裸ノ乙女達 ~魔力健康法実践の為にすっぽんぽん生活を強いられる御嬢様(ロリ)に執事として仕えることになりました~ 作:室谷 竜司
「ただいま戻りました♪」
細々とした業務を済ませ午後になった頃、玄関先からそんなアルフィ様の声が聞こえてきた。どうやら、今日の学園での日程が終了したようだ。
僕は使用人専用居室から出て彼女たちを出迎えに行く。だが、廊下の先……玄関にはどう見てもアルフィ様の姿しかなかった。
他の皆さんの姿が全然見当たらない。もう各々自室に戻られたのか?いや、そもそも物音ひとつ聞こえてこないんだよなぁ……。となると、まだアルフィ様しか帰ってきていない、ということだろうか?
「お帰りなさいませ、アルフィ様……ぐほぁっ……!?」
僕が急いで玄関先に佇むアルフィ様のもとへと駆け寄ると、次の瞬間には何故か僕は床の上に仰向けに倒れてしまっていた。
「ナギサさんっ、会いたかったですぅ♡」
そして、仰向けに寝そべる僕の上にはアルフィ様。どうやら僕は、アルフィ様の全力タックルを受けて、その勢いのあまり背中から後ろに倒れてしまったようだった。筋力が上がったとはいえ、まだまだ僕は貧弱のようだ。悲しいなぁ……。
い、いや、いきなりのことだったから構えられなかったんだ。きっとそういうことなんだ。だから、うん。落ち込む必要なんてない。……そう思うことにしよう。
「あ、あはは……、僕も会いたかったですよ、アルフィ様。ですがまさか、勢いよく飛び込んでこられるとは思っておりませんでした……。受け止めきれず、申し訳ございません。お身体、大丈夫ですか?」
僕は、自分たち以外に誰もいないことを良いことに、僕の身体の上に乗っかったアルフィ様の身体を両腕で抱きしめつつ、彼女の身体に怪我がないか確認する。受け止めきれず僕が倒れてしまったことでアルフィ様に怪我を負わせてしまっていたら目も当てられないからね。というか、責任を感じてしまいそうだ。
「え、えへへ、ナギサさんとやっと会えたのが嬉しくて、思わず飛びついちゃいました♡私は大丈夫ですが、ナギサさんは?その、痛いところはありませんか?」
だが、どうやらアルフィ様には怪我もないらしい。良かった、安心した。それと、セリフがいちいち可愛いのはどうしてでしょうかね?惚れた弱み?それとも、アルフィ様は男を喜ばせる天才?まぁ、どっちでも良いか。
「私は大丈夫ですよ。とにかく、アルフィ様が御無事で何よりです」
「ナギサさん、やっぱり優しいです♡ますます好きになっちゃいますよぉ♡」
うっとりとした微笑みを浮かべながら、アルフィ様はそう言った。そんな彼女の全身から幸せオーラが噴出していた。ただ執事として当たり前の心配をしただけなのだけど、アルフィ様はそれすら喜んでしまわれているようだ。
「執事として、ご主人様の身を案じるのは当然のことでございます」
「もぅ、今は私たちだけなのですから、もっと砕けた話し方で良いんですよ?というか、皆さん公認の仲なのですし、もう私に畏まる必要なんてありませんよ。そもそも、お父様だって初めから畏まらなくて良いと言っていたではありませんか」
アルフィ様の表情がころころ変わる。先ほどまで幸せそうな笑みを湛えていたその顔は、今は不機嫌そうにしかめられている。頬をぷくっと膨らませている姿が可愛らしいと思ってしまったことは黙っておこう。
「そ、そう言われましても……、一応仕事ですから……」
「はぁ、やっぱり頑固です、ナギサさん……。まぁ、別に良いですけど」
「えっと、ところで、他の皆様は?一緒じゃなかったのですか?」
僕の返答を聞いて嘆息するアルフィ様。僕としては、やはり立場は弁えるべきだと思っている。だから、アルフィ様達に気軽に接するなんてことはできない。でも、確かにちょっと頑固なのかもな。
などと思いつつ、僕は先ほどから気になっていたことをアルフィ様に尋ねてみることにした。未だにアルフィ様以外の方々がユニットに戻ってくる気配がない。まさか、仮病で途中早退……とか……?いやいや、アルフィ様に限ってそれは流石にないだろう。……ないよね?
