※この作品はR-18です。

異世界ヒロインが召喚される世界で好き勝手する話   作:もう万体

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第三十八話(静謐)

 アテナを下したことで南海路を回復したノワールは、同時に強大な女神を戦力に加え、ロドポリスの港町のホープを植民市とすることに成功した。

 これは、貿易を主要な産業に位置づけるノワールにとっては、非常に大きな一歩であり、同時に今後の政策をどうするかという非常に悩ましい展開でもあった。

 ノワールは天然の要害に囲まれ、陸路での移動が困難であるが故に独立を長年保ってきた国である。一方のロドポリスは開けた国土だ。クロガネ大公国があっさりと進軍してきたように陸路を阻む物が何もない。ノワールの全兵力を傾けても、維持するのは難しい。

 ロドポリスのすべてを手にするのは諦めて、クロガネ大公国に譲ったのは、彼らとの衝突を避け、必要な部分だけを手に入れるための選択だった。

 ノワールとロドポリスの間にはクロガネ大公国があるのだから、内陸部を手にしても仕方がないのだ。港さえ押さえられればそれでよいというのが現状である。

 無意味に戦線を拡大するのは悪手であり、わざわざ隣国と不要な仲違いをするべきではない。

 それに、ホープの新たな統治体制の構築というだけでも、一苦労なのだ。

 戦争をしている心の余裕はまったくない。

 アテナの石化はアテナを支配したことで、自由に解除できるようになった。

 もはや、アテナもマオの女であることを受け入れ、言うことを聞くようになった。

 幸いなのは、アテナの姿をホープの人々は誰も知らないということだ。自分たちを石にして、国を滅ぼしたヒロインがいるなどというのは、心理的には受け入れられないだろう。

 マオはホープの住民の石化を解いた。その上で、石化は押さえ込んでいるだけで、再発があり得ると虚偽の説明をした。

 これで住民たちは、唯一石化に対応できるマオには逆らえない。アテナへのヘイトも集まらない。表向き、魔王の再来とも思える邪悪なヒロインは、マオとその仲間たちによって退治されたことになっている。

 国が滅び、ノワールに支配されることに多くの国民が戸惑った。しかし、現実は変えられない。気がつけばノワール軍がホープを掌握しており、旧体制時の役人たちもノワールに乗り換えていた。ロドポリスの政治的伝統は覆され、マオから委任されたホープ市総督が治めることになる。それは住民たちにとって、決して最良の選択肢ではなかっただろう。だが、仕方がない。ヒロインの呪いで石に変えられた事実は揺らがない。もしも「再発」することがあるのなら、と思えばマオに逆らう気持ちは萎えてしまう。そうしているうちに、支配体制を確立するというのが今後の方針である。

 人間は慣れるものだ。

 自分たちの生活が以前とほとんど変わりないとなれば、新たな政治体制を受け入れるのも時間の問題であろう。

 戦争というには、早い決着ではあったが、本国を留守にする期間は短いに越したことはない。騎士団の一部を残すにしても、残りは撤退で構わないだろう。クロガネ大公国との話もついた。後顧の憂いなくというわけではないが、今できることは最低限終わったと判断してよい。

 アテナやセクストゥムといった比類なき戦力を手に入れることもでき、ホープという良港も支配下に置いた。これ以上ない戦果である。

 帰国に向けた準備に各々が勤しむ中、マオは政策監室から眺めるホープの港町を目に焼き付けていた。

 この遠征はマオにとって、初めての国外での活動だったので感慨深い。

 地元の港町とは異なる趣があり、学ぶべきところも多々ある。

 あまり黄昏れていても時間を無駄にするだけだ。

 マオは気を取り直して、鞄に荷物を詰め込み始める。

 

「もうお帰りですか?」

 

