異世界ヒロインが召喚される世界で好き勝手する話 作:もう万体
クロガネ大公国軍の襲来に備えてパラディクレールは厳戒態勢を敷いている。対ヒロインでは、マオの能力を拡大した結界があるノワールが圧倒的有利であって、万に一つも負けはないし、魔法にしてもヒロイン由来の技術なのでマオの能力の影響下にその多くが置かれることになる。
結果的に、クロガネ大公国は多くのヒロインをノワールに奪われる形になるのだが、その一方で一般騎士の練度は圧倒的にクロガネ大公国が上だ。騎士の質も数も経験もすべて劣っているので、ノワールはマオとヒロインがいなければ満足に戦えないほどに脆弱な国防体制であるということでもあった。
この世界の戦はヒロインの力が勝敗を大きく左右するが、そのヒロインもピンキリだ。魔法騎士を集めて数の暴力で勝利する方法もあるにはある。犠牲をどこまで容認するかによるが、一騎当千を本当に実現できるヒロインがどこまでいるか、また、自分の手元に在籍しているかというとそんな幸運は希有だ。
よって、とんでもなく強大なヒロインが相手でなければ、数はそのまま戦の勝敗を左右する要素となる。この点において、クロガネ大公国は圧倒的であり、ノワールは兵力比較をわざわざするまでもなく敗色濃厚であったし、戦闘タイプのヒロインを多数擁するクロガネ大公国はそういう観点から見ても強大無比な国家だ。
クロガネ大公国は大陸の覇権を争う大国と言っても過言ではなく、ノワールのような小国がその軍事的圧力を跳ね返すのは困難極まりない。
そういう認識を大公が持っているのだとすれば、それは大きな間違いだ。
ノワールはヒロインの力で征服できる国ではない。
一方、ヒロインがその力を十全に発揮できる国でもある。
この差は大きい。
目下のところ、ノワールが敷いた防衛線は上々の成果を上げている。
敵の進路上にある砦や城に貴族たち率いる騎士団を配置して抵抗させつつ、クロガネ大公国から派遣されるヒロインはマオのヒロインや使い魔たちが直々に相手をする。アテナを投入すれば、如何にクロガネ大公国の魔法騎士と言えども蹂躙できようが、国内の引き締めのためにも貴族たちにも一定の手柄を上げてもらったほうがいい。
マオとヒロインだけでこの戦を解決すると、それはそれで統治に支障が出る。今はまだ、ノワールは封建制から脱却できていないので、貴族にも活躍の場を与える必要があった。
貴族たちにも頑張ってもらって、ほどほどに損害を受けてもらえれば、中央政府の影響力を強めていくことができる。クロガネ大公国から一人でも多くのヒロインを奪おうとしているのもそのためだ。もちろん、できることなら戦はしたくない。人命の損失はもとより、大陸の安定が損なわれるからだ。
殴られれば殴り返すのが当然。
相手がクロガネ大公国であろうと、頭を垂れる理由はない。
そうなるとノワールが勝利した後、クロガネ大公国の影響力はどれくらい残るのだろうかということも気になってくる。
クロガネ大公国が政治的に不安定になれば、隣国であるノワールにも悪影響が及ぶ。それは十分に想像できることだ。
「なるようにしかならないか、それは」
負けることを前提で戦をするという局面ではない。全力で戦い勝利するのが先決である。大公にノワールが敵視される理由は十分に予想できる。ここまで大規模な戦に発展するというのは想定外ではあったが、外交での解決を模索しようともしていないのが、すでにノワールを下に見ている証だ。これは、手厳しく対応して差し支えない。
力があるから、誰彼構わず殴りかかっていいという道理はない。
大公軍は、二方向に展開して山道に挑んでいる。
どちらも少しずつノワールの領内を進んでいて、ちょうど難所とされる地点に辿り着いたと報告があった。
そこまで来れば、十分に引き込んだと判断していいだろう。
安楽椅子に腰掛けていたマオは背筋を伸ばして背骨を鳴らす。それから、股の間に顔を突っ込んでフェラチオをしているヒッポリュテに視線を向ける。
「ちゅ♡ れろ……れろ……れろ……んちゅ♡ れろれろ♡」
熱い吐息を吹きかけながら、ヒッポリュテは跪いて余念なく口奉仕をしている。
初めこそぎこちなかったフェラチオも、物覚えがよく今は十分気持ちよくしてくれるようになった。
「はふ、んあ……熱い……れろ、れろ……んむぅ……ちゅぱ……れろぉ♡ ふう、んぁ……はあ、れろれろ、カリ、立派だ……ちゅ……睾丸も精液がパンパンに詰まって……ちゅ♡ はあぁ♡」
瞳の中にハートマークを浮かべているかのように頬を紅潮させて熱心にペニスを舐め回している。
