ファン特有の呼称やスラングがありますので、ご了承ください。
なお、本作品はコロナウイルス感染症が収束した時系列を前提にしています。
深夜。
いや、深夜というにしてももうすぐ朝になろうとしている。遠くから朝刊を届ける新聞配達の自転車のブレーキ音が聞こえてくる。
それでもまだ日の出はまだずっと後だ。
灯りを落とした暗い室内に、スマホの灯りが女性の顔を照らしている。
スマホの灯りでも伝わる白磁のごとき白い肌に、端正な目鼻、そして彼女自身も自慢のプクッとした小さな唇と、無防備に開いたその唇から、歯並びのよい白い歯が並んでいる。
ベッドに横になりながら片手でスマホをフリックしていく彼女が見ているのはmiscordのアプリケーション。
彼女のファンの為の、有料オンラインサロンのチャットルームである。
彼女は動画投稿サイトのMetubeでVirtual Metuberとして活躍する、いわゆるVtuber。
メイドカフェ“ますかれーど”で勤務するメイドさん、というコンセプトで、
愛称は“もかたん”。
寝る前に、Switterでエゴサして片っ端からファボを付けていき、ファボ規制がかかったらmiscordを開いてこのチャットルームのログを読んだり、“ご主人様”“おまえもか”の名で呼ばれるファンと交流したりする、というのが彼女がVtuberになってからの日課になっている。
○○○:もかたんペロペロしたい
□□□:もかたんエロすぎ
△△△:今日ももかたんで5回ヌいたわ
世間でそんな会話を目にすれば、目くじらを立ててセクハラを訴えてきそうな単語が羅列されている。
『……ホンット、ご主人様達、エッチなこと好きすぎだろ~www』
ニヒヒと笑いながら、そんな猥談を読み進めていく。
彼女にとっては、自分が性の対象として見られていることに嫌悪感はない。
むしろりすら感じている。
無意識のうちに空いたほうの手が股ぐらへと伸ばされ、
『……んっ……もう……そんなにもかたんとエッチなこと……したい?……そんなこと……んっ…言われたらっ、はぅん……私もっ、んんっ…我慢、出来なくなってきちゃう……』
あっという間に濡れそぼった秘裂に指を這わせ、溢れてくる蜜を絡めとり、それをクリトリスへと擦り付ける。
『…!…くっ……ぅん!!ダメぇ……マロンちゃん気持ち良すぎ……気持ち良すぎるっ、よぉ……』
おまえもか達の
擦り付け、時に指で摘まみ、強く押し……。
ほぼ日課にもなっているクリトリスによる自慰行為のせいで、もかの感度はとても敏感になっている。
絶頂に達する速さには自信がある。
むしろ、もっと速く達することを目標にしてすらいる。
そんなもかにとって、絶頂に達するのは簡単なことだった。
『ああっ、もうダメっ!もかたんっ!皆のエッチな話、読みながら、イッちゃう……イッちゃうよぉ!!』
もかの下腹部からクチュクチュと水気のある音を立てている。
白く、そして細い両脚ピンッと伸ばしきり、絶頂の瞬間を目一杯受け入れる態勢である。
『もぅダメ、もう無理…もぉ無理……あっ、イッ、イッ、イッ……¢£%#&□△◆■!!!』
伸ばされた脚がビクッビクッと痙攣する。
『はぁ、はぁ……』
絶頂に達した余韻に浸りながら、更にログを読み進める。
と、その手がある一文で止まった。
×××:そろそろ、おまえもかでオフ会やってもいい頃なんじゃないかな?
△□×:あー、いいね!世の中もだいぶ落ち着いてきたしな!
□○○:賛成!なら、日時と場所を決めようぜ!
幾度となくやり取りされた、オフ会の計画。
今までは、感染症の流行のせいでただの妄想垂れ流しでしかなかったが、ワクチンも開発されてほぼ収束しており、世間の自粛ムードが一転してきていた。
そんな背景もあって、おまえもか達は今まで我慢していた計画を、ついに実行に移すべく、着々と計画を練っていく。
推しであるはずの、もか自身の目の届くところで、彼女を差し置いて。
『もう……皆、ずるいよ。もかたんも…私もいきたいよ。私も参加したいのに!』
しかし、悲しいかな彼女はVtuberである身。
サロン内限定で行われる実写配信では、自分自身の姿で登場し、Metubeではできないような内容を配信しているが、それでも顔は映されない。
そもそも、オフ会に参加する、などと言ったら、管理者であるところの支配人が許さないだろう。
それでも、オフ会に参加したい。
いつも画面越しで、名前でしか見てこなかったおまえもか達と、直に交流したい。
そんな欲求は、チャットルームで進められていく計画に比例して、大きくなっていく。
そしてもかは決断する。
偽名のアカウントを作り、乙女様(女性のファンの呼称)として、オフ会に潜入することに決めたのだった。
声色変えれば問題ないはずだ。
大丈夫大丈夫。バレない。絶対に、絶対にバレない。バレる訳がない。
そんな、根拠のない自信を抱きつつ、オフ会へと想いを馳せるもかだった。
とりあえず、お試しで上げてみます。
次はオフ会シーンが書ければいいなって。
ちなみにこの第1話、フィクションのつもりで書いていたのですが、本人の発言によりほぼ実話だということが判明しました。
ノンフィクションになってしまった……。
たぶん、次回以降はフィクションだと思います。
フィクションであって欲しいですw