 と、静かに囁くような声がした。

 マオしかいないはずの部屋の中に、突然現れた気配にマオは伏していた目を上げる。

 褐色の少女がいた。

 背は高くない。

 ショートヘアの髪とあどけない顔立ちの美少女だ。

 身体にぴったりと張り付くような黒衣は、彼女の肉体をこれでもかとマオにアピールしている。不思議と魅力的な肉体である。決してグラマラスな体型というわけではないのに、均整が取れていて無駄がなく、男を魅了する女として鍛え上げたことの証左に他ならない。

 

「……この感じ、サーヴァントだな。アサシンってヤツだ。違うか?」

 

 と、マオは言った。 

 この世界に召喚される様々なヒロインの中でも比較的確認数の多い種別がサーヴァントだ。

 彼女たちは霊体であって実態がなく、物理的な隔離を無効化する。

 マシュのようなデミ・サーヴァントの記録はノワールにはないが、通常のサーヴァントならば過去にノワールにもいた記録がある。今回の遠征でも、ワルキューレ三騎が仲間になった。

 サーヴァントなのかそうでないのかということは、大体分かる。そもそも生き物ではないから、雰囲気が違うのだ。

 

「霊体の侵入を阻む結界が、庁舎には張ってあるんだが、どうやって入ったんだ?」

「あなたは……」

「ん?」

「いいえ、申し訳ありません。わたし、こうしなくてはならないので」

 

 少女の姿をしたサーヴァントがマオの前に進み出る。サーヴァントの身体能力を以てすれば瞬く間に詰められる距離である。まして、敏捷性に優れたアサシンならば目にも止まらぬ速さでマオの首元に迫れる。

 アサシンクラスのサーヴァント。すなわち暗殺者である。何者かに命じられて、マオを暗殺しに来たと言うことだろう。

 その依頼主――――差し詰め、クロガネ大公国のユーノ皇子であろう。

 マオを叩くのであれば、本国に戻る前が一番だという理屈は筋が通っている。あえて敵対する理由があるかというとそれは微妙なところだが、彼らの第一目標がホープであったとすれば、ノワールにホープを押さえられたのは極めて遺憾であっただろう。

 少女は身体から力が抜けたかのようにつんのめって床に膝を突く。

 彼女がヒロインであるのなら、こうなるのは必然だ。

 マオを害そうという時点で、その身体は戦う力を失うのだ。

 

「何……が」

 

 マオにとっては当たり前の光景も、彼女にとっては想定外の一言だ。 

 結界なのか毒なのか、それとも自分の知らない特殊能力によるものなのか。単なる魔術であれば、気づいて対処をしただろうが、身体に力が入らないほど深く干渉されるのに気づかないとは信じられない。

 

「動けないか。まあ、俺に手を出そうとしたらそうなるってことだ。暗殺者ちゃん」

 

 ヒロインの能力に関わらず、その力は無効化される。それでも万が一を考えて様々な守りを固めているのだが、果たして彼女はどうやって侵入してきたのか。

 

「わたしに何をしたのですか?」

「別に何も。君が勝手に倒れただけだ」

 

 そう言ってマオはアサシンに歩み寄る。

 アサシンの身体は動かない。動くには動くがマオを攻撃することができない。その意思が湧いてこないのだ。何らかの精神攻撃にも似た感情の変化に戸惑いながらもアサシンは忠実にその使命を果たそうと隙を窺う。

 彼女の能力を考えれば、短刀を振るう必要もない。

 この場にいるだけで、徐々に揮発した毒がマオの理性を崩壊させて、性を剥き出しにする。

 彼女――――静謐のハサンの身体は毒でできている。

 人間は言うに及ばず魔獣ですら悶死する絶対死の毒性は、静謐の意思でもコントロールできない危険物である。

 普通の人間ならば、彼女の肌に触れるだけで死んでしまう。

 男女を問わず理性を融かし、その獣性を表に剥き出しにする。

 後は、相手のほうから静謐に手を伸ばしてくるのを待つだけだ。

 その肉体は誘蛾灯のように理性を失ったターゲットを吸い寄せて、毒を注ぎやすくする。

 

「可愛い顔してるな」

 

 そう言って、マオは静謐の髪を梳いて、頬に触れた。抵抗はできないが、静謐の毒は静謐の意思に寄らず発動する。

 触れれば最後。

 甘美な陶酔の中で死に絶える。

 身動きできない自分がこの後どうなるかは分からないが、マオを暗殺するという任務は達成できる。その後は必要であれば自害でもすればいい。

 

(何……?)

