裸ノ乙女達 ~魔力健康法実践の為にすっぽんぽん生活を強いられる御嬢様(ロリ)に執事として仕えることになりました~ 作:室谷 竜司
「あ、あの、もし……もし良ければ、僕を使用人として雇ってはいただけないでしょうか?僕を助けてくださった皆さんに恩返しがしたいのです」
僕がルクスさんにそう進言すると、ルクスさんは口角を釣り上げてにやりと笑みを浮かべた。それはまるで、その返答を待っていたとでもいうような表情だった。いやいや、それは流石に考えすぎだろう。僕は一瞬思い浮かんだ考えをすぐに振り払い、改めてルクスさんに向き直り返答を待つ。
「もちろん、大歓迎だよ。まぁ、恩返しとかは特に気にしなくて良いんだけどね。私たちも、行く当てのない君を放っておくのは心苦しい。だから、是非とも私の屋敷で働かないか、と言おうとしていたんだよ」
「そ、そうだったのですか……」
まさか、僕の考えは気のせいではなかったのか……。まぁでも、彼らの申し出は非常にありがたい。僕は彼らの優しさに視界が潤みそうになるのを何とか堪えながら、一つ大きく頷いた。
「それならぜひ、僕……いえ、私を雇ってください」
「良いだろう。契約成立だね」
というわけで、僕はこの屋敷……ローラント家の契約執事として働くこととなった。どうやら使用人にも二つほど種類があるらしく、イストさんや最初に僕が眠っていた部屋に顔を覗かせたメイドさんは僕のような契約使用人ではなく奴隷使用人という立場らしい。
奴隷という言葉に一瞬驚いたが、この世界では奴隷は合法で、大きな借金を抱えた人が一次的になるものらしい。また、僕が想像していたような酷い仕打ちをされることもこの世界ではほとんどないみたいだ。僕は少し安心した。
契約使用人と奴隷使用人との違いはほとんどなく、強いて挙げるとすれば、契約使用人の方が少しだけ生活の自由度が高い、ということくらいなものらしい。とは言っても、奴隷使用人にももちろん休みは与えられるので、決してブラックなわけじゃないようだ。何という優しい世界……。
また、奴隷使用人……というか、奴隷の中には身寄りのない子供たちもいるようで、僕は何処となく孤児院のようなものを想像してしまった。
「というわけで、これからよろしく頼むよ、ナギサ君」
「はい、よろしくお願いいたします、ルクスさん……いえ、ルクス様」
「そんな堅苦しくなくて良いよ?」
「いえ、そういうわけには」
僕はルクスさんと正式契約を終え、そんなやり取りを交わす。使用人になったのだから、立場は弁えなければならない。彼らは主人で、僕は従者なのだ。
「それではナギサさん、仕様人用の服に着替えましょうか」
「あ、はい。あの、これからよろしくお願いします、イストさん」
「はい、よろしくお願いしますね」
というわけで僕はイストさんに案内され、使用人の更衣室に通された。それから執事服に袖を通し、再びルクス様たちのもとへと舞い戻る。ルクス様からもう一つお話があるようだった。
「失礼いたします。今戻りました」
僕が再びルクス様のお部屋に足を踏み入れると、御嬢様二人から同時に視線を向けられた。
「ナギサさん、とてもよくお似合いです!すごく、か、カッコいい……です」
「そ、そうね。な、なかなか様になってるじゃない。わ、私は別に、か、カッコいいとは思ってないけど……。お、思ってないからねっ」
良かった、二人の反応的に似合っていないことはないのだろう。アルフィオーネ様の評価は少々過大評価のようにも思えるけど……。
「おお、よく似合っているよ。それはともかく、最後の要件なんだけど、君にはエルシャとアルフィの専属執事を引き受けてほしいんだよ」
「お二方の専属執事……ですか?ぼ……私でよろしいのですか?」
ルクス様のそんな提案に、僕は思わず驚きの声を上げてしまう。僕のような新米に専属執事など務まるのだろうか……?そんな不安が胸中を支配する。
