※この作品はR-18です。

煌めく花壇に注ぐ汚穢   作:虫饅頭

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公式4コマ参照
蟲姦
精神崩壊
人体改造
スカトロ


深居壁花

「大変です! 壁の穴にはまってしまい…おっぱいが邪魔で抜け出せなくなってしまいました!! あっ! この前本で読んだおっぱいが小さくなるマッサージをすれば抜け出せるのでは…!?」

 

「グロリオサさん…こんな人目に付くところでそんなことをするのはお行儀が悪いですよ」

 

「キジムシロさんすみません! でも抜け出せなくて…」

 

「わたしが隠しておきますからいまのうちに…!」

 

「ありがとうございます〜!」

 

 そんな珍妙な会話が交わされてから、どれほど経っただろうか。

 

「あっ、うぅ、は、あんっ♡」

 

 春めいた陽気に包まれた庭園に、昼日中に全くもって相応しくない、甘く淫らな声が響く。

 声は何をイメージして造られたのかよく分からない立方体のオブジェ群の一つから発せられており、そこには上着と自らの体で立方体の側面、壁の一部を隠す女性がいた。

 

「わたしで隠さないと…」

 

 奇行に及びながらも、至って真面目な様子で周囲を見回す彼女はキジムシロ。ブロッサムヒルの花騎士であり、マナー講師でもある。

 彼女は今、卑猥な声の発生源を隠蔽しようと試みていた……淑女たらんと心掛けている普段の彼女を知るものが見ていたら、明らかに異常だと思っただろう。

 隠している理由も、行儀が悪いから、という訳のわからないものであるのが余計に違和感を覚えさせた筈だ。普段の彼女なら、公共の場での破廉恥行為自体を止めさせるだろうと。

 そしてキジムシロに隠されながらも、淫猥な喘ぎを撒き散らして彼女の頑張りを灰塵に帰しているのは、バナナオーシャンの花騎士、グロリオサ。彼女は壁から上半身を生やし、自身の顔とほぼ同じ大きさという非常に豊かな胸を激しく揉みしだいていた。

 愛らしい顔を紅潮させ、口端から涎を足らす彼女は、本から学んだマッサージで胸を小さくし、いつの間にか嵌まり込んでいた謎の壁から離脱しようと試みているのだ。

 しかしその行いが功を奏する訳がないのは当然ながら、おかしな事に、別の異常を誘発させていた。

 

「小さくならないっ♡ なんでっ♡ おっぱい…どんどん、あううっ♡ 大きく、パンパンになって…奥から、熱くなって…っ♡」

 

 揉んでも即座に小さくなどならないのは常識的に考えて明らかであるが、揉んだからといって急速に大きくなる事もまた有り得ない事象である。

 しかしグロリオサの豊かな乳房は、見ていて判る程の速度で膨張していた。揉んでも縮小するどころか、寧ろ揉む度に乳房は快感を生む神経を発達させながら張りを増し、あからさまな逆効果を発生させていた。服はとっくに膨張に耐え切れず引き裂けている。

 異常な肥大化がすぐ目の前で起きているキジムシロはといえば、生真面目な表情で通行人が来ないかと目配せしている。あからさまに異常を発生させている友人の乳房には意識を向けずに。

 二人の破廉恥にして珍妙不可思議な行いは暫く続いていたが、片房だけで頭五つ分程あろうという大きさに肥大した辺りからグロリオサは奇妙な焦りを見せ始める。

 

「らにこりぇっ、らめ、らめれしゅ、奥っ、おっぱいの奥から、なにか、あついのが、きちゃってぇっ」

 

 怖れるような声を出しながらも、何故か手は止まらない。逆に、乳の奥に潜む熱量を持った何かを搾り出そうとしていると思えるほどに、手の動きは激しくなっていく。

 そして数分と経たず、グロリオサの肥大化乳房は、激しく母乳を噴き出した。魔力と世界花の加護の力を多量に含み、粘液と言っていい程の粘つきを備えた母乳であった。

 

「あっ、お゛っ、ひいいいいっ!?」

 

「わぷっ!?」

 

 怒涛の勢いで噴出した友人の母乳で、キジムシロはあっという間に濡れ鼠になった。

 せわしなく周囲を見渡していたキジムシロは、途端に冷や水をかけられたように停止し、瞬きを繰り返す。

 

