※この作品はR-18です。

男女区別社会_優遇された女性とほぼ下僕な男達   作:灰兎

6 / 55
♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪
誤字誤用警報発令中です。
雰囲気で脳内変換してお読み頂けると嬉しいです。

謝辞:誤字誤用報告有難うございます。
     誤字は後ほど修正予定です。
♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪




配属そして災害

 ■ 配属そして災害

 

 ▼ 配属

───────────────────────────────

 研修を終えた僕は翌日、新幹線で関東から九州の熊本へと移動した。

 千葉から熊本までの移動って普通は飛行機だろう...それを新幹線って...おまけに自由席ってありえん。

 

 配置先に付くと直ぐに所属する班に紹介された。

 

 迎えてくれたのはリーダーと思しき40代後半と思えるぐらいの人だった。第一印象は白熊!!

 ごつい割には肌は異様に白かった。

 

 「おうっ!坊主よく来たな!!仕事は現場で実際にやりながら教えるから頑張ってくれ...

 分からない事は気にせず何だって聞けよ。俺たちは掘進だ。一歩間違えれば命に繋がる。分からない事を決して自分の判断でしないようにな...」

 

 「はい、よろしくお願いします。」

 鉱山労働者っていうからもっと何て言うか、山賊みたいな感じかと思ってビビっていたけど案外良さそうな人だった。

 

 リーダの京介さん~ほかのメンバーを紹介してもらった。メンバーは僕も含めると総勢6名の班編成で少数精鋭だそうだ...

 

 「しかしまあ、兄ちゃんも災難だなぁ...いきなり掘進とはよ。一体研修所でなにやったんだい?よっぽどの事じゃなきゃいきなりここに配属にはならんだろう。そもそも未成年の鉱山労働は禁止だから...」

 

 (いやまあ研修所での新人がここに配属されるって聞いたからコネも後ろ盾もないのに蝶よ花よと大事に育てられた坊ちゃんが研修所でわがまま放題やって懲罰的に送られてくると思ったが、見て見るとそんなふうじゃないし。)

 

 「いや、何もやってませんよ。っていうかむしろ研修所での成績は班でトップグループに入ってましたし...確か終了時点での班の順位は3位でしたよ。」

 (あれ?なんか変だぞ!掘進への配属は普通はない。ってどういうことなの?)

 

 「えっ、普通はここには配属されないんですか?」

 「うん、まあな、同室の奴らの配属先は?」

 

 「はい、確か駐車場の管理と宅配センターでした。」

 

 「皆いい所に配属されているじゃないか?お前だけが掘進とは...

お前に問題がなければ親に問題があるんじゃないか?例えば親が犯罪者で務所や矯正施設にいるとかならな...

まあ、建前として親と子は関係ないんだが、現実は子供は親の影響を受けるってもんだ...」

 

 「いやいや、うちの親は犯罪者ではないですよ。父親はいませんが母は人口管理局に勤めてますから...」

 

 「へぇーーっ、上級国民様じゃねぇか、上級国民の子供が鉱山とか普通有り得ねぇよ。たとえ適性がどんなに無くてもな。おまけに掘進だ...

 

 考えられるのは一つ...お前がここにいるのは母親の意向だろうよ。

 そうでもなきゃ未成年が鉱山に送られる事は無いよ。」

 

 (可哀想な奴だなぁ...母親に捨てられたんだろうなぁ...恐らく母親は息子に早く死んで欲しいって思ってるんだろう。

 何しろ上級国民様だ..その息子が種無しは許せなかったんだろう...叶わぬ願いのはずなのに...哀れな奴だ...)

 

 

 「えっ、そんなぁ...」

 

 (有り得ない、母さんが僕を辛い所に意識的に押し込むなんて絶対に考えられない...)

 和人の心に波立つのを覚えたが、何とか静める事にした。

 

 僕がここでどうあがいてもどうなる事は絶対にない。むしろ悪化する可能性が高いだろう、それより母さんと連絡が取れるようになってからの方が無難だと思う。

 その為には優良労働者にならないと...

 

 

 翌日から始まった仕事は過酷なものだった。

 ところどころに照明が点いてはいるものの、それ以外の所は暗闇でそこから何か飛び出て来るんじゃないかと恐怖に怯えた。

 

 掘進作業は鉱山内でも最深部の行動を掘る作業だ上部から指示された方向へ沿ってほっていく...

 

 研修所である程度の体力は作って来たつもりでいたけど全然洒落にならなかった。2,3日は夕食をとる気力も残っていなかった。

 

 騒音と切削に使う水で履いている半長靴の中迄水が入り込み、掘り起こされた石の欠片が当たって生傷は絶えなかった。

 

 掘った坑道内はつぶれないように仮の支柱を立てて行く..仮組は木材でするので長さの微調整は鋸で切って詰めるので鋸の使い過ぎで、初日で豆はつぶれた。

 潰れた所が痛くても作業を休む事も出来ない。

 

 坑道内では指を落としたぐらいは軽傷なのだ。

 

 1カ月ほど経って仕事にも何とか慣れて来た頃だった。

 

 突然部屋が縮んだ...

 いや、そう見えたのだ...

 

 突然、『ドン』という音がして僕は数メートル吹き飛ばされてた。

 一瞬、気を失ったがすぐに復帰してあおむけに倒れたまま、指先、手首、腕と動くをチェックして足の感覚と動作をチェックしていく...この間およそ2,3秒だ...無事動くのを確認すると起き上がった。

 

 辺りは粉じんが舞っていてキャップライトを点けていても前がほとんど見えない状態だった。それでも壁をさぐりながら前に進んでいくと何かにつまずいて転んでしまった。

 

 ん?なんだろう...

