タピオカを飲んだら思い付きました。すみません。思い付きの垂れ流しです。
またお暇な時にでもお付き合いください。
季節は夏。じんわりと暑くなったこの季節、やはりこれを忘れてはいけない。
「微調整…『フリーズ』!」
シュワワワ〜
「「「じゃあ、いただきます!」」」
ぐびっ!
「かぁー!!フリーズでキンキンにしたシュワシュワ最高ね!カズマさんを勇者に選んで本当に良かったわ!!」
「たまらないよねぇ!外でお肉を焼きながら、暑さはシュワシュワで忘れようなんて!カズマと結婚してよかった!」
「ははは、なんか魔王倒したときより褒められてる気がするけど、今は気分がいいから許す!さぁ!じゃんじゃん焼いてガンガン飲もう!」
庭に置かれたパーティテーブルを囲み。俺とクリスとアクアは肉を焼きながら最高の一杯を楽しんでいる。家には魔道クーラーもあるし、今年の夏の暑さは恐れるに足りない。ちなみに……
「すみません!本当に反省しているので私達にもシュワシュワください!」
「心の底から反省しましたから!BBQに飲むヨーグルトは絶対に何か違いますよ!」
「しかもなんでジャム入りなのさ!流石にこれは甘すぎるよ!」
紅魔の3人娘はBBQの焼き役。そして、ドリンクは飲むヨーグルトの刑に処している。慈悲はない。ついでに乳でも育てば良い!
「うるさいぞ。全く、昨晩のがキッカケで俺が勃たなくなったらどうするつもりだ?もう少し反省しろ!」
「蘇生後に全員失神するまで抱いた男がソレを言うのですか?!」
「あれ絶対にポーション飲んだのがカズマさんだったら私達が死んでたよね……」
「そうかな?カズマさん壊れるギリギリの加減うまいから……」
「「いつもゆんゆんはどんな抱かれ方してるの?!」」
白目剥くまでかな……
「でも、これだけ暑けりゃウィズの店も大繁盛だろうし、この夏はマジでクエスト行かなくて大丈夫だな!ようこそ!俺の快適な夏休み!」
「そ、それは流石に困るかな…ほら、一応人命優先で働いてくれると…」
「クリスも硬いこと言うんじゃないわよ!そんなの来てから考えれば良いの!ミツルギとか割と暇そうだし、きっとあっちで何とかするわよ!」
そう、借金がない今となっては、この暑苦しい夏に出かける必要なんて無い。となれば、もうやるべきことはたった1つだ。夏休みを楽しむ。これに尽きる!
「いえ、残念ながらウィズさんのお店はそこまで繁盛しておりませんよ。その件で急ぎ報告に参りました」
「あ、セナさんお疲れさまです。シュワシュワ飲みます?」
「いえ、まだこれから仕事なので……夜に二人でなら…」
ふむ、やはり酔うところは見られたくないらしい。また、ルナさんを呼ぼう。
「分かりました。また店を予約しますね。それで、ウィズの店が上手くいってないと言うのは?」
もはや当たり前のように敷地に入って来たセナさんは、その手に抱えた報告書の山を俺に手渡す。ちゃんと気にすべき場所に付箋を入れてくれるあたり、本当にこの人は優秀だ。あっ、セレナ勝手にクーラー買ってる!二重発注しちゃったじゃん!
「こちらの調査資料によれば、外気温が28℃辺りまでは順調に売上を伸ばしていたのですが、34℃になってからはむしろ不調です。お客が水分欲しさに酒場などに取られている印象でしょうか…」
「なるほど……確かにそれは不味いです。アレは廃棄のダメージが割と大きいので、急いで対策しないと……」
確かに脱水してはアイスどころではない。そして、直接見なくとも俺には分かる。ウィズが売れると思って仕込みすぎたソフトクリームが、このままでは捨てられるという未来が!
「しょうがねぇな。この時期には行きたくなかったんだが……お前ら準備しろ!海に行くぞ!」
「海ですか!それは夏にこそ行くべきところでは?!」「まぁ、カズマさん引きこもりだからね?」「あぁ、苦い思い出が……」
うん、もうめぐみんとアクアとクリスにはフリーズしてやらない!
