人姦
スカトロ
ベルガモットバレー、桃源郷近くの騎士団駐屯地、畳敷きの会議室。
此処の主である私は、客人として招いた数多の男達の前で平伏している。
「うっ、ぐっ、むぐううっ!」
その真横では我が妻であるオミナエシが押し倒され、彼らの淫らな欲望に晒されて涙を零す。首には花騎士としての力を封じる特殊な首輪を嵌められて。陽物を強引にしゃぶらされ、両手に握らされ……独占すると約束した、私以外の男が侵入する権利を持たなかった膣に挿入されて。
客人であるこの全裸の男衆は、スプリングガーデン全土から集まった騎士団長達であり……団に所属する花騎士の中に「人気投票」に出場する権利を持った者が誰一人おらず、上層部から配給される投票券の使い道が無いと思われている人々だ。毎年数百人、今年は凡そ九百人程の花騎士が参加している人気投票は、偶に全ての花騎士に参加する権利が与えられると勘違いされるが、その実様々な要因によって出場資格を与えられない花騎士も大勢いる。そして人気投票で上位勢になれなければ……「進化」及び「開花」と呼ばれる状態に至った時に申請出来る二着を加えた三着の衣装以外のものを纏って戦場に出る事が許されない。故に大多数の騎士団長は、投票券集めに心血を注ぐ。
しかし普通に花騎士として活動していれば、特別な事情……例えば国の特殊部隊に所属する花騎士が挙げる「顔が公に晒されては潜入任務に支障をきたす」という理由等、そういったものによる辞退が無い限りはあらゆる花騎士に参加権が与えられる。准騎士にすらだ。無論、単純にその時期に長期の作戦行動なりなんなりで都合が悪くて参加出来ない花騎士も多いが……一つの騎士団で、誰一人参加しないなどという事態は、まともな騎士団ならまず有り得ない。海賊である青い悪魔の一団や怪盗ナイトシェード一味すら参加可能な催しなのだから。
つまり彼らは……正規の騎士団長でありながら、それだけの後ろ暗い事情を持った輩共だという事だ。
そんな奴らを此処に呼び寄せたのは私だ。どんな手を使っても、オミナエシを投票戦争に勝たせる為に。彼女の魅力を世界に思い知らせる為に。彼らの手元にある無駄な投票券を、オミナエシに入れさせるのだ。
例えオミナエシとの約束を破り、娼婦の真似事を強要する羽目になろうとも。
男達は嗤っている。彼らがどんな存在であるか知りながら協力を要請した浅ましさを愚弄してか、それとも入賞させたい女にこんな事をさせる愚かさを嘲笑ってか……定かならない。
ただ、確かなのは……最早私に彼らを見下す権利は無いという事だ。既に私は……ハッキリ言って人間的にはクズの部類に入る。
「うっ、う゛う゛っ! げほっ、オエッ……ぶぎゅっ!? じゅぶっ、んぐぅぅっ!」
凌辱されている妻の口内に、誰とも知れぬ輩の精が放たれ、嘔気を催している最中に無理矢理別の男の陰茎をしゃぶらされる。
彼らに容赦は無い。夫である私が、御随意に、と許可を出してしまったからだ。既に十数人の相手をさせられたオミナエシの顔と両手は精液塗れになっていて、グラデーションの美しい髪も穢らわしき汚液に塗り潰されてしまっている。
悲哀に満ちた彼女の瞳が時折此方に向けられる。嫌悪や侮蔑の色は無い。こんな事を強要しているにも関わらず、妻は未だ私を見限らないでいてくれる。なのに私はこうして土下座し、彼女が新たな衣装を纏って戦場に出る許可を得る為に現在の彼女の不幸を無視する。
男達の嗤い声に精を吐き出す呻き、妻の痛ましい苦鳴。私の独善的な欲が招いた、地獄の様な時間……しかし、その最高潮はまだ訪れていなかったようだ。
一人の騎士団長が、厭らしい笑みを浮かべながら、悍ましい色合いの液体を湛えた巨大な硝子管を荷物から取り出し、使用許可を求めてきたのだ。
先端に細長い嘴のある硝子管。主に犯罪組織の根城の拷問部屋や、桃源郷からも拒絶されるような異常な輩が集う風俗店、或いは小型にしたものではあるが医療現場で見られる、排泄を強要する道具。浣腸器。
しかもその液体はあからさまに医療用のものとは異なる色彩の、色責めの為の毒液だ。命に関わるものではないだろうが、御禁制の薬物なりなんなりが入った違法なものであるのは容易に想像がつく。
まさか、そんなものを私の妻の腹の中に入れようとでもいうのか。
「ごぼっ、げほごほっ……ひいっ!? そ、それっ……嫌ああっ! 浣腸なんて、そんなっ!」
そうだ。流石にそんなものを、彼女に使う事など許す訳が無い。性接待以外にも彼らへの便宜を図る約束をしているのだ、これ以上の行為は許容出来ない。
