウォルバク様に心酔してるお前が、他の者に身体を許すなどありえんだろう!そのやたら濃い男の匂いが、動かぬ証拠だ!!」
え?匂い濃いの?!今からでもお風呂行こうかな…
「はっ!自分が図星を突かれたからと見苦しいぞホースト。確かにカズマ様は私の愛するお方であり身体を許すほどの仲だ。しかし!カズマ様はウォルバク様の旦那でも有るお方、身内だから二君じゃない!!」
「いやそっちの方がありえねぇだろ!!なに主の旦那に手を出してるんだお前は!完全に間女じゃねぇか!と言うか寝取ってるじゃねぇか?!」
あ、この悪魔。凄い価値観が人間っぽい!見た目コレだけど、なんかちょっとホッとする!
「寝取ってねぇよ!ウォルバク様と一緒に愛されてるから健全だろ!」
「「いやそれはまったく健全ではねぇよ?!」」
そしてなんか被った。
「んんっ……さっきから煩いわね…なに?敵でも来たの?」
「違うよ。ウォルバクにお客だ。と言うか敵だと思ったら早く起きてくれ、護衛はどうした…」
「ウォルバク様!このホースト、貴方の復活を聞きつけて馳せ参じました!まずはご復活、おめでとうございます!」
「あらホースト。貴方も無事だったのね……紹介するわ。私の恩人で、今は旦那のサトウカズマよ」
「はい。それは先程の御本人に……え?サトウ?」
あれ?苗字名乗ってないっけ?
「ウォルバク様…聞き間違いで無ければ、この者は魔王討伐の英雄では…」
「そうだけど?」
「貴方が滅ぼされたのも彼のパーティーでは?」
「そうね」
うん、ちゃんとしてるからこそ。普通に突っ込むべき所を分かっている。俺としては不都合なのに、なんか凄く納得してしまう。
「いやいやいや!なんで勇者の所に転がり込んでいるのですか貴方は?!どう考えても宿敵ですよ!普通なら即殺し合いでしょ?!」
「は?勇者?不意打ちと精神攻撃と手回しが得意で、既に魔王軍幹部を5人、更に世界を代表する女神を2人手中に加えた男が勇者?馬鹿言わないで、カズマは………次期魔王よ!!」
「いや、ならねぇから!それはマジでならねぇから!」
「…………もう各方面からそう思われてるのに?」
そうなの?!そんなのセナさんに捕まったらおしまいじゃん!出るとこ出たらイメージで裁かれかねないじゃん!
「その軍事力とカリスマ、そして信仰があれば、世界をいくらでも自由に出来るはず…しかし、それをせず平穏に暮らしているということは……」
あ、ホーストは賢いから大丈夫そうだ。俺は平和主義者だと分かってくれれば、今後も平和なお付き合いが……
「馬鹿な…この国程度なら簡単に手に入ると…その程度のものは要らぬと言うのか?!くっ!こんな器の大きい男だとは!これが次期魔王の器だというのか!!」
「いや、こいつもこんなのかよ……」
アインズ…あいつの気持ちがちょっと分かった気がする…
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「まさか命がけでウォルバク様を救っていたなんて……やはり、俺様もカズマ様とお呼びすべきだろうか…」
「当然だろ木偶坊!早くひれ伏せ!そして崇めて生贄を捧げろ!」
「いや、生贄はマジで要らねぇよ?!貰っても困るわ!と言うか、様も付けなくていいって、ホーストの主はあくまでウォルバクだろ?俺は普通に、良き隣人として扱ってくれれば十分だ」
「……か、カズマ様!」
「いや、ついてるついてる、様ついてるって!」
先日祝ったバーに戻り、今度はホーストとの再会を祝う。と言う名目だが、実は旅館の朝食時間を過ぎていただけだ。まぁ、ウォルバクとしては紅魔の三人娘と忠臣を会わせたいらしいので、ある意味では好都合かも知れない。
「ご注文は?」
「俺様は骨付きの肉と、うんと強い酒を」
「あ、あたしは昨日のカルパッチョって奴と飲みやすい白ワイン!あ、ウォルバク様が後からくるので、カルパッチョは二人分で!」
「じゃあ俺はピザトーストと……レッドアイを」(イケボ)
「かしこまりました。お酒はこちらでオススメを選びますので、少々お待ちを…」
マスターの助言により、俺はビールとトマトジュース混ぜたカクテル、レッドアイと言うカッコいいオーダーを手に入れた。それにしても、このオーナーは実にメンタルが強い。まさか、ホーストまで即座に受け入れるとは…
「すみません、こんなメンバーで押しかけて。見た目はアレですけど、気の良い奴らなんで…」
「いえいえ、何も問題ありません。私は、お酒を愛する人のためにマスターをやっているのです。お客様が悪魔であれ神であれ、心からお酒を楽しんで貰うのが私の仕事ですので…」
やっべぇ…レッドアイとかでワクワクしてた俺が惨めになるくらいかっけぇ…
「でも、アクシズ教徒と、アクア様だけはちょっと…」
「あ、それは大丈夫です。俺も常識の範疇に収まる人間しか連れてきません!」
勿論あいつらは除外です!
