なんか、このすばってジャンルはホームコメディらしいんで、もうこう言う馬鹿なことやらせても良いかなって、考えていて指を折った私です。
スポ根風味なのに、友情とか感動とか全くありませんが、お暇な時にでもお付き合いください。
多くの人たちが勘違いしていると思うが、俺は別にスポーツが嫌いと言うわけではない。中学校時代は、むしろ体育が好きだった。
「来いよ!野球部のエースだろうが、バッティングセンターの最高難易度より速い球なんて投げれねぇだろ!校舎裏まで飛ばしてやるよ!」
「ほう、言うじゃねぇか……勝負だ和真ぁ!!」ブンッ!
「よっ!」コツン
「あいつ…守備が警戒して下がった所でバントしやがった!」「汚ぇ!流石和真汚ぇ!」「そして地味に足が速い!」
「おいおい!こんな安い挑発に乗るか?!俺がバッティングセンターの最高難易度打てるわけねぇだろ!」
「くそぅ!こいつ!」
こうやって、友達と馬鹿騒ぎするのが当時の俺は好きだったし……
「今度は前に出ろ!どうせバントしか出来ねぇ筈!ここで仕留める!」
「今だ!盗塁しろぉ!」
「なっ?!」ポイッ
「ほら甘い球ぁ!」カキーン!
「バントを警戒した所で強打しやがった!」「しかも投げる寸前にそんな揺さぶり!」「やっぱり汚ぇ!」「しかも何故か球種をほぼほぼ直感で当てやがる!」
「ははは!お前内角低めばっかり投げるからな!待ってりゃここに来るよな!」
「畜生!地味に研究しやがって!」
体格に恵まれなかった分は、こうして知恵を絞って戦ってきた。実力での勝負が出来ないから、こうして小細工を重ねてきたのだ。それが今なら、冒険者になった今なら、俺は……
____________
「よっ」パスンッ
「くそっ!またかよ!」ズザー
「ここでまたツーアタック!翻弄する!流石は計略の男!信じられないくらい真っ向勝負を否定します!」
ある程度の実力が備わったが為に、小細工の幅が広がった。真っ向勝負は、やっぱりなんか性に合わない。
「じゃ、次は俺のサーブだから後頭部に気をつけろよ?特にダクネスな!」
「や、やめろぉ!仲間の後頭部を狙うなんて、それはどんなご褒美だ!」ハァハァ
「な、なんだアイツ…」「こ、興奮してるのか?」「と言うか、その……」
「「「顔も身体も、メッチャエロくね?!」」」
うん、それは凄くわかる!ポンッ
「「あっ…いってぇ!」」ゴッ!
「おっと接触です!カズマさん、上手く二人の真ん中にサーブを落としました!しかし、これは連携にミスがあったんでしょうか?」
「寸前でしょうもない方法で気を逸したからであろうな…嫁の性癖まで利用するとは、狡猾というか小狡いと言うか……」
やはり競技への理解が浅いからなのか、それともだまし討ちに慣れていないのか……こんな簡単な小細工がめっちゃハマるなんて予想外だ。しかし、これは何とも気持ちが良い!
「くそっ!またこんな方法で!」「普通に上手いのに姑息な手ばっかり使いやがって!」「汚い手を使わないと死ぬのかアイツは?!」
「ははは馬鹿共め!どんな汚い手を使おうと一点は一点!それなら、労せず点が取れたほうが良いに決まってるだろ!」
「畜生!この性格破綻者め!」「アレで権力者で英雄ってマジかよ!」「エリス様の男の趣味が疑わしい!」
「うん…アタシとしても、出来たらそういう事は言わないで欲しいな……女神の旦那って自覚、足りなくない?」
「クリスさんの言うとおりですよ。聖女の旦那である自覚も足りてないのでは?」
「え、なんかごめん…」
別に俺だって、小細工が好きだからと言う理由だけでやってる訳ではない。俺達はメチャクチャ注目されているようだし、なるべくなら実力を隠したいのだ。対抗策を持たれてしまえば、女性メインの俺たちはポテンシャル的には不利になる。
「よし上がった!ここで取り返すぞ!」
「任せろ!ぶち抜いてやらぁ!」パァン!
まぁ、一人だけ男顔負けの凄いポテンシャルが居るんだが…
「ここだぁ!!…‥へぶぅ!」ベシャッ…ポトッ
「また顔面ブロック!ダクネスさんのブロックまた決まりました!顔に当たってしまうのが気になりますが、やはりこれもクルセイダーの為せる技なのでしょうか?」
「いや、これは真性であろう…」
はい真性です。ちなみに、うちのチームは俺とクリス、ダクネス、天使、ウィズ、セレナと、大変清い(一部肩書のみ)メンバー構成になっている。チーム名はピュアホワイト。普段のウィズは白い服など着ないが、今日は下着が純白なので良しとして欲しい。
「ほらダクネス。そのまま、連続で頼むぞ!」ポーンッ
「舐めやがって!それなら一斉に行くぞ!」
どこで覚えたのか知らないが、参加者の中には普通に囮で助走して跳ぶやつも居る。これが本来の近代バレーボールの戦術だ。ただ、これをやられるとダクネスのブロックの効果が半減してしまう為、出来ればやらないでほしい。
「行くぞ!アクア様直伝、シンクロ攻撃!」
………直伝?