「ごめ、なしゃ、ああ゛あっ!? なんれ゛っ、お゛、おっぱいがっ、とまらな、ひいいいいいっ♡」

 

 目を白黒させながら謝罪するグロリオサの両手は、噴乳の衝撃で乳房から離れていたが、一度噴き出した母乳はなおもキジムシロを横殴りに濡らし続けた。

 咄嗟に乳腺を遮ろうとして自身の乳首を摘んでしまうも、乳房全体を弄ばれているような錯覚と共に脳を貫くような刺激が生じ、余計な手出しは乳の勢いを増す結果に繋がった。

 謎の膨乳はその過程に於いて乳全体に神経を発達させ、殊更敏感な部位である乳首への刺激を乳房全体への刺激と神経が誤認してしまう程にしてしまったのだ。

 

「らめ♡ とまって、とみゃっへぇぇぇぇ♡ お、おほ、ほへええええぇぇ♡」

 

 人通りが無いのが幸いというべきか、卑猥に悶え狂うグロリオサの痴態を最後まで目撃したのはキジムシロのみであった。

 噴乳していた時間は数分程。無限に母乳が産出される訳はなく、辺りを白濁の海にした所で奔流は止まる。

 噴乳は著しい快楽をグロリオサに齎し、白目を剥いてぐったりとしながらその表情は淫靡に弛んでいた。

 

「は…へ…あお…ぉ…♡」

 

 対し、全身から白濁を滴らせたキジムシロは暫し放心したまま目をぱちくりさせていたが、やがて酷く狼狽えだす。

 

「な、ん…? わたし、どうしてあんな…?」

 

 経産婦でもないグロリオサの噴乳もさる事ながら、キジムシロ自身の先程までの行動にも困惑を覚えている様子だった…当然ではあるが。

 本当の意味で正気に戻りつつあるらしいキジムシロは、一先ず自身の疑問を捨て置き、グロリオサを救助しようと壁に近付く。

 だが単なる石にしか見えない壁は、流動性を持っているかの如く震え、その動きに驚愕して手を止めたキジムシロの前で穴自体を拡張させ、グロリオサを内側へ引き摺り込んだ。

 

「待っ」

 

「あひ…♡」

 

 抵抗する余力の無いグロリオサに出来たのは、穴の縁にぶち当たった肥大乳房の先から残留していた微量の母乳を霧のように吹く事と、微かな嬌声を漏らす事だけだった。

 そして穴は花騎士が囚われていた痕跡など微塵も残さず、ぴったりと塞がってしまった。

 

「グロリオサさんっ!?」

 

 キジムシロは手加減せず、花騎士本来の膂力で壁を破壊しようとする。そのオブジェが害虫なのかそれ以外の怪異なのかは判然としないが、有害な存在なのは明らかだ。

 最初は素手で破壊しようとしたが、常人とは比較にならない花騎士の本気の膂力を以てしても全く傷付かない。

 いよいよ剣を取り出し斬りつけようとしたその瞬間、閉じた壁の穴が開放され、べとついた粘液に包まれた何かが吐き出された。

 

「大丈夫ですかっ!? グロリ…っ!?」

 

 悪臭を放つ白濁粘体に囚われたまま解放されたのは、グロリオサではなかった。

 キジムシロらの友人である、花騎士のゲウムだ。

 壁の中で何があったのか。慎ましやかであった乳房は先のグロリオサほどではないが、頭二つ分程度まで肥大化している。

 しかも異常はのみならず、腹部もまるで妊娠でもしているかのように膨れ上がっていた。

 

「ゲウムさん…!? なんで、なにがどうなって」

 

「ごぼ、にげて、おえ゛え゛え゛っ! 逃げ、ぶぼっ!」

 

 激しく咳き込み、そのまま大量に粘液を吐き始めるゲウム。恐怖と絶望に染まった眼をしたままキジムシロに逃げるよう促すが、呼び掛けを妨害するように、白濁粘液が止め処無く溢れ出す。

 

「お゛ぐげえ゛え゛え゛っ、べ、お゛お゛お゛ぉぉ!」

 

