悪堕ち
人体改造
スカトロ
苗床
誰も居ないロータスレイクのとある浜辺、イソギクは独り佇み、濁った海を物憂げに眺めていた。
先日のミズウォルムによる大侵攻の際、かの大害虫は水中での行動に最適化する為、自身の分け身のいくらかをわざと溺死させ、水中行動の経験を得た。
その際にミズウォルム分体の死骸から水に流入した汚染毒素は水の流れに乗り、こうして潮の流れの弱い領域に堆積してしまっていた。
「なんて酷い…」
鼻を抑えて眉を顰めるイソギクの言う通り、辺りには腐臭に近い悪臭が満ち満ちていた。ミズウォルムの体色を連想させる汚らわしい虹色の海は濁り果てて透明さを失い、まるで害虫の溶解毒を浴びたような悲惨な姿の海洋生物の腐乱死体と毒の塊のような見ているだけで不快になるなにかが所々に浮いていた。
水場の環境保全に心血を注いでいるイソギクでなくとも、まさに地獄と言う他無い凄絶な光景だ。
そんな所に彼女が来たのは、この汚染を調査する為に送られた研究者達が、一人残らず行方不明となった為。
「まさか、この海に落ちてしまったとか…? でも、流石に全員そうなったなんて筈は…」
害虫すら嫌がって近寄らなくなったこの近辺で、どうやって研究者の一団は姿を眩ませたのか。
臭気に悩まされながら頭を捻るイソギクが辺りを捜索するが、何も見つからない。
一旦、共に調査に来ている他の花騎士達と合流しようか。そう彼女が考え始めた矢先、腐海の一部に固まって気泡が湧き上がっている場所がある事に気付く。
不審に思い見ていると、なんと気泡はどんどん量と勢いを増していくではないか。
花騎士としての勘で危険を察知した彼女が大斧を構えると同時に、水面を割ってなにかが姿を現した。
害虫か、と身構えていたイソギクだったが、そこから出現したものを確認して唖然としてしまう。
磯巾着だった。汚染された海と同じ汚らしい虹色の体色で、なにより恐ろしいほどに巨大だった。それこそクジラ艇やスワン艇で相手をするべきではと思える程に。
「磯巾着? なんで、こんな大きく…」
磯巾着がミズウォルムの強い毒による遺伝子変異を遂げた結果の化け物が、触手を蠢かせてイソギクを睥睨する。
当然の行動として一時撤退を試みるイソギク。騎士団に報告を上げ、ちゃんとした討伐隊を組んで当たらなければならない。この怪物が害虫かどうかは関係無く、今この近辺に調査に来ている花騎士が全員集まった所で、こんな巨躯の化け物の撃破など到底不可能だ。手が足りない。
だが逃走しようとしたイソギクの耳に、微かな呻き声が届いた。思わず立ち止まって声の出所を探る彼女の視線が、怪物の口元へ向けられ。
「あああああ…」
「うううう…」
居なくなった研究者らしき人々が…いや、研究者達だったものがあった。
磯巾着怪物の口元に生えた触手はただの触手だけではなかった。大多数は単なる触手であったが、その中に一部、人間を中途半端に融合させたような、悍ましい肉袋が先端に備えられたものが存在していた。しかも、被害者達はどういう理由か不明だが、強制的に延命させられてしまっていたのだ。
想像を絶する怪異の行いに、慄然たる恐怖を覚えるイソギク。恐怖が体を竦ませ今すぐ逃げろと生存本能に叫び、それでいて苦しむ人々を見過ごせないという花騎士らしい正義の心も湧き立ち、僅かな逡巡の時間を生んでしまう。
それが彼女の運命を決定付けた。
呆然と立ち竦むイソギクめがけ、海の中から恐らく槍糸から分化したらしき器官が射出される。我に返った彼女はそれを避けた…が、槍糸はまるで爆発でもしたかのように無数に分かたれ、その内の何本かが花騎士の身体に突き刺さる。
「うっ! し、ま……!? ぁうっ……!?」
イソギクはその場にうつ伏せに倒れこんだ。意識ははっきりとしたまま、全身が猛烈な痺れに襲われ、声すらまともに発せられなくなっていた。
麻酔効果を持つ、神経毒によるものだった。
狼狽するイソギクを他所に、磯巾着怪物は巨大な身を屈め、動けない少女を覗き込むようにしてその美身に触手を這わせていく。花騎士の身体調査には人間が溶け込んでいる触手も例外無く用いられていた。むしろそれを積極的に使用しており、溶け込んでいる人間の意思が関係するかは判然としないが、少女の滑らかな素肌や豊満な乳房を撫でた際、舌を伸ばして舐めてさえいた。
「や、べへ…ぎぉぢ、わぅ、い…」
殆ど利かない口で拒絶を吐き、鳥肌を立てるイソギク。
