※この作品はR-18です。

FGO 第四特異点 仙界魔霧都市ロンドン   作:吉貝 雷

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パラケルススは割りと好きですが、良い位置に居たので。


第五節 廃神 3/3

「あいにくですが、間に合っております。それに毒耐性には自信がありますので」

 

「この毒?確かにこの魔霧は一般人には毒かもしれませんが、貴女が言及するほどの毒性はないでしょう。

そうですね、この霧を乗っ取った裏切り者の討伐までの同盟というのはどうですか」

 

「何を言っている。この阿片の霧はサーヴァントが堕ちかねない程の猛毒だろう」

 

「その通りです。裏切り者を討伐し、この魔霧を奪還するために

霧を広げなければなりません」

 

「何を言っている?」

 

まるで酔っ払いの戯れ言だ。

乗っ取られた霧で、どう黄錦龍を倒すというのか。

 

「計画は順調です。ロンドンだけは焼却から守りきれました。ここを足掛かりにカルデアと協力して、人類史を取り戻しましょう、マスター」

 

そういった男の体からボロボロと霊子が崩れて、落ちていく。

 

霧散するはずの霊子は消えることなく、べっとりとコールタールのように粘性のある水溜まりになり、そこから、ぬるりと廃神が誕生した。

 

「どうですか、魔神よ、既に我々はイギリス全てを取り戻した。今さら阻止に来たところでもう遅いですよ。イギリスの守りは万全。一柱と数人の裏切り者でここまで潜り込んだのは見事ですが、ここまでです。キャスターと工房で戦うことの愚かさを教えて差し上げましょう」

 

「おいおい、キャスターに利くのかよ。まあ、元々首謀者が変わっただけで敵だったみてえだけどな」

 

霧がより深くなり、閑散としたロンドンに影だけの市民が溢れかえる。

霧の中から存在しない市民の、失われた日常を謳歌する声が聞こえる。

 

我が家で一緒にアフタヌーンティーしましょ、もう一匹買うからまけてくれない?鐘が三回鳴ったらここに戻ってらっしゃい、今夜飲んでかないか、三番通りの幽霊の話知ってるか?今回のオペラ凄く面白かったわね

 

「これは......」

これはきっと、何も起こらなかったロンドン。

失われた時代の続き。

だが、それは魔霧の生み出された妄想に過ぎない。

 

「夢見てんのがサーヴァント相手だと、斬り応えも有って面倒なこと言奴もいなくていいな!やれるな?」

「勿論だっ!」

「アサシンは俺の獲物だからな!何度も何度も逃げやがって、今度こそ仕留めてやるっ」

そういって、モードレッドはホムンクルスを踏みつけて、アサシンの元に跳んでいく。

 

キャスターだったものが魔霧を吸い込み、大量のホムンクルスを吐き出していく。

その中に一機、大型の機械が混ざっており、中には作業着の男が乗っている。

 

静謐のハサンと戦闘のために呼び出したサーヴァントにホムンクルスを任せて、元キャスターと機械に対峙する。

 

「キャスター、阿頼耶に英雄として選ばれながら、阿片などに囚われるとは軟弱な。叩き起こしてやるから、このロンドンで起きていることを洗いざらい話して貰うぞ」

「我々は貴方方になど屈しない!人類を滅ぼさせなどしない!」

 

四四八さん、マシュ、マルタさんに指示を出す。

機械は大きさこそ違うものの、動きは今まで戦ってきた機械と変わりなかった。

それに対して、元キャスターは霧から多彩な元素魔術を発生させてくる難敵だ。

詠唱の声は聞こえるあたり、自身の持つイメージからは逸脱する事は出来ないのかもしれないが、それでも触媒を無視してとんでくるだけで充分理不尽だ。

恐らくこれは、サーヴァントとして力の再現なのだろう。

となると、元素から離れた印象の機械に乗っているのはマスターか仲間"B"か。

 

3人に指示を出しつつ、考えていると違和感を覚える。

「サーヴァントの力を使っているなら、宝具は何だ?魔力は幾らでも手に入る状況でそれらしいものが無いぞ」

そう私が口に出して分析していると、元キャスターの動きが止まる。

「止まった?皆、宝具を!」

三方向から宝具が放たれる。

「宝......具?何故私は聖杯の魔力を得ながら宝具を使わなかった、いや宝具も触媒もマスターを逃がすのに全て使い果たした 

。逃がす?万全の今?ちがう違います、私は!」

 

霧の中の平和なロンドンが消えていく。

キャスターだったものは霊子に分解されながら、初めて私たちに向かって言葉を発する。

 

「不甲斐ない姿をお見せしました、カルデアのマスター。私はパラケルスス・ホーエンハイム、特異点側のサーヴァントです。現在、この特異点は魔霧に召喚されたルーラーに乗っ取られています。元々の特異点陣営はマスターのマキリ・ゾォルケン、協力者のチャールズ・バベッジとキャスターの私です。

マキリは今、時計塔に居るでしょう。信じろとは言いませんが、接触するつもりであれば、期限は2日です。

私が消える以上、マキリに掛けた護りはその辺りで消えます。

では、私に言える言葉ではないですが、人理を頼みました」

 

最期の言葉を発すると、最期の一粒が舞って消えた。

 

「まったく。言い逃げするなんて」

「嘘は......言っていないかと。そんな気がします」

 

『うーん、根拠が無い以上外れていて欲しいけど、英霊の勘は予知に近いからなあ』

 

「そうだ、モードレッドは!?」

「なんだよ、そっちも終わっちまったのか。あーっ!消化不良だー!」

 

 




黄錦龍のバレンタイン礼装は阿片に違いない(゚∀。)y─┛~~
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