「あいつ、まさか賞金欲しさに俺達を潰させるつもりじゃ…」
「あはは…それ、否定出来ないのが辛いよね…」
もしくは、俺達の手札を全部出させるつもりだろう。どちらにしろ、これが終わったら秘蔵のシュワシュワを安酒に詰め替えてやる。
「あぁどうしようカズマ!我先にと私にボールを打ち込みたい男共が迫ってくる!3人同時なんて受け止めきれない!」
「落ち着け変態!相手が3人でもボールは1つだ!お前はボール目がけて飛べば良い!」
ダクネスの身長と反応速度なら、きっとボールを見てからも追いつける。これこそがリードブロック!実は詳しい意味は知らない!
「そ、そうか!ボールぅ!」シュバッ!
ぷよんっ
「……んっ!」ピクッ
「………た、タッチネット?!」
…………そ、そこから胸が届くのかよ?!これは下手したらネットと体の間に、と言うか胸の上にボールが入るぞ?!あと、さきっちょが擦れて一瞬感じたよね?
「ねぇダクネス抉る?邪魔みたいだし、それ半分くらい抉る?」
「く、クリス?!目が怖いぞ?冗談だよな!冗談なんだよな?!」
「…………うん」
「間があったぞ?!」
クリスの巨乳への憎しみはさておき、ダクネスのブロックはそれなりにリスクがあるらしい。後でサラシでも巻かないと駄目か…
「よし!ここからだ!ここから取り返すぞ!」
「おう!いくぜぇ!」パスッ
シンクロ攻撃に一瞬だけ警戒したが、相手のサーブはなんの工夫もない普通のサーブ。それは真っ直ぐにウィズの元へ飛び……
「はい!」ポーンッ
難なくレシーブされる。ウィズは運動神経も良いので、実はアクアにも誘われていたらしい。アクアのチームがアクシズ教中心じゃなきゃ、危うく取られるところだった。
「ブロックで止めるぞ!」「高さなら俺達の方が上だからな!」「さぁ来い!」
うん、やっぱりボールをしっかり見ている。アクアめ、自分達がピンチにならない程度に、細々と要点だけを教えやがったな…
「振り切る?」
「だな…もうこれで勝ちだし、クリス頼む!」パシッ!
俺のトスは、勢いよく誰もいないコートの隅っこへ飛ぶ。ボールを眺めていた相手のチームも、ミスだと思ったのかこれは追わない。まぁ普通に考えればそうだろう。でも、ボールより早いやつが、こっちには一人いるのだ。
「よっと!」パァン!
ダンッ!
「…………へ?」「……は?」「……嘘だろ?!」
「………えっと…し、試合終了!すっぽ抜けたボールにクリスさんが追いついてスパイクを決めました!見事なフォローで、チームピュアホワイトが勝ち抜きです!」
「「いえーい!」」パンッ!
あぁ、なんて充実感!これが青春!まるでスポ根漫画の主人公になった気分だ!それにしても、アクアが居ないだけでスゲー平和だな…
…………
「あらカズマさんも勝ち進んだみたいね。おめでとう。私達は当たるとしても決勝だから、それまではお互いに仲良くやりましょう?」ニッコリ
試合が終わり、控室代わりに借りた宿に戻ると、ロビーでアクアがくつろいでいる。神器を賭けたイベントだけあって、その参加数はとても多く。このイベントは泊り掛けとなっているのだ。
「アクア…お前、俺達の対戦相手に色々と教えたくせによく言うよ…神器の回収だって忘れてないか?」
「あの程度に負けるようなら、そもそも普通に勝ち進めないでしょ?まぁ、実力を見たかったと言うのはあるけど…」
こいつ、この自信はどこから来るんだ…と言うか、こいつらも他のコートで試合だったような気がするんだけど…
「お前こそ、自分のチームは良いのかよ。試合中だろ?」
「とっくに勝ったからくつろぎに来たのよ。初心者相手だもの。殆どサーブで終わったわ」
「……は?」
コイツ、一体どんなメンバーで挑んでるんだ?!素人とはいえ、サーブだけでほぼ終わるなんて事があるのか?!アルカンレティアじゃまだバレーボールは流行ってないはずだよな?!
