※この作品はR-18です。

煌めく花壇に注ぐ汚穢   作:虫饅頭

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蟲姦
悪堕ち
スカトロ
苗床
こちら側限定

8番深奥壊花に関連


深識認花

 森に花騎士の怒号が谺する。幼気な声にある種似つかわしい、剥き出しの憤怒に満たされて。

 

「煩いんだよ! ボクをお前みたいな雑魚と一緒にするな!」

 

 炎のように赫々たる髪が逆立たんばかりに怒気を滾らせ、憤激のあまり顔を紅潮させ相手を睨みつける花騎士。名をトウガラシという。

 その目の前で、やってしまった、という内心の声が聞こえてきそうな顔をしているのはモブキャラキゾク家という貴族の令嬢の花騎士。黄色いボンネットにドレスの貴族令嬢としてごくありふれた容姿をした彼女に背を向け、制止する声も聞こえないふりをして、真紅の花騎士は討伐対象の蔓延る森に駆け込んでいく。

 二人だけで討伐任務に赴くのは、トウガラシがこの騎士団に入団してから初めてである。

 両名が互いに抱く印象ははっきり言ってかなり悪かった。トウガラシの方は相手が貴族であるという点と、相手の貴族らしい高慢で棘のある発言から。令嬢花騎士の方はトウガラシが騎士団長に挨拶した際の「頼りないキミの部隊」やら「雑魚な団長さん」という発言からも判る通り、自分達を舐めてかかっている……あるいは仲間として信用する気が無いと最初から突っぱねているような態度から。双方に不快感を抱いていた。

 そんな状態でも騎士団は任務に当たらねばならず、他に手の空いている団員がいない事もあり、トウガラシと令嬢花騎士が共に出撃させられたのだが、任務開始直前で、明確に仲違いしてしまったのである。

 原因は問題の討伐対象が、花騎士を苗床として産まれた非常に特殊な害虫である事に起因する。且て敗北して攫われた花騎士から産まれた討伐対象共は、見るも悍ましい造形をし、背筋を凍らせるような鳴き声を放つという。

 襲われた者達が一人残らず発狂状態に陥ってしまっていた為に資料が足りず、それ以外の攻撃手段や能力などといった情報が無い。故に最初は望まれている偵察に徹し、相手の能力如何によっては団長への報告を上げ、他所の騎士団からの増援などを貰える手筈を整える。油断せず慎重に。そう提案した令嬢に対し。

 

「最初から全滅させればいいでしょ? なに、先輩、もしかしてビビッてる? 害虫に負けた雑魚から産まれた、キモいだけの雑魚害虫に?」

 

 返ってきたのは令嬢花騎士への反発心に満ちた視線と、挑発的な言葉。

 無論、先達としてこの程度の煽りで怒るような事は無い。貴族として、そして害虫と命のやり取りをする花騎士として、自らの心を律する術は重要である。

 努めて冷静になった心算で、自分達は任務の為に来ているのだからこうするのは当然であると説明をした、のだが。

 如何せん、トウガラシが既に感じていたように、令嬢花騎士は口調がキツかった。冷静な説明をしたと思い込みながら、その実思いっきりトウガラシの神経を逆撫でする形で……即ち「入団したばかりの田舎者の下っ端が生意気を言うな」と言っていると取られても仕方の無い発言をしてしまい。

 こうして関係の断絶が起きてしまった形となる。

 令嬢は慌てて森の中へとトウガラシを追いかけたものの、既に木々に遮られた視界の中に、森の中では非常に目立つ鮮紅は見えなくなってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだよ! ハァ、ハァ、なんで、コイツらっ!」

 

 憤りのままに森の中を当て所無く突っ走ったトウガラシは、やがてその異常なもの共と出くわした。

 中途半端極まる資料の内容でも、明らかにこれらがその対象だと判る奴原だ。

 なにせ、所々に人体の意匠を鏤められた悍ましき大型蝿害虫の胴体に、人間の女の子の頭までついているのだから。花騎士が苗床にされる例は多々あるが、これ程までに遺伝子が狂った化け物などまず有り得ない。一人の花騎士が生涯を戦に捧げても、死ぬまでに一件出くわすかどうかという位に稀な異常存在。

 視界に収まる全ての敵がその外見をしている訳ではないが、人間の少女の頭をしていない蝿共も、胴体は同じで顔が口の部分だけは人間と同じ口をしているという逆に気味の悪さを際立たせる容貌をしていた。

