異世界ヒロインが召喚される世界で好き勝手する話 作:もう万体
雪菜とフロリスの卑猥な宴を目の当たりにした浅葱は、後ずさりして距離を取ろうとする。しかし、身体に力が入らず、思考がはっきりしない。小屋の中に噎せ返るような淫臭が立ちこめて、浅葱を虜にしているのだ。
腰が抜けた浅葱をフロリスが掴まえた。後ろから抱きついて、立てないように固定している。そして、そんな浅葱の前に雪菜が立った。フロリスを犯した淫魔のペニスは、先走り液を垂らしながら酷い悪臭を放っている。雪菜の身体の一部とはとても思えない、おぞましい肉の塊である。浅葱の顔と同じくらいのサイズではないかと思わせるほどの剛直だ。三日月のように反り返り、エラが立ち上がっている。
「か、ひゅ……ッ、はッ、ふあッ、はッ……」
浅葱は目を見開いてペニスを見上げた。
息ができないほどの臭いにむせる。
いや、むしろもっと臭いを嗅いでいたい。このペニスの臭いが悪臭だと頭では分かっているのに、魅力的だと本能が感じてしまっている。
「ふ、ふう……ふう……んふう……はあ……はあ、姫、柊、さん……ダメ、気をしっかり、もって」
と、浅葱は理性を振り絞って拒否しようとする。
「藍羽先輩、すみません……わたし、もう、あ、頭がくらくらして……これ、なんとかして、ください。おちんちん、あ、熱くて、あ、あああ」
雪菜も欲望に抗っている。
魔族と戦い取り締まるのが剣巫の仕事であり、そのための修練を重ねてきた。すぐに淫欲に飲まれないのはさすがだが、ルシフェルが作成したオークチンポの魔力は雪菜の理性を侵食している。女を犯したくて堪らない。抗いがたい欲望は、フロリスと繋がったことで取り返しの付かないところまできた。そこに、浅葱という美女がいるのだ。むしろ、すぐに襲いかからないことが奇跡だった。
「あ、藍羽先輩、そんなに顔、近づけられたら、わたし……」
「分かってるわよ。あたしだって、こんなの、近くで見たくなんか、ないんだから……ふう、はあ、んふう」
「い、息がかかって、あ、ダメです。もう、登ってくるぅ!」
「え……?」
雪菜が呻いた直後、浅葱の視界が白く染まる。
激しい射精が浅葱を襲ったのだ。美しい顔がべったりとした濃厚な精液に染め上げられる。
「すごい精液……浅葱、いいなぁ」
すっかり性欲の虜になっているフロリスは、浅葱を抱き締めながらその頬を舐めた。
「れろ……れろぉ……雪菜の精液、美味しい」
「フロリスさん、ダメ、止めて」
「止めないよ。もったいないじゃない」
「ん……あ……あ……」
ペロペロと浅葱の顔を舐めるフロリス。その二人の様子を見て雪菜のペニスがまた立ち上がる。ぎょっとする浅葱だったが、その目には淫欲の火が燃え上がっていた。
「あ……ああ、また、こんなに大きく」
「あ、藍羽先輩、もうダメです。すみません。わたし、浅葱先輩に、これ、して欲しいです」
ぐっと雪菜が腰を突き出す。浅葱の唇に先端を塗りつけた。雄の欲望が雪菜の頭を駆け巡っている。この美女の口をペニスで犯したい。奉仕させたい。そんな悪しき感情が、雪菜を突き動かしている。
「んあ……う……あ……あたしも、舐め、たい……これ……う……あ」
浅葱もまた同じだ。オークチンポから精液を顔にかけられたことで浅葱はいよいよ雌だと分からされてしまった。この立派なペニスに奉仕したいと身体が勝手に動き出す。口を開き、舌をゆっくりと出す。舌先が雪菜のペニスに触れる。
「あ、ひゃッ」
「れろ……れろ……れろ……」
鋭い快感が雪菜を襲った。浅葱の舌先が尿道をつつき、亀頭を舐め始める。浅葱自身はフェラチオの経験がない。本能に身を任せた知識だけのフェラチオだ。それでも敏感な亀頭は、僅かな刺激だけで強い快感を味わえる。
「藍羽、先輩……もっと、舐めて、ください……」