「しかし、ウォルバク様が女神活動に復帰してるとはな…」
「それであたし達に信者を紹介したいなんて、それで信仰は守られるのか心配だよな…」
「邪神だろうと女神だろうと、仕えてるのが悪魔だろうと、そんな下らない事でウォルバクの魅力は変わらない。そんなの、お前らが一番良くわかってるだろ?」
「カズマ様…」
「カズマの旦那…」
まぁ、邪神も女神も抱いたら同じだしな。(最低)
「なるほど…未知との邂逅とはこのことか…まさか悪魔が待っていようとは!!」
「あ、こいつはあるえ、見ての通り紅魔族な?」
「いや名乗らせてくれないかな?!最近初対面の人が居なくて名乗ってないんだ!紅魔族としての使命を果たさせてくれないかな?!」
「あ、ごめん。一応静かなお店だから、ほどほどにな?」
「では……我が名はあるえ。アークウィザードにして上級魔法を操るもの。連載4つの売れっ子作家にして、英雄カズマの盾となるもの」(程よく小声)
あ、連載増えてる。
「ほほぅ、名乗られたなら名乗り返すのが戦士の流儀……俺様はホースト。上位悪魔でありウォルバク様の一番の忠臣。かつて魔王軍幹部級と言わせしめた者だ!」(程よく小声)
コイツも律儀だなぁ…
「あたしは上位悪魔のアーネス。ウォルバク様に最も信頼されし忠臣にして、強くて魔性の女悪魔よ」(程よく小声)
「「…………やんのかこらぁ!!」」(普通に大声)
「はいそこ!忠臣度合いで張り合わない!あと騒がない!」
まったく、トラブルメーカーなのはどいつもこいつも同じだな。これなら可愛いレベルだけど。
「でも、あるえの反応で何となく安心したろ?同じ人を信じた同志なんだ。二人を見て悲鳴なんてあげないよ」
「いや、1人はどうかな…初見では泣き叫びそうだけど…」
「あぁ…でも直ぐに慣れるだろ?基本的にまともで、友達欲しさに悪魔を召喚する奴だし…」
「旦那、それは全然まともじゃないと思うんだが……」
これがまともな方に入るんだよなぁ。あっ、来た。
「カズマさーん!遅くなりまし…」
俺を見つけて駆けつけたものの、相席相手を見て固まるゆんゆん。さぁ、これはどっちだ?
