※この作品はR-18です。

異世界ヒロインが召喚される世界で好き勝手する話   作:もう万体

7 / 112
第六話(立香、マシュ、シオン)

 膣肉をこじ開けて、男のペニスが押し入ってくる。押し入り強盗のように強引に、だというのに立香の身体は、彼女の思いに反して雄の象徴を受け入れている。抵抗すらも、ペニスを締め付けるという最悪の形を取るだけで、結果的にマオを喜ばせてばかりだ。

 マシュに手出しさせないため、立香はマオに身体を委ねた。

 それから、マオは毎日のように立香と交わるようになった。一日に一度、あるいは二度、三度と犯されることもあった。

 今も、何度目になるか分からない中出しの直後だというのに、ガチガチに固まったペニスを膣で扱かされている。

 マオの上に跨がって、卑猥なダンスを踊る。

 男と女の繋がりに心の充足感はまるでないものの、肉体は否応なく昂ぶらされて、快感を覚え込んでいく。

 立香は騎乗位で腰を振る。

 快感を貪るように恥部をペニスに擦り付けて、くねらせる。形のよい乳房が大きく揺れて、甘えるような嬌声が口から漏れる。

 

「はあ……ああぁ♡ んはぁ♡ あ、あ、あ、ああ、大きい、んあ、あ、ああん♡」

「ずいぶんと楽しめるようになったな、立香」

「違い、ます、こんなの、絶対に、んん♡ ふあん♡ あん♡ ああん♡」

 

 初めての頃とは大違いだ。悦楽に顔を歪ませて、腰を前後上下、円運動すら取り入れる貪欲な腰振りを見せつける。

 マオのペニスに膣肉はがっちりと吸い付いて、分泌液をすり込みながら丹念に愛撫してくる。

 

「また、すぐに出しちまうな」

「あ、ん、くう……んはあ、出して、いい、ですよ。膣内に……ん、ちゅ」

 

 立香はマオに自ら口づける。そうやって腰を振りつつ、ディープキスをする。そんな立香に堪らずマオは射精する。彼女の膣内に、精を目一杯ぶちまけるのだ。

 

「ん……んんんん~~~~~~♡」

 

 立香は膣を痙攣させて、精を受け止める。ペニスから吹き出る白濁液のすべてをごくりと飲み込んで、立香の雌は大いに悦んだ。

 射精が止まったのを確認してから、立香はペニスを抜く。結合部からはどろりとした精液が零れ出てくる。

 

(また、出された)

 

 今となっては、何も思わない。マンコに中出しされたとしても、数時間後にはスライムがやって来て、全部綺麗になる。それが分かっているので、立香の抵抗感はずっと下がっていた。

 

(マタハリのまねごとなんて、わたしにはできないけど……でも、みんなのためなら)

 

 男を籠絡することを得意とする魅惑の女サーヴァントの顔を思い出す。彼女なら、マオをその魅力で操り、この窮地を脱することもできたかもしれない。

 閉ざされた空間で、立香はただ一心に負けないと念じながら過ごしていた。自己暗示とも言うべき頑強な根性、雑草魂で、快楽に流されそうな心をしっかりとつなぎ止めている。

 今のところ、命の危険はない。犯されるというのも問題だが、生きていればどうとでもなるはずだし、四肢が動き、意思も明瞭だ。心が折れる理由がない。レイプも快楽も立香の心を折ることはできない。

 そんな立香を手籠めにするのは、マオにとっては実は簡単なことだった。何せ、マオにはヒロインを屈服させるという凶悪な能力がある。立香がどれだけ足掻こうと、身体も心もマオには敵わない。それでも、マオが敢えて心を縛らないのは、立香がどれだけ持ちこたえることができるのか興味があったからだ。

 だが、それもそろそろ終わる。

 立香の心は折れないが、身体は快楽を覚えている。イクときにはイクようになっている。だから、もう次のステップに進むことにした。

 

 

 

 ■

 

 

 

 立香がマオに処女を捧げてから、どれくらい抱かれただろうか。スライムと違い不定期にやってくるマオとの回数を数えたところで何の意味もない。立香はもはや機械的に相手をすればいいとすら思っていた。

 そんな冷めた立香の下を予想外の人物が訪れた。

 鍵が開き、扉が開く。マオがやって来たのかと思ったがが、それは違った。

 

「え……マシュ?」

「お久しぶりです、先輩」

 

 立香の牢にやって来たのはマシュだった。

 もう何年も離れていたような気持ちにすらなる。

 

「どうして、マシュが? 大丈夫だった? 元気にしてた?」

「はい、わたしは大丈夫です。先輩は怪我とかしてませんか?」

「わたしは全然平気。マシュも怪我はなさそうだね。よかった、ほんとに」

 

 立香はマシュを抱き締める。

 待ちに待った再会に感極まって泣きそうになっていた。

 

「マシュ、どうしてここの鍵を開けられたの?」

「許可をもらったんです」

「許可?」

「はい、先輩と面会していいと。わたしもずっと部屋の中で過ごしていたので、久しぶりに長い距離を歩きました」

「そうなんだ。マシュがいるところって、けっこう離れてるの?」

「はい。ここから、五十メートルは離れてますね。シオンさんはもっと遠くの部屋にいるんです」

「シオンは、大丈夫かな」

「シオンさんも大丈夫ですよ。実は、先輩には会えませんでしたが、シオンさんとは何度か話す機会をもらってまして。すみません、先輩のところにもっと早く来られればよかったのですが」

「大丈夫だよ。二人が無事でよかった。わたしは、マシュのこともシオンのこともちゃんと教えてもらえてなかったから」

 

 立香はほっとして、思わずしゃがみ込んだ。

 マオからの情報はどうしても信用できない部分があった。マシュとシオンがマオの手元にいることだけは分かっても、それ以外の真実性には疑う余地が多分にあったからだ。

 