アマゾネスの女王だと勝ち気なことを言っていたのも昔の話で、マオの屈した彼女はすっかりしおらしくなった。
これではただの少女、いや、雌犬も同然である。
威風堂々とした女王を犬として侍らせるというのも倒錯していて悪くない。
ヒロインという時点で神聖性があるとされるこの国において、これほど罪深いことがあろうか。
それだけにヒロインが多く集まるマオには、権力と権威が集中している結果にも繋がっている。クロガネ大公国所属のヒロインがこちらに移籍することになれば、その傾向は一段と強まるだろう。
「んはぁ♡ あぁーん、んむぅぅ♡」
ヒッポリュテは口を大きく開けて、ペニスを咥え込む。
口の中で舌を絡みつかせながら、喉の奥まで飲み込んでいく。
ペニスが温かく湿った口内粘膜に包まれて溶けてしまいそうだ。
「じゅぶ……じゅぶ……じゅぶ……じゅぶ……じゅぶ……じゅるるる♡」
強くペニスを吸うヒッポリュテ。先走りを吸い出して、さらに精液まで欲しがる強欲さだ。ペニスはビキビキと脈打って、膨らんでいく。痛いほど勃起したペニスが、涎の中で溺れて蕩けていくのが何とも気持ちがいい。
「ヒッポリュテ、上手くなったな」
「ふぅ……ふぅ……マスターの指導のおかげだ。れろれろ……ちゅ♡ はあ……ほら、いつれも、らしていいぞ♡」
舌先で尿道を穿るように舐める。
指で輪を作り、陰茎を扱きながら細く尖らせた舌先が尿道を広げようとするかのように蠢いている。いつ、このような技術を身につけたのか。
思わず腰を浮かせてしまうと、それを隙とみたのか、ぱくりとペニスを咥えて吸引してくる。
これがトドメとなって、マオの射精本能が理性を上回った。マグマのように湧き上がった精液がヒッポリュテの口の中に注ぎ込まれる。
強烈な快感でマオは思わず呻いた。
「ふぅむ……じゅる……んく……じゅるる……ちゅぷ♡ んく……ふはぁ……はあ、はあ、ずいぶんと溜っていたのだな。一口で飲めなかったぞ」
得意げな表情で見上げてくるヒッポリュテは、マオを射精させたことが嬉しかったようだ。
「ヒッポリュテのフェラが気持ちよかったからだぞ」
「そうか? それならいいが……ちゅ、ちゅ」
ヒッポリュテはカリ首にキスをして、お掃除フェラを始める。これではすぐに二発目が出てしまいそうだ。
「そろそろ、ヒッポリュテにも戦支度をしてもらわないといけないな」
「やっとか、待ちくたびれたぞ。戦神の血を引くわたしが、この局面で引っ込んでいるわけにはいかないからな」
そう言いながらヒッポリュテは陰茎を舐め上げる。
娼婦も同然の淫蕩な顔をしながら、同時に目の前の戦に思いを馳せる。この二面性も彼女の魅力だ。性を吸い出したヒッポリュテは手の甲で口元を拭った。その瞳は爛々と燃える火を宿していた。来る戦に血が滾っていると言わんばかりの好戦的な表情だった。
■
アリーシャが囚われの身となった頃、クロガネ大公国軍魔法騎士大隊を指揮していたベアトリクスは、山中をただ一人、彷徨っていた。
広範囲の自陣を守る大魔法障壁を展開し、夜営の安全を確保する。それは、戦場において重要な魔法使いの役割だ。
クロガネ大公国では魔法使いと魔法騎士を明確に分けて運用している。
魔法使いは後方支援、魔法騎士は直接戦闘である。
魔法使いが敵と戦うのは、極大魔法を発動する時くらいのもので、後は魔法障壁による陣地の形成や治癒魔法による戦傷者の救護が主任務となる。
魔法使いは重要かつ有限の資源だ。
それを前衛と後衛に分けて運用できるというのがクロガネ大公国の軍事力の証左であり、その基本となる西洋魔法の本場から来たベアトリクスが重用されるのも自然なことだった。
この世界に来て四年あまり経ち、多くの幸運が重なって高位を得た。その職責と重責に負けないようにと奮闘して、立場に見合う結果を出してきたと自認していたが、それもここまでか。
大義のない戦に加担した者の末路としては、お似合いなのかもしれない。
油断があったのは否めない。
この森の異質な空気感――――魔法の発動を阻害する何らかの結界の存在を感じてはいたが、十分な調査をする時間がなかったのが敗因だろう。
大隊規模で魔力を同調して元の世界の大魔法使いが使用するレベルの大魔法を発動可能としたのはベアトリクスの功績だ。そして、夜営のために展開した魔法障壁は城壁とも言える強度を誇り、それこそ千の雷や燃える天空にも耐えられる設計になっていた。
それをノワールの使い魔たちは正面から打ち砕き、魔法障壁の内側に乱入したのだ。
さすがに、これほどあっさり守りを破られるとは思っておらず、後方支援担当として訓練のみを積んできた魔法使いたちは、襲いかかる魔獣に手も足も出なかった。
