異世界ヒロインが召喚される世界で好き勝手する話 作:もう万体
羽波唯里がここに至る過程は、困難の連続で地獄と天国を行ったり来たりする毎日だった。たった一度の敗北ですべてを失い、時間も理性も混濁して何もかもが曖昧になった。
時折、正気の自分が顔を覗かせる。
こんなことはおかしい。止めにしようと警告する。唯里の中の常識が、亡霊のようについて回る。理性が苦痛と同義になる。自分の薬物耐性が恨めしい。それさえなければ、とうの昔に狂い果てることができただろうに、下手に発狂できない分だけ、戦わなければならなくなる。身体はとうに降参していて、理性も白旗を揚げているのに、それでも快楽との戦いが終わらない。
何もかもを忘れて終わってしまいたい。
唯里を手にした男たちは唯里の使い方を知っていた。厳密に言えば、唯里のように悪魔の血に魅入られた女の扱いを心得ていた。
千年の歴史の中で人間はインクブス・ペタススと奇妙な共生関係を築いていた。悪魔は人間の女と血を提供し、人間は悪魔に生息地を保証する。そうやって一部の人間は秘密裏に悪魔の血と従順な女という商品を手に入れて、経済的な安定性を確保した。
襲いかかってくる強烈な禁断症状は唯里の常識を食い破る。
助け出された後のほうが、インクブス・ペタススに食い物にされている頃よりも地獄だった。
時系列が意味をなくす。
どこまでが事実でどこまでが妄想なのか分からない。
悪魔の血を得ることが最優先事項になる。
かといって、純度の低い悪魔の血では何の足しにもならない。
原液を味わった唯里にとって市場に出回る悪魔の血は薄すぎた。
男たちから回されてくる仕事をこなし、悪魔の血を得る日々が続く。
彼らはわざと薄い悪魔の血を唯里に渡して、唯里を常に飢えさせた。
いつの間にか、唯里を森から連れ出した人間たちがいなくなった。
悪魔の血を巡る闘争に敗北したのか、それとも禁断症状を呈した唯里に恐れを成したのか。
唯里は巫女でもある。
トランス状態になった唯里は力を制御することができなくなり、よくないものを招き寄せる。悪魔の血で夢うつつをさまよい歩く彼女の周辺で怪奇現象が起こるようになるのは必然だった。
自由になった唯里の地獄は続く。
インクブス・ペタススの生息地が燃やされた。
悪魔の血を絶とうとする国軍による掃討作戦の結果だ。それも、悪魔の血を巡る権力闘争の果ての惨劇であった。
悪魔の元に戻るという選択肢はなくなった。
いつ襲ってくるとも分からない禁断症状に怯えながら、悪魔の血を恵んでくれる人を捜し歩いた。
瞬く間に供給が絶たれた悪魔の血の値は跳ね上がった。
まっとうな仕事では支払えない額になって、非合法な仕事にも手を出した。
唯里がジャンキーだと分かって、身体を求めてくる者も少なくなかったが、結局、相手のほうから逃げ出した。唯里に取り憑くよくないものたちは、独占欲が強いらしい。不幸中の幸いというのか、唯里は引き寄せた魔によって守られていた。
地の底を這いずり回るような生活の末に、唯里は船の上にいた。
奴隷商人の船であった。
自分がどうして彼らの船に乗ることになったのか分からない。だが、彼らは貴重な悪魔の血を持っていた。それだけで彼らの指示に従う理由になった。
船がやけに騒がしい。
停泊中にアクシデントが発生したらしい。火の手が上がる。化け物だと罵る声が聞こえる。そういえば悪魔の血をもらえなくなってどれくらい経ったのだろうか。
今日は妙に頭が冴えている。
船を下りてから、運び込まれた小さな部屋の中で唯里の理性が僅かに戻ってきた。同時に禁断症状を自覚して激しい悪寒に震える。
男の人と女の人が会いに来た。
久しく忘れていた名前を思い出した。
人間らしい会話をした。
