※この作品はR-18です。

鬼人の兄の溜まりに溜まった性欲処理を手伝う転生TS娘   作:TS大好きっ子ぬきぬきぽん

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鬼人の兄が溜まらないように適度に性欲処理を手伝う転生TS鬼っ娘

「……うげ」

 

 

 晩御飯を作る合間に携帯を見ていたが、嫌なものを見てしまった。

 

 『いま巷で話題の美少女退魔師、鬼灯黎明の家族の謎に迫る』『呪符と呼ばれる術式を使って三級妖怪を華麗に討伐。鬼灯家の未来も明るいか』『周囲にも明るく振る舞う姿勢に観衆も沸き立つ。鬼灯家の呪いとは?』

 

 ゴシップ記事だ。少し前に黎明の代わりに派遣された退魔師と合同で妖怪を討伐した時のことだろう。

 

 あの時は遠くからカメラを向ける者はいても政府関係者が近くには寄らせなかったはすだから、俺の素性がバレていることは本当に驚いた。

 

 しかし、普段は世間に顔を出していない俺の顔写真まであるというのはどういうことだろう。

 

 それも討伐の時に自分でも力になれると分かって嬉しかった時の満面の笑みが広大なネットの海に解き放たれてしまった。

 

 これは恥ずかしい。もっと写真写りのいいものを選んで欲しかった。

 

 ここ数日は体力的な問題や、増えた霊力を減らす為の呪符の量産で携帯を碌に触っていなかったのだが、どうやらここ最近の間はこの話題でネットは持ち切りみたいだ。

 

 退魔師というのは世間では最も注目される存在だ。それは有名芸能人でも霞むほどの注目度を誇っている。

 

 何故なら自分たちの生活に直結している存在で、その一挙一動は日々監視されていると言ってもいいくらいには大切な個人情報からプライベートな情報まで、逐一ネットに出回っている。

 

 そんな不確かな情報であっても、政府に統制されたネット社会では飢えた獣のように放たれた情報に飛びついてしまうのが人間のサガというもの。

 

 『何この超絶美少女』『やばい超カワイイぃぃぃ』『結婚したい』『古き良き和風美人ですな』『和服が凄い似合ってる!』

 

 などなど記事に対する反応も見られ、中には『持ち帰りたい』などというふざけた輩もいる。

 

 こういった輩が罰されることはないが、もう少し過激な発言で『犯したい』とか『誘拐したい』とか投稿してしまうともれなく通報されて逮捕されてしまう。特にそれが退魔師に対して言ったものならば即時に執行される。そういう事案は結構多い。

 

 だから俺が突然誘拐されるなんてことはない。

 

 それに、退魔師の中でもトップ層に位置する鬼灯黎明の報復を考えればとてもではないがそんなことは出来ないと思う。

 

 今回のことで世間は俺の顔を見たがるだろうが、政府もそんなことは無理強い出来ない。

 

 何故なら、年齢のことは別にしても鬼灯家としては黎明が当主として義務を果たしているからだ。

 

 それは妖怪の県内討伐数一位という成績から見れば分かるし、その内訳に上級の妖怪が多数を占めているのが彼の世間的な立ち位置でもある。

 

 彼の顔を直接見るような近くの地域の名声こそ悪いが、黎明は立派なヒーローだ。

 

 そんな彼を支えられるのは、今も昔もずっと同じ家の生まれである俺だけ。

 

 それはとても誇らしいことだと思う。

 

 

「ふんふんふーん」

 

 

 ただそれだけだというのに気分はとても良い。

 

 気分が良ければ一つだけ増えた日々の日課も気分良くこなせるに違いない。

 

 出来上がった料理を持って、軽い足取りで居間で待つ黎明の下へ向かった。

 

 

 

 ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇

 

 

 

「は?」

 

 

 気分が一瞬で台無しになった。

 

 耳を疑うような発言を聞いたせいだろう、何故かその部分の記憶がすっ飛んでしまったのでもう一度聞くことにする。

 

 落ち着こう、食事を終えて追加の日課についてどうしようかの話し合いだったはずだ。

 

 

「もう一度言ってみて?」

 

「今夜は巫女服でお願います」

 

「……………………は?」

 

 

 あの一件以来、黎明は思ったことを口に出すことを心掛けているようで、こういった心の中で仕舞っておくべきようなこともペラペラと話してしまうようになった。

 

 それが良いか悪いかは、場合に寄りけりであるが。

 

 

「……理由を聞いてもいい?」

 

「暮葉が妖怪退治に行ったって聞いたんだ。それで心配になって色々と調べてみたら、これが」

 

 

 先ほどまで見ていたのか、見せられた携帯の画面はついさっきまで見ていたニュースと同じものだった。

 

 

「……あー」

 

 

 どうやら俺の戦闘用巫女服姿を黎明も見てしまったようだ。

 

 わざわざこの屋敷の中でその姿になる必要はないし、それでなくとも普段から和服姿なのだから新鮮味も少ないと思うのだが。

 

 黎明の目は真剣だ、真剣に性欲の対象として見ている。

 

 その視線に思わず下腹部がぞくぞくっと疼き、心なしか少し体温が上昇したように思える。

 

 だがまさか、ネット民並の知性の持ち主だったとは流石の俺も分からなかった。少し体温が下がる。

 

 

「駄目だったか?」

 

 

 くぅんと子犬のような目でこちらを見る黎明は、日課の時とは全くの別人のように見える。

 

 精神修行によって心の中に巣くっていた鬼は何とか調伏出来たようだが、日常生活や戦闘には問題はないとしてもその残滓は淀みとして心の奥に留まり、とある出来事の際に関してのみにその影響を残ってしまった。

 

 黎明はそれを何とかしようとは思っている様子ではあるが。

 

 まぁ、俺としてはあれはあれで良いのだが。

 

 

「……こほん。着るのは別に良いけど、どうせならシチュエーションでも凝ってみる?」

 

 

 黎明は単に巫女服姿が見たかっただけなのか、きょとんとしている。

 

 

「例えばだけど、私とれいめーが戦っていたとして、れいめーが勝ったとする。私はその戦利品として嫌がりながらもれいめーに好き勝手されちゃうとか? ……私は別に逆でもいいけど」

 

 

 退魔師ならば長年の経験から直結しやすい想像の世界に、黎明が思いを馳せている。

 

 かくいう俺が最初に想像したのも言葉の順番通り、つまり黎明に犯される側だった。だって、どうせ勝てる訳ないと分かっているから。その後の提案はただの誤魔化しだ。

 

 初めての時から数日が経っているが、思考はもう完全に偏ってしまっている自覚はある。

 

 認めたくはないが、今の俺は鬼のモノとしての"女"として完成に近づいている。

 

 あれから改めて鬼灯家の書物を漁ってみたが、どうやら鬼の精液には強力な媚薬成分が含まれているらしく、同時に大量に供給される霊力が媚薬で弱った精神と肉体に多大な影響を与えてしまうと書いてあった。

 

 これに打ち勝つのは困難とあり、遥か昔では鬼に侵された人に対して慈悲という名の処刑もあったそうだ。

 

 つまり、俺が黎明に勝つ可能性なんてものは────

 

 

「暮葉が俺に勝てると思っているのか?」

 

 

 あっ、何かもう既に役に入り切っている奴がいる。

 

 もう少し恥ずかしがると思っていたが、どうやら思っていたよりも演技派らしい。視線はギラギラしていて、少し好戦的な雰囲気を醸し出している。

 

 正直なのはいいことだが、どこまで単純なのだろうか。ここまでいくと逆に愛らしくなってくるな。

 

 まぁ、言いだしっぺの俺がここで頭を冷やすように言うのは間違いだろう。

 

 ここはとりあえず乗っかっておく、巫女服のことが頭から飛んでる馬鹿の相手はとても大変だが。

 

 

「あれから私だって修行して強くなったんだよ? 全力で相手してあげるけど、先にお風呂入るから部屋で待っててよね」

 

「分かった」

 

 

 実際に戦うとなると屋敷が半壊するか、俺が一瞬で落とされるかのどちらかだ。黎明もそれは分かっているので戦うような真似はせず、しかしやけに鷹揚な態度でお風呂に入りに行った。

