私の作品ではシエロがちょっと百合っぽい感じになってますが、それは性欲はあるのに異性が怖いから仕方ないのです。じゃあ、そろそろなんとかしなきゃ!って事でリアが空回ります。
またお暇な時にでもお付き合いください。
魔導式エアコン。それは、電気の代わりに魔力を使用して動くエアコンの代わりとなるマジックアイテム。しかし、現代日本と異なり、この世界の住宅に気密性は無く、その消費魔力は決して軽くない。だから私達は、節約の為にエアコンのあるリビングに川の字で寝ているのだが……
「いや、流石にこれはおかしくないか……」
「すぴー」「すやぁ」
真ん中に寝ていた私に、明らかに密着しているシエロとエーリカ。冷風に当たって寒かったのか、それとも冷風を求めて中心に寄ってきたのかは不明だが、これでは暑いし動けない……
「う〜ん」スリ…
「ちょっ?!し、シエロ?どこに手を…んっ」ビクッ!
シエロの右手が私のパジャマの下に?!というか、そこは先端で……
「んっ…」キュッ
「ひゃうん?!」
おい的確すぎるだろ?!なんでピンポイントでそこを摘め……はぁん!上手すぎるぅ!
……………………
「最近、なんかシエロの距離が近いと思わないか?」
「あぁ、リアも思った?なんか最近甘えてくること増えたよね?ホームシックかな?」
夜が明け、シエロがカズマとダクネスのもとへ武術訓練(カズマ強制参加)に向かったのを確認した私は、エーリカに悩みを打ち明けていた。まぁ、エーリカと私の見解は少々異なるようだ。胸元をまさぐって甘えるというのは、なんか違う気がするし…‥
「先日カズマがシエロの領地と取引する為に里帰りしていたから、ホームシックはないと思うんだが……」
むしろ、ホームシックが原因ならどれ程ありがたいか……
「じゃあやっぱり……私が可愛過ぎるからかな?」
「……冗談抜きでソレもあるぞ?」
「や〜ん、可愛いって罪〜♪甘やかしちゃうかも〜」
あれ?なんだろう、この温度差……私がおかしいのか?それとも甘えられ方が違うのか?
「エーリカはその…それによる身の危険とか感じないのか…もしシエロに迫られたら拒めないと思うぞ……」(筋力的な意味で)
「そ、そう言われたら……確かに拒めないかも……」(シエロが可愛い的な意味で)
なんだ。一応エーリカも私と共通の認識はもってるんだな。
※アンジャッシュなう
「よし!その共通認識が確認出来たところで本題だ!シエロの男嫌いを治そう!」
「へ?今までも治そうとしてるよね?」
「ほ、本腰を入れてだ!今までは客受けもあって程々だったが、ここらで特定の相手にだけでも触れられる程度にはしようじゃないか!」
「……具体的には?」
「良心が傷まないから取り敢えずカズマで」
「適任だと思うけど……それ、結局いつもどおりじゃない?」
「ほ、本気度が違うから!」
「そんなこと言われてもなぁ…」
________________
「あっ、シエロがカズマと触れ合ってる〜。良かったぁ〜。じゃ、帰ろ?」
「いや待てエーリカ。アレで合格は絶対におかしい。投げ出したくなる気持ちも分かるが現実を見ろ!」
朝から一緒にトレーニングしているんだから、シエロとカズマの関係もきっと進展してるに違いない。そう言ってたエーリカは、本人達を見て目からハイライトを失った。
「離してカズマさん!この体勢はパンツが見えちゃいます!あと密着しすぎです!」ギチギチ
「離したら即俺をボコるだろうが!このまま反撃不可能になるまでドレインしてやる!あとボコられた分パンツは晒してやる!」ギチギチ
「な、何という高度な辱め!シエロ、タップするか?!あぁ〜私も短いスカートで来るべきだった!」
興奮するダクネスの隣で、逆エビ?とか言う技でシエロを固めているカズマ。既に双方ズタボロなので、こうなるまでに相当な激戦が繰り広げられた事だろう。まぁ、パンツに関しては、ここはダスティネスの修練場だから心配は無いだろうけど。
「朝から面倒なイベントに付き合わせやがって!何が腐らせるのが勿体無いだ!俺の格闘スキルなんて護身用程度にしか考えてねぇわ!」ギチギチ
