原作にいないアクセルハーツを魔王討伐後の世界線に出すのは困難かと思ってましたが、よくよく考えたらこいつらもやってること変わらないんじゃ…と思う今日このごろです。
またお暇なときにお付き合いください。
「やっぱり、カエルだけじゃこの程度か……」
「ねぇ…ヌルヌルで感電させられた私の前でそういうこと言うの?私だけ4回も捕食されたんですけど?!」
カエル討伐は無事成功し、俺達はギルドに戻って報酬を受け取った。しかし、やはり所詮は雑魚モンスター、魅了を取得するには経験値が全然足りない。うん、実は薄々感じてはいたんだけどさ……
「悪かったよ。じゃあ、報酬はリアとアクアで半分ずつな?ダクネスとエリスには俺からお礼するよ…」
「え、ほんと?!すみませーん!唐揚げ山盛りとシュワシュワくださ〜い!」
「アクアはそれで良いのか…いや、1回目は私のせいだから強くは言えないが…」
しかし、こうなったら次のクエストにアクアは来てくれないだろう。そうなるとこのメンバーで受けられそうな依頼は……
「こう言う時に限ってエンシェントドラゴンとか、ミノタウロスの群れとかばっかりなんだよな…」
「今のカズマの倒せそうな相手なんて、この中じゃもうゴブリンくらいじゃないか?」
「ゴブリンの群れか…狙撃だけで削るとしても、今の攻撃力じゃ心配だな…護衛の意味も込めて、他にも仲間が欲しいところだが…」
めぐみんは俺に経験値を譲る方法が無いので却下として、ウォルバクは先日のアレで筋肉痛、ウィズとセレナは営業日、あるえは〆切が明後日だし……
「あれ?今朝ゆんゆんって居たっけ?」
「新しい友達と遊びに行くと言ってたぞ。姉とか言ってた気がするが…」
あね…アーネスか…なるほど、話題が俺しかない相手なら話せるもんな…
「……仕方ない。リア、エーリカとシエロの手を借りたい。連絡してくれ」
「そ、それは良いが…いかがわしい事はするなよ…」
「魅了だってしたくてしてねぇよ?!」
エリスが居るから、魅了は取り敢えず大丈夫だろうし…
…………………
「カズマ久しぶりじゃん!魔王討伐、おめでとっ!」
「ご成婚もおめでとうございます!」
「おぅ、ありがとう」
あぁ、これだよこれ!「どんな手を使ったんですか?」とか「いくら出したんですか?」とか聞いてこない純粋な2人からの祝福!本来こう言うのだろ!祝いの言葉ってさ……
「ところでカズマ?」
「はいカズマです」
「エリス様と比べてもエーリカちゃんは可愛いよね?負けてないよね?」
え?女神にまで挑むのコイツ?!
「そんなもん、本人が居るんだから自分で比較してみろよ……」
「そ、それをやったら、なんか二度と立ち直れない気がして…」プルプル
あ、駄目だこれ。もう心が負けてる。目からハイライトが消えてる。
「大丈夫だよ。エリス様は女神だから反則だもん。負けにはならないよ」
「ねぇシエロ?それ実質負けてるってことだよね?!勝ってたらそんなこと言わないよね?!」
「ち、違うよ!反則負けだから実質エーリカちゃんの勝ちだよ!」
「エリス様は反則級に可愛いってことじゃない!!」
うん、それは仕方ない!可愛いもん!
「あ、あの…私よりエーリカさんの方が可愛いですから…その…可愛いを連呼するのは……恥ずかしいのでやめてください…」カアァ
「「「「……うわぁ…可愛いぃ」」」」(満場一致)
「はうぅ…」
その涙目も可愛い。
「あれ、ちょっと待って?いま私、エリス様公式可愛いになった?!」
「なんだよ公式可愛いって…エーリカのこと、可愛いって思わない奴はほぼ居ないと思うぞ?そこから先は、もう好みの問題だろ?」
実際にどっちが好みかと言われたとき、エーリカを選ぶ人間は相当数いるだろう。エーリカは分かりやすく可愛いし、エリスよりセクシー路線では勝ってるし…
「本当にカズマも可愛いと思ってる?エリス様を見慣れてるのに?」
「おう、可愛いと思ってるぞ?」
「……目を見て可愛いって言える?」
え、そんな疑う?