「み、水着だよね…去年のは無理だよ……」「私も、去年の絶対入らないよ…」
ゆんゆんとあるえには、後でキンキンに冷えたジュースと、新しい水着をプレゼントします!
_____________
「『カースドライトニング』!」
パァン!
「よし、ナイスだウォルバク!そのまま浮かんだやつにトドメだ!」
「任せて!『インフェルノ』!」
ウォルバクの強烈な電撃魔法に、浜辺に大量のモンスターが打ち上げられる。馬車の荷台からというのがいまいち締まらないが、砂浜を歩くのは重労働らしい。
「あの、もっと観光地の砂浜では駄目なのですか?海の家もバリスタもカタパルトも無いですよ?」
「そのクラーケン対策だらけの海も普通にこえぇよ!あと、俺の目的は海水浴じゃない」
俺達はアクセルを離れて少し寂れた砂浜にやってきている。その理由は新ビジネスの材料「キャッサバ」を捕獲するために他ならない。
「それにしても、毒性がある植物モンスターを食べるなんて正気ですか?確かに繁殖力は無駄に強いですが、たくさん有っても毒では食べられませんよ?」
「カズマさんの故郷じゃ流行ってるのよ。毒抜きしてツブツブのゼリーみたいに煮込んで、ジュースと一緒に飲むのがね?」
そう、察しのいい諸君はお解りだろうが、俺はこれからタピオカを作る。ウィズの店の隠してるつもりのない隠しメニューに紅茶があるのだが、これにタピオカを突っ込めば間違いなく流行るとふんでいるのだ。だって普通に紅茶は美味いし!なんなら上にソフトクリームも乗せちゃう!
「この世界じゃ天敵が一撃必殺ウサギだけみたいだしな。それなら、海岸線が最高の狩り場だろ?」
「そうだね。キャッサバはその長い根っこで疾走する時、天敵の一撃必殺うさぎの来ない海沿いに逃げることが良くある。クラーケンはキャッサバを食べないし、一撃必殺うさぎはクラーケンを警戒して近寄らないからね」
そう、今回はちゃんと勉強してここに居るのだ。キャッサバは被害者の少ない安全な野菜であり、基本的には逃走しかしない。そして、強い毒性で他の生物も寄って来ず、唯一の天敵は毒に抗体のある一撃必殺ウサギのみ。つまり、一撃必殺ウサギがクラーケンを恐れる以上、海沿いで狩れば安全だろう。もう今更疾走するところには突っ込まない!
「しかし、相手は誘き寄せが出来るわけでも無いし、今は待ちだな。ということで…………遊ぶぞぉー!!」
「「「「おぉーー!!」」」」
________________
「よーし!まずはスイカ割りだ!」
「カカッテクルガイイ!」
夏の定番のスイカ割りも、この世界では一味違う。程よく熟れたスイカは、そのツルで強靭な肉体を形成し、挑戦者の頭をかち割りにくる。それを己の力で返り討ちにするのがスイカ割りなのだ。ちなみに果汁が飛ぶので水着参加であり、当然子供に参加資格はない。死ぬ。
「いけーダクネス!貴女の腕力ならスイカなんて握り潰せるわ!」
「それでは美味しく食べられませんよ?!ダクネス!絞め技で首を狙うのです!」
いや、これただのプロレス鑑賞じゃね?ダクネスが水着ってところ以外普通にプロレスじゃね?
「あら、大玉スイカなんて豪勢ね?高くなかった?」
「いや、別に5000エリスくらいだったぞ?」
「5000エリスで大玉は高いよ。確かに美味しくて大きいけどさ……」
「うん、食べられるところ殆ど無いもんね…」
あんな大玉が食べられる所がないってなんだろう?
ズドッ!
「グフッ!ヤルナ……ニンゲン…」
「ふっ…お前もなかなかのものだぞ…」
ヒートアップするダクネスとスイカの戦いを見て、俺はゆんゆん達の発言の意味を理解した。あのスイカ、吐血風に果肉吐いてないか?