だが磯巾着怪物は花騎士の走査を進める程、興奮しているかのように忙しなく触手を蠢かせる。
化け物はこの捕らわれた美しい雌を、自身の滋養として取り込むより、生殖の為のつがいに変えた方が役に立つ優秀な個体と判断していたのだ。
イソギクの身体を探り終えると同時に、触手束の中から内部に汚らわしい真紫の液体を充満させた注射器状の先端を持つものが伸長していく。
無抵抗を強いられ、瞳の中に隠しきれない怯えを覗かせるイソギク。その首筋に、無慈悲な針が突き刺さり、内溶液が注ぎ込まれていく。痛みこそないが、不気味に過ぎる液体を受け入れさせられた彼女の顔は何が起こるか分からない恐怖で青褪める。だがそれで終わりでは無かった。
注射触手が引っ込むと、次に出て来たのは肉色の球が数珠状に繋がり、先端に細長い鳥の嘴のようなものが付いた珍妙な触手。他の触手でイソギクが服を引き裂かれながら仰向けにひっくり返され、五本の嘴触手が震える彼女の顔、左右の乳房、膣、肛門にゆっくりと近付けられていく。
「や…ぁ…やぁあ……」
いやいやと力無く首を振るイソギクの態度を一顧だにせず、五本の触手はそれぞれの目標地点へ伸ばされる。そしてまず、大きな両乳房に到着した。
触手先端の嘴が自らの両乳にしでかした行為に、イソギクは目を疑った。なんと、嘴は人間の乳房の構造を無視して、乳首をこじ開け、どんどんと乳内へ侵入していったのだ。しかも、麻酔効果で何の触感も無い筈なのに、異様な快感だけが侵入された両乳の中から脳へと送り込まれていく。
先程注入された真紫の液体の効果であった。人体の有り方を変えてしまう妖液……そして、効果があるのは乳房だけではなかった。
「ぉ、ご、ぉ………おぅぉ…!?」
次に到着した嘴は、イソギクの口を目標としていたものだ。力の入らない口をどうにか閉じようとするも、触手の力は強く、強引にこじ開けられて喉の奥へと、そして食道から胃へと侵入されてしまった。だが本来吐き気に襲われる筈のその状態でも嘔吐を催す事は無く、またもや代わりに奇怪な快楽が侵入されている部位全体から襲って来る。
とんでもない異常事態により、強い快感でも拭えない恐怖に侵され涙を流すイソギク。だが泣いても絶望的な事態が終わる事は無い。
残りの二本が膣と肛門に同時に突き立てられ、奥へと潜り込んでいく。そしてその二本がそれぞれ子宮口と結腸をこじ開け、深奥を占領すると同時に、数珠玉触手の中を通り、五つの嘴からイソギクの体内へ、粘着質な何かに覆われた固形物が吐き出された。
びちゃり、と五重の音が体内を通じてイソギクの耳殻に届いた瞬間。
「お゛っ!? おご…げっ、おげぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉお!?」
口から喉奥まで触手に占領されたまま、イソギクは白目を剥いて爆発的な絶叫を上げた。
怪物がイソギクに送った五つの悍ましい贈り物から、彼女の正気を破壊せんばかりの膨大な刺激が撒き散らされていた。
その中には体の中を力尽くで弄り回される激痛も含まれていたが、同時に発生する異常な快感に塗り潰され、脳に到達する頃にはその痛みすら気持ち良いと誤認させられてしまっていた。
衝動に任せて麻痺した体でのたうつイソギクの穴から五本の嘴触手が抜かれるが、それでもなお彼女はまともな言葉を発する事が出来ず喚き散らし続けた。
「ご、ぼ、おぼ、おぼおおおおおぉぉぉ! お゛っお゛お゛おお゛お゛ぉぉぉぉ!!」
脳を翻弄する電気信号の嵐に発狂寸前まで陥り、奇声を上げて痙攣するイソギクの身体だったが、突然一際大きく跳ねると声が止み、大人しくなった。
だが震えは止まず、全身から多量に汗が噴き出し、顔は紅潮と蒼白を行ったり来たり。そして奇声の代わりに腸蠕動音にも似た激しい異音が体内から響きだした事から、異変は去っていない事が判る。
数分が数日にすら感じられる苦界の中を彷徨するイソギク。暫くの後、全身を襲う麻痺と異常感覚は去った。しかし完全なる想定外の事象に、彼女の摩耗した精神は過敏になり、普段の真面目さなどは影を潜め、ただ自身が苦痛から逃避する為にこの場から逃げ出す事を望む。
完全に恐怖に巣食われてしまった彼女は、ここから逃げられたとして、命の危機と向き合い続ける花騎士を続けられるのだろうか。
だが、そんな事を気にする必要は、もはや無かった。
「はぁっ、はぁっ……にげないと…逃げないといけないのに、なんで、こんなに体が……えっ?」