「マシュはどうして出してもらえたの? わたしに会いに来られたのは、なんで?」

「それは、マオさんに許してもらえたからです。ここを管理しているのは、あの人なので」

「それはそうだろうけど……」

 

 マシュは鍵を開けて入ってきたので、強引に牢破りをしたわけではない。マオが何を思って、こうした対応をしたのかは、まったく想像ができない。

 

「先輩、わたしたちがこの世界に来てから、もう二十日経ったみたいです」

「そんなに?」

「そろそろ、外に出たいと思いませんか? 太陽をちゃんと浴びないと、身体にはよくないですし」

「そりゃ、出たいけど。どうやって? 出してもらえるわけじゃないでしょ?」

「そんなことないですよ。……マオさんにちゃんとお願いすれば、外に出してもらうことはできると思います」

「お願いって言ったって、そんな簡単な話じゃないでしょ。……マシュ?」

 

 マシュの顔が赤らんでいて熱があるように見えた。瞳が潤み、色気を感じる。

 

「すみません、先輩。こんな形になってしまって、でも、先輩を助けるためには、これが一番だと思うんです」

「マシュ、ちょっと様子が……」

「先輩も一緒にマオさんのものになりましょう?」

「ッ……!」

 

 マシュの表情は淫蕩に歪み、呼吸が荒い。今、こうしている間にも発情しているようですらある。立香の知るマシュが絶対に言わないようなことを言い、立香の知らない表情を浮かべる。

 

「本当に、マシュなの?」

「先輩がマオさんから説得されているとき、マオさんはわたしのところにも来てたんです。それで、いろいろとお話を伺って、マオさんに従うのが一番だと思ったんです。マオさんのものになれば、ほら、こんなに……」

 

 マシュは貫頭衣の裾をまくり上げる。

 マシュの汚れを知らない――――知らなかったはずのマンコが濡れて、太ももまで雫を零していた。割れ目からは白濁液が今にも零れそうになっている。

 

「あ……ああ……マシュ、そんな、まさか」

「さっきまで、マオさんに愛してもらってたんです。すごいんですよ、マオさんのおちんぽ、わたしのここまで届くんです。ここをノックされると、頭が真っ白になってしまうんです。先輩も、たくさん教えてもらったんですよね?」

「う、嘘、嘘だよね、そんな、だって約束が……」

 

 立香は慄然としてマシュを見た。

 マシュは自分の臍の辺りを愛おしそうに撫でる。マオのペニスが彼女の大事なところを貫いた時の快感を、マシュは立香に語って聞かせる。

 マシュはマオの快楽責めに屈したのだ。マシュの精神の守りは星を滅ぼす熱量すら凌ぐほど堅く尊いものだ。それが、徹底的に汚され、肉欲に溺れてしまう姿など見たくはなかった。そうならないために、マオに身体を許したはずなのに。

 

「あ、あいつ、わたしに嘘を、マシュ!」

「先輩?」

「逃げよう。ここから逃げるの!」

「え、でも……」

 

 逡巡するマシュの手を掴んだ立香は有無を言わず扉に向かう。今はマシュが鍵を開けている。外に出るのは今しかない。守衛か何かはいるかもしれないが、そこはどうにかする。シオンも連れていく。マオは約束を守らなかった。いつまでも従っている必要はないし、この先に何の保証もないのだ。

 

「ダメですよ、先輩」

 

 立香の行動を阻んだのは、他ならぬマシュだった。

 

「マシュ!?」

「わたし、先輩にもちゃんと幸せになって欲しいんです。マオさんのところにいれば、きっと先輩は幸せになれます」

「マシュ! 違う、正気になって!」

「先輩……やっぱり、言葉では止まってくれないんですね」

 

 と、マシュは悲しそうな顔をする。

 立香はどんなときにも諦めないで前に進んできた。()()()()の困難など、今までの旅路に比べたら何と言うこともない。だから、マシュは言葉で彼女が説得できないと分かっていたのだ。

 

「すいません、先輩」

 

 マシュは謝りながら立香を強引に引っ張って、ベッドに投げ飛ばした。身体が宙に浮いた立香は、柔らかいベッドの上に尻餅をついた。

 

「マシュ……」

「マオさんの許可があれば、力を使えるんです。霊基外骨格(オルテナウス)を装着した時ほどにはいきませんが」

 

 ミノタウロスと戦ったときのような戦闘能力の低下はない。マシュの能力は不安定で不完全だ。それでも、素手で立香を制圧できるだけの力はある。立香は結局のところ、その身体能力においては常人の域に留まっているのだ。

 呆然とマシュを見つめる立香。マシュは申し訳なさそうに視線を逸らす。そこで、扉が開いた。

 

「ダメだった?」

 

 のっそりと、遅れてやって来たのはマオだった。

 

「マオさん……すみません、やっぱり先輩は……」

「分かってる。強情だからね。口で言って分かる娘じゃないんだってことはな」

 

 マオの顔を見るなり、立香の中に怒りが湧き上がった。騙されていたことに加えて、マシュを汚し、洗脳したらしい。到底、黙っていることはできなかった。

 

「あ、あなたって人はッ」

 

 激怒した。

 今まで、これほどの怒りを抱いたことがあっただろうか。魔術王との戦いですら、相手には相手の信念があった。互いに譲れぬものがあったし、衝突は避けて通れないものではあったが、ただ汚し、辱めるだけのマオよりはマシだとすら思った。

 感情のままに相手に殴りかかるのは、それこそ魔術王以来だろう。あのときはロマニが止めてくれたが、今はその彼もいない。ほんの数メートル。一気に殴り倒して、今度こそ脱出する。伊達に戦い抜いていない。