「くぅっ!ボクの動きを完全に読める目と、これ程多彩な関節技まで持ってるのに……なんて勿体な……あぁそこ痛い!」
「シエロが寝技と関節技を避けてただけだろ?!俺にこのスキルを教えてくれた人なら、こんなの1秒もなしに抜けられるわ!あと、色仕掛けに来た姉ちゃんもな!」
※比較対象、武神および北欧の神(フレ○ヤ)
「嘘でしょ!そんな人居るの?!」
私には詳しいことはわからないが、どうやら打撃戦以外ではカズマの方が上手らしい。いや、確かに寝技は凄いって聞いたことがあるが、ちゃんとした意味でもあったんだな……
「おら!トドメだ!」グリッ
「あぅ……」クテッ
「勝負有り!決まり手はドレインタッチと指圧スキル!」
あっ、それでも正攻法じゃ勝てないんだな……
______________
「お疲れさま。タオル使うか?」
「ありがとうリアちゃん。あはは、今回は負けちゃった…」
やはり武術家としての心得があるからなのか、あれだけやりあっても二人に険悪なムードはない。やはり、男性慣れを進めるにはカズマが鍵になりそうだ。
「格闘家として試合まで出来るなんて、カズマとは随分打ち解けたみたいじゃない?男の人にも慣れてきた?」
「そう言われるとそうかも!カズマさんは本気で殴っても心が傷まないから、あんまり怖さとか感じないし!」
「えっ……理由ソレなの……」
これ、このままカズマで慣らし続けた場合、ただ容赦がなくなっていくだけなのでは……
「愛や形ってさ……そういうのもありかな?」
「何いってるんだエーリカ?!」
まだ投げ出すな!
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「それでここにですか……と言うか、シエロさんはエリス教会のプリーストですよね?あちらに頼るのは……」
困った時の神頼みと言う言葉があるが、この街にはそういう意味で頼れる神様が何人かいる。ただ、うち3人は顔見知りって感じで頼りにくいので、私としてはレジーナ教会しか選択肢がない。
「お願いしますセレナさん!エーリカは「殴っちゃうのも可愛さだよ。あはは…」とか言い出すし、エリス様も「それを乗り切れる運命の男性がきっと現れますよ…」なんて言うんですよ?!そんなのヤバいファン以外に居るとでも?!」
「それ本当にヤバいのシエロさんですよね?!と言うかやばいファン結構いますよね?」
「そ、それは……まぁ…」
それは、確かに否定出来ないけど……流石にそんな変態にシエロを任せたくないし……
「まぁしかし、それでも迷える子羊を受け入れるのが教会と言うもの……なのでレジーナ様、なにかお知恵はありますか?」
「そうですねぇ……」
あれ?ベッドに座ってるから患者かと思ってたけど……この人がレジーナ様?!
「ご、御本人がいらっしゃるとは露知らず!挨拶も無しとはとんだ御無礼を!まさか名前に反してこんな和風美人だなんて……」
「良いのですよ。部屋にバルサンを焚いている間だけの降臨なので……」
………バルサン?
「あの…神々の世界にもバルサンあるんですか?と言うか、ゴキブリ居るんですか?」
「まぁ、神の世界をなんだと思っているのですか?ゴキも尊い命ですよ?」
「え?バルサン焚いてるのにそれを言うんですか……」
「えぇ、私はアレ嫌いなので」
なんだこの神様?!本当に頼って大丈夫なのか?!
「ふむ。貴方は今、私に不敬なことを考えましたね?」
「い、いえ?!そんな……」
不味い!この神様は心が読めるのか?!
「何がまず……いえ、これはちょっと私のキャラではないのでやめましょう。この場所で私に祈った者の心は私に伝わります。と言うか然るべく教会で祈れば、アクアにもエリスにも、なんならウォルバクにも伝わりますよ?アクアはほぼミュートですけど…」
「えっ…本当に神様って聞いてるんですね……」
と言うかミュート設定あるんだ……
「えぇ、通話中でなく通信圏内にいれば基本的には……」
「そんな携帯みたいなもんなんですか?!」
なんだその有り難みのないシステム!そんなの知りたくなかったぞ?!