「ふふっ、それじゃあ決勝で待ってるから、私以外に負けないでよ?」
俺達の前から去っていくアクアは、まるで本物の実力者の立ち振舞だ。どうやらアイツ、敵に回ると強くなるタイプの味方キャラだったらしい。まったく、本当に余計なことしかしない奴だ……
「でも、アクア様が勝っても神器は取り返せるのですし、これは心強いですよね!」
「まぁ、そう言う意味ではそうなんだろうけど…」
「違います!全然良くないんです!カズマさんは気付かないのですか?!」
「な、なんだよセレナ……別に神器は封印するんだし、そんなヤバイことにはならないと思うんだが…」
しかし、セレナの顔は本気で青ざめている。と言うことは、俺が何かを見落としているのだろうか?
「良いですか……アクシズ教に、しかもアクセル支部のセシリーに賞金が渡ったら、一時的とは言えアクセルがアルカンレティア化する可能性があるんですよ!」
「「「「「………あっ」」」」」
そ、それはつまり、あの勧誘地獄がアクセルでも起こりかねないと言うことか?!しかし、アクシズ教の金の使い道なんて他に聞いたこともない。アイツラの行動理念なんて、そもそも他に無いのだから…
「……皆、絶対に阻止するぞ!」
「そうだね!街の平和がかかってるもんね!」
「あ、アクア様には申し訳ないですが…本気で勝ちにいきましょう!」
「まぁ、私はお二人にお仕えしていて実害はありませんが、賞金欲しいので頑張ります」
「わ、私は別に、それも悪くないかなって……フヒッ」
「へぇ…私の診療所は勧誘と嫌がらせが落ち着くまで無期限休業にする予定ですが、それでも悪くないと?」
「そ、それは困る!クレア殿の地獄の訓練後のケアは、実質セレナ頼りなんだぞ!衛兵隊が辞めてしまう!絶対に止めるしかない!」
「そこはクレアを止めるんじゃねぇのな…」
本当なら、もっと優勝に向けた熱い想いで1つになるべきところなのだろうが、俺たちはアクシズ教への恐怖で1つになった。魔王を倒したことで、人類の脅威代表はアクシズ教へ切り替わったのかも知れない。そんな魔王には、本当なら挑みたくないのだが、そうも言ってられないらしい……
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「まさか、準決勝に全チームが残るとは思いませんでしたね」
「俺としては、そっちのアークウィザードばかりのチームが勝ち進んだことが1番不思議だけどな…」
大会最終日。俺とめぐみんは硬く握手を交わして、これまでの健闘を称え合う。そう、これから俺たちは決勝行きの切符をかけて戦うのだ。本当なら感動のシーンな気もするが、俺の方は別に強敵が居なかったのでぶっちゃけなんの感動もない。ルールさえ良く分かってない奴らもたくさんいたし、そもそも審判さえルールブックを持ったままだったし……
「そこは頭脳の違いですよ。カズマだって、随分と知恵を絞っていたじゃないですか?」
「まぁな、それが近代スポーツの強さだからな」
やはり近代スポーツのノウハウがあると全然違う。連日余裕過ぎて体力が余り、ネットに擦れてむず痒くなったダクネスの乳首をコネながらバックしたり、柔軟と見せかけてクリスの蒸れ足を味わいながら正常位したり、セレナの脇汗を舐め取りながら対面座位したり、ウィズのひんやり太ももを抱えて駅弁スタイルしちゃうくらい余裕だった。本当に近代スポーツのノウハウとは素晴らしい。あと、バレーウェアもマジで素晴らしかった。
「我々がその知識をフルに活用できるなら、この先はもうチームワークの戦いです。負けませんよ?」
「あぁ、俺達だってチームワークなら負けないからな!」
そして試合開始のホイッスルが鳴る。見せてやるさ!本気で培ってきたチームワークってやつを……
ポイッ…タッタッタッ…
「ふっ!!」ズダァン!!
ドンッ!
「「「「「………………は?」」」」」
「せ、先制点はシルビアさんのサービスエース!え?今のボールでした?!大砲とかじゃなくて?!」
「いや、ボールであるぞ?少しばかり威力が半端ないと言うだけで……」
「いやいやいや今の何?!微塵もチームワークの存在しないパワープレイが来たぞ?!」
「ははは!どうですかカズマ!これが物理的破壊力の凄さです!爆裂魔法同様、チームワークなんて無意味な圧倒的暴力の強さなのです!」
めぐみん、あいつ何もしてないのに偉そうだな!今度ベッドでいじめてやる!
「……あんた、さっきまでのチームワークって話は何処にいったのよ……でも、頼まれた以上手は抜かないわ。死ぬ気でサーブとスパイクを練習したんだから、怪我する前に降参しなさい!」
「うるさい!絶対に降参なんてするか!」
くそぅ!赤いからなんてくだらない理由で起用したと思って油断した!シルビア普通に超強いじゃん!器用で身長あって、さらにパワーもあるんだから普通に理想形だろアイツ!