 

 シチュエーションプレイを教えたのはマズかったかもしれない。

 

 これを機に色々と試す黎明の姿を幻視して気が遠くなりそうだ。

 

 

「……身を清める為にお風呂に入るって言ったけど、どうせまた入るんだよね」

 

 

 一緒に入ると体を洗うどころではなくなるので、そちらもまた困りもの。

 

 思い出したら下腹部が何かを求めるようにぞくりと疼き出す。

 

 本当に困りものである。

 

 

 

 ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇

 

 

 

 身を清めて巫女服に着替え、広い屋敷の中で"専用"となった部屋へと赴く。

 

 何せこの屋敷はただただ広い。

 

 思い出の部屋をそのまま残しておくとしても、それでもまだ空きの部屋があるくらいだ。

 

 今までは家族四人で暮らしていたから広く感じることは少なったが、こうして二人で暮らすとなるとその広さを感じる。それもこれも両親が鬼灯家として世の中に貢献した証だ、俺は二人のことをずっと誇りだと思っている。

 

 そんな二人に対して黎明と関係を持ってしまったことはどう説明すればいいのか分からなくなっているので、ここ暫くは墓参りに行けていない。

 

 お構いなしに墓参りに行ける黎明とはそこの辺りのメンタルが違う。

 

 思い出したら少し腹が立ってきた。どうしてヤっちまった側の黎明の方が両親の前に立てるのか。

 

 懐の呪符に手を忍ばせる。念の為に持ってきたもので威力は抑えてあるものだが、少しくらいは驚かせることが出来るだろう。

 

 驚いている間に組み伏せて俺が優位に立てるようにするのだ。その方が俺らしいと言えるだろう!

 

 

「れいめー、入るよ!」

 

「あぁ」

 

 

 まだ演技は続いているようだ。威厳に満ちたような声を聴いて中に入り、すぐさま呪符を放つ。

 

 効果は体を痺れさせる程度の雷術式。安価で量産し易い部類で防犯グッズとして売りにも出している一品。

 

 

「ふんっ!」

 

 

 それを黎明は効果が発揮される前に素早く呪符を掴んでぐしゃりと潰し、術式を無効化してすぐにベッドから俺のいる部屋の入り口まで一瞬で距離を詰めた。

 

 黎明は使い物にならなくなった呪符をポイ捨てして俺を見下ろした。

 

 

「それだけか?」

 

「あっ」

 

 

 思わず取り出した呪符を瞬く間に奪われ、腕を掴まれてズルズルと奥へと引き込まれていく。

 

 一切の抵抗が出来ないまま、鬼としての膂力を如何なく発揮して一人の少女を閨へと連れ込む。

 

 それは遥か昔に実際にあった出来事の再現に近い気がした。

 

 鬼灯家が生まれることとなった、その理由に。

 

 

「来い」

 

「ちょ、ちょっと……っ! きゃっ!?」

 

 

 可愛らしい悲鳴をあげてしまったが、力任せにいきなりベッドへ投げ入れられたら誰でもそんな声も出る。

 

 頭から突っ込んだ体勢をすぐに戻そうとしたが、利き腕を掴まれ後ろで固定されてしまいうつ伏せのまま動けなくなってしまった。

 

 鬼の力で掴まれれば抜け出すことは絶対に不可能。

 

 スリスリスリスリ

 

 

「んひゃっ!? ど、どこを触ってるの!?」

 

 

 腕を掴んでいる手とは別の手でスリスリとお尻を撫でられている。

 

 スケベオヤジが電車で痴漢でもしているかのように執拗に、ねっとりと。

 

 動けない状況で好き勝手に体を弄られることがこれほど不快感を伴うものだとは知らなかった。

 

 しかし、今はただの痴漢ではなくプレイとしての一環の行為。ほぼほぼ同意の上での行為なので不快感よりも屈辱感や無力感、そして羞恥心の方が勝っている。それが堪らなく情欲を掻き立てるとは思いもよらなかった。

 

 

「んっ……そんな揉まないでっ……んあぁっ」

 

 

 黎明の方は完全に役に入り切っているようで、まさに自分のモノのように俺を扱っている。

 

 年齢が年齢、まだまだ肉の薄い尻をその大きな手のひらで一杯に掴んで揉みしだく。

 

 

「そんなっ……揉み方がえっちすぎっ! んっ! それ、ぞくぞくしてやなのっ!」

 

 

 初めは巫女服の上からだったが、今はついに袴の中に手を突っ込んで弄っている。袴の裾がデザインとしてミニスカートのように短くなって捲り上げられているので、黎明から見て今の俺は下着が丸出し状態だ。

 

 ちなみに黒のスケスケ勝負下着、レースをふんだんにあしらった大人の下着仕様だ。

 

 それを見た黎明の鼻息が荒くなった。どうやら結構好みらしい。

 

 どれくらい好みかと言うと、擦る速度と揉む強さが五割増しくらい。

 

 

「はぁ……はぁ……ひんっ!? もっと優しくしてよ! それに無言だと怖いし!」

 

 

 それにしても揉み方がエロチックだ。

 

 ただ揉むのではなく、力強く揉んでは解すように優しく揉み、優しく解したら転がすように捏ね回し、お尻の肉が程よく手に吸い付くようになったら指が食い込むほど鷲掴みにして。

 

 それはもう、黎明のせいでお尻の形が変わってしまうと錯覚してしまうほど丹念に揉んでいる。

 

 その度に背筋に走る快楽の痺れが否応なく今が性行為の真っ最中であることを思い知らせてくる。

 

 

「このっ……いつまで揉んでるつもり!? いい加減放してよ! 腕が痛いのっ!」

 

「うるさいな。少しお仕置きをするか」

 

「な、なにを……っ!?」

 

 

 いきなり袴をズラし、同時に下着まで下ろされてお尻の穴と恥部まで丸出しとなった俺のお尻に鋭い痛みが走る。

 

 バチンという音がして、続いてジンジンとした鈍い痛みがやってきたことでようやくお尻を叩かれたことを理解した。

 

 今までエロチックに揉んできていたのにいきなり単なる痛みになったせいか、まるで電流が走ったかのように脊髄を通して、今までの積もりに積もった刺激の数々が体中に迸る。

 

 ぷしゅっ

 

 秘所が刺激のせいで軽く痙攣し、尿ではない別の液体を噴き出した。

 

 視界がスパークを起こし、体が快楽を逃がそうとベッドに強く体を押し付けている。

 

 まさか、お尻を叩かれてイッたとでもいうのか。

 

 その答えがイエスと言わんばかりにもう一発バチンと良い音を立てて叩かれる。

 

 解された尻肉がぶるんと波打ち、衝撃はそれだけに留まらず体を駆け巡る。

 

 

「……ッッ!!?? …………ッッ!?」

 

 

 間違いなく絶頂している。匂いを嗅がされてもいないのに、ここ数日の日課でここまで体が開発されていたなんて。

 

 バチン、バチン、バチン

 

 少しの間を置いてまるで強く叩いて申し訳ないとでも言うように優しく表面を撫でるだけに触れる。

 

 

「反省したか?」

 

「……は、ぁ~? する訳ない……でしょ!」

 

 

 皮膚がヒリヒリとして敏感になっているところにソフトタッチされると意識がそちらだけに割いている分、最初よりも遥かに敏感にその感触を感じ取ってしまい、感じる快感は何倍もの刺激となって思考を塗りつぶした。

 

 

「じゃあ続きだ」

 

 バチン、バチン、バチンッ!