ハルカと名乗った女性に縋り付いて、ろくでもないお願いをしてしまったがそれすらも唯里にとっては久しぶりの「会話」だった。
終わっていた心が終わりかけまで持ち直して、苦しくなる。
とても、耐えられない。
ずっと忘れていた理性の光が僅かに灯り、同時にずっと目を背けていた地獄が襲いかかってくる。
もう何でもいい。
この苦しみを忘れさせてくれるのなら、何でも縋り付く。
どんな命令にでも従う。
念仏でもとなるように、意味を成さないお願いを呟きながら、暗闇の中で小さく蹲る唯里は頭を抱えて震えていた。
♪
悪魔の血の中毒者は、大陸中で社会問題になっている。悪魔から採取される血を原料としたドラッグで使用すると想像を絶する多幸感で理性が吹っ飛ぶらしい。おまけに、効果が切れると今度は地獄行きだ。襲いかかってくる多種多様な禁断症状は、まさに生き地獄に相応しく、ショック死する者もいるほどだ。
やっかいなことに、千年の月日の中で悪魔は品種改良され、悪魔の血の廉価版も出回るようになっている。
ノワールでは、悪魔の血は出回らない。
悪魔は総じて魔王の力で生み出された魔物だ。その力はノワール国内では大幅に削減され、無効化される。つまり、悪魔の血はノワールの風土に合わず、ただの白い液体になってしまうのだ。
完全に末期症状を呈していた唯里が僅かながら理性を取り戻せたのも、マオの力が彼女を苦しめる悪魔の血の魔力を封じたからである。
パラディクレールにいるだけで、唯里の症状は劇的に改善し、元の生活に戻ることができるようになるだろう。
だが、肉体関係を結んだほうがマオとしては都合がいい。唯里が本当は力あるヒロインだということは明白であり、主従関係に持ち込みたいし、可愛い女の子は抱きたい。マオの近くにいるほうが悪魔の血も早く抜けるのだから、一石二鳥だ。
その前に唯里に取り憑いている様々な雑念の処理が必要だったので、その道の専門家であるミコトに祓ってもらった。
陰陽師というのは、そもそもこういった鬼だとか悪霊だとかから人を守る仕事なのだとか。
そのおかげで、唯里から雑念は取り払われた。
これで心置きなく唯里を抱ける。
扉を開けてマオは唯里のいる独房に入った。
心身共にボロボロになったというような唯里の様子にさすがのマオも同情を禁じ得ない。
「あ……さっきの」
「お前に取り憑いていた雑念を部下に祓わせた。少しは体調がよくなったか?」
「え……あ……そう、だったんですか」
唯里は初めて自分の中から雑念が消えていることに気づいた。身体は少しだけ軽くなった。雑念たちに霊力を吸われなくなったからだ。
「……なんで」
唯里が不思議そうに自分の手の平を見つめる。
「悪魔の血の禁断症状が治まったのが不思議か?」
「……ど、どうしてそれを」
「悪魔の血を使ってることは自分で話しただろう。あれは、血を介した精神操作の呪いみたいなもんなんだが、悪魔の力が大本にあるんなら俺が無効化してやれる」
「悪魔の力を無効化、できるんですか?」
「生まれつきな。もっと範囲は広いんだが、今はそう言う理解でいい」
「本当に……わたし……く、苦しくない」
唯里は何度も確かめるように自分の頬に触れたり、腕をさすったりしている。
「全然、苦しくない。寒くないし、怖くもない、うそ……こんなことって……」
終ぞ忘れていた普通の状態。悪魔に囚われる前の自分に戻ったことが、信じられない。禁断症状が消え、悪魔の血を渇望していた気持ちもない。
「うく……うッ、あッ、ああッ」
唯里の目から涙が溢れだした。
感情が爆発する。
本来の唯里は真面目な優等生だ。道を踏み外すことなどありえない。それが、不可抗力とは言え、この一年間、地べたを這いずり回るような生活に身を窶していたのだ。理性を取り戻した今、断片的にでも覚えている苦悶の日々の後悔が唯里の胸を締め付ける。