「腕が折れたりはしないだろうから…取り敢えず拾わないと…凄く痛そうだけど…」
「なら、やはり私の出番だな!」ワクワク
「えぇ、ダクネスが取ると何処飛ばすか分かんないじゃん…」
クリスの懸念は俺も感じているが、あの威力を止めるなんて並の反射神経では無理だ。実力的に止められるとしたら、やはりダクネスと……
「仕方ありませんね。天使の力をお見せしましょう!」
「私も、シルビアさんの練習に付き合ってました。確実ではありませんが、それなりには…」
「だよな。他に選択肢も無いし、二人はダクネスのフォローを頼むぞ!」
「「はい!」」
しかし、実際の本命は間違いなくウィズだ。ダクネスなら絶対に触るだろうがどこかに飛ばす、それを運良くフォローしても恐らく攻撃には移れない。そして、天使はなんかもうアレなので、シルビアの打ちやすい対角線上には本命のウィズを置き、真ん中にダクネスと言う配置が理想だろう。天使に行ったら諦めよう。
「成程ね。それでウィズをそこに……残念だけど、そっちにも打てるのよ!」
ズダァン!
「不味い!天使の真正面に!」
本来なら、斜めに打ち込む方がコートの中には入れやすい。正面に撃つなら、威力を捨ててコートに入れるように調整すると思っていた。しかし、シルビアのサーブは全く威力が落ちない!
「こ、この威力は!ひゃうん!」
ずどっ!
重々しい音を響かせ、天使が後ろにぶっ飛ばされる。流石に死にはしないだろうが、それでも相当なダメージが入ったんじゃ…
「カズマさん!上がってます!天使様の身を挺したレシーブは、まだ落ちてません!」
「はっ!そうだった!」
天使が身を挺して上げてくれたレシーブ!これは決めないと流石に心が痛む!ここで確実に決めるなら…
「セレナ!」パシュッ
「もう居ますとも!」パァン!
ダンッ!
「くっ!嫌な所に!」
あるえの手がギリギリ届かない位置へ、セレナのキレイなスパイクが決まる。セレナは元々の高い運動神経は勿論、俺と同じく悪知恵が働く。相手に明確なスキがあれば、間違いなく相手の嫌な所にいる。これが聖女を自称する女。マジで根底から向いてない!
「あっそうだ!天使無事か?!駄目そうなら、一応控えにちょむすけが居るぞ?」
「……え?あの子選手登録してあるんですか?!」ガバッ!
……あれ?意外と余裕そう?
「あっ……い、痛いですぅ…腕が折れそうで、優しく抱きしめてくれないと死んじゃいますぅ……」パタリ
「………審判の人。面倒なんでそのまま続けてください」
「あっ…はい」
「ちっ、駄目か!」ムクリッ
そりゃ駄目だろ……でも、アレを受けて無事って、こいつマジで変な所有能だな…
「あのポンコツ天使…思ったよりやりますね…」
「本当ね。これで5点くらい取りたかったのだけど…」
シルビアの化け物サーブを止めたのに、あいつらから余裕が消えない。どうやら、攻撃がシルビア頼りと言うわけでは無いらしい。これは本気で辛い戦いになりそうだ。
「悪いな!今日のプレーが広まって真似されれば、小柄な俺はヒーローになんてなれない。だから、今日くらいヒーローで帰らせて貰うぜ!」
「ふっ!それは私だって同じことです!決めようじゃないですか!戦略の基礎として崇められる存在が、いったいどちらなのかを!」
うちでそれなりのサーブが打てるのはウィズとセレナだけで、俺には得点源になるような強力なサーブはない。でも、点を取るのは威力だけとは限らない!
「そこだ!」パシッ!
「ちょっ私?!きゃぅ!」
ぽとっ
「サービスエース?!カズマさんのふんわりサーブが、小細工なしでウォルバクさんからサービスエースです!バニルさん、今のは一体…」
「いや、あれは一見そうは見えんが立派な小細工だ。今のは後衛のセッターが前衛に移動する所にぶつけたのだな。サーブを打つまで後衛は前に出られないゆえ、急いで前に出る必要がある」
「なるほど、その移動中を狙ったと……」
うん、それ解説したら駄目じゃね?あと、ウォルバクの驚いた声可愛いな。
「なるほど、なかなか姑息な手を考えつくわね。でも、それならレシーブしてから移動すればいいのよ!」
「それが出来るならな!」パスッ!
「えい!」ポンッ
「おっと!移動しなかったのでウォルバクさん普通に上げました!コレはカズマさんの策がハマらなかったか?!」
「いや、そうでもないな…」
「ゆんゆん!ウォルバク様はもう一度触れません!私にトスを!」
「あっ!えっと…アーネスさん!お願いします!」ポムッ
「くっ!短い!」ペチッ
最初にウォルバクが触れば、トスは他の奴が上げる必要がある。でも、咄嗟にアタッカーに合わせるなんて、急ごしらえのチームには無理な話だ。相手の攻撃が甘ければ…
「そんなへなちょこ球なら、直接叩ける!」パァン!
ドンッ!