 

 静謐に触れるマオの手が止まらない。

 興味深そうに静謐の瞳を覗き込んでくる。

 ここまで近づけば、毒の吐息を吸い込んでいるだろうに。

 

(なぜ、この人は死なない? この密閉された室内にわたしと一緒にいて、どうして平静を維持できる?)

 

 内心の驚愕を静謐は押し殺す。 

 今や敵地で捕虜となったに等しい状態である。

 それでも、マオを殺せば万事解決なのだが、頼みの綱の「妄想毒身(ザバーニーヤ)」がマオに効果を発揮していない。 

 

「一応、俺を殺しに来たんだろうが、依頼主のことを聞いておこうか」

「…………」

 

 静謐は口を割らない。

 仕事は仕事だ。

 毒が効かないのであれば、何とか短刀で首を断つ。

 だが、本当に毒が効かないのか。

 

(毒が効かないのだとすれば、わたしは……)

 

 マオが静謐の頤を上げる。

 何度も見てきた男の欲望を目の当たりにして、静謐の心は冷え固まる。

 やはり毒が効いていないというのは錯覚だった。

 毒が脳を犯し、男は理性を失って、獣のように静謐を求めてくる。それが自ら死を選ぶことに繋がると理解することなく、幸福な陶酔の中に溺れて絶命するのだ。

 失望と共に静謐はマオの口付けを受け入れる。

 

「……なんだ、何の抵抗もしないのか」

 

 と、マオは言った。

 

「え……?」

「何を驚いているんだ? お前、俺を殺しに来たんだろ?」

「……どうして、生きているのですか?」

「……?」

「わたしに口づけて、どうして生きているのかと聞いているのです。なぜ、わたしの毒が効かないのですか?」

 

 そこまで聞いてマオは合点がいった。

 静謐のハサンの宝具である「妄想毒身」は全身くまなく猛毒であるという効果であり、特に粘膜は強い毒性がある。

 口付けをして生きていられる人間はいないのだ。

 マオの口付けを受け入れるのも、それでマオを殺せるはずだったからだ。

 ところがマオは死ななかった。ただ毒に思考を侵されて、静謐に吸い寄せられたわけではなく、単なる女好きの性として捕らえた静謐を襲っただけだ。

 

「お前の能力が毒だろうが呪いだろうが関係ないぞ。お前たちヒロインの能力は俺には通じない。問答無用で無力化だ。力が入らないだろう? 毒も刃も俺には届かないんだよ」

「……まさか、そんな……」

「サーヴァントの毒で死んでるなら、お前に狙われるまでもなく死んでる。とっくの昔にな」

 

 無断で人の部屋に侵入し、命を狙ってきた暗殺者だ。

 ヒロインである以上はマオの敵ではないが、だからといって、無罪放免にする理由はまったくない。

 

「今からお前を犯してやる。今日、俺の前に立ったのが不運だったな」

「な……!」

 

 マオは静謐を突き飛ばし、衣服を剥ぐ。もともと、男を誘う薄布のような生地で着脱しやすい構造だ。簡単に剥ぎ取ることができた。

 

「暗殺に失敗した女暗殺者の末路、覚悟していないわけじゃないだろう?」

「うく……あッ」

 

 鋭い刺激が静謐を襲う。

 マンコにマオの指が入っているのだ。

 

「そんな……わたしに、触れるなんて」

「よく分からないが、お前の毒はそれほど強力なのか? 効かないから全然分からないんだが」

 

 静謐のマンコの感触は毒物を帯びているとは思えないほど普通の少女と変わらない。柔らかくぬるりとして肉襞が吸い付いてくる。

 感じやすいのか愛液の分泌が早く、そして多い。

 