解放された感動と安堵、道を踏み外した後悔と苦痛が入り交じり、嗚咽を零す。
そんな唯里をマオは抱きしめて背中を擦ってやる。
唯里はしばらくの間、泣き続けた。
それだけ、この一年は苦痛の連続だったのだ。
「ごめんなさい。わたし、今日、初めて会ったばかりなのに、こんなに助けてもらってばかりで」
「乗りかかった船ってヤツだ。それにお前を助けてここに運んできたのは、俺じゃなくてハルカだ。落ち着いたらお礼を言っておくといい」
「はい……あの、マオさんはこの国の……ノワールの領主様なんですか?」
「そうだぞ」
「あ……そ、そうですか。本当に申し訳ありません。そんな方に、わたし、大変な失礼をしてしまって」
「そんなことは気にしないでいい。俺にも女の子に縋り付かれるっていうメリットがあったからな」
と、マオは嘯いた。
「それより、悪魔の血だ。俺の力で無効化したのは事実だが、今後のことは分からないぞ」
「それは、どういうことでしょうか?」
「理屈の上ではもう大丈夫なんだが、さすがに原液に浸かってた娘の相手をしたことはないからな。もしかしたら、まだ体内に残っているかもしれない。今は俺がここにいるからいいんだろうけどな」
「マオさんの能力の効果は、もしかして距離で変わるんですか?」
「俺に近いほど効果が高まる。離れれば落ちる。まあ、この町にいる限り悪魔の血が活性化することはないし、消えずに残っていたとしても、時間が経てば自然に排出されるだろう」
ノワール国内はマオの能力に覆われていて、ヒロインの能力は無効化される。特に首都であるパラディクレール内では、マオが認めない能力行使は不可能だ。悪魔の血も同様でパラディクレールに持ち込まれれば効果をなくすし、二度と使い物にならなくなる。これはマオに放たれた魔法が掻き消されるのと同じ現象だ。そのため、唯里を苦しめる悪魔の血も、原理原則を適用すれば消滅しているはずではある。ただ、それを含みを持たせて伝えているだけだ。
「ただ次に禁断症状が出ても、悪魔の血に逃げることはできない。悪魔の血はこの国では使えないからな」
「……はい」
唯里は心臓が鷲掴みにされたような気持ちになった。
禁断症状への恐怖だ。
悪魔の血を求める気持ちは、今はない。禁断症状の苦痛もなく、悪魔に囚われる前の状態に戻っている。だが、もしもこれが一過性のものだったとすれば、いつの日か、禁断症状が襲ってくるのではないか。
マオの力でそれが消え去ったという事実はあるが、この後のことは分からない。万が一があると示唆されると、心が凍り付く。
また苦しみと快楽を行き来するような生活には戻りたくない。
人生のどん底を唯里は這いずり回って、ようやく蜘蛛の糸のような希望に触れたのだ。
「わ、わたしは、どうしたら……?」
「俺の力の庇護下にいれば、少なくとも悪魔の血に苦しむことはない。ただ、力のあるヒロインをこの町で遊ばせておくわけにはいかない。異能者は異能者であるというだけで普通の人間にとっては脅威だからな。俺の管理下に入り、俺のためにその力を使うことが、絶対条件だ」
「……か、管理下に入るって、それはマオさんに仕えるっていうことですか?」
「そうだ。戦士として女として、俺の下に就くことを容認するんだ。それさえできれば、後はお前の自由だ。俺専属のヒロインとして、衣食住を保証する」
「……女としても、ですか……」
唯里が引っかかったのはその部分だ。
戦士としては分かる。