「くっ!本当にどこにでも回り込んでくるね!」ズザー
「カズマさんが相手のミスを誘い、クリスさんが得点です!なるほど、バレーボールって奥が深いんですね!」
「しかし、こんな単純な手で連続得点とはいくまい。流石に対策を講じるであろう」
俺としては別にそれでも良い。要は、なるべく隠し玉を相手に出させて、こちらは温存したいのだ。対策が必要な必殺技が最後に出てくるなんて、マジで勝ち目が消えてしまう。
「さぁ!次はどうする!」ポンッ
「ウォルバク様、初手で思い切り上げてください!」
「うん!お願いアーネス!」パシュッ!
ウォルバクのレシーブは、10m以上高く上がる。時間を稼げば混乱は収まるが、こっちにも対策する時間が……あっ!
「不味い!全員構えろ!打ち下ろして来るぞ!」
コートの方に目を向けると、コートのかなり後ろにまで下がったアーネス。よくよく考えれば、別に飛べるのは天使だけじゃない!
「全力で……打ち込む!」バサッ…スパァン!
ズドン!
「くそっ!やっぱりそう来るか!!」
「す、垂直!ほぼ垂直のスパイクが決まりました!バニルさん、なんかアーネスさん飛んでませんでしたか?!」
「じょ、助走とはつまり、人工の翼であって…」
「明らかに黒い羽が見えたような気がしますよ?!まるで悪魔のような…」
「あ、やってしまいました…」
いやまだだ!頑張れバニル!アーネスの今後はお前にかかってる!流石に王都じゃ俺はかばえないぞ!
「や、やつはコウモリの獣人なのだ!ルール上飛ぶことは禁止されていないので、別に問題はないであろう?」
「なるほど!私コウモリの獣人なんて初めて見ましたが、この活躍をきっかけに表舞台に出てきてくれると良いですね!」
ナイスだバニル!
「ではカズマ様。コウモリなのはいささか不満ではありますが…羽が使えるとわかった手前、狙わせて頂きます!」シュバッ……ズダンッ!
「おいおい、サーブもかよ!」
飛行による高角度から放たれるサーブは、前衛に居ようと射程に入る。でもこんな正面からのボール、上げられないほど下手じゃない!
パァン!
「うわっ!いってぇ!なんだこの威力!」
「カズマさん、何とか跳ね上げた!そして、セットアップの位置には既にウィズさんが、残り全員が助走の体勢です!天使(あまつか)さんがもう羽を出しています!」
「あぁ、あれはアヒルの獣人である」
「仮上司がひどすぎませんか?!」
いや、天使に見えないのはお前に原因があるぞ。
「くっ!ウィズ様がそこに来るとは…やはり対策を考えてましたか!」
「当然です!カズマさんがその作戦を使う以上!同じことをされる事は想定しています!」
さぁ悩め!誰が打つのか!どのタイミングで打つのかを!
「アーネスもシルビアも後衛だ!天使の急角度スパイクなら、ブロックじゃ止められない!」
「くっ!確かにあれはブロックじゃ届かない!ブロックは捨ててレシーブの用意だ!」「来ますよ!すごいのが!」「ウィズは後衛だから、選択肢は5パターン!」「人は見ないで!ボールがどこに上がるかで…」「あれ?でもこれ……」
…………ぽとっ
「「「「「「あぁ!」」」」」」
「まさかの誰も打たない!それどころかウィズさんがトスもしない!しかし、カズマさんのレシーブは相手のコート内!ネットスレスレに落ちました!」
「ふむ、確かに後衛がトスを上げに来たら、多彩な攻撃を警戒する。ブロックが届かないならレシーブにシフトするのは分かるが、そこでガラ空きのネット際か…」
「どこまでも翻弄します!流石は真っ向勝負したら死ぬ男です!」
死にませんけど?!
「ところで、汝は今日随分と楽しそうであるな?」
「喋るだけで普段と同じお給金ですし、やる気のない冒険者にやる気を出させるより全然楽しいです!」
それは日頃から申し訳ないと思ってます!
「さて、私は聖女らしく真っ向勝負といきましょう…そろそろいいですよね?」
ゾクッ
あ、これ本気のやつだ…
「クリス、天使、後頭部守っとけ…来るぞ…」
「もう?!」「は、早すぎませんか?!」
ささっ!
実のところ、今使ってる俺の小細工はまだ序の口だ。小細工というのは、使える手札が強力な程にその効果を増す。でも、今は決勝戦に向けて全員の奥の手を使用禁止としている。いるのだが……
「そ〜……れっ!」ズダン!
ダァン!
