※この作品はR-18です。

男女区別社会_優遇された女性とほぼ下僕な男達   作:灰兎

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閑話 それぞれの思いと思惑

 ■ 閑話 それぞれの思いと思惑

 

 ▼ 看護主任 Side

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 看護主任の川村律子は思った。

 目の前の男の子はもしかしたら異星人ではないかとそう思うと全てが納得いく。

 世の男性は有生殖者であっても女性に興味はほとんどない、たまっても女性と性行為をするより自慰行為で済ますのが普通だ。

 

 自分から手を出す場合はシングル イズ ベストと言われるぐらいロリコンが多い。

 

 一般の女性だと余程タイミングよく上手に女性側からアプローチしない限り行為には至らない、強制の場合は別だけど...

 

 でも、この子は母親さえ落としてしまうような子だ、いわゆるいけない本にあるスケコマシっていう子なんじゃないだろうか...

 

 検査もある、暫くは入院するはずだから私にもチャンスはあるかも...あぁ、私の歳じゃやっぱり無理かなぁ...でも、想像くらいは自由よね。

 

 川村律子 男性外科病棟 看護主任 28歳 処女

 

 川村律子は惜しい所を突いていた、和人は異星人ではなく異世界人だったのだから。

 

 

 ▼ 看護婦A 岩永遥 Side

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 いやーーっ、びっくりしたわ~

 和人様のお母さん、和人様を見てわんわん泣くんだもん...やっぱりそれだけ心配したんだろうなぁ...

 ん、でも怪我した時は無生殖者だったんだよね。事故から蘇生したらA3だったからうれし泣き?。

 それも違う気がする。やっぱり家族だから...家族が事故に遭って助かったから嬉しかったんだよね。

 うん、うん、そうだね。

 

 この病院は甲種医療施設、だから有生殖者と女性しか来ない、有生殖男性は物凄く大事にされてるからちょっとした怪我がほとんどで外科に入院患者なんて来ない、私が赴任してからは初めてだと思う。

 

 いや~、和人様は尊敬しちゃうなぁ~

 イケメンだし、高身長だし、なんといっても世界で唯一のA3ランク男子だからねぇ...まぁ、私なんかは鼻にも掛けてもらえないのは十二分に自覚しているけど、入院期間中だけは存分に鑑賞できる点はここに配属されてラッキーだったわ。

 

 でもすごかったわ~

 わがまま言うお母様を説得するところなんて私、キュンキュンしっぱなしだった。

 もう、下着替えないといけないわ...

 

 あんな言葉で説得されたらもう、あたしだって何でも言うこと聞いちゃううよね。

 いや、普通に命令されても聞いちゃうんだけどね。えへっ、いっぱい命令されたいなぁ、そしてちょっとだけ優しくされて見たい私です。

 

 あぁ、神さま性交なんて大それた事は望みませんからどうか願いを聞き届けて下さい。

 

 

 ▼ 担当医師 鈴木京香 34歳 Side

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 イヤーほんと驚いたわ、驚いたなんて次元で済まされるもんじゃないくらい驚いたわ。

 傷が跡形もなく消えるなんて現実に有り得るなんて思えない...けど、これは現実、検査の結果も恐らく問題はない。

 どうして...誰か教えて欲しいわ

 

 本来、彼は目覚めなかったはず...ここ数日が山場だった。

 脳に出血があったが、現時点では手術は不可とされて体力が戻った時点での手術が予定されていたのに血腫が消えていた。

 

 脊椎も完全に骨折していたし脊髄へのダメージも完治は無理だと診断されていたのに何もなかったかのよう歩いて検査室を出て行ったのには驚くしかなかった。

 

 さぁ、この結果を見て上はどうするのかしら...

 彼はA+++という、世界で一人のランクが判明した時点で最悪、意識は戻らなくても構わないから絶対に死なすなという指令が出ていた。

 それを受けて医師団が急遽結成されて延命の尽力した結果助かったのだけど、なに?助かり過ぎでしょって言いたいわ。もう。

 

 上としては意識なくても高性能な精液タンクとして使いたかったのかもしれない。

 でも、上は分かっているのかしら...