自分の身勝手が招き寄せたという事実も頭から飛び、怒りをぶちまけてしまいそうになるが……その男が外界と隔てる障子へと近付き、開けた先にあった光景で……その怒りも、頭から飛んでしまった。
障子で隔てられていた庭園に、小型のクジラ挺が飛んでいる。大勢のチビナズナとナズナ形絡繰り人形が操り、投票券を回収するべく国境を股にかけて奔走している自動装置。
そのコンテナに、束ねられた投票券が整然と、そして山の如く積まれている。数万単位の投票券。
ここで私が許可を出せば……あれが、全てオミナエシのものになる。彼女が優れた女だとスプリングガーデン全土の奴らに知らしめる一助となる。
一瞬、あの券の山は本物かどうなのか疑問が浮かんだが、我欲がそれを押し潰した。
故に私は……厭らしくにやつく男達に、再び平伏してみせた。
「あなた……? 嘘、ですよね……?」
呆然とした妻の呟き。手足を捕まえた男達の手により無抵抗に仰向けにされている。
すまない。どうか耐えてくれ。きっとこれで、君の魅力を皆に思い知らせてやれるんだ。その筈なんだ。
悍ましい色合いの液体が詰まった硝子管の嘴が、オミナエシの肛門に突き付けられ、そして。
「嫌っ、嫌あああっ! お願いです、団長さんっ、あなたぁぁっ!! どうか考え直して、ひいいいいいいいいぃっ!?」
入ってゆく。我が妻の腹の中に、害虫の毒液より尚汚らしい液体が。羞恥の有様を暴き出す、邪悪な汚水が。
拘束されたオミナエシが暴れるが、花騎士の力を封じる首輪が世界花の加護の身体強化を無力化する。囚われの身の花騎士のいじらしい抵抗は意味を成さない。
「ひっ、ひいっ、はひいいっ、うぐううっ、お、なか、お腹がぁぁ……破けちゃうぅ……パンパンで、苦しい……団長、さん……どうしてぇ……」
妻の言葉に彼女自身の臓腑が同意し、抗議するように激しくゴロゴロ鳴り響く。土下座しているので彼女の腹部はよく見えないが、悲惨な程の膨らみを生じているのだけは分かる。
仰向けで苦しそうにしていた彼女を抱き上げる浣腸男。そのまま他の男の精液に塗れた膣に挿入したらしく、圧迫された腹が一際醜く異音を放ち、オミナエシが呻く。
「うっ、ひぅっ、ふぅぅっ……うぅぅっ、ぐぅっ、ぅふぅぅっ」
聞きかじった知識の中にある、ラマーズ法という出産の際の呼吸法に似ている。現実逃避でそんな事を考えてしまっていた私に、浣腸男がオミナエシと繋がったまま近付いてきた。
何をしようというのか。半ば確信しながら、それでも動けない。恐らく動いたら……あの投票券は手に入らなくなる。
「う゛っ、ふっ、ぐっ、やめ、やめて、くだ、さひっ! お腹っ、潰れ、てえっ! このっ、まま、あ゛あ゛あ゛っ! だんな、さま、にぃぃっ!」
それが奴等の望みなのだろう。凌辱の為に殺到していた輩は下がり、清楚なオミナエシが我慢の限界を迎える瞬間をじっくり観てやろうと私を取り囲む様に位置取っている。オミナエシを犯している浣腸男など、乱暴に彼女の身体を前後させて腹を刺激し、さっさと漏らせ雌豚、などと侮辱までしている。
それでも堪えてくれていた彼女だったが……痺れを切らしたらしい男数人が再び近寄って来て、浣腸男の動きに合わせ、なんたる事か、彼女の滑らかで白磁の如き腹部に、その拳を叩き込んだのだ。
苦しみに満ちた呻き。断末魔じみた強烈な腹音。綺麗な窄まりから滑り出て、私の頭に浴びせられる僅かな液便。
そして彼女は限界を迎えた。
「あ、あ、あああああ!! も、もうっ……堪えっ、きれっ、な、あぁっ! 出っ、出りゅっ、出ちゃうぅぅぅぅぅぅっ! 嫌あああああああぁぁぁぁぁっ!!」
心臓を握り潰されている気分にさせる絶望溢れたオミナエシの絶叫。吐き気を催す排便音。美しい我が妻の腹の中から出て来た物が発しているとは信じられない汚物の悪臭。私の全身を覆ってゆく、愛しい女の排泄物の不気味な生温さ。
ありったけの不快感を齎す大量排便は、毒液の刺激により彼女の腸内で生じたガスの排出による素っ頓狂な音で終わりを迎えた。
「はぁ、はぁ、うぅ、いや、いやぁぁ……」
涙ぐむオミナエシの尻を投票券で拭う男達。排泄物に塗れた券が何枚も目の前に、或いは頭上に落ちてくる。
恥辱の限りを尽くされ、啜り泣く妻。だがまだ解放される事はない。約束の刻限は遠い。
オミナエシの腹を殴り付けた輩の一人が、持ち上げられたままの彼女の背面に近付き……排泄を終えたばかりの肛門に、剛直を突き立てた。