 そして一際汚い苦鳴と共に、くるりと両目が上反り。喉の奥から、粘液滴らせる蝸牛害虫の幼体が顔を覗かせた。

 通常見かける蝸牛型に比較して、目玉が単なる球体ではなく、人間のものに近い形をしている個体だ。口も従来の蝸牛型共とは違い、上顎と下顎の明確な区分があり、剥き出しの歯茎からは歯舌ではなく人間の歯が生え揃っていた。

 

「ひっ」

 

 想定外にも程がある存在の出現にたじろぐキジムシロの前、身をくねらせる仔蝸牛は気持ちの悪い鳴き声を上げつつゲウムの腹の中から這い出してくる。がくがくと全身を震わせる彼女の腹から喉にかけてが蠢き、口から蝸牛が進み出てくる程にパンパンに膨れていた腹の丸みは緩やかになってゆく。

 しかし蝸牛幼体は完全には全身を外部に出さず、途中で止まると身体の半程から人の手に酷似した触手を何本も生じさせ、哀れな犠牲者を持ち上げて露呈させた自分の身体に仰向けの姿勢で乗せる。まるでこれが自分の殻だと主張するように。

 次いで前述とは別の三本の触手を作り出し、ゲウムの肥大化乳房と肛門へと伸ばしていく。内二本は先端が吸盤状になっており、硬くそそり立った乳首に吸い付くと同時に乳房の奥に秘められた母乳を搾り出そうとポンプのように蠢きだす。別の一本は二股に裂けた人間の陰茎を思わせる形態をしており、片方をゲウムの肛門に容赦も配慮も無く突き立て、得体の知れない土色の妖液を注入していく。

 

「ぐむ゛お゛…! う゛お゛お゛お゛お゛お゛…!」

 

「…っ! ゲウムさんを離しなさい!」

 

 キジムシロは害虫の奇行に竦んでしまっていたものの、無慈悲な暴虐に晒される仲間の悲鳴に心を奮い立たせて引き剥がそうと試みる。

 だが仔害虫の触手を掴む直前、何かが彼女を横殴りにして、別のオブジェに叩きつけた。

 

「が…は…っ?」

 

 痛苦と困惑に混乱しながらもキジムシロの視界は巡り、自分に攻撃を加えたものがなんであったかを捉えた。

 この庭園に並ぶ謎オブジェの内の一つ、最も巨大で意味の解らない形状のものの下から、極太の触手が伸び、威圧的にうねっていたのだ。

 それ以外にも、幾つかのオブジェと地面の僅かな隙間から、蝸牛害虫のものらしき感覚器官が現れ、自身に注視しているのが感じ取れた。

 敵意に満ちたそれらを見たキジムシロの脳裏に、先程の痴態…グロリオサの乳揉み隠しをする前の記憶が甦る。

 そもそも彼女は、スカネの淑女祭で友誼を結んだグロリオサ、ゲウム、ハルジオンの三名の花騎士と共に調査に来たのだ。害虫に苗床とされていた痕跡を残す花騎士の遺体が発見された此処に。

 単にそんな花騎士が見つかっただけならば、よくある事だと流されたであろう。だが今回、元苗床が発見されたのは市街地に隣接する庭園内。放置出来る案件ではない。

 余りに凄惨な姿ゆえ、調査員である彼女らにも被害者の詳細は明かされず、ただ数年前に突然行方不明になった事だけは話の中で窺えた。

 故に彼女らも充分に警戒はしていたのだが、元から奇妙奇天烈な形をしているオブジェ群に潜み擬態していた粘体生物……蝸牛型の一種であると思しき害虫達を判別出来ず、接近した所に得体の知れない霧状の体組織を吹きつけられてしまったのだ。そのまま記憶が途絶え、グロリオサの乳マッサージに至る。

 四人も花騎士がいて気付かないとはどういう事かと思う者もいるかもしれないが、この蝸牛害虫に関しては寧ろ対花騎士に特化した隠蔽能力を会得しているので、逆に花騎士では見つけるのが難しいのだ。

 もしコマチソウのような害虫の生態に詳しいものか、花騎士ではない騎士団長が来ていれば話は違ったかもしれないが、最早この場はどうしようもない。

 

「ごぼぼぼ、お゛っぼぉっ」

 