「効かない、わたしの毒が本当に? ふう、んんッ!?」

 

 静謐のマンコから愛液が流れ出る。すっかり膣の中は蜜でいっぱいになっている。

 

「よほど感じやすい身体なんだな。ああ、なるほど、そういう肉体改造をしているんだな。粘膜に多く毒を含むんなら、多く毒を垂れ流せるようにしたほうがいいからな」

「ひぅ……あ、きゃッ、あッ」

「だが、俺には無意味だ。俺からすれば、こんなにも求めてくれて嬉しいってくらいだな」

「はッ、はッ、はあぁ♡ そんな、あ、ああん♡ 嘘、膣内、かき回されるなんて♡」

 

 静謐とて自慰をすることはある。

 昂ぶる身体を自ら鎮めるくらいはする。

 だが、他人に愛撫されたことはない。

 粘膜は最も強力な毒を含む。静謐に触れた男は例外なく命を絶たれてきた。サーヴァントとなってから、その毒性は宝具に昇華し、幻想種すら屠る即効性の致死毒となった。もはや、彼女に触れることのできる生き物はこの世に存在しないはずであったのに。

 

「あッ、あッ、熱いッ、ふあッ、あああ♡ 指、そんなところ、引っ掻いて、あふぅ♡ んあ♡ はぁん♡」

 

 腰をブリッジさせて静謐はアクメする。

 感じやすい身体は本来は敵を毒殺するためのものだが、今はマオを喜ばせるだけの機能に成り下がっている。

 

「はふう、あ……わたしに触れて、こんなに……」

 

 ぐったりする静謐の前に勃起したペニスを突き出す。

 愛らしい少女が快感にむせび泣く姿は、マオを興奮させてあまりある。

 

「あなたはわたしに、触れることができるのですね……」

「ああ、何の問題も無い。それどころか、お前の能力もすべて封じているからな。お前の能力に由来する毒は、俺の能力下にある限り発生しない」 

 

 頼みの綱の猛毒は、彼女の能力に由来する。ならば、ヒロインを無力化するマオの能力はその一切を封じてしまう。静謐の毒がどれほど強力だろうと関係なく、マオの許可なく使用することはできない。

 

「ああ、そうなのですね」

 

 静謐は静かに呟くと、身体を起こしてするりとマオの首に腕を絡める。そして、自分からマオに口付けた。

 マオの口内に舌が入ってくる。熱い吐息と一緒にぬるりと上顎を舐めて、舌が絡みついてくる。

 並みの人間ならば、全身の穴という穴から体液を噴いて死んでいるであろう。

 だが、マオは静謐を押し倒して、口付けを続ける。相手から求めてくるのならば、好都合だと言わんばかりにキスを堪能した。

 静謐の人柄も目的もよく分からない。

 男に隷属した振りをして、この場を脱しようとしている可能性も高い。だが、とりあえず棚上げだ。どうしたところで、彼女を取り逃がすつもりはない。

 

「ん……ん……れろ……ちゅぱ……ぁ……すごい……本当に死なない」

 

 まだセックスをしてもいないのに恍惚の表情を浮かべる静謐。口と口を繋ぐ涎の橋が、ぽたりと彼女の頬に垂れる。

 

「はあ、ん……はあ……いいですよ。あなたになら、わたし、身体も力もすべて捧げます」

「あっという間の心変わりだな。忠誠心はどうした?」

「あなたはわたしに触れることができる。……そんな人を求めていました。あなたが毒で死なないのなら、わたしのすべてはあなたのものです」

「そうか。なら、試してみるか」

 

 突然の彼女の心変わり。

 元の主への忠誠はもともとなかったのか、嘘をついているのか。可能性としては後者のほうが高いだろうが、これほどの美少女からの誘いを無碍にはしない。

 マオは静謐のマンコにペニスを挿入した。

 ずぶり、と押し込まれた一物の圧迫感に静謐は喉を逸らした。

 

