ガルパの世界で犯して堕としてハーレムレイプパーティ! 作:黒マメファナ
俺は、もうすぐ十八年の生涯を終え、死んでしまうらしい。医師から告げられた時間は僅か半年という短すぎる余命だった。病死か、健康に気を遣っていたはずなのに何がいけなかったんだろうか。何を間違えたのだろうか。
「……ガルパでもやるか」
スマホゲームにのめりこんだせいでやや運動不足だったからだろうか? いやそれでも前に言った通り健康には気を遣っていた。バイトのしすぎ? 確かに課金するために散々にバイトはしたがそれでも徹夜とかはしなかったのにな。
──あの日出逢ってからずっと、画面の中で微笑む彼女たち、ガルパのキャラクターたちは半年で死んでしまうと告げられた俺に対しても変わらず、画面にいる俺に日常を繰り広げていく。
「あーあ、まさか俺の人生の方が先にサ終するとはなぁ……まぁ、でもガルパがサ終するよりかはマシかな?」
自分でも引いてしまいそうな発想ではあるが、ハマって、たくさんの出逢いをもたらしてくれたゲームの方が寿命は短い。当然俺は取り残される運命にある。だったらいっそ、俺が先の方がすっきりする。くだらない感傷を抱きながら俺は、ブーストを全て消費してから眠りにつくことにした。
「──目覚めるのだ」
「は……っと?」
時間の感覚はない。けれど、俺が次に目覚めたのは見慣れた家だった。ガルパの聖地がすぐ近くにあるということがすごく嬉しかった、一年ほど前に引っ越した家族で住む我が家。そこで俺は何故か目覚めていた。そして目の前には、筋骨隆々の大男が立っていた。
「うおわっ!? なに? なんなの? なにオッサン!?」
「目覚めたか、
「あ、あんた……誰、ってか俺は、病院で眠っていたはずじゃ」
「我は雄大、お前の意識だけを、覚醒させて話しかけている」
「意識ってことは……夢、みたいなものか」
左様、と古めかしいしゃべりかたで頷く身長二メートルほどの男。あのジブリの名作キャラ、トトロと同じと言えば聞こえはいいが男であると威圧感がすごい。つか肩幅も腕もものすごいんだけどこのオッサン。なのに半裸だから余計に怖いっての。なんで俺は死ぬって知った夜にこんな夢を見てんだよ。自宅ってのはわかる、めちゃくちゃよくわかる。俺にとってここは夢の始まりだからな。バンドリ沼にハマり、リリース当初から始めている身としてはここで始まる聖地巡礼という名の散歩がなによりの楽しみだったんだからな。
──だけどな? なんで、語りかけてくるのが筋骨隆々の男なんだよ! 俺はホモじゃあねぇぞ!?
「男色であったなら、困るのだがな……」
「違います、断じて否ですけど」
「ならば、良し」
いや良し、じゃねぇよ。この夢はなんだ、明晰夢ならある程度は思い通りになるもんじゃないのか。すると、大男は首を横に振って否定を示した。明晰夢にあらず、らしい。じゃあこれは?
「お前の、健全な魂は、今病魔に犯されている」
「……健全かどうかは知らんけど、医者も匙を投げる奇病なんだよ。身体中に広がってって、半年くらいだろうって」
「──是」
「ぜ、ってああ肯定ね」
「故に、我がこうしてお前の魂に語り掛けている……雄大よ」
「おう」
そこで大男は息を吸った。目を閉じ、そして、ゆっくりと開き突如として大きな声を出した。
──それはまるで、魂に、そう魂に響くくらいの強く、そして逞しいまでの活力に満ち溢れた声だった。
「──生きたいかっ!」
「っ!」
「己の生に心残りはないか! 悔いはないか! 若くして閉ざして良い命か!」
「……違う」
「ならば、声を張れい雄大! 己の魂の叫びを、我に聞かせよ!」
「──生きてぇよ! 生きて、少なくとも父ちゃんや母ちゃんよりも長生きして、たくさん愛してくれたことに報いてぇ!」
そうだ、俺は勝手にゲームなら残されるものじゃないとか決めてたけど、俺にはまだ両親がいる。兄弟がいる。残して悲しむ人も、まだ恩と愛に報い切れてない人たちがいる。生きれるのなら、そんな人たちに安心して逝ってもらいたい! こんなところで、悲しんでほしくない!
