裸ノ乙女達 ~魔力健康法実践の為にすっぽんぽん生活を強いられる御嬢様(ロリ)に執事として仕えることになりました~ 作:室谷 竜司
あれから少しして体力も大方回復した僕とアルフィ様とユーアさんの3人は、一度全身……特に下半身に付着した汚れをシャワーで洗い流した後、揃って広い湯船に身体を沈めた。
「んん、気持ち良いです」
「そうですねぇ。いつもの数倍極楽です」
浴槽の中で胡坐をかいた僕の左右の太腿に腰を下ろしたアルフィ様とユーアさんが、少し力の抜けた声でそんなことを呟く。その声や遠慮なく僕の上半身に背中を預けてきている様子からも、彼女たちが先ほどの行為で相当疲労してしまっていたことが容易に伺えた。特にユーアさんなんて、こういうことをするのは今回が初めてなのだし、かなりの負担をかけてしまっていたのだろう。
けど、肩口から覗き込んだ彼女たちの表情には悪感情など一切なく、むしろ幸せいっぱいといった穏やかな笑みが浮かべられていた。その表情を見て、僕自身も改めて幸せを噛みしめる。
それから僕は、彼女たちへの感謝の気持ちや僕の抱いている喜びの感情を伝えるように、彼女たちの身体に回していた両腕にぎゅっと力を籠めた。
「あっ、ナギサさん……♡」
「これ……好き……♡なんか、ナギサさんにすっごく大事にしてもらえてる感じがする……、えへへ♡」
そう言いながら、ユーアさんが僕の胸にすりすりと頬擦りをしてきた。こういうところ、本物の猫と重なるよなぁ。可愛い。
あと、ユーアさんが頭を動かす度に僕の下顎の辺りに彼女の黒い猫耳がさわさわと擦れる。くすぐったいけど、なんか心地良い。
「それ、分かります♡それに、こうしているとナギサさんの温もりをより強く感じられて、とても落ち着きます♡ナギサさん、もっと強く抱きしめてください♡」
「えっ、それだと苦しくありません?このくらいの力加減の方が丁度良いのでは?」
アルフィ様の上目遣いでの懇願に、僕は思わず疑問の声を上げてしまう。これ以上力を入れたら、華奢な彼女たちには若干苦痛に感じてしまいかねないと思うのだが……。
「ナギサさんに抱きしめられているのに、苦しいなんて思うはずがないですよ」
「アルフィ様の言う通りだよ。むしろ、ナギサさんに強く抱きしめられれば抱きしめられるほど、わたしたちはもっともっと幸せになれるんだよ♡なんてったって、ナギサさんのことが大好きだからね♡わたしも、もちろんアルフィ様も」
「ですので、構わずぎゅってしてください♡」
二人から同時に甘えるような瞳を向けられ、僕はつい頬を熱くさせてしまう。こんな可愛すぎる仕草、反則だと思う。鼻血とか、出ていないよな?
「わ、分かりました」
僕はかすれた声でそう返事をし、自身の両腕にさらに力を籠めて僕の膝上に座る彼女たちを思いきり抱き寄せた。
「あはは、ナギサさん、顔真っ赤だよ♪それに、声もかすれてる」
「だ、だって、二人が可愛すぎるから……」
「ふ、ふにゃっ!?そ、そっか、そうなんだ……、え、えへへ……♡嬉しい……♡あ、あのね、ナギサさん……」
ユーアさんが自身の頭を僕の肩にこてんと預け、それから僕の腕を優しく包み込むように抱きしめる。
「今日はホントにありがとう♡わたしの気持ち、受け入れてくれて嬉しかった♡それと、これからもよろしくね♡」
そう言って満面の笑みを浮かべるユーアさん。だから僕も精いっぱいの笑顔を浮かべて彼女の瞳を見つめ返す。
「僕も、ありがとう。そして、よろしく」
「えへへ、うん♡あっ、アルフィ様も、ありがとうございました。年上だけど、いろいろと助けられちゃいました」
僕に感謝の言葉を告げたユーアさんは、続いて自身の隣に同じように座っているアルフィ様に視線を向けて感謝の言葉を紡いでいた。
「ちゃんと助けになったなら良かったです。正直、あんまり大したことはできていないと私的には思うのですが……」
アルフィ様はユーアさんからの純粋な感謝の言葉を受け、照れくさそうに自身の頬を撫でながら控え目にそう言ってみせた。