「か――――はッ、ああ♡」

「処女だったのか?」

「い、今まで、誰もわたしの膣内まで入ることはありませんでしたから。はあ、んく……あッ」

 

 静謐の膣内でペニスをゆるゆると動かすマオ。

 毒を持たない彼女の膣内は愛液に濡れた蜜壺であり、肉襞がじゅぼじゅぼと絡みついて音を立てる。

 腰が蕩けそうになるほど気持ちがイイ。

 

「あ、あ……んあ……はあう♡ あ、すごい、です。お腹の中で、あなたの物がいっぱい動いてます♡」

「いい締まりだな。気持ちがイイ。気に入ったぞ……ああ、名前は何だったか?」

「静謐、静謐のハサンです。静謐とお呼びください、あ、ま、マスター」

「静謐、静謐か。いいぞ、静謐。もっと締めろ」

「あッ、きゃう……んあ♡ はあ……あ、あ、あん♡ はあ、大きい♡ ん……ん……んん……んはぁ♡」

 

 静謐のクリトリスを親指で揉む。

 静謐は腰を捻り、快感から逃げようとばたつく。

 その一方で、足を絡みつかせてもっともっととせがんでいるのだから卑猥である。

 膣が引き締まり、ペニスをしゃぶっている。初めてではあってもその痛みを洗い流すほどの快感が静謐の身体を満たしているのだ。

 この身体の反応に嘘はない。

 マオの能力で静謐はすべての敵対的能力を失っているから精神面での防御も消えている。

 ペニスを突く。

 静謐はとろんとした表情のまま身もだえする。

 マオは静謐の首を噛んだ。身体を密着させて、膣奥にペニスを押し当てて小刻みに動かす。

 

「は、ひゃ、はあう……あ、んあ、そんな、奥を執拗に……ああ、んあ……あ、うあ……あ、初めて、こんな、奥まで、はふ……はうぅ♡」

 

 静謐は恍惚の表情を浮かべた。

 ペニスを締め付ける膣肉が何度も痙攣している。

 感じたことのない快感に静謐はパニックになる。

 

(本当に気持ちがイイ。これが本当のセックス。頭の中が快楽で蕩けていくのが分かる。わたしの子宮がこの人を求めている)

「あ、あ、あ、熱い……温かい、あ、んあ……あなたの熱がいっぱい伝わってくる……あ、はあぁ♡」

 

 ペニスが膣奥に打ち付けられて、マンコが引き攣るほどに悦んでいる。

 肉襞が幾重にも重なってペニスを掴み、ぬるぬるとした粘液を纏って絡みつく。

 

「ふあ、んあ……ふあ……ああん♡ あ、んあ、んお……あ、あ、あ~~~~♡」

「静謐、出すぞ、いいな?」

「は、はい♡ お願いします。もっと、熱いのを、注いでください♡」

「くうぉッ」

 

 静謐の期待がマンコを通じてペニスに伝わる。

 膣道が狭まってカリ首に引っかかり、強烈な快感が伝わってくる。

 勢いよくペニスを打ち込んで、叩き付け、静謐の膣の震えを感じながら、マオは射精した。

 

「く……ああああ♡」

 

 静謐は腰をくねらせ、目を見開いて射精の熱を味わう。どうしようもない快感が静謐の表情を崩壊させる。

 

「あッ、くはッ、あ、きゃあ、あああ♡ い、イク♡」

 

 びっくん、と静謐の腰が大きく跳ねる。

 過呼吸になったかのように息を詰まらせて、静謐は痙攣した。膣内の筋肉がキツく引き締まり、ペニスを圧搾する。

 膣内でペニスが何度も跳ねて精液を流し込む。

 

「あ、あつ、い……こんな熱、わたしの膣内に、すごい……」

 

 すっかり蕩けた表情で自分の腹部を眺める静謐。

 マオを暗殺しに来たはずなのに、目的意識もかなぐり捨てて生前から求め続けた悦楽の余韻に浸っている。

 静謐からペニスを引き抜く。

 屹立するペニスにはどろりとした精液と愛液がまとわりついていて、マオと静謐の交わりの深さを思わせる。

 