 トウガラシは気付いていなかったが、人間の頭をしている個体群は全て雌で、口だけが人間に似せられている連中は全てが雄であった。そして雄蝿共は雌蝿共の後ろで珍妙な鳴き声を掛け合いながら、異種族の雌に向けるとは思えない熱情を籠めた視線を花騎士に向けている。

 この害虫共が異常なのは外見だけではない。敵のあまりの異貌に戦慄しながらも、その奇々怪々な人と虫の間の子共へと容赦無く加えられたトウガラシの鋭い斬撃や炎の魔法は、その悉くが無駄に終わっていた。

 彼女の剣が虫共の体表に通じなかったという意味では決してない。放つ業火共々、確かにトウガラシの攻撃は普通のまともな害虫相手ならば致命傷となっていたのは間違いない。ただ、攻撃を受けても、人頭の蝿共は敵対者を侮辱するようなあからさまな演技……泣き真似や驚愕したような表情を僅かな時間だけした後、嘲笑を浮かべ、その傷を忽ち修復してしまったのだ。

 プックック。ヨワーイ。ザコザコザーコ。

 何度聞かされたか、人面蝿から放たれる愚弄の言葉に似た鳴き声に、一瞬で頭に血が上り全力の攻撃を加える。そして嘲られながら折角与えた損傷を回復される。回避術や迎撃カウンターを得意とし、耐久型の戦闘を至上とするトウガラシだが、こう何度も無為な行いを繰り返すと、さしもの彼女でも弱気の虫が顔を出す。

 攻撃面は大した事がないのは幸いだが、このままでは倒しきれないんじゃないか。やっぱりあのいけ好かない先輩の言っていた通り、救援を呼ぶべきなのか。

 騎士団内での成り上がりを目論む彼女としては、それは非常に屈辱的な結論であった。騎士団長以下団員の面々の前で大見えを切った上でそんな事をしてしまったら、きっと馬鹿にされる。表向きは仕方無かったと言ってくる奴でも、裏でどんな陰口を言っているか分かったもんじゃない。

 そんな事を考えていたのがいけなかったのだろう。人面蝿の集団の中に、僅かに混じっていた雄個体……顎部だけが人間と同じ形をしている方の巨大蝿が、隙有りとばかりに突撃して抱き着き、その汚らわしい口を乙女の唇と無理矢理重ね合わせた。

 

「ん゛む゛う゛っ!?」

 

 そしてそのまま、口の奥に隠していた蝿害虫と同じ形状の口吻を花騎士の喉奥に伸ばし、汚物に匹敵する凄まじい刺激臭を放つ毒液を、被害者の腹の中へと流し込んでいった。

 量の方も凄まじいもので、トウガラシの抵抗も虚しく、ゆっくりと少女の腹が内から膨らまされていく。

 

「ぐっ!? うぶっ!? ごっ!? お゛お゛っ!? お゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!」

 

 最悪の濃厚接触に藻掻く花騎士はやがて解放されたが、少女は想定外の有害物質の闖入で阿鼻叫喚状態の消化管の求めるままにその場に蹲り、吐瀉物を吐き散らし始める。

 妊娠中期の妊婦程度に膨らんだ腹は毒を吐き戻す度に凹んでゆくが、一度不浄の汚液を摂取させられた影響は避けられず、腹腔内を掻き混ぜられているが如き強烈な腹痛と咽頭の不快感、体内から嗅覚を苛む糞便臭に悶える。

 同時に毒へ拒絶反応を起こした腹が雷鳴じみた音を激しく発し、嘔気同様堪えきれない程に便意を訴えてくる。上でも下でもいいから腹の中からさっさと追い出してしまえ、とばかりに激烈な衝動が襲い来て、震える全身から脂汗が噴き出す。

 害虫の目の前で痴態を曝け出す、そんな選択はトウガラシの意識には無い。だが生命の危機を前に身体は意のままにならず、勝手な選択をした。

 

「や、やだ、そんな、ぐ、お゛え゛え゛え゛え゛っ!」

 

 傍から見たら害虫に土下座しているとしか思えない姿勢のまま、トウガラシは再び嘔吐し、抑えの効かない肛門は身勝手にも下着を纏った状態で腹の中身をぶちまけてしまう。地面に弾けて顔や手足を汚す吐瀉物、下着の中から溢れ出して下半身を惨めな有様にしていく半液状の排泄物。