「そんなことないですよ。アルフィ様がいなければ、もしかしたら今日はナギサさんと一つになれていなかったかもしれませんし」
「な、なんだか照れてしまいますね。こうして感謝されるのって」
「あっ、ホントだ。照れてますね、アルフィ様。さっきのナギサさんみたいに顔が真っ赤です」
「い、言わないでくださいよぉ。ま、まぁ、とにかく、ユーアさんのお力になれたのなら幸いです」
そうして微笑みあうアルフィ様とユーアさん。そんな二人の様子に、僕も自然とほっこりしてしまう。やっぱり良いな、こういう雰囲気。
「それじゃあ私からも……」
なんて考えていると、アルフィ様がそれまでユーアさんに向けていた瞳を今度はこちらに向けてきた。はて?と僕は思わず首をかしげてしまう。
「ナギサさん、今日はありがとうございました。私とユーアさん、二人とエッチ……してくれて。まだ2回目だったけど、すごく気持ち良かった……です……♡」
恥ずかしそうに、しかしながら本当に幸せそうな表情でアルフィ様が僕にそんな感謝の言葉を告げてきた。そんな彼女の様子を目の当たりにした僕の脳裏に先ほどの彼女たちの痴態がフラッシュバックしてしまい、途端に僕も少し恥ずかしさを覚えてしまう。
幸いと言うべきか、先ほどの行為でもう既に5回も射精してしまっていたため、彼女たちの痴態を思い出しても僕の男性器には一切の反応がなかった。けど、なんか違和感があるような……?
「って、ア、アルフィ様!?さり気なくそういうとこ撫でないでください!!」
「えー、でも、私たちのこといっぱい気持ち良くしてくれたナギサさんのおちんちんにもちゃんと感謝の気持ち伝えないとと思いまして……♡えへへ、今日は気持ち良くしてくれてありがとうございます♡」
「あっ、そ、そう……ですよね♡わたしも、ナギサさんのお、おちんちん……に感謝しないと♡あ、ありがとう、わたしと一つに繋がってくれて……♡その……これから少しずつ慣れていけるよう頑張るから、これからもお願い……ね♡」
アルフィ様に便乗してユーアさんまで僕の一物をその小さな手で撫で始めてしまった。流石に反応するほどの性力は残っていないとは言え、それでも何だかこそばゆいな、これ……。二人同時だと尚更……。
「ふ、二人とも……待って……」
「なんかふにゅふにゅってしてる……。さっきまではあんなにカッチカチだったのに、不思議だなぁ……♡」
「そうですねぇ。でも、これはこれで可愛いかも……♡ずっと撫でていたくなっちゃいます、えへへ♡よしよし♡」
って、二人とも聞いていない……。どうやら、この行為を止めるつもりはないようだ。このままだと、もしかしたら性力が回復しかねないな……。最悪の場合、もう1回戦……なんてことになってしまうかも……。
これ以上行為を重ねたら明日の業務に支障をきたしそうだ。だから、どうか持ち堪えてくれ……。そう願うしかないな。
「確かに可愛いけど……、それでもわたしたちの手にはちょっと大きめですね」
「まぁ、エッチの際にはあんなに大きかったのですし、通常時でも私たち子供の手じゃ包み込むことは……」
と、そこまで言ったところで、アルフィ様は言葉を一度止めてしまう。ん?一体どうしたのだろうか?気になった僕は、そっとアルフィ様の顔を覗き込む。
「アルフィ様?どうかなさいましたか?」
「あっ、いえ、ごめんなさい。ちょっと気になったことが有って」
「気になったこと……ですか?」
アルフィ様は少し不安そうに表情を歪めながら、じっと僕の瞳を見つめ返してくる。それから一呼吸おいて、彼女が再び口を開いた。
「えっと、子供で思い出したのですが、ナギサさんは大人の女性……といいますか、ナギサさんより背の高い女性が苦手……なのですよね?私たちが初めて会った日、確かそう言っていましたよね」
「あっ、はい。まぁ……、そうですね」
唐突にそう問われ、僕は少し戸惑いながらもそう返事をする。というか、何故"子供"という言葉で今の話を思い出したのだろうか?