異常に重い自分の身体の所為で動けず、混乱のあまり目を白黒させていた少女の視線が、更なる異変に気付いて止まる。一度など騎士団長に迷宮と表現された豊満な乳房と、ほっそりとしていた腹部が、当事者の狂気を誘発しかねない程に膨張していた。
気付いたらそのような悲惨な有様になっていた自身の膨張乳房と膨張腹部を呆然と眺めるイソギクの前、ごぼごぼ、ぎゅりゅりゅりゅ、と醜い音を放ちながら、両乳房とボテ腹が内部から押し広げられるように蠢きつつ、なおも急激に膨れ上がっていく。
「ぐ、る、じ…!? っ、まさか、これっ、ぐ、うぅぅぅぅぅぅっ」
苦しみ悶えるイソギクの脳裏を過る、騎士学校で習った敗北花騎士の末路の一つ…害虫の苗床。
卵や幼虫を産み付けられ、もしくは自分の子宮と卵子を利用されて子供を産まされる、花騎士にとっての悪夢の一つ。
自身の体内から現れる化け物の姿を幻視して震えるイソギク…だが、彼女の想像は、ある意味正しく、概ね間違っていた。
「ひっ、奥からっ、おっぱいとお腹の奥から、何か出てきてるぅっ!? 嫌っ、嫌あああああああっ!」
花言葉とは似ても似つかない様相で泣き叫び狂乱するイソギク。
「たすけてください! たすけてぇっ! お父さん! お母さん! 団長さ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
両親と団長に届かぬ願いを飛ばすイソギクは救われず、ついにその時が訪れた。
狂気さえ予感させる絶叫を発する少女の両乳首、女陰、肛門をこじあけ、大蛇めいた太く長いもの共がのたくりながら姿を露にしていく。
彼女の身体から出て来たのは、怪物の子ではなかった。むしろそれだったなら、産まれるだけで終わりになる分遥かにマシだったろう。
哀れな被害者の両乳と膣、そして肛門から現れたのは、磯巾着と同じ構造をした、彼女の新たな身体器官だった。イソギクの身体を素材としている事が一目で判る、肌色と薄いピンク色の混ざりあった気持ちの悪い色彩をしていた。
イソギクの身体は、さながら磯巾着と同じ刺胞動物のヒドラのような形になってしまっていた。
「…………………なんですか、これぇ゛ぶえ゛っげお゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」
そして最後に、胃の腑の奥から、五本目の磯巾着状触手が生えてきた。
そんな事をしては呼吸器官が潰されて窒息死してしまいそうなものだが、磯巾着同様の体表からの呼吸機能を新器官らは備えているのか、体内から出現したものに恐怖と絶望の目を向けるしかないイソギクが息をするのに困窮している様子は無かった。
自らの意思とは関係無く、好き勝手に躍り狂う磯巾着器官にただ落涙する事しか許されない花騎士へ、更に災禍は襲いかかる。
イソギクが完全変化を果たすまで悠々と見守っていた磯巾着怪物が、その禍々しい鎌首をもたげ、口腔の奥からまたもや五本の触手を伸ばしてきたのだ。
今度の触手は、人間の陰茎を模した形態をしていた。色は肌色から程遠い、濁った汚い虹色であったが。
虹色陰茎はイソギクから生えた磯巾着器官の先端に近付いていく。磯巾着器官もまた、その為に新造されたものとして役割を果たすべく、虹色陰茎を求めていく。
「ぁ、ぇ…ぁえ、ぇ…おぇぁいぃぁぅ……ぅぅぃえぅあぁぃ…」
滂沱の涙を流しながら、まともに発声出来ない塞がれた喉で必死に許しを乞うイソギク。麻痺の解けた手は大斧を掴み、どうにか自分の首を落として自害出来ないかと奮闘する。
怪物が人間の言葉を解するとは思えず、最早自分の体が人間に戻らない事を理解していても、そうせずにはいられなかった。
せめて、心は人間のままで最期を迎えたい。あの陰茎群を入れられたら自分の精神がどうなってしまうのかを、本能的に理解していた故の行動だった。
だがそれを嘲るように、怪物は触手で大斧を取り上げ、イソギクの眼前でへし折ってしまう。
真っ青になって無様な後退りをするイソギクを触手が弄う。転がるようにして逃げるイソギクの試みを、彼女自身の新たな部位が妨げる。
そして遂に、イソギクの制止も効かず、虹色の肉棒の一本が、磯巾着器官と合一を果たした。
「んっ………♡ ぁぅんんん…♡」
挿入された瞬間、両親の事も、団長の事も、頭から消し飛んだ。
ただただ、暴力的で莫大な肉の悦びが彼女を支配した。