 

「……ッ?」

 

 立ち上がろうとした立香は、自分の手足に力が入らず愕然とする。

 また、マオの正体不明の力なのだろうか。唇を噛む立香の前に、シオンがやって来た。

 

「立香さん、今、マオさんに殴りかかろうとしましたね。ダメですよ、そんなことしたら。せっかくのパトロンを怒らせたら後が大変なんですから」

 

 シオンの指先からキラキラと光る細い糸が伸びている。いつの間にか、それが立香の首筋に刺さっていたのだ。

 

「エーテライトで神経系を押さえました。これで、立香さんは当面身動きできません」

「便利だな、エーテライト」

「立香さんの精神構造も肉体構造も、わたしは熟知していますので、ハッキングは簡単です。伊達にノウム・カルデアで一緒に戦っていません」

 

 絶望的な眼差しで立香はシオンを見た。一緒にいた期間は長いとは言えない。彼女は異聞帯に同行しないので、一緒に苦難を乗り越えたというには遠いかもしれない。しかし、同じ目的――――汎人類史を取り戻すために戦ってきた仲間だった。

 

「なんで、シオン」

「そういう目で見られると、さすがに罪悪感がありますね」

 

 シオンはばつが悪そうにしつつも、立香の拘束は緩めない。

 

「別に裏切ったつもりはないですよ。わたしの、というよりも我々アトラス院の錬金術師の目的は人類の滅亡を回避することですから」

「だったら、こんなところで足止め食ってる場合じゃないでしょ。この世界の聖杯を探して、カルデアに帰らないと!」

 

 立香の叫びを聞いたシオンは面食らったような顔をする。

 

「おや、もしかして立香さん、まだご存じなかったんですか?」

「ネタばらしにも順番があるからな」

 

 と、マオがシオンの隣で言う。

 

「なるほど、それはずいぶんと衝撃的なカタルシスになってしまいますね。思考三番までがドン引きしてます。ですが、同時に立香さんに分かってもらうためにはそれが効果的であることも分かります」

 

 シオンは眼鏡をくい、とかけ直す。

 

「ともかく、本日こうして立香さんのところに満を持して押しかけてきたのは、立香さんにそろそろマオさんを受け入れてもらうためなのです」

 

 シオンの語り口は今までと全く変わりがない。だが、彼女が頬を染めて男を語る姿など想像できただろうか。それ自体がイメージと違い過ぎる。この二十日間の間に、シオンの身に何があったのか。マシュもそうだ。マオに酷いことをされて、操られているに違いない。立香は、そう思うほかなかった。

 徐にマオが衣服を脱ぐ。

 マシュとシオンが、その前に跪いた。

 

(まさか……)

 

 と、立香の背筋に戦慄が駆け抜ける。

 

「二人とも、何してるの? ダメッ、そんなこと!」

 

 立香の叫びにマシュは怪訝そうな顔をした。

 

「先輩、でも、見てください、この、立派なおちんぽ。こんなの見せられたら、ドキドキしてしまいますよね?」

「立香さんも早く素直になった方がいいですよ。マオさんは、かなり意地悪な人ですからね」

 

 マシュとシオンは共にとろんとした表情を浮かべた。それから、ほぼ同時にフェラチオを始めた。

 

「んあ……れろ……んれお♡……れろ……れろ……れろ……れろ……♡」

「ちゅ……ちゅ……れろぉ……んふぅ♡ はあ……れろ……れろぉ♡」

「嘘でしょ……二人とも、そんな……」

 

 マシュとシオンのWフェラ。美人二人が奪い合うように一本のペニスに群がっている。

 まさか、こんなことを自分の仲間が、マシュとシオンがするなんて信じられない。悪夢だ。いや、悪夢のほうがずっとマシだった。

 

「ふは……んちゅ……れろ……ちゅぷ……ちゅぷ……れろれろ……あふ……マオさん、すごい臭い……れろ……れろ」

「マシュさん、先端ばかり。なら、わたしは根元をいただきます。れろ……れろ……れろ……んんぅ……はあ、ここの、精液の生産を加速させますよ……んん、んむぅ♡」

 

 シオンは睾丸に吸い付き、皮を伸ばすようにペロペロと舐める。マシュは口元を涎で汚しながら、亀頭を咥えてじゅぼじゅぼと音を立てて啜る。

 そんな二人の懸命な口奉仕で、マオのペニスはガチガチに勃起する。

 

「やだ……二人とも、もう止めて、どうして……そんな、やだよ、負けないでよ」

 

 立香の悲鳴にも似た言葉も、快楽の虜になった二人には届かない。時に立香を気遣うように視線を向けるも、唇も舌もペニスから離れようとしないのだ。

 

「んじゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶぶ……んんぅぅぅ♡」

「れるれるれる……れるぉ……ちゅぱちゅぱ……んはあ、あふ……れろぉ♡」

 

 マシュの唇が棹を扱く。シオンの舌が睾丸からマッサージして精液を送り出させる。我慢の理由はない。マシュが物欲しそうにしゃぶりついてくるので、思う存分にその口に精液を送り込む。

 

「マシュ、受け止めろ」

 

 どくん、とペニスが脈打つ。

 

「ん、んんぅぅ♡」

 

 マシュの口内に大量の精液が流れ込む。マシュは口の中でそれをすべて受け止める。

 

「あーぁ、マシュさんの口に全部出したんですか?」

「シオンにはさっきくれてやっただろ?」

「それはそうなんですけどね」

 

 シオンは、口で精を受け止めるのを当然というような口ぶりだ。

 マシュも口内射精を嫌悪する様子がない。口の中に含んだまま、ペニスから口を離す。

 

「ん♡」

「マシュ、先輩が物欲しそうにしてるぞ」

「んぁい♡」

 