 まともに動けない状態で、害虫の凶刃の前に身を晒し、身の内には害虫毒素汚染が浸透していっている。余計な事を考えたり感じたりする余裕など無い筈なのに、それでも乙女として、花騎士としての矜持はこの最悪の汚辱に脳を灼熱させる。虫の眼前で無様を晒す自身の姿を思い描いてしまい、こんなにも惨めな醜態を晒しながら殺されるのか、自分を馬鹿にした奴らを見返せないまま終わるのかと涙を溢れさせる。

 だが、現実はトウガラシが想定しているよりも遥かに残酷で、悪辣だった。そのまま殺されていた方が、どれだけマシだったか。

 

「ごぼ、げぼっ、う、あ……はぁ、はぁ……っ、く、なん、で……こうげき、しない……?」

 

 一頻りの嘔吐と脱糞が終わり、臓腑の訴える苦痛が軽くなるまで、そこそこの時間があった。普段の戦闘の最中であれば、殺されていた回数は手足の指を全て使っても数え切れない程度に隙だらけだった。

 害虫共は、トウガラシをじっと見つめ、何かを測っているようであった。害虫らしからぬ慎重さで、不気味なまでに静かに観察していた。

 あまりの異質さに怖気が湧き、その場から後退って逃走を図ろうとするが、当然と言うべきか、奴らは見逃してくれた訳ではない。

 雄蝿の一匹がトウガラシの方へ、腹部の先端にある雄の器官を猛々しく屹立させ、酷く興奮した様子で蝿害虫らしい素早さを発揮し飛び来る。奇しくもそれは、つい先程トウガラシへ毒液を口移しした輩であった。

 

「ひぃっ! くるな、来るなぁぁっ!!」

 

 つい数分前の苦痛と汚辱を再び味わわされる。想像してすっかり慄いてしまった哀れな花騎士は悲痛な叫びを上げ、背を向けて逃走を図る。汚物塗れになって足に纏わりつくスカートと下着が汚らしい音を立て、不快な感触を伝えてくるが気にも留めず。

 しかしそれは拙い選択だったか、一部のフンコロガシ、もとい黄金虫型害虫と並んで汚穢の象徴とされる蝿は余計に昂り、更に加速してトウガラシを背後から押し倒し、覆い被さると。

 

「わ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ァ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ! やめろぉぉぉぉっ!! ボクのお尻に何し、でっ!? が、ぐ、ぎゃあああああああっ!?」

 

 下着を引き裂き、最大まで膨張して凶器のようになった生殖器官を、情け容赦無く、花騎士の無防備な肛門へと突き立てた。

 排泄をした直後で緩んでいるとはいえ、鍛えている成人男性の腕に匹敵する太さの虫の陰茎を受け入れるなど容易ではない。あまりの衝撃にトウガラシは両目を見開き、酸欠を起こしたように口をぱくぱくさせる。

 

「あ゛! が! い゛っだっ、は、ぁ……っ!」

 

 尻肉と骨盤を軋ませながら、更に腸内奥深くへ入り込んでいく蝿の陽物。恐ろしいまでの圧迫感。抽挿すら始まっていないのに、トウガラシの全身が瘧に罹ったように痙攣し、目が白黒して口から泡を噴く。

 どうにか棍棒のような一物が根元まで収まった時、花騎士の滑らかな腹部は変形し、その形がはっきりと浮かび上がってしまっていた。

 

「はひ、はひゅ、ぐる、じ、いぎ」

 

 貫かれただけで息も絶え絶えの獲物に、雄蝿は無慈悲な抽挿を始める。

 緩んでいてもなおきつい尻穴の奥まで、心地良さそうな鳴き声を漏らしながら深々と抉り続ける。

 

「ひっ、ひぎっ、やべれっ、おにゃが、やぶげりゅ、じぬっ、しん、じゃ、ぐぎゅっ」

 

 ボコボコと腹が隆起する度に消化管が圧迫され、吐瀉物の余りが口から零れ出す。

 涙と鼻水と吐瀉物と汗で汚れ果てた顔は絶望に歪み、一突き毎に正気を砕かれていっているようにも見えた。

 高位の世界花の加護で身を守られているトウガラシだが、こんな事態に陥ってしまうと、それは逆に彼女を死に辛く、より長く性的拷問を受けられるように捕らえる戒めのようですらある。

 周囲の蝿もただ見ているだけではなく、嘲りの言葉を吐きつけて敗北者の精神を責め苛む。

 そうして心も体もずたぼろにされた頃、トウガラシを穢していた蝿は腸内への射精を果たした。

 