「ダクネス!これ以上長引くとスイカが温くなるわ!ボディーに重いのを叩き込んで動きを封じるのよ!」
「いやそれ中身全部吐かない?」
「いえ、ここはやはり顔面への打撃ラッシュで一気にKOを!」
「それじゃ中身がジュースにならない?」
「おいカズマ!なら私はどうすればいい!まさか殴られ続けろというのか?!」
そんなこと言われても、流石にスイカ食べたいし……
「果肉を零さず迅速に倒すなら……首だ!首を狙え!」
取り敢えず食べるところを残すために!
「バカメ!ココダナ!」
あっ、そうだ言葉わかるじゃん!言うんじゃなかった!
「悪いなスイカ…愛するものに背中を押されたんだ!私はもう容赦しない!」
いや、お前は楽しんでただけだろ?!
「カズマが教えてくれた!踏み込みの力に、腰の回転を足して、全身で放つこの一撃!」
ダンッ!
ダクネス腰を軽く落として、俺の教えたように構えを取る。構えを教えるだけで二週間かかったが、こいつは力が乗れば破壊力は保証付きだ!
「うそ?!ダクネスがあんな美しい型を?!」
「行くのですダクネス!カズマの想いを、その拳に込めるのです!!」
「くらえ!『正拳突き』!」
パァン!
「「「おぉっ!…………お?!」」」
ダクネスの放った正拳突きは、首を守るスイカの頭を貫き、そして果実を粉砕した。俺たちの顔にスイカの果肉が飛んできたが、9割以上は砂の上だ。いや、そこで外す?!
「拳さえ当たらねぇのかよ?!大玉スイカがただのゴミじゃん!」
「し、仕方ないだろ!狙い方は教わってない!」
こいつ!正拳突きに狙い方も何もないだろ?!
「まぁ、ダクネスですし……不器用ですし……」
「あぁもう!返り血みたいになってんじゃん!替えの水着あるから……」
あれ?スイカなら2つここにもあるんじゃね?ちょうど果汁も吸ってるし……
「よく頑張ったなダクネス。よし着替えよう。新しい水着だから俺が着付けてやろう」
「ど、どんな変わり身だ?!いや、別に水着くらい…」
「良いから良いから……」グイグイ
「お、おいカズマ?!て、テントに押し込むな!お前…あっ…ちょっ……ひゃうん!そこ吸っちゃ…んんっ!」
うん……甘い!
_________________
「やっぱり、スイカは網から出す前に切らなきゃ駄目よね」シャクシャク
「拘束具のワイヤーごと綺麗に真っ二つに出来るのは師匠くらいですよ……しかし、大玉スイカの予備があってよかったです」シャクシャク
「あっ、そっちのスイカ冷やしてなかっただろ?温くないか?」
俺がスイカ(意味深)を潮(意味深)と一緒に楽しんでいたら、ウォルバクとめぐみんが新しいスイカを出していた。周りに皮が置いてあるので、多分全員で食べたのだろう。そして、食うのが遅い(顎の筋肉も弱い)ウォルバクと、大量に食うめぐみんが残っているというわけだ。
「師匠がフリーズで冷やしました。カズマとダクネスと分も残ってますよ?」
「だってよ?食べられてばっかじゃ可哀想だし、ダクネスも食えよ」
「食べられたとか言うな!す、スイカは貰う…喉が乾いたからな…」シャクシャク
「「ん?」」
新しい水着に着替えたダクネスは、借りてきた猫のように大人しくスイカをかじる。スイカは堪能したが本番はしていないので、多分色々と抑えているのだろう。ごめんな。流石に少しは遊ばせてくれ。
「しかし、日差しが強いな…ほらめぐみん。日焼け止めだ。あるえとゆんゆんにも塗ってやれ」
「おや、カズマにしてはなかなか気が利くじゃないですか?そんなに私の白い肌が恋しいですか?」
「いや、日焼け跡フェチで16連戦しそうだからな」
「……直ぐに塗ってきます」
あれ?この冗談は駄目?