 マシュは言われるがままに口元を押さえて立ち上がる。そして、ベッドの上に力なく座り込む立香の下に向かった。

 

「ま、マシュ……?」

「ふえんぱい、ん……」

「な、なに、まさか……や、そんな――――あう!?」

 

 立香の抵抗は無意味。勝手に口が開いて、舌を出してしまう。立香の神経系を犯すエーテライトが、マシュを受け入れるよう身体を操作しているのだ。

 

「んあぁ……」

「ひゃめ……あ、ああ」

 

 どろどろとした精液がマシュの口から立香の口に垂らされる。

 

「先輩の口の中に、マオさんのがいっぱい。たっぷり味わってくださいね、ん……ちゅ……れろ」

「んッ、んぅ……んん……んッ」

 

 マシュは立香に口づけた。口の中に残った精液もそれで全部立香に送り込む。舌で立香の口内を攪拌しながら、上を向かせると、立香の喉は精液をごくりと飲んでしまう。

 

「ふは……はあ、はあ……先輩とファーストキスですね」

「う……く……」

 

 立香はショックを受けたとばかりに視線を逸らす。

 

(こんな風にマシュと……こんな不味い……不味いので……あれ……)

 

 口の中に広がる臭み、苦み、どろどろとした触感。何もかもが嫌いだ。精液を飲むのはこれが初めてではないから、その味も感触も分かっている。だというのに、今の味わいはまるで極上の食べ物を味わったかのようだった。

 

「し、シオン、わたしに何かした?」

「さすがに分かりますか。はい、立香さんが思わず吐きそうという顔をされたので、味覚を少々。マオさんのものを美味しく味わえるように認識を改変しました」

「な、なんてこと、やだ、何してんの、すぐに戻して!」

「大丈夫ですよ。どうせ、似たような状態になるんです。遅いか早いかの違いですよ」

「意味が分からな――――あッ」

 

 立香の言葉は最後まで続かなかった。マシュが立香を押し倒したからだ。

 

「ま、マシュッ!?」

「すみません、先輩、でも、マオさんが」

「あ……なッ」

 

 マシュは立香を押し倒しているが、そのマシュの背後にいるマオが四つん這いのマシュの尻を揉んでいる。立香の位置からは見えないが、何をされそうになっているのかは分かる。

 

「ダメ、ダメダメ、マシュッ」

「あ――――あひゃあん♡」

 

 立香が聞いたことのない声でマシュが鳴いた。

 マシュの膣にマオのペニスが押し込まれた。

 膣肉を調教され尽くしたマシュは、いとも容易く感じてしまう。

 

「ん……あ、んあ、んん……ふは……あん、あん、んあ、ああッ、くあッ、ふはッ、ああん♡」

「マシュ、マシュ、しっかりして、お願いだから! ねえ!」

「先輩、先輩、んあ、あ、先輩がこんなに近くで、ん、見てるのに、あふ……あん、わたし、んあ、あん、あん、あ、んん、マオさんと、ん、繋がってしまって、あ、あ、あ」

「マシュ、この、ああッ、絶対、こんなの間違ってる。ねえ、マシュ、正気に戻ってよ!」

「すみません、先輩、でも、だって、こんな、ん、ん、んふあん♡」

 

 バックから突きながらマシュの尻を叩くと、マシュは嬉しそうに鳴く。ペチペチとハリのよい肌を叩く。力はいらない。抽挿の刺激に少し付け加えるだけで、マシュの膣はさらによく締まるようになった。

 

「く……マオさん、約束」

「ん?」

「わたしを抱く代わりに、マシュには手を出さないって」

「ああ、手を出してはいないよ。でも、マシュからお願いされれば話は別だろ?」

「な……なにそれ、そんなの詭弁でしょ! マシュだって、こんな嫌なこと無理矢理されて」

「こんな嫌なこと? そうかな。マシュを見ても、そう思うのか?」

 

 マオはマシュの頭を上げさせた。バックからガンガン突かれ、喘ぐマシュの顔は、欲望に歪み、卑猥に蕩けていた。

 

「せ、先輩、見ないでください。こんな、わたし……あ、んあ、あふ……んああ♡」

「マシュ……なんで」

 

 立香は息を呑み、言葉を失う。可愛らしい後輩が、今となっては一流の娼婦もかくやの乱れようだ。それも演技ではなく、本気で感じている。

 

「マシュ、どうしてだって」

「あ、ああ、んあ、ふうあ……あ、ど、どうしてって、ん、それは、気持ちがイイから、ですぅ」

 

 がくんとマシュは立香の上に崩れる。立香の耳元で、嬌声を上げ続けるマシュ。

 

「あは、んあ、わたしも、最初は先輩と同じ、だんたんです。でも、こんなに奥、可愛がってもらったら、ん、考え、変わりました。あん……気持ちイイ、イクの、すごくて、んふ♡ こんなの、誰も教えてくれなかった、じゃないですか。あん、ん、ふう、ふああ♡ ああ、太い、奥に、んはあ♡ あ、ああ、イイです。もっと、ください!」

 

 立香は完全に言葉を失った。マシュの喘ぐ声が聞こえる。吐息が耳にかかる。それがマシュのものだと思いたくなかった。マシュが何を言っているのか、分からないし、分かりたくなかった。

 

「わたし、奥が弱くて、先輩もそうだって聞いて、ん、あん、分かります。奥、トントンされるの、イイ、ですよね。何も考えられなくなって、ん、どうにかなりそうで、あん♡ セックス、やみつきになって、もう、マオさんのおちんぽもらえないと、切なくて仕方がなくなってしまうんです。はあ、はあ、先輩も、そうですよね?」

(違う。わたしは、そんなことない。わたしには、まだしなくちゃいけないことがたくさんあるんだから)