「ああ、もちろんだよ。むしろ、君こそが適役なんだ。というのもね、この二人は明後日から王都にある魔法学園に通うことになっているんだよ」
ルクス様曰く、エルシャローゼ様とアルフィオーネ様はその魔法学園に入学するにあたって、専用の学生寮に入ることになるらしい。
これまでは、御嬢様方がずっと自宅にいたことと、元々ローラント家が自立を重んじる家訓を掲げているということもあり、彼女たちに専属使用人をつけてこなかったようだ。
しかし、学生寮に入るにあたって、彼女たちにも専属の使用人をつけようという話になったらしい。
そこで何故僕が選ばれたのかというと、どうやらなるべく年の近い使用人をあてがいたかったようだ。これは主に御嬢様二人の要望らしいが。僕以外にも若い使用人はいるみたいだが、僕が一番若いということと、先ほど御嬢様方から直々に指名があったようなので、僕が専属執事に選ばれた、というわけだった。
「その……、お願い……できませんか?」
「ま、まぁ、私は別に貴方じゃなくても良いのだけど、年が近い方がいろいろ話しやすいっていうのも事実だしね。そ、それに、アルフィが望んでいるんだもの」
「お姉様……?……まぁ良いですけど……」
二人……特にアルフィオーネ様から懇願するような目を向けられる。そんな目をされては断れない。というか、僕としてもこの二人の専属執事に慣れるのは正直嬉しくはあった。だから、僕は一つ頷く。
「分かりました。喜んでお引き受けさせていただきます」
「よし、決まりだね。それじゃあ、明日の午後出発だから、それまでに準備をしておいてくれ」
「分かりました」
準備については先ほど説明を受けた。僕はこれから、仕様人としての一通りのスキルを先輩の使用人さんたちに教えてもらうこととなっている。仕事内容は軽く説明を受けたのだが、掃除や洗濯、炊事など、ごく一般的な家事仕事が主らしい。
家事には自信があったので、僕は最初からやる気満々だった。というのも、元の世界では母親に一通りの家事スキルを叩き込まれていたのだ。だから、家事は人並み以上にできると自負している。唯一と言って良い僕のアピールポイントだったりする。
結果、僕は一発で合格点をいただいた。というか、この屋敷で一番の腕かもしれないとやや過剰なお褒めの言葉までいただいてしまった。やったぜ!
その晩、ルクス様や御嬢様方に食事を振舞ったが、こちらも大絶賛だった。僕はほっと安堵の息を吐いた。なお、食文化は元の世界と特に変わりはなかった。一つ驚いたことを挙げるとすれば、貴族でも普通に一般家庭で出るような料理を食べるということだろうか。むしろ、それが一般的らしかった。
そうして無事に僕は御嬢様二人の専属執事として認められ、次の日を迎えることができた。
「それでは、行ってまいります」
「行ってくるわ」
「二人とも、くれぐれも病気には気を付けて。それと、ママからも頑張ってと伝えておいてほしいとさっき連絡があったよ」
「お母さまから?そうですか、ありがとうございます。頑張ってきます、と伝えておいてください、お父様」
「分かったよ。それではナギサ君、二人をよろしくね」
「はい、お任せください、ルクス様」
そしてその日の午後、僕とエルシャローゼ様とアルフィオーネ様は、王都の魔法学園に向けて出発するのだった。寮に家具類は揃っているらしいので、僕の荷物は今朝いただいた服だけだ。あと、財布代わりのカードもいただいた。彼女らの生活費はこれで賄えば良いらしい。便利だ。
というわけで僕らは、馬車に乗って王都の魔法学園を目指した。期待と不安を背負いながら。
*
しばらく馬車に揺られているうちに、僕たちは王都へと到着していた。そして、魔法学園の学生寮までやってくる。
