■ 姫川修三1
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病院を出ると黒塗りの高級車が止まっていた。
直ぐにスーツを着た女が二人降りてきた。
「ご同行いただけませんか?」
「そちらは誰だ?名乗りもしない相手に付いて行く訳には行かない。」
そう言うと運転席に乗っていた女が叫ぶ!
「構わないからさっさと乗せなさい!!」
ごきっ、どがっ
うぎゃっーーっ、うぅぅーーっ、
1人は股間を強打され、股間を抑えて丸くなって呻いている。もう一人はと見るとやはり倒れている。胸を押さえて苦しそうに...息が出来ないでいるようだ...
「手を上げて...動くと撃つわよ!」
女の方を見ると拳銃を構えてる。
ほう、この世界には一般人も拳銃を所持できるのか?あっ、俺も欲しい。
女に威圧を発動する。
「銃を向けるのなら死ぬ覚悟は出来ているんだな。」
見るとこちらに向けてる銃口は震えている。どうやら死ぬ覚悟は出来ていないらしい。
「さぁ、撃てよ。」
(な、何なのこの威圧感、まるでこちらが銃を向けられているみたい。どうしたらいい...
どうしたら...)
倒すのは簡単だけどねぇ、どっちみちまた来るでしょうし、どうしたもんかねぇ。
「やめなさい!銃を降ろしなさい、何やってんの?」
女が一人入ってきた。
「誰が撃ち殺せって言ったの、丁重に連れて来るように言われたでしょ?」
「だって、此奴が拒否したから...」
女は俺の方を見る。
「あぁ、俺?聞いても名乗らない奴に付いて行くほど酔狂ではないぞ!」
「はぁ、名乗ってないの?」
「名乗れば付いて来ないと思いまして、強引に拉致した方が早いかと。」
「で、このざまなんだ...」
「どうでもいいけど医者に見せたほうが良いぞ。手加減はしたけど、一人は恥骨が割れてるし、一人は肋骨がやられてる。多分、肺に刺さってるかもな?ほっとくと死ぬぞ!」
「マチ、あんたは二人を医者に見せなさい。彼は私が連れて行くわ。」
「おいおい、俺はアンタとドライブするって言ってないぞ!」
「私は姫川友里よ。梨沙の母親ね。うちの爺さんがあんたに会いたいそうなの。付いて来てくれるかしら...」
「帰りは送ってくれるのか?」
「いいわよ」
「じゃ、行かない訳にはいかないか...」
「車は駐車場よ。そこまでいいかしら。」
「もちろん、美人のお供は歓迎ですよ。」
「フフッ、年増にそう言う事吐くと、たとえ冗談のつもりでも勘違いされて困るわよ。」
「いえ、嘘は言ってないし、勘違いでもないので困らないと思うな。」
そう言うと友里はブルッと震えるのだった。
性欲支配:+10、あまり増やして事故られても困るしな。
「さぁ、どうぞ」
「おおぉーーっ、こ、これはかの有名なカンボルギーニ イヴェンタドールじゃないか...凄い、凄いな、マジかよ、こんなまじかで見るのは初めてだ...」
(なに?さっきまで威圧感を纏った男って感じだったのに急に少年みたいになっちゃって...
アハハ、面白い、ちょっと可愛いかも...んん、何だかうずいて来るし、抱かれたいわ...)
「早く乗ってちょうだい。」
「よっこらしょっと、乗るのが難しいね。おお、バケットシートは感動だ...車って言えば軽って感覚しかなかったからなぁ...おお凄い、音が腹に響く...」
「車好きなの?」 「うん、好きだよ。これでも男の子だもん、船も好きだし飛行機も好き!!」
(はぁ、なんなのよ、まるで無邪気な少年じゃない。こんな子に梨沙は本当に負けたの...信じられないわ...あぁ、でも女を引き付ける魅力はあるわね...さっきからずんずんとうずいて来る。車の中じゃなかったら押し倒してるわ。)
「うちはクルーザーもあるしビジネスジェットもあるわよ。私個人でも軽飛行機を持ってるし」
「いいなぁ~、軽飛行機かぁ~、乗ってみたいなぁ~」
(あぁ、この子駄目だわ、やられちゃう。かなえてやりたくなっちゃう。)
「いいわよ、乗りたいなら今度乗せてあげるわ。」
「えっ、ほんとにホント?うそだったら殴るよ。」
「ほんとだって、でも、その前におじいさまとの話を付けてね、ちなみにおじいさまはかなりお怒りよ。」
「わかってるって、激おこな爺さん宥めればいいんでしょ。」
(ま、そんなに簡単に行けばいいんだけど、今のままじゃ、君はビニールに包まれて帰る可能性が高いわよ。あぁもったいなぁ~この子、殺したくないわ~もったいなさすぎる。
もったいないオバケがでるわ...)