「しかし、仲間にレズ疑惑があり、なんとか自分から異性へターゲットをシフトしたいと考えてみたものの、カズマではヴァイオレンスさが増すばかりで解決しない気がする。と言う悩みを解決するには……」
「凄い……強くイメージしなくてもそんな具体的に分かるんですね……」
ひょっとして、これは彼女なりの分かりやすい説明なのかも知れない。携帯に例えることで私にわかりやすくして……
「えぇ、ここバリ3ですから」
「やっぱりそれ携帯ですよね?!」
やっぱりなんか思ってたのと違う!
「ふむ、信頼関係を築く方法で頭打ちになったとなれば……女性の魂を持つ男性を用意して慣らしていくくらいしか無いですかね…」
「あの…お言葉ですが、そんな奴いたらとっくにお願いしてると言いますか、いてもアクシズ教徒なので結局殴ると言いますか……」
セシリーが一応試したけど、最終的にはセシリーまで殴られてたしなぁ……
「そうね。それなら貴方が男になるしかないわね!天使、例のモノを!」
「はいただいまー!」
……え?今なんて?と言うかこの天使は何処から来たんだ?と言うかエリス様の使いじゃなかったのか?!
「転生特典の中でも人気がなく、選ばれなかったこの性転換アイテムが、遂に日の目を見るのですね!」
「えっ?それじゃ結局同じって言うかですね?私の危機は全く去らないって言うかですね?!ていうかこれ魔王倒せるのか?!」
どんな用途で使うんだよ?!
「これはその世界最強の人が男でも女でも子作りが出来るマジックアイテム!しかも、同じDNAなら子孫でも使えるアイテムなのです!つまり、いつか最強のサラブレッドが生まれるのです!」
「流石に気が長いだろ!そもそも人のステータスで魔王に勝てるのか?!」
いやカズマは勝ったんだけども!
「やれやれ、例のゴム人間もネコひげの忍者も死神代行も、最高の血筋と環境に恵まれたからあんなに活躍できるんですよ?努力友情勝利より、やはり血筋と才能とご都合主義なんですよ?」
「おい元もないこと言うな!努力友情勝利の三原則を壊すんじゃない!」
まぁ、最近はたしかに生まれとか才能に恵まれすぎてる気がするけど……と言うか、アレはゴムでさえなかったらしいし……
「でも今回は男の娘が欲しいんですしぴったりですよ!では、早速ちん○ん生やしまーす」
ペタッ
「ちょっと!人の話を…」
ニョキッ
「いや嘘でしょ?!そんな簡単に?!」
天使が私の額にシールを貼ったら、下半身になんか生えてきた!と言うか胸が無くなって……髪まで短髪になってる?!
「さぁ行くのですリア!無事彼女を導いたら、再びここへ来なさい。その時はそれを取ってあげますから……」
「ちょっと!これ本気ですか?!こんな方法でやらなきゃ駄目なんですか?!ていうかシールが皮膚と一体化してるし!声もなんか低いし!」
「大丈夫です。これが最も理想の形だと、私の先見の明が告げています。信じなさい………間違いなく面白いことになります」(後半小声)
くっ!でも凄い女神様が言うんだし、パッと見じゃ別人だから上手くやれば…
「分かりました!貴方を信じて行ってきます!」ダッ!
取り敢えずシエロに会ってみるか!
「はい。貴方に祝福を〜」ヒラヒラ
「……あのレジーナ様?別に性転換しなくてもシルビアとか居ますし、最悪シエロを傀儡化して意識改変でも…」
「駄目よ。絶対にこっちの方が面白いもの。お金払っても良いわ!」
「そうですよ!それに、あの二人なら下手な方に転んでも需要ありますよ!」
「シエリアかしら!」
「ふふふ、意見が合いましたね!」
ガシッ!
「あぁ…レジーナ様の悪ノリが始まった……」
________________
「なんか、凄い見られている気がするな……」
レジーナ教会を飛び出し、取り敢えずシエロを探しているが、何故かどこへ行っても注目の的だ。私がリアだとバレてるとしても、話しかけられもしないなんてあるだろうか……
「おやおやおやおや!貴方は間違いなくアクシズ教の信徒ですね!その格好は間違いありません!何かお急ぎのご様子ですが、お手伝いが必要なら言ってくださいね?」
うわぁ、セシリーが来た……普段ならカズマの後ろ盾を気にして勧誘はしてこないのに……あれ?てことは別人には見えてるのか?