 口を塞がれながら苦患を訴えるゲウムの腹は害虫体液の注入を受けて再び膨らみ、腸管が呻くようにギュルギュルゴロゴロと低く唸る。

 グロリオサ同様の処置を受けた肥大化乳房は、ポンプ触手の求めに応じ乳を噴いて持ち主に快感を与えるが、流石に見た目にも明らかな不快感は誤魔化しきれないらしく、無惨な姿のまま悲鳴を上げて身を捩る。

 だが腸管内に液体を満たされ、臨月を迎えたような腹になっていくに従い、ゲウムの抵抗は収まり、全身から力が抜けていく。

 衰弱している訳ではない。浣腸された液体の成分に、世界花の加護を持つ者…花騎士の脳に強く作用し、思考を鈍化させ催淫する効果があるのだ。この害虫が、花騎士をより目的に利用しやすくする為に。

 

「お゛お゛…お゛……ぅ♡」

 

「ああ、ゲウムさん…っ」

 

 脂汗を全身から噴き出し、臨月すら超えた蛙腹を天に向けて苦しげに喘ぎながら、その声は甘く蕩けていく。膣から溢れ出した愛液が水分を好む蝸牛の頭に垂れている事も合わせると、さながら自身を凌辱している害虫に服従を示しているようだ。

 膨張した乳房も影響を受けているのか、更に張りを増し、触手の中へと盛大に母乳を吐きだしている。

 

「駄目です、負けないで…! ご家族が…妹さん達が、あなたを待ってるんです…!」

 

「お゛ぼ…お゛お゛お゛ぉ♡ おう゛う゛♡」

 

 普段であれば家族想いの姉を奮起させる言葉は、害虫体液に苛まれる膓の絶叫、醜く激しい腸蠕動音に掻き消されて届かない。尤も、毒が回り鈍ってしまった脳には、届いた所で用を為さなかっただろうが。

 その激励への返答とばかりに秘唇からぼたぼたと淫蜜を垂れ流す様は、言葉も無くキジムシロを自分と同じ側に引き摺り込もうとしているようですらあり、背筋に薄ら寒いものが走る。

 手の打ちようが無い状況だが、まだキジムシロは諦めていなかった。

 ゲウムは直ぐに害虫から引き離し、毒液を全て吐き出させてしまえばまだ助かるかもしれない。グロリオサも扱いからして捕食されてはいない筈だ。

 キジムシロ自身は負傷してしまっているが、全く動けなくなったわけではないし、姿の見えないハルジオンが逃げ延びていたなら、増援が来てくれるかもしれない。

 そう考えた直後、絶望を補強するように、間近に在る意味不明なオブジェ…いや、擬態害虫の殻が蠢いて、また一人花騎士が吐き出されてくる。穢らわしい妖液に塗れ、全身を好き勝手に弄くりまわされた、膨乳ボテ腹ハルジオンが。

 

「ハルジオンさんまで…」

 

「うぐうぅ! おなかが…! やだ……やだよぉ…! たすけ……おばあ、ちゃ、あ゛、お、ご、ぶお゛えええ゛っ!」

 

 ハルジオンの口からもまた、得体の知れない粘液が噴出してくる。そして蝸牛の頭が、胴体が現れ、ゲウム同様に害虫にとって都合の良い道具とされていく。

 友の惨たらしい姿に、もう駄目なのだろうかと過ぎった弱気を後押しするように、パキリと甲高い音が響く。

 花の装飾品があしらわれた剣、キジムシロの武器が取り上げられ、極太触手に圧し折られていた。そしてゴミとして放り出された先に、触手先端から吐き出された不気味な粘体が山となっていく。吐き出された液の中には炎を模したフランベルジュ、先端がハート型になった杖、金色の巨大な手甲が打ち捨てられるように沈んでいた。グロリオサ、ゲウム、ハルジオンの武器だったそれらは拉げており、本来の用途を為せなくなっていた。

 キジムシロの全身から力が抜ける。諦めが溜息の形をとって吐き出される。まるで彼女の心が折れるのを待っていたかのようにオブジェに穴が空き、腹を膨らませ、乳を全身とさほど変わりない大きさにされてしまったグロリオサが吐き出される。

