裸ノ乙女達 ~魔力健康法実践の為にすっぽんぽん生活を強いられる御嬢様(ロリ)に執事として仕えることになりました~ 作:室谷 竜司
暗室で……①
「……」
「……」
真夜中の薄暗い室内で、僕は目の前で佇む少女と黙ったまま対面していた。室内を照らすのは蝋燭の頼りない炎だけ。何時消えてもおかしくないほどのか弱いそのオレンジ色の光を受け、目の前の少女の姿が暗闇の中に薄っすらと浮かび上がる。一目見て幼いと分かるその小さな身体は、蝋燭の火のように頼りない。
そんな彼女は何一つとして衣服を身に纏っていない。つまり全裸である。まぁ、
平坦な胸部も、その先端の桜色の蕾も、まだまだ未成熟な股間の秘部も、全てさらされているが、ここではそれが普通だ。だから、それに違和感を覚えたり、ましてや興奮などしてはならない。
してはならないことは理解しているはずなのに……、目の前に佇むまだ幼き少女の一糸纏わぬ姿態が放つ異様なまでの艶めかしさを前にして、僕の心臓の鼓動は加速度的に強く速くなっていく。
普段の彼女に対する性的な感情はどうにか理性で抑え込むことができていたが、今自分の目の前にいる彼女には理性による抑えも利かず、身体の一部分が否応なしに反応してしまう。
何度視線を逸らしても、ふと気づいた時には薄暗闇にぼんやりと浮かぶ彼女の未発達で艶やかな裸体に再び視線が吸い寄せられてしまう。こんな幼き少女に興奮してしまうなんて、僕はどれほど罪深き男なのだろうか……。
罪悪感に苛まれながら無意識的にその薄い胸に注いでしまっていた視線を上に引き上げる。すると当然、僕の瞳には少女の小さな顔が映る。
薄暗い室内に浮かび上がる彼女の表情は熱に浮かされたようにとろんと緩んでいたが、その潤んだ瞳には確かな決意の色を覗かせていた。
まだ幼いはずなのに、その表情は可愛らしいというよりも美しいと表現する方が適切であるように感じられた。これが御令嬢としての気品というやつなのだろうか。
ほんのり色づいた頬や腰まで伸びた銀色の毛髪、そして一糸纏わぬ起伏の少ない裸身が蝋燭の火に照らされ淡く輝く様はまるで絵画のようで、そのあまりに幻想的な姿に思わず僕は息を飲んでしまう。
呆然と彼女の姿を見つめていると、不意に彼女の小さな薄桃色の唇がゆっくりと開かれた。
「ナギサさん……、お願いがあるのです……」
「お、お願い……とは……?」
彼女の唐突の申し出に、僕……
「私のお相手をしていただけませんか?」
彼女のその言葉に、僕は思わず言葉を失ってしまう。こんな夜遅くに男である僕の部屋を訪れ、自分の相手をしてほしいと言われれば、誰だって良からぬ想像をしてしまう。彼女は……、僕と一夜を共にするつもりなのか……と。
いや、しかし彼女はまだ10歳だ。日本の常識に当てはめるならば小学4年生なのだ。そんな彼女では、性行為の知識なんてろくに持ち合わせてなどいないはずだ。たとえここが日本でなくとも……である。
だが、貴族令嬢ならもしかしたら……という可能性も捨てきれない。だから僕は、彼女の言葉の真意を確認することにした。自分の穢れた考えが間違いであることを願って。
「そ、それはどういう意味でしょうか……?御嬢様がお眠りになられるまで、お話のお相手を務めればよろしいのでしょうか?」
「いいえ、違います。そんな子供みたいな理由ではありません」
僕の問いかけに対し、彼女はほんの少し頬を膨らませながら首を横に振って答えた。子供でなくとも夜眠れなくなることはよくあるように思うが、彼女にとっては子供扱いされたと感じてしまうことだったようだ。
「すみません、御嬢様。そういうつもりではなかったのですが、気に障ってしまいましたか?」
「い、いえ……。ただ、貴方だけには子供として見られたくなくて……」
「私に?」
心無し彼女の頬が先ほどよりも濃い目の桃色に染まったような気がした。それに、声も少し震えているように聞こえた。やはり、先ほどの言動で彼女のことを怒らせてしまっただろうか?