「わたしに、そんなにも……」

「静謐」

「はい」

「綺麗にしてみせろ」

「……はい」

 

 静謐は吸い寄せられるように舌をペニスに這わせた。精液を舐め取り、亀頭を咥えて吸う。これだけ粘膜接触をしているのにマオの体調に変化はない。

 

(ああ、わたしの求めていた人)

 

 静謐は生臭い精液の臭いにも何ら抵抗を見せることなくペニスをしゃぶった。

 今までできなかったことを、思いのままに求めてしまう。

 もう完全に静謐はマオに与えられる熱の虜になっていたのだった。

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 ロドギルドに陣を置くクロガネ大公国軍を率いるユーノは、大公の第三皇子である。家が大公なのに、公に皇子と呼ばれるのは、クロガネ大公国が自らをパンゲア帝国の後継国家であると自認している表れであった。

 ユーノは五人いる大公の三番目。正妻の子であり、自らも魔法を操る魔法剣士である。三年前に東方遠征を成功させ、兄弟の中でも抜きん出て大公の信頼が篤い将軍であった。

 年齢はまだ若いが自信に溢れ、石化という困難に直面したロドポリスの制圧のため、軍を発した。

 二万人という大軍は、石化という脅威にさらされた国を乗っ取る上で過剰な戦力ではあったが、正体不明のヒロインの襲撃は警戒するに越したことはない。

 南海路の入り口がそのヒロインによって封鎖されたことで貿易が不調になっているが、鎧の町の暴挙のために屋台骨が揺らぐクロガネ大公国に正体不明のヒロインとの対決を決断する余力はない。 

 彼らは、初めから海に手を出すつもりはなかったのだ。

 ところが、そこにノワールがやって来た。

 ノワールは船で少数ながら兵を送り込み、ホープを占領すると、そのまま南海路を封鎖したヒロインを討伐したという。

 引きこもりのノワールが、こうも簡単に軍を動かすとは誰も思っていなかったのだ。

 想定外の動きにユーノを始めとする制圧軍首脳部は頭を悩ませた。

 ノワールにもヒロインはいる。

 兵の差はクロガネ大公国が圧倒的だがヒロインをぶつけるとなるとどう転ぶか分からない。ノワールのヒロインについては情報が多くないのだ。

 ノワールなど、歴史倒れの小国に過ぎない、というのがクロガネ大公国の認識であったし、経済的な繋がりも少なく、山脈に隔たれた向こう側の国だ。隣国とはいえ、関心の埒外であったのは仕方ないことだろう。

 それが、唐突に現れて美味しいところを攫っていったのだから、面白くない。

 それにホープを手に入れる絶好の機会でもあった。

 石化現象を引き起こしたヒロインはノワールによって討たれている。つまり、もうそのヒロインと対峙する危険性を考慮する必要はない。

 ホープを解放するための戦いで、ノワール側も少なくない犠牲を払ったという情報もある。

 マオを暗殺するならば、本国に帰る前がベストだ。

 マオさえいなくなればノワールの混乱は必至である。ホープを奪い良港を手に入れるまたとない機会となるだろう。

 幸いなことに、アサシンクラスのサーヴァントが一騎、こちらにはいる。同じ部屋にいるだけで、命に関わるという猛毒の娘だが、その力を駆使すれば暗殺は容易い。

 ユーノは静謐のハサンにマオの暗殺を命じた。

 姿を見られず暗殺するのは彼女の得意分野であり、クロガネ大公国側に嫌疑が掛かったとしても、証拠はない。

 

「ただいま、戻りました」

 

 どこからか静謐の声がユーノの元に聞こえてきた。

 暗闇の中に潜んでいるのだろう。霊体化で姿は見えない。

 

「首尾は?」

「滞りなく。……ノワールの船は本日の正午にはホープを去りました。残っているのは統治を任された兵五百のみです」

「そうかそうか。よくやった。ははは、明日にでも兵をホープに進めるか」

 