車は門を通過しても暫く走ったのちに古風の小さな家の前で止まった。まるで茶室か何かのようだ...
「おじい様、夏目様をお連れしました。」
「連れて来なさい。」
そこには70を超えた爺さんと、メイド服を着た二人の女性が座っていた。
じいさまの左側には日本刀がある。
「貴様がうちの孫娘を特専にした夏目和人か?」
「はい、そうなりますね。」
「きさまぁっ、ぬけぬけと」
爺は日本刀に手を掛け、かちゃりと日本刀の鯉口を切る音がする。
威圧:30
「じじい!、刀を抜くなら命のやり取りの覚悟はあるんだろうな、手加減はしない。」
威圧をあげていく...
鯉口を切った日本刀からカタカタと音が次第に大きくなっていく、日本刀を握る手の震えがだんだん大きなる。
(な、なんて威圧だ、この儂がこんな若造の威圧に怯えるなんてそんな馬鹿な!!男とはいえ、これでも数々の修羅場をくぐってきたこの儂が……
だ、駄目だ、抜けば殺される。)
「さぁ、来い、その刀が本物なら俺を切って見せろ!」
カチャリと日本刀を直す音がして、爺は日本刀を脇に置いた。
「すまなかった、この通りだ...許して欲しい。つい、孫娘が特専にされたと聞いて頭に血が上ったのだ...」
爺は一度、頭を深く下げてから話し出した。
(駄目だ、絶対にこの男には勝てないだろう、こんな年端も行かない少年がなぜ、ここまでの殺気を持ち得るのか?)
「あぁ、構わない、爺さんの怒りも分かるしね。謝る必要はないよ。」
「そう言ってくれると、助かる」
「あぁ、爺さんの使い、名乗らないもんだから怪我させちゃった。悪いね。」
「かまわん、儂は丁重に連れて来いって言っておったのだから」
母親の悠里が事情を話していた。
「うむ、それは全面的に儂が悪い。重ね重ね申し訳ない。」
「いや、手加減はしたけどさ、時間がなかったし、二人だけちょっとやりすぎたよ、」
「かまわん、名乗らずに男子を拉致るなど殺されても文句はいえん。」
「そう言ってもらうと俺も助かる」
「ところで、孫娘の事じゃが、可能なら特選は解除してもらえぬだろうか、この通りじゃ。」
爺は手を付いて深く頭を畳に擦り付けるばかりに下げている。
「そうだね、彼女の場合、犯罪者じゃないし、解除して普通に生活は送れるだろうから問題ないんじゃない?但し、条件はひとつ、自分で頼む事。人頼みでの解除は認めない。いったん負けを認めてそれを覆すのはかっこ悪いかもしれないけど、そこは譲れないな。」
「おおぉっ、そうか、そうか、すまない、うん、やはり金の話はしなくて正解だったの...」
「かね?」
「あぁ、解除料として金を積んで頼もうと思ったがうちの執事が余計にこじれると言うからせんかった。」
「ほれ、梨沙...お頼みしないか...」
「......」
「どうした?梨沙や、ほれ、折角解除してくれるって言って下さるのに...」
「......」
「どうしたんだ?別に試合の事を気にしなくていい。今後の自分の人生に関わる事だ。特専なんて俺が言うのもなんだが、犯罪者で死刑か鉱山送りにでもならない限りなるもんじゃないと思うぞ?それに梨沙の場合は凄くお金持ちみたいだ。今の方が楽な生活ができそうじゃん。特専になってみろ、極貧だぞ...」
じじや周りは俺の言う事にうん、うん、と頷いている。
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