「あ……うぁ……」

 

 腐泥じみた精液が腸壁にべったりと貼り付き、腹の中が焼け爛れていくような感触。治まっていた腹痛がぶり返し身の毛がよだつが、雄蝿は満足したらしく剛直は抜き去られ、押さえ込まれていた体も解放された。

 肛門を性処理道具とされて崩れ落ち、意識は落ちる寸前だったが、敗者の運命は尚も弄ばれる。

 腹の中で、とくん、と奇妙な音がした。トウガラシの意識は強引に引き戻され、雄蝿共は歓声じみたものを発する。

 

「いまの……なに……なにが……」

 

 腹が張っていく感覚。魔力を過剰に使った後に感じるような虚脱感。咄嗟に腹部に視線を送ると、なだらかに戻っていた筈の其処に、奇妙な膨らみが生じている。

 腹腔の内で鼓動に似た音を発しながら何かが形成されていく。魔力は問題無く充満している筈なのに、体内に穴が開いたかのように自身の領分から切り出されていく。

 害虫を妊娠した。しかも普通に考えて、子供が出来るなど有り得ない筈の腸内に。

 歴戦の花騎士ですら想定外と錯乱するであろう事態にトウガラシもまた困惑するが、悠長に思考していられるのは其処までだった。

 通常の害虫とは違う自分達に適合した雌が現れたと気付いた雄共は、我先にとトウガラシに群がり、嬲られて腸液を涙の様に滴らせている肛門を犯し始めたのだ。

 トウガラシも令嬢花騎士も、そして彼女らの騎士団長も知らなかった。

 資料元の報告を上げた者達が全員狂ってしまっていたのは、今のトウガラシと同じく性的凌辱を受けた所為であり、尚且このまともとは程遠い異常蝿共の苗床としての適性が得られず、毒素による脳機能障害を無効化出来ない程度の世界花の加護しか持っていなかったから。

 だが、今までの被害者に比して上位の加護を得ている彼女は。

 

「あ゛っぎゃああああああああああっ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?」

 

 衝撃に身を仰け反らせて喉が裂けそうな程の絶叫を上げるトウガラシ。大量の害虫の腸内侵入に魔力の強奪まで受け、世界花の加護が状況打開の為に働きかけてくるが、異常な胎児共はそれすらも自らの構成要素とすべく母から吸い上げる。結果として多少の気付けにしかならず、気絶も許されずただ性的苛虐に対し断末魔じみた声を上げる破目に。害虫と共に世界花の加護にまで虐げられているような有様であった。

 無駄に意識を存続させられている花騎士は地面に平伏し尻を掲げ、凌辱者達に慈悲を求めるような姿勢を晒す。生憎人でなしの虫ケラ共にとっては、観念した雌が自身らに胎を捧げているとしか感じられていない。

 

「ぐぴぃっ!? ぶぎぃぃぃぃぃっ! ご、ぎゃ、げう゛っ! ぼぎゅっ、ごわ゛ぇう゛ぅぅぅぅっ!」

 

 幼子の戯れで潰し殺される蛙のような苦鳴を上げながら、痙攣し続けるトウガラシは散々に犯される。知性すら感じさせる異常な行儀の良さで被害者の尻の前に並んだ雄共は、代わる代わる猛り立った一物で穴を執拗に穿り回し、奥へ子胤を撒き散らし。

 射精の度に膓が膨らみ、無事な肺腑や心臓を圧迫。狭苦しい人体という領土を尋常ならざる生態により騒擾し、害虫のものとして征服していく。

 最終的には場の全ての雄の精を一度ずつ腸内に受け入れさせ、其処で凌辱劇は閉幕した。

 

「あぅ……あぅ……あぁ……」

 

 瞳から正気の光が失せ、あらゆる体液で全身を穢した哀れな乙女は、不幸にも生き延びてしまっていた。

 膨大な特殊害虫精液を受け入れた腹は異質な多胎妊娠を続けて極限まで張り詰め、少し触れただけでも内圧に負けて破裂しそうな有様。直腸から結腸の最奥、小腸の入口に至るまでびっしりと人と蛆の混ぜものを詰め込まれた凄惨としか表現出来ない姿は、今にも腹を引き裂いて虫と人の混血児共が飛び出し、生涯を終えそうに見える。

 だが大半の敗北した花騎士が迎える死という優しい結末は訪れず、がくりと頭を垂れた紅い花騎士は悍ましき大蝿の一匹……最初に彼女を孕ませた雄に優しく抱きかかえられ、腸内に残った汚辱の残滓をぼたぼたと地面に垂れ流しながら、害虫だらけの森の深奥へと拉致されていった。

 ザーコザーコ! プックククク! ザーコ!

