気づいてよかったっ
「さあ、観念やがれ酔っ払い!」
モードレッドが剣の先を
聖杯は戦闘中に静謐のハサンが回収してくれた。
マキリも霧に紛れて、近くまで来ているようだ。
いよいよ
「悲しいなあ。どうして、そう、辛い道に行こうとする。なりたいように、したいようにすれば良いじゃないか。世界は俺が救ってやろう」
奴は相変わらず一人で勝手なことを言っている。
奴の関心が私に向いているのをみたのか、魔神柱が天井まで高く太く聳え立った。
まさか、こんなものとの共闘などする日がくるとは。
現れた異形に奴は距離感の感じぬ声で独り善がりに呟いた。
「愛い愛い、そんなに主人が消えて寂しいか。人類を救うのはよいが、その方法は皆が幸せになれない。俺が代わりに救ってやろう、心配するな、お前たちにも夢は見れる」
私はサーヴァント達へのブーストのために時間稼ぎに関心を引き戻す。
「救う?滅ぼすの間違いだろう!」
「そんなに怒るな。救われてくれよ、我が父のように、母のように......。娘よ......」
「気味の悪い関係を勝手に作るな」
「お前はどうして夢の中でも苦しもうとするんだ。もっと痴れておくれ」
「お前は幸せになるべきだ」
奴が虚空に手を伸ばした。
「がッーーーー」
突然自身に訪れた強烈な快感に思わず悲鳴をあげる。
まるで脳と心臓を直接鷲掴みされたような、おぞましい快楽中枢の暴走は、私を夢幻の彼方へ呑み込もうとする。
こんなものに個人の自我など意味を成さない。秒瞬も待たずに誰もは汚怪な触手と化し、夢に痴れるだろう。
痴れて痴れて、そしてまどろみ揺蕩うだけの未来に堕ちる。
「先輩っ!」
『マシュ、石神ちゃんの指示無しで戦えるっ?』
「やりますっ」
ぐわんぐわんとぼやける意識の中でそんな声を聞いた。
Battle▶▶▶▶▷
スキル[酩酔体質EX][盧生(仙)EX][協力強制(夢)A]
宝具『
常時「酩酔者」対粛清防御(解除不可)、状態異常無効(解除不可)
開始「霊基焼却」15000ダメージ、火傷付与
「羽化登仙」マスタースキル使用不可(1ターン)
宝具発動でバトル終了
Finish▶▶▶▶▶
「そんなっ、届かない!?」
『計算はあってるはずだっ。僕らは何を見逃した?』
途中で正気を取り戻したが、作戦は失敗した。
絶望の中、後ろから聞き覚えがないのに既視感のある声が聞こえる。
「まぁた、懲りもせず見事に嵌まってるわねぇ」
「誰だ!」
振り向くとそこには口元を歪めた美少女と化け狐がいた。
「みこっ!?なーんか、失礼なこと考えませんでしたっ?これでも、主人公の危機に駆けつけた過去の英雄、ってかんじなんですけどもっ」
「あんた、ロンドンバカンスとか言ってたじゃない」
「なに、チクってくれてんですか、しっぽ並みの悪女!」
「口に出す間抜けが悪いのよ」
「きぃぃっ」
「あの、あなた達は?」
「キャスター、玉藻の前ですっ。んー、イケ魂力は悪くはないんですけど、ちょっと桃色メルヘンなのがマイナスですね」
「キャスター、
『良かった、話は通じそうだ』
「おい、石神。カルデアのハードル下がりきってないか」
「
さっさと認めなさい。
ーーアンタが
その言葉に私は固まる。
「先輩っ!?」
「私が......願った......?」
まさか。
ーー皆様の中に内通者がおりますよ!
「柊、四四八が......
「はい、正解。良かったわね、いい夢みれて」
次回、一週間休載して5/2に投稿予定