「なっ?!」「うそ…」「真ん中に?!」「そんな威力で?!」
商店街でバレーに参加しているウィズとセレナは普通に上手く、そしてステータスがそもそも高い。そう、これはセレナが奥の手を封印した状態での性能なのだ。しかし、これをやられると……
「サービスエース!カズマさんの活躍を、ほんの一瞬で消し去る一撃!これが本物のバレーボールだと言わんばかりです!」
そのあまりの凄さに、俺が一瞬で霞む。切ない。
「アクセルから流行り始めたこの競技に、熱心ではないが最初から参加していて、しかもアクセルにいる理由が分からんほどに高レベルでステータスも高い。普通に考えれば、この世界で最高峰の選手はあやつらになるか……」
「そういえば、アクセルの選手はステータスで負けてても勝率が高いですから、発祥の地と言うのは確かに有利ですね!」
だから俺は、真っ先にこの二人に声をかけたのだ。普通に球技をやるなら、経験者を真っ先に誘うのは当然だからな。
「ふふっ!本当の力を見せてきましたね!なら、私達も全力で相手をしましょう!」
「えぇ、お互いに全力のほうが、楽しいですから……ね!」ズダン!
「はい!」パァン!
セレナの渾身のサーブは、今度はゆんゆんに完璧に受け止められた。さっきから色々と小細工で点数を稼いでいるが、このチームに同じ手が2度通じることはない。こちらの状況に合わせて微妙に陣形を変え、スキのない配置を探っている。どうやら、高い知能は伊達ではないようだ。
「へぇ…やりますね…」
「ボールを落とさなければ負けません!皆と必死に練習したんです!」
力の弱いアークウィザードでも、素早く軌道を読んで下に潜り込めば力押しに負けることはない。そして、めぐみんをおんぶして走り回るゆんゆんは、足腰と体力が並のアークウィザードとは違う。騎乗位で三十分頑張れるくらい違う。
「でも、攻撃しないと勝てませんよ!」
「分かってるわよ!めぐみん!」パスッ
ウォルバクの分かりやすい声かけは恐らくフェイント…と見せかけて本当という可能性もある。こういう言葉に惑わされず、的確にボールを……
「いきますよ!ダクネス!」
「こい!めぐみん!」
「あっ!この馬鹿!!」
鬼気迫る表情で迫るめぐみんに対し、ダクネスがブロックに跳ぶ。しかし、やはりウォルバクがそんな馬鹿な筈がなく……
「そこです!」スパン!
「めぐみんの後ろから?!」
ダンッ!
「ゆんゆんさんがめぐみんさんの後ろからバックアタック!ダクネスさんの上を抜きました!」
「あの真性がいるからこそ、そこを真っ直ぐ抜かれないと言う油断をついたな。それに、下がってレシーブしたプロぼっちが、まさかその直後に打つとは思わんだろう」
「ふふっ、悪いけど、策略なら私だって負けないんだからね?」
「そうだったな…以前は軍隊を動かしてたんだもんな…」
流石は元魔王軍の智将ウォルバク。どうやら、読み合いはそう簡単にはいきそうにない。
「さて、次は私のサーブだ。いくよ…これが変幻自在の魔球さ!!」パスッ
「別にあるえのサーブは普通じゃ…あれ?!」カスッ…ポトッ
「おっと!予想外にもサービスエースです。今のはクリスさんのミスですか?」
「いや、手元で変化したから拾えなかったのだ。あの球は無回転だからな…」
無回転サーブ…俺もやろうとしたが難易度が高くて出来なかったアレか…
「ふふふ、私はアークウィザードにしては器用な方だからね。ゆんゆんみたいに誰かと延々と練習する体力はないけど、こういうのは大得意なのさ!」
「なるほど…頭脳だけ担当ってわけじゃないんだね…」
確かに、あるえの右手は超高速でスケッチしたりメモを取ったりと俊敏であり高精度だ。サキュバスクラスの高速手コ○で弱点を外さないのだから相当なものだろう。なお、一回射精させたら疲れるので、楽しみたくても一日一回までとなっている。惜しい。実に惜しい!
「さぁ、こっちの陣形はもう固まったよ。出し惜しみして勝てるかな?」
「出し惜しみしても、同じ小細工は2回通じないだろ…」
「あぁ、分かっているじゃないか。さぁ、これからが本番さ!!」
あちらのチームは、連携が取れていて明確な穴がなく、しかも同じ小細工に2度引っ掛かることがない。なら、純粋な攻撃力で陥落させるしかない!
「まだまだ!もう一度魔球を喰らうが良い!」ポスッ
「ウィズ!変化する球は変化前に捕まえろ!」
球が進むだけ変化するなら、変化前にオーバーハンドで捕まえれば良い。教えてくれてありがとう少年ジャンプ!
「はい!カズマさんお願いします!」パスッ
「任せろ!」
レシーブが安定さえすれば、攻撃力はこちらが上。多彩な攻撃を選べれば、相手のスキを……スキがない?!
「ふふっ、やっと捕まえたわ…」
不味い!クリスにめぐみんが張り付いていて、守備のどこにも決められる場所がない!そうなると……
「ここしかねぇ!」パスッ
「ふぇ?!」ふよんっ
ブロックの準備をしていたウォルバクのネット際!お前も、その胸じゃネットスレスレには来れないはず!