「ん……あ……分かったわ。ん……れろ……れろ……れろ、れろ、れろ……」
「あ、あ、あ、い、イイ、です。それ、ん……あ……あ、もっと、してください。舐めて、裏側もしっかり」
「んふ……あッ、ん、れろ……裏側? ここ?」
「そ、そうです。そこ、あ……イイ、ん、くぅ……あ、あ、根元から上まで、お願いします」
「根元? ん、ふうぅ……れろ……」
雪菜のおねだりに浅葱はすぐに応える。ペニスの根元に顔を突っ込み、舌を押し当てて鈴口までゆっくりと舐め上げていく。
「れろぉお♡」
「あ、ひゃあ♡ ああ♡」
「姫柊さん、敏感。すごい、もう一回してあげるわ」
「あ、あ、あ、藍羽先輩、上手……あああ!」
れろぉ、と雪菜を責める浅葱の舌が敏感な裏筋を舐めていく。浅葱も調子を取り戻してきた。すっかりフェラチオを受け入れた浅葱は、ペニスを舐めるという行為に対する嫌悪感が消えていることにも気づかず、雪菜の反応を見ながらペニスを責めることを楽しみ始めていた。
「ん……れろ……れろ……ちゅぱ……んはあ……れろれろ……すご、どんどん出てくる」
浅葱がペニスを舐めていると、先走り液が鈴口から出てくる。舌で亀頭を転がして、鈴口を舌先で穿ると雪菜は可愛らしい声を必死に堪えて腰を引こうとする。浅葱は逃がすまいと雪菜の腰を掴んでペニスに口に含んだ。
「あ、ああッ!?」
雪菜が目を見開いて嬌声を上げた。
浅葱の口の中にペニスがすっぽりと納まっている。
「藍羽先輩、そんな、急に」
「んん? じゅるる、でも、これ気持ちイイれしょ、ちゅ、じゅるる……んるるる♡」
「ひゃあ♡ あ、ダメです、そんな、強く吸ったら♡ はぁん♡ あ、あ、おちんちん、変になっちゃいますから♡」
「じゅるるるるるるる♡ じゅる、じゅる、じゅる、じゅるるる♡」
「ん! んんんんんんんんん! 藍羽、先輩♡ おちんちん、ダメぇ♡」
浅葱は頬を窄めて強くペニスに吸い付いている。
激しく音を立ててペニスをしゃぶり、舌でエラから裏筋からすべてを舐め回している。本能の指示に従い、ペニスから精液を吸い出すための手練手管を使い潰している。
(すごい大きい。これが男のおちんちん。まさか、あたしが姫柊さんのをしゃぶるなんてことになるなんて)
昔からの知人がペニスを生やすことになるというのも想定外だが、それを口に頬張ることになるとも思わなかった。
不快感はない。
熱い衝動が浅葱を突き動かしている。
(姫柊さん、エッチな顔。すっかり蕩けて、あたしの口がそんなに気持ちイイの? 悪い気はしないわね。もっと、してあげる)
雪菜の顔を上目遣いで伺いながらペニスの様子は口内粘膜と舌で探る。快感から逃げようとするペニスを口でしっかりと押さえて、舌で裏筋を弾くように舐める。それから、頭を激しく前後にゆすり、唇で棹全体を刮ぐように愛撫する。
「いッ、あッ、すご、い……藍羽先輩、上手、すぎて、あ、ふぅん♡ わたし、も、もう、イク♡」
「いいわ、イって。れろれろれろ、ん、じゅるるるるるる♡」
「あ、ああああああああ♡」
雪菜は浅葱の頭を押さえた。
咄嗟に口の中にペニスを押し込んでしまう。体内の霊力が一気にペニスに吸い出されるのを感じた。それと同時に凄まじい快感の絶頂が頭を満たす。
噴射口となったペニス先端から精液が噴き出す。浅葱の口の中に苦みと熱が一気に広がった。
「ふぐ……んんんんんんんんんんんんんんんんん♡」
浅葱の喉が鳴る。
ごくごくと大量の精液を嚥下して胃の中に落とし込んでいく。
「あ、あ、藍羽先輩の口、気持ちイイです♡ と、止まらない……射精♡」
びゅるびゅる、と断続的に精液が出て行く。浅葱の口を汚す精液は、口の端から納まりきらない分が漏れ出ている。
「もったいないよ」