「あ、あ、ああ、イク、先輩の前で、わたし、見られながら、イっちゃいます♡」

「ああ、いいぞ、イっていいぞ。思い切り、先輩の見せつけてやれ」

「あ、あああああ、イクイクイクッ、ああああああああ♡」

 

 狂気に支配されたかのようなイキっぷりを見せるマシュ。立香の身体に抱きついて、全身を快楽に浸してぶるぶると振るえている。

 

「はあ、はあ、はあ、あぁ……すごく、気持ちイイです」

「マシュ……」

「ふう、先輩も、ちゃんと愛してもらってください。こんなに、イイことって、ないですから。先輩のためでもあるんですから」

「マシュ……ッ」

 

 立香は歯を食いしばる。マシュが立香の上からどいて、見えたマオの顔に唾を吐きかけたくなる。身体の自由が利いていれば、パンチだけでは済まさない。それだけの怒りがあるのに、悔しいことに指先一つ自由にならない。

 首から上だけが、今の立香に許された可動範囲だ。

 

「立香」

「気安く呼ばないで」

「気丈だな。マンコはこんなに濡らしてるのに」

「ん……んんッ」

 

 立香の膣は一連の流れの中で雫を零していた。感じているわけではない、と心中で訴えても身体はマシュとシオンが発する淫蕩な空気に当てられてしまっている。

 

「前戯もまだだけど、入れるのは簡単そうだな」

 

 その言葉通り、立香の膣内にペニスは簡単に入った。膣肉の抵抗をこじ開けて、鋼鉄のようなペニスが立香を犯す。

 すでに何度も立香はこのペニスを受け入れてきた。身体は拒否する術を知らない。

 

「あッ、んく……ううぅ!」

 

 根元までペニスが挿入される。そして、いつも通りの抽挿が始まる。

 

「ふぐ……んぐ……ん……ん……ん……ぐう……ふぐぅ……んんッ、ぐうぅッ」

 

 いつもと違うのは立香の表情だ。

 親の敵を見るような目でマオを見ている。今まではマシュのため、シオンのためと自分に言い聞かせて我慢してきた。その前提が崩れたのだから、立香は敵意を露わにしてマオを睨むのだ。

 

「絶対に、あなたなんかに、んぐ、負け、ないッ、ぐ、んん、絶対にッ」

「本当に強情だ。身体はこんなに悦んでるのに」

「知らない、んぐ、くぅ……ぐ、あッ、んん」

 

 立香に勝算があるわけではない。

 だが、もともと立香の戦いは勝算のあるものではなかった。場合によってはサーヴァントすらも諦めるような状況を何度も乗り越えてきた。

 ただ一人のマスターとしての責任を負い、仲間に支えられてここまでやって来たのだ。

 マシュとシオンはマオの手に落ちた。だが、まだノウム・カルデアにはダ・ヴィンチもホームズもいる。こちらの手札は押さえられたが、外からの救援は期待できる。我慢強さに関しては、自信がある。どんな状況であろうと、頑張れば活路を見いだせる。そうでなければ、今まで斬り捨ててきた数え切れない人たちと世界に合わせる顔がない。この程度のことで、負けるわけにはいかないのだ。

 

「絶対に、ん、カルデアに、戻って、ぐ、うぅ……あぐ……世界を取り戻すんだから、くぅ、んあッ、ぐ、あなたなんかに、負けないんだからッ」

 

 パン、パン、パンと膣を何度も突かれながら、立香はとにかく負けないことに腐心する。感じる身体を意識から切り離し、心を責任感で満たす。

 立香が背負う負けられない事情は、世界一つ分程度ではないのだ。

 耐えて、耐えて、耐える。そんな立香にマシュが歩み寄る。ベッドの脇に膝を突いて、立香の手を握った。

 

「先輩、もういいんですよ。頑張らなくて」

「マシュッ、いいなんて言わないで。いくらなんでも、そんな、こと……ん、パツシィに言われたじゃん、負けるなって」

「先輩、それは……」

 

 マシュは悲しそうに目を伏せる。

 それから意を決して口を開いた。

 

「先輩、もう、それはいいんです」

「い、いいわけない。いくらマシュでも、そんなこと言ったら、ぐぅ」

「聞いてください。先輩、この世界のこと。わたしたちのことも」

 

 マシュは真剣な眼差しで立香を見る。そこには狂気はなく、立香の知るマシュの顔があった。それと同時に、マシュがこれから語ることが致命的な何かであること感じざるを得なかった。マシュの言葉であっても、それは聞いてはならないことであると。

 

「マシュ……」

「先輩、わたしたちは、カルデアには帰れません」

「え……?」

 

 立香の頭が真っ白になる。マシュが何を言っているのか分からなかった。

 

「何、言って」

「そもそも、わたしたちに帰るところなんてないんですよ。わたしたちは、そう……サーヴァントのようなものだったんです」

「えっと、どういう、こと?」

 

 立香の問いに答えたのは、シオンだった。

 

「立香さん。この世界は特異点でもなければ、異聞帯でもありません。ここは、強いて言えば異世界。あるいは別の宇宙です」

「別の宇宙?」

「フォーリナー関係の神様がいる宇宙とも違う、ギリシャの機神の出身世界とも違うでしょう。我々の汎人類史とは決して交わらない別の宇宙です。ノウム・カルデアだろうが異聞帯だろうが、別の宇宙に移動する術は、さすがにありませんね」

「そんなこと……でも」

「信じられないのも分かりますけど、星が全然違うんですよね。異聞帯だろうと、人類史からの派生である以上、星の配列は同じでないといけないはずですが、ここは違う。宇宙が違うんです。だから、この世界には人理焼却は関係ないし、白紙化も異星の神も関係がない。その影響はまったく受けないのです。当然、聖杯だってありません。類似の何かはあるかもしれませんが」