 次は自分の番か。そう思い項垂れるキジムシロだったが、なかなか手を出されない。

 どうしたのかと顔を上げた先で、意味の解らない光景に出くわした。

 

「うっ…ぎょおお゛お! お゛ごぉ…♡ お゛! お゛お゛お゛お!」

 

 ゲウムを捕獲した幼虫が、数体の成体オブジェ擬態害虫共の謎めいた鳴き声を浴び、触手が行う奇怪なジェスチャーを見ながら、哀れな花騎士の膨れ腹全体を揉みほぐしていた。

 囚われの花騎士は蛙腹を揉みしだかれる事で、臓腑に詰まった大便と害虫体液を腹腔内に循環、充分な状態まで混合させられる。そして体液の注入に用いられた陰茎状触手を逆流し、二股に別れていたもう一方の先端の根本で花騎士から吸い上げた母乳と更に混ぜ、吐出させるのだ。

 何の為かというと、先に記述した対花騎士特化擬態の為である。

 人体改造を受けた花騎士の母乳と排泄物には、花騎士自身の魔力と世界花の加護の破片とでもいうべきものが混じっている。それらは害虫の滋養になる以外に、特殊な加工によって花騎士の視界や嗅覚といった感覚器官を騙す効果を発揮してしまうのだ。感覚器官が人一倍優れているオジギソウであっても、最初から害虫がいると聞いていなければ疲れによる誤認だと思ってしまう程である。

 パンパンになった腸を押し潰されて嬌声を上げるゲウムの腹の中から送り出された糞便が、母乳と混ざって噴き出してゆく。拙い技術ながら、花騎士の大便と害虫の体液を混ぜ合わせた不浄の粘土を用いて殻が構築されていく。人間の手に似た触手が腐泥に毒素と魔力を籠めつつ掴み、仰向けにされた花騎士の腹の上を中心に積み上げ塗りたくり、異常なオブジェを組み立てていく。

 益虫であった頃は恐らく彫刻家や陶芸家等の手伝いをして人々の心を豊かにする一助を担っていたであろう手腕は、害虫化と花騎士との交配を重ねた結果、花騎士の目を晦まして襲う為の偽装工作に役立てられているのだ。

 

「こんな、なにを、うっ、う゛え゛え゛っ」

 

 狂気としか表現出来ない汚辱による視覚的な刺激と、害虫体液の所為で異様に甘ったるく、しかし糞便の汚臭が確かに嗅ぎ取れる最悪の悪臭に、キジムシロは思わず胃の中身をぶちまけてしまう。

 悍ましい光景と瘴気じみた臭気は、ハルジオンを捕える幼体害虫も成体蝸牛による花騎士凌辱講習に急くように加わった事で、一層悲惨になってゆく。特に臭いに関しては、害虫の魔力との融和の過程に於いて急速に無臭化するのだが、今この状態こそ最も強い臭いを放ち、地獄のようであった。

 一頻り吐瀉物を撒き散らした元淑女が荒く息を吐いている所へ影が顔にかかる。粘ついた音が頭上から降りかかる。戦慄き引き攣った顔をそちらに向ける時間すら許されず、触手が頭や腕を掴み、殻の中へ引き摺り込んだ。

 害虫の思念と魔力操作には粘土のような柔軟性を見せる外殻は、一方で花騎士の接触、破壊行為には極めて優れた靭性を発揮する。キジムシロは殻に埋められ、なすがままになるしかなかった。

 

「う゛、うぶ、ぼべぉお゛ぇぇぇぇ!」

 

 キジムシロらが調査に来る原因となった苗床花騎士はこの成体が使っていた道具であり、使い物にならなくなった彼女の代わりとしてキジムシロを選んだのだ。

 口から侵入してくる成体蝸牛の下半身は、外部に露出していた触手に比して貧相と表現しても良いほど細かった。抵抗する口を押し広げ、無理矢理咽頭を、食道を通り、胃から幽門を貫通して小腸まで侵入する。

 そして小腸を侵攻している最中に、思考能力阻害効果を持つ体液を、不意討ちした時のような霧状ではなく原液のまま放出した。

 

「ごむ゛む゛!? え゛げお゛え゛ぇ……あ……え……?」

 