「随分と疑うな…エーリカは間違いなく可愛いよ」
「えへへ…じゃあ、次は目を見て愛してるって言って……」
あっはい。そういうことね。
「………エリス」
「はい、『ブレイクスペル』」
「え?………わ、私いま何を言ってたの?!」
「エーリカちゃん……カズマさんに愛してるって言われたいんだ…」
「ち、違うの!カズマのことは好きっていうか信頼はしてるけど!それは男女の関係じゃ絶対にないから!仲間としてプロデューサーとしてだから!男としては絶対に無しだから!なんて言えば良いかわからないけど、無しってことは確実だから!」
うん、そこまで必死に否定されるとなんか辛い…
「それが今のカズマの問題なんだ。適当に取り過ぎたスキルで、何故か魅了の効果が暴発するらしい…」
「ちょっとリア!それが分かっていたなら言いなさいよ!私の踊り子生命が終わるところだったじゃない!!」
「ごめん…その、一部の人間には効かないらしくて…エーリカなら効かないかなと…」
「なにその実験?!せめて先に言っときなさいよ!シエロは大丈夫なの?!」
「え?うん…僕はカズマに触ってもなんともないよ?」ペタペタ
……え?なんでシエロが俺の顔に触ってんだ?
「ねぇ、シエロ?自分が何を言ってるのか…と言うか、やってるのか分かってる?」
「分かってるよ?やっぱりアークプリーストだからかな?カズマに触れてても全然魅了なんてされないよ…」スリスリ
「「「それ絶対にかかってる!」」」
不味い!本来なら良い匂いだとか脳天気な事を考える俺だが、今は脳が猛烈な危険信号を発している!これを今解呪したら、俺はシエロに殺される可能性がある!
「し、シエロ?何も聞かないでこっちに来て?お願いだから!」
ナイスだエーリカ!これなら自然に離れることが……
「なにエーリカちゃん?そんな移動するほどの距離じゃないと思うけど…」ガッチリ
腕を抱きしめられてて逃げられねぇ!ていうかマジで筋力やべぇな!でも、柔らかくて良い匂いするな!あれっ、割と余裕か?!
「カズマ…今のレベルは?シエロの攻撃に耐える自信は?」
「まだ6だ。シエロの攻撃に耐えられる自信は全く無い…」
と言うか、今の防御力でやられたらここら辺が血まみれになる自信がある!
「シエロ、カズマはエリス様の旦那だ。そんなにベタベタしたら不敬だぞ!」
「で、でもカズマさんは僕の数少ない男友達だし…カズマさんだけは触れ合ってても嫌悪感が無くて…」
「そりゃ魅了されてるからよ!普通に考えたら嫌悪感しかないはずよ!」
そ、それを力強く言われると俺も凹むぞ!
「そんなことないよ!もしエリス様が許してくれるなら…僕もカズマさんのお嫁さんになりたいもん…」スリッ
なにこれ可愛い!でも、分かってる。これはシエロの本心じゃない。だったら…
「エリス…やってくれ…」
「………良いんですか…死ぬかもしれませんよ…」
「シエロの心が死ぬよりマシだ。治療、頼むぜ?」(イケボ)
こっちのほうが、シエロに心から泣かれるよりは全然良い。多分、俺も相当凹むだろうし…
「カズマ…その男気、私は忘れないぞ…」グスンッ
「私、カズマのこと見直したわ…」ホロリッ
え?なにこの空気!俺死ぬの?!大怪我の覚悟はしてるけどさ?!
「良いな!私もゼロ距離で味わいたい!」
うん、ダクネスは黙って?