「でも、そんな、だからって、じゃあ、ダ・ヴィンチちゃんたちは? 汎人類史は? わたしたち、まだ戦わないといけないのに、んあッ、ぐ、動かないでよ、んッ」

 

 ノウム・カルデアに戻れないとなれば、異聞帯の攻略ができない。残す異聞帯は二つ。立香が生き残るために斬り捨てた世界は五つもある。自分たちの世界だけで何十億もの人がいる。別の世界まで含めれば、立香が負う責任は百億人を優に超えるだろう。

 この世界が異世界だろうが別の宇宙だろうが、立香は戻って戦わなければならない。立ち止まることは許されない。

 

「そこは大丈夫なんです、先輩」

 

 シオンの後を受けたのは、マシュだ。

 

「何が大丈夫なの? わたしもシオンもこっちにいるんだよ? わたし、最後のマスターなんだから、だからッ」

「先輩の戦いは、()()()()()がちゃんと続けてくれますから」

「……………………え?」

「本物って言うと、失礼でしたね。本体のほうがいいでしょうか」

「ど、どういうこと、なの?」

 

 いよいよ、立香の理解を超えていた。今ばかりは、マオとセックスをしていることを立香は完全に忘れた。

 

「この世界のことを聞いて、シオンさんといろいろと調べました。そして、確信したことがあるんです。――――わたしたちは、ノウム・カルデアにいるわたしたちの影、鏡に映った虚像のようなものなんです」

「虚像……わたしたちが……?」

「わたしも先輩もシオンさんも、そしておそらくこの世界に現れるヒロインと呼ばれる方々はみんな、世界を渡ってきたのではなく、この世界に発生した現象です」

「それは、その、わたしたちが、ええと、ええと……あれ……そんなこと」

 

 マシュの後にシオンが補足説明をする。

 

「急に言われても信じられないですよね。でも、本当です。サーヴァントの皆さんと同じなんです。サーヴァントは通常、本体は英霊の座にあり、必要に応じて分霊のような形で召喚されます。カルデア式の場合は若干原理が違うところもありますが、些細なことですね。重要なのは、本体が別にいて、召喚されたサーヴァントはあくまでも仮初めの存在であるということ。どういう理屈かは証明できていませんが、今の我々はこの世界に召喚ではなく投影された本体の影というべき状態です。間違いなく、他のヒロインなる方々も同様でしょう」

「わたしたちが、サーヴァント」

「あり方が似ていると言うだけですが。外見も知識も能力も本体そのもの。大変興味深いことですし、別の宇宙にもこうして汎人類史の人類に近しい人類種がいるのも面白い……と、カットカット、話が逸れましたね」

 

 シオンはむむ、と眉ねを寄せる。つい興味が向くとそちらに意識を取られてしまう。思考を分割しても、大本であるシオンの趣味嗜好を反映するのだから仕方がない。

 

「どうあれ、ノウム・カルデアに戻る理由はありませんし、その方法は見当もつきません。本体のわたしは、百パーセント異聞帯の攻略に全力を尽くすでしょう。ですので、そちらのことはそちらに任せてよいというのがわたしの結論です」

 

 もともと、シオンの目的は世界の白紙化を予測したことからの滅亡の回避だ。今まで通り「シオン」がその命題に取り組むのであれば、方法論も思いつかない世界の壁を越えようと努力する意味がない。それどころか、汎人類史と併存する別宇宙の人類史があるというのは大発見だ。人類の存続を一つの宇宙の中だけで定義しなくてもよくなる。

 シオンはもともと、通常の人類史から飛び出している。汎人類史への愛着はさほど強くないのだ。

 そして、マシュも理由は違うがシオンと同意見だった。

 

「わたしも、シオンさんと同じです。先輩は絶対に諦めません。必ず汎人類史を取り戻せます。でも、それはもうわたしたちとは関係のないことなんです。だから、ここで足を止めて、休むことができるんです」

「うそ……」

「本当です。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 立香にとって、それは最大級の致命傷となる言葉だった。

 

「わ、わたしが偽物、別のわたしが、今も戦ってるって。戻れない……え、あ、でも、うそ、そんな、んぐ……あ、動かないでよ、い、今、考えて……あ、あ、んく、あ、わたし、あ、頑張って、う、あ、あれ、戦う、あ、あ、んあ、あ、う、い、意味が、あ……」

 

 立香が受けたショックがどれほどのものか、マオには想像することもできない。

 しかし、仲間から突きつけられた情報を立香が消化できていないのは見て分かる。今まで何日も頑なだった彼女の心が急激に弱まっていくのを感じていた。

 思い切り、膣奥を突いた。

 立香の身体が感じるところは、もうすべて把握していた。

 

「あッ、あああ♡」

 

 今までにない立香の嬌声。

 追い打ちを掛けるマオ。

 

「んあッ、あ、あ、やめ、今は、だめッ、あ、あん♡ あ、我慢、我慢が、あ、い、いや、んあ、んあ、あ、ああ、やだ、なんで、こんなに、ぃ、ひあ、んはぁ♡ ああ♡」

「先輩、すごい。感じてきたんですね」

「ち、違うッ、違う違う違う、わたしは、わたしはッ、頑張って、ここから出て、みんなで、汎人類史をッ――――」

(でも、それって意味がない? わたしがすることじゃない? わたしが戦わなくても、問題ない? わたしだけが最後のマスターじゃ、ない?)

「あ、あれ、わたし……どうやって、頑張れば、あ、んあッ、あ、ダメ、いや、あん♡ あ、あ、頭がおかひく……んひッ、ああ、ふわぁ♡」

 

 心の枷が壊れていくのを立香は感じた。

 

(全部、無意味だった? ずっと、我慢してきたのに? マシュもシオンもみんなマオさんと気持ちよくなって、帰る意味もなくて、わたしは何のために、頑張ってきたの?)