と、フロリスが横から口を出す。そして舌でペニスをしゃぶり続ける浅葱の口元を舐め始めた。扇情的な光景は女の雪菜ですらドキドキしてしまう。況んやオークチンポをや。
「ぷあ」
一通り、精液を飲み干した浅葱がペニスを離した。涎でぬるぬるになったペニスは、依然として勃起したままだ。
「はあ、はあ、嘘、めっちゃ出したじゃない……」
「す、すみません。全然、治らなくて」
「姫柊さん、じゃあ……あ、あたしともする?」
「藍羽先輩!? でも、それは……」
「姫柊さんだって、このままってわけにはいかないでしょ」
浅葱は雪菜のペニスに触れた。繊細な指先が敏感な裏筋を引っ掻く。雪菜がまた腰を引いた。浅葱の誘いを断る理性は雪菜には残っていない。下半身の疼きに従う他ない。
「す、すみません、藍羽先輩……わたし、もう、我慢、できません!」
「きゃッ、ちょ、そんないきなり!」
「はあ、はあ、すみません。でも、藍羽先輩が、いいって言ったから」
「言ったけど、ん……あ、キツ……ぃ」
雪菜は浅葱を押し倒して、巨根を挿入しようとする。浅葱の膣は濡れていてペニスを挿入する準備はできていたが、浅葱には経験がなくオークチンポをスムーズに受け入れるだけの下地がない。そこを雪菜が強引に突破しようとする。
「あぐ……待って、姫柊さん、キツいから、もっとゆっくりぃ、ひぃん♡」
ビリビリとした快感が浅葱を襲った。亀頭が膣口をこじ開けようとしている。オークチンポの魔力が浅葱の膣を刺激して、感度が飛躍的に高まったのだ。
(これ、すごい。こんなの挿入されたら、あたし、どうなっちゃうの!?)
見ただけでメロメロになり、触れただけでイキそうになるペニスだ。これが、女の一番深いところに達したら、とても正気ではいられない。
「姫、柊さん、ちょっと、待っ……」
「ん、あ、待て、ません!」
ぐい、と雪菜が浅葱の腰を掴んで引き寄せる。ペニスが膣口を越えて浅葱の胎内に侵入する。
「ほひゅッ!?」
バツン、と頭の中で火花が弾けた。浅葱にはそう思える衝撃だった。
「かはぁあ♡ あ、んへあああああ♡」
雪菜が膣奥を叩いた。
ペニスは根元まで押し込まれて浅葱の最奥を突く。
「ひぐッ、んあ、こ、これぇ、すご、お、おひいい♡ んひあ♡ あ、あ、ああああああああ♡」
「藍羽先輩、ぐ、う、ふあ、ああ、おちんちん、気持ちイイ♡ あん、あん、藍羽先輩の膣内、ぬるぬるであったかくて、あ、すごい、好き、気持ちイイ♡」
ばちゅ、ばちゅ、ばちゅ、と激しく雪菜は腰を叩き付けた。
舌を出して涎を垂らす。だらしなく快楽に取り憑かれた顔で、ひたすら腰を振って浅葱の膣内にオークチンポを打ち込み続ける。
「んお♡ んふ♡ ふああ♡ んはああ♡ ああ、あ、んああ、姫柊、さん、これ、ダメ、と、飛ぶ、あ、頭、飛ぶからぁ♡」
「ごめんなさ、ごめんなさい、気持ち良くて、止まらないです。あ、あ、ん、もっと、深く、したいぃ♡」
「へあ、深ッ、あ、待って、それ、らめ、ああああああああああああ♡」
雪菜が浅葱の足を持ち上げて、体重を掛ける。種付けプレスだ。浅葱は腰を上げて雪菜が突き込むペニスを深いところで受け止めざるを得ない。
「お、おぐうぅ、届いて、あ、あ、い、イグ、こ、こんなのでイッたら、いけない、ほんとにヤバい、お、覚えちゃうからああ♡」
「射精します。このまま、藍羽先輩の膣内にイキますから♡」
「ひいいいいい♡ 止めて、それはダメなのッ、こんなので中出し決められたら、あたしの子宮、こ、壊れ、壊れちゃうからぁ♡」
「ダメです。藍羽先輩から誘ったんですから、このまま、イキますから!」
「んひぃい、あ、あああ♡ 太くて固いのが、届いちゃ行けないとこまで来てるッ♡ あ、あ、ダメダメダメえええええええええええ♡」