 上機嫌となったユーノは、ワインボトルを開けた。グラスに注いで、濃厚な香りを楽しみながら味わう。

 

「やはり、俺はついている。ホープを手に入れたとなれば、父上もいよいよ俺を後継者に指名せざるを得ないだろう」

 

 首都から出たことのない病弱な長兄や金勘定しかできない次兄より国難に率先して対応してきたユーノこそ大公の後継に相応しい。彼はそう確信していたし、宮廷内の認識もそうだった。

 

「静謐、お前は実体化せずに俺の護衛に努めろ。ノワールの報復があるかもしれないからな。必要なとき以外は霊体で過ごせ」

 

 静謐が実体化すれば、当然ながら毒素が滲み出ることになる。

 それはユーノの魔法障壁すらも突破する猛毒であり、さらに魔法の心得のない者はもっと早く思考を毒されるだろう。

 当然のようにユーノは必要な時以外の実体化を禁じていたし、それはこれからも同じだ。

 静謐の毒を静謐自身が制御できないのだから、それは仕方のない措置であった。

 

「……あなたはわたしに触れてはくださらないのですね」

「何を言っているんだ。お前に触れては死んでしまうだろう」

 

 にべもなく、ユーノは答えた。

 静謐に関心を向けることはない。彼にとって静謐は従順な暗殺者であって、目を向ける相手ではなかったのだろう。そういう関係性をよしとした静謐にも問題はあったのだろうが後の祭りだ。

 

「やはり、あなたではなかった」

 

 静謐の言葉はユーノの耳に届いたかどうか。

 この日、ロドギルドのクロガネ大公国軍内部に「疫病」が蔓延した。

 第三皇子を始めとする首脳陣は軒並み病没し、騎士階級にも感染が広がった。彼らが口にした飲み水が汚染されていたのである。倒れた騎士の体液からも毒が広がって、ロドギルドは地獄絵図のようになった。

 この騒ぎは三日ほどで沈静化したものの、ロドギルドに駐屯していたクロガネ大公国軍の騎士団の多くが倒れた。症状が出てから絶命までは早ければ数秒、遅くとも十秒もかからない。新たな死者が確認されなくなった時には、クロガネ大公国の騎士は四分の一にまで激減し、死体を処理することもできないのでロドギルドは死の都に成り果てたのだった。

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 空を埋め尽くすワイバーンの群れが、耳をつんざく雄叫びを上げる。

 火を噴き、城を守る兵を食いちぎり、暴虐の限りを尽くす。

 世界の終わりとも思える猛威は、とても人間の騎士の手に負えるものではない。竜の鱗は矢も剣も弾き返す。低級個体のワイバーンですら、その力は人間を上回るのだ。

 それが、カラスの群れと見紛うほどの大群で襲来したのだから、騎士たちの心中は如何ばかりか。

 高い城壁も空を飛ぶワイバーンの前には無意味だ。

 その翼が鉄壁の城壁を無為に帰す。

 不意に飛来した黄金の剣がワイバーンの頭蓋を打ち砕いた。

 現れたのは黄金の船であった。

 第二の太陽のように輝く船の上に、長身痩躯の女が立っている。黄金の船に負けず劣らずの黄金の鎧に身を固めた彼女は、目を細めてワイバーンの大群を見下ろしていた。

 

「醜悪なケダモノを何匹呼び寄せたところで、勝機などありはしない」

 

 女は右手を挙げる。

 その背後の空間が揺らぎ、無数の刃が姿を見せた。

 それは剣であり、槍であり、矛であり、斧であった。

 すべてが目を奪われんばかりの装飾に彩られ、規格外の魔力を滾らせる一級品の宝具であった。

 ワイバーンの群れに怒濤の如く刃を降り注いだ。

 黄金の光は漆黒の竜体を易々と貫き、肉片に変えていく。応戦するワイバーンの火炎も宝具の雨には歯が立たずに切り裂かれていく。

 女が刃の投射を終えたときには、空にあるのは女ただ一人となっていた。

 ワイバーンから吹き出た血霧を吹き散らし、女は地上に降り立つ。

 血の海の中に動く者がある。

 漆黒の鎧をワイバーンの血に染めたショートカットの女だ。

 