「えっと、御嬢様方の寮は……こちらですね」
僕は御嬢様二人を連れて、幾つも立ち並ぶ寮のうちの一棟までやってきていた。この魔法学園の寮の創りは、一つの建物に幾つかの個室があり、数人の学生で一つの建物を使うらしい。もちろん、男女で別れている。ちなみに、僕のような使用人は例外で、専属であれば性別関係なく寮に入れるらしい。女子寮に入るのは少し躊躇われるが、これも御嬢様方に仕えるためだから仕方ない、と割り切ることにした。
「ここね。さて、どんな方と一緒に住むことになるのかしらね」
「少しワクワクしますね、お姉様」
「ふふっ、そうね。では、早速入りましょう」
「それでは、僕は馬車に積んでいたお二方の荷物を持ってまいりますね」
「ええ、任せるわ」
そうして僕は、御嬢様方の荷物を取りに一度馬車へと戻った。寮の扉が閉まる寸前、御嬢様方が驚きの声を上げたことには気づかなかった。
そして僕は馬車から一通り荷物を下ろし、それを持って再び御嬢様方にあてがわれた寮へと戻る。家事仕事をしていて分かったのだが、こちらの世界にやってきたことが理由かどうかは分からないが、僕の身体能力が上がっていた。だから、御嬢様方の荷物を一気に持ち運ぶことも、今の僕には可能だった。
そうして寮へと戻り、僕は扉を開けて中へと入る。すると、奥の方でキャッキャとはしゃぐ声が聞こえた。思ったより騒がしかった。
そのはしゃぎ声の中には御嬢様方と思しき声もあった。どうやら、早速他の住人と打ち解けたようだった。僕は嬉しさを覚えながら、二人の荷物を事前に伝えられていたそれぞれの個室に届け、それから御嬢様方の声が聞こえてくる部屋……恐らく共有スペースだろうと思われる部屋へと向かった。
「エルシャローゼ様、アルフィオーネ様、いらっしゃいますか?」
僕は軽くノックをし、中にそう呼びかける。
「ナ、ナギサさんっ!?も、戻られたのですか!?」
「えっ、ど、どうすれば……」
「あら、もしかして二人の専属使用人?って、どうしてそんなに慌てているのかしら?女の子同士なのだし、別に恥ずかしがることなんてないじゃない」
「え、えっと、そうじゃなくて……その……」
「どうぞ、入ってくださいな」
御嬢様の声ではなかったが一応入室許可は出たので、僕はドアノブを捻り共有スペースへと足を踏み入れる。
「ちょっ、ナギサっ!!ま、待って!!」
「ナ、ナギサさんっ!!ダ、ダメぇ!!まだ心の準備が……!!」
そんな制止の言葉がかけられるが、力を入れ始めてしまった僕の腕は止まらない。そして、扉が完全に開き、中の様子が僕の目に飛び込んできた。
「……えっ?」
僕はそんな素っ頓狂な声を上げてしまった。いや、仕方ないだろう。だって、中にいた人たちは、何故か全員服を着ていなかったのだから……。
「ひゃうぅ……。ナ、ナギサさんに見られてしまいました……」
「ダ、ダメって言ったのにぃ……」
小さく縮こまりながら細い両腕で自分の身体を抱きしめるようにして肌を隠しながら、御嬢様二人は僕に恨みがまし気な視線を向けてくる。僕には、全くもって状況が分からなかった。
「えっ……?」
「っ……?」
そして、そんな御嬢様方とは対照的に、その場に佇んだまま呆然と僕を見つめる二人の少女がいた。こちらも全裸である。硬直してしまっているので、二人とも自分の身体を隠そうともしない。発展途上の健康的な身体が惜し気もなくさらされていた。
「えっ、ええええええええっ!?殿方だったのですかああああああ!?」
そして、我に返った一人の少女がそんな叫び声を上げたのだった。いけないと分かりつつも、僕は彼女の剥き出しの薄い胸や無毛の股間に視線が吸い寄せられてしまっていたのだった。ぼ、僕だって男なんだから、女の子の裸はついつい見ちゃうんだよ……。それが僕より小さい子なら尚更である。ロ、ロリコンじゃないから!