「あっ!? あ゛あ゛あ゛っ!? ぎ、いいっ!?」
ぐちゃり、と気味が悪い粘着音を放ち、出口でしかなかった場所が無理矢理入口にされたようだ。
だが生殖器官でない場所への挿入に苦悶が浮かぶ筈の声は、困惑の中に微かな甘さを隠し切れていない。
二人の男に挟まれ、同時に膣と尻穴を犯され始めた妻の叫びからは、悲痛でありながらも明確に悦楽が読み取れた。
「駄目っ、待って、下さ、ひいっ!? なんで、なんで初めてなのにおしり気持ちいいのぉぉっ!?」
考えるまでもなく、先程の毒々しい浣腸液の仕業だ。
世界花の加護で護られている花騎士は頑丈で、通常の人間より痛みに強く回復力は比べ物にならない。故に犯罪者に囚われた花騎士が拷問される事はほぼ無く、大体ああいった薬で快楽を増幅させる、強引に快楽を与える手法で堕落に誘われる。
だが奴らは私の妻に、信じられない侮辱を――お前は雌豚を越えた雌豚だからだ、淫売のクソ女だからだ、そういった殺意を抱きそうになる酷い愚弄の言葉を吐きかける。
「う、うそっ、嘘ですぅっ、わたっ、しぃっ! そんな、はしたないっ、女、じゃ、な、あぁぁぁぁっ! も、も、もう、動かないでぇぇぇっ! 頭、ふわふわしてる、の、にぃぃっ! オマンコも、おしりも、滅茶苦茶になって、お゛、うぅぅぅぅぅっ! お゛ っ、お゛お゛おっ、お゛ほぉぉぉぉぉぉっ!」
即効性のものだったのか、それとも犯罪者共が花騎士籠絡に使う強烈なものだったのか。大和撫子と表現するに相応しい淑女であるオミナエシに似つかわしくない獣じみた喘ぎが吐き出される。
膓から薬に冒され正気を失いつつあるのだろう彼女は、前後から犯されながら、何事か囁きかけている男共の言葉に追従した。
「ひいっ、ひぎ、ひい゛い゛い゛い゛っ! お゛、おしりっ、奥っ、ん゛お、おほぉぉぉぉっ! は、は、はひぃぃぃっ! わたしっ、みだらな、メスブタ、ですぅっ! だ、旦那様とのっ、せっ、セックスよりっ! こっちの、お゛お゛お゛っ! オチンポ様のっ、オ゛チンポしゃまのほぉがぁっ! こ、このオチンポ様、でへぇっ! オマンコとっ、け、ケツマンコ穴ぁっ、オチンポ様入れる穴ぼこぉぉっ! グチャグチャにさりぇるのお゛っ、き、き、キモチイイっ、れすぅぅぅっ!!」
土下座している為、彼女の姿は見えない。だがその表情が快楽に歪んでいるのが手に取るように判る声音。
正常な状態ではない彼女を誘導して言わせているだけだ。正気ではないから命じられた通りに喋ってしまうのだ。そもそも私が原因なのだから……そう思っても、心臓が異常な鼓動を刻むのと、脳の芯が凍えていくのが止まらない。
響く粘着音と汚臭で今にも死んでしまいそうな気分の中、私の妻は、他の男の一物と同時に絶頂を迎え、完全に屈服した。
「う゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! い゛、イギュっ!? 変になる゛ぅっ! おしり、お゛、オマンコ、イ゛クっ!? オチンチン入れる穴になったメスブタ奴隷のケツ穴イクぅぅぅぅっ!! ごめんなさいっ! ごめんなさいぃっ! 団長さんっ! 団長さ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!」
絶頂した妻の下に、ぼたぼたと白濁した液が垂れ落ちる。溢れた精液か、掻き混ぜられた腸液か、それとも奴らの与える肉悦に身体が服従した証の愛液か。
「あ……あ……あはぁ……♡ おしり……メスブタの、オミナエシの、おしりに、もっと……あふれるくらい……オチンポぉぉ……♡」
これまでもこれからも、真っ当に生きていれば、オミナエシに吐かせる筈の無かった最悪の言葉。聞く筈の無かった甘く蕩けた声の下劣なおねだり。
だが、きっとこの選択は正しいんだ。オミナエシは新たな衣装を纏って戦場に出る権利を得られる。その筈なんだ。
彼らがまだ有効投票券を隠していて上位勢に投票する可能性。私以外にも嫁を他の男に売って票を稼ぐ輩がいる可能性。そもそも私よりも遥かに優秀な騎士団長達が真っ当に稼いだ分が、今こんな下衆な手段を用いて稼いだ票数を上回っている可能性……そういった不安要素の一切合切を無視する。
肛門絶頂を迎えたばかりのオミナエシに男達が群がり、凌辱の嵐に嬌声を上げさせている光景から必死に目を逸らし、自ら招いた凌辱劇の終幕と、妻の汚辱に見合う結果を願い続けていた。