 彼は未成年...未成年の処置件は保護者の同意なしには行えない、意識がなければそのまま保護者にゆだねられて、意識不明のまま成年になっても保護者から後見人と名前が変わるだけで権利はそのまま、あの母親は息子を精液タンク代わりに使うなんて絶対に認めないわ。

 

 さぁ、いまからどうなるのかしら...

 彼の取り込みは過酷になるわね。A+の時は10億単位のお金が動いたから彼なら凄い事になるはず、恐らくわが国だけでなく他国からのアプローチも凄いはず、ちょっと不謹慎だけど祭りになるわね。3年ぶりかしら...そう、あの時は結局、財閥が囲ったんだっけ...楽しみだわ。

 

 ※Aランクは現在、国内に20名程、A+は国内では1人

 

 あらあら、人口対策庁それも大臣からの通達が来ているわ何かしら...

 ふーん、DNAを検査したんだぁ...

 まあ、有生殖者の男性は全て受けるからまあ、当たり前なんだけど...

 

 うわっ、陛下の勅書が入ってるじゃない。

 なんなのよ、大臣指令と陛下の勅書なんて初めて見たわ...

 

 手で破るなんて恐れ多い、鋏で開けなきゃ...

 

 なになに...

 

  如何なる事案に於いても夏目 和人の存命を最優先するよう欲する

 

 えっとぉ、大臣の方は...

  なるほど、なるほど、いくら金が掛ろうとも、あたしが激務で死のうと誰が犠牲になろうが構わないからあたしに指揮を取り、彼を助けろと言う事ね。

  ご褒美は望みのまま、死んだら医療派遣団への出向を命ずってことね。

  

  もう、クリアしたわ。

  彼元気だし...謎だけどね。ご褒美ラッキーって事ね。

  

  ふうぅ、いまだから言えるけど、死んでも不思議はなかった、いや、死ぬ方の確率が高かったのよ...危ない所だったわ...彼には感謝ね。

  

  念のため、検査結果は見落としのないように見直さなきゃ!

 

 でも、なんでここ迄大事になってるの?そりゃA+++は貴重かも知れないけど...ん、彼のランクはA3Ωになってるじゃないの3は分かるわ+++を短縮したのね、でもΩは何なのよ。

 

 DNAの調査結果を見てみた...

 ふーん、こりゃ世界規模で大事じゃん、へたすりゃ戦争規模になってもおかしくはないわね。

 確かΩって究極の形って意味が有ったわよね。それにギリシャ文字最後の文字でもあるから、究極の最後の希望って訳でA3Ω何だろうな。

 

 こりゃ、今から楽しみだわ。

 

 

 

 ▼ 人口対策庁 甲種会議室 事故発生から3日後

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 「なにかねぇ、私までわざわざ急遽呼び出すなんて...

 誰か高ランクの者でも死んだって言うの?」

 

 「そ、総理迄、ご出席とは知りませんでした。」

 遅れて来た大臣は如何にも不満そうな顔をしながら辺りを見回して総理が出席しているのを見つけ押し留まるのだった。

 

 「では、そろいました様なので不肖、人口管理局調査部、部長の私、蓮棟が司会を務めさせて頂きます。

 先日、7月1日、16時38分、肥後中東部コバルト鉱山に置いて引火性ガスの噴出による爆発事故が発生しました。これにより掘進課、京介班6名のうち5名が死亡、1名が重症です。」

 

 「重症患者の生殖能力検査を行ったところA+++の結果がでました。」

 

 「ほぉーーっ」

 「そりゃすごい、初じゃないのかね。」

 

 各参加者から声が上がる...