「あぁーー!!カズマさ〜ん!」ダキッ
駄目だったかぁ…
「あら?お久しぶり」
「おう、俺様も知ってるやつだった」
「なんだ知り合いか?そりゃ手間がなくて良かった」
「微塵も良くないですから!知ってるって敵対してたって意味ですから!なんで一緒にご飯食べているんですか!どういう関係で紹介されたんですか?!」
いや世間は狭いな…そして、ウォルバクから説明は無かったようだ。それなら仕方ない。最後の手段(お手軽)を使うか
「この2人は、ゆんゆんと友達になりたくてここにいるんだぞ?」
はい、奥の手。
「カズマ様?!そんなの今言ったら恐怖でしか…」
「私、ゆんゆんと申します!魔王軍との確執なんて今は過去、今後は健全なお付き合いが出来たらと思っています!」キリッ
「「えぇ……」」
うん。そういうところ好き。でも、これでもう騒がしいのは居ないな。あとはめぐみんだけだし……
「すみません。ちょむすけを探してて遅れました。私もお肉を食べたいのですが……あっ」
「「ああぁーーーー!!」」
うわっ…なんで悪魔側がうるせぇんだよ…
「あ、頭のおかしい爆裂娘…」ビクビクッ
「頭のネジが外れた爆裂娘…」ガクガクッ
「えっ?なにこれめぐみんも知り合い?」
「………二人共爆裂しました」
あぁ、世間の狭さがやばい。と言うか、めぐみんが一番ヤバい…
…………………………
「と言うことで、今後は仲良くしてね?」
「いや、ということって…どういうことだよ……」
「あ!それ私のセリフ!」
適当なのか大物なのか、ウォルバクとしては過去の確執などもうどうでも良いらしい。まぁ、爆裂した弟子をまた溺愛してるわけだし、きっと寛容なのだろう。
「師匠の使い魔で、かつ妹の下僕ですから、まぁ、青い方は良いでしょう。ですが!その赤い方はどうも好きになれません!」
「赤い方って…紅魔族の私達はモロ存在が赤い方だよね……」
「そうよめぐみん。と言うか、見た目で言うならアーネスさんの方が怖くないよ!」
「良いじゃんかめぐみん。仲良くしようぜ?」
「おい寄るな。谷間を見せ付けながらこっちに寄るなぁ!自慢かこらぁ!!」ビターンッ!
「ひゃんっ!」バインッ
あ、胸にビンタした。
「アーネス、めぐみんの悪感情を煽るのは辞めなさい。そこはかなり気にしているのよ?」
「えぇ、良いじゃないですか…どうせ今だけしかイジれないんですよ?すぐに育っちゃうんですから…」
いや、それはどうかな…
「アーネス。私は貴女を誤解していたようです。今日から友達です」ギュッ
「あ、うん…ありがとう…そしてなんかごめん…」
めぐみんはそれでいいのか……
「ちょっと待て!俺様は下僕じゃねぇから!せめて生け贄でも捧げねぇと、二度と出ていかないって妹に伝えとけ!」
「その台詞を毎回言ってるって、こめっこが言ってましたよ。他に悪魔っぽい決め台詞ないんですか?」
「決め台詞じゃねぇよ!何度も言わせんじゃねぇよ!」
ホースト、対価を踏み倒されてるのか…悪魔相手にそんなことして大丈夫なのか…
「いや、お前はなんで召喚に応じてんだ?普通に無視すりゃ良いだろ?」
「馬鹿!本当に大変な時って言うのもたまにあるんだぞ!怪我したら可哀想だろ!」
あっこれ大丈夫だわ。マジで良いやつだわ。しかもそれ、ホーストが居るから大変なことしてるって考え方には至らないところがお人好しだわ。
「弟子の妹なのだから、ちゃんと大切にしてあげてよ?生贄が欲しいなら、この玉ねぎあげるから…」
「いや、生贄なんだからせめて生物にしてやれよ…」
と言うか嫌いなもん渡すなよ…
「……はい」ソッ
「玉ねぎ全部に魚一切れ?!流石にホーストもこれは…」
「くっ!ウォルバク様から対価を頂いては、また半年はタダ働きか…」
うわぁ職場環境クソブラック…
「ホースト。ここは俺が出すから好きなだけ食ってくれ。いつも義妹が世話になってるみたいだしさ…」
「そ、そんな甘い蜜を用意されても!俺様は身体を許したりしないからな!」
「マジでそれはいらねぇよ?!」
これ以上俺への偏見増やそうとしないでくれるかな?!
「でも、カズマの提案は気持ちだけで十分だ。なんかめぐみんから凄い悪感情を奢られているから…」
「はは……食事を餌に抱けるとか…そんなの……そんな…そんな母親居てたまるかぁ!!」バァン!!