「良く言ったぁ! ならば、我がその望みを叶えよう!」
「え……できんのか?」
「我は、数多居る神がひと柱……厄災を撃滅するものなり!」
「……かっけぇ」
なるほど、だから筋骨隆々なのね。納得。厄災を撃滅する、そういう神話を持った神様はいっぱいいるけど、このヒトは荒れ狂う嵐のような、そして海のような強さを感じた。なら、名前はなんて言うんだと問いかけてみる。
「……言えぬ」
「なぜ?」
「お前に巣食う病魔に、名前を知られるわけにはゆかぬ」
「え、すぐにぱーっと滅せないの?」
「是」
ぜ、ですか。いなってしてほしかった。どうやらこのビッグな神様がおっしゃることには、俺の身体を侵そうとしている病魔はとんでもない瘴気らしい。うっかり名前を口にするということは身体を明け渡すようなものだと語ってくれた。そして、神様が一人でに祓ってくれるわけでもないらしい。
「雄大、お前の協力が必須よ」
「……じゃあなにすりゃいい」
「生命だ」
「生命? エネルギーみたいなもん?」
「是」
また、ぜか。俺の身体にいるヤツは俺から生命エネルギーを吸い上げて消費していくらしい。それを祓うには、パンクさせるのが一番早い……ってニュアンスで受け止めた。あってる?
「良し。理解できておる」
「よかった、んで? その源はどう集めるんだ?」
「欲、だ」
「よくぅ?」
欲、物欲だったり食欲だったり睡眠欲だったり、そういうものをソイツは食す。だから俺は欲を段々と失い、植物のようになって死ぬ。人間としての最低の機能すら奪われ、息絶える。それが半年後ということらしい。え、めちゃくちゃヤバいよ俺?
「その欲! 手っ取り早く集めるには!?」
「色欲を持って、相手の色欲を吸収するのだ」
「はぁぁぁああ!? 何言ってるんですかこのバ神様!?」
要はセックスですよ奥さん。このオッサン、真顔で、いや至って真剣な表情でセックスしてこいって言いましたよ? バカなの? 俺童貞なんだよね、恋人いないし女子と関係持ったこともないし! 手、手すら繋いだことないんだぞこんちくしょう!
「高潔、高貴、だが欲を余す。そう言ったものを病魔は好む」
「──つまり魂自体はイケメンだけどこの年まで童貞だから半年で死ぬと」
「然り」
然り、じゃねぇよ! 日本の統計見てみろ! 確か十八の男子だと童貞の方が割合高いからな!? そう反論すると元来は英雄、色を好む気質あり、らしい。無欲な英雄だって世界の神話、物語にはおるだろうが!
「それらは、非業の死を遂げる」
「確かにね!」
「お前は、どっちに成りたいか? このまま死ぬ非業の英雄か、否か」
「否でお願いします!」
結局丸め込まれてしまったけれど、俺がセックスとか無理だよ? ご都合主義な世界じゃないと、第一俺半年間隔離だから看護婦さん、しかもかわいくないとセックスするの? それはそれでナシなんだけど。
「故に、意識を覚醒させて呼び出したのだ」
「ん? つまり?」
「──お前の意識の世界で、お前の望む相手の色欲を」
「ほう……ってまて、それはだな……」
「希望があるか」
「ガルパの世界とかに、転生みたいにできちゃったりします?」
「是」
「都合よくなります?」
「無論、是」
やったぁ! 是! 是って言葉が好きになったよ神様ァ! つまり俺の意識が夢を見るように、
「然らば、触媒を……此の端末だな」
「スマホ、わかるんすか」
「我はヒトの世を地の底より見守る役割也、その程度」
すっげー、うちのばあちゃんよりデジタルに詳しいんだってよじいちゃん! 全国のお年寄りに教えてあげたいよね、歳だからって言っても日本列島が出来立てほやほやの頃から存在してる神様の方がデジタル対応してるんだって!
「目を閉じよ」
「お、おす!」
「刻限は病魔に身体が蝕まれる半年、それまでに、病魔を滅するほどの欲を集めよ」
「りょうかいだ神様!」
こうして俺は眠りに落ちていく。次に目覚めた時はまた変わらない家の中だった。だが両親がおらず少し寂しかった。けれど、スマホからガルパが消えていて、試しにポピパと検索すると、リアルバンドのポピパではなく、戸山香澄たちが先日ライブをしたことを話題に上げていた。おお、ホントにだ。羽沢珈琲店があるし、弦巻邸宅がある。花咲川も羽丘も、なにもかもが存在する!
──そんな世界に転生、のようなものをしたテンションで忘れていた。己の欲するままに相手の欲を貪る。それってつまるところ、半年で何人ものガルパキャラとセックスせなあかんというところ。アカンやろ。関西弁になるくらいアカンわ!
前途多難ではあるものの、こうして睦月雄大……俺は生きるためのサバイバル(エロ)ゲーの世界に転生してしまったのだった。
――というわけで、始まりました!