 

 「+++って事は性格面でも優良って事ですわよね。」

 

 「ほーーっ、それも凄いな」

 

 「はい、世界初の高ランクですが、今回の案件はそこではありません、有生殖者の通例の処置としてDNA鑑定に回しました所お手元の資料の結果が出ました。」

 

 「彼の遺伝子は問題とされている所の欠落がありません、つまり、現在、見つかっている中ではウイルスに罹患する以前の人類と同じDNAを持っている世界で唯一の人物となります。」

 

 『と、言う事は...』

 

 「はい、彼の子供は正常な遺伝子を持つ可能性が高いと言う事です。これは相手となる女性の相性などもあるとは思います。」

 

 「その患者の容態はどうなんです。」

 

 「昏睡状態です。正直な所、良くは有りません、危篤状態です。」

 

 「よし!!何が何でも死なすんじゃない、すぐに病院に指示をだせ!金がいくらかかろうともかまわん、犠牲もありだ、臓器が必要なら犯罪者からとってでも対応するようにしろ。今回は特例措置法を総理権限で出そう。」

 

 和人の容態を聞いた総理は何が何でも死なせまいと特例措置まで出すことにした。

 

 「あのう、蓮棟部長、彼の精液は保存してあるの?それと人工授精した場合の確率は...」

 

 「少量は検査の残りが保存されていますが、これまで同様、冷凍しておりますので結果は変わらないと思います。」

 

 「ふぅ、つまり今まで同様に自然受精じゃないと駄目って事ね」

 「はい、受精だけを見れば変わらないと思いますが、生殖能力の面で言えば人工授精では高確率でこれまで同様の結果になると思われますが、」

 

 ※この世界では人工授精ではほぼ100%というぐらい無生殖者しか生まれない。わずかな確率で生まれるのは自然受精で出産した子供だけだった。

 なぜ、そうなるかは分かっていない。

 

 「ただ、今後上手く行って男女両方ともDNAの欠損の無い男女から生まれた子供の精子であれば人工授精でも恐らくDNAの欠損のない子供が生まれると思われます。」

 

 「うむーーっ、それは最後の希望になるな...」

 

 「はい、そういう思いから彼のランクを新たにA3Ωとして新設しました。」

 「ん、ランクはそれでいいわね。」

 総理も大臣も納得しているように首をゆっくりと縦に振っている。

 

 「しかしなんだね、彼は鉱山で働いていたのなら無生殖者だろう...それがどうしてA+++の有生殖者になったんだね。」

 

 「明確な原因は分かっていません。

 単に研究員の想像の範囲になりますがそれでよろしければ...」

 部長は総理の顔色を窺うように見ている。こういった会議ではうかつに適当な事を言えば下手すると降格さえありうるのだ...

 

 「構わないわ、言ってみて...」

 

 「はい、では、研究員によると一言で言えば遅咲きと言えるかと...

 人は死に瀕すると子孫を残そうとする本能があるらしいです。彼も実際に死に瀕しました、いえ、一度は心肺停止状態になり、現在も死に瀕していると言える状態です。

 

 つまり、そんな状態の中で何らかの本能の子孫を残すという本能が働いて有生殖者として顕現したと思われるそうです。

 

 正常な遺伝子を持つ理由ははじめから持っていたという以外考えられないそうです。

 もし彼が、女性を見る事が多いような職場、例えばショッピングモール等に配属されていれば遅かれ早かれ有生殖者になったと思われます。」

 

 「うん、そう言う可能性もあるって事だね...実際結果がそうなっているからねぇ、一概に有り得ないとも言い切れないわね。」

 

 「あのぉ、提案がございます。

 彼はおっしゃられた通り希望となりうる存在です、彼を国内外からガード及精神的なびサポートするためにプロジェクトを組みたいと思っています。

 ボディガードとして3チームとメンタルケア班として医師1名、看護師2名で構成したいとおもいますがいかがでしょう。」

 

 「そうねぇ、ちょっと規模が小さい気もするけど良いんじゃない、とりあえずそれで始めて見て足りないような補充する方向で...他の方の意見はどうかしら?」

 総理はあごに手を当てて片方の手で肘を押さえながらちょっと物足りなさそうな雰囲気だが了承した。

 

 「賛成!!」 「問題なし.....」

 全員一致で認められた。

 

 「では、最後に今回の件は公開されますか?それとも非公開の方向で...」

 

 「非公開にしたいのはやまやまだがそれは無理だろう、各国の諜報員が闊歩している現在、いくら隠しても必ずバレる。だからと言ってどっかに閉じ込めておけばバレないだろうけど、それでは意味は無いでしょう。」