「イキます♡ んああ♡ 登ってくる。精液、わたしの霊力が精液になって、藍羽先輩の膣、いっぱい、してあげますからぁ♡」
「ああああああああああああああああああああああああああああああ♡」
雪菜のプレスから浅葱は逃げられない。無理な体勢もそうだが、雪菜の力のほうがずっと強い。快感で痺れた頭と身体は雪菜の強引な抽挿に悦んでしまっている。
雪菜の激しい抽挿が止まる。浅葱の膣肉が全方向からペニスを締め上げる。それが後押しとなって、雪菜のペニスが炸裂する。霊力がオークチンポに吸い上げられて、精液となって浅葱の膣に流し込まれる。
舌を突き出しの仰け反り絶頂してしまった浅葱。
あまりの快感に我を忘れて、白目を向いて痙攣してしまう。
「あ、あ、あぐ……ふ、あ、あ、ふへあ、え……んあ……ぁ」
浅葱からペニスを抜き取る雪菜。
その雪菜を隣からフロリスが誘う。
「雪菜、まだ満足してないでしょ」
「フロリスさん」
「わたしの膣内も、犯してよ」
「……はい」
雪菜は性欲に支配されたまま、フロリスの膣をペニスで犯す。快感に身を委ね、堕ちるところまで堕ちてしまう。女を汚す悦びにペニスが満ちていく。夢見心地のまま、雪菜は腰を振り続けた。
「はへ、あ……う」
ふらりと貧血にも似た症状が雪菜を襲い尻餅をついた。霊力の枯渇である。フロリスのマンコからオークチンポが抜け、どろどろとした精液が流れ出る。
雪菜を侵食していたオークチンポが、ここで外れた。肉の塊だったものが、床を転がりさらに黒くなる。見る見るうちに炭化したように黒くひび割れ、粉々に崩れてしまった。
さすがに、本来の身体から切り離されて長くは生きられなかったのだろう。雪菜の霊力を吸い上げて延命したものの、ここが限界だったのだ。
「あ、わたし……」
淫欲の源が消えたことで、雪菜はハッと正気に返った。
そして、見るも無惨な浅葱とフロリスの姿を発見する。力尽き、白濁液の海に沈んだ浅葱とフロリスもまた、ようやく理性を取り戻したらしい。
起き上がった浅葱とフロリスは、気まずそうに俯くばかりだ。
「あの、その……も、申し訳ありませんでした」
と、雪菜は頭を下げた。
もはや、何を伝えたら良いのかも分からない。
「雪菜が謝らなくても……元はわたしがあんなの持って来ちゃったからだし」
フロリスがオークチンポに魅入られて、ここまでそれを運んできた。
元を正せば、確かにフロリスが原因ではあった。
「あたしも別に気にしてない。いや、もう忘れます。あれは、おかしかった。みんな纏めて」
浅葱もまた、今の状況を受け入れられず、しかし、雪菜にもフロリスにも文句を言うことができないので、これ以上何も口にしないということで手打ちにする。思わぬ形で処女を失う羽目になったが、こんなアクシデントはノーカンだ。
「…………」
「…………」
「…………」
しばらくの間、ひたすら無言の時間が続いた。
三人が三人とも、いたたまれなさを感じて口を噤んだのだった。
十日後、身を隠しながらの逃避行の末に、三人はレジスタンスのキャンプ地に到達した。
ブリンクウォールの僻地の森の中の小さな集落だった。人口は50人に届くかどうかというところだったが、今は虐殺から逃れてきた多くの難民達が集まり肥大化していた即席の家が、本来の集落の周囲をぐるりと取り囲み、もともとの集落の住民以上の人口を抱えるようになっていた。
ブリンクウォールの中心地から遥かに遠く、追手もここまではやって来ない。道中の襲撃を何とか逃れ、逃避行の最中に力尽きなかった者だけがようやく辿り着くことのできる土地であった。
主要な行商ルートからも外れ、寂れるばかりの集落はかつてないほどの人口増で賑わっている。
「どうしてんの、こんな状況」
と、浅葱は呟いた。