「乗ったぁ?!ボールがウォルバクさんの胸に乗りました!これはホールディングの反則です!と言うか女としても反則ですよあれは!」
「女として反則かは知らないが、全くボールが弾まんってどんな材質だアレは……」
よし!これの柔らかさは桁違いだからな。跳ねたら返球されるが、乗ればこっちの点だ!
「ここでもセクハラって、やっぱり最低ですね…」
「と言うか、そのサイズのボールが乗るんだね…」
「くっ!」ギリギリ
「うん、落ち着けクリス…」
「うぅ…さっきのかっこいい流れを返してよ!決め所だったのに!」
そう言えば、なんか捕まえたとか言ってたな。いや、確かにヤバかったけど…
「すみませんが、もうこのまま勝たせてもらいます!それ!」スパン!
「そう簡単には行きません!師匠!」パスッ
ウィズのサーブは決して弱くないが、めぐみんは危なげなくそれを拾う。これは練習によるものか、それとも元となる運動神経か…それにしたって数日でこんなになるとは、やはりポテンシャルが高いのだろうか。
「シルビア!」パシュッ!
「任せなさい!」ズパン!
「おっと!させません!」パァン!
シルビアのスパイクはセレナに拾われ、そのボールは俺に向かって落ちてくる。やはり、俺は運動神経でこいつらには勝てない。なら、いつも通り頭を使って……使って……駄目だ!やっぱりスキがない!そして、ウォルバクが胸隠してやがる!
「捕まえたって…いったわよね?」
「くそっ!ウィズ頼む!」
「は、はい!」パァン!
「おっと!」バチン!
シルビアにブロックされたボールは、そのままウィズの足元に落ちる。なるほど、これはもう完全に読まれているか……
「ふふふ、もう分かっているのよ!ダクネスはスパイクを打てないし、クリスは速いトスには合わせられない。天使は打ったところを見たことがないけれど、それなりに助走が必要なのかしら?つまり、クリスを封じれば実質2択。それで私を出し抜けると思う?」
「さっき胸で……」
「思う?!」
「あ、ごめん……さっきのはなかった感じなんだ…」
「……無しでお願い!」
しかし、この状況はマジでピンチだ。実は作戦を重んじるあまり…そして持ち帰ったハイ○ューが面白過ぎるあまり、うちのチームは基礎となる練習時間が全然足りていない。正直、トスにスパイクを合わせるだけで精一杯だった。だからこそ、少ない手札を小細工でかさ増しして誤魔化していたのに…
「確かにエース級の2人は厄介だけど、逆にその二人だけ警戒すれば他は何とでもなる選手ばかり。悪いけど、早く降参したほうが恥をかかないわよ?」
「そりゃ忠告どうも。でも、俺の諦めの悪さは知ってるだろ?」
「ふふっ、そうだったわね。なら油断せず仕留めさせて貰うわ!」
確かに、うちのチームには極端な強みがあると同時に、致命的な欠陥が沢山ある。今まで勝ち進めたのは、相手がバレーボールを理解していなかった部分が大きく。むしろステータス補正がなければ中学生の部活のほうが上手いだろう。普通に連携が出来て頭がいい相手には、真っ向勝負では勝てない。でも、残念ながら真っ向勝負を前提としてチームなんて組んでいない!
「しょうがねぇなぁ!全員、切り札を解禁!この先は遠慮なく行くぞ!」
「やっとですか…天使の力、見せるときですね!」
「少しズルい気もしますが、仕方ありませんか」
「クリスさん、ダクネスさん。遠慮は要りません。ミスは私がフォローします。全力で攻撃を!」
「ありがとうセレナ。お願いね?」
「すまないなセレナ。よろしく頼む」
そっちの準備は?
[えぇ、いつでもどうぞ]
なら始めようか。俺たち冒険者の戦いってやつを!
「ふふっ!その切り札がどの程度のものか、見せて貰おうじゃない!」
「行きます!」パスッ
「カズマさん!お願いします!」ポーン
ゆんゆんのサーブは、ウィズの安定したレシーブで受け止められる。こうしてタイミングを合わせやすいレシーブが来ることが、この技の大前提。さぁ、行くぞ!
「そんなに見たいなら見せてやる!これが、俺たちの切り札だ!」
シュパッ!パァン!
ダンッ!
「「「「「「は?!」」」」」」
誰一人としてそのトスが上がった先を目で追えない。俺のトスはただ後方に真っ直ぐに飛び、全力で打ち下ろしたクリスの手に当たった。端的に言えばただそれだけのこと、しかし、それが狙って出来るとしたら…あの夢の速攻が俺たちにも可能だとしたら…これ以上の絶望感は無いだろう。
「き、決まりました!何があったのかも分からないスピードの速攻!クリスさんがアレに合わせたのでしょうか?!」
「いや、あれは小僧が合わせたのだ。盗賊娘は、トスの前にもう振りかぶっていたからな…」
「ぐ、偶然よ!出来るはずがないわ!そんな神業!」
ははは!本当にこんなの食らったらそんな反応するんだな!これはなかなか気分がいいぞ!でも、せっかくなので揺さぶっておこう!
