新入生代表の挨拶、主席入学の深雪が担当する事なのだが、深雪は心の中でこれを進んではしたくなかった。
(本来なら私では無くお兄様にこそ相応しい事ですのに……ああ、お兄様のオチンポが欲しい……)
達也に説得されたからこの場に居るのだが、深雪は未だに新入生代表は兄の達也がするべきだと考えている。そして、この場でするようなことではないことを考えている。
(ですが、お兄様に晴れ姿をお見せすると約束してしまったので、これは深雪の義務なのですね。これが終わったらお兄様とあんなことやこんなことを………)
兄に頼まれたからと言う理由でこの場に居るなど、他の新入生はおろか、在校生も思いはしないだろう。だが深雪にとっては達也の意思こそが全てであり、その他の人間の関心など気にしないのだ。そして、達也との淫靡な一時を過ごそうという考えも深雪にとっては何ら間違っていないことである。
「それではこれより、国立魔法大学付属第一高校入学式を始めます」
深雪の予定では兄の隣に座り入学式そっちのけでイチャイチャエッチなことをして過ごすつもりだったのだが、代表に選ばれてしまったのではその計画は実行出来ない。
達也に説得されてなかったらしていたかもしれないが、先にも言ったように、深雪は達也の意思を最優先にする為に、今回は泣く泣く兄との時間を諦めて代表を務める事にしたのだ。
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選民主義の強い一科生が聞いたら文句の1つでも言われるかもしれない発言を、さらりと混ぜ込んだ答辞を終わらせた深雪。
その答辞を聞いていた達也は内心ひやひやしていたが、深雪の艶姿に魅入られている新入生はそんな些細な事に気付けるだけの余裕を持ち合わせていなかった。
(お兄様、見てくださってますか?)
何百人の有象無象の視線より、たった1人の達也の視線を、深雪は懸命に探した。この答辞は兄が認められるようにとの願いを込めたものだったので、達也の反応をいち早く深雪は知りたかったのだ。
(あそこにいらっしゃ……る?)
達也の姿を見つけた深雪だが、その隣に座っている女子の姿が気になった。
中学時代から達也の周りにはそれなりに人は居たし、その中には当然女子も居たのだが、こんなにも早く達也の傍に女子が居るなんて、深雪には少々耐え難い事だった。
(お兄様への愛では他の誰にも負けるわけにはいかない………帰ったらたっぷりと愛し合わないと)
正直に言うと、色々な考えがあって四葉真夜は達也に重婚させる方向で考えている。なので深雪としては他の女に負けてはいられないのだ。
「司波さん、お疲れ様」
「あっ、七草会長。お疲れ様です」
達也の事でやる気を出していた(エロ方面の)ところに丁度声を掛けられて、深雪は少しだけ動揺した。だが淑女としての嗜みをしっかりと見につけている深雪は、少しも動揺を表に出す事は無かった。
「なかなか面白い答辞だったわよ。皆等しくとか、魔法以外でもとか、際どいフレーズを織り込んできたわね」
「それは……」
深雪としてはなるべく気付かれないように言ったつもりだったのだが、真由美にはそれがバレていた。
責められる事を言ったつもりは無いので、深雪は如何この先輩を説得しようか悩んだ。だがそれは不要な事だった。
「別に責めるつもりは無いのよ。私としてもそう言った考えの持ち主が代表になった事が嬉しいもの。生徒会にはそう言った考えの持ち主が必要なのよ」
「生徒会ですか?」
責められると思っていたのに、逆に関心され生徒会にまで話が発展しそうになったところで、我慢出来なくなった新入生たちが深雪の周りに集まってきた。いや、在校生もちらほらと見受けられるが。
「司波さん、凄かったですよ!」
「綺麗で頭も良いなんて!」
「貴女のような素晴らしい方と同学科に居られる名誉を……」
「花冠の名の通り、この学園に咲き誇る花……」
あっという間に囲まれてしまって、身動きが取れなくなってしまった深雪。本当ならさっさとこの場を辞して達也の下に駆け出したかったのだが、初対面の、それもこれから一緒に学ぶであろう同級生たちを無視する事など深雪には出来なかった。