 

「……っ! うぁ……っ! い……くぅ!」

 

 

 お腹辺りの筋肉が微痙攣して上手く言葉に出来ない。体がびくんびくんと震え、激しくはないものの止まらない甘イキに自分の秘所がトロトロになっているのが自分でも分かる。

 

 これではまるでマゾみたいではないか、叩かれて喜ぶなんて、そんなこと俺に限ってあるはずがない。

 

 くちゅっくちゅっ

 

 

「ッッ!!?? 今そこ触ったら……っ!!」

 

「これならすぐに入りそうだな」

 

「……っ!? 待っ────か、は……っ!?」

 

 

 ぢゅどん、と一物が突き入れられ、尻肉を良い具合にクッションにしながら俺の上に覆いかぶさり、腕を巻き込んで全身を抱きしめながら腰だけ器用に振る。お尻の合間を縫って、濡れぽそった秘所へと一物が何度も突き刺さる。

 

 

「あっあっあっあっあっあっあっあっ」

 

 

 与えられる刺激は全力ピストン程のものではないが、今まで触られ続けたお尻がぺちぺちと当たる度に膣に一物を挿入されている快楽と相乗効果で、別種の頭をトロけさせる快楽物質を発生させられる。

 

 ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん

 

 いつもの体位とは違い、一物が尻肉に邪魔をされて奥深くまでは刺さらないでいる。

 

 足は袴を半端に脱がされて碌に動かせないし、腕は両方とも黎明に上から押さえつけられていて全く動かせないでいる。

 

 お互いに体を一本線になって重なり合い、ただ腰だけを打ち付ける動物の交尾ような行為に没頭していた。

 

 

「あ゛ー……あ゛~あ゛~あ゛~ッ!!」

 

「暮葉の中っ! すげぇことになってるな!」

 

「っ! なに、お゛っ!? い、言って……っ! あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ」

 

 

 自分の上、というより背後では黎明が息を荒げながら必死になってピストンをしている。

 

 俺の体はそれに適応しようとして、入れられる時には尻肉を緩め、抜く際には引き締める。

 

 その度に黎明は気持ちの良さそうな声で喘ぎながら腰を強く打ち付けていた。

 

 

「くっ……出そうだ!」

 

「イクなら一緒に……っ! 私ももうすぐイキそう……だからっ!」

 

 

 黎明は無言でピストンの速さを緩め、代わりに更に深くぐりぐりと抉るように一物を入れ込んできた。

 

 

「おほぉぉっ!? ぐりぐりだめっ! それ逆に気持ちいいやつだから!」

 

 

 彼なりの気遣いのつもりだったのだろうが、単調なピストンから気持ちのいい部分をねちっこく弄られる快感にいきなり変わってしまうと受け入れる側が追い付かないから止めて欲しい。

 

 俺の意思とは関係なく膣が勝手にイこうとしているのを感じてか、黎明はピストンを高速化させて一気にクライマックスまで持っていこうとした。

 

 ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんばちゅん

 

 だからソレは駄目だと言っているのに。

 

 

「も、イ……くぅぅぅぅぅ~~~ッッ!!??」

 

「俺も出すぞ! 残さず全部飲み込め!」

 

 

 どっぢゅんと最後に体をベッドに埋める気かと思うほど体を俺に押し付け、一物を奥の奥の根本まで入りきるほど深く突き入れた。

 

 精液が子宮口から全て子宮内目掛けて発射される。いくらまだ子供が出来ないからと言っても、これではまるで孕ませようとでもしているかのように容赦のない全力の射精。

 

 射精と同時に掴んでいた腕を離して、ベッドに沈む俺の胸を抱き、掬い上げるようにキツく抱きしめていた。

 

 

「────はっ、だめ……っ! またイクっ! イクのが止まらな……っ!」

 

 

 腰は押し付けられているのに胸は掻き抱くように抱きしめられ、体が弓なりにしなり、息がまともに出来ない。

 

 膣だけではなく、今日初めて触られるはずの胸も含めた全身余すところなく絶頂している。そんな風に抱きしめられると、自分が彼の"女"であることを無理やり思い知らされるからだ。絶頂に達したままの体がじわじわと心にまで浸透し、発生した脳内麻薬が心をドロドロに溶かしつくしていく。

 

 酸素が少ないせいでまともな思考が出来ず、注がれた鬼の精液によって体が勝手に熱を持ち始める。

 

 どくんどくんと射精は続けられ、とんでもない量の精液を注入された膣内からはごぷっと泡を吹いて精液が漏れている。

 

 

「あ゛っ……」

 

 

 体が不意に開放され、柔らかいベッドに崩れ落ちる。

 

 一物が引き抜かれて、痙攣を繰り返す俺の眼前に半萎えになった精液と愛液でベタベタになった一物を持ってくる。

 

 このモードになった黎明は本当に容赦がない。普通、こんな状態の女に汚れた一物を舐めさせるか?

 

 それでも、拒否をしたりして舐めないでいると無理やりイラマチオさせられて喉の奥まで突っ込まれる酷い目に遭うので仕方ない。日課始めての最初の二日間はそれはもう酷いことになったものだ。

 

 強制的にだが、お陰で(?)フェラチオは上手くなった。

 

 前世で映像で見た程度の知識しかなかったが、鬼の血のせいか飲み込みが早かったのもある。

 

 

「うぇ……はむ……んぶっ……ちゅるるるっ」

 

 

 寝ている状態では効率が悪いので怠い体を起こし、ベッドに胡坐をかいて座っている黎明の股間に顔を埋める。こういう時は髪の毛が長いと垂れてきて邪魔だから、自然と耳にかけておくのも癖になった。

 

 こんな行為にも次第に慣れつつある。始めは本当に嫌だったのだけども。

 

 舐めている一物から強烈な精液の匂いが思考をドロドロに鈍らせる。これはもう精液中毒の状態に違いない。

 

 

「れろ……ん゛んっ……じゅるっ……れぉ……」

 

 

 精液が美味しいと感じる。味としては苦くてのど越しだって最悪のはずなのに、また飲みたいと口が勝手にストローから吸い上げるように精液を飲み干そうとする。

 

 以前にオナホで扱いていてたまたま口に入った時に味わったものは心底マズいと思っていたので、恐らくはこれも媚薬に影響されてしまっているのだろう。

 

 マズいものなら不快感しかないし、気持ちよくなければただの苦痛でしかない。

 

 

「んっんっんっ! れぉれぉ……じゅるるっ……ちゅ……っぷはぁ……はぁ……んっ……」

 

 

 生殖活動に纏わるあらゆるものの認識が一変し、自らの世界観が大きく歪められる。以前の自分がなくなっていく不安感すら歓びへと繋がり、自分を無理やりに染め上げる存在を愛おしく感じるようになる。

 

 鬼灯家にあった書物通りに自分が変容させられているにも拘わらず、それを俺は肯定的に捉えている。

 

 だって、こんなに気持ちが良いことをわざわざ遠ざける理由なんてないからだ。

 

 

 じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅるるるるる

 

「うっ……いいぞ、もっと口を窄めろ」

 

 

 調子に乗りやがってと思いながら、その澄ました顔を崩してやると亀頭を口に含んで口の中で転がした。

 

 ちゅうちゅう吸いながら舌でカリを沿うように這わせ、裏筋をくりくりと弄っては舌を這わせながらディープスロートで一物を咥えこんで全体を吸い上げる。

 

 

「分かっ……て、じゅるるるるっ……るわよ。んっんっんっ……じゅるるっ……」

 

「おぉっ……いつの間に、こんな技を……っ!?」

 

「んっぶっ、んじゅるるるるっ……! どお? きもちいーい?」

 

「くぁ……っ!? 口に入れながら喋るな……っ!」

 

 

 黎明の腰がへこへこ前後し、快感に打ち勝とうと必死になっている。

 

 しかし、ここで前世の映像で見た技を一つ披露するとしよう。

 

 

「ここなんてどーお?」

 

「それは……っ!」

 

 一物から口を離したというのに、黎明はより一層増した刺激に打ち震えている。

 

 それもそのはず、男性の急所である精巣の片方をまるごと口に含んでいるのだから。

 

 

「ぢゅるっ……れぉれぉ……んっちゅぽっ……んぷっ……ちゅるるっ」

 

 

 こんなことは心の内にいた鬼に影響されて乱暴になった黎明では味わことの出来ない、言わばイチャラブセックスの中の行為の一つであるからだ。

 

 一歩間違えれば金玉を傷つけてしまう危ない行為。

 

 だがそれを任せて貰っているという女性側の信頼感と、そこまでさせている男側の征服感がお互いの情欲を激しく駆り立てる。

 

 激しく動くことは危ないから出来ないが、その代わりに両手で一物を丹念に扱きあげる。

 