あぁ…こっちも色々と溜まってんだなぁ……
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「美味しかったわね…カズマのビールのトマトジュース割りも結構いけたし!」
「レッドアイな?!折角かっこいい名前付いてんだからそっちで呼べよ!」
「私達には、それただの身体的特徴だけどね…」
「…………そうだな」
不思議な会食会を終えた俺達は、取り敢えず屋敷の方へ向かう。悪魔の二人は、途中でサキュバス店に置いていけばいい。それにしても、護衛付きで活動したこの数日はとても平和だった。多分、逆にアクアが居ないからだとは思うけど…
「でも、悪魔とだって平和に飯が食えるんだから、いつか種族の壁とかもなくなる気がするな…」
「そうね…次期魔王として、公約に掲げて欲しいわ…」
「それは絶対にしない」
と言うか、魔王に公約ってあるのかよ…
「掲げるまでもねぇってか…」
「やはりカズマ様は偉大だな…」
あぁ、これはこれで面倒くせぇ…
「か、カズマ様?!離れてください!そいつらは悪魔ですよ!」
「うわぁ…なんで面倒なときに面倒なのが重なるかな…」
さっき平和とか言ったからなのか、どうやらフラグが立ったらしい。たった数時間で悪魔二人の俺への認識が面倒なことになり、そして極め付けに一番面倒な奴が現れた。本当になにしに来たんだこの天使は…
「汚らわしき悪魔め!アクシズ教会で酒にありつこうとした私に遭遇するとは、どうやら運が無かったようですね!」
「え…あの天使はまさか、人の子に、しかも教会に酒をたかるつもりで…」
「あぁ、あれはそういう類いの天使だ。他の天使は知らねぇけど…」
まともなのも、多分居るんだよな?
「おい天使、こいつらはウォルバクの関係者だ。邪神にも仕える立場って言うなら、ある意味ではお前は同業者だろ?」
「カズマ様は何を言っているのですか?天界に復帰した女神に仕える悪魔?そんなもの、何を企んでいるか分かったものではありません!」
流石は悪魔を絶対に許さない女神二人の天使、悪魔に対する殺意が凄い。でもこいつ、こんなに熱心だったっけ……
「そして何より!上位悪魔には高い賞金がかかっているんです!天使の査定にも響くのです!!」
「結局そっちかよ!ウォルバク、お前からも何か……」
「アーネス!あのアクアの小間使いに、仕えてる女神の格の違いを教えてやりなさい!あいつ、私が邪神にされたとき、「ふふふ、席が空いた…」とか言って止めなかった奴だから!」
「なんてやつだ!」
確かになんてやつだ!しかし不味い!これはお互いにやる気だぞ!
「…………と言うか、天使って戦えるのか?そんなの見たこと……」
「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」
カッ!
「くっ?!不味い!」
天使のおでこから発射された光は、アーネスの肩を掠めて空に消えていった。それは間違いなく最強の悪魔祓いスキルであり。やはり腐っても天使、膨大な魔力と強固な信仰は、こんなのでもブレることはないようだ。
「あら、案外やるのね…」
「くっ!悪魔と天使の戦いが生で見られるなんて!」カリカリカリカリ
「おーい、負けたら忠臣の称号は俺のもんだからな?」
「マジかよ、誰も止めねぇ……」
しかし、これは俺としても扱いに困る。立場からして天敵の2人、どちらに加勢するわけにもいかないこの状況で、どうやって止めれば……
「撃って止めますか?」
「やめろ、街が消える」
それで止まるのは息の根だ……
「絶望なさい悪魔よ!私はこの魔法を1日1,600発撃つことが出来る最強の天使!もはや、汝に勝ち目などないと思え!!」
「なんだそれ?!これだから天界のチート共は!」
「聞く耳持ちませんね!食らえ20連!『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」
「くっ!」
カッ!
アーネスの居た所に降り注ぐ光の弾幕に、一瞬で巻き上がる砂埃。俺は誤解していた。天使に選ばれている以上、アイツにも相応の能力がある。それに気付いていれば、こんなことには……
「くそぅ!アーネスー!」
「あっはい」
…………あれぇ?