「そう言えば司波さん。お兄さんと待ち合わせてるのではなくて?」
「え、はい」
だからこの真由美の言葉は深雪にとっては救いの言葉だった。まさかこのまま同級生や先輩たちを蹴散らして達也の下に行くわけには行かなかった深雪は、周りには気付かれないように真由美に目礼をした。
「では、話は移動しながらしましょうか」
「はい、お気遣い頂き、ありがとうございます」
真由美が達也の事を知っていた事に少し疑問を覚えたが、それ以上にこの有象無象から離れられる喜びの方が、深雪の中では大きかった。
「そう言えば会長、良く兄の事をご存知でしたね」
少し歩いてから疑問が大きくなってきて、深雪は真由美に尋ねた。もしかしたら兄を巡って対抗する相手かもしれないと思ったからだ。性交で。
「先生の間ではちょっとした噂になってるのよ」
「噂……ですか?」
また兄を貶すような噂では無いだろうか。もしそうなら先生でも……深雪の心の中はとても穏やかとは言えない事で渦巻いていた。
「入試平均98点の天才。魔法工学と魔法理論は文句なしの満点! 前代未聞だってね。深雪さんも凄いけどお兄さんも凄いのね!」
「はい、ありがとうございます!」
自分の事を褒められただけでは無く、達也の事も褒められた事が嬉しくて、深雪は心からのお礼を真由美に向けた。
この時の真由美は、心の中で深雪の事をブラコンだと判定付けていたのだが、そんな事は浮かれている深雪には知りようも無かったのだ。こんなことを考えていたことも。
(これはお兄さんを私が狙ってるって知ったら大変そうね)
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入学式を終えて、達也たちはIDカードを受け取る為に窓口へと向かった。受け取ると言っても、予め個人別のカードが作成されている訳では無く、個人認証を行ってその場で学内用カードにデータを書き込む仕組みなので、何処の窓口でも作る事が可能なのだが、やはり此処でも一科生と二科生とで綺麗に分かれている。
また深雪は主席として予めカードを受け取っているだろうから、今頃は人垣に囲まれているのだろうなと、達也は何となくそんな事を考えていた。
「ねえねえ、司波君は何組?」
期待してるのを隠しきれてない表情で、エリカが達也にそう尋ねた。何を期待してるのか、達也にはイマイチ分からなかったが、エリカ本人と周りの3人にははっきりと分かっていた。
「E組だ」
「やった! あたしもE組なんだ~」
達也の答えに飛び跳ねて喜びを表現するエリカ。ちょっとオーバーリアクションだなと思った達也だったが、隣で同じ事をしそうな雰囲気の美月を見て、これが普通なのか? と思ったのだった。
「私も同じです! 良かった、達也くんと同じクラスだよ!」
そう言った美月は達也に抱きつき、その胸板に頬擦りする。すると当然、美月の巨乳が達也の身体に押しつけられ、形を変える。
「美月、胸が当たっているぞ。少し落ち着け」
「……当ててるんだよ?それとも、嫌?」
そんなことを上目遣いで訊ねてくる美月。その顔は不安気になっている。
「違う、嫌ではない」
「ホント?」
「ああ、美月の胸の感触はとても心地いいぞ」
達也がそう言って美月の頭を撫でると、パアッ、と幸せそうな笑顔を浮かべる。
「じゃあいいよね?このまま達也くんのことぎゅっ、としてて………」
そこまで言われると心苦しいが達也にはこの後予定があるので1度離れてもらった。因みに、残る2人は別のクラスのようだ。一学年八クラス、一クラスの人数は25人。この辺りは平等だ。友達探しに行ったのか如何かは分からないが、彼女たちはホームルームへ向かうと言ってこの場から移動していった。
「ねえねえ、それじゃあ私たちもホームルームを覗いてみない?」
「良いですね」
盛り上がってるエリカと美月には悪いが、達也にはその気は無かった。
「悪い、妹と約束してるんだ」
「妹?」
達也の発言に気を悪くするでもなく、むしろ面白そうだと言わんばかりの表情を浮かべるエリカ。彼女は何事にも楽しみを見つける子なんだなと達也は思った。