「えっ、そ、そうだったの!?」
などと考えていると、反対側からユーアさんのそんな驚きの声が飛んできた。そっか、この話をしたのはアルフィ様とエルシャローゼ様の二人だけだったっけ。それなら、ユーアさんが知らなくても当然だよね。
「うん、実はね。昔のトラウマで、大人の女性、それと僕よりも背の高い女性が苦手になっちゃってね」
僕は肩をすくめながらユーアさんに軽く説明を加える。トラウマの詳細までは放さなくて良いだろう。
「トラウマ……?な、何があったの……?」
と思っていたのだが、ユーアさんはトラウマの詳細が気になったらしく、続けて僕にそう質問してきた。
「ユ、ユーアさん、あまりそういうことを聞くのは……」
「あっ、そ、そうだよね、ごめんなさい……」
だが、すぐに隣のアルフィ様に窘められ、ユーアさんは僕にそう謝罪してきた。正直、ありがたい限りだった。あまり話す気にはなれなかったから。
「ううん、大丈夫だよ。むしろ、話してあげられなくてごめんね、ユーアさん」
「そ、そんな、ナギサさんが謝ることはないよ。わたしが無神経すぎただけだから……。ホントにごめんね……」
「い、いや、そんなに謝らないでよ。気にしてないから」
そう言って僕は、しょぼんと落ち込んでしまったユーアさんの頬をそっと撫でる。トラウマについて気になってしまうのは当然のことだと思う。だから、ユーアさんは何も悪くない。その疑問に答えてあげられない僕の心が弱いだけで……。まったく、情けないなぁ、僕は。
「あ、ありがとう、ナギサさん。気遣ってくれて。やっぱり優しい……。けど、わたしが無神経だったのはホントのことだから、謝らせてほしい」
「わ、分かった。でも、そんなに落ち込まないでね」
「うん。あっ、えっと、すみません、アルフィ様。途中で話を遮っちゃいましたよね、わたし」
「あ、いえ、平気です。それでですね、ふと気になったのですが、今はまだ子供で背も低い私たちですけど、もし私たちが今後成長してナギサさんよりも背が高くなってしまったら……どうなってしまうのでしょう……と思いまして……」
アルフィ様が口にしたその疑問に、僕ははっとさせられる。そういえば考えたこともなかった。
けど、決して有り得ない話ではないんだよな、アルフィ様達が僕よりも背が高くなるということは。
「そ、そっか、そうなった場合、もしかしたらわたしたちもナギサさんの苦手な女性の対象になっちゃうかもしれないってこと……なんだよね……」
「ええ。まだ可能性の話ではありますが……」
「そ、そんな……」
彼女たちは、これからも僕と一緒にい続けられるかどうか分からないということに不安の念を抱いてしまっているようだった。
しかし、流石にそれは僕のことを見くびりすぎというものだ。僕は勝手な思い込みをして落ち込む二人にお仕置きをするつもりで、彼女たちの柔らかな頬をくにっと引っ張る。まぁ、あまり痛くするつもりはないけどね。
「にゃっ!?ナ、ナギサさん!?」
「んぅ、い、痛い……ですぅ……」
「あのですね、僕のこと何だと思ってるんですか……。流石に、好きになった女性を、僕より身長が高くなったという理由だけで嫌うような最低人間になったつもりはありませんよ、僕」
そして、溜息混じりにそう言ってみせる。僕より背の高い女性ならば無条件に苦手意識を持ってしまう、なんていう愚かな男ではないつもりだ。もしそうだとしたら、母親すらも拒絶してしまっていただろう。
しかし、それは違う。僕は一度として自身の母親を拒絶などしなかった。僕が苦手意識を持つ女性の対象はあくまであまり関わりのない大人の女性、もしくは僕より背の高い女性というだけなのである。
「僕は一度だって母親に苦手意識を持ったことなどありませんでした。それは、僕にとって母親が大切な人だったから。そして、アルフィ様もユーアさんも、今は僕にとっての大切な人です。拒絶などできるはずがないでしょう」
僕は二人をぎゅっと強く抱き寄せながら、二人の耳元でそう囁く。手放すつもりなど毛頭ない、という意思表示をするように。