 

 総理としては公開したくないのはやまやまだが需要が許さないのは十分に理解していた。

 

 世界有生殖者管理機構への加盟国は自国内に存在するAランク以上の有生殖者の届け出を義務づけている。

 世界有生殖者管理機構は国家間の精子の相互供給などを仲介している、ちなみに日本は世界有数の精子提供国だったりする。

 

 総理のふっと疑問がわいた。

 「なぁ、16なんだろう、何で鉱山なんかで働いていたんだ?未成年の鉱山労働は禁止だろう。」

 

 「はい、その件に付きましては配置後、保護者の母親から異議申し立て出てまして現在調査中です。」

 

 「おい、おい、部長まずいぞ、不味すぎる...A3Ωが鉱山で働かされていた、そして重症なんて世間にバレて見ろ、国内どころか海外からも非難されるぞ!

 直ぐに原因の究明と関係者に箝口令を敷くんだ...

 

 おい、母親から異議申し立てがあったといったな、派遣から3カ月、その以前に出てたって言うのは変でしょう。」

 

 「はい、それはですね、保護者が内部の人間なので知り得たのではないかと...」

 「内部ってどこなの?」

 

 「人口管理局に勤めており、室長の役職付です。」

 「なら、保護者への箝口令は何とかなるでしょう、あれ、局の人間ならすぐに知ったはずよね、どうして事故迄放置してたの...」

 

 「現在調査途中ですが判明してる所では母親の出した違法配置による配置無効届が却下されている様です。

 ええと、わたしの資料によりますと2回程、却下されています。となるともう、出せないので裁判所へ申し立てを行ったようです。

 現時点では有生殖者でありながら鉱山労働者として登録されています。」

 

 「おいおい、そりゃまずいでしょ。

 登録は直ぐに抹消して母親は何とか説得しなさい。

 局長!!あんたんとこ何やっての?違法労働とか...

 

 おまけに届を無視するとか、どうやってこの責任を取るつもり、辞職ぐらいじゃ済まさないわよ。

 何とか言いなさい。」

 総理は激おこだった、そりゃそうなるのも仕方ない、今回の事が表に出れば一局長の問題で収まるはずもなく大臣、総理迄責任は追及されるのは避けようがないのは容易に予想できる。

 引責辞任も十分にありうる事態だった。

 

 「も、申し訳ございません、何しろ寝耳に水の話で直ぐに調べましてお知らせいたします。」

 人口管理局の局長は青白さを通り越して真っ白になって震えている。

 

 人口管理局の局長は事実上の配属先を決めるトップではある確認して承認印を押しているはずだが...事実上はめくら判になっているのは参加者の誰もが知っていた。

 

 「まず、本人の治療を最優先に、かつ同時に母親の説得も行う事、交渉は人事と臨時金と言う形で...どうにかしなさい。糸目はつけないわ。

 それと調査に関してはあなたに甲種旭日権限を与えるから官邸に取りに来なさい、その代わり徹底的に調査しなさい。」

 

 ※甲種旭日権限とは総理大臣が与える権限では最高位の物で皇族を除くすべての個人、法人、団体の調査が認められ裁判所の許可なく家宅捜索や資産の開示が可能になる。

 めったな事では認められない為、ここ数十年は出されていなかった。

 

 「はっ、私の方で誠心誠意当たらせて頂きます。」

 

 「では、今回はこれで終了とさせていただきます、結果は随時お知らせしますので必要に応じて会議を行いたいと思っております。」

 

 部長はあたりを見直して不満のある物がいないか確認してから行った。

 「では、これにて緊急動議、有生殖者1号会議を終了します。」

 

 皆、親しいものと会話を交わしながら退場していく中人口管理局の局長だけは足元もおぼつかないようでよろよろとしながら退場していった。

 

 「局長はもう、死に体だな.....」

 局長の辞職はまず、免れないだろう、それで済めばラッキーって感じだな。

 恐らく今回は陛下の裁定を仰ぐ事になるだろう...

 

 




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