もともと、剣巫という魔族と戦う戦闘職に就いていたので、戦うことは忌避しない。だが、女として仕えるというのは、唯里の正常な価値観からすれば相容れない。この世界は人権については未成熟だ。いい人のように見えるマオですら唯里を性奴隷として扱おうという意図がある。
特に悪質なのは、唯里が追い詰められていると知って選択肢を示したことだ。
これは交渉ではなく実質的な命令だ。唯里の弱みにつけ込み、唯里自身の選択でマオの軍門に降るように仕向けている。
「夜も遅い。じっくり一晩考えてもいい。それくらいの時間は取ってやる」
マオは唯里の回答をすぐには求めない。
マオの意図を唯里は即座に理解する。もともと理解力は秀でている。正常な知性が戻れば、マオの目的は予想できる。
じっくり一晩考える余裕は唯里にはない。
今にも禁断症状が出るかもしれない恐怖は変わらない。まして、マオの力で正常な状態が維持できているのなら、マオが離れることによるデメリットの懸念がついて回る。もしも、この部屋で一人でいるときに禁断症状が出たら、その時は地獄を味わうことになるだろう。理性を取り戻してしまったから、禁断症状の苦痛を正しく推し量ることができる。
「ま、待ってください!」
唯里はマオの袖を掴んで、引き留めた。
「あ、すみません……あの……もう少し、ここにいて、もらうことって……」
「それは、返事次第だな」
「あ……ぅ」
唯里は袖を離す。
マオの立場は一国の主だ。袖を掴んで呼び止めることすらそもそも無礼である。さらに、この一室に留め置くなどあり得ない話であった。
その無理を押し通そうとするのなら、マオの求めに応じなければならない。
そうでなければ、マオが唯里の求めに応じる必要もない。
「唯里、ほら」
マオは唯里にチョーカーを手渡した。
マオに仕えるヒロインの証であり、隷属したことを示すシンボルであった。
「これ、は」
「俺に仕えるヒロインは全員、こういったチョーカーを付けることになっている。若干、それぞれでデザインが違うけどな」
唯里のチョーカーは黒い革ベルトに金の留め具がついているだけのシンプルな作りだ。革ベルトも細身で目立たない。
「自分で付けろ。それを以て俺に仕える宣言とみなす。どうする?」
唯里に自分で行動させることで、彼女の心を試す。
悪魔の血に自ら抗い続ける人生を選ぶのか、マオの元について苦悶の日々を過去のものとするのか。
唯里の答えは、すでに決まり切っていた。
「付けたら、あの、一緒にいてくれますか?」
「それをつけたら、唯里は俺の物だ。そうなったからには、悪魔の血で苦しむことはない」
「分かりました……よろしく、お願いします」
唯里は深呼吸をして気持ちを落ち着けてから、自らチョーカーを装着した。
「……付けました」
「これで、お前は俺のものだ」
「はい」
頷いた唯里の頬をマオは撫でる。
そして、親指で下唇をなぞる。くすぐったように唯里は目を細める。
唯里に少し上を向かせ唇を寄せる。唯里は拒絶しなかった。
「ん……」
唯里の唇を啄むようにキスをした。
軽く触れあう程度のキスで、しっとりとした唯里の唇の柔らかさを堪能する。
何度かそういうキスを繰り返している内に唯里のほうも慣れてきて、マオの合わせて唇を動かすようになった。
ちゅ、ちゅ、と音を立ててキスをする。唇を吸い合い、気持ちを高めていく。
「キスは慣れてなさそうだな」
「……初めてですから」
自信なさげに唯里は言う。
正気を失っていた頃に何かあったかもしれないという思いはあるものの、唯里の意思でキスをしているのは今が初めてだ。
マオは唯里の腰を抱き寄せて、もう一度キスをした。今度はしっかりと口を押しつけて、空気の逃げ場すら封じるキスだ。
「んふ……う……んんッ」
唯里の唇を舌先でなぞる。チロチロと舐めていると唯里の口が僅かに開いた。その隙間にマオは舌を押し込む。