「気は済んだか、ジャンヌ・ダルク。いや、ジャンヌ・オルタ」

「……はッ、んなわけ、ないでしょうが」

 

 血を吸って重くなった旗を杖にして、ジャンヌ・オルタは立ち上がった。

 黄金の甲冑の女を睨み付けて、憎悪の魔力を加速している。

 

「わざわざ下りてきてくれるなんて、よほど、わたしを馬鹿にしてくれているようですね」

「わたしはお前を評価しているつもりだったがな。大人しく投降しろ。今ならブリンクウォールはお前を戦力として迎え入れる用意がある」

「ハッ、わたしが降伏なんてすると思う? この、わたしがッ!」

 

 漆黒の魔力が燃え上がる。

 ジャンヌ・オルタの怨念の源泉は裏切られ、踏みにじられた屈辱にある。

 力でたたき伏せられての降伏勧告など受け入れる余地は欠片もない。

 

「チッ、まだ、これほどの力を残していたか。紛い物のジャンヌ・ダルクの分際で」

「借り物の力で偉そうに。あんただって似たようなもんでしょうが!!」

 

 炎が湧き上がる。

 大地の水分が軒並み蒸発して、漆黒の槍となって黄金の女に殺到する。

 

「隷属するくらいなら全部道連れにして死んでやるわ! 吼え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)!」

 

 漆黒の炎は火山の噴火を思わせる。膨大な魔力が怨念の炎を形作り、黄金の女を焼き尽くそうと牙を剥く。

 この炎に焼かれては、さすがに命は危ういだろう。

 となれば、正面から打ち砕くほかない。 

 躊躇はなかった。 

 ジャンヌ・オルタという強大な戦力を引き入れられないのは残念だが、彼女を惜しんで自分の命を失うのでは割に合わない。

 女は剣を抜いた。

 深紅の捻れた刃を持つ奇怪な剣だ。

 その剣が放つ膨大な魔力と桁外れの神秘は、ジャンヌ・オルタが放った渾身の炎を優に上回っている。 

 

「その怨念ごと、消え失せろ。天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」

 

 

 

 

 肺が潰れそうなほどに痛い。

 全身の筋肉が引きちぎれ、骨が砕けているかのような痛みで頭がおかしくなりそうだ。

 黒い鎧は無残に砕け、衣服は大きく引き裂かれている。

 だが、それでもジャンヌ・オルタは生きていた。

 憎悪を胸に、いつの日か倍返しにしてやるという妄執を動力にして心臓を動かしている。

 川から這い上がったジャンヌ・オルタは折れた旗を杖代わりにして身体を支えて、足を引きずりながら歩いた。 

 宝具のぶつかり合いで敗れたものの、何とかその場を離脱して川の流れに身を任せた。

 打ち上げられたのは、何処とも知れぬ川岸だった。

 魔力は自動で回復する。マスターなど必要ない。根性と魔力回復能力のおかげで、他のサーヴァントよりも継戦能力は高いという自負はある。

 だから、まだ終わっていない。

 必ずやり返してやる。

 この屈辱が、ジャンヌ・オルタの足を進ませるのだ。

 

「おあつらえ向きの砦があるじゃない」

 

 見上げれば丘の上に砦があった。

 最近、戦いの舞台になったのだろう。壁が焼け焦げていて、無人の様子だ。

 見晴らしがよく、頑丈な建物。

 身体を休めるのに、これほど適した物件はそうそうないだろう。

 ジャンヌ・オルタは、砦の中に身を潜めることにしたのだった。

 




対魔忍はいちゃらぶよりも調教物のイベントを優先して欲しいマン。
あと、ユーリの色違いもっと出して。
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