ベアトリクスも抵抗したものの、魔法の効きが悪いという不利を覆すことができず、混乱の中で森の奥へと魔獣に追い立てられてしまった。
ベアトリクス同様に方々に散った魔法使いたちが、無事に本隊と合流できたかが気がかりだ。
「方向が、掴めない」
森の中は方向感覚が狂うものだが、歩いている時に右と左の感覚が分からなくなるのは異常だ。おそらくは人を迷わせる魔法だ。
自分の知っている魔法であれば攻略の糸口も掴みやすいが、この世界には様々な魔法体系が入り乱れている。未知の能力で構成された結界だと、脱出には相当な時間を要する。
ベアトリクスは、大木の影に身を潜めた。
息を殺して耳を澄ますと、獣の息づかいが聞こえてくる。木の枝を踏み砕く足音がして、ベアトリクスのいる方向とは別の方に去って行く。
しばらくして、ベアトリクスは深呼吸をした。
強力な魔獣がひしめくこの森の中で単独で逃げ延びるのは、非常に困難なミッションだ。できることなら、最短距離で味方の元に辿り着きたいが、そもそも、どっちに進めば大公軍と合流できるかも分からない。
魔法で飛ぶことも考えたが、目立ちすぎる。魔法に干渉する手段を敵が持っているのなら、飛行は命取りだ。最後の手段とするのがよい。そういうわけで、魔獣から逃げ隠れながら山道を彷徨っているのが現状だ。
(捕虜になったらどうなるか……ノワールが紳士的であることを願うしかないですね)
ノワールから見ればベアトリクスは一方的に戦を仕掛けてきたクロガネ大公国の重鎮だ。政治的な利用価値を認められれば御の字だが、見せしめに殺される可能性もある。むしろ、手柄首になるのだから、積極的に狙われる立場と言えるだろう。
ノワールが近代的、紳士的な思想を兵の末端まで行き届かせていることを祈るが、そうでなければ、悲惨な結末を覚悟せねばならない。
まさか、自分が戦に出ることになるとは夢にも思わなかった。
たった四年しか過ごしていないクロガネ大公国ではあるが、元の世界からの繋がりを断たれたベアトリクスにとっては唯一の居場所だ。
戦に反対して一人で生きていく強さを彼女は持たなかった。
(お嬢様なら、意地を通していたのでしょうか)
かつての主を思い出す。
正義を為すことに躊躇のない向こう見ずな彼女ならば、この不毛な戦いを拒絶したのではないか。
後悔先に立たず。
すでに彼女の部下にも命を失った者がいるだろう。こちらの魔法で死んだノワールの騎士もいる。罪の意識を抱くことすら傲慢だ。
十分ほど休息を取ってから、ベアトリクスは斜面を下り始める。どこに辿り着くか検討もつかないが、山を下りれば、ノワールから距離を取ることにはなる。一端退いて、後方の部隊に拾ってもらう。そして、この現状を伝えるのだ。
魔獣の気配を探りながら、木から木へ身を隠して進む。
僅かに差し込む月の光が、不意に途切れる。風で揺れる木の枝とは別の影。見上げるまでもなく、ベアトリクスは身体強化の魔法を発動して飛び退いた。
地響きがするほどの巨体が落ちてきた。
「ッ――――魔獣……ですか」
それは大公軍に襲いかかった魔獣と同系統の魔獣だ。二足歩行で牛頭。ミノタウロスという名で知られる神話の怪物に酷似した外見だ。
体長は二メートル程度と、この手の魔獣よりは小柄で細身だが、人間の成人男性でも、相当背の高い部類であって、当然ベアトリクスからすると見上げんばかりの恵体である。
左肩から顔にかけてできたばかりの火傷のような跡がある。大公軍と戦って負傷したのだろうか。
中華風の鎧と鉈のような片刃の大剣を持つ姿は、東洋の牛頭天王を思わせる。そのものではないだろうがこういうモチーフを使うと言うことは、東洋系のヒロインが関わっているのだろう。
「フゥウウウウウウ! ――――オオオッ!」
吼える魔獣が地を蹴った。人間離れした脚力でベアトリクスに迫る。まともにぶつかれば、ベアトリクスの身体は一溜まりもない。
「
ベアトリクスが右手を突き出して唱えた呪文とともに魔獣が急停止した。見えない壁に激突したかのように、弾かれて踏鞴を踏む。瞬時に展開できる魔法障壁としては、非常に優秀な魔法だ。効果時間は一瞬だが、十トントラックの衝突すらも防ぐ不可視の防壁を張ることができる。
「
バックステップを踏みながら身体強化を図る。牛頭が体勢を立て直して飛びかかってくる。後ろに跳ぶベアトリクスに対して直進する牛頭のほうが速い。鉈を振りかざす牛頭との距離は、すでに二メートルを切り、次の一歩で追いつかれる。
「
発動直前で封じていた武装解除魔法を叩き付ける。吹き荒れる風とともに、牛頭の鉈と鎧が吹き飛ばされた。