 腸壁から血流に乗って全身を巡る害虫体液により、キジムシロの意識がどろりと濁っていく。蝸牛の下半身が腹部に収められ、妊婦のようにポッコリと膨らんでしまっていたが、痛覚はもう正常に働いていないらしく、苦痛を受けている様子は見られない。

 体内に陣取った害虫はそこから根を張るように腹足を広げ、本格的に人体改造に移る。既に一度経験している為か、手際良くキジムシロの身体を壊し、作り変え、貶めてゆく。

 乳が甘く疼きながら急速に張り詰め、注腸された液体に腸壁をしつこく舐め回される。その途方も無い快楽に精神を崩落させる花騎士。

 更に止めとばかりに、貝の吸水管を捻じったような異形の凶器が持ち上げられ、分泌液でグチャグチャになった膣へと押し入ってゆき。

 遮るものの無い女性の大切な部位…本来であれば同じ人間の子を宿す筈だった子宮中へと、不浄なる精液を機械的に吐き出していった。

 挿送すらしない、殆ど刺激など無いであろうそれだけでも、改造された雌の身体は勝手に快感を見出し、脳を享楽に溺れされていく。

 

「お……おあ……あ……♡」

 

 殻の外から聞こえてくる友人達の家畜じみた酷い啼き声を耳朶に響かせながら、キジムシロもまた、貞淑さの欠片も無い、そんなものを持っている必要が無い害虫の奴隷へと堕ちていった。

 そうしてそのまま生涯蝸牛共に使われ続ける筈だった花騎士達は、数ヶ月後に他の蝸牛内に囚われていた花騎士達共々発見、救助された。

 蝸牛共が本来の住処へと移動している途中で、偶然にも花騎士を苗床とする他種の害虫共に出くわし、優れた雌であり無力化までされている彼女らの存在を嗅ぎ付けられ、争っていた所を巡回していた騎士団に見つかって討伐されてしまったのだ。花騎士を瞞着する事に関しては得意であったものの、他の相手に対しては不得手にしたまま進化してきたのが運の尽きである。

 蝸牛の殻の中、身の毛もよだつ汚辱の嵐に晒されながらも、キジムシロが目標として掲げる通り、彼女達は生きたまま帰ってきた。

 世界花の加護や魔力などもまだ残っており、命も助かった。

 

「あは…ぁ…♡ わらひぉ…てんぶん…まっとぉ…♡ がいちゅぅしゃまぉ…どれぇぇぇ…♡」

 

「うひ…ひ…♡ しゅきぃ…♡ がいちゅうさぁん…♡ わらひの…わらしのぉぉ…♡」

 

「ねぇね、もっとがんばりゅからぁ♡ ねぇねのぜんぶ、ささげるからぁ♡ もっと、もっろねぇねのおっぱい、ちゅーちゅーしてぇ♡ おなか、ぎゅーってつぶしてぇぇ♡ いっぱいえっちなことしてぇぇ♡」

 

 延々と脳を毒に犯され続けていた彼女らの正気は二度と戻らないと目算された。肥大化させられてしまった乳房や弄られた腸管も治る事はなく、通常の生き方は困難であろうとも予測されている。

 特に生殖能力を確立させた成熟個体に囚われ、大量の害虫と人間の子を胎に宿していたキジムシロは悲惨であった。

 非道な人体改造と大量の害虫精液の合わせ技により身体に更なる異常が生じ、人型害虫に変じつつあったのだ。本来ならば、ある種の寄生害虫か特殊な魔法がなければ変化しない筈の、人型害虫に。

 胎の具合から凡そ半年後と予想されている出産の時を迎えた時に、完全な害虫となるであろうとも推測された。

 

「ごしゅじんさまぁ…おしおきをくださいませぇ…きじむしろが…ごしゅじんさまのどれいにふさわしくなるまで…しつけてくださいませぇ…♡」

 

 救助された花騎士達は、医療院に入院……否、医療院とは名ばかりの研究施設に囚われた。再び彼女らのような苦境に陥った花騎士がいた時に、救い出す為の実験動物として。

 一度は壁から助け出された彼女らは、大切に思っていた者達や信念を忘れ、己を雌に堕としたこの世にいない害虫共への想いに心焦がれたまま、分厚い壁に覆われた中で生かされ続けていた。

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