「ほら、ウォルバクが日焼けを気にしてたから用意したんだぞ?塗ってやるからこっちこい?」
「え?私のためなの?!新商品とかじゃ……」
「こっちは日本の良いやつだよ。ほら、塗ってやるからこっち来い?」
「うん…ありがと…」
良いんだよ。ついでに、ちょっとメロンが食べたかっただけだから……
「あっ…待って…前は自分でも…んっ!駄目!そこ吸っちゃ…あぁん!ばかぁ!」
ふぅ、何故かこれも甘く感じる!
___________________
「あるえとゆんゆんは、休憩中か?」
メロンも美味しく堪能した俺は、テントを後に浜にやってきた。流石に少しくらい海を堪能しないと勿体無い。潮は2種類ほど堪能したが……
「あぁ、さっきまで泳いでいたんだけど、やっぱりアクアさんには勝てなくてね…」
「もう、一年分は泳いだ気がします…ふぅ…」
いやアレに勝つのは無理だろ。牽引無しでジェットスキーしてるし……
シュバー!ちゃぷっ…
「あら、カズマさんも泳ぎに来たの?」
「お前のそれは泳ぎじゃねぇだろ…て言うか、直立状態で胸まで浮くの凄いな…」
「水の女神だもの、このまま水平移動出来るわよ?」スーー
「なにそれ凄っ!微動だにしないのに直進してる!」
「垂直もできるわよ?」スイー
「すげぇ!これもう水泳教室始めようぜ!絶対流行るって!水の女神なんだから不満はないだろ?」
「あ、ごめん普通には泳げないの…必要ないし…」
「えぇ……」
なんでいい特技に関してはこれなんだよ……
「カズマ、これ見て!沢山捕まえたよ!」
「おぉ、クリスは素潜りか。それで……なにこれキクラゲ?」
「キクラゲだよ?コリコリして美味しいよね。ちょうど流木を食べに来てたから捕まえたんだ。船に孔を開ける悪いクラゲだから、これは食べて処分だね!」
こっちじゃ木を食うクラゲなんだ……キクラゲって……
「にしても、なんでエリスじゃないんだ?」
「め、女神の肌は安くないの!それに、あっちはカズマのつけたキスマークだらけだし……」
「あれ?ヒールで消せるんだろ?」
「け、消したくないじゃん…カズマのものって証だし……」モジモジ
……なら今夜クリスにも付けよう。そんな可愛い反応するのが悪い。
ドドドドドッ!
「来たわ!この足音はキャッサバよ!」
「よし!迎撃を……って、なんじゃこりゃぁ!!」
葉っぱを揺らして迫るのは、高さ30mはある巨木の群れ。しかし、その味の芋状の部分は確かに見たことがある。キャッサバこれかよ!
「キャッサバは本来隠れて成長する植物で、移動する理由は、成長により天敵から隠れることが出来なくなるからなんだ。でも、近くに密林が有れば木の中に潜めるから……」
「木よりデカくなってから逃げてきたってか?!これもうトレントだろ!天敵なんて居ないだろ?!」
「まぁ、一撃必殺ウサギにとってはサイズ関係ないから…」
ズシーン!
脚のように動かしていた芋に、突然大穴が空いて倒れ込む。そして、その穴の中から出てきたのは、一撃必殺ウサギ。本当に、この世界の生物は逞しすぎる。まさか30mのモンスターさえ一撃必殺とは……
「と言うかもう海岸線だぞ!あいつらなんで追ってきてるんだ?!」
「それは知らないよ!と言うか、仕留めたキャッサバを食べないで追ってきてるのもおかしいし!」
くそっ!結局戦闘か!!
「おいダクネス!いけるか?」
「あぁ!任せておけ!」
まずはダクネスのデコイで脚を止める。うちは火力だけなら過剰なくらいだ。動きを止めれば一網打尽に……
ドドドドド!
「お、おい!私を無視するな!なんで放置プレイなのだ?!」
「くそっ!なら軍隊には軍隊だ!ウォルバク!ゴーレムいけるか!」
「師匠なら幸せそうな顔でテントで寝てます!」
「良し寝かせとけ!うちのパーティーはホワイト企業だからな!」
しまったやりすぎた!多分これは起きられない!