だが、止まらない。
丸裸にされながら、牛頭は拳を振り上げた。
魔獣の筋力があれば武器に頼らなくても人間の女一人を打ち倒すことは容易だ。
もちろん、武装解除された程度で止まることはないとベアトリクスも想定している。
「影の地統ぶる者、スカサハの我が手に授けん、三十の棘もつ愛しき槍を――――
魔力を充填した右腕を振るう。眩い雷光の槍が三本放たれ、牛頭の身体を貫く。雷の槍は、そのままの勢いで、牛頭を後方に跳ね飛ばし、身体を斜面に縫い止めた。
「オオオオオオオオオオオオオオオッ」
牛頭は槍を抜こうと藻掻いている。
貫くといっても魔術的に縫い止めただけだ。肉体を破壊しているわけではなく、これで致命傷には至らない。
あくまでもこれは牛頭の動きを止めるためのものだ。
「来たれ、虚空の雷! 薙ぎ払え、
雷系上位古代語魔法。
ギロチンの如く振り下ろされる雷撃が、牛頭を強かに打ちのめす。
ノワールの魔獣であっても、雷の斧の威力には屈している、ここに至る前でに五体、魔獣を倒したが、この規模の魔法でも十分に致命傷になることは分かっている。
魔法使いでも魔法障壁なしでこの魔法の直撃を受ければ大ダメージを負う。武装解除直後の魔獣に、耐えることはできない。
ベアトリクスは動かなくなった魔獣を注視しつつ、周囲への警戒も続ける。雷の魔法を使ったことで、こちらの居場所が他の魔獣に知られた可能性もある。魔法は使用時に光を放つものが多く、目立ってしまう。夜間の逃避行中は極力使用したくないものだ。
牛頭の身体が足から溶けていく。普通の魔獣ではなく、使い魔だということが分かる終わり方だ。
足から水のように溶ける生き物など、思いつかない。
「……これはッ」
危機感に怖気が走った。
咄嗟に張った魔法障壁のおかげで、何とか不意打ちに対応できたが、腹や胸を三カ所、強烈な打撃をもらった。
「ぐ……ッ」
呼吸が止まりかける。
倒れた牛頭の足が急に蛇のように伸びた。それが撓って、鞭のようにベアトリクスを襲ったのだ。
「イカかタコみたいですね」
どう形容していいか。強いて言うとそんなところか。牛頭の上半身はそのままに、下半身が半透明なゼリー状となり、八本の触手となったのだ。
「スライムと融合していたんですか」
明らかに異なる二種の魔獣が一体となっている。牛頭とスライムが融合したのか、あるいはスライムが乗っ取って擬態していたのかは不明だ。
おぞましいが、通常の生態系からは考えられない外見になったことで、むしろ人造感が強くなった。生き物の命を奪うことに対する罪悪感も、これだけ既存の生物から離れればまったく感じない。
スライムを相手にするのなら、基本は火か氷だろう。
遅延魔法を準備しつつ、間合いを計る。
さっきまでは背の高い人間と同じような感じで戦えばよかったが、今度はそうもいかない。
二本の触手が伸びてベアトリクスにまっすぐ向かってくる。やはり、伸縮自在だ。ベアトリクスを取り逃がした触手は、後方の大木に巻き付いて身体を牽引する。想定外の方法で距離を詰めてくる魔獣にベアトリクスは機先を制された。それでも、無詠唱で防壁を張って体当たりを受け止めつつ、遅延魔法を解除する。
ベアトリクスは剣を抜く。支給品だが、切れ味鋭く魔力をよく通す。杖としても使用可能なマジックアイテムだ。
「
刀身に氷属性を付与して、魔獣を斬り付ける。切断箇所が凍結するこの魔法は、スライムの動きを封じるには、有効だ。
「はああ!」
スライムの八連撃を魔法障壁で受け流すと、ベアトリクスは牛頭の腹部に剣を突き立てる。魔力を注ぎ込み、氷結魔法で芯から魔獣を凍り付かせる。瞬く間に魔獣の体表面に霜が降り、凍り付いていく。振り上げた拳も途中で止まり、一体の氷像ができあがった。
剣を引き抜いたベアトリクスは、冷や汗を拭った。
九死に一生を得たという感じだ。
このような魔獣がそこかしこにいる。一体ずつでもギリギリの戦いになるのに、複数で襲われたらいよいよ手に負えない。
体力も精神力も限界が近い。
安全な場所を探して、休息を取らなければ倒れてしまいそうだ。
そもそも、この山は敵地なので安全な場所などないのかもしれないが。
魔獣を倒し、生き長らえた安心感から、ベアトリクスは魔獣から目を離した。すでに倒したものと思って気を抜いたのが仇となった。
氷結魔法で氷像となった魔獣がすでに解凍され始めていることに、ベアトリクスは気づけなかったのだ。
突然の横殴りの暴力にベアトリクスは何が起こったのか分からないまま宙を舞い、大木に叩き付けられた。
「は――――かはッ」