 

 今まで立香が苦難に立ち向かえたのは、それ以外の選択肢がなかったからだ。もともとはただの一般家庭育ちの少女だ。お人好しで、戦わなければならない環境に追い込まれていたから戦っていたに過ぎない。

 自分は本体から別れただけの分霊(サーヴァント)で、汎人類史になんら責任を負わないというのであれば、そもそも立香が頑張る意味がまるでない。

 努力に疑問を持ったら最後だ。

 限界まで心身を酷使して、それでも走り続けていた立香が、ここでついに立ち止まってしまった。

 

「あ――――――――頑張れないや……♡」

 

 ぼきり、と何かがへし折れた音がした。

 

「ひぎ――――あはぁ♡」

 

 吹っ切れたように立香はとろんとした笑顔を浮かべた。

 ペニスが膣を突く。

 その衝撃で頭が沸騰する。それは、今までにない快感。我慢の限界を超えた先、快楽を受け入れたからこそ得られる至上の快楽だった。

 

「あ、あん♡ ふはぁ♡ やだ、何これ、なんで、今までで一番、き、気持ちイイ♡」

「先輩、やっと認めてくれたんですね?」

「うん、うん、ふあ、あ、認める。ん、気持ちイイ♡ あ、あ、おちんぽ、気持ちイイ♡」

「奥、とんとんされるの、気持ちイイですよね?」

「うん、マシュの、言う、とおり。あは♡ 奥、奥がいいの♡ んふぁ、スライムより、固い、あ、すごい♡」

 

 立香は完全に観念したようだ。

 世界を背負っていた重圧を投げ捨てて、目前の快楽に溺れる。それは、立香の心身がずっと欲して止まなかったものでもあった。

 

「あ、あ、あ、あああ、イク、来ちゃう、あ、登って、くるッ」

 

 立香は頭を振り、髪を乱しながら叫ぶ。膣がギチギチに締まり、マオのペニスから精液を吸い出そうとする。

 

「イクぞ、立香」

「あ、あ、あぅぅ、んああ♡」

 

 どびゅるるるう!!

 立香の膣内で、マオのペニスが白濁液を流し込む。立香は腰をくねらせて精液を受け取る。だが、

 

「へあ……?」

 

 立香は目を見開いて愕然とした。

 

「あ、ど、どうして……?」

「どうした?」

「へ、変、わたし、今……んあッ」

 

 立香の言葉を聞かず、マオは抽挿を続ける。射精は何度でもできる性欲の持ち主だ。

 

「んあ、ああん、激しい、んあ、今、出したばかりなのに、んはぁ」

「ああ、立香の膣、きちきちでとろとろだ。気持ちイイよ。何度でも犯したいくらいに」

「変なこと言わないで、あ、ああん♡ あ、また、来る、ん、あ、あ――――ふぁ?」

 

 立香はまた疑問を頭に浮かべる。

 ペニスがガンガンと立香を責め立てる。身体は確実に昂揚し、絶頂の寸前にまで達している。

 

「い、イケない……なんで、あん、ふぐぁ♡ あ、ああん♡ 何で、もうちょっと、あん、引く、どうして、あう♡ あ、ああん♡ あ、し、シオン、何かしてる、んは♡」

「さすがに気づきますか。すみません。立香さんの快楽信号の受容体にちょっと細工を。まあ、立香さんは今、イケないようになってます」

「な、なんでそんな、あ、あ、いや、なんで」

「マオさんからの指示なんです。すみません」

 

 シオンのエーテライトが立香の身体を支配している。心は折れ、身体も屈した。最後は思う存分イって敗北するだけだ。なのに、その最後の一歩を踏み出させてもらえない。

 

「なんで、どうしてですか? わたし、あ、あ、んぐぅ♡」

「イキたくないんだろ? 負けないって言ってたから手伝ってやってるんだ」

「あ――――違ッだって、あれは、さっきのは、そうじゃなくて、あん♡ ひあ、やだ、感じるの、んああ♡ ひもひいの、もうやめ、あ、あ、ああん♡」

「負け、認める?」

「み、認めます……わたし、負けました。もう、頑張れません。だから、い、イカせてください」

 

 立香は絞り出すように言葉を紡ぐ。

 泣き出しそうな顔の立香。

 二十日に渡る努力は水泡に帰し、心は完全に屈してしまった。

 

「……立香の気持ちは分かった」

「あ……」

「じゃあ、もうちょっと我慢しようか」

「え……」

 

 完全に折れた心に、さらに追い打ちをかけた。完全に屈服させる。立香の我慢強さや我の強さを折るには一度や二度の挫折ではダメなのだ。

 

「あ、な、なんでぇぇッ、あ、ああ、動くと、イク、あ、登ってくるのに、あ、い、イ゛ゲないぃ♡」

 

 身悶えて泣き叫ぶ立香。

 快楽を求めて身も心も一心不乱にペニスに奉仕するのに、最後の最後で波が引く。問題は引いたはずの波が、常にギリギリのところにあり続けるのだ。快感は引かず、消えず、常に立香を炙り続ける。それをマオの抽挿が増幅し続けた。 

 マオは立香からペニスを抜く。唐突に失った圧迫感に立香は絶望にも似た表情を浮かべた。

 

「嘘、なんで、まだ途中。エッチ、してるのに、なんで抜いて……あッ」

 

 愕然とする立香をうつ伏せにしたマオ。

 

「ほら、膝を立てて尻を突き上げて」

「んあ……あ、はい」

 