「くっ!まさかあの連撃をかわしたと?!そんな敏捷性を持っているなんて!」
「いやなんか……揚げ物の油ハネが当たったみたいなダメージしか無かったんだけど……」
油ハネって…あっ…
「そう言えば、あれは信仰の強さでダメージと消費魔力が決まるんじゃなかったっけ……」
「そうよ?だから、狂信者の多いアクシズ教は難敵だった訳だし…あれ?それじゃ、あの天使は………」
そういえば、あいつから信仰心を感じたことは一度もねぇわ……
「……ち、違いますから!!人事指令で信仰相手は代わりますし?あまり深入りしたら不味いからあえて!あえて信仰がないのです!」
「はいはい!なら、これ以上恥を晒す前に終わらせてやらぁ!『カースド・ライトニング』!」
「こ、この悪魔!天使に闇魔法はマズ…あぁぁ!!」
ドーン
今度はアーネスの一撃が天使を捉えた。今のは確実に直撃のコースだったが……
「よく考えると、天使が死んでもマズイんだよな…」
天界がアーネスとウォルバクを狙うとかになったら、それはそれで凄く困る。と言うか、天使も一応仲間だしな…
「っぶねぇ……死ぬかと思いました…」
「馬鹿な!あたしの魔法は直撃した筈だ!なんでへなちょこ天使が耐えられる?!」
「ふふふ、何度も痛い目にあって耐久力だけはあるのが私の自慢!さぁ、これより先は聖なるメイスで……って熱い!!」ジュー!ゴトッ
「「「「「……えぇ」」」」」
悪魔の闇魔法さえ効かないステータスを持つ筈の天使が、何故か聖なる武器で手を火傷している。感の良い人間は、と言うかここに居る者は気付いたであろう。あいつは多分、存在が闇属性なのだと……
「くぅっ!業務都合とはいえ、悪魔に仕えたが為に天使の力に穢れが?!こんなことなら、素直にエリス様の指示で働いておくべきでした!」
その理由はどうかな…元々お前は穢れてそうだけど……
「び、ビビらせやがって!聖なる力が扱えない天使なんて、ただのハーピーの亜種じゃねぇか!闇属性が効かなくても、あたしには火炎魔法がある!次は命乞いでもしてみるんだな!この売れ残りがぁ!!」
「誰が売れ残りだこの腐れビッチ!知らないんですか?地獄以外どこにでも、それこそ火山地帯にも永久凍土にも降臨できる我々に、火炎魔法なんかほぼ効きません!つまり、今の貴方に勝ち目はないんですぅ!!」
「ビッチ言うな!あたしはカズマ様しか知らない!そもそも、魔法がまともに使えねぇ天使があたしをどうやって倒すってんだ?もう一回そのメイス握ってみろよ!この堕天使が!」
「誰が堕天使で……………カズマ様しか?!」
あ、不味いなこれ……
「予想はしてましたが、やはり手を出してましたか……」
「だよねぇ…あんな格好の人をカズマさんが真っ直ぐ見られるって事は、抱いたか、相手が男かの2択だもんね…」
「好きそうですもんね…あぁいうタイプも……」
あ、もうこっちの皆には慣れが……
「あ…悪魔の戯言など誰が信じるものですか!そうやって精神に攻撃するとは汚い!さすが悪魔汚い!」ガクガク
「いや…別にあたしはそんなもん狙ってねぇし、というかあんたがカズマ様を狙ってるのも知らねぇし…でも悪感情の量からすると………なんかごめん」
「謝るなぁ!余計に惨めになるでしょうが!いっそ勝ち誇っとけよ!そんなにカズマ様が良かったってか!!」
「そりゃ…………す、凄く良かったけど」ポッ
「ゴフゥ!!」ズシャァ
吐血した?!そして膝から崩れ落ちた!何こいつヤバい!なんか怖い!!
「きょ…今日のところはこれで勘弁してやります…ですが…次会ったら、カズマ様の前に出れない身体にしてやりますからねーー!!」フラフラ〜
天使は、聖なる存在が言っちゃ駄目な捨て台詞を吐き。そのままアクシズ教会の方へ消えていった。なんと言うか、俺はなんでか厄介な存在にはモテるらしい。
「本当に、厄介な存在にはモテるんですよね……カズマさん?」
「…………え、エリス…どうしてここに?」
「嫌ですね…愛する人のお出迎えですよ。あと、馬鹿な部下の粛清も予定してたんですが…」チラッ
「あ…あぁ……あ…あ…」ガクガク
「う、嘘だろ…これ…本物じゃ……」ガクガク
エリスが少し視線を向けただけで、悪魔ふたりの顔が引き攣る。見方によっては、俺の周りで一番厄介な存在はエリスなのかも知れない。
「カズマさんとウォルバクさんの庇護下にいるなら、私にとっても良き隣人としておきましょうか」ニッコリ
「「は!はいぃ!!ありがとうございます!!」」
よし!セーフ!今日のところはセーフ!!
「あ、カズマさんはこの染み付いた悪魔の匂いについて、お家でゆっくりとお話をしましょうね?」
……………アウトでした!!
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
今後、ウォルバク出したら悪魔共がちょこちょこ出てくるようになったりします。
あ、アインズは骨の童貞モモンガです。
また不定期更新ですが、今後ともお付き合いください。