剣が手を離れて地面を転がる。
湿った土の感触が頬にある。そこでベアトリクスは自分が地に伏しているのだと分かった。
「な、なにが、起こって」
身体を起こすと、魔獣が眼前にいる。
「どうして……完全に凍ったはず。あの身体で蘇生できるはずが……ぐ、ぁ」
屈強な腕がベアトリクスの襟首を鷲掴みにして持ち上げる。
「この……」
腕力で魔獣には敵わないが、身体強化であれば殴り合いをすることもできる。
戦いの歌を発動させようとしたベアトリクスだったが、なぜか魔法が起動しない。
「な……え?」
天地が逆転し、背中から地面に叩き付けられる。肺腑の底から空気が漏れ出て無様な声で咳き込んだ。
(魔力が反応しない。どうして)
慣れ親しんだ魔法がなぜか全く起動しない。それどころか魔力を感知することすらできなくなっている。
この山に侵攻を開始してから感じていた魔法の不調が、極めて重篤な形で現れた。
やはり、敵は意図的に魔法に干渉できる。
ベアトリクスの魔法が完全に封じられたことで、彼女はただの人間の女に成り下がった。もはや、空を飛ぶことも雷や氷で魔獣を討つことも適わない。
「ゲホッ、ガハッ、ふ、ぐ……ああッ」
強化も治癒もない今、魔獣の暴力は一撃一撃が死と隣り合わせだ。ベアトリクスは逃げようと藻掻き、木の枝に捕まって身体を引きずるものの、彼女の足を掴んだ魔獣はあっさりとベアトリクスを木から引き剥がして宙づりにする。
「ぐ、あ、あ゛い、た……あ」
万力のような怪力で足首を握られている。ミシミシと骨が軋んで、握りつぶされてしまいそうだ。歯を食いしばり痛みに耐えるベアトリクスを今度は魔獣は放り投げた。あ、と思った直後、魔獣の下半身を形成しているスライムが触手を伸ばしてベアトリクスの四肢を拘束した。
触手はさらにベアトリクスに絡みついていく。スライムの印象とは裏腹に、人肌程度の温度で表面は粘液でしっとりとしている。温かいナメクジというような感触で気持ちが悪い。
触手に絡め取られたベアトリクスは、牛頭の真正面に引き戻される。
「オオオオオ……」
生臭い吐息に顔しかめるベアトリクス。牛頭はそんなベアトリクスを観察するように眺めると、長い舌で頬をべろりと舐める。
「ん……く……何を……ッ」
すると今度は触手に動きがあった。ロープのようにベアトリクスを拘束していた触手が溶け始める。ただ、拘束力をそのままに網の目状に広がりベアトリクスの身体にまとわりつき始めた。
「な、何……!? んくあ、ひぃんッ!?」
背筋をくすぐられて思わず叫んだ。。
(服の中に入ってくる!)
スライムがその軟体を生かして服の隙間から侵入してくる。ベアトリクスの柔肌を下着に成り代わるかのように覆っていくのだ。
「何、何のつもり……!? んく……くう……あ、やめ、気持ち悪い……んくぅ」
どれだけ暴れてもスライムから逃げられない。力は魔獣が上で、しかも軟体のスライムがこうして身体に張り付いたら手で剥がすのは非常に難しい。
「ひあッ!」
袖や襟から入ってきたスライムが胸に達した。大きなナメクジが乳首を這いずっているような感覚にベアトリクスは鳥肌を立てた。
相手の目的が掴めない。
この行為に何の意味があるのかまったく検討もつかない。
ただ、このままでは非常に不味いことになるのは想像できた。
この魔獣はおそらくベアトリクスへの殺意はない。これ以上傷を付けることもないだろう。だが、こうしてスライムがベアトリクスの身体を這い回っているということは、殺傷以外の目的があるのは明白だ。
「の、ノワールの使い魔なのでしょう? こんなことをして、いいと思っているのですか!? 捕虜を辱めるのは、んひゃ! あ、そこに触れては、あ、くぁ、離してください!」
乳首をスライムが吸い、太ももを這い上がったスライムが今度は下腹部に狙いを定めた。
「だ、ダメ、ダメです、そこは! やめて、止めてください! わたし、初めて、初めてで!」
ベアトリクスの懇願も空しく、スライムは彼女の二つの穴への侵入を試みた。
必死に下腹部に力を込めて侵入を阻止しようとするベアトリクスだったが、それは焼け石に水だ。スライムは自らを細く糸状にしてベアトリクスの抵抗を掻い潜ると難なく膣と直腸への侵入を果たした。そして、そこから合体して太い筒状に変化する。
「お――――ぐぅぅ!」
急に膣と直腸で膨れ上がった体積がベアトリクスを苦しめる。
「わ、わたしの初めてが、こんな魔獣に……んお!」
ショックで引き裂かれそうになる心に思いを馳せることもなく、スライムが膣とアナルを犯し始めた。
この二つの器官をどう扱えばいいのか、本能で知っているかのようだ。