 レロレロと舌が精巣を舐めとり、コスコスと小さな手が必死に巨大な一物を擦る。ただのフェラでは味わうことのない刺激が同時に襲い、上目遣いに黎明を見てやればそれだけで。

 

 

「で、出る……っ!」

 

「っ! はむっ」

 

 

 精巣を刺激するのは自分の手に切り替えて一物を亀頭の部分だけ咥え込んだ、同時に精巣を刺激したせいで大量に作られた精子が口の中で暴れまわるほどの量となって襲い掛かってきた。

 

 

「ごくっごくっごく……っ! もっ、むり……ぷぁ……っ! んっ……止まってない……っ」

 

 

 飲む量よりも吐き出される量が上回って、慌てて口を離すと止まっていない射精が顔に掛かり、生暖かい液体が顔を汚した。体が勿体ないと勝手に顔の下で手で精液を受け止めている。

 

 粘度が高いせいで下に落ちていかない精液がゆっくりと鼻の近くまで垂れてきて、その独特のイカ臭い刺激臭で脳の奥まで犯していく。

 

 

「はぁ……はぁ……じゅるる」

 

 

 手に溢れた精液を飲み干し、顔に付いた残りも指で掬い取って舐めとる。

 

 それだけでは飽き足らなく、手のひらに残った残滓のようなものまで舌を全部使ってでも舐めとる。その度に媚薬によって体が甘く痺れ、匂いが頭の中を淫靡な味わいでトロトロに溶かしていく。それが堪らなくとても心地良い。

 

 

「ちゅる……っ! ……あっ、れいめー?」

 

 

 射精した後、特に何もせずじっと俺を見ていた黎明が俺がその視線に気づいた途端、俺の肩を押してベッドへ仰向けに押し倒した。

 

 

「ひゃっ……ちょっと、れいめー?」

 

「はぁ、はぁ……全く、〇学生のはずなのにエロすぎだろ。いつもは二発で満足できるのに全然萎える気がしねぇ……っ!」

 

 

 黎明があまり暴走しないようにとこまめにストレス発散しているから、いつもは二発でも射精すれば満足していたが、どうやらストレス以外の要因による性欲のせいで再び一物が元気を取り戻してしまったようだ。

 

 まぁいい、丁度俺もアソコがうずうずしてきた頃だ。

 

 日課による慣れのせいか、俺の耐久力もそこそこ上がってきている。

 

 比例してアソコの具合も良くなってきているとの黎明談だが、俺の方も苦痛や圧迫感が軽減された分だけ感度が上昇してきているのを感じている。

 

 しかも最近は胸の辺りが苦しくなってきていて、乳首の痛みに耐えかねてついにブラジャーデビューしてしまった。鬼の精液には女性ホルモンを生成させる効果でもあるのか。

 

 つい数日前までは揺れる肉もほとんどない程ぺったんこだったのに今ではなんと急成長してしまい、上下運動をすると服に乳首が擦れて痛いのだ。将来的にどうなるかなど想像に難くない。ちなみに母は揉まれ続けたせいか、和服でも抑えきれないような爆乳だった。

 

 ああなると、胸でももっと気持ちよくさせることが出来るのだろうか。

 

 

「いいよ」

 

 

 別に胸が大きくなるくらいどうってことはない。

 

 今までは母のように大きくなることに忌避感を抱いていたが、今では寧ろ期待感が僅かに上回っている。

 

 

「きて」

 

 

 足を大きく開いて、秘所を両手で思いきりくぱぁっと開く。

 

 まだ残っていた精液がドロっと流れ、黎明の巨根によって拡張された秘所がその奥を覗かせる。

 

 

「れいめーの硬くて太いオチンポを私のトロトロオマンコに入れて下さい」

 

 

 彼の好きな言葉のチョイスによって、黎明の霊気が勢い良く盛り上がって僅かに残っていた理性をぷつっと吹き飛ばした。

 

 こちらが対応する間もなく足を掴まれて、でんぐり返しの途中の体勢で固定される。

 

 腰が高い位置に浮いた状態になり全てが丸見えになった秘所へ、狙いを外さずに一気に一物を突き入れた。

 

 

「んぎぃ……っ!? お゛っお゛っお゛ぉっ!? は、激し……すぎ……っ!」

 

 ぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどん

 

「お゛っお゛っお゛っお゛っお゛っお゛っお゛っお゛っ」

 

 

 快感が逃がしきれない。

 

 上から下へと突かれると、どこにも逃げ場のない子宮が容赦なく打ち付けられるからだ。

 

 一発突かれる毎に視界がチカチカと明滅して、まるで夜空の星々を見ているかの如く綺麗な光を見る。

 

 ぷしゅぅぅぷしゅぅぅとだらしなく潮を吹きながらただただ強烈な快楽に身を投じるしかない。

 

 

「お゛あ゛ぁ゛! あ゛ぁ゛ぁ゛! も゛う゛っ……だめぇ……っ!」

 

「なに言ってんだ! まだまだこれからだろ! ふん、ふん!」

 

「ごれ゛っ……子宮っ、だめになっぢゃうから゛ぁ……っ! だからぁ……っ!」

 

「これから孕むのにダメになる訳ないだろ! ダメになっても俺がずっと使い続けてやるから気にすんな!」

 

 

 孕むとか、使い続けるとか、素面では決して言わないようなことこの状態の黎明のことは言ってのける。

 

 けれど、もう鬼の巣くっていない黎明の言うことは全てが彼自身の思いから出た言葉だ。

 

 つまり、つまり黎明は俺を孕まそうとしていると。

 

 

「あ゛っ」

 

 

 想像して、その光景に子宮が疼いてその入り口が緩んだ。

 

 丁度突き入れる直前だった一物は勢いよくその最深部まで達してしまった。

 

 そこは男性器を受け入れる場所ではないというのに、その全てを使って咥え込んでいた。

 

 

「そこ……っ! 入れちゃダメな場所……っ!」

 

 

 ヒートアップした黎明は構わずに何度も子宮に一物を突き入れる。

 

 一度開いてしまった子宮口を閉じることが出来ない。

 

 

「う゛っお゛っお゛っお゛っお゛っ!? ぞごっい゛れ゛るばしょ……じゃ!」

 

「く……っ! 今までと違う! 腰が止まらない!」

 

 ぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどんぢゅどん

 

「そこっ……赤ちゃんのぉ! 赤ちゃんのお部屋、なの! 突いちゃ……やぁ!」

 

 

 いくら回復用の呪符でもガバガバになった子宮口まで治せるとは限らないのに。

 

 

「ぬ、いてぇ……っ! 早くっ……! もぉ……いっ……ちゃうからぁ!」

 

「ここは……うっ! 出る!」

 

「っ!? まっ────」

 

 どぴゅるるるるるるるるっっ

 

「熱っ!? お、奥で直接出されて……い、くぅ……っっ!!??」

 

「うぐっ! 絞り出される……っ!」

 

「お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!? 精液で子宮がふくら……んでっ!?」

 

「おいっ! そんな締め付けたら! くっ!?」

 

 どぴゅるるるるるるっ!