「いえ、違います。私はアクシズ教徒ではないです」
「へっ?その格好でですか?!」
「嘘だろ……」「女装した男がアクシズ教じゃない?!」「スゲーな…」「どれだけ自分のスタイルを貫いてんだよ…」
し、しまった!良く考えたら服はそのままだ!これは急いで着替えないと変態じゃないか!
「隠すことはないのです。リアさんは可愛いので、服までお揃いにしたい気持ちは分かります。相手が踊り子でもその愛に罪は無いのですから……さぁ、入信を!」
「結構です!直ぐに着替えるのでこれで失礼します!!」
くそっ!なんかドンドン不安になってきた!
…………………………………………
「くっ…こんなに高いのかこの服は…」
「そりゃカズマさん所のブランドだしね?ほら、この薄手の奴ならそれの半額以下だぞ?そんな布が多くて涼しいより、最初から布が少ない奴にしなよ?」
「バカ!それじゃ乳首が見えるだろう!」
「いや何いってんだアンタ……」
くそぅ!こうして見るとこの世界の男服は作りが雑過ぎる!いくら今の体が男だろうと、流石にポロリは女として許されない!でも、カズマの服は高いし、この格好では変態だし……
「それが欲しいなら半額でいいぞ。この辺りの服はミツルギしか買わないから、そのサイズはまた在庫行きだしな…」
え?カズマ?!
「か、カズマさん!よろしいのですか?それじゃ貴方の取り分が…」
「ここらへんのシリーズ全然売れないだろ?女装してるけど顔は悪くないし、広告塔になって貰えりゃむしろ有り難いくらいだよ」
「カズマさんがそれで良いなら…」
……カズマさんかっけぇー
……………
「おぉ、着こなすじゃん…」
「ありがとうカズマ。この恩は絶対に返すよ」
カズマの好意で着替えさせて貰ったが、やはりこの服は肌触りが良い。いつもアクアに文句を言ってるが、カズマも別の道の方が向いてるだろ…
「気にするなって。それよりアンタ見ない顔だな?名前は?あれはリアのコスプレか?」
「私はり、リアンだ!冒険者をやっている。これは名前が似てるからと、仲間に罰ゲームで着せられてな…」
「へぇ…日本の学生みたいなノリだな……」
「そうなのか?!日本の学生ってこんなことするのか?!」
流石に女装で外には出ないだろ!ローカルバラエティの罰ゲームレベルだぞ?!
「男の悪ふざけではある!……って聞いたことある」
あ、そうかカズマは友達いないから、リアルの話はわからないのか……
「でも、本当に助かったよ。これでシエロの所へ行ける!」
「へぇ、リアの格好してるのにシエロファンなんだな?」
「そ、そうだな!シエロは可愛いだろ?」
「リアも可愛いぞ?」
ふぇっ?!いきなり何いってんだカズマ?!
「そ、そりゃあ可愛くないとは言わないが、やはりシエロは女の子って感じがして…」
「タイプが違うだけで、アクセルハーツは皆可愛いと思うぞ?特にリアな?」
くっ!なんでこんな時ばっかり私を褒めちぎるんだ?!まさかバレててからかわれているのか?!
※シエロの暴行被害者を増やさないように、そしてエーリカのディープなファンに呑まれないように、ご新規には無難なリアを勧めるプロデューサーの図
「あれ、カズマさん?服屋で会うなんて意外ですね?」
「よおシエロ。いま丁度お前のファンに服を売り付けてた所だ」
「……押し売りしてたらぶっ飛ばしますよ?」スンッ
「いや冗談だって!構えんなって!」
ここでシエロが?!いやしかし、これは千載一遇のチャンスだ。もし私が触れられるのなら、そこに活路があるんだからな!
「すまないシエロ!手を失礼する!」
ガシッ!
「ちょっ?!」
「おい!シエロにいきなり握手は!」
さぁ、中身が私なr……メキッ
「いやぁぁぁぁ!!」
ズダーン!