一ヶ所だけでその様だった。
イソギクの人間の遺伝子が、与えられた新たな性分に完全に敗北し、雌の磯巾着としての生命を受け入れてしまっている証であった。
「んんんーーー♡ んっんっ、んー♡」
ズブズブとイソギクの肉が怪物陰茎をすんなりと呑み込み、気持ちの悪い粘着音を立てながら舐めしゃぶる。
二本目、三本目と結合部位を増やす度、イソギクの瞳からは正気が失せてゆき、最後の一本が挿入されてしまうと、人間としてのイソギクの心は完全に壊し尽くされ、ひたすらに雄との交尾を求める性の奴隷に堕ちてしまった。
雄の触手が雌の体内を押し広げて突入し、雌は喉であった場所や乳首であった場所が限界以上に拡張されて内出血を起こしても、恍惚としたまま奉仕を続ける。
「んぐぅぅぅ♡ ぐぅぉんぉぉ♡」
抽挿は繰り返す度に速く激しくなっていく。あまりの衝撃に骨が砕け、内臓に突き刺さる。人間のままであったなら痛みや出血性ショックで絶命していたやもしれないが、もうイソギクの肉体は人間のものではない。湧き上がる性感に溺れ悶えるだけの怪物の雌でしかない。
やがて雄磯巾着とイソギクだったものは同時に絶頂を迎える。雄の口周辺の触手がイソギクを縛り上げ、その体内の深奥にまで生殖器を突き入れ、大量の精液を吐き出した。
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ♡ ほぎょっごお゛お゛お゛♡」
人間の声とは到底言えない随喜の呻きを吐き散らし、イソギクだったものが嬉しそうに五穴に吐き出された精を受け止める。
巨大な雄が溜め込んでいた精を全て受け取った腹も乳も破裂寸前で、臨月の妊婦でさえここまではならないという程に膨れ上がっていた。
だがイソギクは全く苦痛を感じていない様子だった。それどころか、膨張しきったボテ腹と乳房の中で育まれつつある子供達を想い、愛おしげな視線すら向けていた。
巨大磯巾着は完全に自分のつがいに変貌したイソギクを自身の棲家へ持ち帰るべく、触手で包みこんでいく。
自身を包む触手に、イソギクは親愛を示すように磯巾着状器官を絡みつかせ、身を委ねた。
そのまま二匹の妖物は海中へと没し、辺りには再び静寂が戻る。
イソギクと共に周囲の調査をしていた花騎士達は、戻らぬ彼女を案じて浜辺を捜索したが、ついにイソギクが見つかる事はなく、そのまま行方不明者のリストに名を連ねる事となった。
そして、海の底に引きずり込まれた元花騎士は。
「あう、はぅううぅぅ♡ げぎゅううううううぅぅううっ♡」
有害毒素が沈殿した深海、その闇の奥に潜む巨大な磯巾着の化け物の傍ら。
完全に人の形と心を失い、淫らな嬌声を上げながら、体内より生える五本の磯巾着から異様なものを吐いていた。
現実を放棄した虚ろな喜びを映す瞳を濁った海面に向け、肉塊のようなプラヌラ期の子供達を外界へと送り出していく。母であるイソギクが人類であった頃の名残か、それとも父である巨大磯巾着が人間を取り込んでいる為か、幼生体達には人間の手足のようなものや、臍帯が付いていた。子供達はその残った臍の緒と臍帯を、まるで魚の尾のように利用して泳いでいる。
イソギクが出しているのは腹と乳の中で育んだ子供達だけではない。完全に磯巾着としての性質が定着した彼女の五本の触手は口と生殖器官だけではなく、肛門としての機能も持つ。五つの口であり肛門である場所から、ぶぼぶぼと汚らしい音を立てて多量の大便を吐き出していく。浮かび上がっていく大便と共に、幼生体も親元から泳ぎ去っていく。
そして子供達の旅立ちを見送ったイソギクは、彼女のつがいである磯巾着怪物が狩ってきた獲物を、汚物を放出した穴から喰らった。今日の獲物は、騎士学校を卒業したばかりで少々調子に乗り、肝試し感覚でこの浜に侵入した新米花騎士……人間だった。だが、イソギクは明確に人の形を残すものを食しても、全く厭う様子は無い。彼女は人ではなく、磯巾着だからだ。
摂餌を終えたイソギクに、つがいはまた子供を作る為に交尾を要求する。イソギクが拒否する筈も無く、膣であり肛門である触手を開け放ち、陰茎を受け入れる。
射精が果たされ、流入した子種と新米花騎士の屍と汚物の残り滓でパンパンになる腹と乳。イソギクは陶酔しきった様子でそれらを撫で、幸せそうに微笑んだ。
沈んだ花は、つがいや子孫と共に深海で長く繁茂し続けるだろう。それが彼女の、静かな喜びなのだから。