 足元を見ると雄二さんの首が落ちていた。

 目を半分開いたままこちらを見ている気がした。

 

 「うっ、うげっ...うぅぅぅぅ.....」

 胃からすっぱいものが上がって来て思わず吐きそうになったが何とか我慢した。本当は拾わないといけないんだろうが、とてもその気になれずに雄二さんの首に向かって『ごめんなさい』と手を合わせて先に進んだ。

 

 口の中に残るすっぱいを思いを我慢しながら進んでいくと飛ばされた地点には2m以上の岩石が坑道をふさぐ形で居座っていた。上を見上げるとぱっかりと穴が開いている。

 

 足元を見ると雄二さんの一部と思われる、出てちゃいけない物が岩の下から飛び出していた...

 

 「うっ、うぐっ...おえぇぇぇ...」

 今度は我慢できなかった。その場で盛大に吐いてしまった。

 あぁぁ...まずいよなぁ...でも我慢できなかった。

 

 「おーーぃ、大丈夫かぁーーーっ」

 岩の向こう側から声が聞こえてきた...恐らくリーダーの京介さんだと思う。

 

 「はーぃ、和人です!」

 正直声を出すのもつらかったけど、返事しなきゃって頑張って声を上げた。

 

 「こっちには俺を含めて3人いる。そっちはどうだ...」

 向こうに3人かぁ、こっちは僕だけ...2人足りないや、1人は雄二さんとしてもあと一人は...

 

 「こっちは僕一人です...」

 「.......そうかぁ...分かった待ってろよ、すぐにそっちに行く...」

 直ぐに返事がなかった事を考えると想像は付いたんだろうなぁ

 

 ガサゴソと音がした後、ガギーンと岩に鶴嘴を叩きつける音がしている。

 まさかこの岩を鶴嘴で壊すつもりなのか?

 恐らくガスマスクが限界を超える前に壊すのは無理だろう。

 

 「おい、大丈夫か?怪我はないか?」

 岩と天井の間にわずかな隙間があったみたいでそこからリーダーが顔を出した。

 

 「あっ、手伝います。」

 如何やら鶴嘴で岩に足場を作り隙間を超えて来たみたいだ。

 

 付近に散らばっている木材を利用して足場を作り、リーダーたちをこちら側に連れ出す事に成功した。

 

 見た所リーダーと幸一さんは無傷みたいだが悠斗さんは重傷の様だ。意識はかろうじてあるものの凄く辛そうだ...

 

 「あのう、雄二さんは駄目でした。」

 「そうかぁ、うん、わかった。後、順二が行方不明だな...」

 リーダーは凄く苦しそうに顔を歪めながらも一生懸命平然を装うとして無理しているのが僕の目にも明らかだった。

 

 「分かった。とにかく悠斗を運ぶぞ!!幸一、和人タンカを持ってこい」

 「ハイ」

 

 坑道には一定の距離ごとにタンカや応急手当のキットが置いてあるのでそちらへタンカを取りに行って、悠斗さんをのせて地上へと急いだ...

 

 「俺は連絡を入れる。」

 リーダーはそう言うと走り出した。

 恐らく途中にある連絡用の電話で事故を知らせて救急車を手配するのだろう。

 

 坑道はしばらくは水平坑を暫く歩いて斜坑まで行くと後はトロッコを使える。

 およそ地上まで1時間の道のりだ...

 

 地上に出ると救急隊員が待機していたので悠斗さんを預けた。

 救急車の辺りを見回すと、少し先のヘリポートにドクターヘリが待機していた。悠斗さん大丈夫だと良いなと思いつつ眺めていると...リーダが叫ぶ!!

 

 「順二の救助に向かう!マスクのフィルターとライトのバッテリーを交換して持ち物を点検した後、削岩機を用意して出発するぞ!」

 

 「ハイ!!」

 幸一さんが直ぐに気合の入った返事をする。

 

 僕は返事をしそこなってしまった。なんか今更しにくい...

 順二さんはあの現場にはいなかった、恐らく岩の下だろう、リーダーも分かっているはずだ...

 僕はこの後は健康診断などを受けたら終わりで、警察の現場検証の後、別のチームが撤去作業に入るものだと思っていた。

 

 「あのう...警察の現場検証なんかはいいのですか?」

 「あぁぁっ...警察は坑道には入らないよ...ほら、行くぞ!」

 

 「はい!」

 今度はちゃんと返事をする事が出来た。

 直ぐに備品置き場に走る。走りながら本当にとんでもない所だと改めて思い知らされた。もう人扱いされていない気がする。

 生殖能力がないってだけでこんな扱いを受けるなんて...

 

 装備を準備して現場へと逆戻りだ。

 削岩機で岩を壊していると応援が来た。壊した石を撤去していく...

 

 撤去した岩石の下から人の形をとどめていない順二さんが発見された。

 今度は不思議と吐き気はしなかった。

 遺体はビニール袋に集めたけど、二人分が混ざっていて分けて集める事ができなかったのでひとまとめにして回収して地上へと戻った。

 

 地上はもう、朝日がしっかりと昇っていた。

 24時間以上、鉱山にいたんだなぁ~って思った。

 

 鉱山の正門を入ったすぐそばの左手に労働殉職者の碑がある。

 ここに雄二さんと順二さんの名前が刻まれるのだろう。

 

 これがここで働いて死んで逝った者の証だと思うとたまらなくなった。

 

 いずれ僕の名前もここに刻まれる事だろう。

 

 

 




┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─┌─

  最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
  
  気持ち面白いと思われたなら下の方の評価を 
 ポチッとして頂けると泣いて喜びます。      

─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。