人体の限界を超えるような無理はせず、じっくりと内部を愛撫するかのように動く。下腹部の圧迫感から来る気持ち悪さはあっても痛みはない。それが逆にベアトリクスを打ちのめした。
「ふぐぅ、動かないで……うあ……ああ!」
スライムは形を変えて、ベアトリクスの膣穴と尻穴にフィットする形状を模索しているようだ。
女体を知り尽くした百戦錬磨の「マッサージ師」のように、痛みを与えずに的確に快感を発生させている。
「か、らだ、が、熱い、はぁ、ぐッ、うッ、くふぅ……く、ぐ、んぐッ、ああッ」
ぐりぐりと身体の中を圧迫するスライムに突き上げられて、ベアトリクスは呻いた。
痛みはないとはいえ、苦しくないわけではない。
太い異物が膣と直腸を膨らませ、前後に動いている。時に回転し、中で形を変えて表面にイボ状の突起を発生させるなど、試行錯誤を繰り替えている。
(このスライム……まさか、わたしの弱点を探っているのですか)
知能の低い魔物と思っていたら、スライムはベアトリクスの性感帯を探しているのだ。むやみやたらに女体を突くのではなく、じっくりと反応を伺いながら捕らえた獲物を悶えさせるポイントを確認している。
「ふ……ぐ……んお、ぐ……く、ふぅ……んぐぅ……ぐ! あう! 気持ち、悪い!」
人間の男とすらセックスしたことのない処女だったベアトリクスにとって、スライム姦が未知の経験なのは言うまでもなく、指ですら届かない場所をおぞましい魔獣が侵入しているなど、到底受け入れられるはずがなかった。
「く……ふう、ん……んあ♡」
だが、心がどれだけ拒絶しても、身体の感覚を止めることはできない。
しっかりと着実にベアトリクスの体内には性欲の火が灯されている。
初体験だからこそ、どこが自分にとっての性感帯のなのかも分かっていない。声を我慢しようとしても、不意に発生する刺すような快感は堪えられない。
「はッ、はッ、く、ふあ♡ んあん♡ あ、くぅ、んぐ、あ、ダメ、離れて、抜いて、んん、んぐぅ♡ お、じり……苦しい、ひ、あ、んあ、あああ♡」
ポルチオに辿りついたスライムが、先端を回転させながらポルチオを圧迫する。
今までに感じたことのない感覚に、思わずベアトリクスは嬌声を上げた。
それを聞き取ったスライムは、ここぞとばかりにポルチオ責めを始める。激しく突かずに強弱を付けながらポルチオを圧迫する。表面のイボ状突起を押しつけて、回転運動を加えて膣肉を擦る。ゆっくりとした動きなので、すぐに絶頂することはなく、しっかりと感じさせられてしまう。
「ひ、ぐ……んぐ……ううぅ♡ くぅ、あ、もう……離してください゛、んぐ、はぐ、う、同じところ、ばかり、う、ぅ、あ……ぐぅ……ッ」
ベアトリクスは懸命に快感に抗っている。
うねうね動くスライムと万力のような怪力を持つ牛頭の融合体は、ベアトリクスの悲痛な訴えに耳を貸さない。そもそも人語を解するのかどうかも不明だし、目の前の魔獣の行動原理も分からない。なぜ、ベアトリクスを犯すのか。そこに、この魔獣の意思はあるのか。まったく分からず未知の怪物に犯されることを強要されているのだ。
それは純粋な恐怖でしかなかった。
この魔獣の力加減一つで、ベアトリクスは引き裂かれる。
魔法を制限され、満足に使用できなくなった彼女はただの人間だ。そこに出身世界もクロガネ大公国軍での地位も関係ない。
スライム状の触手にマンコとアナルを穿り返され、ぐちゅぐちゅと汁を垂れ流すばかりだ。
「うぐぅ……あ、んぉ、奥、ぐりぐりやめてくださ、ぁ、ぁあ♡ ぐ、お腹苦し、ぃ♡ ひぃ、んひぃ、ああ♡ ぐ、はあぁ♡ はあぁ♡」
息が荒くなってくる。
快感の度合いも上昇し、すでに明確に感じていると自覚せざるを得なくなっているのだ。
体温が上昇し、鼓動が早くなる。
スライムの表皮から分泌される媚薬成分が、腸から吸収されて血流を通じていよいよベアトリクスの全身に回り始めた。その流れの行き着く先には脳もある。もはや、彼女の意思で快感を制御するなど不可能な状況だった。
スライムがポルチオから離れる。
あ、と思った次の瞬間に力強くポルチオをノックされた。
その動きだけでベアトリクスは世にも恐ろしい快感に脳髄が蕩けるかと思った。
「おッ、んおおおおおおおおおおお♡」
それは、生まれて初めての快感。
満を持して、ポルチオに蓄積した快感の元がたたき起こされ爆発した。
「な、なんですか、これ……は、はあん♡ お、おぁ♡ あはぁあ♡ と、止まらない、イク、これ、すごぉぉい♡」