「あぁ、普通に考えたら無理だろうな。でも…それが可能なほど相手を理解していたら?それが可能なほどの幸運を持っていたら?さて、成功率はどうなると思う?」
「まさか…運と信頼だけでそんなの…」
「なら、これから証明してやるよ。本当の信頼と、チームワークってやつをな!!」
……………………………
「ゲームセット!この圧倒的実力!なんでこれで小細工してたのか分かりません!これが英雄のパーティーです!」
「「イエーイ!」」パチンッ!
切り札を解禁してから、試合展開は一方的だった。俺とクリスの速攻に一切のミスはなく、ダクネスのスパイクさえ決まりだしたのだ。全部タネも仕掛けもあるのだが、別にバレなきゃ反則ではない。
「負けたわ。私も、二人の関係がそこまでだなんて読めなかった…なんか悔しいわね…」
「なんだよ。俺がどんだけお前らを見てると思ってるんだ?ウォルバクにだって、合わせてやるよ」
「なにそれ、カッコつけ過ぎよ…私は結局アタックなんて出来なかったわ。落ちてくるボールにさえ間に合わないんだもの…」
「なら飛んでみな。俺が打たせてやるから…」
「もう、強情なのね…なら1回だけね……ほっ!」
「『デスブリンガー』」ポシュッ
パァン!
不格好なウォルバクのアタックに、吸い込まれていく俺のトス。因果逆転の必中スキルで当ててるので、空振りなんてありえない。え?反則じゃないかって?バレなきゃ良いんですよ?
「な?打てたろ?」
「いや、な?じゃないから!どういうことなの!それ因果を捻じ曲げて必中させるスキルじゃない!ズルい!そんなのズルい!ずっとそれで打たせてたのね!」ポカポカ
「そうですよ!最低な男だとは知ってましたが、仲間にまでそれですか!人としてどうなんですか!」
「うるさい!俺だって知ってんだぞ!その、テーピングの下!魔法陣書いてるだろ!お前らの腕真っ白じゃねぇか!普通はセレナのサーブとか受けたら赤くなるからな!」
……プイッ
ほら!明らかに全員の反応がおかしい!
「な、何を言ってるのでしょうか……これは中二心をくすぐるペイントで…」
「おいセレナ。めぐみんの腕にスパイクしろ。実力で止めてもらおうぜ?」グイッ
「すみません!謝るからやめてください!こんなの痛いに決まってるじゃないですか!実は初日からもう無理ってなりましたもん!」ジタバタ
暴れて逃げようとするめぐみんを捕まえ、この腕当てを裏返す。その裏地には、もう耳なし芳一レベルにびっしりと魔法陣が書かれていた。
「いや、それにしてもビッシリ書きすぎだろ!これなんて強化系スキルだな!これとか凄い複雑だぞ!」
「書き始めたら止まらなくなって…ついつい物理攻撃無効の魔法陣を…」
「良く俺のこと非難出来たな?!」
実は試合開始からずっと疑っていたのだ。ウォルバクの体力がこんなに保つはずないし、何故か赤に拘るコイツラの腕当てが白いし、ベンチに大量に油性ペンがあるし!と言うか、こいつらが持てばペンは剣よりも強いのだ。これは比喩でもなんでもない。
「というか、気付いてたならその場で言えばよかったじゃない?調べられたら、証拠まみれで坊やの勝ちだったわよ?」
「あはは!カズマはそんなことはしないよ。だって、凄く楽しそうだったもんね?」
「まぁ…それは否定しないけどさ…」
正直に言えば、この試合は凄く楽しかった。魔法を使っては居るが、漫画の主人公みたいな活躍をして、そこには仲間とライバルが居て、まるで絵に描いたような青春物語で……
「それで、憧れのヒーローになった気分は?」
「べ、別にヒーローにら憧れてねぇし!俺は狡猾な策士でいいんだよ!そんなの目指すほどガキじゃねぇし!」
「おやおや、顔が赤いですよ?なんですか?カズマも実はヒーローになりたいタイプなんですか?可愛いところありますね!」
「そ、そんな訳ないだろ!俺は別に……」
「あらあらカズマさん…本当に決勝まで来たの?いやぁ、私に負けるためにご苦労さまね!」
「あ、アクア……それと…まさか?!」
その時、俺達の楽しい空気は一変した。アクアの横でコーチの腕章を付けた女性は……この確かに見覚えのある女性は…
「か……母さん?!」
「「「「お母さん?!」」」」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
これが剣と魔法の世界のスポーツです。
最初から魔法で反則させると次回のネタが無くなるので、現実にやっても良いけど友達無くしそうなプレイ集を入れました。次回は堂々と反則の応酬が始まります。