「ぐふっ!これ、カズマとの関係はメチャクチャ進展してるじゃないか……いつもこんなに……早く…ない……ぞ…」ガクッ
「リアン?!おいリアン!しっかりしろー!」
あぁ、お婆ちゃんが手を振っている。カズマはいつもコレを食らってたんだな。もし私が生き残ったら、今度からはもっと優しくしなきゃ……
________________
「取り敢えずヒールはしたけど、肋骨3本いってたわよ…私が居て良かったわね?」
「助かったよアクア。今度シュワシュワ奢る」
「ふふふ、わかってるじゃない!」
私が再び目を覚ましたのは、カズマの家のリビングだった。食らった瞬間は死を覚悟したが、やはりアクアのヒールは凄いんだな。
「うぅ、ごめんなさい。今日は昂ぶってて手加減できなくて……」
「良いんだ…突然手を掴んだ私が悪いんだ……」
申し訳無さそうな顔をするシエロにフォローをするが、その表情は暗い。なんか、我が身可愛さに凄く悪いことをした気分だ。
「やっぱり、本当はシエロのファンじゃないだろ?殴られ慣れてないし、背後に土壁があるのに手を掴むなんて普通じゃないぞ?」
「ねぇカズマさん?ボクのファンって皆そんなこと気にしてるの?話しかけるとき遠回りするのってそう言う理由なの?」
「……基本技能だ」
「そうなの?!」
あぁ、あれってそう言う意図があったのか……
「と言うわけだから、リアンがシエロファンって言うのは嘘だろ?何より、連れ帰る時に冒険者共に聞いたけど、お前の事を知ってるやつが一人もいないっておかしいだろ?」
「そうか。そこまで知られているなら仕方ないな。確かに私はシエロのファンじゃない。と言うか、そもそも男でさえも……」
「リアでしょ?冒険者カード見たからわかるわよ?マジックアイテムでも使ったの?」
「「そうなの?!」」
「おいアクア空気を読め!ここは大切な話をする流れだったろ?!」
まぁ、ヒールするときには色々と触るだろうけど…
「本当にリアちゃんなんだ……でも、どうしてそんな無茶をしたの?ボクが手加減無しで攻撃したら、本気で死ぬかもしれないのに…」
「ねぇシエロ?なんで死ぬかも知れない威力が出るのに、カズマさんと特訓とかしちゃうの?これ以上死亡率を上げちゃ駄目じゃない?」
「だって…弱かったら男の人に怖い目に合わされるかもだし……」
「えっ……もうシエロは怖い目に合わせる側じゃないの?!」
「そ、それは……ごめんなさい…」
そのアクアの意見は、私も否定出来ないな……
「危険なのは分かっている。でも、シエロだって好きで男を殴ってるわけじゃないんだ。だから、私が男の姿になって仲良くなれば、少しは男馴れ出来ないかと思って…」
「リアちゃん……」
まぁ、効果は微塵もなかったけど……
「そりゃ仲間想いなのは良いけどさ。そういうのは一度俺に相談しろよ……それで殴り殺されてたら笑い話にもならないぞ?」
「確かにそうだな……すまなかったよ……」
なるほど、シエロがカズマを殴るのに躊躇う理由が分かった気がする。本当、金と性欲が絡まなきゃ良いやつだもんな…
「リアちゃん……えっと、今はリアくんなのかな?もう一度、手を握っても良い?」
「へ?いやいやいや!この家の壁は石造りだぞ?!」
「そうよ?!さっきの一撃だって、当りどころによっては……」
「あぁ任せろ!」
「「リア死ぬ気?!」」
カズマとアクアの言いたいことも理解はできる。でも、このシエロの決意に満ちた眼を見て、信じないのは仲間じゃない!私は、この眼にかけてみたい!
「予想外に威力があったが、殴られる覚悟はしてきたつもりだ!それに、シエロが乗り越えようと言うのなら、私が背中を押さないでどうする!」
「「リア君かっけぇー!」」
「いや、そのノリは辞めろ!」
ちょっと恥ずかしい気持ちになるだろ!
「じゃあ、握るね……」
「あぁ…」
ギュッ
私の手を握るのシエロの手は、少し緊張で強張っている。でも、これほどしっかり握っているのに、シエロの拳は飛んでこない。
「大丈夫…これはリアちゃんの手…怖くない…たとえどんな姿になっても、リアちゃんなら怖くないよ……」
「あぁ、私はシエロが大切だ。たとえ私がどんな姿になろうと、決して傷付けたりしない……」
「凄い……あのシエロが男の手を握ってる……」
「あぁ。男への恐怖より、仲間の絆のほうが強いって事だな…」
ありがとうございますレジーナ様。貴方の見立ては、決して間違ってなかったよ!