「『ボトムレススワンプ』!カズマさん、今のうちにウサギを!」
「良し!あるえ!お前の火力なら……」
「全ての哺乳類の天敵とまで言われるクラーケンを恐れない一撃必殺ウサギ。我々はその不可解な行動原理を探るべく、秘境の海岸線へやってきた……」カリカリカリカリ
久々に発作が出とる?!
「クリス!アイデアは!」
「アタシに集団戦は無理だよ?!」
だよな!じゃあ……
ジーーー
杖を持ってるめぐみんとは、目を合わせちゃいけない。実質オッケーにされる。
ツンツンツン
いやでも、他に方法も無いしなぁ。でもキャッサバも無事じゃ済まないよな……
ちゅっちゅっ…
「おい!いきなり可愛い方法使うな!危うく抱くところだったぞ?!」
「なんで無視の次に抱くがくるんですか?!そんなことより、早く撃たせてください!見て分かる通り、この数はもう私しか何とか出来ませんよ!」
「くっ!分かったよ!ぶちかませめぐみん!お前ら全員伏せろ!!」
「待ってました!!『エクスプロージョン』!」
ドォーン!
あぁ、折角のビジネスチャンスがまた損失に……でも今回は仕方ないよな。俺がスイカとメロンに流されたからなんだし、また1から商売を考えるか……
「あれ?衝撃が来ない……なにこれ?!」
伏せていた顔を上に向けると、そこはまるで水族館。俺たちを包むように海が迫り上がり、爆裂の衝撃から守ってくれたらしい。そして、キャッサバは頭だけ吹っ飛んで根っこは無事だ。こんな精密なことが出来るとしたら……
「ちょっと!そんなの撃ったら私の砂像が壊れちゃうでしょ!少しは考えてよね!」
文句を言うアクアの後ろには、砂で作られたデストロイヤーが鎮座している。いつ作ったとかなんで戦闘に参加しないんだとか言いたい事はいくつかあるが、今は思いっきり褒めてやろう。
「アクア!お前最高の女神だよ!今日のお前は超MVPだよ!」
「え、本当?!じゃあ、今日はわがまま言っても良い?」
うん、よく考えずに楽観的になれちゃうのはちょっと改めよ?今日はいいけどさ?
「そうだな!今日は酒だっていくら飲んでも……あれ?どこ行くんだ?」
せっかく褒められているのに、アクアが向かったのはキャッサバの元。そんなところに用があるとは……
「じゃあ、この子を保護してあげて?この群れは、きっとこの子を取り返したくて海まで来たのよ…」
「きゅ〜」
アクアが抱いているのは、一撃必殺ウサギの子供。どうやら、キャッサバの横穴に巣を作ってしまい、逃走の際に一緒に連れてこられてしまったらしい。なるほど、だからキャッサバを食べるより追跡を優先したのか……
「私達が群れを討伐しちゃったけど、この子はまだ人を襲うことを知らないわ。だから、人々と共存できたら良いなって思って……」
「アクア……お前…」
今日はなんてパーフェクトな女神なんだ!俺はお前を誤解してたよ!お前もエリスに負けないくらい立派な女神だよ!調子に乗るから口には出さないけど!
「よしっ!帰って祝杯だな!ついでにタピオカも作って売るぞ!そいつの名前も決めないとな!」
「じゃりっちで!」
「うん、それは却下で!」
______________
「ほう、これは中々…癖になりますね」
「コホッ…たまに喉にズドンって来るのがキツイけど、味は美味しいね。これは流行りそうだ!」
日本で調べて作ってみたが、これは中々に悪くない。砂糖で煮るからちょっとカロリー高めではあるが、この世界では丁度良いだろう。タピオカ、これはアクセルでも流行る予感!しかし……
「「「ズーーー」」」ズドドドドドド
エリスとダクネスとゆんゆんだけが、喉奥にタピオカ食らっても全く怯まないのはなんでだろう。やはりアレを喉受け出来るからだろうか……
「あのカズマさん。少し宜しいでしょうか?」
「はい!セナさんどうでした?タピオカは!」
「えっと……個人的には大変美味かと思うのですが、売上は全然伸びてなくて……」
……は?そんな馬鹿な?!