「では……『ブレイクスペル』」
「え?あれ…カズマさん…」
「よう、シエロ…今日は随分と大胆で……」
「…いやぁーー!!」
「がふぅ!!」ゴシャッ!
良し!生きてる!
_________
「ご、ごめんねカズマさん…魅了って凄いんだね…」
「本当だな。しかし、レベル6で良く耐えたな…」
なんとか重症を避けた俺は、アクセルハーツとダクネス、エリスを連れてゴブリンの目撃エリアにやってきた。それにしても、やはり女神のヒールは凄い。切断された腕も生えるヒールと言うのは、やはり伊達じゃない。
「殴られる瞬間、後ろに飛んで脱力して頭を反対側に振ったからな……」
「凄いなカズマ?!」
ありがとう武神様。あなたの多くのスキルが無ければ、また不本意な形でお会いするところでした…
[こんな理由で使うのは俺も予想外だよ……と言うか、そんなのにポイント使うから足りねぇんだろ?!]
ぐうの音も出ない!
「それで、相手はゴブリンって話だったよな?」
「そうだな。そうクエストには書いてあったな…」
目的の廃城には、沢山のゴブリンと一緒にやたらデカいのが混ざっている。なんか、もうオークとかオーガみたいな身体の……
「いや、あれは本当にゴブリンなのか?私の槍が頭にギリギリだから…2メートル位あるぞ…」
「ゴブリンチャンピオン、最前線で稀に見られる鍛え抜かれたゴブリンの亜種。クレア殿が全力で戦ってもギリギリだったと言う程の難敵だ。私が挑んだりなんかしたら……くぅっ!」
クレアレベルの猛者ってマジかよ…それがそこに……
「な、7体は居るよね?僕の目がおかしくなってなきゃ……」
「えっと…大変申しにくいのですが…女神の目には9体確認できました…」
なにそれ無理ゲー…
「ちなみに、その特殊進化条件ってなんだ?」
「……筋肉だ」
なにそれ馬鹿なの?
「見て!他のゴブリンが大きな重りを持って集まってる。あれは……」
「ラスト!ラスト1回いけます!」「良いね!仕上がってる!仕上がってるよ!」「肩に重機が乗ってるよ!」
「なんか、トレーニングしてるな…」
「熱苦しい…可愛くない…」
いや、ゴブリンはそもそも可愛くないだろ…
「うぉー!!」ムキッ!
「「「進化した?!」」」
まさかダンベルを上げるだけでクレアレベルの猛者が量産されるなんて、モンスターってズルい……
「でも、これは難敵だよ。基礎を徹底した武術ほど恐ろしいものはないからね……」
「シエロが言うと凄い説得力だな……それでダクネス、前線ではどうやって倒してたんだ?」
「常に3人で連携し、上級魔法を使う事を推奨されていたな……」
「ベテラン3人かよ……」
しかし、それならこの数はマジでヤバい。真っ向勝負なら勝ち目は無いだろう。それなりに戦術を組んで挑まないと……
「皆、これは俺達の手には余る。一度戻って最高戦力を揃えて……」
「なぁカズマ……あれ」
リアが俺の肩を叩き、前方を指差す。長らく忘れていたが、そうだった。あいつはそういう奴だった……
「うん…見なかった事にしたい…」
「おいゴブリン共!まさかこんなところで腕を磨いているとはな!残念だが、クルセイダーの私の目は誤魔化せないぞ!」
もう!本当にもう!馬鹿!!
「ほう、まさか人間がこの場所に気付くとはな。しかし、この数に一人で来るとは……舐められたものだ!」
「それはどうかな!私はクルセイダー、お前たちのどんな攻撃力にも、私の鉄壁は揺るがない!!」
「鉄壁……随分と凹凸の多い壁ですよね…ははっ…」
エリスさん?今はそれどころじゃないから闇の一面は封印して?