 

「ッッ!!?? …………ッッ!!??」

 

 

 まさかの追加の射精に体が絶頂のしすぎで痙攣して言葉が出ない。

 

 ぷしゅうぅぅぅぷしゅっぷしゅっ

 

 弛緩した股間から潮を吹いて自分の顔を汚す。それすら気に留めないほど快楽が体を支配しているから。

 

 子宮に一物を突っ込まれて、しかも直接射精されるなんて想像だにしていなかった。

 

 子宮姦という強烈な刺激と過剰な霊力供給で意識が飛びかける程の快楽を叩きこまれ絶頂し、ただそれをぎゅっと目を瞑って耐える。シーツの一部が破けるほど手のひらも強く握りしめ、ただただ耐え続ける。

 

 高い位置にある秘所の入り口から受け止めきれなかった精液が愛液に混じって零れ落ちて俺の顔まで汚し、やっと快楽の波が静まっていく。

 

 

「あぅっ……はぁ……はぁ……」

 

「はぁぁぁぁ……出し……切った」

 

 

 黎明も疲れ果てて、俺の横に倒れ込んだ。二人並んで激しく胸で息をしている。

 

 全身が全力で運動した後のように脱力し激しく発汗していて、自分の匂いと黎明の匂い、それから精液の匂いも入り混じって部屋全体が淫靡な匂いで包まれる空間となっていた。

 

 お互いの激しい息遣いだけが聞こえる空間で、俺は汗が渇いて寒くなる体を温めようと近くにあるもので暖をとる。

 

 彼も同じように俺の体を包み込み、やがて二つの息遣いはすぅ、すぅと静かなものへと変わっていった。

 

 

 

 ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇

 

 

 

 ちょっとヤり過ぎた。腰がズキズキして痛い。

 

 どう考えても最後にヤった体位のせいだろう。

 

 今は湿布代わりの呪符で体を癒していているが、その呪符も黎明から貰った霊力で作られているのでマッチポンプもいいとこだ。

 

 という訳であの日、黎明はストレスどころか自分の性的欲求の全てを吐き出して心身共に綺麗さっぱりスッキリしたので日課は一日休みになった。完全な賢者モードという訳である。

 

 なので俺は暇を見つけては呪符作りに精を出していた。

 

 

 あの後、しばらくは股から溢れてきていたがそちらの精ではない。

 

 

 霊力の回復もいつもよりも多く、普段の俺の一日の霊力の自然回復が大体百だとするならば、黎明の精液から摂取した霊力はその五倍に匹敵するほどの霊力を秘めている。

 

 流石は昔の人々、房中術はしっかりとした回復法として効果があったらしい。

 

 なので作れる呪符の量も質も数段良いものへと変わったので、これ幸いと嬉々として呪符作りに専念している訳だ。

 

 まぁ、専らが回復用に使われるので俺が戦闘で活躍することはあまりないが。

 

 それから汚れた巫女服は戦闘用なだけあって丈夫な素材で出来ており、匂い対策もバッチリなので再利用できるので安心だ。手洗い必要だったので匂いが凄くて大変だったが、今はもう無事復活している。

 

 ちなみに黎明は巫女服がとても股間にくるらしく、以前とは違って一皮剥けて女性らしくなった俺との相性が更にグッとくるとのこと。

 

 彼の行為後の感想は『戦う巫女さんを犯している状況に大変興奮した』とのことらしい。ふざけんな。

 

 確かに少し前の俺は大胆に股を開いて胡坐をかいて座っていたし、歩く時も歩幅が広い方が気になって大股になりがちだった。

 

 今は亡き両親からもそれらの癖については散々いい窄められていて終ぞ直らなかった癖が、黎明に抱かれその精を身に受けたことで精神が変容してしまい、体だけではなく心やその更にその奥の無意識にまで多くの影響を残していた。

 

 最近は座る時の姿勢が両足を揃えて座るような女の子座りになっていたし、椅子に座る時も足を揃えていたし、歩く歩幅も狭まりとことこ走りになって足の指先も自然と内側を向いているのが普通となっていた。

 

 それに黎明が言っていた通り、一人称も自然と"私"と言えるようになっていたというのもある。

 

 気付いただけでもこれくらい変わったのだから、無意識の部分でどこまで変わっているかなど考えたくもない。

 

 それに最近は身嗜みにも気を付けるようになって、常に誰かに見られていることを強く意識するようになった。

 

 肌の調子から髪の質感、服装は似合っているか、髪はもう少し伸ばした方がいいか、体形は歪んだりしていないか。

 

 たった一人の視線に一々敏感に反応してしまい、発せられる言葉に一喜一憂し、後でそんな自分に悶々としている。

 

 最近は黎明が思った言葉を口にするようになって俺を褒めるような言葉を多々使用することがあり、巫女服姿に関しても後から綺麗で美しいとの評価を受けたし。その言葉を聞いて満更でもない自分もいた。

 

 そういった風に黎明も普段は言わないような発言をするように少しずつ変わったし、私生活でも俺を労わるような行動や発言が増えたと思う。特に行為後は体力的な消耗が激しいので紳士的に接することが多い。

 

 先日のようなシチュエーションプレイでなければ、彼の性格は大人しくて優しい人間なのだ。

 

 別のことを考えていたからか、呪符の生産が止まっていた。再開しようと意気込んだ時、外から戸を叩く音が聞こえた。

 

 

「暮葉、いるか?」

 

「? はーい、どうぞー」

 

 

 筆を置き、呪符作りを一旦止めて向かい入れる。

 

 今は夜の十一時、まだ起きていると思ってお茶を入れてくれたらしい。しかも、匂いからして俺の好きな種類のお茶だ。お子様舌なのであまり苦すぎないものをチョイスしているのだが、同じものを淹れているのでわざわざ俺の為に淹れてくれたのだろう。

 

 こういう気配りか出来るところが世間に知られれば印象も改善されるというものだが。

 

 

「もうこんな時間だけど、まだやるのか?」

 

「うん。まだまだ霊力は余ってるしね。体に力が余ってると寝付きも悪いから」

 

 

 俺には黎明のような力はないとは言ったものの、それは退魔師と比べてというだけで一般人目線で言えば十分超人の域にある。

 

 今の霊力残量は普段の五割増しといったところ。これでも大半は呪符制作に使われてなくなったのだが、体を満たしたままでいると体が寝ようとしてくれないのでこういう時ばかりは鬼の血を恨む。

 

 それでも滅多に病気にならない特典もあるのでどっこいどっこいといったところだが。

 

 

「れいめーはこういう時はどうしているの?」

 

「俺? 俺は寝ようと思えばいつでもどこでも寝れるから」

 

「あぁ、そうだったね……」

 

 

 幼い頃の記憶だが、家中どこを探してもいなかった彼を見つけたのは庭にある大きな木の枝の上で寝ている時だった。

 

 マンション五階から飛び降りても骨が折れることすらない強靭な肉体と抜群の反射神経に平衡感覚があれば樹上で生活することも出来るらしい。一人遊びに飢えた黎明が木の上に秘密基地を作って遊んでいたのは良い思い出だ。

 

 

「……暮葉は」

 

「うん?」

 

 

 黎明の視線が少し陰る。何か言いにくいことでもあるのか。

 

 

「暮葉は妖怪退治をやりたいのか?」

 

 

 その問いの発生源は今日のプレイの内容の理由にもなった件のことだろう。

 

 わざわざ黎明がいない時に赴いた辺りをそういう風に見られたのかもしれない。

 

 

「んーとね、一回やってみて分かったけど、私の容姿だと目立ち過ぎちゃうみたいなんだよね。市民の人に避難するように呼び掛けたけど全然言うことを聞いてくれないし。ちょっと退魔師をやるには向いてないかも」

 

「……そっか。それじゃあ妖怪退治はやらないってことでいいんだよな?」

 

「うん、そのつもりだよ。……あっでも、急に妖怪が大量発生したりして人手不足になったりしたら流石に私も出るよ?」

 

 

 現在の妖怪はほとんどが散発的に発生しているが、最初の頃は妖怪が湯水の如く沸いて出てきて地獄絵図のようだったと過去の資料にはどこにでも載っている。

 

 今はそうであっても明日は分からないというのは自分たちよりも妖怪と相対した時に死する可能性が高い一般市民の方がよく分かっている。だからこそ、退魔師は死の危険と引き換えに色々と優遇された立場にあるのだから。

 

 

「そうならないように俺が頑張るよ」

 

 

 優しく俺の頭を撫で、おやすみと言って出ていった。

 

 その跡に触れ、その温もりを確かめてから作業に戻る。

 

 今日はよく集中して出来そうだった。

 

 

 

 ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇ ∇

 

 

 

 良くないことというのは、決して口にしてはいけない。

 

 俗にフラグと呼ばれるこの現象は科学的に検証できるようなものではないが、確かに存在すると思われる現象だからだ。

 

 黎明と夜に話したあの会話から数日後、県内の妖怪たちが急に活性化して突如として大量発生したのだ。

 

 妖怪たちの強さは大したことはなかったが、いかんせん本当に数が多かった。

 

 最下級の妖怪であっても、群れれば一般市民を死に至らしめることは可能だ。発生と同時に政府が連絡の出来る全退魔師へと緊急徴収がかかり、事実上の全面戦争へと発展。少なくない犠牲の末にこれを終結させた。