「美味しいですよね?」
「はい。大変美味かと思うのですが……」
「暑いですよね?!」
「はい。今日も水分の欲しい陽気です……」
「じゃあなんで?!」
「現地を見てください…私からはちょっと……」
なんでそんな事に?!
______________
「あっ!見てくださいカズマさん!先日よりソフトクリームの売上がプラス4%です!」
「そうかそうか、それはよかった……で?タピオカは?」
もう、顔を見れば結果が見える。でも、受け止めるしかないだろ!そのパンパンに詰まったタピオカケースの現実を!
「……二杯です」
「嘘だろ?!」
間違いなく味は良かった!毒抜きも完璧だった筈だ!
「ちなみに、買ったのは?」
「リアさんとミツルギさんです…」
日本人の二人じゃん!
「見つけたぞカズマ!お前なんてものを飲ませるんだ!」
ガシッ!
「リア?!いや普通にタピオカだぞ!」
「そのタピオカの意味を聞いているんだ!アクアが散歩してた一撃必殺ウサギのことか!それともちゃんとキャッサバから作ったのか!」
あ、あのウサギはタピオカって名前になったのか……
「おいサトウカズマ!君の売ってるタピオカは兎の糞と言うのは本当か?!」
「いやそんなわけ無いだろ!あれはちゃんとキャッサバから手作りしたぞ!」
「本当だろうな?!」
なんだ?!こいつらのこの尋常ではない怒り方は、一体何が……
「あっ、タピオカ〜。またフンをしたのね?ほら、取ってあげるから待ってて〜」
ウサギを散歩するアクアの腰には、ウィズの店でタピオカを入れている容器がぶら下がっている。そして、ゴミ拾いに使うゴミバサミを取り出すと、うさぎのフンを拾って容器の中へ入れていて……
「お前かぁ!!」
スパァン!
「痛い!なにするの?!」
「この疫病神が!一瞬見直したらこれだよ!お前は活躍の度合いをマイナスにしないとどうにかなるのか?!紛らわしい容器使いやがって!」
「だって!これ凄く便利なんだもん!片手で開くし中身が見えるし!」
「それのせいでタピオカは大赤字だよ!ウサギのフンを売ってるとか思われてるわ!汚いイメージつきまくりだわ!」
「へ?あっ……これとアレが、似て……あぁ?!」
こいつ、本当に……
「あの、すみません。保健所の者ですが…ウィズ様と一緒にアクア様…そしてそのタピオカと呼ばれているウサギにご足労頂けますか?」
「うぅ…私は何もしてませんのに…お店がぁ……」
本当に、保健所さんは優秀だ。ウィズごめん。今回は本当にごめん!
「に、逃げてタピオカ!私の事はいいから逃げて!この街で貴方はまだ理解されないわ!」
いや、別に即殺処分にはならないとは思うが……
「きゅ〜!」
「タピオカ?!」
予想外にアクアに懐いていたのか、逃げろと言われたタピオカは真っ直ぐにアクアの方は駆け出す。そうか、ちゃんと女神の愛は伝わって……
ズダンッ!
「へぶぅっ!」
「きゅ〜〜!」
感動のワンシーンかと思ったら、タピオカはアクアの顔面を踏み台にしてウィズの店の屋根に登った。そして、そのまま一目散に逃げていく。どうやら全然懐いて居なかったらしい。流石にこれは、俺もなんて声をかけていいか分からない……
「カズマ様。一応監査が終わるまでは、証拠隠滅の恐れもあるので、営業は………」
「あっ…はい。ですよね……」
この日、俺の苦労して組み立てた新ムーブメントは実らず、ただ大量の廃棄が出ただけだった。そして、あのウサギは今、普通に街の中で雑草を食べて街の人に可愛がられているそうだ。ドンマイ、アクア……後で折檻はします。
________
「な、なぁミツルギ……お前、排泄プレイが好きってマジなのか……」
「違うよ?!僕はそんな上級者じゃないから!!」
なおミツルギの変態チックな悪評は、なぜか2週間で解消された。納得いかない。
「ハイカロリーだからって、こっそり飲んで良かった……」
なおリアは無事だったらしい。イイな!
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
タピオカ飲んで思い付いてこれです。
またお暇な時にでもお付き合いください。