光銃閃姫レイガンスリンガー! 〜爆乳生意気変身ヒロイン、わからせヴィランに屈服宣言!?〜 作:オリーブドラブ
――それから数日後。医療機関での処置を経て妊娠を免れた風花は、片腕にギプスを巻いている誠史と2人で、新宿の片隅にある1件の小さな事務所に足を運んでいた。
「なんですって……!? もう一度言ってみなさい、
「ちょ、ちょっと風花君、落ち着いてくれ!
「荻田さんは引っ込んでてくださいっ!」
だが、改めて彼と対面してから僅か数分で、事務所内は一気に険悪な空気に包まれてしまった。
事件解決に協力した民間人への謝礼、という名目を完全に無視している風花は、誠史の注意にも耳を貸さずに眼前の男を睨み付けている。
「なんだ、聞こえなかったのかフー坊。……今のスーツじゃこれ以上強くなれない。ましてや俺達を超えることなんざ、この先あり得ない。そう言ったまでなんだが?」
「お祖父様が作ったRAY-GUN-SLINGERのスーツは完璧なんです! 人工知能に頼らなきゃ何にもできないROBOLGER-Xなんかに勝てないなんて、それこそあり得ませんっ!」
艶やかな黒髪を靡かせる、端正な目鼻立ち。すらりとした長い脚。炎柄の革ジャンと、それを羽織る筋骨逞しい肉体。その姿は、外見以上の力強さを漂わせているのだが。
そんな火弾竜吾を前にしても、145cmと小柄な風花は一歩も引く気配を見せず、真っ向から鋭い眼光を注いでいる。だが、殺気にも近しい敵意を浴びせられていながら、当の竜吾自身は全く意に介していない様子で、コーヒーを嗜みながら朝刊に視線を落としていた。
「そうかい。フー坊みてぇな優しい孫娘に恵まれて、辻沢博士もさぞご満悦だろうよ」
「皮肉ですか……!? というか、そのあからさまに子供扱いしてるような呼び方、やめてもらえませんかっ!」
「ようなも何も、実際ガキだろお前は」
「す、済まない竜吾。本当なら今回の件で、警察側としてしっかりと謝礼したいところなんだが……」
「気苦労ばかりなのは高校時代から変わらんな、
「2人して、なんなんですかさっきから! 人を厄介な子供みたいにっ!」
「フー坊」というあだ名にぷりぷりと怒る風花を他所に、思わぬ形で旧友との再会を果たした誠史は、ギプスを巻いている腕をさすりながら苦笑を浮かべている。
そんな同級生の様子を暫し見つめた後、じろりと風花を一瞥した竜吾は、深々とため息をつくのだった。
「……厄介なガキに決まってんだろうが。今回のマフィア摘発の案件、俺達が介入しなかったら今頃どうなってたと思っていやがる」
「ぐっ……」
事実。竜吾とロブの介入がなければ、風花達はあの窮地を乗り切ることはできなかっただろう。
誠史はボスの部下達になぶり殺されていたかも知れないし、風花は間違いなくマフィアの慰み者にされていた。
「……」
下腹部に手を当てる風花の胎内はまだ、あの夜に絶え間なく注ぎ込まれた白濁の熱さと快感を覚えている。降り切った子宮が、粘ついた濃い精液に満たされる悦び。その余韻が、残っている。
それを意識すると同時に、彼女は乱れ狂っていた自分の痴態を思い出してしまい、羞恥に頬を染めていた。
「んっ……♥」
ベージュの制服に隠された桜色の乳首は、呼び起こされた快楽の記憶によって淫らにそそり立ち。Tバック状のデバイスに覆われた秘部からは、甘美な香りを放つ愛液が滴っている。
その雫が白い太腿を伝っていく感覚が、さらに風花を辱めていた。
生まれつき母乳が出やすい体質であるがゆえに、幾度となく乳首にむしゃぶりつかれ、授乳させられていたこと。何度も
それ以上に――自分の身体がその責めに「悦び」を覚えていることが、耐え難い恥辱となっているのだ。
「確かにスジは良いんだろうよ。実際、お前が奴らのボスに嵌められて捕まるまでは、制圧も順調だったらしいからな。……詰めの甘さも、歳を考えりゃあ不思議なことじゃない」
「……」
「だが……結果としてお前らは負けたんだ。装備を運用する者の意識や技量だけが課題なら、訓練と経験次第でどうとでもなるが……装備にも問題があるなら。そこを改善しない限り、これ以上強くはなれない。そして、それに気付けるチャンスが何度も訪れてくれるほど、実戦は甘かねぇんだよ」
「……っ」
どうにか言い返したいが、上手く言葉が出てこない。そんな風花の表情からその胸中を察する竜吾は、眼を細めて問いかける。
「……フー坊。お前、なんで歳の割に自分がそんなにチビなのか……考えたことあるか?」