 

 殺した妖怪の数に比べれば人の死は微々たるものだ。しかし世間はその一つの死に対して非常に敏感で、明日は我が身と怯え、死に対する責任を負わせようとする。

 

 もしも妖怪に法が適応されるのなら死刑にでもすればいいのかもしれない。しかし相手は自然災害に近い対処のしようがない妖怪。出現すれば討伐しか方法はない。故に、既にこの世にいない相手には法を適用することが出来ない。

 

 市民は負の感情のぶつけ先がどこにもないという状態のまま宙ぶらりんになって、妖怪発生当初からずっとストレスを溜め込んでいるようなもの。

 

 

 『お前がもっと早く来ないから!』『娘を返してぇぇぇ!』『この役立たず!』『お前たちがいなければ妖怪も現れなかった!』

 

 

 初めて現実で心無い罵声を浴びせられて、俺の心は萎えた。

 

 溜め込んでいた回復用の呪符は全て使い、攻撃用の呪符だってあるだけ持って行ったし、結界用の呪符だって在庫にはもう碌に残っていない。収支から考えれば完全にマイナス。これから在庫を回復する為にはもっと呪符生産の時間を増やさないといけないが、その為には霊力が足りない。

 

 黎明とセックスすればと考えたが、それにはそもそもセックスの時間が必要だから本末転倒というもの。

 

 つまり暫くは素寒貧の状態で次に備えなければならず、あの日以降ずっと呪符の生産と祈祷に時間を使っていた。

 

 そうでもしていなければすぐに頭に助けられなかった人の顔が目に浮かぶし、怒りに身を任せて罵倒してきた人々の顔が忘れられない。

 

 

「暮葉」

 

 

 視界が滲んでいる。お札にいくら書いても呪符にならないし、時間も紙も無駄にしている。

 

 けれど手を止めていられない。何かをしていなければ落ち着かない。もっと何か出来たのではないかという考えがぐるぐると頭の中で巡っては消えるループ状態になってしまうから。

 

 だから、俺は────

 

 

「暮葉ッッ!!」

 

「───れいめー?」

 

 

 はたと気づくと、目の前に黎明の顔があった。必死の形相で俺のことを見ている。

 

 どうしてそんなに辛そうなのだろうか。

 

 

「こんなことになるならお前を外に出すべきじゃなかった」

 

「…………」

 

「あのことなら話は聞いた。自分の身を自分で守れなかった奴らだ。死ぬ直前まで逃げるように言われていたのに携帯で撮影していたような奴だ。最下級なら自分でも倒せると自惚れた馬鹿な奴が死んだだけだ。暮葉が心を痛めるようなことはない」

 

「私が見たのは、お婆さんを助けようとして瓦礫の下敷きになっちゃった人だったよ」

 

「……そういう人もいるかもしれない。だけど、今の時代は自分の身は自分で守れなきゃ話にならないんだ。退魔師がいるから安心だなんて、そんなことがある訳がない」

 

 

 頭では分かっているが心が納得しない。彼らも緊急時にはどういった行動が推奨されているのかなどは周知されているはずで、それに従わないような人から順繰りに死んでいく。最適化の果てには適応出来ない人たちが淘汰されていくのは自然な流れとも言える。

 

 しかし、それでもやっぱりと考えてしまうのは仕方ないじゃないか。

 

 

「暮葉。ヤるぞ」

 

「……は?」

 

 

 流石に不謹慎だろ、と思うが黎明の顔はどこまでも真剣だった。

 

 ただ真剣に俺の心配をしているだけ。

 

 

「お前がヤりたい時は自分からって言ったんだぞ」

 

「いや、言ったけど。何もこんな時に……」

 

「こんな時だからヤるんだよ。頭空っぽにしてただただセックスのことだけ考えろよ。それから、さっさと寝るんだ」

 

 

 黎明は俺の体をひょいと抱えてそのまま専用部屋へと運んでいく。色々と反抗を試みたが霊力が空っぽなので全く力が出ない。

 

 されるがままに遂に部屋へと辿り着き、黎明は俺を優しくベッドに座らせると即座に衣服を剥がしにかかる。

 

 

「ちょ、ちょっとれいめー!?」

 

 

 今までは和服や巫女服、上着は脱いでも下着までは部分的にしかあまり脱いだことはなかった。

 

 黎明はその全てを剥がしにかかっていて、力尽くの不意打ちで禄に抵抗する暇もなく全ての衣服が剥ぎ取られてしまった。

 

 思えば彼の前で最後に完全な裸になったのはいつだったか、確か数年前に親に言われて一緒にお風呂に入ったのが最後だったはず。今はその時と違って肉体的にも成長はしている。

 

 黎明は隠すものがないありのままの姿の俺を見ている。

 

 突き刺さるようなその熱の籠った視線に、思わず視線から逃れようと体を腕で覆う。そうして視線を少し外した隙に近寄ってきた彼に腕を掴まれて無理やり引き寄せられた。

 

 

「ん゛ん゛っ!? ちゅっ……ちゅっ……んん゛っ! ……はぁっ……はぁ……」

 

「ファーストキスだったか?」

 

 

 啄むようなキスではあったがキスはキス。人生で今の今までやったことのない行為に胸の動悸が止まらない。

 

 それだけはしないとお互いに決めていたのに、まさかこんな時に一方的に約束を破られた。

 

 

「当たり前でしょ! きょ、兄妹でキスなんて……っ!」

 

 

 怒ってるという感情を思いきりぶつけているのに、当の本人はさして気にしてない。

 

 

「キスより凄いことをいつもやってるだろ」

 

「それとこれとは────ん゛っ! ちゅっ……じゅるっ……んぶっ!? したっ、いれなっ……ちゅるぅ……」

 

 

 所謂ディープキスというやつか。啄むようなものからお互いの口の中を貪るような暴力的な接吻行為。口を離そうとしても後頭部を支えられて逃げるに逃げられない状態だ。

 

 口を開けるまで舌で歯を何度もノックし、息が切れて空いてしまった口内へ舌が侵入すると、お互いの舌と舌が絡み合い、初めてだというのに何度逃げようとしても執拗に絡みついてくる。

 

 

「ぢゅるるる……ちゅっちゅっ……んっ……んっ……ぷはぁ……はぁ……はぁ……ちゅるっ」

 

 

 息遣いのタイミングまで完全に操られ、息継ぎが終わればまた再開される。

 

 次第にキス以外何も考えられないようにさせられ、ついに唾液を流し込まれた。

 

 自分の口の中の味ではない愛しい人の美味しい唾液とその匂いに、近くにある脳が強く揺さぶられような錯覚に陥った。

 

 ぷしゅっぷしゅっ

 

 がくがくと腰が震え、無意識に潮を吹く。

 

 気分はもう最高だった。鬼の唾液にも媚薬成分があることは知ったいたが、それは自分には関係はないと高をくくっていた。

 

 嫌なことなど忘れ、ただただ行為に没頭することがこれほど気持ちのいいことだったとは思いもしなかった。

 

 黎明は震える俺の腰を抱きかかえ、自分の体へと引き寄せる。

 

 隙間なく密着する体。互いに聞こえる高く鳴り響く心臓の音。汗に塗れた体がベタベタしている。気持ち悪いはずなのに胸は熱く高鳴っている。

 

 

「私さ……く、臭くない? ずっとお風呂入ってなかったし。や、やる前にお風呂に入りたいんだけどっ」

 

 

 距離が近いせいですんすんと鼻で息をすると、酸っぱいような汗臭さが精液の匂いとは別の興奮を催してくる。

 

 他人の男性の匂いを間近で嗅ぐなどという非日常。しかもお互いにぴったりと抱き合って至近距離という。

 

 それだけで何だか頭がクラクラしてきた。

 

 

「俺は好きな匂いだよ。暮葉の匂いは好きだし、良い匂いがする」

 

 

 背丈の関係で俺は彼の胸に顔を埋めていて、黎明は俺の髪に顔が近い。

 