「そ、そう……ですよね……、ごめんなさい……ごめんなさい……。ナギサさんの気持ちを軽んじるようなことを言ってしまって……、ごめんなさい……」
「わたしも、ごめんなさい……。そうだよね、ナギサさんがそんな酷いことをするような人じゃないってこと、この数日で理解していたはずなのにね……」
気づけば、腕の中の彼女たちの身体は震えていた。顔を覗き込めば、二人の瞳からはポロポロと大粒の涙がこぼれていた。
し、しまった。二人を泣かせるつもりはなかったのに……。ど、どうしようかな……、この状況……。
「ご、ごめんなさい、泣かせるつもりはなかったんです……。え、えっと、し、心配しなくても、僕はずっと二人の傍にいます……と言いたかっただけで……」
「うぅ……ひっく……、あ、あのですね……、私が涙を流しているのは、決してナギサさんに怒られてしまったから……というわけじゃないんですよ……。その……、嬉しくて……」
「わたしだって、アルフィ様と同じ気持ちだよ、ひっく……ぐすっ……。ナギサさんに大切にされてるんだって思ったら、なんか涙が……出てきちゃって……。うぅ……、嬉しすぎてしょうがないよぉ……。もぅ……大好き……♡ナギサさんなんて……大好きなんだから……♡」
「ナギサさん、ありがとうございます。私も、愛してますからね♡」
涙混じりではあるが、アルフィ様とユーアさんの二人が頬を綻ばせて満開の笑顔を僕に向けてくれる。よ、良かった、ちょっと強く言い過ぎたのかと冷や冷やした…ていたから、彼女たちの言葉を聞いてほっとした。
それと同時に、僕の彼女たちに対する愛おしいという気持ちが溢れ出す。僕はもう、この二人にベタ惚れなんだな……。何一つとして後悔などないんだけどね。
「僕も愛してますよ、アルフィ様、ユーアさん……ん?なんか違和感が……って、アルフィ様!?またですか!?」
「お股だけに?」
「全然上手くありませんからね!?」
せっかく良い雰囲気だったのに台無しだった。僕はアルフィ様に自身の股間を撫でられながら溜息を吐く。もちろん、反応はしない。
「あっ、アルフィ様だけずるいです!わ、わたしもっ……♡」
「ふふっ、じゃあ一緒に撫でてあげましょう♡感謝の気持ちをいっぱい伝えるために♡そして、あわよくば……ふふっ……、ふふふっ……」
不敵な笑みを浮かべるアルフィ様。うん、薄々気づいてはいたけど、やっぱりそういうつもりだったのね。本当、アルフィ様はまだ幼いはずなのにどれだけエッチな人なのだろうか……。
「今日はもうしませんからね、アルフィ様。というか、これ以上は僕の身体が持ちませんので」
「か、回復魔法ならいくらでも……」
「ダメです」
「えぇ、そんなぁ……」
そんな感じで、少ししんみりしかけたが、概ね賑やかなバスタイムは過ぎていったのだった。ユーアさんとも、そしてアルフィ様とも、さらに仲良くなれた気がするな。裸の付き合いって本当よく言ったものだよな。そう思った。
**
浴室の扉をじっと見つめる者がいた。
「……良いなぁ、アルフィさんもユーアさんも……」
そうポツリと呟かれた言葉は、しかし浴室の中にいる者たちにはきこえない。その呟きを聞き取れるのは、呟いた本人だけ。
「もっと積極的にならなきゃダメなのに……」
脱衣所と浴室を隔てる扉へと足を伸ばしかけ、途中で踏みとどまってしまう。あの扉の奥に広がる夢の空間へと近づこうとしても、最後の勇気が振り絞れないようだった。
だが、扉の奥からは二人の女子の艶やかな声が鮮明に聞こえてくる。その声を聞いていると、無性にむずむずするような、よく分からない気持ちにさせられてしまうようだった。
扉の前に佇む存在は、訳も分からず自身の太腿を擦り合わせてしまっていた。ただし、扉の奥から聞こえてくる嬌声に掻き消され、微かに響くくちゅっ、くちゅっという水音は聞こえていなかったみたいだが……。
「……戻ろう、お部屋に」
これ以上この場所にいても結局勇気が持てずにそのよく分からない気持ちをひたすらに掻き立てられてしまうだけだと理解したのか、その者は踵を返して脱衣所を後にし、おぼつかない足取りで自身の部屋に戻っていってしまった。