「でも、ダクネスなら瞬殺とはいかないだろう…皆、飛び出すタイミングはダクネスが相手の注目を集めてから……」
「はぁ!!」スカッ
「なんだコイツ!舐めてんのか!」ガシッ!
「くっ!まさか絞め技を使うなんて!」
はい瞬殺!フラグ回収が早すぎる!
「くぅ…脳に酸素が足りない!呼吸が、苦しい!!」
「えぇ……こいつ首絞めてんのにめっちゃ喋るし息してる。首の筋肉ゴリラかよ…」
「だ、誰の首がゴリラだ!訂正しろ!お前の腕が太くて首にちゃんとかかってないだけだ!ほら、アゴを上げるからちゃんと締め直せ!」
「えっ…はい…」キュッ
「くおぉ!!こ、これは不味い!きっちり決まっている!このままでは気を失い!そのまま巣穴で酷い辱めにあってしまう!」
「なにコイツ?!言ってること怖い!これ本当に効いてんのか?!」
ゴブリン共にはそう映るようだが、見慣れた俺には分かる。ダクネスのアレは本当にピンチだ!多分、あと1分も持たずに落ちる!いや、1分耐えるのも変な話だが…
「くそっ!エリス、全員に支援魔法を頼む!あと、リアは城壁の向こう側まで戻って待機!シエロとエーリカはこれを城壁の柱に括り付けてからリアに合流してくれ!ダクネスは俺が助ける!」
「はい!お願いします!」
「わかった!信じてるからね!カズマ!」
「死ぬんじゃないわよ!プロデューサー!」
「待ってるから、必ず来てよ!」
なにこれ!仲間の感じがめっちゃする!アイツラに見習わせたい!
「死なねぇよ!俺は魔王討伐のカズマさんだからな!」
エリス達が走り出したのを見送り、俺はダクネスの方へ向き直る。絞め技をダクネスが想定していないのは仕方ない。戦場では締めている間に武器で攻撃されるし、動きが止まれば狙撃が可能だ。しかし、今はそれが好都合!
「『狙撃』!」バシュッ
「なにっ!伏兵が居たか!」ドスッ
「カズマ!すまない!」
俺の矢はゴブリンの腕に命中し、力が緩んだ所でダクネスが抜け出す。やはり、筋力と頑丈さだけならクレアを余裕で上回るダクネス。純粋な力のぶつかりあいなら、ゴブリンチャンピオンにも負けない!
「おいダクネス…お前はこの状況に勝ち目があると思って突っ込んだのか…」
「す、すまないカズマ…あの筋肉と下卑た笑みを見ていたら身体が勝手に…」
「おい!下卑たとか言うな!これは筋肉の脈動に溢れる笑顔だ!」
「いや、それは知らねぇよ…」
しかし、この性癖はマジでなんとかならねぇもんかな…
「いや待て!カズマだと?!お前は魔王様の仇のサトウカズマか?!」
「いえ人違いです!」
「……え?」
いや、ダクネスは黙っといて?
「……………は?いや、カズマって言ったよな?」
「俺の名前はタナカカズマ。サトウカズマとは別人です」
「え、そうなのか?じゃあ、俺たちの仇はアクセルに居るのか?」
「サトウカズマ様は英雄となり王族関係者になりました。もう王都に居ます」
「な、なんだと?!それでは我々がここに集結したのは無駄骨ではないか!くそぅ!サトウカズマを殺せば、ゴブリンでも新魔王になれると思って、俺達の時代が来ると思って攻めてきたのに!」
「……おい、お前はそれで本当に良いのか?」(小声)
「うるさい、こんな軍団を普通に相手に出来ると思うな!」(小声)
しかし、ウォルバクが言ってたことは結構マジだったんだな…
「じゃあ、俺達はこの辺で……王都は真っ直ぐ北の方ですんで、皆さんの旅の安全を祈ってます」
「お、おう…ありがとな…タナカも達者で……ってなるかぁ!!」
ちっ!やっぱり駄目か!めぐみん連れてきたかったのに!