 お風呂に入ることなく作業に没頭していたせいで良い匂いはしないはずだが、髪を掬い上げてすんすんと匂いを嗅がれては認めざるをえなかった。

 

 

「汗だって全く気にならないし……れろっ」

 

「ひゃあっ!? だ、だからって急に舐めたりしないでよ!」

 

 

 ポカポカと背中を叩くが、黎明は一向に体を舐めるのを止めてくれない。

 

 その内、自分の体が彼の唾液塗れになって彼の匂いをプンプン漂わせるような想像をしてしまい、心臓の辺りから熱が駆け上がってきた。

 

 首筋をひとしきり舐め終わったのか、黎明は耳元でそっと囁いた。

 

 

「入れるよ」

 

 

 コクンと無言で頷くと、黎明は俺の腰を掴んで少し持ち上げると秘所に一物を当てていた。

 

 度重なる開発でエッチをする時はすぐにトロトロに緩むようになってしまった秘所はずぶずぶと抵抗など感じさせずに奥まで受け入れる。先ほどまで抱き合っていた状況よりも更に密着した状態になっていた。

 

 

「んぁ……こんな奥までっ! すご……いっ……はぁ……はぁ……っ!」

 

 

 今回は俺を慰めるのが目的だからだろうか、挿入しても一向に動く気配がない。

 

 どうして動かないのかと視線で問おうとすると、黎明はこの答えを行動で返した。

 

 

「ん゛っ……!? んんっ……ちゅっちゅっ……」

 

 

 体勢上、仕方がないが俺の腕も足も彼の体の向こう側にある。その全てを使って黎明の体を強く抱きしめ、強すぎるキスの快楽にただただ抗い続ける。

 

 セックスが気持ちの良い行為だとしたら、キスは安心出来る行為だと俺は思う。

 

 頭が飛ぶような刺激的なものではないが、甘く溶かすような淫靡な味わいだ。

 

 どちらがより気持ち良いものかという問題ではない。

 

 

「ぢゅるっ……どうして、動かない……の? はぁ……はぁ……」

 

「今回は暮葉に気持ちよくなって欲しいから」

 

「いつも、キモチいいけど……?」

 

「そうじゃなくて、もっとちゃんと味わって欲しいなって」

 

 

 そこで気付いた。黎明も本当は激しい動きをしたいと思っているが、それをぐっと耐えていることを。

 

 膣内の一物がじれったい様子でびくんびくんと震え、触れている子宮口をつんつんと突いている。

 

 ピストン運動をしていては味わえない黎明の一物の形がはっきりと感じる。

 

 ただ荒れ狂う波に身を任せて快楽に飲まれるのではなく、ゆっくりと咀嚼するかの如く快楽を味わう為の行為。

 

 高級デザートをゆっくりと味わうかのように、急いで時間を使うことを勿体ないと言っているように腰を使わないで首筋や背中、お尻など、直接的に快楽を得る部分ではないところに手を這わせていく。

 

 

「……っ! んっ……その、触り方……えっちすぎ、ない……っ?」

 

「暮葉の体がどこを触ってもすべすべしてるからさ。それにモチモチ感も凄いし」

 

 

 胸は密着していて触れないので二の腕やお尻、そして太ももを揉みながら言う。

 

 太く大きな指や手のひらで体が弄られる度にジンジンとした鈍い快楽が体の奥底に溜まっていく。

 

 

「れいめーってお尻好き、んっ……だよね」

 

「丸々としててモッチリしてるところがね。それに、最初の頃から比べると肉付きが良くなってきたし」

 

「ふ、太ってるってこと?」

 

 

 最近になって気になりだした部分を指摘され、ガブッと肩を噛んで抵抗する。

 

 

「いてて……そうじゃなくて、暮葉が凄く女の子らしくなったなって」

 

 

 その言葉で何だか簡単に許せてしまう自分が憎い。

 

 謝罪の代わりに噛んでしまった部分を舌で舐めていると、黎明はお返しにと頭を撫でてくる。

 

 

「でも妹の発育をエロ目線で見てるのなんて、この世でれいめーくらいのものだけどね」

 

「あ、あはは…………それは申し訳ない」

 

 

 くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ

 

 軽口を叩きあいながらも俺の腰は少しずつ動き始めていた。

 

 

「でも仕方ないし、許してあげる」

 

「ありがとう。お礼と言ってはあれだけど、暮葉のことはこの先に何があったとしても絶対に俺が守るから」

 

「本当にお礼になってないし。こんな可愛い子とセックス出来るのと釣り合いが取れてなくない?」

 

 

 自分で言うか、と呆れられながらも否定はしない。そこらのアイドルよりも圧倒的に可愛い女の子とセックス出来るのが自分だけだという優越感は、セックスする際に興奮する材料としても格段に質の良いものだから。

 

 

「じゃあ、もっと気持ち良くなるっていうのは?」

 

 

 黎明は仰向けに倒れた。いつもは俺が下になることが多い、というより常に下だったのでこの体位は新鮮だ。

 

 彼の胸に体を預け、一物を抜くも抜かないも自分次第。

 

 

「んっ……!」

 

 

 刺激に耐えながら体を起こし、膝立になって何とか腰を立たせる。

 

 

「気持ち良く……っ! してくれる、んっ……じゃ。なかったの?」

 

「まずは自分で動くのが良いのかなと思って。ご自由にどうぞ?」

 

「へぇ……? その調子がいつまで続く、かなっ?」

 

 

 単純に膝立になるだけでは長すぎる一物を抜ききることは出来ない。少々恥ずかしいが股を大きく開いて開脚した状態で足の力で抜かなければならない。

 

 黎明の厚い胸板にドキドキしながら手を添えて、力の限り腰を浮かせる。

 

 

「んっ、キツ……っ! うぁ……っ! あっあっ……!」

 

 ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん

 

 黎明の全力ピストンと比べればなんと情けない音しか出ないこと。

 

 やってもらう側とやる側ではこうも違いがあるものか。

 

 自分で一物を引き抜こうとすると、膣にあるひだが一つ一つ絡みついて離さないような錯覚に陥り、意識がそこに集中している分より詳細に中がどうなっているのかが想像出来てしまい、それがまた興奮を掻き立てる。

 

 正直なところ、セックスをするだけならばこれだけでも十分に気持がいい。

 

 だがどこか物足りないところもあって、それを自分の力では再現できないことがとても悔しい。

 

 

「手を貸そうか?」

 

「も、もう少し……! 待って……っ!」

 

「じゃあ本当に手だけ貸すよ」

 

 

 胸元に置いていた手を取られ、指が互いに絡み合う恋人繋ぎになった。これも初めてのことで嬉しさと、恋人繋ぎという特定のシチュエーションに胸が高鳴っているのを感じて顔が熱くなっていく。

 

 黎明は手を下から押し上げ、俺の腰を浮かせようとする動作を手助けする。

 

 その支えもあって、最初は二割がいいとこだった抜け具合も七割、八割まで抜け切ることが出来た。

 

 

「やった! ふふんっ、どうよ!」

 

「じゃあ今度はまた埋めなきゃな」

 

「ひゅっ……!」

 

 

 今度は無慈悲にも手を下方向に引っ張られ、支えを失くした腰が一気に落下した。

 

 ずちゅんっ、ぷしゅっぷしゅっ

 

 

「あっ……! か、は……っ! い、いっちゃ……った……」

 

 

 それは反則と言いたいが、お腹の痙攣が止まらない限りは無理だ。

 

 足腰がびくんびくんと痙攣してしまい、再開するには少し時間がかかりそうだ。

 

 

「動けそうにないなら今度は俺が動くぞ」

 

「まっ────へっ!!??」

 

 

 腰を掴んで下からずんっと突き上げられる。

 

 

「お゛っ」

 

 

 衝撃で腰がふわっと持ち上がり、一物が反対に引っ張られると膣内がカリでゴリゴリと削られる。

 

 

「お゛っお゛っお゛っお゛っ!? これヤバいッ! 奥がコンコンって!」

 

 

 ぢゅどっ!ぢゅどっ!ぢゅどっ!ぢゅどっ!