「えっ? そ、そんなの体質に決まってるじゃないですか。お母様だって成人女性としては小柄なんです、不思議なことじゃありません」
「なるほどな。……だが俺は、別の理由もあると考えてる」
「……?」
「一つ、面白いことを教えてやろうか。ロブを装着した状態の俺……ROBOLGER-Xだが。実はRAY-GUN-SLINGERのスーツを着た時のフー坊とは、体重差がほとんどないんだぜ」
「えっ……!?」
「そ、そうなのかっ!?」
「言うまでもないが、生身の俺とフー坊にはかなりの体重差がある。……どういうことか、もう分かるな?」
RAY-GUN-SLINGERとROBOLGER-Xには、体重差がほとんどない。つまり、それだけRAY-GUN-SLINGERのスーツが「重い」ということを意味している。
未成熟な身体にそんな重装備を使わせていることへのリスクが、今の風花の身長に顕れているというのだ。
「それが、私が小さい原因……? でも、そうだから何だって言うんですか!」
「そんなことになるほど、RAY-GUN-SLINGERのスーツ自体がお前の身体に過剰な負荷を与えてるってことだ。そのことには、開発者の辻沢博士も気付いちゃいなかった。……装着者の肉体に配慮していないスーツでは、どんなに本人が努力したって限界が来ちまうのさ」
現実に起きている影響としては、今のところ「風花の身長が伸び悩んでいる」という程度のものであり、命に関わるようなレベルではない。
だが竜吾は影響そのものより、孫娘を溺愛しているはずの辻沢博士が、その愛情故に「辻沢風花」という「1人の少女」に掛かるリスクを見落としていることを危惧しているのだ。
100%の善意は、時として悪意よりも強烈な損害を齎すことがある。今の辻沢家には、そうなり得る危うさがあるのだと。
「辻沢博士が開発したスーツは、確かにかなりの性能だ。フー坊のためを思って、心血を注いで造り上げたんだろう。……だが、彼はお前を最強のヒーローにしたかったばかりに……致命的なミスを犯した」
「……何が、言いたいんですか」
「強さに拘るあまりに、お前という1人の人間を見ていなかったのさ。圧倒的な火力と機動性……そんな数値上のスペックだけに気を取られたせいで、それを着る人間の負担ってものを考えちゃいなかった」
「お祖父様のスーツを……侮辱するつもりですかっ!」
「そう思いたきゃ、そう思え。……成長期にあんなスーツを何年も着せられ、訓練させられたせいで発育に支障を来している。その当事者であるお前自身が何も思わないのであれば……それが全てだからな」
「いい気になって勝手なことをっ……! 私達は大紋博士の研究を超えるために、家族一丸となってあのスーツを完成させたんです! 大紋博士の助手だったあなたの指図なんて、受けるつもりはありませんっ!」
だが。大紋豊国と、彼が開発したROBOLGER-Xに勝ちたいという一心で、ひたむきに研究に打ち込んでいた祖父の背を知っている風花は。竜吾の忠告を受けてもなお、何一つとして聞き入れようとはしない。
そんな彼女の頑固さに、小さく息を吐いた竜吾は――彼女の傍らに立つ誠史の片腕を見遣ると。敢えて、冷淡に突き放すような声色で呟くのだった。
「……あっそう。じゃあ次も呆気なく捕まって、誠史に面倒見てもらえ。今度は誠史も、ボコられる程度じゃ済まないかもな」
「なんですってっ……!」
「お前は辻沢博士のスーツを使って活躍して、正義のスーパーヒロインなどと持ち上げられて……一体どうしたかったんだ? ただ名前を売りたいだけなら、もっと楽で安全なやり方だってある。……RAY-GUN-SLINGERの存在意義ってのは、なんなんだ?」
「決まっています! お祖父様の方が大紋博士よりも優れていることを世に証明して、その名を世界に轟かせるためですっ!」
「……なら今のままじゃあ、そいつは叶いそうにねぇな。機甲電人を保有してるわけでもないマフィア相手に遅れを取るようじゃあ、俺達には一生掛かっても敵わねぇよ」
「……っ!」
辻沢家の願いを全うしようとする風花の生き方も、決して間違いではない。だが、今のままでは彼女自身の望みは叶えられないのだ。
それに。自分が意地を張れば張るほど誠史が傷付くのだということを強調されて、なおも我を通せるほど彼女も非情ではない。辻沢家の歪みを正せるのは、そんな優しい心を残している風花しかいないのである。
(悔しい……悔しい悔しい悔しいっ! こんな人にいいように言われて、何も言い返せないなんてっ! こうなったら、こうなったらっ……!)