「例え別人でも!見られたからには生かしちゃおけねぇ!悪いが、ここで死んでもらうぜ!」
うん、やっぱりそうなるよな!
「よし!ダクネス走れ!」
「な?!結局逃げるのか!それでは…」
「いいから!」
この数を相手にするのは流石に無理だ。そして、今の俺の手元にあるのはマナタイトとダイナマイト数個、普通に戦えばどうしようもないが…
「カズマ!準備できてるよ!」
「カズマさん!早く!」
「よしダクネス!皆を守れ!俺はちょっとだけ無茶をする!」
「策があるんだな!任せろ!」
俺が居るのは城壁の下。そして、バラバラに追ってくる大量のゴブリン。チャンスは一回!駄目なら全力で逃げるしかない!
「『ティンダー』!」シュボッ
ドーン!
俺のティンダーはエーリカが括り付けた爆弾を起爆する。城門の支柱が折れ、城壁が大きく揺れた。しかし、これではまだ崩れない。
「あ、あいつまさかこの城壁を?!」
「やっぱり本物のサトウカズマだったのか?!俺たちをまとめて潰すために?!」
「今更気付いても遅い!『ティンダー』!」シュボッ
ドーン!
更にもう一本、今度はシエロが括り付けた爆弾を爆発させる。さぁ、崩れるか?!
「お、おい!一度下がれ!」「く、崩れるぞ!」「不味い!」「あいつ、トンデモナイ事を……」
……………
「「「…………いや、これ倒れなくね?」」」
…………うん。耐えたな。
「な、なんだよビビらせやがって!そうだよな!こんな立派な城門!そう簡単に崩れる訳が無いよな!」「ははは!策士が策に溺れるとはこのことだぜ!策が失敗すれば、本人は雑魚なんだろ!」「運が良いだけの英雄とは良く言ったもんだぜ!」
「おい!エーリカ!シエロ!お前らどこに括り付けてんだよ!全然崩れないじゃねぇか!」
「そ、そんなこと言われても知らないわよ!私達初めてなんだから!」
「そうだよ!僕なんて爆薬さえ初めて触ったくらいだからね!」
「お、おいカズマ!これはやばいんじゃないのか?!私が盾に!」
「駄目だダクネス!お前は皆を守れ!」
そう、これでいい。エーリカとシエロにやらせたのはこのためだ。エリスがやったら、一発で崩せてしまう可能性があるからな!
「ははは!お前のチンケな策で皆が集まる時間が稼げたぜ!みんな!一斉にかかれーー!!」
「「「おぉーー!!」」」
眼の前に迫るのはゴブリンの群れ。今の俺ではこの群れを倒す方法はない。そう、正攻法では……
「なぁお前ら……元魔王軍の奴なら、魔王の死因くらい知ってるんじゃないのか?」
「はっ?!不味い!これは後方の奴らを追い付かせる為の罠だ!お前ら下がれ!」
先頭にぎりぎり聞こえる声で話せば、群れの先頭は後ろへ下がろうとする。しかし、それを聞いてない後方のゴブリンは前に出る。そう、固まってくれれば、俺にはこれがある!
「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ!我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法!」
「そうか!この配置はそういう事か!城門を通過するなら左右の敵は集まり、脚を止めれば後ろが追いつく!全員私の後ろへ!いくぞ魔導鍵盤!全力で前方にバリアを!」
「なら、上から来る瓦礫は私に任せろ!」
流石はダクネスとリア!そう、それで大正解だ!
「『エクスプロージョン』!」
カッ!
俺の狙いは頭上にある城門。今の火力では、爆裂魔法を直接当てても確実ではない。でも、この重量物が降ってきて、無事で居られる筈がない!