「司波くんの妹かぁ~さぞかし可愛らしいんだろな~。なんて言ったってお兄ちゃんがこれだけカッコいいんだから」
「千葉さん、別にお世辞はいいんだが」
「お世辞じゃないよ! 司波くんは十分カッコいいって!」
「そうだよ、達也くんはすっごくカッコいいよ?達也くんといると肢体が疼いて火照っちゃうんだから」
「そうか、ありがとう」
此処で並の男子生徒なら照れるのだろうが、達也は冷静に辺り障りの少ない返答をした。
「う~ん、クールね」
「大人って感じだね~」
「大人って……同じ15歳だろうが」
美月がボソッと言った感想を耳聡く拾い、ツッコミを入れる達也。普段から年齢の事で弄られる事があるので、それだけはしっかりと覚えていてもらいたい事だったのかもしれない。
「そ、それもそうだね……ところで妹さんって新入生総代の司波深雪さん?」
達也のツッコミに慌てた美月が、咄嗟に話題を変えようとそう言った。達也には美月を困らせて楽しむような気持ちは無かったので、その質問に頷いて返事をした。
「えっ、そうなの!? じゃあもしかして双子?」
エリカのこの反応から見るに、彼女は達也と深雪が兄妹だとは思って無かったのだろう。それかもしくは、似てないと思っているのかもしれないが。
「良く言われるんだが、双子では無い。俺が4月生まれで妹が3月生まれなんだ。だから俺が1ヶ月早く生まれてたか、妹が1ヶ月遅く生まれていたら学年は違っていた。これは本当に偶然なんだ」
「そうなんだ。でもさ、それって複雑なんじゃない?」
エリカはそう言った後で、『しまった!』と言う表情をしたが、達也は別に気にしてなかった。
エリカの発言には……
『優等生の妹と同じ学年って嫌な思いをするんじゃない?』
と言う心配とも侮辱とも取れる意味合いが含まれていたのだ。もちろん達也にもその意図は伝わっていたが、エリカも悪気があって言った事では無いと分かっているのでスルーした。
「それにしても美月、良く分かったな。司波なんてそう珍しい苗字じゃないのに」
「いやいや、十分珍しいって!」
達也の気遣いが伝わったのか、エリカも必要以上に気まずい雰囲気にならずに済んだと思っていた。だからこうやってツッコミを入れる事が出来たのだろう。
「面差しが似てるから」
「似てるかな?」
達也は身内贔屓を抜きにしても、深雪は美少女だと思っている。その深雪と自分が似ているとは、一切思っていなかった。
だから美月の評価に疑問を覚えたのだ。
「そう言われれば……司波くんも十分カッコいいし、そっくりの兄妹だよ!」
「いや、笑いながら言われても嬉しく無いんだが」
「顔もそうだけど、2人はオーラの面差しが似ています。凛とした雰囲気がそっくりです」
「そうそう、オーラよオーラ!」
「……千葉さん、君って意外とお調子者なんだな」
「そんな事無いよー!」
お決まりの抗議は聞き流し、達也は美月に向き直った。
「それにしてもオーラの面差しが分かるなんて、“本当に目が良い”んだな」
達也のこの発言に、美月の顔が青ざめ、エリカの顔は疑問で染まった。
「目が良いって、美月は眼鏡を掛けてるよ?」
「そう言う意味じゃ無いよ」
「?」
エリカの疑問には答えずに、達也は心の中で決意した。美月の前ではなるべく力を使わないようにしようと。いずれ彼女をモノにするとしてもホイホイ使っていいものでもない。と、達也は青ざめた顔の美月にフォローして、顔色を戻させる。
「美月、脅かして悪かった。落ち着いてくれ」
抱きしめてポンポン、と頭を優しく叩くと、落ち着きを取り戻した美月。
「達也くん………じゃあ、ちゅーしてくれたら、許してあげる………」
そう言って、ん……、と唇を寄せてくる美月。達也はやれやれ、と思いながらもそれに応え、唇を触れあわせる。美月の柔らかな唇の感触はやはり心地よい。
「あのー、お二人さーん?あたしのこと忘れてなーい?」
尚、状況に追いつかず取り残されたエリカがそんな不満を述べるのだった────。
どのタイミングでセッ◯スさせましょうか………
考えてみますのであればご意見お願いいたします!
とりあえずたっぷり達也とヒロインたちをイチャイチャさせていきます!