「やったよ!ボク、男の人の身体に触れてる!リアちゃんなら何も怖くないよ!」
ムギュッ
「おいおい。まだこれからだぞ?でも、私への信頼が男への恐怖に勝ってくれて良かったよ……」
私の体に抱き着いたシエロは、余りの感動に涙目になっている。しかし、このアイテムがあればシエロのリハビリは格段に進むはずだ。だって、シエロを心から大切に思っているのは、何も私だけでは無くて……あっ?!
「リアちゃんありがとう…ボク、この方法なら男の人も克服できそうだよ……」
「そうか…ならそろそろ離れてくれないかな?私もそろそろ女に戻りたいんだが…」
「まだもうちょっと〜…」スリスリ
おいやめろ!このままじゃ不味いんだ!なんで勝手に固くなるんだコレ?!このままじゃいい空気がぶち壊しに……ウミガメの産卵シーンを思い浮かべろ私!
「あれ?り、リアちゃん?まさか、コレって……」
「ご、誤解だ!これはなにかの間違いで……」
駄目だったぁ!明らかにテントになってる!これ完全に変態だろ?!さっきまでの流れがぶち壊しだよ!せめて半立ちのまま戻ってくれぇ!
「まさか……リアちゃんは、ボクが欲しくて男になったの?」ウルウル
涙目上目遣い?!男目線で見るとこれは!
ギンッ<あててんのよ!(シルビア)
「い……いやあぁぁぁ!!」
ズダーン!
「ごはぁ!!」
「「リアー!!」
本日二度目の失神をしながら、私は男性の大変さを知った。こんな勝手に育つなんて、体感しなきゃわからないな……
____________
「あらあら!うまくいったようで何よりですね!やはり、恐怖など、真実の愛には及ばないのです!!」
「はい!レジーナ様のお陰で、本当に大切なモノが見付かった気がします!」ギュッ
「友愛だよな?それ友愛で良いんだよな?!」
いつまでもこんな小動物をぶら下げるわけにもいかず、私は早々にレジーナ教会に戻ってきた。その、ちょっと距離感が狂ったシエロと一緒に……
「それで、新郎はリアさんで良いんですか?」
「違います!戻してください!私を女に戻してください!」
「男のままでも大丈夫だよ?もう、これも可愛く思えてきたよ?」
「そういう意味じゃない!というか、シエロは私達の関係をどうしたいんだ?!」
元からシエロが私をそういう目で見ていたからか、それとも私が勘違いをさせたからなのか、私達の距離は望まぬ形で急接近してしまった。なにより問題なのは、男としてみるとシエロがメチャクチャ可愛くて、下半身の小動物が百獣の王にでもなりそうなところだ。やはり男は不便で仕方ない!
「そうですか。では……えい!」
びちゃっ
「………なんで私は、いきなり水をかけられたんですか?」
「濡らせば取れるので?」ぺりっ
「そんな方法で良かったんですか?!」
しかし、これで私達の関係は元に戻る。大丈夫だ。こんなアイテムで一時的におかしくなったが、私達の関係はそんなことで崩れたりは……
「じゃあシエロさん、使い方はこの紙にメモしてますので……」
「はい!何からなにまでありがとうございます!」
「シエロ?!後で大切な話があるからな?!」
私達の関係は、このままどうなってしまうのだろう。ほんの少しだけシエロを嫁にするのも悪くないと思ってしまう私がいて、この気不味さは当分抜けそうにない。
「無自覚デレですかね?」
「いえいえ…あれは自覚ありのツンデレですよ!」
くそう!もう二度と頼らないからな!!
「そんなこと言わ…思わずに…」
「もう読まないでください!」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
シエロは男の娘になっても可愛いと思うし、リアちゃんに生えてもお得な気がしませんか?別にこれで進展させるかは未定ですが、アクセルハーツはこれからも仲良し(意味深)でいきます。
今後とも不定期更新ですが、またお暇な時にでもお付き合いください。