誰に語っているのかベアトリクスには分からなかった。勝手に言葉が飛び出てくる。クールで無表情な彼女には似ても似つかないアヘ顔をさらして仰け反り、潮吹きする。吹いた潮は、スライムがその多くを吸収したようだ。
スライムの上で腰を揺らしてダンスするベアトリクス。
身体が勝手に引き付けを起こしたかのようだ。
「あ……かは……はぁ、あ、もう……許して……い、まの、ダメです……もう……」
一頻り絶頂してから、ベアトリクスはぐったりと脱力する。
あまりの快感に目の焦点が合っていない。
汗と涎、そして涙でぐちゃぐちゃになった顔を牛頭が長い舌で舐める。
そして、未使用の触手の一本が起き上がった。
ベアトリクスの四肢を拘束する触手に比べると短く、それでいて硬質化している。柔らかさを残してはいるがガラスのような質感である。
起き上がった触手はみるみる形状を変化させた。
先端が反り返り、返しがついて脈動する。
「ひ……!」
さすがにベアトリクスもそれが何なのかは知っている。
人間の男性のそれと同じ形状である。触手などではなく、明確に女を犯し孕ませるための器官だ。
「んあ……やめ、んひああ!」
ベアトリクスの腰が浮く。
マンコを犯していた触手が勢いよく抜き取られたのだ。擦り上げられた媚肉が一気に熱を帯びて、快感は嬌声となって口から溢れ出た。
「はー♡ はー♡ んひぃ♡ あ、うあ……そ、それ、やめ、て……それだけは……」
びく、びく、と震える巨根。
人間のペニスを模したスライムペニスが、喉元に突きつけられている。まざまざと、これからこれでお前を犯すのだと見せつけてくるかのようだ。
スライムに犯されるより、ペニスに犯されるほうが強く生殖を意識させられる。
この魔獣に人間を孕ませる能力があるかは分からないが、だからこそもしもを想像してしまう。
「あ……うあ……ダメ……それは嫌……許して……」
牛頭はベアトリクスの己の剛直を押しつける。
スライムで作られたとは思えないほどに熱く、固い。先端から滴る粘液は、強烈な臭気を放っていて、それをベアトリクスに塗りつけている。
「ん……んあ……汚い……臭い……んん、く……ぁ……何……変……ん、はあ、はあ、これ、媚、薬?」
息を止めるのも限界がある。どう抵抗したところでベアトリクスはその臭いを吸ってしまう。そうすると、この悪臭が魅力的なものに思えてくる。頭が熱に浮かされたようになってしまう。
「はあ――――ん……はあ……はあ……ふうぅ♡ ん♡ はあぁ♡」
切ない吐息がペニスの先端を揺らす。
糸を引くカウパー液から視線をそらせない。
呼吸すればするほどにペニスの臭いが鼻を突いて、肺に達し、頭を狂わせる。
(まずい……これは、こんなもので犯されたら……どうにかなってしまいます)
子宮が脈動するのが分かった。
ペニスに狂わされる予感は恐怖ではなく、淡い期待に塗り替えられていた。
ベアトリクスの欲望が理性を上回る。
「あ……ん……あ、ぁ、あ」
ペニスがベアトリクスのマンコの照準を合わせる。
鈴口が割れ目に押しつけられて、痺れるような快感とむず痒さに唇を噛んだ。
(犯される――――)
脳裏に過ぎった危機感は、一秒と持たずに快感に押し流された。
スライムに犯されて事前にたっぷりと濡らされた膣肉は、男性器を受け入れる準備が完璧にできあがっていた。
膣中を押し広げて、魔獣の巨根がベアトリクスの胎内に侵入する。
その猛烈な圧迫感と衝撃にベアトリクスは思いきり仰け反って、壮絶な悲鳴を上げた。
「おッ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
強く逞しい雄の象徴が、ベアトリクスの雌の象徴に食いついて、貫く。スライムに与えられた快感を遥かに上回る充足感。雄に蹂躙され征服されることに悦びを見出した脳が、幸せホルモンを過剰分泌する。媚薬の効果かベアトリクスが現状を受け入れられず、自衛のためか、いずれにしても彼女の心身は瞬く間に快感に埋め尽くされてしまった。
「ふ……かひ……んあああ♡ お、おぐ、まで……う、ふあああ♡」
それまでと明らかに異なる色艶のある声を森に響かせる。
さっきまで処女だったベアトリクスの膣を、容赦なく魔獣が制圧する。
腰が叩き付けられる度に、ベアトリクスの乳房が大きく揺れ、全身が跳ね上がる。
「んぐッ、ぐ、おッ、ふあッ、ああッ、苦しッ、大きすぎ、るッ、壊れる、おマンコ、壊れるぅ!」
ゴリゴリと膣内を抉られる感覚にベアトリクスは叫ぶ。
魔獣はベアトリクスはただの穴としか思っていない。どれだけ泣きわめこうとペニスを打ち付けるのを止めようとはしない。そのような知性はなく、だからこそこの行為がいつ終わるかも分からない。