「くっ!サトウカズマ!俺達はお前を誤解していた!まさか、仲間の為に自分を犠牲にするなんて!」
「そりゃ英雄だからな…さて、お前は逃げないのか?」
「ふっ…これでは逃げても間に合わないだろう…ならば、戦士の最期は、戦場が相応しい!」
絶体絶命の落石の中、俺に突っ込んでくるゴブリンチャンピオン。なるほど、生き様は俺より英雄だな……
「なら俺も…最強の魔法を使わせてもらうぜ!『テレポート』」
「は?!……こ、このクソ野郎がぁぁ!!!」
ぐちゃ!
うん、ごめん!
……………………
「「「カズマ(さん)!!」」」ガバッ!
「うぉ?!」
どさっ!
無事にエリス達の元へ帰還すると、俺の胸へ飛び込むアクセルハーツの3人。あれ程の大爆発と瓦礫の崩落を見て、どうやら心配してくれたらしい。なお、ダクネスとエリスはいつもの呆れ顔だ。
「カズマさん。こう言う無茶をする時は、ちゃんと彼女らに説明してください。皆さん、今にも泣きそうな顔してましたよ?」
「悪かったよ。でも、心配されるってなんか嬉しいな…」
皆慣れてきて、呆れられるばっかりだし……
「ふざけるな!死んだかと思ったんだぞ!私達の為に、カズマが死んだかと…」グスッ
「そうよ馬鹿!私のために死のうとするなんて、カズマには似合わないんだから!」ポロポロ
「カズマさんだけが犠牲になるなんておかしいよ!次は、僕も一緒に戦うからね!」ムギュッ
「あぁ、心配させてごめんな……」
あぁ、温かい…初蘇生の時のダクネスとめぐみんも、こんな感じだったよな…
「な、なぁカズマ…いい雰囲気のところ悪いんだが……」
「なんだよダクネス。お前も抱き着くか?」
「いや、その…シエロが……」
「…………あっ」
シエロが抱きついて、2人が止めないって事は、この3人はまた魅了に……と言うか3人に乗られてたら回避も引き剥がしも出来ない!
「皆、ちょっと離れよう?ほら、無事に帰るまでがクエストだからさ……」
「嫌だ!もう離さない!」
「私も嫌よ!」
「僕もやだ!」
ガッツリかかってる!3人からメッチャ良い匂いする!
「な、なぁカズマ…もう冒険者は辞めて、私のプロデューサー一筋で生きる気はないか?」ピトッ
「私のって何よ!それなら、カズマは可愛いエーリカちゃんが一番好きよね?!」ムギュッ
「ぼ、僕は独占なんて望まないよ!でも、仲間ハズレは嫌だな…」スリスリ
不味い!顔が!顔がどんどん近付いてくる!凄く熱っぽい視線で、3人の顔が近付いてくる!
「だ、駄目です!離れてください!カズマさんから離れてください!」
必死に引き剥がそうとするエリスだが、プリーストのステータスでは前衛二人とシエロは剥がせない。でも、ここで3人と唇を重ねたら、間違いなく俺も後悔する!
「…………エリス、やってくれ」
「そ、そんな事したらカズマさんが!倒れた状態では逃げ道なんて!」
「良いんだ…3人とエリスが悲しむくらいなら、俺は殴られる方を選ぶよ…」
「か、カズマさん……分かりました…『ブレイクスペル』」
「あっ」「え?」「………」ゴゴゴゴゴ
「うん!やっぱり無理!シエロの殺意がヤバい!リアとエーリカは早く退いてくれ!」
貯めてる!なんか力溜めてる!
「す、すまないカズマ…今立ち上がると……その、パンツが…」
「うん…今はアンスコさえちょっと見せられないかも…」
「なんでだよ!それ見せて大丈夫なやつだよな?!今日に限ってそんな……」
「「ご、ごめん!」」
「シエロ!待った!その角度は!」
「い、いやぁぁぁぁ!!!」
ドゴーン!
「ごふぅ!」
こ、これで死んでないのが……むしろ、不思議……ガクッ…
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
アクセルハーツ、取り敢えず顔見せです。
今後、ネタ枠にチラチラ出てくると思ってください。
今後も暇なときにお付き合いください。