 立香は素直に従う。体位を変えるだけだったのだ。安心して立香はすぐに言われたとおりに尻を突き出す。

 

「入れるから力抜け」

 

 そう言ってマオが宛がったのはアナルだった。

 

「え……あ、違う、そこ、お、お尻ぃぃ♡」

 

 メリメリ、と立香のアナルを押し広げるペニス。固いペニスを立香のアナルは防げない。スライムが教育した直腸はペニスにもあっさりと適応する。

 

「お、おひッ、おひりに入って……お、おふぁ♡ あ、ああ♡」

「ケツ穴で感じてるんだな、立香。滅茶苦茶に締めてくるぞ」

「お尻で、感じてなんて、あ、ぐ、ふへあ♡」

「その顔でよく言う。マシュに見てもらえ」

「ふあ……!」

 

 立香を抱き起こしたマオは、背面座位の体位に移行した。立香の体重がかかって、ペニスが深く突き刺さる。

 

「あ――――ああん♡」

 

 おまけに、立香のあられもない姿が、マシュとシオンの前にさらされる。自分のアナルセックスをマシュとシオンがまじまじと見ている。羞恥心が立香の快感を助長する。

 

「ひ、ひあ、あ、みないで、マシュ、シオンも、ん、あ、ふあ、わたし、あ、あ、んああ♡」

「立香、今、どうなってるか説明してみろ」

「ん……くはぁ♡ あ、あふあ……あ、い、今、マオさんの、ぉ、おちんぽが、わたしのお尻の穴に入って、あ、あ、ガチガチで、あん、き、気持ちよく、して、もらってます♡」

 

 立香は自分から腰を振った。どうにかして絶頂できないかと模索する。マシュと視線が交錯する。マシュは立香の痴態を見て興奮しているのか顔が紅い。

 

「マシュ、あ、見ないで、こんな、わたし、んあ……あ、ごめん、ね、あん♡ わたし、お尻で、感じて、はうん♡ こんなわたしで、ごめん、んはあ♡」

「いいんです、先輩。どんな先輩でも、わたしの先輩なんですから。ずっと頑張ってきたんだから、ここでいっぱい気持ちよくなりましょうね」

「ま、しゅ……んふあぁ♡ あん、あん、んはあぁ♡ あ、あ、お尻来る、お尻、あ、あ、う、ぅうう、まだ、まだ我慢、あ、いやぁ」

 

 ずんと突き上げるペニスに立香は嬌声を上げて悦ぶ。アナルを穿り返されて、精液をたっぷりと注がれた。その熱がまた立香を興奮させる。

 だが、イケない。

 マンコもアナルも交互に犯されて、立香は一度もイカせてもらえない。

 マオは何度も気持ちよくなっている。立香はギリギリで焦らされてばかりだ。たくさんの精液でマンコもアナルもいっぱいなのに、立香は汗水垂らして何もない。頭がおかしくなる。

 

「お、ぐ……んふあ……あ、もうイク、イカせて、あう、お願いします、もう、我慢、いや、許してください……あ、んああ、まだイケないぃ♡」

 

 立香は何度目の寸止めになるか分からない。負けを認め、頑張らないことも認め、何もかも投げ出したのも関わらず、「お仕置き」は続いていた。どうしたらいいのか分からず、ただお願いを重ねるばかり。

 バックから膣奥を突かれ、快感が溢れ出る。

 

「あ、あ、あ゛あ゛、もう、無゛理゛ッ、あ、ああああ、マシュ! マシュ! お願いッ、頼んで、一緒に頼んで! わたしを、イカせてくださいって、頼んで! おまんこもお尻もイキたいのに、おかしくなってるのに、イケないのぉ!」

「先輩……」

 

 マシュの手を握った立香は必死の形相でマシュに頼んだ。そんな立香の姿にマシュはマオに視線を向けた。

 砕け散った立香の心は、もう元には戻らないだろう。異聞帯の攻略など、眼中にない。すべてを擲っている。

 

「そこまで言うなら、立香」

「は、はい」

「俺のものになるって誓えるか? 俺だけのために力を使い、俺のために身体を使うと」

「はい、はい、誓います。わたしは、マオさんのものになります。マオさんに負けました。もう絶対に逆らいません。お願いします。イカせてください。わたし、何でもしますから!」

「分かった。なら、思う存分味わえ」

 

 シオンに命じて、エーテライトの接続を切る。封印されていた快楽信号が怒濤のように立香の脳に殺到した。

 膣が激しく痙攣する。

 ペニスが締め付けられて、射精を促される。

 膣内射精。

 その熱を子宮が受け止める。

 

「お――――――――あ」

 

 立香は頭の中で爆弾が爆発したような感じがした。

 

「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ♡」

 

 雄叫びのような嬌声を発する。

 舌を突き出して、待ちに待った快感に脳も身体も喜び震えて意識が何度も明滅する。

 

「あ、い、イイ、イクッ……はひッ、あ、あ、ひ、ぃぃいぃい♡」

 

 強烈な快感は一度の絶頂では収まらない。

 何度も果てた。

 快感の波は収まらず、我慢した分だけ襲ってくる。

 

「お……あ……ふえぁ♡ あ、んあ……気持ちイイ♡ えぁ……ふへあ♡」

 

 がくん、と立香はベッドに倒れ伏した。

 意識は明瞭ではない。

 快感の津波は彼女の理性を洗い流し、だらしのない表情を浮かべた肉体がベッドに転がることになった。

 立香からペニスを引き抜いたマオは、大仕事を終えたというような満足感を味わっていた。

 立香の個の能力は、高いとは言えない。しかし、彼女の精神性は特筆に値する。立香がマオのものになってくれるのなら、それは大きな助けになるだろうし、これだけ強情を張る女を堕としたのだ。それは、男として大いに誇れることだろう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。