「うげっ、えんがちょ、えんがちょっ。それ、近づけないで下さいまし」
巫女服のキャスターがそそくさと後退りして南天から距離を取った。
『えっ......。はっ......?』
「言ったでしょう、黄錦龍の元眷属にしてサーヴァントだって。あいつの影響にある聖杯なんてどうとでもなるのよ。
そっちの柊四四八のことはよく知っているでしょうし、まずは
柊四四八オタクのあんたなら聞くでしょう?」
そう言った彼女は彼女の世界で起きた甘粕事件、そして別の歴史での黄錦龍と石神静乃の戦いを語りだした。
にわかには信じがたい話だったが、思いもよらぬところから彼女の話が裏付けられることになる。
「悲しいなぁ......、俺はお前を救えなかったのか。何故、英雄というのは皆に苦しい世界で生きろと強いるんだ。そうか、そうか。だからお前はここに来たのだな。いいぞ、今度こそ好きな夢を見るといい。
俺は皆が幸せになれば良いと心の底から願っている。
ああ、俺はそうすれば良いのか」
「黄錦龍っ!?」
黄錦龍の姿が消え、代わりに空中に城と地上から続く階段が現れた。
『なんか城が出てきたんだけど、話に出た崑崙宮殿かい?
盧生って出鱈目だなあ。神代ならそりゃ地球の歴史を覗ける人物ぐらい居たけど、現代で実現しているんだろう?
よく魔術師に知られていなかったよね』
「えっ?私が時計塔で読んだ書物は盧生についても触れていたんだが」
私がそういうと、南天は急に冷めた表情になる。
「あー、はいはい。そういうこと。こっちも引っ掻き回されてるのね。結末が見えたし、目的がなければ帰りたいわ。目的がなきゃそもそも喚ばれてやらないけど。
ほら、充分耽れたでしょう、石神静乃。さっさと英雄四四八を喚ぶわよ。城があろうと戦闘面で黄錦龍が最弱な以上、あいつを殺すのに大した影響はないわ。
協力強制も人理が消し炭になったおかげでロンドン一つで頭打ち。唯一の取り柄の数が制限されているんだから、さっさと倒しましょう」
そういわれて、私は南天を見る。
『本物の柊四四八を喚ぶって言ったけど、朔とか言う日でなくてもできるのかい』
「充分状況は揃っているんだから、出来るわ。
あんたがこっちにいたら余計な戦闘が増えてそうね。
ほら、石神静乃。さっさと召喚なさい」
『触媒になりそうなものを持っているのかい?』
「さっきの夢の残骸と黄錦龍だけで充分でしょう」
緋衣南天に言われるがままに召喚陣を起動する。
そこにあらわれたのは。
「あー。ルーラー、柊四四八だ。盧生を返上した身ではあるが助力に参った」
「おおっ、まさにイケ魂。生きていれば、ベストマスターですのにっ」
次作はゆるい感じの日常系を月間ぐらいでやりたい(゚∀。)y─┛~~
次回、5/16 0:00予定