 薄れる意識の中、意味を解って言っているとしか思えない鳴き声を耳朶に響かせ、苦悶しながらも感じざるを得ない絶望と羞恥を味わいながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅんっ♡ パンパンのお腹っ、中からボコボコして……もう、出てくるっ♡ ウンコ穴拡がるっ、お尻から産まれるっ、ボクの、ボクの赤ちゃん……産まれりゅぅぅぅっ♡」

 

 汚らしい音が響き、腸液塗れでぬらついた蛆虫共が、臍の緒じみた肉製の魔力吸収管で繋がれたまま肛門から放り出されていく。身体の大部分は白いのだが、所々に母親を想起させる鮮やかな紅色が混ざっており、この呪わしき異常害虫の血統にトウガラシの遺伝子が屈服し、その血を明確に組み込ませてしまった事を示していた。

 その証明をしようとばかりに、産まれたばかりの赤ちゃん……イタドリの頭に紅い虫体、そして茶色い毛髪の頭頂に真紅のポニーテールを生やした個体は、その人間と同じ口からほんの僅かに火を吹いて見せた。

 半ば呆然と自らの腸内から産まれた半虫半人の妖物共を見ていたトウガラシに、近場に横たえられた女が柔和に微笑み祝福の言葉を贈る。

 赤い花騎士を凌辱の果てに苗床に貶めた蝿害虫共の実の母親、元花騎士にして現害虫苗床奴隷のイタドリである。

 

「おめでとうございます、私の大切な赤ちゃんの苗床さん。これで貴女も無事に、害虫様の本当の苗床奴隷になれたんですよ」

 

「あ……あは♡ ボクの、身体……♡ 害虫様に……ご主人様達に、ちゃんと、服従してくれたんだぁ……♡」

 

 医学だの害虫生態学だのについて、トウガラシは殆ど無知に等しい。尤も、これは大半の花騎士がそうだろうが。

 それでもその赤ん坊達、彼女の肛門から産み堕とされた蛆虫共の容姿から、彼女の身体が花騎士と蝿の混ざりものを番いとして受け入れてしまったのはわかってしまった。寧ろその時を待ち望んでいた。

 もしこの巣に人間が彼女しか居らず、ただ苗床にされただけならばここまで積極的に受け入れたりはしなかったかもしれない。

 だがこの巣には、トウガラシの義母にあたる立ち位置の元花騎士イタドリがいて、逐一「貴女も苗床になるべくして負けた」「この世で最も優れた苗床奴隷である自分が産んだ子供達に選ばれるのは花騎士にとって望外の光栄」「害虫様の苗床になるのは気持ち良くて幸せ」と涜神的な説得を繰り返していた。それこそ、主である蝿害虫と交尾をしている時と混血児を産んでいる時、それらが与えてくれる莫大な性快楽で失神している時を除いて……いや、その間に上げる心地良さそうな嬌声、苗床奴隷らしい狂った寝言を含めれば、四六時中。

 元々トウガラシは成り上がりを目指し野心に溢れていたものの、欲望に捕らわれていたのでもなければ決して心臓に毛が生えたような図太い性格をしていた訳でもない。人間の世界に居た頃は、弱味を握られないよう必死に足掻いていただけ。

 そんな彼女が、完全に壊され堕ちた苗床と同じ環境に置かれ、ずっと繁殖の道具として扱われ続けたらどうなるか。

 

「あぁ……ボク……わかっちゃった……♡ お義母さんの言ってる事……頭じゃなく、心でわかっちゃったぁ……♡」

 

 ヘドロが大量に沈む汚染された溝川のようにどろりと濁った瞳を我が子らに向ける。うねうねと蠢くそれらを映す眼は、母親としての愛情と快楽に溺れた奴隷の喜悦に染まり、到底正気とは言えない。

 子供達を戒める臍の緒を尻穴の奥から抜き出さんと掴んだ際の表情など、囚われる前の彼女自身が見たら即座に首を切り落とそうとしかねない無惨でみっともないものだった。

 

「あひっ♡ 抜、けるっ、腸から、臍の緒……きゃひぃぃっ♡」

 