魔獣が満足すれば解放されるのか。
それならばそれで希望にはなるが。
夜闇に包まれた森の中で、ベアトリクスは淫らな声を上げさせられる。
声を我慢するという余裕は失われた。
あまりに圧倒的な暴力と快感の前に、彼女の自制心は紙くずのように破り捨てられる。
「おごッ、んひッ、ひぃ♡ あはぁ♡ んああ♡ すご、すごいです♡ あ、奥すごい♡ チンポすごい♡ あひ、んあ、あはは♡」
涙を流してベアトリクスは自ら腰を振り始める。
快感にも魔獣にも抗えないのなら、与えられるすべてを受け入れる他ない。
幸い、魔獣にベアトリクスの命を奪おうという気配はない。
殺されないだけマシ。
そう思うことにすると一気に気持ちが楽になる。
「あ、あ、あ、雄チンポ、イイッ♡ 気持ちイイです♡ おマンコイク、イク、お、お、あああん♡」
ベアトリクスは知りうる限りの淫語を口にした。
そうすると心なしか魔獣が悦ぶような気がした。錯覚かもしれないが、女が従順になったことは理解したのではないか。人語を解さなくても女を犯す以上、相手が自分を受け入れているかどうかを理解する知能程度はあるはずだ。
魔獣はペニスをマンコで扱きながら、アナルをスライムで犯す。残った触手は、ベアトリクスの身体中を舐めるように絡みついていき、やがて乳首に吸い付いた。
「あ、ああああ♡」
二つの乳首がスライムの中で舐め回されている。それはあめ玉を転がすようで、マンコともアナルとも違う快感で痺れてしまいそうだ。
「イク……イクッ、ぃ、イグッ♡ ああ、イク♡ また、イッて、しま、あはぁあ♡」
誰に聞かれるかも分からない嬌声を隠すことなくベアトリクスは声を上げる。
「痺れる、頭痺れて……んおお♡ 子宮ノックされる、そんなところまで、深い、深すぎます♡ スライムより、チンポのほうがずっとイイれす♡ んぉお、それ、いぃく♡」
ぶしゃああ! と勢いよく潮吹きする。
これが初めてではない。
潮吹きの快感をベアトリクスは覚えてしまった。羞恥も何もなく快感と絶望に身を任せる彼女に、潮吹きを堪えるという意識はまったくない。
条件反射的に潮を吹いているだけだ。
イキました、気持ちイイですと身体で表現している。
「あ、んあ、あひぃ♡ はああ、ああ♡」
「■■■■■■■■!!」
何事かを魔獣が叫んでいる。
言葉にならない雄叫びだが、ベアトリクスには分かった。
射精するのだ。大きなストロークから小刻みな前後運動に変わった。女の勘が、この魔獣が自分の中に欲望を解き放とうとしていることを理解させた。
「あ……な、膣内は……!」
僅かに戻った理性の警告。
だが、ずん、という重たい衝撃が膣奥を揺らしたことでベアトリクスは言葉を失った。
「お……んふぉ!?」
ペニスがポルチオに押しつけられ、さらに限界深くにまで押し込まれようとしている。確実にベアトリクスの子宮に精液を送り付けるという意思を感じる。
「や、やめ……らめ、それ、ほんとうに、おわる」
「■■■■■■■■■■■■■■■■!!」
「いぃ――――あ♡」
視界も頭も真っ白になった。
音が消えて、全身が硬直する。
「あ、あへぇ……♡」
目を見開いたベアトリクスは次の瞬間には瞳が裏返り、見るも無惨なアヘ顔を曝す。快感が限界を超えて脳を狂わせたのだ。
ペニスとマンコの結合部からどろどろとした白い液体が溢れ出す。
ペニスはポンプのように何度も脈動し、精液を胎内に送り込んでいる。
はち切れんばかりに流し込まれた精液は行き場を失い、僅かな隙間から噴き出した。
糸を引くほどの粘性のある液体は、精液に酷似した強烈な媚薬であり、スライムが分泌しているものを濃縮したものだ。妊娠の懸念は杞憂であって、孕まされることはないが、その代わり、注ぎ込まれた媚薬は子宮から膣口までべっとりと張り付き、長時間にわたって媚薬効果を発揮し続ける。
ぐったりとしたベアトリクスからペニスをスライムが引き抜かれ、投げ出された。
ごぼり、と媚薬精液が零れ出る。
ビクビクと浜に打ち上げられた魚のように痙攣しているベアトリクスは、もはや自分の置かれている状況を理解することもできていない。
「お……んお、お……ィィ……ぃく……ぁ、気持ちイイ……もっと……チンポ……」
ブツブツと壊れたラジオのように淫語を繰り返すベアトリクス。
身体が発情したまま夢に逃避した彼女は、夢の中でも魔獣に犯されているのだろう。
そんなベアトリクスを魔獣は肩に担いだ。
下半身のスライムは二本の足に擬態し、牛頭人身の魔獣の姿に回帰する。
そして、魔獣はベアトリクスを担いだまま森の奥深くへ消えて行った。