「あっ、他の皆さんももう少ししたら戻ってくると思いますよ。私はナギサさんに早く会いたいがために、学園から走って帰ってきたので♡」
「そ、そうだったのですね……、それなら良いのですが……」
うん、やはりアルフィ様はそんなことはなさらないよね、安心した。というか、少しでも疑ったりしてすみませんでした、と、一応心の中で謝罪しておく。
「はわぁ、ナギサさんの温もり、やっぱり安心しますぅ♡」
「そ、それは嬉しいのですが……、そろそろ他の皆様もお帰りになられるのですよね……?このままでは皆様に見られてしまいますよ……?」
「良いじゃないですかぁ♡見せつけちゃいましょうよ♡」
そう言いながらさらに強い力で僕に抱きついてくるアルフィ様。この人、本当に甘えん坊だなぁ。なんか、事あるごとに僕に抱きついてきている気がする。妹だから……というのが関係していたりするのかな?そこら辺はよく分からないな。けどまぁ、一つ言えることとしたら、滅茶苦茶可愛い。
可愛いし、甘えられることはとても嬉しいことなのだけど……、やはり僕としてはこんな状況を他の皆さんに見られてしまうということはちょっとばかし恥ずかしい。だから、今は我慢してほしいんだけど……、そういうわけにもいかないのかなぁ……。
「ちゅっ……♡えへへ……♡」
などと考えている間に、アルフィ様が啄むようなキスをしてきた。この人、本気で止めるつもりがないらしい。このままだと、そのまま行為にまで発展してしまいそうだ。アルフィ様ならば本気でやりかねないのが怖いところだ。
「あ、あの……、こんな場所で……んっ……、してしまうのは本気でまずいと……んんっ……、お、思うのですが……んむっ……」
アルフィ様によるキスの雨が止まない。その所為で、思ったように言葉が紡げなかった。だが、それを嫌だと思う自分は何処にもいなかった。キスをされること自体はこの上なく嬉しいことだから。
「ふふっ、キスする度にナギサさんのお顔が少しずつ赤くなっていくのがちょっと面白いです♪それに、何だか可愛い♪んんっ……♡ちゅっ……♡んへへ♡」
「い、言わないでください……、恥ずかしいんですから……。そ、それと……、こういうことは……もっと時と場所を考えていたしましょう……?」
「……仕方ないですねぇ……、分かりました」
そう言うとアルフィ様はあっさりと僕の顔から自身の顔を放し、それからゆっくりと身体を起し立ち上がった。聞き分けの良い御嬢様で助かった。あのままだと、僕の理性が決壊してしまいそうだったからね。幼いのに、どうしてアルフィ様はこんなにエッチなのだろうか……。
「では、着替えてまいりますね」
そう一言僕に告げると、アルフィ様は自室に向かって歩みを進めた……と思ったら、何故かすぐに立ち止まってしまった。丁度僕の顔の真横で。
僕は未だに廊下の上に仰向けになったままである。対して、アルフィ様は立っている。そして、彼女の服装は制服。女子なので当然スカートである。そうすると僕とアルフィ様との位置関係的に、僕の眼前に広がる光景は必然的にアルフィ様のスカートの中……ということになるわけで……。
「っ……」
アルフィ様の身につけていた純白の下着が目に入ってしまった。全裸を見ている上、アルフィ様とそう言う行為まで行ってしまっているのに何を言っているんだという話ではあるが、僕は目の前に広がる光景に思わずドキドキしてしまっていた。
今までパンチラでこんな感覚になることはなかった。でも、今はアルフィ様のスカートの中を見てドキドキしている。僕って、本当にロリコン何だなぁ……。改めて思い知らされた……。
「あっ、ナギサさん、私のパンツ見てますね?ふふっ、えっちな人ですね♪」
「す、すみません」
クスクスと可笑しそうに笑いながら、アルフィ様が意地の悪い瞳で僕を見下ろしそんなことを言ってきた。正直、何も言い返す言葉がない。だから、素直に謝罪の言葉を口にする。
「いえいえ、構いませんよ♪そもそも、わざと見せているんですからね♪ちょっとナギサさんをからかいたくなっちゃっただけです♪」
「えっ!?か、からかうのは止めてくださいよ」
と思ったら、僕はただ単にアルフィ様にからかわれていただけだったようだ。6歳も年下の女の子に遊ばれてしまっている……。なんか悔しい。
「えへへ、ごめんなさい♡では、今度こそ着替えてきますね。あっ、そうそう、続きは今晩……しましょうね?」
「……そうですね。気が向いたら、いたしましょう」
少し潤んだ瞳で僕の顔を覗き込んでくるアルフィ様に対し、僕は仕返しのつもりでそう言ってやる。分かっている……、大人気ないことくらい……。それでも、やられっ放しっていうのはなんか嫌だった。
「えっ、そ、そんなっ……、し、してくれないのですか……?」
