性交報酬
里緒菜に男性経験が無いが、女性であることに変わりはない。刺激を与えられれば、意思には関係なく性的な反応を示すのが女性の性だ。
「あっ、あ~・・・・・・あぁっ!・・・うぅっ、う・・・・・・あぁ~」
里緒菜の声いろが変わりつつあることを、首謀者の男も感じ取っていた。
「続けろ」
男が他の男たちに命令する非情な言葉。そして、里緒菜に与えられている屈辱的な行為はクライマックスを迎えた。
里緒菜は全身から力が抜けていく感触を得ていた。そして、性器に痛みがあるものの、どこか心地良い微熱を女芯の奥に感じていた。
グチュ・・・ズ~・・・ジュボッ!
男たちの手によってバイブが引き抜かれると、里緒菜の愛液が一筋の糸となって床に滴り落ちていく。
里緒菜が性に目覚めていく過程を男は、余すことなくカメラに収めていく。
ドサッ!
この間と同じように、首謀者の男は里緒菜の前に封筒を投げ渡した。
「今日の報酬だ。受け取れっ」
里緒菜の心に、多少の葛藤があるものの、それも虚しく封筒を手にする。
現金というものを手にする機会が少ない里緒菜でも、封筒の重さを前回と比べれば、報酬としてもらう金額が増しているということは容易に分かる。
マンションのエントランスまで降りたところで、里緒菜は男たちの部屋で前日見た女子高生とすれ違った。
「あ・・・あのう・・・」
気がつくと、里緒菜は彼女に声をかけていた。
「うん?・・・あっ・・・」
彼女も里緒菜を覚えていたようだ。
長い時間ではなかったが、里緒菜は彼女から話を聞いた。
「今日で4回目。・・・たぶん、まだ続けると思う」
言葉を探しながら話を続ける少女。
「・・・・・・でも、そのぉ・・・避妊はしているよ・・・・・・」
少女は里緒菜の心情を探るように答えた。
「私は恵美。・・・続けるようなら、また会えると思う」
「・・・・・・う、うん」
里緒菜はかえす言葉が見つからなかった。
重い会話を残し、エレベーターに乗っていく少女恵美の背中は、歳上の女性のように見えた。
あれから1ヶ月の月日が経ち、男たちのマンションを訪れる里緒菜に以前のような迷いはなかった。
ある日、男たちの部屋で里緒菜は再び撮影を終えた恵美とすれ違った。
「下で待ってるね」
すれ違いざまに恵美が里緒菜に言った。
里緒菜は男たちの部屋で、いつものように器具を使い、局部を晒す行為の撮影を終えると報酬を受け取った。
首謀者らしき男は、少しずつ撮影する行為を過激なものにしていき、里緒菜に与える報酬額もその分は上げていた。
「お前は俺のところに客を呼ぶ女だ」
首謀者らしいセリフだった。
撮影を終えた里緒菜がマンションのエントランスへ向かうと、そこに待っていた恵美が里緒菜に声をかけた。
「少し話さない?」
「うん・・・」
里緒菜はうなずいた。
首謀者は自分の足で少女たちを探していた。
管理しているJKや女子大生たちの容姿は、誰が見ても文句の付けようがないぐらいに魅力的な女性たちばかりだった。
二人はエントランスからカフェへと移動した。
里緒菜も恵美には聞きたいことがあった。
「私も、突然連れてこられたの。ここにいる子はみんなそうだと思う」
恵美も里緒菜と同じく、ある日を境に人生が突然変わった一人だった。
言葉を探しながら里緒菜は訊ねた。
「・・・あのう・・・いつも部屋でしている・・・・・・あれって・・・そのぉ・・・・・・」
「セックス?のこと」
恵美が里緒菜の目を見ながら単刀直入に尋ね返す。
再び里緒菜が尋ねる。
「えっ!・・・う、うん。・・・いつから?・・・・・・なの?」
「私は・・・・・・最初から」
と、答えた恵美に里緒菜は呆然とした。
恵美が告白した。
「私はね、あの人に抵抗したの。本当に嫌だったから・・・・・・」
「そ、それで・・・レイプされたの?・・・・・・」
里緒菜が言えば恵美は無言で頷いた。
さらに里緒菜が尋ねる。
「・・・じゃあ・・・その・・・初体験は?・・・」
「あの部屋にいる男。・・・もちろん悔しかったよ。全て奪われた気がした」
恵美は顔を曇らせ答える。
しばらく間をおいて尋ねる。
「・・・でも・・・やっぱり・・・お金?・・・」
恵美は再び無言で頷いた。
「この間も言ったけど、避妊はしてるよ。あの人もそれだけは許してくれた」
恵美が言う。
口調こそ遠慮気味だが、里緒菜は気になっていたことを次から次へと尋ねた。
「・・・あの・・・聞いても・・・良い?・・・」
「私があの人からいくらもらってるか?」
恵美が尋ねる。
里緒菜は恵美の鋭さに驚きを隠せなかった。
そして、恵美の口から出た首謀者からもらう報酬額を聞くと、里緒菜は開いた口が塞がらなかった。
「今日で七回目。・・・なんか凄いよね。ふ、ふっ」
恵美は自嘲した笑いを里緒菜に見せた。
恵美が男たちのマンションへ通う回数も里緒菜を上回っていた。
身を捧げる事への代償に与えられる報酬に、恵美が依存しているように見えるが、里緒菜自身も、そのような状態に片足を踏み入れつつあることに、気が付き始めていた。