 艶やかに悶え、腸壁から肉管が抜けていく刺激に反応して愛液の様に腸液を滴らせる。母となったばかりなのに、自分が淫蕩な雌奴隷である事を身体全体で主張し、雄蝿共を誘う淫臭と嬌声で再度の寵愛を求めていく。

 無論産まれた子供達も蔑ろにしたりなどせず、人間本来の妊娠方法とは違う為か大して豊かになっていない乳房の先端はそそり立ち、早く我が子らに滋養を与えたいと勝手に母乳を溢れさせていた。

 我先に乳を吸わんとトウガラシの身体を頑張って登っていく蛆虫共、そして一匹の蛆が彼女の乳首に吸い付いた時、心の奥底で何か決定的なものが壊れたような感覚と共に、例えようのない愛おしさが噴き出した。

 やがて二匹目、三匹目と登ってきた紅白の妖蛆共が乳を吸う姿に、胸の内から尚も優しく暖かいものが込み上げる。この心地良さも想像出来ず、ただ人間社会の中で馬鹿にしてきた相手を見返す事だけ考えていた自分の、なんと間抜けで滑稽な事だろう。だが今の自分は、精強なご主人様達と元花騎士の先達のお陰で、雌としての真の幸せを知る事が出来たのだ。

 

「これが花騎士としての、本当の幸せなんだね……♡」

 

 幸福が過ぎて涙を流し、うっとりしながら呟くトウガラシは、本心からそう思い、まだ自分達と同じ領域にまで至れていない可哀想な他の花騎士達を導いてあげたいと考えていた。

 決して人間社会にいた頃に抱いていたような、自分の方が恵まれているからと他者を見下す浅ましき考え故ではない。生まれや序列等に関わらず、全ての花騎士が真に幸せになる為に、害虫様の苗床奴隷にならなくてはならないのだと信望して。

 トウガラシは顔いっぱいに幸福を表現しながら視線を上げる。いつの間にか魔窟内、もとい害虫と元花騎士達の愛の巣にこっそり踏み入っていた不法侵入者共……令嬢花騎士を筆頭に、行方不明となったトウガラシを助けに来た、短い付き合いの元仲間達を、堕落へと誘わんと。

 気付かれていたとは露とも思わずにいた花騎士達は顔を引き攣らせ凍りつく。それは苗床として堕ち果てた人間の有様に慄いただけではなく、彼女らの背後から迫ってくる羽音と罵倒じみた鳴き声の群れを感じ取り、この侵入の成功こそが罠であると気付いたからでもあった。

 絶望と恐怖に竦む花騎士達の前で、まるでこれから彼女らの辿る運命を手本として見せるかのような、汚らしい交尾が始まる。

 

「あぁっ♡ 入ってきたっ♡ 見てっ♡ 皆見てぇっ♡ ご主人様の硬くて太いオチンポ様っ、ボクのお尻グチャグチャに蕩けさせてくれるオチンポ様ぁぁぁぁっ♡ 赤ちゃんにおっぱい吸われるのも気持ち良いのっ♡ おしりとおっぱい、気持ち良すぎて、しあわせでっ、お゛、ひぃぃぃぃいっ♡」

 

 トウガラシばかりでなく、イタドリもまた苗床の先達として、闇の奥から姿を覗かせた彼女の夫でありこの呪われた血筋の根源、純血の大型蝿害虫と肛門での交尾を見せつけていく。

 

「みなしゃんっ♡ しっかりっ♡ 目を、そらさず、見てくらしゃいっ♡ これかりゃっ、貴女達もっ、こうなるんですよぉっ♡ ケツでっ♡ ケツ穴で赤ちゃんっ作って、いっぱいいっぱい私の赤ちゃんの赤ちゃん産みまくってっ♡ みんな、なかよく、苗床、なりましょぉぉぉっ♡」

 

 この遺伝の法則が狂った虫共の子を、トウガラシとイタドリ以外が宿せるかは判らない。結局無駄に終わり、心を壊すだけ壊されて打ち捨てられてしまうかもしれない。

 それに思い当たっているのかどうなのかは定かではないが、襲いかかってきた大量の蝿に阿鼻叫喚の様相を呈する花騎士達を見ながら交尾と授乳の悦びを享受するトウガラシは、害虫の支配の下、序列など存在せず成り上がりも何も気にする必要が無い、安寧に満ちた苗床としての生活を送れそうであった。

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