僕の返答が予想外だったらしく、アルフィ様は一瞬ぽかんとしてしまっていたが、すぐに悲し気な表情に変わる。……罪悪感がすごいな、これ……。本当に大人気がなさ過ぎたな……。
「すみません、冗談です」
そう言ってから僕も身体を起し、それからアルフィ様の傍まで近寄り、その小さな頭を撫でる。謝罪の念を込めて。
「すみません、からかいのつもりだったのですが、流石に大人気なさすぎました」
「むぅ、本当です。言って良い冗談と悪い冗談があると思います」
「おっしゃる通りですね、申し訳ございません」
「まぁ良いです、許します。そ、それでその……、今晩またナギサさんのお部屋……訪ねても良いんですよね……?」
「はい、来てください。続き、ちゃんとしましょう」
僕は、アルフィ様の白くて柔らかな頬を撫でながら、しっかり彼女の瞳を見つめてそう言う。僕だって、もっとアルフィ様とイチャイチャいしたいからね。
「はい、絶対行きます♡楽しみにしてますからね♡」
「僕も、楽しみにしてます」
「えへへ、はい♡」
照れたように、しかし嬉しそうにはにかんだアルフィ様は、次こそ自室へと向かって言った。
「「ただいまー!」
「戻ったわ」
廊下の奥に消えていくアルフィ様の後ろ姿を眺めていると、唐突に玄関の扉が開き、そこから他の御嬢様方がぞろぞろとユニット内に入ってきた。もう少しで僕とアルフィ様のやり取りが見られてしまうところだった。危なかったなぁ……。
「お帰りなさいませ、御嬢様方」
「アルフィは?」
「先に戻られてますよ」
「あー、やっぱりそうだったのね。そんな気はしてたのよね」
ラトナータ様が案の定かという表情を浮かべてそう言った。僕は少し反応に困ってしまう。
「今日のアルフィさん、すごかったですからね……」
「あっはは、そうだね。まぁ、見てて面白かったけど」
「姉としてはちょっと心配なのだけど……」
一体、学園で何があったのだろうか……?気になるという気持ちもあるが、その反面、聞くのがちょっとだけ怖い。僕が知るべきことではないようにも思えるし……。うん、ここは聞かないでおこう。
「ところでさ……、ナギサくん」
そんなことを考えていると、不意にフィノレア様が僕にそう声をかけてきた。何かと思い、僕は首をかしげる。
「はい、何でしょう?」
「いやね、ナギサくんの身体からアルフィ様の匂いがするの。ここからでも分かるくらい強い匂いが。もしかして、あたしたちが帰ってくるまで二人でしてたの?交尾」
「ごほっ……げほっ……」
ド直球ストレートなフィノレア様の問いかけに、僕は思わず咽てしまった。少女の口から交尾という言葉が出てくるとは……。
「えっ、そ、そうなの!?」
「わっ、わわっ……、こ、交尾……!?」
エルシャ様とリレイナ様は、二人して顔を真っ赤に染めながら僕のことをチラチラと伺ってくる。一切の恥ずかし気もないフィノレア様とは対照的に、このお二人は初心な反応をしていた。年相応の反応……と言って良いのだろうか?
でも、それは誤解なんだよね……。大事になる前に早く訂正しておかないと……。そう思い、僕は口を開く。
「し、してませんよ!?」
「えー、ホントかなぁ?」
フィノレア様は疑惑の視線を僕に向けてくる。うっ、信じてくれないみたいだ……。本当のことなんだけどなぁ……。
「あら?皆さん、おかえりなさい」
フィノレア様からの視線に困惑していると、背後からアルフィ様の声が聞こえてくる。どうやら、着替えを終えて部屋から出てきたようだ。
「それで、えっと……、どうかなさいましたか?」
「えっとね、ナギサくんからアルフィ様の匂いがしててね、もしかして二人はさっきまで交尾してたのかなぁって思って」
現在のこの場の状況を疑問に思ったアルフィ様がそう問いかけると、フィノレア様は再びド直球な言葉をアルフィ様に投げていた。本当に躊躇がない。
「こ、交尾……はしてないです。た、多分、ナギサさんから私の匂いがしたのは、さっきまでずっとナギサさんに抱きついていたからだと思います♡」
「あっ、そうだったのかぁ。ちゅーもしてないの?」
「え、えっと……、それはしました、えへへ♡」
アルフィ様は聞かれたことに対して素直に答えてしまった。あーあ、隠しておきたかったけど、そういうわけにはいかなかったようだ。まぁ、仕方ないか……。
「おお、ラブラブだねぇ♪」
「ふふっ、お盛んね、二人とも」
フィノレア様とラトナータ様から冷やかしの言葉が浴びせられる。うん、やっぱり恥ずかしいわ、これ。多分、僕の顔相当赤くなってるんだろうなぁ。
「ちゅ、ちゅーって……」
「は、はわわわわ……」
そして、多分僕と同じくらい、エルシャ様とリレイナ様の顔も真っ赤に染まってしまっていた。……もしかしたら、僕以上なんじゃないかな?
「幸せでしたぁ♡」
ただ、そんな中でもアルフィ様は平常心だった。……恐るべし、アルフィ様……。