そんな竜吾の配慮に触れて、何もかも見透かされているように感じた風花は、唇を噛み締め拳を握り締める。反論など、出来るはずもなかった。
それでも、素直に受け入れることだけは出来なくて。
しかしながら、無視するわけにもいかなくて。
(あぁ……もうっ!)
そんな逡巡の果てに、顔を上げた風花は――やがて、高らかに宣言する。
「……やってやりますよ」
「ん?」
「じゃあ私がやってやりますよ! 私の成長を阻害しない新しいRAY-GUN-SLINGERを……真に最強たるスーツを、この私自身の手で創り出して見せますよっ! お祖父様こそが正しいのだということを、辻沢家の力で証明してご覧に入れましょうっ!」
「ほう……?」
「言っておきますけど! あなたの指図でそう決めたわけじゃありませんからね! 前々からなんだか重いなーって思ってたところなんですから! 今後もあなたの助言を乞うつもりなんて一切ありませんからっ!」
それが竜吾のアドバイスに対する、彼女なりの精一杯の誠意であった。
辻沢博士のためだけではなく、苦楽を共にして来た誠史をはじめとする、仲間達のために新しいスーツを創り出す。それが、頭打ちになりつつあるRAY-GUN-SLINGERの強さに、革新を齎すのだと信じて。
「さぁ、もう行きますよ荻田さん! これから忙しくなるんですから、もたもたしてはいられませんっ!」
「あ、ちょ、ちょっと風花君っ! ……す、済まない竜吾! 謝礼金はまた次の日に持ってくるからっ! 今回は本当に、本当にありがとうなっ!」
その結論に辿り着いた風花は、こうしてはいられないとばかりに誠史の手を引き、足早に事務所から出て行ってしまう。
そんな彼女に振り回されながらも、旧友に感謝の念を告げる誠史を見送り――竜吾は独り、微笑を浮かべるのだった。
「……さて」
その後、引き出しから1枚の手紙を取り出した彼は。神妙な面持ちで、差出人の欄を見遣る。
そこには、「
「この東京の平和は任せるぜ、フー坊。……俺達はもう、生きて帰って来れるかも分からねえんだから」
異世界を舞台とする、「魔人」との戦い。そんな未曾有の事件に関わることになった以上、「万一」のことも考えておかねばならない。
自分達が遠い地で斃れた後の、東京を憂う竜吾にとっては。あの無鉄砲で問題だらけな変身ヒロインこそが、最後の希望なのだから――。
◇
それから約3年後の、2124年には。RAY-GUN-SLINGERのスーツは弱点の克服や装甲の軽量化など、様々な改良を経て――「
そのマイナーチェンジに伴い、身体に掛かる負荷が格段に軽減された風花は、別人のような長身のクールビューティーへと成長したのだが。風の噂によると、詰めの甘さは相変わらずなのだという――。
最後まで読み進めて頂き、誠にありがとうございます! 今回はちょっとした外伝エピソードとなりました。
本編のラストではめちゃくちゃ身長が伸びた風花が登場しており、今回はその場面を補完する目的もありまして。全年齢向けの方で掲載している「グリット・スクワッド! 〜超人ヒーロー達が、元社長令嬢の私を異世界ごと救いに来ました〜」とのミッシングリンクも兼ねて、久々に彼女の姿を書かせて頂きましたー(´-ω-`)
本編のあとがきでも触れた通り、本作につきましては、全年齢向けの方で掲載中の「グリット・スクワッド!」と世界観を共有しておりまして。本作はいわば、そのスピンオフのような位置付けの作品ということになります。
「グリット・スクワッド!」の方には、今回風花に色々とお説教していた、ロボルガー・クロスこと火弾竜吾が主人公を務めているエピソードもあったりします。機会がありましたら、そちらもどうぞよしなに(´ω`)
いずれ再び、読者の皆様とお会いできれば幸いであります。来週には風花が完堕ちするIFルートもお届けしますので、どうぞ最後までお楽しみに。ではではっ、失礼致しました!٩( 'ω' )و