 

 突き上げて引き抜き、浮いた腰が落ちてくるのを迎え撃つようにまた突き上げ。

 

 

「あ゛っあ゛っあ゛っ!! あ゛ぁ゛ぁ゛~! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~ッッ!!??」

 

 

 体重を上手く利用したこのループが繰り返され、先ほどまでのぴちゃぴちゃとした水音はぐちょぐちょに変わって大量の水気の音を密着させている股間の間から響かせる。

 

 

「もぉ、やすまひぇへ……っ! イきしゅぎへ……こぁいのぉ……っ!」

 

 

 何度も力尽きて黎明の体に倒れようとしたが、その度に繋ぎ合っている手のひらが倒れないように支えてきていた。

 

 その方が体重の乗りが良いからか、一物は突き刺さる度に勢いよく奥まで何度もノックし、その度に俺の股間からは愛液を垂れ流して潤滑液として彼の行為の為に身を捧げている。

 

 

 パンッパンッパンッパンッパンッパンッ

 

「んぎぃっ!? あんっ、あんっ!! あ゛っ、あ゛あ゛ぁ゛っ!!」

 

 

 もう何を言っても聞いてくれないので諦めて黙ってパンパンを受け入れる。

 

 黎明の身体能力によらない、体重を考慮した一律の間隔で突き上げる一物。

 

 

「れい、めーっ! れいめーはっ、きもちいーっ、のっ!?」

 

「あぁ! キツキツで気持ち良すぎて! 気を抜くとすぐ出そうに……なるっ!」

 

「手、つよく……っ! 握りすぎっ! はぁんっ!? あんっ!」

 

 

 彼の好き勝手に動いていいのならば終わり時は高速ピストンになって終わりを知らせてくれるのだが、この一定の動きでしかない突き上げはいつ終わるのかが変わらない不安感といつまでもやっていられる安心感がない交ぜになってどこまでも快楽のボルテージを上昇させていく。

 

 終わりは突如として訪れた。

 

 一定の快楽では満足出来なくなった黎明が手を離して腰を思いきり掴み、力任せに自分が気持ちよくなる為だけに俺をオナホのように扱い、高速ピストンを実行したのだ。

 

 

「あっあっあっあっあっあっあっあっあっ」

 

 

 連続して訪れる絶頂によって背筋や足がピンと真っすぐ伸びる。そのせいで最も深く一物が突き刺さる体勢になってしまい、下から突き上げられた衝撃が体を突き抜けて口から出ていくような激しい快楽に襲われる。

 

 パンパンパンッパンパンパンッパンパンパンパンパンパンッッ

 

 

「くっ……ぁ……っ! あ゛ぁ゛ぁ゛!あ゛ぁ゛ぁ゛!」

 

「出すぞ! 出る出る出るっ!」

 

「私もっ! いっ……くぅっ! いくいくいくっ! いくぅぅぅ~~~ッッ!!??」

 

 

 どぴゅるるるるるるる! どぴゅっどぴゅっ! ごぽっ……ごぽぉっ……

 

 互いの股間がぴっちりと隙間なくくっつき、肉の合間を縫って白濁液が溢れ出てくる。

 

 

「はぁ……はぁ……うぁ……」

 

 

 限界を向かえ、黎明の胸に倒れ込む。

 

 

「きもちよすぎへ……かりゃだ……うごきゃにゃいぃ」

 

「俺もちょっと、休憩……する……はぁ、はぁ……」

 

 

 お互いに限界まで昂ってからの絶頂は体力的にも激しく消費した。

 

 

「……暮葉」

 

「? んっ……ちゅっ」

 

 

 倒れた拍子に少し体位がズレたのか、すぐ近くにあった黎明の顔が唇を塞ぐ。

 

 最早、最初に抱いていたキスへの抵抗感もない。

 

 自分にとってキスというのは恋人同士が行うものであって、自分たちのようなセフレに近い関係には相応しくないと思っていたから。

 

 だから黎明にもキスだけは駄目だと言っていたし、もしも黎明に恋人が出来た時の為にファーストキスはとっておくべきだと説明していた。

 

 そのファーストキスを捧げてしまったということは、つまりはそういうことなのかもしれない。

 

 俺は別にセフレの関係でも良かった。

 

 心に男のモノが残っている俺では彼女としては相応しくないし、元々黎明の暴走を防ぐためにやっていた半ば義務的なところもあってそれ以上の関係にはならないと決めていたからだ。

 

 行為中の事故的なキスは仕方ないとしても、今回のものはどう考えても理性的に行われたことであり、その意味を知っていてやったことであることは疑いの余地はない。

 

 

「暮葉、俺と……」

 

「それ以上は駄目。その申し出は受け入れるけど、口に出しちゃダメ」

 

「そう……なのか?」

 

 

 例えその関係を受け入れたとしても、結局は黎明と俺は兄妹であることは変わらない。

 

 ならばお互いに暗黙の了解ということにして、公の立場ではあくまで兄妹としていなければならない。

 

 などと理由付けをしているが、実は自分がただ怖いだけである。

 

 もしもその関係になってしまったら、その次へ、更に次へとどんどん深みへとはまっていくような気がして。

 

 その先に何があるかなど、少しずつ"女"になっている自分ならばすぐに想像することが出来ることだったから。

 

 

「口にしないだけで、関係はいつも通りだから。気にしないで」

 

「暮葉がその方がいいなら俺は別にいいよ。暮葉は、俺のことよりも自分のことを優先して欲しい」

 

「れいめー……」

 

 

 じーんと鼻先が熱くなってきたところで、ずるっと鼻水が垂れてきた。

 

 お互いに汗まみれでいたから体が冷えてきたようだ。黎明も少し肌寒そうにしている。

 

 

「一緒に入ろっか、お風呂」

 

「いいのか?」

 

「鬼の体が丈夫だと言っても気を付けるに越したことはないし。私も早くこのベトベト落としたいから」

 

「そうじゃなくて」

 

 

 黎明が視線を下に落す。今は起き上がって向かい合っているから、必然的に視線は一物に向かう。

 

 むくりと起き上がった彼の息子はまだまだ収まる気配がない。

 

 テカテカに光る一物がびくんびくんと震え、その期待感をこちらに無言で伝えてくる。

 

 思わず唾をのみ、余裕を持って答えやる。

 

 

「…………まぁ、いいよ。その代わり、最後までちゃんとしよ?」

 

 

 体を寄せて、股間を肉棒にこすこすと当てる。

 

 我ながら女々しい行為だが、元男だからこそ男の好きそうな行為をすることが出来るという一面がある。そういうアドバンテージだと考えれば何も悪いことだけではないのかもしれないな。

 

 効果の程は、股間に触れている一物がビキビキビキッと一回り膨らんだから間違いない。

 

 

「っ! じゃあすぐに行くぞ!」

 

「ひゃあっ!?」

 

 

 ババッと俺を抱きかかえた黎明は後片付けする間もなくドアを開けて浴室へと向かう。俗にいうお姫様だっこというやつで。

 

 着替えは一応、こんなこともあろうかとすぐ近くの部屋に二人分の物を常備させてある。

 

 浴室にはローションもあるし、何なら黎明には内緒で買っていたマットも隠してある。

 

 それを教えてやったら鬼の力で一瞬で膨らまして、あまりにも必死な様子につい笑ってしまった。

 

 お互いの体の洗いっこをして、大体の汚れを落として体の洗浄もほどほどに始まった行為は結局朝方まで続き、日の光が届かない隔離部屋となった浴室では常に嬌声が反響してよく聞こえていた。

 

 ストレスの発散とは関係のない、自分たちの好きで始める行為。

 

 最初こそ慰めから始まった行為も次第も五回、六回と続けば本気以外の何物でもない。

 

 冷静な時だからこそ出来る様々な体位でお互いを貪りながら、ただただ快楽のみを求めた。

 

 終わった頃には悶々としていた葛藤は綺麗に消え去り、自分の問題の全てを黎明に委ねるというある種の現実逃避によって解決した。

 

 だけど、それでいいのかもしれないと思う。

 

 折角頼り甲斐のある兄が頼れと胸を張って言っているのだから、ここは甘えてあげるのが"女"というものだろう。

 

 その日は彼の胸に抱かれながら、どこまでも気持良く寝れるような気がした。

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