しかし、何故僕限定なのだろう……?僕だけに子ども扱いされたくないとはどういうことなのだろうか?まさか、年の割に背が低く童顔で、さらに声も高い、まるで少年のような風貌の僕に年上ぶられるのが気に入らない……ということなのか?そ、それはちょっと……いや、かなり傷つく……。コンプレックスなのに……。
などと一人、心の中で問答をしながら自らの心を自傷していると、彼女は顔を俯かせながら少し迷いを含んだ声色で小さく呟く。
「私……、貴方には子供じゃなくて……女として見られたいのです……」
そう言うと彼女は自分の心を落ち着かせるように再び大きく息を吸い、それから俯かせていた顔を勢いよく上げ、真っすぐ僕の瞳を見据えてきた。
「ナギサ・モチヅキ様、貴方に……私の初めてをもらっていただきたいのです」
「……えっ!?」
彼女の口から伝えられたその言葉の意味を正しく理解するのに少し時間を要してしまう。そして、その意味を理解するや否や、僕は短い驚愕の声を漏らしてしまう。まさか、僕の良からぬ想像が当たってしまうとは思ってもみなかった。
「お、御嬢様っ!?それ、本気で言っていらっしゃるのですか!?」
「ええ、本気です。冗談でこんなこと言いません。私は貴方に自分の初めてを捧げたいと思っております」
「そ、それが何を意味するのか、ご存じなのですか!?」
「それくらい分かります。セックス……と言うのでしょう?子供を成すための行為。私はもう子供じゃないので、これくらい知っていて当然です」
またも子ども扱いされたと感じてしまったらしく、御嬢様は赤らんだ頬をぷくっと膨らませながら一切の躊躇なくセックスという単語を言い放った。10歳で子作りに関する知識を持っているのは、この世界では普通のことなのだろうか……?
いやしかし、幾ら彼女が精神的に大人であり、セックスに関する知識を持ち合わせていたとしても、、彼女の身体は男を受け入れる準備もろくにできていないはずだ。どれだけ彼女が大人だと言い張っても、年齢を覆すことはできないのだ。
「しかし御嬢様、10歳の身体では流石にまだ男を受け入れるには早すぎます!痛い思いをして終わるだけです。それは嫌でしょう?」
僕は必死で彼女に訴えかける。こんな幼い身体でセックスなどしてしまえば、彼女の身体は壊れてしまう。僕としてもそれは何としても避けたい。
もし、彼女が一時の気の迷いでこのような行動に出たのなら、彼女に仕える者としてちゃんと正しい路へと戻してあげなくてはならない。
「貴方が相手ならそれも本望です。それに、確かに身体はまだ小さいですし、貴方の子種を受け止める準備もまだ整ってはいないかもしれませんが、気持ち良さを感じるための準備は既に整っています。昨日、それは確認いたしました」
「……」
彼女の言葉に僕は絶句してしまう。彼女は何故、僕なんかに固執するのだろう。彼女からすれば、僕は異世界からやってきたなどと言う怪しい人間でしかないのだ。僕自身、未だに異世界にやってきたなんて信じ切れていない。
どうしてそんな僕に、まだ幼い身体を捧げようだなんて考えるのだろうか。僕は、彼女の気持ちを理解する術を持っていなかった。
そんな風に僕が一人頭を悩ませていると、彼女はさらに言葉を重ねた。相も変わらず強い意志の篭った瞳で真っ直ぐ僕を見据えながら。
「子供を成すことだけがセックスの目的ではないと私は考えています。貴方と……、お慕いする殿方と一つに繋がり、胸の高鳴りを感じたり気持ち良いという感覚を味わうことだって、立派なセックスの目的だと思うのです」
「お、お慕い……!?それってどういう……」
「そのままの意味です。私、アルフィオーネ・ローラントは、ナギサ・モチヅキ様のことをお慕いしております。貴方のことを異性として好いているのです」