「ん……んぐ……んちゅ……ん、んんふぅ」
唯里の口内に押し込んだ舌を走らせる。唯里の舌を舐めて絡みつかせる。唯里も舌を使って応じているが、見様見真似がいいところでマオを感じさせるほどではないが、素人感のある舌使いは、それはそれで興奮する。
「ふ……ん……ちゅ……れろ……あ、ふあ……あ……れろ、れろ……ん、んく……ちゅ……ん……ん……ん……」
舌を絡め合うキスを続けていると唯里の身体から緊張が抜けていった。
固く握りしめていた拳を解いて、手を繋ぐ。
唯里の口内に涎を流し込んで飲ませ、熱い吐息を交換する。
唯里はすっかりキスに夢中になったようで、自分からマオの舌を吸うほどであった。
「はぁ……あ……」
唇を離した二人の間に銀色の橋がかかる。
唯里は名残惜しそうにマオの唇を舐めた。
(すごい、熱い。キスって、こんなに気持ちイイんだ)
唯里は熱に浮かされたような切なげな表情でマオを見上げる。
悪魔の血のような痛いほどの快感ではない。じっくりと芯から温かくなるような気持ちよさ。人肌の温もりが唯里に強い安心感を与える。
マオに触れている限り、痛みが襲ってくることもない。
唯里はごく自然にマオに身体を預けていた。
「は……あ……ん……はあ……はあ……はあぅ♡」
ベッドの上で唯里が身を捩る。
裸になった唯里のマンコをマオが弄っているのだ。
「敏感だな、唯里」
「い、言わないでください」
「恥ずかしがるな。これから、セックスするんだぞ」
「そんなこと言われても……あッ……んッ、あッ、はあ……んッ、んッ、あッ!?」
こり、こり、と膣内を弄るマオの指先に唯里のGスポットが当たった。唯里の腰が浮き上がる。ひときわ強い快感は唯里の胸を焦がし、思考に靄をかける。
「ふう、あ……んあッ、あッ、すごッ、んんッ……! く、あ、あぁ♡」
唯里はマオの指技を堪能し、ベッドの上で乱れる。
「ん……あ、はああッ、あ、あ、あッ、気持ち、イイ♡ す、ご……ひぃ♡ あ、指で、イク、ふああ♡」
唯里はシーツを握りしめて、足をピンと伸ばして果てる。
男に絶頂させられることへの羞恥心や後悔はない。
マオの手に触れているだけで、唯里は安らぐ。
可愛らしい顔をして、唯里のマンコは紅く艶があり、雄を誘う妖しい魅力に満ちている。反応がよく、指をしゃぶる感触も素晴らしい。
「唯里、入れて大丈夫だな?」
「あ……」
唯里の視界に男のペニスが入った。
すでにマオは勃起していて、挿入の時を待ちわびている。
性知識があると公言できるほど詳しいわけではない唯里だが、これくらいの知識はある。それでも、間近で勃起した本物のペニスを見るのは初めても同然であり、それも想像していたよりもずっと大きいとなれば驚愕も一入である。
「お、大きいね」
「比べたことがないから分からないな」
「わたしも別に誰かと比べたわけじゃないですよ。ただ、それ、そんなになるんだって、思っただけで」
慌てて否定する唯里の反応が可愛らしくて笑ってしまう。
マオは唯里の両足を開いて、ペニスをマンコに擦りつける。
「あ……あッ、熱い、すごい」
「入れるぞ」
「ん……くぁ……あ、あああああ!?」
唯里の膣肉が強引に広げられていく。
堪らず唯里は叫んでしまった。室内に唯里の声が反響し、唯里は慌てて口を閉ざす。
「好きに声を出して大丈夫だぞ。外には聞こえないからな」
「ん……う……ぅ」
そうは言っても、だからといってあっさり声を出して感じるのは抵抗がある。
膣内に入ってきたペニスの圧迫感は息苦しいくらいだ。
(わたしの中にマオさんのが入っている。本当に、入るんだ。あんなに大きいのに)
自分の身体のことなのに、そのキャパシティを知らなかった。