森の中に点在する長屋に難民達が身を寄せ合っている。衛生的にも経済的にもまっとうな状況ではないのは言うまでもない。
「ここまで来ることができた人は、まだ運が良いんです。こうした国境近くのキャンプ地は、他にもありますが、ブリンクウォールの迫害された多くの人は命を失っていますから」
「リドル・バージェスって言ったっけ。ほんと、最悪なヤツだわ」
道中、浅葱の知らない現代の知識を教えてもらっていた。大陸西部が抱えるブリンクウォール問題は、喫緊の課題であり、その中心人物であるリドル・バージェスの危険性を浅葱は今、垣間見ている。
「森の中って言ったって、キャパオーバーじゃない? これからどうするのよ」
「ブリンクウォールの問題は大陸全体の問題ってことで、ヒロイン生協がこっそり支援している。一応、中立だから、積極的に動けないんだけど、それは別のところで対応しているみたいだね」
一行を先導するフロリスが、振り返りながら答える。
「イステネブルもクロガネ大公国も、ブリンクウォール側だから、今はノワールを引き込もうって作戦だって」
「ノワールね。あたしの時代にもあったわ。クロガネ大公国もね。千年前の大公だったら、絶対にブリンクウォールには加担しなかったでしょうね」
「いい人だったんだ」
「悪さはしないわね。魔王軍と戦う最前線にいたし。あたしは一回しか話したことないけどね」
千年前の戦いで、クロガネ大公国は魔王軍と正面から衝突した。帝国側の最大勢力として、活躍したからこそ、現代まで多くの国土を領有する大陸西部の盟主と担がれるほどの実力者になれたのだ。
それが、今はブリンクウォール側に立って悪に加担するのだから嘆かわしい。
「今はわたしみたいに飛べるヒロインとか、転移魔法が使えるヒロインとかで何とか物資を運んでる。リドルや大公に反発する勢力は、生協だけじゃないし、色々と協力してもらって水面下でやりくりしてんの。それでもギリギリだけど、集落のキャパを考えると自然任せで食料を確保するのは無理だからね」
この集落は、大陸の西側に位置する。イステネブルの南東であり、ブリンクウォールとクロガネ大公国の緩衝地帯にあり、南西に行くとノワールがある。名目上はブリンクウォールの領土内ではあるが、どの国から見ても僻地にあるため、あまり目が行き届いていないという地域である。
きちんと整備された輸送路はない。西の僻地で東側は敵だらけだ。希望があるとすれば、それこそノワールがこの問題に乗り気になってくれることくらいだろう。
三人が到着したのは集落の中心近くにある二階建ての木造の建物だ。
「ここは?」
と、浅葱が尋ねる。
「この集落の集会所。今は、生協の出張所ってところ」
答えたフロリスが扉を開ける。
出張所の中は、窓から小さく日の光が差し込む程度の薄暗さだった。小さな建物なので奥行きもない。一枚板のテーブルが大きく場所を取っていて、部屋の大部分を占めている。二階もあるが、部屋の数も多くはない。この集落の経済力からすれば、この建物でも十分に立派だ。
「フロリス。それに、雪菜も。よかった。心配しましたよ」
奥の部屋からやって来たのは車椅子の女性だ。
ロングのゆったりとした栗色の髪の可愛らしいヒロインである。
「フィオレ、ただいま。あと、こっちは報告しておいた藍羽浅葱」
「藍羽浅葱です。初めまして」
浅葱はフロリスに紹介されたので、そのまま自己紹介する。
「初めまして。遠いところ、お疲れ様です。ヒロイン生協レジスタンス西部拠点担当のフィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアです。長いので、フィオレと呼んでください」
フィオレは柔和に微笑んだ。
「まずは休んでください。長旅の疲れもあるでしょう。部屋を用意していますので、案内させますね」