下腹部に感じる圧迫感は強い熱と快感を伴って唯里の心臓を握る。心臓が大きく脈打って、膣肉が反応してペニスを締める。
マオが腰を動かし始めた。
激しくない抽挿で唯里にじわじわと快感を蓄積させていく。
「ん……あ……あ……ん、ふう……はあ……はあ……ああ、すご……ぃ……ん……おちんちんが、わたしの膣内で、あん……ふう……ぅ、んあぁ、引っかかってる……んくぅ♡ はあ♡」
マオの腰の動きが徐々に大きくなっていく。
唯里のマンコの締め付けもそれに合わせて強まる。
段々になっている肉襞にカリ首が擦り上げられる。ぐりんぐりんと円を描き、ペニスの角度を変えて膣道を拡張する。ペニスに強い力が加わって、気持ちよさが跳ね上がる。同時に唯里もまた快感の度合いが高まって、声を我慢できずに張り上げた。
「あひぃいん♡」
「すごい、声が出たな」
「ひぃ、い、言わないでくださいッ、あん♡ そんな、あ、あ、んくぅ♡ はひッ、しゅ、しゅごい、あ、はあぁ♡」
唯里の顔がすっかり脱力しきっている。
手マンでしっかりと膣肉を解し、快楽を与えていたおかげで、セックスにもすぐに対応できたのだ。
悪魔の血の所為で唯里の身体は快感に弱くなっていたこともある。
悪魔の血が抜けても変わってしまった体質はそのままだ。
「あッ、あッ、あッ、あ、イイッ、ああん♡」
唯里の腰を掴んで、ペニスを突き込む。
腹部側を抉るようにして、唯里の膣口からポルチオまでを一気に擦り上げる。
「あッ、あああ~~~~!!」
悶絶する唯里に情けを掛けることなく、マオはガンガンと腰を振った。
「あぐ……んあ……ふあッ、あ、あ、んあ、ふあッ……お、お、んぉああ♡ あ、あ、んひぃぃ♡」
目を見開き、快感に喘ぐ唯里。だらしなく開いた口の端から涎が零れるのも構わず、ひたすら喘ぎ続ける。
「ひぐ……んぐ……んはあぁ♡ あ、激しい、あ、あ、イイ、気持ちイイ、です♡ あ、あ、き、来そう、んふ……ああ!」
唯里のマンコが波打つように痙攣する。軽くイッている。その刺激がさらに強まって唯里の膣全体を精液圧搾機に変貌させる。
ペニスをがっしり掴んで猛烈に吸い立てる。
強烈な締め付けにマオの睾丸が精液を押し上げた。
「唯里、イクぞ」
「あ、イク、膣内? あ、んあ……はあう♡」
「ああ、出す。膣内に出すからな」
マオはそう宣言して、ペニスで子宮口を何度もノックした。
「あ、んあ……あ、膣内、膣内に……ん、来て、来てください!」
頭が熱に浮かされて口が勝手に言葉を紡ぐようだ。
ペニスの抽挿で愛液を何度も掻き出され、唯里はどうしようもなく屈服する。
そんな唯里の極上の膣内にマオのペニスは根元まで埋もれて、跳ね上がる。
ペニスから脳髄まで突き上げるような快感。
マオのペニスが唯里の膣内に射精した瞬間だ。
「んふあああああああああああああああああ♡」
唯里の膣が射精の悦びに鳴いた。
マオの魔力が膣を通じて染み込んでくるのが分かる。
マオの雄汁が唯里の身体が動物の雌だったのだということを自覚させる。
膣内のペニスの存在感が一段を増した。
強く逞しい雄に唯里の雌は喜んで奉仕する。
「あ、あ、あふぅ♡ い、いっぱい出てる、熱い、これがセックスなんだ♡」
唯里は幸せそうに笑った。
悪魔の血が与える死にそうなくらいの快感とは別種の安らかな幸福感に満ちている。
「ん……はあ、はあ、はあ……あぅ……んん」
唯里は絶頂の余韻に浸りながら、マオに抱きついた。無意識のうちの行動だった。ペニスをマンコに挿入したまま唯里は甘えるようにマオに足を絡める。
身体を寄せるともっと安心できると感じたからだ。
膣内でペニスが精液を追加しているのが分かる。唯里は噛み締めるようにマオが与える快感を味わい続けた。